JPH10292486A - 通しダイアフラム体及びこれを用いた鉄骨構造物の接合構造 - Google Patents

通しダイアフラム体及びこれを用いた鉄骨構造物の接合構造

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JPH10292486A
JPH10292486A JP27782497A JP27782497A JPH10292486A JP H10292486 A JPH10292486 A JP H10292486A JP 27782497 A JP27782497 A JP 27782497A JP 27782497 A JP27782497 A JP 27782497A JP H10292486 A JPH10292486 A JP H10292486A
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diaphragm
joint
steel
core
prism
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Inventor
Masamitsu Tanaka
正光 田中
Original Assignee
Tanaka Seisakusho:Kk
株式会社田中製作所
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 上部柱の下面に接合される上ダイアフラ
ム85と下部柱の上面に接合される下ダイアフラム86
と両ダイアフラム85,86よりも小断面であって梁部
材11の梁せいに相当する高さを有する仕口コア81と
を備え、さらに、両ダイアフラム85,86及び仕口コ
ア81に、梁部材11との接合用ボルト孔Hを形成して
通しダイアフラム体80とし、このダイアフラム体80
の両ダイアフラム85,86と梁部材11の上下フラン
ジ、及び梁部材11のウエブと仕口コア81とをボルト
接合により接合した。 【効果】 通しダイアフラム体と梁部材との接合をボル
ト接合とすることによって、地震などのエネルギーが滑
りによって吸収され、比較的簡単な構造で、地震時等破
壊荷重が作用した場合においても、突然の破断が発生す
ることのない信頼性の高い接合構造を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨構造物の柱と
梁との接合に使用する部材及びこれを用いた接合構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、柱にコラムを用い、大梁にH形鋼
またはビルトアップH形鋼を用いた、いわゆる柱梁接合
仕口の形式として、一般に、通しダイアフラム方式、内
ダイアフラム、外ダイアフラムの3形式が知られてい
る。
【0003】通しダイアフラム方式は、コラムを大梁の
上下フランジ位置で切断し、この部分にコラム外径より
も40〜50mm大きいダイアフラムを挿入配置したも
ので、大梁フランジはこのダイアフラムに溶接し、また
ウエブはコラムに直接溶接して一体化する構造である。
この方式は、ALC等の外壁との納まりもよく採用例が
多いが、一方、加工上の問題として、コラムを何カ所も
切断し、再び1本の柱にする必要があるため、柱の芯出
しが難しく、加工工数が増し、溶接量も他の方式に比べ
多くなるなどの問題を有する。
【0004】内ダイアフラム方式は、大梁せいの中央付
近で一度コラムを切断し、コラムの内側に、梁の上下フ
ランジの位置でダイアフラムを溶接し、再びコラムを一
体化して、これを大梁に溶接する方式である。これは上
階と下階の柱径が異なる場合は採用できず、また、内ダ
イアフラムの取付深さがコラム径をこえると溶接が困難
になるため、大梁のせいも必然的に制約を受けるなどの
特徴を有する。
【0005】外ダイアフラム方式は、柱貫通方式ともよ
ばれる方式で、全くコラムを切断することなく、大梁フ
ランジの幅を広げたり、梁フランジ位置のコラム外面に
ダイアフラムを取り付けるようにしたもので、コラム内
側の補強が困難で、また、他の方式に比べ応力の流れは
複雑である。
【0006】近年、阪神大震災における壊滅的な構造物
の破壊を契機として、鉄骨構造物における破壊の状況に
ついて調査研究が行われた結果、特に、上記した通しダ
イアフラム方式の仕口構造においては、溶接部からの破
断が顕著に認められた。
【0007】上記したように、従来の通しダイアフラム
方式では、大梁フランジはダイアフラムに溶接され、ウ
エブはコラムにそれぞれ溶接されており、一部、主とし
て剪断力に対抗するウエブ部分はボルトによる結合が試
みられているものの、曲げ応力に対抗する上下フランジ
の接合はすべて溶接によって行われているのが実状であ
る。
【0008】以下、図14、図15に基づいて従来の通
しダイアフラム構造について具体的に説明する。図14
は従来の通しダイアフラム方式による接合構造の一例を
示す側面図、図15は図14の平面図をそれぞれ示す。
【0009】同図を参照して、31は角柱(コラム)、
32は下部ダイアフラムで、角柱31の上面全体を通し
角柱31の四周が溶接されている。34は角柱の溶接の
開先部を示す。35は角柱31と同一の外形寸法よりな
る角柱コア部、36は角柱コア部35と下部ダイアフラ
ム32とを溶接する開先部、37は溶接部である。38
は上部ダイアフラム、39は角柱コア部35と上部ダイ
アフラム38を溶接するための角柱コア部35の開先
部、40はその溶接部である。また、41は上部角柱、
42は上部角柱41に作られた開先部、そして43は上
部ダイアフラム38の上面と上部角柱41との四囲を溶
接する溶接部をそれぞれ示す。
【0010】ここで、下部ダイアフラム32の下面部す
なわち下部の角柱31との溶接部33から角柱コア部3
5を含む上部ダイアフラム38の上面の溶接部43まで
の高さは、H形鋼よりなる仕口部44の梁せいと同一の
寸法である。45は仕口部44の下部の開先部46と下
部ダイアフラム32との溶接部、47は仕口44の上部
開先部、48は上部ダイアフラム38との溶接部を示
す。
【0011】49は角柱コア部35と仕口部44との溶
接部で、角柱コア部35の端面、すなわち角柱コア部3
5と仕口部44との溶接部49から仕口部先端部50ま
での寸法は一般に80cm〜1m前後とされている。
【0012】一般に、角柱31と下部ダイアフラム3
2、角柱コア部35、上部ダイアフラム38、仕口部4
4は工場内で溶接により製品とされ、それ以降は現場で
の組立作業によって行われる。すなわち、H形鋼よるな
る梁51とは、上部添板52、下部添板53、側面添板
54を使用し、これら添板52,53,54を上下、左
右各2枚づつH形鋼のフランジ部分及ぶウエブ部をサン
ドイッチ状として、複数のボルト、ナット及び座金によ
って接合される。
【0013】また角柱31及び角柱コア部35の上面に
位置する下部の通しダイアフラム32及び上部ダイアフ
ラム38はそれぞれ同一寸法であり、同一方向に角柱3
1及び角柱コア部35の四囲の溶接部33,37,4
0,43で溶接されており、また、仕口部44は、上部
ダイアフラム38との溶接部48、下部ダイアフラム3
2との溶接部45及び角柱コア35との溶接部部49で
溶接されている。
【0014】鋼材の一接合手段としての溶接は、その技
術の進歩に伴い強度的にもかなりの信頼性を得ているも
のの、依然として職人芸的な要素も強く残っており、ま
た機械化されたものにおいても溶接時に発生する熱によ
り母材自体が弱体化する危険性が残されている。さらに
は、無垢の鋼板と比較した場合、溶接部では依然として
脆性破壊の危険性が高く残されており、このことが地震
発生時における壊滅的な破壊の一因になっていると考え
らられる。
【0015】すなわち、連続した無垢材料(溶接してい
ないとの意味)の場合、例えば、引張り力が作用すると
まず材料自体の大きな伸びが発生し、最終的に延性破断
に至りその破壊のメカニズムが予想できるのに対し、溶
接による接合部があると、突然引張り破断が発生し破壊
メカニズムの予想は困難である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記した地震時におけ
る壊滅的な破壊の一因は、通しダイアフラム方式構造物
の場合、ダイアフラムと梁フランジとの接合に用いられ
た溶接が完全に破断し、これによって大梁が落下したこ
とにあると報告されている。したがって、壊滅的な破壊
を防ぎ地震発生時においても人的被害を防ぐためには、
ある程度の変形を許容した上で、完全な破断による大梁
の落下を有効に防ぐことがなによりも重要であると言え
る。
【0017】本発明において解決すべき課題は、比較的
簡単な構造で、地震時等破壊荷重が作用した場合におい
ても突然の破断が発生することのない接合構造を提供す
ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、基本に立ち返って、柱と梁の接合の構
造について鋭意研究の結果、従来溶接接合されていた梁
部材の上下フランジと通しダイアフラムとの接合手段に
代え、一枚の鋼板からダイアフラム部とボルト接合部を
切り出し、そのダイアフラムの延長と梁部材とを現場で
ボルト接合する構造とすることを思いつき、簡単な構造
で多少変形をしても突然に破断することのない接合構造
をを完成するに至ったものである。
【0019】すなわち本発明は、上部柱と下部柱の間に
配置され前記両柱と梁部材との接合に用いられる通しダ
イアフラム体であって、前記上部柱の下面に接合される
上ダイアフラムと前記下部柱の上面に接合される下ダイ
アフラムと前記上ダイアフラム及び下ダイアフラムより
も小断面であって前記梁部材の梁せいに相当する高さを
有する仕口コアとを備え、さらに、前記上ダイアフラ
ム、下ダイアフラム、及び仕口コアに、前記梁部材との
接合用ボルト孔を形成した通しダイアフラム体によって
上記課題を解決することができる。
【0020】これによって、前記上下面のダイアフラム
と前記梁部材の上下フランジとをボルト接合による接合
が可能となり、巨大地震のように設計荷重以上の荷重が
載荷された際には、溶接部のように突然破断することな
く、まずスプライスプレートと通しダイアフラム及び梁
部材とが滑りを生じ、しかる後に、梁部材のフランジ、
スプライスプレート、ボルトのいずれかの延性破壊によ
り破壊することとなる。このように破断に至る前の段階
で滑りすなわち変形が発生することにより、荷重を吸収
し、溶接部のような突然の破断を防ぐことができる。
【0021】ここで仕口コアとしては、従来一般に用い
られている断面が矩形状のコラムタイプ又はH形鋼を構
成要素としたものを用いることができ、さらに前記梁部
材としてはH形鋼を用いることができる。ここで、構成
要素とするとは、コラムタイプの場合、コラムの側面に
梁部材のウエブとの接合用プレート(ガゼットプレー
ト)を設けたもの、また、H形鋼の場合、一対のH形鋼
をウエブ部で交叉させたよう形状を含むことを意味す
る。
【0022】また上記通しダイアフラム体とH形鋼から
なる梁部材との接合構造は、少なくとも前記上下面のダ
イアフラムと前記梁部材の上下フランジとをボルト接合
により接合したことを特徴とする。
【0023】本発明の効果を最大限に発揮するには、上
下面のダイアフラムと梁部材の上下フランジ、及び梁部
材のウエブと仕口コアとを全てボルト接合によるもので
あることが望ましいが、少なくとも曲げ応力を負担する
上下面のダイアフラムと梁部材の上下フランジとをボル
ト接合することにより、突然の破断を防ぐことが可能と
なる。
【0024】このことは、接合構造における最弱部をボ
ルト接合部とし、設計荷重以上の荷重が載荷された際に
は、前記スプライスプレートと前記通しダイアフラム及
び梁部材とが滑りを生じるように接合することにより達
成でき、これによって、破壊荷重載荷時には、梁部材の
フランジ、スプライスプレート、ボルトのいずれかの延
性破壊により破壊するようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1は本発明の接合構造の例を示
す斜視図、図2は図1の側面図、図3は図1の平面図で
ある。また図4は接合構造の他の例を示す斜視図、図5
は図4に示す通しダイアフラム体の斜視図である。
【0026】図1において、1は下部角柱、2は下部ダ
イアフラム、3は下部角柱1と同一寸法よりなる角柱コ
ア部である。4は上部ダイアフラムで下部ダイアフラム
2と板厚及び外観形状ともに同一のものである。また5
は上部に設置された上部角柱である。これら上下ダイア
フラム2,4は一枚の鋼板からダイアフラム部と後述す
るボルト接合部を形成している。
【0027】角柱コア部3と上下ダイアフラム2,4、
及び、ガゼットプレート10とは溶接で結合され製品化
されたいわゆる通しダイアフラム体を構成しており、ま
たこれら上下ダイアフラム2,4及びガゼットプレート
10には、全て梁部材11と接合するためのボルト孔が
穿設されている。
【0028】図2は図1の側面図を示し、6は下部角柱
1の上面に設けられた開先部で、下部ダイアフラム2と
接する接合部分である。同様に、7は角柱コア部3の下
面で下部ダイアフラム2と接する部分の開先部、8は角
柱コア部3の上面と上部ダイアフラム4と接する部分の
開先部、9は上部角柱5の下面で上部ダイアフラム4と
接する開先部をそれぞれ示す。10は、前述したよう
に、角柱コア部3の所定の位置に溶接されたガゼットプ
レートで、H形鋼からなる梁部材11に対応し設けられ
ている。また、梁部材11の端面と角柱コア部3の側面
との間には5〜10mm程度の隙間を設けた状態で接合
されている。
【0029】図2の平面図を示す図3を参照して、角柱
コア部3は上部ダイアフラム4と四囲において溶接接合
され、角柱コア部3側面にはガゼットプレート10が溶
接されている。梁部材11は、ウエブがガゼットプレー
ト10に固定され組み立てられた後、上部ダイアフラム
4とボルト12及びナット13で固定され、さらに下部
ダイアフラム2とも同様にボルト12及びナット13で
固定される。
【0030】接合作業は、梁部材11の両端部を下部ダ
イアフラム2と上部ダイアフラム4の間に挿入し、さら
に上部ダイアフラム4と梁部材11をボルト12とナッ
ト13で固定する。このとき、必要に応じて厚み調整用
として所要厚さの鋼板を挿入し、ボルト12及びナット
13で固定する。
【0031】なお、下部ダイアフラム2及び上部ダイア
フラム4の幅に対し、高さの小さい梁部材11を使用す
る場合には、下部ダイアフラム2と梁部材11との間に
相当厚のブロックを挿入し、さらに上部ダイアフラム4
の下部と梁部材11との間にフィラー(図示せず)を用
いることもできる。次いで、ガゼットプレート10と梁
部材11とをボルト12及びナット13で固定し、その
後、下部ダイアフラム2と上部ダイアフラム4と梁部材
11を固定して接合作業を完了する。
【0032】図4に示す接合構造は、柱及び仕口コアを
H形鋼により構成したもので、主としてSRC(鉄骨鉄
筋コンクリート)造に採用されるものである。なお本実
施形態において先の実施形態に対応するものは同じ符号
を付している。
【0033】同図において、70はH形鋼を構成要素と
する柱で、H形鋼71とこのH形鋼71のウエブに、H
形鋼をウエブ部分で切断した分割体72,73を突き合
わせ溶接で接合した構造である。この柱70は図1、図
2で説明したのと同様に上下に分断されており、接合部
には通しダイアフラム体80が配置されている。先の実
施形態と同様に柱70と通しダイアフラム体80とは溶
接により接合されている。
【0034】本実施形態の通しダイアフラム体80は、
上記した柱70と同一断面であり梁部材11のウエブ高
さと同一の高さを有する仕口コア81、仕口コア81の
上下面にそれぞれ溶接により接合され一枚の鋼板から切
り出しにより形成された上ダイアフラム85、下ダイア
フラム86、及び、仕口コア81の側面に梁部材11の
ウエブに対向するように配置されたガゼットプレート8
7により構成されている。ここで、ガゼットプレート8
7と仕口コア81及び上下ダイアフラム85,86とは
溶接により接合されている。また、図5で明瞭に示すよ
うに、上下ダアヤフラム85,86及びガゼットプレー
ト87には、後述する接合用のボルト孔Hが多数穿設さ
れている。
【0035】90はスプライスプレートで、接合部のフ
ランジ及びウエブのそれぞれ両面に配置され、ボルト1
2及びナット(図示せず)によって接合固定されてい
る。なお、上ダイアフラム85、ガゼットプレート8
7、下ダイアフラム86の端面は同一面上にあり、これ
らの部材85,86,87の端面と、梁部材11の端面
との間には5〜10mm程度の隙間を開けた状態でスプ
ライスプレート90を介してボルト接合されている。
【0036】上記した図1〜図4の接合構造において
は、いずれも通しダイアフラム体80と梁部材11とを
ボルト接合し、この接合部を接合構造における最弱部と
しており、巨大地震のように設計荷重以上の荷重が載荷
された際には、溶接部のように突然破断することなく、
まずスプライスプレート90と通しダイアフラム体80
及び梁部材11とが滑りを生じ、しかる後に、梁部材1
1のフランジ、スプライスプレート90、ボルト12の
いずれかの延性破壊や座屈により破壊する。このように
破断に至る前の段階で滑りすなわち変形が発生すること
により、荷重エネルギーを吸収し、溶接部のような突然
の破断を防ぐことができる。
【0037】次いで、実際の実験結果にもとづいて本発
明の優位性について説明する。図6は本発明のボルト接
合による接合構造における履歴曲線、図7は従来の溶接
による接合構造における履歴曲線をそれぞれ示す。同図
において横軸は梁の変形量、縦軸は荷重をそれぞれ示
す。
【0038】実験結果は、本発明工法では滑りを起こし
た後の挙動が安定し、破断などの極端な耐力の低下がみ
られなかったのに対し、従来工法では、梁部材の挙動の
特徴が現れ、初期の載荷段階では全塑性モーメントに至
らず、十分に変形した後にフランジ溶接部の破断を生じ
た。
【0039】また、同図で明らかなように、本発明では
ボルトの滑りを伴うため、従来型のものにくらべ履歴曲
線が大きく異なるが、履歴曲線の内部の面積というの
は、この接合部が吸収したエネルギーに相当するもので
あり、地震時におけるエネルギーの消費に相当し、中の
面積が大きい本発明工法の方が従来工法にくらべより地
震力を減衰させる効果に優れていることが判る。また、
従来工法の場合、突然引張り破断が発生するが、本発明
工法の場合、ボルトの滑りとか、ボルトでボルト孔に欠
損した断面の部分で引張り破断を引き起こすという、破
壊のメカニズムがわかりやすいため、設計の時点でこの
履歴曲線を予想することができ、耐震設計に反映しやす
い。
【0040】また上記以外に、短期荷重を想定した荷重
においては弾性的な荷重変形関係を示し、その後の載荷
で、全塑性モーメントを越えた時点でボルト接合部の最
初の滑りを生じている。さらに荷重が反転した逆側で全
塑性モーメントに至らず滑りを生じ、滑り直後は耐力が
低下したが、変形に伴って耐力が復帰しており、支圧状
態になった。滑りを再度生じた後には大きな変形を加え
た後に耐力が復帰した。一般に言われているように、滑
りを生じた後の摩擦面の劣化やボルト張力の低下に伴
い、スリップ型の荷重変形関係となったが、大変形を受
けてもボルト接合部のすべり耐力は完全には消失しなか
った。
【0041】このように、梁部材のフランジをボルト接
合した本発明品においては、従来より使用されかつ施工
が容易なボルト接合を使用し、破断が発生しにくい信頼
性の高い接合構造を得ることができる。また、作業コス
トを大幅に低減することができる。
【0042】次いで、本発明が適用可能な通しダイアフ
ラム体および接合構造の他の実施形態について図8〜図
13を参照して説明する。
【0043】図8は鉄骨建造物の四囲部の形状を示す上
部、下部のダイアフラム15の形状を示したもので、2
方向に梁部材との接合部が形成されている。WはH形鋼
の梁部材のフランジ幅と同等か若しくはそれよりも広
い。またLは60cm以下の長さである。そして上部、
下部ダイアフラムは先の実施例と同様に通しダイアフラ
ム構造である。
【0044】図9は間柱の部分で、3方向に梁部材との
接合部を形成した状態を示した図で、上下部のダイアフ
ラム16は6角形状となっている。
【0045】図10は建物の内部の間柱、すなわち中央
柱に関する図を示しており、この場合には梁部材との接
合部は4方向に突出するようになるため、上下部ダイア
フラム17の形状は8角形となる。
【0046】さらに、図11〜図13は、図8〜図10
のダイアフラムの形状を変化させたもので、図8のダイ
アフラム15に相当するのは図11のダイアフラム18
であり、図9のダイアフラム16に相当するのは図10
のダイアフラム19であり、さらに図10のダイアフラ
ム17に対応するのが図13のダイアフラム20であ
る。この他にも角柱コア部3を基準として異形状のダイ
アフラムの形状が考えられる。
【0047】本発明の通しダイアフラム体においては、
上記したような様々な形状のダイアフラムを使用するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏すること
ができる。
【0049】(1)上ダイアフラム、下ダイアフラム、
及び仕口コアに、梁部材との接合用ボルト孔を形成した
通しダイアフラム体によって、地震などのエネルギーが
滑りによって吸収され、比較的簡単な構造で、地震時等
破壊荷重が作用した場合においても、突然の破断が発生
することのない信頼性の高い接合構造を得ることができ
る。また、作業コストを大幅に低減することができる。
【0050】(2)従来の仕口部に対し本発明では上
部、下部ダイアフラムを小さくすることにより、運搬費
用が削減できる。
【0051】(3)実験結果からも明らかなように、履
歴曲線を想定できるため、無駄や危険性の少ない設計が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における接合構造の例を示す斜視図であ
る。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】接合構造の他の例を示す斜視図である。
【図5】図4に示す通しダイアフラム体の斜視図であ
る。
【図6】本発明工法の試験結果を示すグラフである。
【図7】従来工法の試験結果を示すグラフである。
【図8】ダイアフラムの他の例を示す平面図である。
【図9】ダイアフラムの他の例を示す平面図である。
【図10】ダイアフラムの他の例を示す平面図である。
【図11】ダイアフラムの他の例を示す平面図である。
【図12】ダイアフラムの他の例を示す平面図である。
【図13】ダイアフラムの他の例を示す平面図である。
【図14】従来の接合構造を示す側面図である。
【図15】図14の平面図である。
【符号の説明】
1 下部角柱 2 下部ダイアフラム 3 角柱コア部 4 上部ダイアフラム 5 上部角柱 6 下部角柱の上面に設けられた開先部 7 角柱コア部下面の開先部 8 角柱コア部上面の開先部 9 上部角柱下面の開先部 10 ガゼットプレート 11 梁部材 12 ボルト 13 ナット 15〜20 ダイアフラム 31 角柱 32 下部ダイアフラム 33,37,40,43,45,48,49 溶接部 34,36,39,42,46,47,開先部 35 角柱コア部 38 上部ダイアフラム 41 上部角柱 44 仕口部 50 仕口部先端部 51 梁 52〜54 添板 70 柱 71 H形鋼 72,73 分割体 80 通しダイアフラム体 81 仕口コア 85 上ダイアフラム 86 下ダイアフラム 87 ガゼットプレート 90 スプライスプレート H ボルト孔

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部柱と下部柱の間に配置され前記柱と
    梁部材との接合に用いられる通しダイアフラム体であっ
    て、前記上部柱の下面に接合される上ダイアフラムと前
    記下部柱の上面に接合される下ダイアフラムと前記上ダ
    イアフラム及び下ダイアフラムよりも小断面であって前
    記梁部材の梁せいに相当する高さを有する仕口コアとを
    備え、さらに、前記上ダイアフラム、下ダイアフラム、
    及び仕口コアに、前記梁部材との接合用ボルト孔を形成
    した通しダイアフラム体。
  2. 【請求項2】 前記仕口コアがコラムタイプ又はH形鋼
    を構成要素とし、かつ前記梁部材がH形鋼である請求項
    1記載の通しダイアフラム体。
  3. 【請求項3】 上下面に仕口コアよりも広いダイアフラ
    ムを接合した通しダイアフラム体とH形鋼からなる梁部
    材との接合構造であって、少なくとも前記上下面のダイ
    アフラムと前記梁部材の上下フランジとをボルト接合に
    より接合した鉄骨構造物の接合構造。
  4. 【請求項4】 前記梁部材のウエブと前記仕口コアとを
    ボルト接合により接合した請求項3記載の鉄骨構造物の
    接合構造。
  5. 【請求項5】 前記仕口コアがコラムタイプまたはH形
    鋼のいずれかを構成要素とする請求項3,4記載の鉄骨
    構造物の接合構造。
  6. 【請求項6】 前記通しダイアフラム体の端面と梁部材
    の端面との間に隙間を設けスプライスプレートを介して
    接合した請求項3〜5記載の鉄骨構造物の接合構造。
  7. 【請求項7】 前記接合構造における最弱部をボルト接
    合部とした請求項3〜6記載の鉄骨構造物の接合構造。
  8. 【請求項8】 ボルト接合用のスプライスプレートを備
    え、設計荷重以上の荷重が載荷された際には、前記スプ
    ライスプレートと前記通しダイアフラム体及び梁部材と
    が滑りを生じるように接合した請求項3〜7記載の鉄骨
    構造物の接合構造。
  9. 【請求項9】 破壊荷重載荷時に、梁部材のフランジ、
    スプライスプレート、ボルトのいずれかの延性破壊によ
    り破壊するように接合した請求項3〜8記載の鉄骨構造
    物の接合構造。
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