JP3859218B2 - 建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造、及び建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法 - Google Patents

建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造、及び建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造、及び建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法に関し、特に、建造物における鉄骨柱部材の下端の鉄骨柱脚部の耐震補強構造、及耐震補強方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物や土木構造物等の建造物において、既存の柱部材の下端の柱脚部を補強し地震時の耐力を向上させる方法については、従来、種々の方法が提案されている。例えば、図4に示す鉄骨柱部材50のベースプレート52がアンカーボルト54により基礎53に連結されている鉄骨柱脚部51を耐震補強する場合には、図5に示すように、基礎53に取付プレート201を取付ボルト202により取り付け、取付プレート201に結合された取付鉄筋203により鉄骨柱脚部51の周囲にフープ鉄筋204を配置し、鉄骨柱脚部51の周囲に補強コンクリート205を打設することにより、鉄骨柱脚部耐震補強構造200を構成することができる。
【0003】
このような補強を行うと、鉄骨柱脚部51と基礎53は剛結されることになり、基礎53にも曲げモーメントを負担させることになるが、一般の建築物では、基礎53は剛な地中梁等に接続しているので、問題が生じることはない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、線路上空に構築する建造物の場合には、1つの杭基礎の上に1つの鉄骨柱部材が配置される場合が多い。この場合、図4における鉄骨柱脚部51と基礎53のような構成は、回転変形可能で曲げモーメントを負担しないピン支点を構成するものとして取り扱われ、既存の杭基礎もその条件で設計されている。このため、図5に示すような剛な耐震補強を行い基礎にも曲げモーメントを負担させると、杭基礎の耐力を超えてしまい、杭基礎が破壊するおそれがある。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、本発明の解決しようとする課題は、建造物の鉄骨柱脚部において地震時に回転変形が可能で基礎に曲げモーメントを負担させない耐震補強構造及び耐震補強方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造は、
第1補強部材10と接合ボルト40を備えた鉄骨柱脚部耐震補強構造100であって、四角柱状の杭基礎53の上に設置された角形管柱状の鉄骨柱部材50の鉄骨柱脚部51に取り付けられ、前記第1補強部材10は鋼板からなり第1柱脚接合部10aと第1塑性変形可能部10bと第1基礎接合部10cを有し、前記第1補強部材10は鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに1つずつ配置され、前記第1柱脚接合部10aは水平板状に形成され鉄骨柱脚部51の側面に水平に溶接により接合され、前記第1塑性変形可能部10bは第1柱脚接合部10aと第1基礎接合部10cの中間に設けられる部分であり第1柱脚接合部10aと等しい幅の板状に形成され第1柱脚接合部10aに垂直に屈曲接続し、前記第1基礎接合部10cは第1塑性変形可能部10bよりも幅の広い板状に形成されボルト孔10dが開設されており杭基礎53の側面に接合ボルト40により接合され、
地震時においてベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点とし当該点を回転中心として鉄骨柱脚部51を時計回り方向に回転させる力が作用した場合には、右端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、右端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形し、一方、左端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、左端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは、時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形するという作用により、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心としての時計回り方向に回転することができ、同様の作用により、いずれの方向から地震力が作用しても、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として回転することができ、4つの第1補強部材10のそれぞれが適宜の方向への曲げ塑性変形を行うことにより、上記回転方向の中間の回転方向へも回転を行うことが可能であり、当該第1補強部材10の回転変形により、地震力による曲げモーメントは吸収され、杭基礎53には曲げモーメントは伝達されないため、杭基礎53が耐力を超え又は破壊を生じることを防止すること
を特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造は、
建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造であって、
地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
前記第2塑性変形可能部の前記柱軸方向に垂直な断面積は前記第2補強部材の他の部分の断面積よりも小さく設定されること
を特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造は、
建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造であって、
地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に配置される第3補強部材をさらに有し、
前記第2柱脚接合部は前記第3補強部材の側面に接合され、
前記第3補強部材は、前記地震力が作用した場合の前記ピン支点の回転に伴い曲げせん断塑性変形するように構成されること
を特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法は、
第1補強部材10と接合ボルト40を備えた鉄骨柱脚部耐震補強構造100を用いる耐震補強方法であって、四角柱状の杭基礎53の上に設置された角形管柱状の鉄骨柱部材50の鉄骨柱脚部51に取り付けられ、前記第1補強部材10は鋼板からなり第1柱脚接合部10aと第1塑性変形可能部10bと第1基礎接合部10cを有し、前記第1補強部材10は鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに1つずつ配置され、前記第1柱脚接合部10aは水平板状に形成され鉄骨柱脚部51の側面に水平に溶接により接合され、前記第1塑性変形可能部10bは第1柱脚接合部10aと第1基礎接合部10cの中間に設けられる部分であり第1柱脚接合部10aと等しい幅の板状に形成され第1柱脚接合部10aに垂直に屈曲接続し、前記第1基礎接合部10cは第1塑性変形可能部10bよりも幅の広い板状に形成されボルト孔10dが開設されており杭基礎53の側面に接合ボルト40により接合され、
地震時においてベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点とし当該点を回転中心として鉄骨柱脚部51を時計回り方向に回転させる力が作用した場合には、右端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、右端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形し、一方、左端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、左端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは、時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形するという作用により、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心としての時計回り方向に回転することができ、同様の作用により、いずれの方向から地震力が作用しても、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として回転することができ、4つの第1補強部材10のそれぞれが適宜の方向への曲げ塑性変形を行うことにより、上記回転方向の中間の回転方向へも回転を行うことが可能であり、当該第1補強部材10の回転変形により、地震力による曲げモーメントは吸収され、杭基礎53には曲げモーメントは伝達されないため、杭基礎53が耐力を超え又は破壊を生じることを防止すること
を特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項5に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法は、
建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強方法であって、
地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
前記第2塑性変形可能部の前記柱軸方向に垂直な断面積は前記第2補強部材の他の部分の断面積よりも小さく設定されること
を特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項6に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法は、
建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造であって、
地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に配置される第3補強部材をさらに有し、
前記第2柱脚接合部は前記第3補強部材の側面に接合され、
前記第3補強部材は、前記地震力が作用した場合の前記ピン支点の回転に伴い曲げせん断塑性変形するように構成されること
を特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態である鉄骨柱脚部耐震補強構造の全体構成を示す側面図である。また、図2は、図1に示す鉄骨柱脚部耐震補強構造における第1補強部材を取り付けた場合の構成を示す図であり、図2(A)は側面図を、図2(B)は上面図を、それぞれ示している。また、図3は、図1に示す鉄骨柱脚部耐震補強構造における第2補強部材及び第3補強部材の構成を示す図であり、図3(A)は図1におけるA−A断面図を、図3(B)は第2補強部材の正面図を、それぞれ示している。
【0015】
図1に示すように、この鉄骨柱脚部耐震補強構造100は、第1補強部材10と、第2補強部材20と、第3補強部材30と、接合ボルト40を備えて構成され、四角柱状の基礎53の上に設置された角形管柱状の鉄骨柱部材50の鉄骨柱脚部51に取り付けられている。
【0016】
また、図1,2に示すように、第1補強部材10は、鋼板からなり、第1柱脚接合部10aと、第1塑性変形可能部10bと、第1基礎接合部10cを有している。また、第1補強部材10は、鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに1つずつ配置されている。
【0017】
上記の第1柱脚接合部10aは、水平板状に形成され、鉄骨柱脚部51の側面に水平に溶接等により接合される。また、第1塑性変形可能部10bは、第1柱脚接合部10aと第1基礎接合部10cの中間に設けられる部分であり、第1柱脚接合部10aと等しい幅の板状に形成され、第1柱脚接合部10aに垂直に屈曲接続している。第1基礎接合部10cは、第1塑性変形可能部10bよりも幅の広い板状に形成され、ボルト孔10dが開設されており、基礎53の側面に接合ボルト40により接合される。
【0018】
また、図1及び図3(A)に示すように、第3補強部材30は、長方形状の鋼板により形成されている。また、第3補強部材30は、鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに対して2つずつ配置され、鉄骨柱脚部51の側面に溶接等により接合されている。この場合、第3補強部材30の端面の長軸方向は、鉄骨柱部材50の柱軸(長軸)の方向と一致している。
【0019】
また、図1,3に示すように、第2補強部材20は、鋼板からなり、第2柱脚接合部20aと、第2塑性変形可能部20bと、第2基礎接合部20cを有している。また、第2補強部材20は、鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに対して1つずつ配置されている。
【0020】
上記の第2柱脚接合部20aは、水平板状に形成され、第3補強部材30と垂直になるように第3補強部材30の端面に溶接等により接合される。また、第2塑性変形可能部20bは、第2柱脚接合部20aと第2基礎接合部20cの中間に設けられる部分であり、第2柱脚接合部20aよりも幅の狭い帯板状に形成され、第2柱脚接合部20aの延在方向に接続している。
【0021】
また、第2基礎接合部20cは、第2柱脚接合部20aよりも幅の広い板状に形成されている。この例の場合、第2基礎接合部20cの幅は、第1補強部材10の第1基礎接合部10cの幅と等しく設定されている。また、第2基礎接合部20cにはボルト孔20dが開設されており、第1補強部材10の上から、基礎53の側面に接合ボルト40により接合される。
【0022】
次に、上記した鉄骨柱脚部耐震補強構造100の作用について説明を行う。
【0023】
まず、第1補強部材10の作用について説明する。
地震時において、ベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点とし、この点を回転中心として鉄骨柱脚部51を例えば図1,図2(A)の時計回り方向に回転させる力が作用した場合には、図における右端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、図の左側から右側へ向かう方向の水平力が作用する。この水平力により、図における右端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは、図における時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形する。
【0024】
一方、図1,図2(A)における左端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、図の左側から右側へ向かう方向の水平力が作用する。この水平力により、図における左端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは、図における時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形する。
【0025】
このような作用により、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として図1,図2(A)の時計回り方向に回転することができる。同様の作用により、いずれの方向から地震力が作用しても、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として図の反時計回り方向、紙面の手前から奥へ向かう回転方向、紙面の奥から手前へ向かう回転方向に回転することができる。また、4つの第1補強部材10のそれぞれが適宜の方向への曲げ塑性変形を行うことにより、上記回転方向の中間の回転方向へも回転を行うことが可能である。
【0026】
また、このような第1補強部材10の回転変形により、地震力による曲げモーメントは吸収され、基礎53には曲げモーメントは伝達されない。したがって、基礎53がピン支点の条件で設計された杭基礎等であっても、耐力を超えたり破壊を生じることはない。
【0027】
次に、第2補強部材20の作用について説明する。
【0028】
地震時において、ベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点として鉄骨柱脚部51を例えば図1の時計回り方向に回転させる力が作用した場合には、図における左端の第2補強部材20には、図の上下方向(鉄骨柱部材50の柱軸方向)の引張力が作用する。この引張力により、図における左端の第2補強部材20の第2塑性変形可能部20bは、図の上下方向に引張塑性変形して伸びる。
【0029】
一方、図における右端の第2補強部材20には、図の上下方向(鉄骨柱部材50の柱軸方向)の圧縮力が作用する。この圧縮力により、図における右端の第2補強部材20の第2塑性変形可能部20bは、図の上下方向に圧縮塑性変形して縮む。
【0030】
このような作用により、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として図1の時計回り方向に回転することができる。同様の作用により、いずれの方向から地震力が作用しても、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として図の反時計回り方向、紙面の手前から奥へ向かう回転方向、紙面の奥から手前へ向かう回転方向に回転することができる。また、4つの第2補強部材20のそれぞれが適宜の引張塑性変形又は圧縮塑性変形を行うことにより、上記回転方向の中間の回転方向へも回転を行うことが可能である。
【0031】
また、このような第2補強部材20の回転変形により、地震力による曲げモーメントは吸収され、基礎53には曲げモーメントは伝達されない。したがって、基礎53がピン支点の条件で設計された杭基礎等であっても、耐力を超えたり破壊を生じることはない。
【0032】
次に、第3補強部材30の作用について説明する。
【0033】
地震時において、ベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点として鉄骨柱脚部51を回転させる力が作用すると、第3補強部材30の端面(第2補強部材20との接合面)は、第2補強部材20により図の上下方向(鉄骨柱部材50の柱軸方向)のせん断力を受け、これにより第3補強部材30は曲げせん断塑性変形する。また、第2補強部材20には、図の上下方向(鉄骨柱部材50の柱軸方向)の引張力又は圧縮力が作用する。
【0034】
この曲げせん断塑性変形によっても地震力による曲げモーメントは吸収され、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として図1の時計回り方向に回転することができる。このような回転により基礎53には曲げモーメントは伝達されない。したがって、基礎53がピン支点の条件で設計された杭基礎等であっても、耐力を超えたり破壊を生じることはない。
【0035】
上記の実施形態において、第1補強部材10,第2補強部材20,第3補強部材30,接合ボルト40は、耐震補強部材に相当している。また、第1塑性変形可能部10b,第2塑性変形可能部20b,第3補強部材30は、地震力吸収手段に相当している。
【0036】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0037】
例えば、上記実施形態においては、第1補強部材(例えば10)と第2補強部材(例えば20)と第3補強部材(例えば30)が合成された鉄骨柱脚部耐震補強構造について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成であってもよく、例えば、第1補強部材を単独で用いてもよい。あるいは、第2補強部材と第3補強部材の組合わせのみを用いてもよい。
【0038】
また、上記実施形態においては、第1補強部材,第2補強部材,第3補強部材は、板状部材からなるものを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の補強部材、例えば、棒状部、管状部、ブロック状部等を有する構成でもよい。要は、地震力が作用した場合に塑性変形することによりピン支点の回転を許容し地震力に伴う鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する部分を有していればどのような形状の部材であってもよいのである。
【0039】
また、各補強部材の材質についても、鋼材には限定されず、他の材料、例えば、アルミニウム等の他の金属材料、アルミニウム合金等の合金材料などにより形成されていてもよい。また、鋼材のうち、極低降伏点鋼を用いてもよい。要は、地震力が作用した場合に塑性変形することによりピン支点の回転を許容し地震力に伴う鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収可能な塑性変形性能を有する材料であればよいのである。
【0040】
また、上記実施形態においては、第1補強部材(例えば10)の第1塑性変形可能部(例えば10b)として、第1柱脚接合部と幅の等しい板状部材を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の第1塑性変形可能部、例えば、第1柱脚接合部よりも幅の狭い板状部材であってもよい。
【0041】
また、上記実施形態においては、第2補強部材(例えば20)の第2塑性変形可能部(例えば20b)として、第2柱脚接合部(例えば20a)や第2基礎接合部(例えば20c)よりも幅の狭い板状部材を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の第2塑性変形可能部、例えば、第2柱脚接合部や第2基礎接合部よりも板厚の小さい板状部材であってもよい。要は、第2塑性変形可能部の柱軸方向(鉄骨柱部材の長軸方向)に垂直な断面積が第2補強部材の他の部分の断面積よりも小さく設定され、地震力が作用した場合に鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形するように構成されていればよいのである。
【0042】
また、上記実施形態においては、第2補強部材(例えば20)が第3補強部材(例えば30)を介して鉄骨柱脚部(例えば51)の側面に間接的に接合される例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成、例えば、第3補強部材は用いずに、第2補強部材の第2柱脚接合部(例えば20a)が鉄骨柱脚部側面に溶接やボルト等により直接に接合されるように構成してもよい。また、第3補強部材は2枚の板状部材からなる構成には限定されず、1枚の板状部材で構成されてもよいし、3枚以上の板状部材から構成されてもよく、あるいはブロック状の部材でもよい。また、第3補強部材は、第2柱脚接合部を鉄骨柱脚部側面に介設するのみで、地震時に曲げせん断塑性変形を生じない剛体であってもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、地震力吸収手段として、第1補強部材(例えば10)の第1塑性変形可能部(例えば10b)が曲げ塑性変形することにより、又は第2補強部材(例えば20)の第2塑性変形可能部(例えば20b)が引張塑性変形あるいは圧縮塑性変形することにより、若しくは第3補強部材(例えば30)自体が曲げせん断塑性変形することにより、地震力による曲げモーメントを吸収する例について説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の地震力吸収手段を用いてもよい。例えば、地震力が作用して鉄骨柱脚部(例えば51)が仮想のピン支点のまわりに回転しようとした場合に、接合ボルト40のあるものには基礎53から引き抜かれる方向に引張力が作用するが、この引張力に伴う接合ボルト40の引張塑性変形により地震時曲げモーメントの一部を吸収するように構成してもよい。この場合には、接合ボルト40が地震力吸収手段に相当する。
【0044】
また、上記実施形態においては、耐震補強を行う鉄骨柱脚部が角形管柱状のものを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の鉄骨柱脚部、例えば、円形断面の管柱状部材等であってもよい。
【0045】
また、上記実施形態においては、基礎(例えば53)については特に言及していないが、無筋コンクリート,鉄筋コンクリート,鉄骨鉄筋コンクリート等のコンクリート部材でもよいし、鋼材からなる部材であってもよい。
【0046】
また、上記説明においては、鉄骨柱脚部が用いられる建造物として、一般建築物、線路上空構築物を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の建造物、例えば、線路上空以外の一般の土木構造物等であってもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造として、地震力が作用した場合に塑性変形することによりピン支点の回転を許容し地震力に伴う鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備えたので、基礎には曲げモーメントは伝達されず、基礎がピン支点の条件で設計された杭基礎等であっても、耐力を超えたり破壊を生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である鉄骨柱脚部耐震補強構造の全体構成を示す側面図である。
【図2】図1に示す鉄骨柱脚部耐震補強構造における第1補強部材を取り付けた場合の構成を示す図であり、図2(A)は側面図を、図2(B)は上面図を、それぞれ示している。
【図3】図1に示す鉄骨柱脚部耐震補強構造における第2補強部材及び第3補強部材の構成を示す図であり、図3(A)は図1におけるA−A断面図を、図3(B)は第2補強部材の正面図を、それぞれ示している。
【図4】図1に示す鉄骨柱脚部耐震補強構造を適用する建造物の鉄骨柱脚部の構成を示す側断面図である。
【図5】従来の鉄骨柱脚部耐震補強構造の構成例を示す側断面図である。
【符号の説明】
10 第1補強部材
10a 第1柱脚接合部
10b 第1塑性変形可能部
10c 第1基礎接合部
10d ボルト孔
20 第2補強部材
20a 第2柱脚接合部
20b 第2塑性変形可能部
20c 第2基礎接合部
20d ボルト孔
30 第3補強部材
40 接合ボルト
50 鉄骨柱部材
51 鉄骨柱脚部
52 ベースプレート
53 基礎
54 アンカーボルト
100 鉄骨柱脚部耐震補強構造
200 鉄骨柱脚部耐震補強構造
201 取付プレート
202 取付ボルト
203 取付鉄筋
204 フープ鉄筋
205 補強コンクリート

Claims (6)

  1. 第1補強部材10と接合ボルト40を備えた鉄骨柱脚部耐震補強構造100であって、四角柱状の杭基礎53の上に設置された角形管柱状の鉄骨柱部材50の鉄骨柱脚部51に取り付けられ、前記第1補強部材10は鋼板からなり第1柱脚接合部10aと第1塑性変形可能部10bと第1基礎接合部10cを有し、前記第1補強部材10は鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに1つずつ配置され、前記第1柱脚接合部10aは水平板状に形成され鉄骨柱脚部51の側面に水平に溶接により接合され、前記第1塑性変形可能部10bは第1柱脚接合部10aと第1基礎接合部10cの中間に設けられる部分であり第1柱脚接合部10aと等しい幅の板状に形成され第1柱脚接合部10aに垂直に屈曲接続し、前記第1基礎接合部10cは第1塑性変形可能部10bよりも幅の広い板状に形成されボルト孔10dが開設されており杭基礎53の側面に接合ボルト40により接合され、
    地震時においてベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点とし当該点を回転中心として鉄骨柱脚部51を時計回り方向に回転させる力が作用した場合には、右端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、右端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形し、一方、左端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、左端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは、時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形するという作用により、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心としての時計回り方向に回転することができ、同様の作用により、いずれの方向から地震力が作用しても、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として回転することができ、4つの第1補強部材10のそれぞれが適宜の方向への曲げ塑性変形を行うことにより、上記回転方向の中間の回転方向へも回転を行うことが可能であり、当該第1補強部材10の回転変形により、地震力による曲げモーメントは吸収され、杭基礎53には曲げモーメントは伝達されないため、杭基礎53が耐力を超え又は破壊を生じることを防止すること
    を特徴とする建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造。
  2. 建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造であって、
    地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
    前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
    前記第2塑性変形可能部の前記柱軸方向に垂直な断面積は前記第2補強部材の他の部分の断面積よりも小さく設定されること
    を特徴とする建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造。
  3. 建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造であって、
    地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震 力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
    前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に配置される第3補強部材をさらに有し、
    前記第2柱脚接合部は前記第3補強部材の側面に接合され、
    前記第3補強部材は、前記地震力が作用した場合の前記ピン支点の回転に伴い曲げせん断塑性変形するように構成されること
    を特徴とする建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強構造。
  4. 第1補強部材10と接合ボルト40を備えた鉄骨柱脚部耐震補強構造100を用いる耐震補強方法であって、四角柱状の杭基礎53の上に設置された角形管柱状の鉄骨柱部材50の鉄骨柱脚部51に取り付けられ、前記第1補強部材10は鋼板からなり第1柱脚接合部10aと第1塑性変形可能部10bと第1基礎接合部10cを有し、前記第1補強部材10は鉄骨柱脚部51の4つの側面のそれぞれに1つずつ配置され、前記第1柱脚接合部10aは水平板状に形成され鉄骨柱脚部51の側面に水平に溶接により接合され、前記第1塑性変形可能部10bは第1柱脚接合部10aと第1基礎接合部10cの中間に設けられる部分であり第1柱脚接合部10aと等しい幅の板状に形成され第1柱脚接合部10aに垂直に屈曲接続し、前記第1基礎接合部10cは第1塑性変形可能部10bよりも幅の広い板状に形成されボルト孔10dが開設されており杭基礎53の側面に接合ボルト40により接合され、
    地震時においてベースプレート52の中心の上方付近を仮想のピン支点とし当該点を回転中心として鉄骨柱脚部51を時計回り方向に回転させる力が作用した場合には、右端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、右端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形し、一方、左端の第1補強部材10の第1柱脚接合部10aには、左側から右側へ向かう方向の水平力が作用し、当該水平力により、左端の第1補強部材10の第1塑性変形可能部10bは、時計回り方向に曲がるように曲げ塑性変形するという作用により、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心としての時計回り方向に回転することができ、同様の作用により、いずれの方向から地震力が作用しても、鉄骨柱脚部51は、ベースプレート52の中心の上方付近を回転中心として回転することができ、4つの第1補強部材10のそれぞれが適宜の方向への曲げ塑性変形を行うことにより、上記回転方向の中間の回転方向へも回転を行うことが可能であり、当該第1補強部材10の回転変形により、地震力による曲げモーメントは吸収され、杭基礎53には曲げモーメントは伝達されないため、杭基礎53が耐力を超え又は破壊を生じることを防止すること
    を特徴とする建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法
  5. 建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強方法であって、
    地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
    前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
    前記第2塑性変形可能部の前記柱軸方向に垂直な断面積は前記第2補強部材の他の部分の断面積よりも小さく設定されること
    を特徴とする建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法
  6. 建造物の鉄骨柱部材の下端において基礎との間でピン支点を構成する鉄骨柱脚部の耐震補強構造であって、
    地震力が作用した場合に塑性変形することにより前記ピン支点の回転を許容し前記地震力に伴う前記鉄骨柱脚部の曲げモーメントを吸収する地震力吸収手段を有する耐震補強部材を備え、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に水平に接合される第1柱脚接合部と、前記基礎に接合される第1基礎接合部を有し、前記地震力吸収手段として、前記第1柱脚接合部及び前記第1基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に曲げ塑性変形を生じる第1塑性変形可能部を有する第1補強部材を有し、
    前記第1柱脚接合部は水平部材であり、前記第1塑性変形可能部は前記第1柱脚接合部に屈曲接続するように形成され、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に直接又は間接に接合される第2柱脚接合部と、前記基礎に接合される第2基礎接合部をさらに有し、前記地震力吸収手段として、前記第2柱脚接合部及び前記第2基礎接合部の中間に設けられ前記地震力が作用した場合に前記鉄骨柱部材の柱軸方向に引張塑性変形又は圧縮塑性変形する第2塑性変形可能部を有する第2補強部材を有し、
    前記耐震補強部材は、前記鉄骨柱脚部の側面に配置される第3補強部材をさらに有し、
    前記第2柱脚接合部は前記第3補強部材の側面に接合され、
    前記第3補強部材は、前記地震力が作用した場合の前記ピン支点の回転に伴い曲げせん断塑性変形するように構成されること
    を特徴とする建造物の鉄骨柱脚部の耐震補強方法
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