JP3859857B2 - 低臭気硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スチレンを含まない低臭気硬化性樹脂組成物に関するものであり、とくに防食材、防水材、床材等の各種ライニング材やFRP成形品、塗料、パテ、接着剤等の用途に供される低臭気硬化性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ビニルエステル樹脂は、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐熱性等に優れた材料であり、FRP製タンクや防水材、防食材としての各種ライニング材、パテ材、接着剤などの耐食用途に広く使用されている。
【0003】
しかし、耐食用途のビニルエステル樹脂には重合性モノマ−としてスチレンが含まれている。スチレンは不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂の架橋材として非常に優れた性質を有するが、揮発性が高くその臭気は非常に強い。そのためにスチレンは労働安全衛生法の第2種有機溶剤及び悪臭防止法の指定物質となっている。とくに、スチレン臭気は市街地での作業や臭気を嫌う食品工場の施工、換気が充分に行えない場所での施工に大きな障害となっている。
【0004】
これらスチレン臭気対策として、スチレンの含有量を低減する方法や、特殊な添加剤を配合してスチレンの揮発量を低減する方法が取られているが、いずれもスチレンを含む樹脂であることから臭気に対する根本的な解決には至っていない。かかる現状から、スチレンを全く含まない耐食用途に使用できるビニルエステル樹脂の出現が強く望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ビニルエステル樹脂が有する特性を保持し、前記の従来技術の問題を解決したスチレンを含まない低臭気硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、下記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D’)成分とからなるビニルエステル(E)を、重合性(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気硬化性樹脂組成物を提供するものである。
(A)成分:25℃の粘度が1000mpa・s以下であり、かつ分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(A)。
(B)成分:25℃の粘度が1000mpa・sを超え、エポキシ当量が500以下であり、かつ分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)(但し、前記エポキシ化合物の当量比は(A):(B)=10〜90:90〜10である)。
(C)成分:不飽和一塩基酸(C)。
(D’)成分:テトラヒドロ無水フタル酸または無水フタル酸と、トリメチロールプロパンジアリルエーテルとの反応で得られる半エステルカルボン酸。
また本発明は、前記(C)成分及び前記(D’)成分の当量比が、(C):(D’)=80〜20:20〜80である前記の低臭気硬化性樹脂組成物を提供するものである。
さらに本発明は、重合性(メタ)アクリレート(F)の蒸気圧(mmHg/20℃)が0.1以下であり、かつ25℃の粘度が100mpa・s以下である前記の低臭気硬化性樹脂組成物を提供するものである。
さらにまた本発明は、更にワックスが配合される前記の低臭気硬化性樹脂組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
エポキシ化合物(A)
エポキシ化合物(A)は、25℃の粘度が1000mpa・s以下であり、かつ分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するものである。
その例としては、ネオペンチルグレコ−ルジグリシジルエ−テル、1,6−ヘキサンジオ−ルジグリシジルエ−テル、エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、プロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、ポリプロピレングリコ−ルジグリシジルエ−テル、レゾルシンジグリシジルエ−テル等が挙げられ、これらは併用してもよい。
【0008】
エポキシ化合物(B)
エポキシ化合物(B)は、25℃の粘度が1000mpa・sを超え、エポキシ当量が500以下であり、かつ分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するものである。
その例としては、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂等の公知のエポキシ樹脂が挙げられ、これらは併用してもよい。市販されているものも使用でき、例えばビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂であるエピクロン830(大日本インキ化学工業社製)、ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂であるエポミックR301(三井石油化学工業社製)、ビスフェノ−ルF型エポキシ樹脂であるエポトートYDF170(東都化成社製)、臭素化ビスフェノ−ル型エポキシ樹脂であるエピクロン152(大日本インキ化学工業社製)、フェノ−ルノボラック型エポキシ樹脂であるエピクロンN740(大日本インキ化学工業社製)等が挙げられる。
【0009】
不飽和一塩基酸(C)としては、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられ、これらは併用してもよい。
【0010】
(D’)成分としては、トリメチロールプロパンジアリルエーテルと、テトラヒドロ無水フタル酸または無水フタル酸との反応で得られる半エステルカルボン酸である。
【0011】
ビニルエステル(E)の製造に使用されるエポキシ化合物は、エポキシ化合物(A)と、エポキシ化合物(B)との当量比を(A):(B)=10〜90:90〜10とし、成分(A)と(B)の合計が100当量となるように調整する。エポキシ化合物(A)が90当量より多いと硬化性や塗膜乾燥性に劣り、10当量より少ないと粘度が高くなり作業性に劣る結果となる。
【0012】
ビニルエステル(E)の製造に使用される不飽和一塩基酸(C)と(D’)成分との当量比は(C):(D’)=80〜20:20〜80に設定するのが好ましい(なお、成分(C)、成分(D’)の合計は100当量となるように調整される)。この範囲によれば、良好な硬化性および塗膜乾燥性が得られる。
【0013】
ビニルエステル(E)の製造は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D’)成分の混合物を通常100〜140℃の温度で2〜10時間程度反応させることにより行われる。これらの反応は、必要に応じて重合禁止剤、反応触媒、重合性(メタ)アクリレート(F)等の存在下にて行うことができる。
【0014】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、フェノチアジン等の公知のものが挙げられ、その使用量は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D’)成分との合計100重量部に対して0.001〜2重量部の範囲がよい。
【0015】
反応触媒としては、トリエチルアミン、ピリジン誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾール誘導体等の三級窒素を含有する化合物;テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン等のアミン塩;またはトリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のリン化合物等が挙げられる。反応触媒の使用量は、(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D’)成分との合計100重量部に対して0.001〜2重量部の範囲がよい。
【0016】
本発明に使用される重合性(メタ)アクリレート(F)としては、例えば(メタ)アクリロイル基を有するジシクロペンテニル(メタ)アクリレ−ト、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレ−ト等のモノアクリレート類;エチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、プロピレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト等のジオ−ルジ(メタ)アクリレ−ト類;ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレ−ト等のポリアルキレングリコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト類;トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられ、これらは単独または併用することができる。重合性(メタ)アクリレート(F)は、蒸気圧(mmHg/20℃)が0.1以下であり、かつ25℃の粘度が100mpa・s以下であるのが好ましい。
【0017】
反応によって得られたビニルエステル(E)を重合性(メタ)アクリレ−ト(F)に溶解して本発明の低臭気硬化性樹脂組成物を得る。組成物中の重合性(メタ)アクリレ−ト(F)が占める割合は20〜80重量%程度であるが、好ましくは20〜50重量%程度である。
【0018】
本発明の組成物には、好適にはワックスを配合するのがよい。ワックスとしては、パラフィンワックス類、極性ワックス類があり、これらは単独あるいは併用することができる。
【0019】
パラフィンワックスは各種融点の公知の物が使用できる。また、極性ワックス類としては、構造中に極性基および非極性基を合わせ持つもので、具体的には、NPS−8070、NPS−9125(日本精蝋社製)、エマノ−ン3199、3299(花王社製)等が挙げられる。
【0020】
ワックス類の配合量としては、ビニルエステル(E)と重合性(メタ)アクリレ−ト(F)との合計量100重量部に対して、0.05〜4重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部である。
【0021】
かくして得られた低臭気硬化性樹脂組成物は、通常、硬化剤、硬化促進剤を配合して使用される。
【0022】
使用される硬化剤としては、有機過酸化物である、メチルエチルケトンパ−オキサイド、メチルイソブチルケトンパ−オキサイド等のケトンパ−オキシド類;キュメンハイドロパ−オキサイド、タ−シャリブチルハイドロパ−オキサイド等のハイドロパ−オキシド類;タ−シャリブチルパ−オキシオクトエ−ト、タ−シャリブチルパ−オキシベンゾエ−ト等のパ−オキシエステル類;ジクミルパ−オキサイド等のジアルキルパ−オキシド類;ラウロイルパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイド等のジアシルパ−オキシド類等が挙げられ、これらは併用してもよい。
【0023】
硬化促進剤としては、有機金属塩の、例えばナフテン酸、オクチル酸等のコバルト、マンガン、バナジユウム、銅等の塩類と、ジメチルベンジルアミン等の第四級アンモニウム塩、アセチルアセトン等のβ−ジケトン類、ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン等のアミン類が挙げられる。
【0024】
本発明の低臭気硬化性樹脂組成物は、必要に応じて繊維強化材としてガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等に含浸させたFRPライニング;充填剤として骨剤その他の無機化合物、例えば骨剤としては3−8号硅砂や粉砕セラミック等、無機化合物としてはタルク、シリカ等を添加して行われるレジンモルタルライニング;ガラスフレ−クや無機化合物を添加してなるガラスフレ−クライニング等として使用することができる。
【0025】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの例により限定されるものではない。なお、例中の%および部は重量基準である。なお、実施例、比較例中に用いる略語と品質特性は下記表1〜表3の通りである。また、実施例2、4及び6は、本発明の参考例である。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
(半エステルカルボン酸の合成)
撹拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器を備えた反応器に、トリメチロ−ルプロパンジアリルエ−テル2140g(10モル)、THPA1520g(10モル)を仕込み、窒素ガス雰囲気下に100〜130℃で2.5時間反応させ酸価153の半エステルカルボン酸(TH−1)を合成した。
【0030】
実施例1
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP830を1692g、HDDGEを150g、THPAを608g、MAaを172g、トリエチルアミン8g、ハイドロキノン0.8gを仕込み、空気を流しながら130℃で3.5時間反応させ、酸価4.8の時点でDCPOMAaを1748g(40%)、125゜Fパラフィン8.7gを添加し、樹脂組成物(e−1)を得た。
【0031】
実施例2
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP301を473g、NPDGEを1260g、TH−1を732g、Aaを576g、トリエチルアミン9.1g、ハイドロキノン0.9gを仕込み、空気を流しながら130℃で2.5時間反応させ、酸価8.7の時点でEGDMAaを2027g(40%)、125゜Fパラフィン10gを添加し、樹脂組成物(e−2)を得た。
【0032】
実施例3
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP170を1530g、LDGEを118g、EMTHPAを656g、MAaを172g、トリエチルアミン7.4g、ハイドロキノン0.74gを仕込み、空気を流しながら130℃で3.5時間反応させ、酸価4.1の時点でTMPTMAaを1651g(40%)、125゜Fパラフィン8.2gを添加し、樹脂組成物(e−3)を得た。
【0033】
実施例4
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP152を252g、NPDGEを42g、TH−1を292g、Aaを14g、トリエチルアミンを1.8g、ハイドロキノン0.18gを仕込み、空気を流しながら125℃で4時間反応させ、酸価4.3の時点でDEGDMAaを400g(40%)、125゜Fパラフィン2gを添加し、樹脂組成物(e−4)を得た。
【0034】
実施例5
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP740を1456g、HDDGEを300g、THPAを608g、MAaを172g、トリエチルアミン7.6g、ハイドロキノン0.76gを仕込み、空気を流しながら120℃で3時間反応させ、酸価4.8の時点でEGDMAaを1691g(40%)、125゜Fパラフィン8.5gを添加し、樹脂組成物(e−5)を得た。
【0035】
実施例6
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP830を188g、HDDGEを1350g、TH−1を732g、Aaを576g、トリエチルアミン8.5g、ハイドロキノン0.85gを仕込み、空気を流しながら130℃で3.5時間反応させ、酸価5.6の時点でDCPOMAaを1897g(40%)、125゜Fパラフィン9.5gを添加し、樹脂組成物(e−6)を得た。
【0036】
比較例1
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP1004を910g、NPDGEを1260g、TH−1を732g、Aaを576g、トリエチルアミン10.4g、ハイドロキノン1gを仕込み、空気を流しながら130℃で3.5時間反応させ、酸価5.4の時点でEGDMAaを2319g(40%)、125゜Fパラフィン11gを添加し、樹脂組成物(c−1)を得た。
【0037】
比較例2
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP830を1880g、THPAを608g、MAaを172g、トリエチルアミン8g、ハイドロキノン0.8gを仕込み、空気を流しながら130℃で3.5時間反応させ、酸価3.9の時点でDCPOMAaを1773g(40%)、125゜Fパラフィン8.8gを添加し、樹脂組成物(c−2)を得た。
【0038】
比較例3
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP830を1504g、HDDGEを300g、MAaを860g、トリエチルアミン8g、ハイドロキノン0.8gを仕込み、空気を流しながら130℃で4.5時間反応させ、酸価6.6の時点でDCPOMAaを1776g(40%)、125゜Fパラフィン8.9gを添加し、樹脂組成物(c−3)を得た。
【0039】
比較例4
撹拌機、温度計、還流冷却器、ガス導入管を備えた容器に、EP170を1530g、LDGEを118g、EMTHPAを656g、MAaを172g、トリエチルアミン7.4g、ハイドロキノン0.74gを仕込み、空気を流しながら130℃で4時間反応させ、酸価5.1の時点でSMを619g(20%)、125゜Fパラフィン6.2gを添加し、樹脂組成物(c−4)を得た。
【0040】
実施例1〜6および比較例1〜4の樹脂組成物について、粘度試験、硬化特性試験、臭気試験、塗膜乾燥試験を実施した。
【0041】
粘度試験方法
液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法のブルックフィ−ルド形粘度計法(JISK6901 4.4)に準拠し、実施例温度計および比較例の樹脂組成物の粘度を測定した。実施例の樹脂組成物の結果を表5に、比較例の樹脂組成物の結果を表6に示す。
【0042】
硬化特性試験方法
液状不飽和ポリエステル樹脂試験方法の常温硬化特性(JIS K6901 4.7)に準拠し、実施例および比較例の樹脂組成物に化薬アクゾ−社製の硬化剤328Eと、6%ナフテン酸コバルトを各々1%配合し、硬化特性を測定した。実施例の樹脂組成物の結果を表5に、比較例の樹脂組成物の結果を表6に示す。
【0043】
臭気試験方法
内容量18リットルの密閉容器に、新コスモス電気社製ニオイセンサ−XP329型を取り付け、実施例及び比較例の樹脂組成物を各10g当該容器の底部に静置し、60分後の臭い感度値を測定した。同時に臭気の官能試験を6段階臭気表示法に基づいて測定した。6段階の評価基準を以下の表4に示す。実施例の樹脂組成物の結果を表5に、比較例の樹脂組成物の結果を表6に示す。
【0044】
【表4】
【0045】
塗膜乾燥試験方法
実施例および比較例の樹脂組成物に、化薬アクゾ−社製の硬化剤328Eと6%ナフテン酸コバルトを各々1%配合し、25mm×350mmのガラス板上に300μmの厚みに塗装した。塗装したガラス板を太佑機材社製RC型塗料乾燥時間測定器にセットし乾燥時間を測定した。実施例の樹脂組成物の結果を表5に、比較例の樹脂組成物の結果を表6に示す。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
以上の実施例と比較例の対比から次の事柄が明らかである。
1.通常の作業に用いられる適当な粘度は、2000(mpa・s/25℃)以下である。本発明の範囲を逸脱した比較例1および2の樹脂組成物c−1および2は粘度が高いことから、作業が出来ないという欠陥がある。
2.通常、塗膜乾燥時間は5時間以内であれば、作業に支障をきたすことはないが、24時間を経ても塗膜が乾燥しない本発明の範囲を逸脱した比較例3の樹脂組成物c−3は実施例の樹脂組成物に比較し明らかに劣っている。
3.本発明の範囲を逸脱した比較例4の樹脂組成物c−4は、臭い感度値で実施例の樹脂組成物に比較し明らかに劣っていて、強い刺激臭がある。
4.本発明による実施例の樹脂組成物e−1〜6は適切な粘度と塗膜乾燥性を有し、臭い感度値も低く、刺激臭のない低臭気性であることが明らかである。
【0049】
【発明の効果】
本発明の低臭気硬化性樹脂組成物によれば、スチレンを含まずに臭気が抑制され、さらに、適切な粘度と塗膜乾燥性を有することから、FRPライニング材、レ,ジンモルタルライニング材、FRP成形材、パテ材、塗料材、等の多岐に渡る用途に使用することが可能である。
Claims (4)
- 下記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D’)成分とからなるビニルエステル(E)を、重合性(メタ)アクリレート(F)に溶解してなる低臭気硬化性樹脂組成物。
(A)成分:25℃の粘度が1000mpa・s以下であり、かつ分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(A)。
(B)成分:25℃の粘度が1000mpa・sを超え、エポキシ当量が500以下であり、かつ分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物(B)(但し、前記エポキシ化合物の当量比は(A):(B)=10〜90:90〜10である)。
(C)成分:不飽和一塩基酸(C)。
(D’)成分:テトラヒドロ無水フタル酸または無水フタル酸と、トリメチロールプロパンジアリルエーテルとの反応で得られる半エステルカルボン酸。 - 前記(C)成分及び前記(D’)成分の当量比が、(C):(D’)=80〜20:20〜80である請求項1に記載の低臭気硬化性樹脂組成物。
- 重合性(メタ)アクリレート(F)の蒸気圧(mmHg/20℃)が0.1以下であり、かつ25℃の粘度が100mpa・s以下である請求項1に記載の低臭気硬化性樹脂組成物。
- 更にワックスが配合される請求項1に記載の低臭気硬化性樹脂組成物。
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