JP2004215724A - アイアンゴルフクラブヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のアイアンヘッドより遥かに反発性に富み、且つ強度、成形上の問題をクリアしたアイアンゴルフクラブヘッドを提供しようとするものである。
【解決手段】フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部を有するフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドにおいて、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としする。
【選択図】 図5
【解決手段】フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部を有するフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドにおいて、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としする。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアイアンゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クラブヘッドの反発性の向上を目的として、フェース部の内周角縁部を薄肉化すべく、フェース部とその周辺から後方に延びる後方延長部を有し、断面コ字形のフェース部材と、これに接合される後方部材からなるクラブヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、内周角縁部を薄肉にすることで、フェース部の拘束条件を弱め、フェース部の弾性を増そうとするものと考えられる。しかし、内周角縁部は打撃時に応力が集中しやすく、この部分を薄肉化することは強度上の問題も多い。更にアイアンヘッドの場合は、ソール側のフェース部と後方延長部のなす角度が鋭角のため、成形が困難である。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−1555943号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内周角縁部は打撃時に応力が集中しやすく、この部分を薄肉化することは強度上の問題も多い。更にアイアンヘッドの場合は、ソール側のフェース部と後方延長部のなす角度が鋭角のため、成形が困難である。更に、本願発明者らの研究によれば、内周角縁部を薄肉にしても反発性の向上は限られていた。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、より反発性に富み、且つ強度、成形上の問題をクリアしたアイアンゴルフクラブヘッドを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はアイアンゴルフクラブヘッドにかかるものであり、以下の手段よりなる。
1、フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部からなるフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としたことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
2、フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部とフェース部ヒール側から延びるネック部からなるフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としたことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
3、フェース部材は板材を加熱後、加圧して成形したことを特徴とする前記1乃至2に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
4、加熱温度が790〜890°Cであることを特徴とする前記3に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
5、フェース部材のトウ側は本体部材に嵌め込まれ、クラブヘッドのトウ側エッジ部は本体部材により構成されていることを特徴とする前記1乃至4に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
6、トップの後方部分から下方に延びる上背面部とソール部の後方部分から上方に延びる下背面部を有することを特徴とする前記1乃至5に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
7、トップ部又は上背面部の少なくとも一方の内面にリブを設けたことを特徴とする前記6に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【0007】
以下、上記手段によって得られる作用について説明する。
(1) 上記1の構成から以下の効果、作用が得られる。
A,本発明ではフェース部から後方に延びる延長部は上下のみでトウ側には無いため、フェース部材の成形、加工が容易である。また、アイアンヘッドのトウ側は特に複雑な曲面を有しており、成形が困難だと美観を損ねやすいが、本発明ではトウ側を加工方法を自由に選択できる本体部材で構成するため、美観を損なうおそれがない。
B,フェース部材は、従来例のように部分的に肉厚を変える必要は無く、フェース部と上下延長部を略均一肉厚であるため、板材を切断、曲げ加工するのみで成形が可能であり、製造コストの低下、強度の確保に有利である。
C,上下延長部の後方への長さを1.5mm以上とし、その後方に接合される本体部材を延長部より薄肉としたため、クラブヘッド全体としてみるとトップ部及びソール部のフェース部直後に幅1.5mm以上の薄肉部が存在することとなる。本願出願人が先に出願した特願第2000−012242号にて提案したとおり、これによってフェース部の拘束が弱まり、フェース部の弾性が向上することによって反発性が向上する。これを詳細に説明すると、フェース部は打撃時に弾性変形し、ヘッド本体をフェースの中心に向かって引っ張るが、ヘッド本体は剛性が高く、ほとんど変形しない。これがフェース部を拘束し、フェース部の弾性変形を阻害する。特にトップ側とソール側の上下方向は、トウ側ヒール側の左右方向に比べ、フェースの寸法が小さいため、これが顕著である。本願発明はトウ側とソール側の本体部フェース直後部分を薄肉にしたため、ヘッド本体のトウ側とソール側が近づく方向に弾性変形することでフェースの弾性変形を促進する。これは従来のフェース内周角縁部を薄肉化する方法では起こりえない作用である。
(2)上記2の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,フェース部材とネック部を一体の部材としたため、ネック部とフェース部の関係でありゴルフクラブヘッドにおいて最も重要なロフト角やライ角、フェースプログレッションの再現性が高まる。接合を行うと、接合位置・方向にバラツキが生じ、ネック部とフェース部の位置、角度関係にバラツキが生じ、前記ロフト角などにバラツキが生じてしまう。本願は、接合によるバラツキが生じないため、品質精度を高めることが出来る。なお、上記1で得られる効果、作用は、上記2の構成でも全く同じに得られる。
(3)上記3の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,板材を加圧し、塑性加工して得られるフェース部材は、材料強度を最大限引き出すことができ、更に肉厚も安定し品質の安定につながる。本願発明者らの研究によれば、フェース部のトップ側及びソール側の後方にかけては、フェース部中央付近について大きな応力が発生するところ、板材を塑性加工した部材は内部の組織が密であり材料強度を最大限引き出せることから、フェース部材の強度確保を図るものである。
B,アイアンヘッドのフェース部からソール部にかけては鋭角になっており、フェース部材を塑性加工で行うのは難しい。そこで、材料の延び特性が十分大きくなる温度まで加熱した後、塑性加工を行うものである。
(4)上記4の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,本願発明者らの試験によれば、790〜890°Cに加熱すると、材料は非常に延びやすくなり、鋭角部を有するアイアンヘッドのフェース部材であっても塑性加工が可能となる。これより温度が低いと鋭角部に割れが発生してしまう。加工効果により加工中に材料の硬度が大きくなると共に材料の延び特性が低下してしまい、更に加工を加えることによって割れてしまうものと考えられる。また、逆に温度が高すぎると材料が劣化し、加工後の部材強度が低下するおそれがある。試験の詳細については後述する。
(5)上記5の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,フェース部材のトウ側をヘッド本体部材に嵌め込み、クラブヘッドのトウ部は全てヘッド本体で構成することにより、トウ部の形状、美観を向上させることができる。フェース部材に用いる組成加工は、部材強度を高めるには有効だが、複雑な形状の成形には不適であり、複雑な曲面から構成されるアイアンヘッドのトウ部を成形するのは難しい。対し、ヘッド本体はフェーズ部材ほど高強度を要求されないため、複雑な成形が可能な鋳造、その他の製法を自由に選択できる。そこで、複雑な曲面からなるアイアンヘッドのトウ部は鋳造等の製法を自由に選択できる本体部で構成することで、アイアンヘッドの形状、美観を向上させることができる。
(6)上記6の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,上背面部と下背面部を設けることで、ヘッド全体としての剛性、特にヘッド全体のねじれに対する剛性を高め、フェース部の弾性変形を増し、反発性をより向上させることができる。ヘッド全体の剛性が低いと、ヘッド全体が曲げたり、ねじれたりしてしまい、フェース部が凹むような弾性変形が起こらなくなり、反発性が低下してしまうからである。
(7)上記7の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,(6)に記載したヘッド全体の剛性を更に高め、反発性を向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、本願発明の実施の形態について、その構造と説明する。図1、2は従来のアイアンヘッドの正面図と背面斜視図である。本願発明は正面形状に特徴を有するものではないので、正面については図1と同様の形状とすることができる。本願発明の正面形状を図1と同様にした場合に、図1のA−A’線での断面図が図3であって、本願発明の実施の形態の一例を示すものである。従来のアイアンヘッドは図8のようにフェース部1が厚肉のトップ部2とソール部3に接合されているが、本願発明はフェース部1がフェース部1と略同等の肉厚を有する上延長部11Aと下延長部11Bを通じて本体部材20に接合されるため、図9に示すような弾性変形が可能となり、フェースが撓み易くなることから反発性が向上する。図10に上下延長部11Aと11Bの長さL、即ちフェース部1直後の薄肉部の長さとボールを打撃した場合の反発係数の関係を示すとおり、延長部の長さLは1.5mm以上とするのが好適であり、その場合、従来のアイアンヘッドに比べ、大幅な反発性の向上が得られる。
【0009】
図4は同様に本願発明の他の実施の形態の一例を示す断面図であり、本体部材20の上背面部7Aにリブが設けられている。リブを設けることにより、本体部材の上部の剛性を高め、打撃時にヘッド全体が弾性変形することを防止し、フェース部のみの弾性変形をより促進するものである。
【0010】
図5は、本願発明のフェース部材10と本体部材20を接合する前の状態の一例を示す斜視図である。フェース部材10はフェース部1、上延長部11Aと下延長部11Bからなり、他の部分を構成する本体部材20と接合される。フェース部材のトウ側には後方に延びる延長部を設けないのが好適である。フェース部材は縦寸法に比べ、横寸法が十分大きく、トウ側に延長部を設けてもフェースの弾性向上に寄与するとは考えにくい。また、フェース部材を曲げ加工して複雑なトウ側輪郭を成形するのが困難だからである。図6のように、フェース部1のトウ側部分を、比較的自由に成形方法を選択できるヘッド本体側で構成してしまうのも好適である。
【0011】
また、上延長部11Aとの接合部近傍には凸部22が設けられ、上延長部11Aと凸部22の間に溝が出来る。この溝は、接合時に生じるビードを貯める部分であり、凸部22によってビードが隠される。本体部20の接合部ヒール側には、フェース部材10の背面に接して接合されるヒール側受け21Dが設けられる。これもビードを隠す役割を果たす他、フェース部材10と本体部材20を組み合わせた際の位置決めを容易にし、接合精度を高めることができる。図6のように、フェースのトウ側部分を本体部材で構成する場合は、こちらにもトウ側受け21Cを設けるのも好適である。図7は、フェース部1、上延長部11A、下延長部11Bとネック部6からなるフェース部材10に本体部材20を組み合わせる例であり、その他は図5に示す例と同様である。
【0012】
以下、製造方法について説明する。フェース部材10に使用する材料は、析出硬化型マルテンサイトステンレス鋼、例えばSUS440、632、マルエージング鋼、特に18Ni系マルエージング鋼、チタン合金、例えばTi−6Al−4V、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15V−6Cr−4Al、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Moなどが考えられる。接合方法に問題はあるものの、FRP、FRTPも可能性がある。
【0013】
成形方法は、板状の材料を切り抜き、塑性加工で上下を曲げ、必要があれば周囲を研磨或いは機械加工して形を整える方法と、ブロック状の材料から機械加工によりフェース部材を削りだす方法が考えられる。図5、図6の構造をとる場合は塑性加工、図7の構造をとる場合には削りだしが有利と考えられるが、それに限られるものではない。フェース部1の肉厚は均一とするのがコスト上、有利であり、反発性向上のためには周縁部に比べて中央部をやや薄肉にすることも考えられる。ボール打撃時に最も変位の大きい中央部の質量を減ずることで慣性が小さくなり、よりフェースが撓み易くなるからである。この観点からすると、フェーズ部材はより比重の小さな材料が有利であるが、強度との関係もあるので比強度の高い材料が有利と言える。
【0014】
以下、18Ni系マルエージング鋼を採用し、図5の構造のフェース部材を加工する場合について説明する。まずは圧延により製造された肉厚2mmの板材から、図11のようにフェース部材形状に切り出す。次にこれを加熱した後、プレスして上下延長部11A、11Bを曲げ加工する。加熱が不十分だと曲げ部分で割れが発生したり、曲げ部分が薄肉になったりするので、試験の上、適切な温度を設定すべきである。本実施例において本願発明者らが試験した結果は下記表1の通りであり、790〜890°Cであれば割れずに曲げか可能と考えられた。更に詳細に調べた結果、790〜820°Cでは曲げ部分が薄肉になっていた。また、材料は高温にさらされると組織が変化し、特性が劣化するおそれもあるので、820〜840°Cが最適な加熱温度と考えられた。
【0015】
【表1】
【0016】
図12に示すように、フェース部1と下延長部11Bのなす角度θは鋭角、いわゆるアンダーになっており、プレスで曲げ加工するのが困難である。これを回避するには、まずアイアンヘッド、特にソール部分の形状を工夫して、θがなるべく90°に近い角度になるようにすることである。わずかなアンダーであれば、プレス加工が出来る場合もある。それでも不可能な場合は、上延長部11Aと下延長部11Bを分けてプレス加工する、若しくは上延長部11Aを曲げると同時に、下延長部11Bもある程度曲げ、その後下延長部11Bのみ再度曲げ加工する方法が考えられる。ソール形状を工夫して一度のプレスで成形可能であれば加工工数の点で有利であり、2度の加工を行う場合は形状の制約が小さい点で有利である。
【0017】
曲げ加工の後、上延長部11Aの端面13A、下延長部11Bの端面13BにNC加工などを加え、精度良く所定の形状にする。これら端面はヘッド本体20に接する接合部になるが、接合部の形状、クリアランスの大きさは接合強度に大きく影響するため、非常に高い精度が要求される。しかし、最初の切り抜きやプレスによる曲げ加工により、延長部の長さLや端面の形状に発生するばらつきを防ぐのは困難である。よってフェース部材加工の最後にこの部分を整えるものである。
【0018】
次に本体部材20であるが、これはフェース部材ほど強度を要求されないので、多様な材料、成形方法を選択できる。ただし、フェース部材10と接合する面は前述のように高精度が要求されるため、NC加工等を加えることが望ましい。本実施例の場合は、アイアンヘッドで最も一般的に用いられているSUS630を使用し、鋳造により成形した後、研磨を行って全体的に形を整えた後、接合部にNC加工を加えた。フェース部材10と本体部材20は、溶接をしやすい同系の材料とするのが最も容易だが、例えばフェース部材10にTi合金、本体部材に鉄系部材等の異種材料を組み合わせ、ろう付け又はかしめやピン止めなどの機械的接合とろう付けを併用することも可能である。
【0019】
本実施例では、次にフェース部材10を熱処理した後、本体部材20とレーザー溶接にて接合した。一般的なTIG溶接等では、部材の広範囲に熱が加えられるため、その熱により材料の特性が変わってしまう。従って、接合を行ったのち、必要な特性を得るための熱処理を行わねばならない。ところが、レーザー溶接や電子ビーム溶接の場合、接合部の極近傍のみに集中して加熱されるため、部材の他の部分にはその熱影響が出ない。そこで、接合前に行った熱処理による効果が保持される。熱処理をフェース部材のみで行うため、熱処理コストの低減を図ることができ、熱処理によって逆に接合部に悪影響がでることも回避できる。
【0020】
尚、本発明のアイアンゴルフクラブヘッドは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜7記載のアイアンゴルフクラブヘッドによれば、反発係数0.8以上という従来のアイアンヘッドに比べてはるかに優れる反発性を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイアンヘッドの正面図
【図2】従来のアイアンヘッドの背面斜視図
【図3】本願発明の一実施例のA−A’線断面図
【図4】他の実施例のA−A’線断面図
【図5】請求項1に記載された発明の実施例の斜視図
【図6】請求項5に記載された発明の実施例の斜視図
【図7】請求項2に記載された発明の実施例の斜視図
【図8】従来のアイアンヘッドのA−A’線断面図
【図9】本願発明における打撃時のフェース部のたわみを示す模式図
【図10】延長部の長さLと反発係数の関係を示すグラフ
【図11】曲げ加工する前のフェース部材を示す平面図
【図12】フェース部材の断面図
【符号の説明】
1:フェース部
2:トップ部
3:ソール部
4:トウ部
5:ヒール部
6:ネック部
7A:上背面部
7B:下背面部
10:フェース部材
11A:上延長部
11B:下延長部
12:リブ
13A:上端面
13B:下端面
20:本体部材
21C:トウ側受け
21D:ヒール側受け
22:凸部
L:延長部の長さ
【発明の属する技術分野】
本発明はアイアンゴルフクラブヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クラブヘッドの反発性の向上を目的として、フェース部の内周角縁部を薄肉化すべく、フェース部とその周辺から後方に延びる後方延長部を有し、断面コ字形のフェース部材と、これに接合される後方部材からなるクラブヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、内周角縁部を薄肉にすることで、フェース部の拘束条件を弱め、フェース部の弾性を増そうとするものと考えられる。しかし、内周角縁部は打撃時に応力が集中しやすく、この部分を薄肉化することは強度上の問題も多い。更にアイアンヘッドの場合は、ソール側のフェース部と後方延長部のなす角度が鋭角のため、成形が困難である。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−1555943号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、内周角縁部は打撃時に応力が集中しやすく、この部分を薄肉化することは強度上の問題も多い。更にアイアンヘッドの場合は、ソール側のフェース部と後方延長部のなす角度が鋭角のため、成形が困難である。更に、本願発明者らの研究によれば、内周角縁部を薄肉にしても反発性の向上は限られていた。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、より反発性に富み、且つ強度、成形上の問題をクリアしたアイアンゴルフクラブヘッドを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はアイアンゴルフクラブヘッドにかかるものであり、以下の手段よりなる。
1、フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部からなるフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としたことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
2、フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部とフェース部ヒール側から延びるネック部からなるフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としたことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
3、フェース部材は板材を加熱後、加圧して成形したことを特徴とする前記1乃至2に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
4、加熱温度が790〜890°Cであることを特徴とする前記3に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
5、フェース部材のトウ側は本体部材に嵌め込まれ、クラブヘッドのトウ側エッジ部は本体部材により構成されていることを特徴とする前記1乃至4に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
6、トップの後方部分から下方に延びる上背面部とソール部の後方部分から上方に延びる下背面部を有することを特徴とする前記1乃至5に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
7、トップ部又は上背面部の少なくとも一方の内面にリブを設けたことを特徴とする前記6に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
【0007】
以下、上記手段によって得られる作用について説明する。
(1) 上記1の構成から以下の効果、作用が得られる。
A,本発明ではフェース部から後方に延びる延長部は上下のみでトウ側には無いため、フェース部材の成形、加工が容易である。また、アイアンヘッドのトウ側は特に複雑な曲面を有しており、成形が困難だと美観を損ねやすいが、本発明ではトウ側を加工方法を自由に選択できる本体部材で構成するため、美観を損なうおそれがない。
B,フェース部材は、従来例のように部分的に肉厚を変える必要は無く、フェース部と上下延長部を略均一肉厚であるため、板材を切断、曲げ加工するのみで成形が可能であり、製造コストの低下、強度の確保に有利である。
C,上下延長部の後方への長さを1.5mm以上とし、その後方に接合される本体部材を延長部より薄肉としたため、クラブヘッド全体としてみるとトップ部及びソール部のフェース部直後に幅1.5mm以上の薄肉部が存在することとなる。本願出願人が先に出願した特願第2000−012242号にて提案したとおり、これによってフェース部の拘束が弱まり、フェース部の弾性が向上することによって反発性が向上する。これを詳細に説明すると、フェース部は打撃時に弾性変形し、ヘッド本体をフェースの中心に向かって引っ張るが、ヘッド本体は剛性が高く、ほとんど変形しない。これがフェース部を拘束し、フェース部の弾性変形を阻害する。特にトップ側とソール側の上下方向は、トウ側ヒール側の左右方向に比べ、フェースの寸法が小さいため、これが顕著である。本願発明はトウ側とソール側の本体部フェース直後部分を薄肉にしたため、ヘッド本体のトウ側とソール側が近づく方向に弾性変形することでフェースの弾性変形を促進する。これは従来のフェース内周角縁部を薄肉化する方法では起こりえない作用である。
(2)上記2の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,フェース部材とネック部を一体の部材としたため、ネック部とフェース部の関係でありゴルフクラブヘッドにおいて最も重要なロフト角やライ角、フェースプログレッションの再現性が高まる。接合を行うと、接合位置・方向にバラツキが生じ、ネック部とフェース部の位置、角度関係にバラツキが生じ、前記ロフト角などにバラツキが生じてしまう。本願は、接合によるバラツキが生じないため、品質精度を高めることが出来る。なお、上記1で得られる効果、作用は、上記2の構成でも全く同じに得られる。
(3)上記3の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,板材を加圧し、塑性加工して得られるフェース部材は、材料強度を最大限引き出すことができ、更に肉厚も安定し品質の安定につながる。本願発明者らの研究によれば、フェース部のトップ側及びソール側の後方にかけては、フェース部中央付近について大きな応力が発生するところ、板材を塑性加工した部材は内部の組織が密であり材料強度を最大限引き出せることから、フェース部材の強度確保を図るものである。
B,アイアンヘッドのフェース部からソール部にかけては鋭角になっており、フェース部材を塑性加工で行うのは難しい。そこで、材料の延び特性が十分大きくなる温度まで加熱した後、塑性加工を行うものである。
(4)上記4の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,本願発明者らの試験によれば、790〜890°Cに加熱すると、材料は非常に延びやすくなり、鋭角部を有するアイアンヘッドのフェース部材であっても塑性加工が可能となる。これより温度が低いと鋭角部に割れが発生してしまう。加工効果により加工中に材料の硬度が大きくなると共に材料の延び特性が低下してしまい、更に加工を加えることによって割れてしまうものと考えられる。また、逆に温度が高すぎると材料が劣化し、加工後の部材強度が低下するおそれがある。試験の詳細については後述する。
(5)上記5の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,フェース部材のトウ側をヘッド本体部材に嵌め込み、クラブヘッドのトウ部は全てヘッド本体で構成することにより、トウ部の形状、美観を向上させることができる。フェース部材に用いる組成加工は、部材強度を高めるには有効だが、複雑な形状の成形には不適であり、複雑な曲面から構成されるアイアンヘッドのトウ部を成形するのは難しい。対し、ヘッド本体はフェーズ部材ほど高強度を要求されないため、複雑な成形が可能な鋳造、その他の製法を自由に選択できる。そこで、複雑な曲面からなるアイアンヘッドのトウ部は鋳造等の製法を自由に選択できる本体部で構成することで、アイアンヘッドの形状、美観を向上させることができる。
(6)上記6の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,上背面部と下背面部を設けることで、ヘッド全体としての剛性、特にヘッド全体のねじれに対する剛性を高め、フェース部の弾性変形を増し、反発性をより向上させることができる。ヘッド全体の剛性が低いと、ヘッド全体が曲げたり、ねじれたりしてしまい、フェース部が凹むような弾性変形が起こらなくなり、反発性が低下してしまうからである。
(7)上記7の構成からは以下の効果、作用が得られる。
A,(6)に記載したヘッド全体の剛性を更に高め、反発性を向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
まず、本願発明の実施の形態について、その構造と説明する。図1、2は従来のアイアンヘッドの正面図と背面斜視図である。本願発明は正面形状に特徴を有するものではないので、正面については図1と同様の形状とすることができる。本願発明の正面形状を図1と同様にした場合に、図1のA−A’線での断面図が図3であって、本願発明の実施の形態の一例を示すものである。従来のアイアンヘッドは図8のようにフェース部1が厚肉のトップ部2とソール部3に接合されているが、本願発明はフェース部1がフェース部1と略同等の肉厚を有する上延長部11Aと下延長部11Bを通じて本体部材20に接合されるため、図9に示すような弾性変形が可能となり、フェースが撓み易くなることから反発性が向上する。図10に上下延長部11Aと11Bの長さL、即ちフェース部1直後の薄肉部の長さとボールを打撃した場合の反発係数の関係を示すとおり、延長部の長さLは1.5mm以上とするのが好適であり、その場合、従来のアイアンヘッドに比べ、大幅な反発性の向上が得られる。
【0009】
図4は同様に本願発明の他の実施の形態の一例を示す断面図であり、本体部材20の上背面部7Aにリブが設けられている。リブを設けることにより、本体部材の上部の剛性を高め、打撃時にヘッド全体が弾性変形することを防止し、フェース部のみの弾性変形をより促進するものである。
【0010】
図5は、本願発明のフェース部材10と本体部材20を接合する前の状態の一例を示す斜視図である。フェース部材10はフェース部1、上延長部11Aと下延長部11Bからなり、他の部分を構成する本体部材20と接合される。フェース部材のトウ側には後方に延びる延長部を設けないのが好適である。フェース部材は縦寸法に比べ、横寸法が十分大きく、トウ側に延長部を設けてもフェースの弾性向上に寄与するとは考えにくい。また、フェース部材を曲げ加工して複雑なトウ側輪郭を成形するのが困難だからである。図6のように、フェース部1のトウ側部分を、比較的自由に成形方法を選択できるヘッド本体側で構成してしまうのも好適である。
【0011】
また、上延長部11Aとの接合部近傍には凸部22が設けられ、上延長部11Aと凸部22の間に溝が出来る。この溝は、接合時に生じるビードを貯める部分であり、凸部22によってビードが隠される。本体部20の接合部ヒール側には、フェース部材10の背面に接して接合されるヒール側受け21Dが設けられる。これもビードを隠す役割を果たす他、フェース部材10と本体部材20を組み合わせた際の位置決めを容易にし、接合精度を高めることができる。図6のように、フェースのトウ側部分を本体部材で構成する場合は、こちらにもトウ側受け21Cを設けるのも好適である。図7は、フェース部1、上延長部11A、下延長部11Bとネック部6からなるフェース部材10に本体部材20を組み合わせる例であり、その他は図5に示す例と同様である。
【0012】
以下、製造方法について説明する。フェース部材10に使用する材料は、析出硬化型マルテンサイトステンレス鋼、例えばSUS440、632、マルエージング鋼、特に18Ni系マルエージング鋼、チタン合金、例えばTi−6Al−4V、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15V−6Cr−4Al、Ti−4.5Al−3V−2Fe−2Moなどが考えられる。接合方法に問題はあるものの、FRP、FRTPも可能性がある。
【0013】
成形方法は、板状の材料を切り抜き、塑性加工で上下を曲げ、必要があれば周囲を研磨或いは機械加工して形を整える方法と、ブロック状の材料から機械加工によりフェース部材を削りだす方法が考えられる。図5、図6の構造をとる場合は塑性加工、図7の構造をとる場合には削りだしが有利と考えられるが、それに限られるものではない。フェース部1の肉厚は均一とするのがコスト上、有利であり、反発性向上のためには周縁部に比べて中央部をやや薄肉にすることも考えられる。ボール打撃時に最も変位の大きい中央部の質量を減ずることで慣性が小さくなり、よりフェースが撓み易くなるからである。この観点からすると、フェーズ部材はより比重の小さな材料が有利であるが、強度との関係もあるので比強度の高い材料が有利と言える。
【0014】
以下、18Ni系マルエージング鋼を採用し、図5の構造のフェース部材を加工する場合について説明する。まずは圧延により製造された肉厚2mmの板材から、図11のようにフェース部材形状に切り出す。次にこれを加熱した後、プレスして上下延長部11A、11Bを曲げ加工する。加熱が不十分だと曲げ部分で割れが発生したり、曲げ部分が薄肉になったりするので、試験の上、適切な温度を設定すべきである。本実施例において本願発明者らが試験した結果は下記表1の通りであり、790〜890°Cであれば割れずに曲げか可能と考えられた。更に詳細に調べた結果、790〜820°Cでは曲げ部分が薄肉になっていた。また、材料は高温にさらされると組織が変化し、特性が劣化するおそれもあるので、820〜840°Cが最適な加熱温度と考えられた。
【0015】
【表1】
【0016】
図12に示すように、フェース部1と下延長部11Bのなす角度θは鋭角、いわゆるアンダーになっており、プレスで曲げ加工するのが困難である。これを回避するには、まずアイアンヘッド、特にソール部分の形状を工夫して、θがなるべく90°に近い角度になるようにすることである。わずかなアンダーであれば、プレス加工が出来る場合もある。それでも不可能な場合は、上延長部11Aと下延長部11Bを分けてプレス加工する、若しくは上延長部11Aを曲げると同時に、下延長部11Bもある程度曲げ、その後下延長部11Bのみ再度曲げ加工する方法が考えられる。ソール形状を工夫して一度のプレスで成形可能であれば加工工数の点で有利であり、2度の加工を行う場合は形状の制約が小さい点で有利である。
【0017】
曲げ加工の後、上延長部11Aの端面13A、下延長部11Bの端面13BにNC加工などを加え、精度良く所定の形状にする。これら端面はヘッド本体20に接する接合部になるが、接合部の形状、クリアランスの大きさは接合強度に大きく影響するため、非常に高い精度が要求される。しかし、最初の切り抜きやプレスによる曲げ加工により、延長部の長さLや端面の形状に発生するばらつきを防ぐのは困難である。よってフェース部材加工の最後にこの部分を整えるものである。
【0018】
次に本体部材20であるが、これはフェース部材ほど強度を要求されないので、多様な材料、成形方法を選択できる。ただし、フェース部材10と接合する面は前述のように高精度が要求されるため、NC加工等を加えることが望ましい。本実施例の場合は、アイアンヘッドで最も一般的に用いられているSUS630を使用し、鋳造により成形した後、研磨を行って全体的に形を整えた後、接合部にNC加工を加えた。フェース部材10と本体部材20は、溶接をしやすい同系の材料とするのが最も容易だが、例えばフェース部材10にTi合金、本体部材に鉄系部材等の異種材料を組み合わせ、ろう付け又はかしめやピン止めなどの機械的接合とろう付けを併用することも可能である。
【0019】
本実施例では、次にフェース部材10を熱処理した後、本体部材20とレーザー溶接にて接合した。一般的なTIG溶接等では、部材の広範囲に熱が加えられるため、その熱により材料の特性が変わってしまう。従って、接合を行ったのち、必要な特性を得るための熱処理を行わねばならない。ところが、レーザー溶接や電子ビーム溶接の場合、接合部の極近傍のみに集中して加熱されるため、部材の他の部分にはその熱影響が出ない。そこで、接合前に行った熱処理による効果が保持される。熱処理をフェース部材のみで行うため、熱処理コストの低減を図ることができ、熱処理によって逆に接合部に悪影響がでることも回避できる。
【0020】
尚、本発明のアイアンゴルフクラブヘッドは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の請求項1〜7記載のアイアンゴルフクラブヘッドによれば、反発係数0.8以上という従来のアイアンヘッドに比べてはるかに優れる反発性を実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイアンヘッドの正面図
【図2】従来のアイアンヘッドの背面斜視図
【図3】本願発明の一実施例のA−A’線断面図
【図4】他の実施例のA−A’線断面図
【図5】請求項1に記載された発明の実施例の斜視図
【図6】請求項5に記載された発明の実施例の斜視図
【図7】請求項2に記載された発明の実施例の斜視図
【図8】従来のアイアンヘッドのA−A’線断面図
【図9】本願発明における打撃時のフェース部のたわみを示す模式図
【図10】延長部の長さLと反発係数の関係を示すグラフ
【図11】曲げ加工する前のフェース部材を示す平面図
【図12】フェース部材の断面図
【符号の説明】
1:フェース部
2:トップ部
3:ソール部
4:トウ部
5:ヒール部
6:ネック部
7A:上背面部
7B:下背面部
10:フェース部材
11A:上延長部
11B:下延長部
12:リブ
13A:上端面
13B:下端面
20:本体部材
21C:トウ側受け
21D:ヒール側受け
22:凸部
L:延長部の長さ
Claims (7)
- フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部からなるフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としたことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
- フェース部と前記フェース部の上端から後方に延びてトップ部の前方部を構成する上延長部とフェース部の下端から後方に延びてソール部の前方部を構成する下延長部とフェース部ヒール側から延びるネック部からなるフェース部材と、クラブヘッドの後方部を構成する1又は2以上の部品よりなる本体部材を接合してなるアイアンゴルフクラブヘッドであって、前記上延長部の肉厚tu及び前記下延長部の肉厚tdは前記フェース部の肉厚tfと略同一であり、前記本体部材の前記上延長部に接する部分の肉厚Tu及び前記本体部材の下前記延長部に接する部分の肉厚Tdは夫々前記tu、tdより大きく、前記上延長部のフェース背面から後方への長さlu及び前記下延長部のフェース背面から後方への長さldは1.5mm以上としたことを特徴とするアイアンゴルフクラブヘッド。
- フェース部材は板材を加熱後、加圧して成形したことを特徴とする請求項1乃至2に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
- 加熱温度が790〜890°Cであることを特徴とする請求項3に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
- フェース部材のトウ側は本体部材に嵌め込まれ、クラブヘッドのトウ側エッジ部は本体部材により構成されていることを特徴とする請求項1乃至4に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
- トップの後方部分から下方に延びる上背面部とソール部の後方部分から上方に延びる下背面部を有することを特徴とする請求項1乃至5に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
- トップ部又は上背面部の少なくとも一方の内面にリブを設けたことを特徴とする請求項6に記載のアイアンゴルフクラブヘッド。
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