JP3859101B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真式プリンタ等の電子写真印刷装置の現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高速レーザビームプリンタ用の現像装置には多段ロ−ル現像機が採用されている。その多段ロ−ル現像機とは、感光体近傍に配置される現像容器に多段の現像ロールが前記感光体に沿って配置されており、そのうち、感光体の回転方向上流側に配置した現像ロールが前記感光体の回転方向と同方向に回転し、前記感光体の回転方向下流側に複数配置した現像ロールが前記感光体の回転方向と逆方向に回転する構成とし、さらに前記現像容器の底部に搬送ロ−ルが配置され、現像容器最上部にトナーホッパと前記現像ロール背面に混合撹拌器が配置されている。このような構成の現像機は特開平6−202484に示されている。また、前記現像機が作業を終了した時、現像剤は前記現像容器の底部と前記搬送ロールの間に滞留された状態となる。
【0003】
この方式の現像装置を高速化すると、現像ロールの回転数が増加し、現像剤に与える機械的ストレスも増加し、現像剤の疲労が激しくなる。疲労が激しくなった現像剤を現像剤底部に収容したままにしておくと、搬送ロールによる自重や搬送ロールの磁気吸引力等によって、更に現像剤にストレスを与え続けることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように現像剤にストレスを与え続けると現像剤の帯電性能が劣化し、所望の極性の帯電量に達するのに時間がかかり、感光体に付着し、用紙背景部の汚れ(カブリ)を多く発生することになり、印刷品質が低下する。
【0005】
そこで本発明では、現像剤のストレスを低減し、長期にわたり安定した高速現像を実現する現像装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、基本的には次のように構成する。
【0007】
現像ロール(4,5,6)と、トナー(8)と現像剤(2)を混合撹拌する撹拌部材(9)と、前記撹拌部材の上流側に現像剤搬入口(19A)と、前記撹拌部材の下流側に現像剤排出口(16A)と、前記現像剤搬入口(19A)及び前記現像剤排出口(16A)の近傍にそれぞれ開閉可能に設けられたドア部(16,19)と、を有する現像容器(1)を備え、前記現像容器(1)の前記現像ロール(4,5,6)とは反対側の側面に現像剤保管部(17)を配設した電子写真印刷装置の現像装置において、前記現像剤保管部(17)は、前記現像剤排出口(16A)と、前記現像剤搬入口(19A)と、現像剤搬送機構(18)とを各々有し、現像作業終了時には前記現像容器(1)で用いられた現像剤(2)を前記ドア部(16)を開いて前記現像剤排出口(16A)から前記現像剤保管部(17)に搬入するとともに、現像作業開始時には前記現像剤保管部(17)にある前記現像剤(2)を、前記現像剤搬送機構(18)を通して前記現像剤搬入口(19A)へ混合撹拌・搬送し、前記ドア部(19)を開いて前記現像剤搬入口(19A)から前記現像剤(2)を前記現像容器(1)に戻して再使用することを特徴とする。
また、前記現像剤搬送機構(18)は、前記現像剤(2)を混合撹拌・搬送するためのベルト部材(20)と、前記ベルト部材(20)を駆動する駆動手段(22,23,25)と、前記ベルト部材(20)の外周に多数のバケット(21)からなることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、現像装置の作業が終わると、現像剤が現像容器から現像剤保管部に移動することで、現像剤が搬送ロールの自重や磁力によるストレスを受けずに保管でき、また、作業開始時には、現像剤が現像容器に戻されるので、健全な状態で保管された現像剤の再使用を可能にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
本発明の一実施例を図1〜図3により説明する。図1の(a)は本実施例に係る現像装置の現像作業状態を示す断面図、(b)はその現像作業終了状態を感光体10を省略して示す断面図、図2は再度現像を開始するときの状態を感光体10を省略して示す断面図、図3は上記実施例に用いる現像剤搬入部材18の側面図及び正面断面図である。
【0010】
図1(a)に示すように、10は光導電性を有する感光体、1は現像装置の本体となる現像容器であり、現像容器1は感光体10の近傍に配置され、現像容器一側(感光体10と対向する側)には、多段の現像ロール4,5,6が感光体10の表面に沿って配置され、そのうち、感光体10の回転方向上流側に配置した現像ロール4が感光体10の回転方向と同方向に回転し、感光体10の移動方向下流側に複数配置した現像ロール5,6が感光体10の回転方向と逆方向に回転する構成としてある。現像容器1の最下部には現像剤2を上部に供給する搬送ロール3が配置されている。
【0011】
現像容器1の最上部にはトナー8を現像部へ補給するトナーホッパ7があり、その下に補給されたトナー8と現像剤2を混合撹拌する撹拌部材9がある。ここで、現像剤2はトナーとキャリアにより構成される。
【0012】
現像容器1の側壁には、撹拌部材9の下に現像剤排出口16A及びこの排出口16Aを開閉するドア部16が設けてある。ドア部16は開閉時に現像容器1内のスクレーパ15側に回倒して、図1(b)に示すように現像剤2を排出口16A側にガイドする機能を有する。
【0013】
現像容器1のうち感光体10と反対側の傍ら(側部)には、現像剤保管部17が設けてある。現像剤保管部17はほゞVの字形を呈して、その一端が現像容器1の排出口16Aと接続され、他端が現像容器1の上部に設けた現像剤戻し口(搬入口)19Aと接続されている。現像剤戻し口19Aには、この戻し口19Aを開閉するドア部19が設けてある。現像剤戻し口19Aは、撹拌部材9の上部に配置されている。
【0014】
現像剤保管部17内には、現像容器1に現像剤2を戻すための現像剤搬入部材(現像剤搬送機構)18が配置されている。現像剤搬入部材18は、図3に示すように、ゴム製のベルト20の外周に多数のバケット21が一定の方向に接着剤により着けられており、ベルト20の内周の両端にプーリ22、23が設けられている。前記プーリ22、23の間をベルト20は一定の張力によって張られていることで安定した作業ができる。
【0015】
上部に設けられたプーリ22にモータ25が直結されており、プーリ22を回転させることで、現像剤搬入部材18が可動する。ベルト20は電圧リークによる不具合を防ぐために非導電性のべルトを使用するのが好ましい。
【0016】
ここで、現像中の動作を図1(a)により説明する。現像中には、現像剤2は、現像容器1内にあり、現像剤排出口16A及び戻し口19Aは閉じた状態にある。
【0017】
現像剤2の一部の現像剤2aは搬送ロール3の磁気吸引力により、ロール3の表面上を搬送され、スクレーパ14によって剥ぎ取られ、スクレーパ14のガイド作用により現像ロール6に受け渡される。搬送ロール3の表面上に残った現像剤2dは、スクレーパ15によって掻き落され現像容器1の下部に戻される。現像ロール6に受け渡された現像剤2aは、そのあと現像ロール5に受け渡され、感光体10と現像ロール5、6の間に搬送されて、感光体10と接し現像する。
【0018】
現像ロール6の表面上に残った現像剤2aはスクレーパ13によって掻き落され、現像容器1の下部に戻される。
【0019】
一方、現像剤規制部材11で分配された現像剤2bは、感光体10と現像ロール4の間に搬送されて、感光体10と接し現像する。
【0020】
現像ロール4の表面上に残った現像剤2bは、スクレーパ12により掻き落される。掻き落された現像剤2bはトナーホッパ7から補給されたトナー8と一緒に撹拌部材9に落下し、混合撹拌されて搬送ロール3の下部に戻される。また、現像剤規制部材11で分配され、現像ロール4の表面に搬送されなかった現像剤2cは、重力により落下し、そのまま現像容器1の下部に戻される。
【0021】
次に、現像装置1の作業終了時の状態を図1(b)をもって説明する。作業終了の信号を受けた時、搬送ロール3及び現像ロール4,5,6は所定の時間だけ駆動し、スクレーパ14が現像ロール6近傍に移動する。また、現像剤排出口16Aのドア部16が現像容器1内部に倒れる。この回倒は、スクレーパ15に接するように行なわれる。
【0022】
スクレーパ14の移動及び現像剤排出用のドア部16の回倒動作は同時に行われる。そのため、現像剤2は、搬送ロール3から現像ロール6には受け渡されず搬送ロール3の表面に沿って搬送され、符号の2dに示すようにスクレーパ15で剥ぎ取られ、その後、ドア部16で案内されて、排出口16Aを通って現像剤保管部17側に移動し、現像剤保管部17に保管される。また、現像ロール4の表面上を搬送していた現像剤2bも撹拌部材9を通過後、現像剤排出口開閉用のドア部16の上を通って排出口16Aを介して現像剤保管部17側に移動して保管される。このようにして、現像剤2がストレスを受けずに保管することが可能となる。搬送ロール3及び現像ロール4〜6は、上記のような動作をなすことで、現像作業終了時には現像容器1で用いられた現像剤2を現像剤保管部17に移動させる手段となる。
【0023】
次に、現像作業が再び開始される時の動作を図2をもって説明する。作業開始の信号を受け、現像剤戻し口19Aのドア19が上方にスライドして開く。その後、現像剤搬入部材18の上部プーリ22がモータ25の回転により、反時計方向に回動する。現像剤搬入部材18の形状はベルト状の部材20の上にバケット21が多数設けられており、現像剤搬入部材18が回動することにより、現像剤保管部17に保管された現像剤2eが、現像剤搬入部材18上にあるバケット21で汲みあげられて、現像剤搬入補助部材24を使って、現像剤戻し口19Aより現像容器1内部に戻される。
【0024】
その時に現像剤搬入部材18の回動により、現像剤2eは予備撹拌される。その後、現像剤戻し口19が撹拌部材9の上部に設けられているため、搬入した現像剤2eは撹拌部材9により、更に撹拌混合されてから現像容器1の下部に入る。
【0025】
現像剤2eは現像剤搬入部材18と撹拌部材9により作業開始前に混合撹拌されるため、安定した画質が得られる。上記の作業を一定時間繰り返すことにより貯蔵庫17内の現像剤2eが、すべて現像装置1内部に戻される。その後で現像剤搬入部材18が停止し、その後、現像剤搬入口19が下方にスライドして現像剤戻し口19Aを閉じ、現像装置1が作業開始状態になる。現像剤搬入部材18は、上記のような動作をなすことで、現像作業の開始時には現像剤保管部17にある現像剤を現像容器1に戻す手段となる。
【0026】
(実施例2)
本発明の第2実施例を図4により説明する。
【0027】
図4の(a),(b)は第2実施例に係る現像装置において、現像剤の交換を自動的に行なう作業状態を示す断面図であり、(b)では感光体10を省略している。
【0028】
本例は、基本構成は実施例1と同様であるが、現像剤保管部17下部に現像剤2を排棄するための排出容器27が設けてある。排出容器27には現像剤2を入れるための現像剤受入れ口26Aが設けてあり、この受入れ口26Aが現像剤保管部17の一端に設けてあり、現像容器1側の現像剤排出口16Aが上記受入れ口26Aに斜め上方から臨むような位置関係に設定してある。
【0029】
また、現像剤保管部17のうち、一部には、現像剤搬入部材18の下側のプーリ23の上部近傍に位置するようにして新品の現像剤補給部28が設けてある。
【0030】
31が現像剤保管部17の内部に補給する新品の現像剤である。現像剤補給部28の上部に現像剤投入口29、下部に現像剤補給口30A及び補給口30Aを開閉するドア部30が設けられている。
【0031】
図示されていないが現像中には、ドア16、ドア19のいずれもが閉じており、この時の現像動作は図1(a)同様に行なわれる。また、現像作業が終了した時にはドア19が閉、ドア16が開状態にあって図1(b)同様の動作が行なわれる。現像を再開する時には、ドア部16が閉、ドア部19が開いて図2同様の動作を行なわれる。さらに、現像剤が使い古されて交換の必要が生じると、図4(a)(b)の動作が行なわれ、以下、この動作を説明する。
【0032】
図4(a)に示すように、現像剤の交換に際しては、現像剤排出口16Aのドア16が現像容器1内部に倒れて開状態となり、またドア16の先端はスクレーパ15に接してドア16が現像剤搬送路となり、この状態で搬送ロール3及び現像ロール4,5,6が所定時間駆動することで、現像剤が現像容器1から現像剤保管部17側に移動する。
【0033】
現像剤排出口16Aから出た現像剤2eは、現像剤受入れ口26Aを介して排出容器27に入り、その後、廃棄される。
【0034】
上記のように古い現像剤が排出された後に、図4(b)に示すように、ドア部16が元の位置に戻って現像剤排出口16が閉じ、現像剤補給容器(現像剤補給部)28の現像剤補給口30Aが開き、新品の現像剤31が現像剤保管部17の内部に入る。この状態では、現像剤搬入部材18が稼動しており、ドア19も開いているので、現像容器1内部に新品の現像剤31が搬入される。上記の作業を行うことで新品現像剤への交換が終了する。この作業はページカウンタや現像容器の駆動時間をセンスするセンサ等の信号により自動で行うことが可能である。
【0035】
また、現像剤2が使用中に不具合を発生し、現像剤2を新品の現像剤に交換する必要が生じた場合は上記センサの信号に関係なく、マニュアルでも上記作業を行うことができるようにしてある。新品の現像剤31は現像剤補給容器28の上部に設けられた現像剤投入口29より、いつでも現像剤補給室28内に補給できるようになっている。
【0036】
また、現像剤排出口16は現像容器1の下部に設けることも可能である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、高速化による現像剤へのストレスが低減できるため、安定した良好な画質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施例に係る電子写真式印刷装置の現像装置の作業状態を示す概略断面図、(b)は、本発明による電子写真式印刷装置の現像装置の作業終了時を示す概略断面図。
【図2】上記実施例による電子写真式印刷装置の現像装置の作業開始時を示す概略断面図。
【図3】現像剤搬入部材の拡大図。
【図4】(a)(b)は、本発明の第2実施例に係る現像装置の現像剤交換状態を示す概略断面図。
【符号の説明】
1…現像容器、2、2a,2b,2c,2d,2e…現像剤、3…搬送部材、4、5、6…現像ロール、7…トナーホッパ、8…トナー、9…撹拌部材、10…感光体、、11…現像剤規制部材、12…スクレーパ、13…スクレーパ、14…スクレーパ、15…スクレーパ、16A…現像剤排出口、17…現像剤保管部、18…現像剤搬入部材、19A…現像剤搬入口、20…ベルト、21…バケット、22、23…プーリ、24…現像剤搬入補助部材、25…モータ、26…現像剤排出部材、27…排出容器、28…現像剤補給室、29…現像剤投入口、30…現像剤補給口、31…新品の現像剤。
Claims (2)
- 現像ロール(4,5,6)と、
トナー(8)と現像剤(2)を混合撹拌する撹拌部材(9)と、
前記撹拌部材の上流側に現像剤搬入口(19A)と、
前記撹拌部材の下流側に現像剤排出口(16A)と、
前記現像剤搬入口(19A)及び前記現像剤排出口(16A)の近傍にそれぞれ開閉可能に設けられたドア部(16,19)と、を有する現像容器(1)を備え、
前記現像容器(1)の前記現像ロール(4,5,6)とは反対側の側面に現像剤保管部(17)を配設した電子写真印刷装置の現像装置において、
前記現像剤保管部(17)は、前記現像剤排出口(16A)と、前記現像剤搬入口(19A)と、現像剤搬送機構(18)とを各々有し、
現像作業終了時には前記現像容器(1)で用いられた現像剤(2)を前記ドア部(16)を開いて前記現像剤排出口(16A)から前記現像剤保管部(17)に搬入するとともに、現像作業開始時には前記現像剤保管部(17)にある前記現像剤(2)を、前記現像剤搬送機構(18)を通して前記現像剤搬入口(19A)へ混合撹拌・搬送し、前記ドア部(19)を開いて前記現像剤搬入口(19A)から前記現像剤(2)を前記現像容器(1)に戻して再使用することを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤搬送機構(18)は、前記現像剤(2)を混合撹拌・搬送するためのベルト部材(20)と、前記ベルト部材(20)を駆動する駆動手段(22,23,25)と、前記ベルト部材(20)の外周に多数のバケット(21)からなることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
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