JP4990723B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関するものである。
従来から、トナーと磁性キャリアとを含む二成分の現像剤を用いた現像装置を備える画像形成装置が広く用いられている。複写機などの各種画像形成装置では、感光体などからなる潜像担持体上に画像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像に現像装置からトナーが供給されることにより可視像が得られる。このような2成分現像剤を用いる画像形成装置では、可視像形成時に、トナーのみが消費される。そのため、良好な画像を形成し続けるためには、消費されたトナーの分だけ新しいトナーをトナー供給口から現像装置内に供給し、現像装置に収容されている現像剤のトナー濃度を常に適正に保つ必要がある。
現像装置にトナーを供給する際、現像装置内のトナー供給口付近の内圧が上昇して現像装置の外の気圧よりも高くなった場合、空気の流れは現像装置から外部へ流れ出す吐出気流が発生する。このような場合、供給されたトナーの一部は現像装置内に入らず現像装置外へと飛散してしまい、画像形成装置内がトナーで汚染され、程度が悪い場合には、感光体上に飛散トナーが付着し画像を汚すこともある。また、必要量のトナーを補給したとしても吐出気流になっているとその一部は現像装置内に入らないため、現像装置内のトナー濃度は低くなり、画像不良が発生してしまう不具合もあった。
このような現像装置の内圧の上昇を抑制して現像剤の飛散を防止出来る現像装置として、フィルタを設けた現像装置が提案されている。
特許文献1に記載の現像装置では、現像装置の現像剤収容部の天面に通気可能な開口部を配置し、その開口部をトナー及び磁性キャリアの通過が不可能な目を有するフィルタで覆っている。フィルタを備えた開口部を設けることにより、現像装置内の気圧が現像装置外の気圧よりも高くなることを防止することができ、現像装置の内圧の上昇に起因する開口部からのトナーの飛散を抑制することができる。
特開2003−215917号公報
しかしながら、特許文献1のように、現像剤収容部の天面に開口部を設けるだけではトナーが飛散しやすいトナー供給口でのトナー飛散の対策としては十分ではない。フィルタを設ける構成では、現像装置の内圧が現像装置の外の気圧よりも上昇することを防止するため、現像装置の内圧と外の気圧との差によって生じる現像装置の内部から外部に向かう気流によってトナーが現像装置外部に飛散することを防止できる。しかし、現像装置の外部から内部に向かう気流が生じないため、トナー供給口にトナーが供給される勢いや、トナー供給口近傍の現像装置内で現像剤が搬送される勢いによって舞い上がった現像剤に含まれるトナーがトナー供給口から飛散することを防止することは困難である。よって、供給されたトナーをより確実に現像装置内に取り込み、トナー供給口でのトナーの飛散を防止するためにはトナー供給口近傍の現像装置の内圧を負圧にしてトナー供給口で現像装置の外部から内部に向かう吸引気流を発生させる必要がある。
このような問題は、トナー供給口からトナーのみを供給する現像装置に限らず、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を現像剤供給口から供給する現像装置であっても起こり得る問題である。
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像剤供給口でのトナー飛散をより確実に防止することができる現像装置、及びこの現像装置を備えた画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、現像剤搬送路内の現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、該現像剤搬送路中に現像剤を供給する現像剤供給口と、該現像剤供給口から該現像剤搬送路に現像剤を供給する現像剤供給手段とを有する現像装置において、該現像剤搬送路内の該現像剤供給口近傍の空気を密閉する密閉空間を、該現像剤搬送部材と該現像剤と該現像剤搬送路を形成するケーシングの内壁である搬送内壁とによって形成し、該現像剤搬送部材による現像剤の搬送に伴って該現像剤搬送部材の搬送方向下流側に該密閉空間も移動し、該密閉空間によって密閉されて該現像剤搬送部材の搬送方向下流側に移動した空気を該現像剤搬送路から排出する排気口を該現像剤供給口に対して搬送方向下流側に有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像剤搬送部材は、上記現像剤供給口に対して搬送方向下流側の上記搬送内壁の天井部と近接する搬送上部近接間隙を搬送方向の複数箇所で形成する内壁近接部を備え、該搬送上部近接間隙を空気が移動できないように密閉する近接部密閉手段を備えることで隣り合う該搬送上部近接間隙同士の間に上記密閉空間を形成し、該現像剤搬送部材の現像剤の搬送動作を行うことによって該搬送上部近接間隙が搬送方向下流側に移動することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の現像装置において、上記近接部密閉手段は上記搬送内壁の天井部と上記内壁近接部との間の現像剤であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の現像装置において、上記現像剤搬送部材は回転軸と該回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより該回転軸の軸方向に現像剤を搬送する搬送スクリュであり、該羽部が上記内壁近接部であり、該羽部の該搬送スクリュの回転によって該回転軸の上方に位置する部分が該搬送内壁の天井部に近接して上記搬送上部近接間隙を形成し、該羽部の該搬送上部近接間隙を形成する部分によって押されることで盛り上った現像剤が該搬送上部近接間隙を埋めることによって現像剤が上記近接部密閉手段として作用することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項3または4の現像装置において、上記現像剤搬送部材は、上記現像剤搬送路内の少なくとも上記現像剤供給口から上記排気口までの位置で上記搬送上部近接間隙を形成する上記内壁近接部の先端に磁石を備えることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2の現像装置において、上記近接部密閉手段として、可撓性の材料からなり、上記搬送内壁の天井部に接触する可撓性摺擦部材を上記内壁近接部の先端に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像剤搬送部材は、上記現像剤供給口に対して搬送方向下流側で上記搬送内壁の天井部と搬送方向の複数箇所で摺擦する搬送上部摺擦部を備え、該搬送上部摺擦部と該搬送内壁とが摺擦する搬送上部摺擦箇所では空気が移動できないように密閉する形状に該現像剤搬送部材と該搬送内壁とを形成することで、隣り合う該搬送上部摺擦箇所同士の間に上記密閉空間を形成し、該現像剤搬送部材の現像剤の搬送動作を行うことによって該搬送上部摺擦箇所が搬送方向下流側に移動することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の現像装置において、少なくとも上記現像剤供給口から上記排気口までの上記現像剤搬送路では、上記現像剤搬送部材の外形と上記搬送内壁の断面とが略同一形状であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、上記排気口に対して上記現像剤搬送部材の搬送方向下流側では現像剤が上記現像搬送路を埋めた状態となることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、5、6、7、8または9の現像装置において、上記現像剤搬送部材は回転軸と該回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより該回転軸の軸方向に現像剤を搬送する搬送スクリュであることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の現像装置において、上記搬送スクリュは、上記現像剤搬送路内の少なくとも上記現像剤供給口を設けた位置の近傍では多条のスクリュであることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の現像装置において、上記現像剤搬送路内の現像剤搬送方向上流側の現像剤の移動速度は、現像剤搬送方向下流側の現像剤の移動速度以上であることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
上記請求項1乃至13の発明においては、現像剤搬送部材と搬送内壁とによって現像剤供給口近傍の空気を密閉する密閉空間を形成し、現像剤搬送部材の現像剤の搬送に伴って密閉空間が現像剤の搬送方向下流側に移動することにより、現像剤搬送路の現像剤供給口近傍の空気は搬送方向下流側に移動して、その後、排気口から現像剤搬送路の外へ排出される。現像剤供給口近傍の空気が搬送方向下流側へ移動するため、移動した空気の分を外部から取り込むこととなり、現像剤供給口で現像装置の外部から内部に向かう吸引気流が発生する。
請求項1乃至13の発明によれば、現像剤供給口で吸引気流が発生することによって、現像剤供給口の近傍で舞い上がったトナーが現像剤供給口から外部に向かうことを防止することが出来るため、現像剤供給口でのトナー飛散をより確実に防止することができるという優れた効果がある。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラーレーザー複写機(以下、単に「複写機500」という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る複写機500の概略構成図である。複写機500はプリンタ部100、これを載せる給紙装置200、プリンタ部100の上に固定されたスキャナ300などを備えている。また、このスキャナ300の上に固定された原稿自動搬送装置400なども備えている。
プリンタ部100は、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組のプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kからなる画像形成ユニット20を備えている。各符号の数字の後に付されたY,M,C,Kは、イエロー、シアン、マゼンダ、ブラック用の部材であることを示している(以下同様)。プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kの他には、光書込ユニット21、中間転写ユニット17、二次転写装置22、レジストローラ対49、ベルト定着方式の定着装置25などが配設されている。
光書込ユニット21は、図示しない光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラーなどを有し、画像データに基づいて後述の感光体の表面にレーザ光を照射する。
プロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、ドラム状の感光体1、帯電器、現像装置4、ドラムクリーニング装置、除電器などを有している。
以下、イエロー用のプロセスカートリッジ18について説明する。
帯電手段たる帯電器によって、感光体1Yの表面は一様帯電される。帯電処理が施された感光体1Yの表面には、光書込ユニット21によって変調及び偏向されたレーザ光が照射される。これにより、照射部(露光部)の感光体1Yの表面の電位が減衰する。この表面の電位の減衰により、感光体1Y表面にY用の静電潜像が形成される。形成されたY用の静電潜像は現像手段たる現像装置4Yによって現像されてYトナー像となる。
Y用の感光体1Y上に形成されたYトナー像は、後述の中間転写ベルト110に一次転写される。一次転写後の感光体1Yの表面は、ドラムクリーニング装置によって転写残トナーがクリーニングされる。
Y用のプロセスカートリッジ18Yにおいて、ドラムクリーニング装置によってクリーニングされた感光体1Yは、除電器によって除電される。そして、帯電器によって一様帯電せしめられて、初期状態に戻る。以上のような一連のプロセスは、他のプロセスカートリッジ18M,C,Kについても同様である。
次に、中間転写ユニットについて説明する。
中間転写ユニット17は、中間転写ベルト110やベルトクリーニング装置90などを有している。また、張架ローラ114、駆動ローラ15、二次転写バックアップローラ16、4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kなども有している。
中間転写ベルト110は、張架ローラ114を含む複数のローラによってテンション張架されている。そして、図示しないベルト駆動モータによって駆動される駆動ローラ15の回転によって図中時計回りに無端移動せしめられる。
4つの一次転写バイアスローラ62Y,M,C,Kは、それぞれ中間転写ベルト110の内周面側に接触するように配設され、図示しない電源から一次転写バイアスの印加を受ける。また、中間転写ベルト110をその内周面側から感光体1Y,M,C,Kに向けて押圧してそれぞれ一次転写ニップを形成する。各一次転写ニップには、一次転写バイアスの影響により、感光体1と一次転写バイアスローラ62との間に一次転写電界が形成される。
Y用の感光体1Y上に形成された上述のYトナー像は、この一次転写電界やニップ圧の影響によって中間転写ベルト110上に一次転写される。このYトナー像の上には、M,C,K用の感光体1M,C,K上に形成されたM,C,Kトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト110上には多重トナー像たる4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像は、後述の二次転写ニップで図示しない記録体たる転写紙に二次転写される。二次転写ニップ通過後の中間転写ベルト110の表面に残留する転写残トナーは、図中左側の駆動ローラ15との間にベルトを挟み込むベルトクリーニング装置90によってクリーニングされる。
次に、二次転写装置22について説明する。
中間転写ユニット17の図中下方には、2本の張架ローラ23によって紙搬送ベルト24を張架している二次転写装置22が配設されている。紙搬送ベルト24は、少なくとも何れか一方の張架ローラ23の回転駆動に伴って、図中反時計回りに無端移動せしめられる。2本の張架ローラ23のうち、図中右側に配設された一方のローラは、中間転写ユニット17の二次転写バックアップローラ16との間に、中間転写ベルト110及び紙搬送ベルト24を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ユニット17の中間転写ベルト110と、二次転写装置22の紙搬送ベルト24とが接触する二次転写ニップが形成されている。そして、この一方の張架ローラ23には、トナーと逆極性の二次転写バイアスが図示しない電源によって印加される。この二次転写バイアスの印加により、二次転写ニップには中間転写ユニット17の中間転写ベルト110上の4色トナー像をベルト側からこの一方の張架ローラ23側に向けて静電移動させる二次転写電界が形成される。後述のレジストローラ対49によって中間転写ベルト110上の4色トナー像に同期するように二次転写ニップに送り込まれた転写紙には、この二次転写電界やニップ圧の影響を受けた4色トナー像が二次転写せしめられる。なお、このように一方の張架ローラ23に二次転写バイアスを印加する二次転写方式に代えて、転写紙を非接触でチャージさせるチャージャを設けてもよい。
複写機500本体の下部に設けられた給紙装置200には、内部に複数の転写紙を紙束の状態で複数枚重ねて収容可能な給紙カセット44が、鉛直方向に複数重なるように配設されている。それぞれの給紙カセット44は、紙束の一番上の転写紙に給紙ローラ42を押し当てている。そして、給紙ローラ42を回転させることにより、一番上の転写紙を給紙路46に向けて送り出される。
給紙カセット44から送り出された転写紙を受け入れる給紙路46は、複数の搬送ローラ対47と、給紙路46内の末端付近に設けられたレジストローラ対49とを有している。そして、転写紙をレジストローラ対49に向けて搬送する。レジストローラ対49に向けて搬送された転写紙は、レジストローラ対49のローラ間に挟まれる。一方、中間転写ユニット17において、中間転写ベルト110上に形成された4色トナー像は、ベルトの無端移動に伴って二次転写ニップに進入する。レジストローラ対49は、ローラ間に挟み込んだ転写紙を二次転写ニップにて4色トナー像に密着させ得るタイミングで送り出す。これにより、二次転写ニップでは、中間転写ベルト110上の4色トナー像が転写紙に密着する。そして、転写紙上に二次転写されて、白色の転写紙上でフルカラー画像となる。このようにしてフルカラー画像が形成された転写紙は、紙搬送ベルト24の無端移動に伴って二次転写ニップを出た後、紙搬送ベルト24上から定着装置25に送られる。
定着装置25は、定着ベルト26を2本のローラによって張架しながら無端移動せしめるベルトユニットと、このベルトユニットの一方のローラに向けて押圧される加圧ローラ27とを備えている。これら定着ベルト26と加圧ローラ27とは互いに当接して定着ニップを形成しており、紙搬送ベルト24から受け取った転写紙をここに挟み込む。ベルトユニットにおける2本のローラのうち、加圧ローラ27から押圧される方のローラは、内部に図示しない熱源を有しており、これの発熱によって定着ベルト26を加熱する。加熱された定着ベルト26は、定着ニップに挟み込まれた転写紙を加熱する。この加熱やニップ圧の影響により、フルカラー画像が転写紙に定着せしめられる。
定着装置25内で定着処理が施された転写紙は、プリンタ筐体の図中左側板の外側に設けたスタック部57上にスタックされるか、もう一方の面にもトナー像を形成するために上述の二次転写ニップに戻されるかする。
図示しない原稿のコピーがとられる際には、例えばシート原稿の束が原稿自動搬送装置400の原稿台30上セットされる。但し、その原稿が本状に閉じられている片綴じ原稿である場合には、コンタクトガラス32上にセットされる。このセットに先立ち、複写機本体に対して原稿自動搬送装置400が開かれ、スキャナ300のコンタクトガラス32が露出される。この後、閉じられた原稿自動搬送装置400によって片綴じ原稿が押さえられる。
このようにして原稿がセットされた後、図示しないコピースタートスイッチが押下されると、スキャナ300による原稿読取動作がスタートする。但し、原稿自動搬送装置400にシート原稿がセットされた場合には、この原稿読取動作に先立って、原稿自動搬送装置400がシート原稿をコンタクトガラス32まで自動移動させる。原稿読取動作では、まず、第1走行体33と第2走行体34とがともに走行を開始し、第1走行体33に設けられた光源から光が発射される。そして、原稿面からの反射光が第2走行体34内に設けられたミラーによって反射せしめられ、結像レンズ35を通過した後、読取センサ36に入射される。読取センサ36は、入射光に基づいて画像情報を構築する。
このような原稿読取動作と並行して、各プロセスカートリッジ18Y,M,C,K内の各機器や、中間転写ユニット17、二次転写装置22、定着装置25がそれぞれ駆動を開始する。そして、読取センサ36によって構築された画像情報に基づいて、光書込ユニット21が駆動制御されて、各感光体1Y,M,C,K上に、Y,M,C,Kトナー像が形成される。これらトナー像は、中間転写ベルト110上に重ね合わせ転写された4色トナー像となる。
また、原稿読取動作の開始とほぼ同時に、給紙装置200内では給紙動作が開始される。この給紙動作では、給紙ローラ42の1つが選択回転せしめられ、ペーパーバンク43内に多段に収容される給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて反転給紙路46に進入した後、搬送ローラ対47によって二次転写ニップに向けて搬送される。このような給紙カセット44からの給紙に代えて、手差しトレイ51からの給紙が行われる場合もある。この場合、手差し給紙ローラ50が選択回転せしめられて手差しトレイ51上の転写紙を送り出した後、分離ローラ52が転写紙を1枚ずつ分離してプリンタ部100の手差し給紙路53に給紙する。
複写機500は、2色以上のトナーからなる多色画像を形成する場合には、中間転写ベルト110をその上部張架面がほぼ水平になる姿勢で張架して、上部張架面に全ての感光体1Y,M,C,Kを接触させる。これに対し、Kトナーのみからなるモノクロ画像を形成する場合には、図示しない機構により、中間転写ベルト110を図中左下に傾けるような姿勢にして、その上部張架面をY,M,C用の感光体1Y,M,Cから離間させる。そして、4つの感光体1Y,M,C,Kのうち、K用の感光体1Kだけを図中反時計回りに回転させて、Kトナー像だけを作像する。この際、Y,M,Cについては、感光体1だけでなく、現像装置4も駆動を停止させて、感光体1や現像装置4の各部材及び現像装置4内の現像剤の不要な消耗を防止する。
複写機500は、複写機500内の各機器の制御を司るCPU等から構成される図示しない制御部と、液晶ディスプレイや各種キーボタン等などから構成される図示しない操作表示部とを備えている。操作者は、この操作表示部に対するキー入力操作により、制御部に対して命令を送ることで、転写紙の片面だけに画像を形成するモードである片面プリントモードについて、3つのモードの中から1つを選択することができる。この3つの片面プリントモードとは、ダイレクト排出モードと、反転排出モードと、反転デカール排出モードとからなる。
次に、4つプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kのうちの1つが備える現像装置4及び感光体1について説明する。図2は、現像装置4の斜視説明図である。また、図3は現像装置4の図2中の領域Fを図2中の矢印G方向から見た断面図であり、現像装置4と感光体1とを示す拡大構成図である。4つのプロセスカートリッジ18Y,M,C,Kは、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっているので、同図では「4」に付すY,M,C,Kという添字を省略している。なお、図3は、図1の複写機500の奥側から手前側を見た状態の図である。
現像装置4は潜像担持体であるドラム状の感光体1に対向配置され、感光体1は図中矢印aに示すように図3における時計回り方向に回転駆動する。感光体1は、回転しながら、その表面を不図示の帯電装置により帯電される。帯電された感光体1の表面は露光装置である光書込ユニット21から照射されたレーザ光によってその表面に静電潜像を形成される。
現像装置4のケーシングである現像容器3内には磁性キャリアと磁性又は非磁性のトナーとからなる粉体状の二成分の現像剤2が収容されている。
現像容器3内には、詳細は後述する現像剤搬送手段である3つの搬送スクリュとして、回収スクリュ5、攪拌スクリュ6及び供給スクリュ7が現像スリーブ13の軸方向に対してほぼ平行に設けられている。各搬送スクリュは、回転軸と回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより回転軸の軸方向に現像剤を搬送する。また、現像容器3の内壁、第一隔壁8及び第二隔壁9によって空間が仕切られ、詳細は後述する3つの現像剤搬送路として回収搬送路10、攪拌搬送路11及び供給搬送路12が形成されている。図3に示すように、回収搬送路10、攪拌搬送路11及び供給搬送路12にはそれぞれ回収スクリュ5、攪拌スクリュ6及び供給スクリュ7が配置されている。
第一隔壁8の図3中の奥側の端部には不図示の開口部が設けられ、回収搬送路10と攪拌搬送路11との間を連通している。第二隔壁9の図3中の手前側及び奥側の両端部には不図示の開口部が各々設けられ、攪拌搬送路11と供給搬送路12との間を2つの開口部によってそれぞれ連通している。
なお、現像容器3内の現像剤2中のトナー濃度が低下すると、図示していないトナー収容器からトナーが攪拌搬送路11内の現像剤2中に補給され、攪拌スクリュ6によって撹拌搬送される。
現像装置4は感光体に対向し、現像剤2を表面に担持して表面移動する現像剤担持体としての現像スリーブ13と、現像スリーブ13の内部に現像装置4に対して固定された複数の磁石からなるマグネットローラ13Aを有している。
供給搬送路12内の現像剤2は、供給スクリュ7によって現像スリーブ13の回転軸の軸線方向に沿って搬送されながら現像スリーブ13へ供給される。ただし、現像スリーブ13へ供給されずに供給搬送路12の供給スクリュ7による現像剤搬送方向下流端まで到達した余剰現像剤は、第二隔壁9に設けられた開口部より攪拌搬送路11へと落下供給される。
一方、供給スクリュ7によって供給搬送路12から第1現像スリーブ13へ供給された現像剤は、現像スリーブ13内のマグネットローラ13Aの磁力によって現像スリーブ13上で穂立ちされて、磁気ブラシ現像剤として保持される。磁力によって現像スリーブ13上に保持された状態で、現像スリーブ13が回転することにより、現像剤2は現像スリーブ13上に担持されつつ、図3中の矢印B方向に搬送される。現像スリーブ13に供給された現像剤は、現像スリーブ13に担持されつつ図3中の矢印B1のようにドクタブレード14を通過するが、このとき図3中の矢印B2に示すように余分な現像剤2が掻き取られる。ドクタブレード14を通過した適正量の現像剤は、図3の矢印B3で示すように現像スリーブ13と感光体1との間の現像領域Aを通り、現像剤2中のトナーが感光体1に形成された静電潜像に静電的に移行し、感光体1上の静電潜像が可視像化される。現像領域Aを通過した現像剤2は、現像スリーブ13表面上から離脱し、現像容器3の回収搬送路10へと回収され、回収スクリュ5によって再び撹拌搬送される。
なお、現像スリーブ13からの現像剤2の離脱は、マグネットローラ13Aの現像剤を離脱させたい箇所に反発磁界が形成されるような磁極配置とすることにより、現像スリーブ13からの現像剤2の離脱を可能としている。図3で示すマグネットローラ13AではN極が隣接している箇所で反発磁界が形成され、現像スリーブ13上の現像剤2が離脱し、回収搬送路10にへと回収される。また、現像剤を離脱させたい箇所のみに磁極がない状態に設定することにより現像スリーブ13の表面から現像剤を離脱させるようにしても良い。
現像スリーブ13か回収搬送路10へ回収された回収現像剤は、回収スクリュ5によって回収搬送路10内の回収現像剤の搬送方向下流端まで搬送される。そして、回収搬送路10の下流端の第一隔壁8に設けられた開口部を通過し、攪拌搬送路11へと受け渡される。攪拌搬送路11内の現像剤2は、攪拌スクリュ6により撹拌搬送されながら攪拌搬送路11内の現像剤の搬送方向下流端へと搬送される。そして、攪拌搬送路11の搬送方向下流端での現像剤のオーバーフローによって攪拌搬送路11の搬送方向下流側端部で、攪拌搬送路11を形成するケーシングの天井部を形成する第二隔壁9の端部に設けられた開口部を通して、攪拌搬送路11から供給搬送路12へと受け渡される。
図4は、回収搬送路10、攪拌搬送路11及び供給搬送路12からなる現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置4の斜視断面図である。図中の各矢印は現像剤の移動方向を示している。
図2に示すように現像スリーブ13に供給され、現像領域Aを通過した現像剤は回収搬送路10に回収される。回収搬送路10に回収された現像剤は、回収スクリュ5が矢印I方向に回転することにより図4中の矢印Lで示すように図4中奥側から手前側に向かう方向(図3中の手前側から奥側に向かう方向)に搬送される。回収スクリュ5によって回収搬送路10の下流端に到達した現像剤は第一隔壁8に設けられた開口部を通って攪拌搬送路11の上流端に受け渡される。
攪拌搬送路11に受け渡された現像剤は、攪拌スクリュ6が矢印J方向に回転することにより図4中の矢印Mで示すように図4中手前側から奥側に向かう方向(図3中の奥側から手前側に向かう方向)に搬送される。攪拌スクリュ6によって攪拌搬送路11の下流端に到達した現像剤は第二隔壁9に設けられた開口部(持ち上げ口91)を通って供給搬送路12の上流端に受け渡される。
供給搬送路12に受け渡された現像剤は、供給スクリュ7が矢印K方向に回転することにより図4中の矢印Nで示すように図4中奥側から手前側に向かう方向に搬送される。供給搬送路12内の現像剤は供給スクリュ7の回転によって現像スリーブ13に供給されながら下流側へ搬送される。供給搬送路12内の現像剤のうち現像スリーブ13に供給された現像剤は現像領域Aを通過して回収搬送路10で回収される。一方、現像スリーブ13に供給されることなく供給搬送路12の下流端に到達した現像剤は第二隔壁9に設けられた開口部(落下口92)を通って攪拌搬送路11の上流端に受け渡される。
次に、攪拌搬送路11内と供給搬送路12内との現像剤2の循環について説明する。
図5は、図2中の矢印H方向から見た現像装置4の攪拌搬送路11と供給搬送路12との現像剤2の流れを説明する模式図である。
図5に示すように第二隔壁9は図3中の手前側の開口部である持ち上げ口91と、図3中の奥側の開口部である落下口92とが設けられており、この2つの開口部を通して攪拌搬送路11と供給搬送路12と間で現像剤2が循環する。
攪拌搬送路11中の現像剤2は、攪拌スクリュ6によって図5中の矢印C1方向へ搬送される。攪拌搬送路11から供給搬送路12への現像剤2の受渡しは、持ち上げ口91が設けられた攪拌搬送路11の下流端に向けて攪拌スクリュ6が現像剤2を押し込む圧力によって、図5中矢印C2で示すように攪拌搬送路11の搬送方向下流端に到達した現像剤2を供給搬送路12へと持ち上げることで行われる。このように攪拌搬送路11から供給搬送路12への現像剤2の受渡しは、重力逆らって供給搬送路12に搬送されるため、攪拌搬送路11の持ち上げ口91付近では現像剤溜まりが生じやすくなる。このため、攪拌搬送路11中を搬送される現像剤である攪拌現像剤93の量は攪拌搬送路11の搬送方向下流側に行く程現像剤が詰まった状態となっている。
供給搬送路12内の現像剤である供給現像剤94は供給スクリュ7によって図5中の矢印C3方向に搬送されるが、そのすべてが供給搬送路12の搬送方向下流端に到達するわけではない。供給搬送路12内を移動する途中で現像スリーブ13に供給される成分が存在する。このような供給搬送路12から現像スリーブ13への供給現像剤94の受渡しは現像スリーブ13の軸方向の幅のほぼ全体にわたってなされるため、供給搬送路12内の供給現像剤94の量は供給スクリュ7による搬送方向の上流端から下流端に向かうに従い徐々に減少する傾向がある。
そして、供給搬送路12から現像スリーブ13に受け渡されずに供給搬送路12内の供給スクリュ7による搬送方向の下流端まで到達した供給現像剤94は、図5中矢印C4で示すように落下口92から落下して攪拌搬送路11に受け渡される。
このように、供給搬送路12と攪拌搬送路11との間で現像剤2が循環する。
図2及び図5に示すように、攪拌搬送路11の搬送方向上流端の近傍には、不図示のトナー収容器から搬送されてきたトナーが供給される現像剤供給口としてのトナー補給口95が設けられている。一方、供給搬送路12の上部には現像容器3内の空気を抜くための開口部である容器排気口96が設けられている。この容器排気口96は磁性キャリア及びトナーが通過することが不可能な程度に目が細かい排気フィルタ97で覆われている。このため、現像容器3内のトナー及び磁性キャリアが容器排気口96から現像容器3の外に飛散することなく、現像容器3内の空気のみを抜くことが出来る。なお、図5では容器排気口96及び排気フィルタ97が供給搬送路12を形成するケーシングの天井部の搬送方向下流端近傍のみに設けている。容器排気口96及び排気フィルタ97は図5に示す配置に限るものではなく、供給搬送路12のケーシングの天井部の搬送方向全域に設けても良い。
次に、現像容器3内の空気の流れについて説明する。
図6は、現像容器3内の空気の流れを示す模式図である。トナー補給口95から現像容器3内に入った空気は現像容器3内に空気の流れが無ければ、空気が入ってきた開口部であるトナー補給口95から空気が出て行かなければならない。トナー補給口95を通って現像装置4内から現像装置4の外に空気が抜けると、空気とともにトナーもトナー補給口95から現像装置4の外に抜けることになってトナー飛散となる。このため、トナー補給口95から入ってきた空気の抜け道を設けて現像容器3内に気流を発生させる必要がある。
トナー補給口95から空気が抜けることを防止するために、回収搬送路10側に空気の抜け道を設けると、現像容器3を形成するケーシングと現像スリーブ13との隙間を通過して現像装置4内から現像装置4の外へ空気が抜ける気流が発生することになる。この場合、現像スリーブ13には感光体1が対向するように設けられているため、現像スリーブ13とケーシングとの隙間から現像装置4内の空気が現像装置4の外に出る気流が生じると、空気とともに浮遊したトナーが感光体1に付着するおそれがある。そして、感光体1にトナーが付着すると地汚れなどの画像品質の低下につながるため望ましくない。
そのため、攪拌搬送路11から供給搬送路12へ空気の抜け道を設けて、現像装置4の外部へと空気を逃がす必要がある。現像装置4では、トナー補給口95に対して搬送方向下流側に設けられた落下口92が排気口として機能する。攪拌搬送路11内の空気は落下口92を通って供給搬送路12に至り、供給搬送路12に到った空気は容器排気口96を通って現像装置4の外部へと排出される。このとき、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93は上述したように下流から徐々に溜まっていくため、攪拌搬送路11から供給搬送路12へと空気を受け渡す排気口はは攪拌搬送路11内の搬送方向上流側に設けることが望ましい。
よって、攪拌搬送路11から供給搬送路12へ空気を受け渡す排気口は、供給搬送路12内で現像スリーブ13に供給されなかった供給現像剤94を再び攪拌搬送路11へと戻す落下口92との兼用で問題はない。このとき、供給搬送路12内の供給現像剤94によって落下口92が埋まらない位置に設ける必要がある。
ここで、トナー補給口95近傍の空気の流れについて今一度整理する。トナー補給口95から現像装置4内に入った空気は図6中の矢印D1で示すようにトナー補給口95から排気口としての落下口92へと抜けていく。図6中矢印D2で示すように攪拌搬送路11と供給搬送路12との間の落下口92を通過した空気は、供給搬送路12に設けられた容器排気口96を通過して、現像装置4外へとは抜けていく。
図7は、現像装置4内の現像剤の嵩が上昇した状態の模式図である。
図7に示すように、現像装置4内の現像剤が増加した場合、もしくは、現像装置4内のトナー濃度が増加し現像剤の嵩が上がった場合、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93も増加し、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93が占める割合も増加する。このとき、図7のように落下口92を塞ぐ、もしくは、落下口92の空隙(空気が通過する領域)が狭くなるとトナー補給口95付近の空気は落下口92を通過し難くなるため図7中矢印D4のようにトナー補給口95から抜けようとする。この結果、トナー補給口95付近の空気の流れは吐出気流となり、必要量のトナーが補給されないことに起因する画像不良や、トナーを現像装置4外に飛散してしまうなどの不具合が発生する。よって、トナー補給口95付近の気流を吐出気流にしないためには、落下口92を塞がずに、トナー補給口95から供給搬送路12に設けられた容器排気口96までの間に空気の通り道となる空隙をつくることが必要となる。ただしトナー補給口95から容器排気口96までの空気の通り道となる空隙をつくこの場合においても、補給したトナーを確実に現像容器3内に取り込むためには、トナー補給口95付近の内圧を負圧し、トナー補給口95に吸込気流を発生させる工夫が必要となる。
図6に示すように、トナー補給口95から落下口92までの空隙が連通している場合、攪拌搬送路11内で現像剤の還流が存在していても、その上部に存在する空気を搬送する能力は弱い。つまり、該補給口19から落下口92までの間で圧力差はほとんど生じず、圧力はどの場所でもほぼ一様になるため、トナー補給口95付近の現像装置4の内圧は外気(複写機500内の現像装置4を設けた位置の空気)とほぼ同じになる。
このとき、トナー補給口95付近の内圧を負圧にするためには、トナー補給口95付近に存在する空気を別の場所へ排出する必要がある。排出された空気は、その逃げ道がなければ現像装置4内に留まるため、現像部とは離れた場所に排気する必要がある。つまり、トナー補給口95付近の空気を搬送する機構と搬送された空気を攪拌搬送路11から外部へと逃がす排気口としての落下口92が必要となる。
図8は、トナー補給口95から排気口である落下口92までの攪拌搬送路11の説明図である。攪拌搬送路11内の現像剤を搬送する現像剤搬送部材は攪拌軸部6aと攪拌軸部6aに螺旋状に設けられた攪拌羽部6bとを備え、回転することにより攪拌軸部6aの軸方向に現像剤を搬送する攪拌スクリュ6である。
図8に示すように、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93の剤面93aは一様ではなく、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bに沿って凹凸を持っている。すなわち、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bが存在している部分の搬送方向下流側の剤面93fは攪拌羽部6bで攪拌現像剤93が押されるため盛り上がり、攪拌羽部6bに対して搬送方向上流側の剤面93fは攪拌羽部6bの下流側と比較してその剤面は低くなっている。
図8に示す現像装置4では攪拌羽部6bによって盛り上がっている部分の攪拌現像剤93と攪拌搬送路11を形成するケーシングの内壁である攪拌搬送内壁11fとの間に隙間がある。このため、トナー補給口95から落下口92までを繋ぐ経路において、図8に示す現像装置4では空間が完全に連通している。このような場合には、トナー補給口95から落下口92までを繋ぐ経路内の圧力は、その場所に寄らず略一様となるため、トナー補給口95付近の現像装置4の内圧と現像装置4の外の圧力との差は略0となる。
図8に示した現像装置4では容器排気口96を設けることで現像装置4の内圧が現像装置4の外の圧力よりも高くなることを防止している。また、容器排気口96の代わりに吸引手段を備えた現像装置4で装置内の空気を吸引して装置外に排出するものであれば、現像装置4の内圧が外の圧力よりも低くなり、トナー補給口95で吸引気流を発生させることが可能である。しかしながら現像装置4内の現像剤量はトナーの消費やトナーの供給によって変化し、図7のように現像剤量が増加したときにトナー補給口95近傍から吸引手段までの気流の通り道が現像剤によって塞がれると、トナー補給口95で吸引気流を発生できなくなる。そして、トナー補給口95で吸引気流が生じていない状態では、トナー補給口95からトナーが飛散することを防止するには不十分な状態となる。このように、現像装置4の容器排気口96の代わりに吸引手段を備える現像装置であってもトナー補給口95でのトナー飛散の対策としては十分ではない。
〔実施例1〕
次に本実施形態の特徴部を備えた一つ目の実施例(以下、実施例1と呼ぶ)について説明する。
図9は実施例1の現像装置4のトナー補給口95から排気口である落下口92までの攪拌搬送路11の説明図である。
図9に示すように、攪拌搬送路11内のトナー補給口95近傍の空気を密閉する密閉空間αを、攪拌スクリュ6と攪拌現像剤93と攪拌搬送路11を形成するケーシングの内壁である攪拌搬送内壁11fの天井部とによって形成する。そして、攪拌スクリュ6による攪拌現像剤93の搬送に伴って搬送方向下流側(図9中右側)に密閉空間αも移動する。密閉空間によって密閉されて攪拌スクリュ6の搬送方向下流側まで移動した空気は、排気口である落下口92を通過して攪拌搬送路11から供給搬送路12へ排出される。
図9に示すようにトナー補給口95から落下口92までを繋ぐ経路内の攪拌現像剤93が、攪拌搬送路11の攪拌搬送内壁11fの天井部に接触する現像剤接触部93aが存在し、隣り合う現像剤接触部93aの間に密閉空間αが存在する。この場合、トナー補給口95から落下口92までの攪拌搬送路11はトナー補給口95付近から落下口92まで空気を移動させるポンプのような作用を奏する。
攪拌搬送路11に現像剤が入っていない状態の攪拌スクリュ6の回りの空間は、らせん状の攪拌羽部6bに沿って攪拌軸部6a回りにらせん状の連通した空間が存在する。そして、剤面が攪拌軸部6aよりも上方となるように攪拌搬送路11に現像剤が入った状態では攪拌軸部6a回りのらせん状の空間の下部は現像剤によって塞がれるため、現像剤の剤面よりも上方の空間が攪拌羽部6bによって仕切られた状態となる。しかし、攪拌羽部6bと攪拌搬送内壁11fとの間には攪拌羽部6bとケーシングとの摺擦を防止するために隙間(クリアランス)が設けられており、通常この隙間によって現像剤の剤面よりも上方の空間は図8に示す現像装置4のように連通している。
一方、図9の現像装置4のように、トナー補給口95から落下口92まで繋ぐ経路内で攪拌現像剤が攪拌搬送内壁11fの天井部に接触する現像剤接触部93aが存在する場合、攪拌搬送路11内の空気は各密閉空間αによって不連続な空気の塊として細分化される。不連続な空気の塊を密閉する各密閉空間αは、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bに押されて盛り上がった攪拌現像剤93の凸部93b間に存在している。このため、攪拌スクリュ6が回転して攪拌現像剤93の凸部93bが下流側へ搬送されると密閉空間αもそれに伴い下流側へ搬送される。
現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6は現像剤供給口であるトナー補給口95に対して搬送方向下流側で攪拌搬送内壁11fの天井部と近接する搬送上部近接間隙6dを搬送方向の複数箇所で形成する内壁近接部である攪拌羽部6bを備える。また、攪拌現像剤93の凸部93bが搬送上部近接間隙6dを空気が移動できないように密閉する近接部密閉手段として作用することにより、隣り合う搬送上部近接間隙6d同士の間に密閉空間αを形成する。そして、攪拌スクリュ6が現像剤を搬送する動作として回転することで攪拌軸部6aに対して上方に位置する攪拌羽部6bが搬送方向下流側の部分となり、搬送上部近接間隙6dが搬送方向下流側に移動する。これにより、隣り合う搬送上部近接間隙6dの間に形成される密閉空間αをトナー補給口95から搬送方向下流側に移動させることが出来る。
また、近接部密閉手段が攪拌搬送内壁11fの天井部と攪拌羽部6bとの間の現像剤となるように、各部材を設定することにより、攪拌羽部6bと攪拌搬送内壁11fとの隙間(クリアランス)を設けた状態で密閉空間αを形成することが出来る。図9に示す現像装置4では攪拌スクリュ6として攪拌羽部6bを複数枚備える多条スクリュを用いている。
攪拌スクリュ6を多条化すると、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bの枚数は増加する。これにより、攪拌搬送路11の単位断面あたりに攪拌スクリュ6が占める割合は増加する。このとき、攪拌搬送路11内の現像剤量が同じである場合、攪拌スクリュ6を多条にすると、攪拌スクリュ6の体積は増えるため、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93の嵩は増加する。この結果、攪拌現像剤93の嵩が増加し、攪拌現像剤93の剤面93fが上昇することにより、攪拌現像剤93と攪拌搬送内壁11fと間で形成する密閉空間αを作成し易くなり、トナー補給口95付近の空気の搬送をより確実に行うことが出来るようなる。
攪拌現像剤93の嵩を上昇させることにより、攪拌現像剤93の凸部93bを攪拌搬送内壁11fの天井部と接触させ、攪拌現像剤93を搬送上部近接間隙6dで空気が移動できないように密閉する近接部密閉手段として作用させることが出来る。
図9を用いて説明した現像装置4では、トナー補給口95付近の空気は、攪拌現像剤93の凸部93b同士の間の密閉空間αによって断続的な空気の塊として分割された後、攪拌現像剤93の搬送と共に搬送方向下流へと搬送される。このため、この搬送された空気を補うために外部からトナー補給口95付近に空気を取り込むこととなり、トナー補給口95に吸込気流を発生することが可能となる。
トナー補給口95付近の内圧を負圧にし、吸込気流を発生させるためには、トナー補給口95付近に存在する空気を別の場所へ移動させる必要がある。移動された空気は、その逃げ道がなければ現像装置4内に留まるため、現像部とは離れた場所に排気する必要がある。そこでトナー補給口95近傍の攪拌搬送路11内の空気を移動する空気移動手段として、密閉空間αを移動する構成を備え、移動された空気を攪拌搬送路11の外部である供給搬送路12へと逃がす排気口としての落下口92を備える。また、落下口92を通過して供給搬送路12へと排出された空気は容器排気口96より現像装置4の外へと排出される。なお、容器排気口96の代わりに現像装置4の内部の空気を吸引して外部へと排出する吸引手段を設けても良い。
さらに、攪拌スクリュ6を多条化すると、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93の移動速度も増加させることが出来る。
通常スクリュのピッチ幅を長くすると、1回転あたりの移動距離は長くなるが、攪拌軸部6aに対する攪拌羽部6bの角度が緩やかになるため、攪拌スクリュ6のピッチを長くしすぎると攪拌現像剤93を搬送する搬送効率は悪くなる。これに対して、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bを多条化すると、ピッチ幅を長くし、搬送効率が悪くなったとしても、1回転当りに攪拌搬送路11内の特定の位置での攪拌現像剤93に搬送力が付与される回数は羽の枚数分増加する。このため、より長いピッチ幅でも搬送効率を低下させることなく攪拌現像剤93を搬送できるため、攪拌現像剤93の移動速度を増加させることができる。
また、攪拌搬送路11内の現像剤量が同じであるならば、攪拌スクリュ6による攪拌現像剤93の搬送速度が速い方が、攪拌搬送路11の下流側へ攪拌現像剤93を搬送することができる。これにより、排気口である落下口92付近には空隙を形成することができるため、攪拌搬送路11内により多くの現像剤が存在しても、落下口92が塞がれないという利点がある。このため、トナー補給口95から搬送されてきた空気の塊を落下口92を通過させて排気し、トナー補給口95付近の空気をより確実に落下口92に向けて搬送し、排気することが出来る。よって、より確実にトナー補給口95で吸引気流を発生させることができ、トナー補給口95からのトナー飛散を抑制することが出来る。
〔実験1〕
実験1として、攪拌スクリュ6の回転数が異なる二つの条件で現像装置4内の現像剤量に対するトナー補給口95付近の内圧の変化を測定する実験を行った。実験1では、攪拌スクリュ6の回転数が現状回転数(約700[rpm])で現像装置4を駆動させた場合と攪拌スクリュ6のみの回転数を200[rpm]増加して現像装置4を駆動させた場合との2つの条件で実験を行った。図10は実験1の二つの条件でそれぞれ攪拌搬送路11内の現像剤量を変化させたときのトナー補給口95付近での内圧の変化を測定した結果を示すグラフである。
トナー補給口95における圧力の測定は次のように行う。すなわち、トナー補給口95に気圧を測定する圧力計を挿し、所定の現像剤を現像装置4内に入れて現像装置4を駆動させた状態でトナー補給口95付近の内圧を測定する。そして、ある現像剤量の状態で圧力を測定したら現像装置4内に現像剤を補給して、現像装置4内の現像剤量を増加させて駆動し、再び内圧を測定する。これを繰り返すことにより図10に示す測定結果を得た。
現像装置4内の現像剤量を徐々に増加させていくと、攪拌搬送路11は徐々に攪拌現像剤93で埋まっていく。つまり、攪拌現像剤93の剤面93fと攪拌搬送路11の攪拌搬送内壁11fの天井部との間の隙間が徐々になくなっていき、ある現像剤量を超えると、図7のように排気口である落下口92を塞いでしまい、空気の逃げ道がなくなってトナー補給口95付近の内圧は上昇する。
図10に示すグラフは現像装置4内の現像剤量とトナー補給口95の内圧との関係を示すグラフである。図10のグラフの縦軸である内圧はトナー補給口95付近の現像装置4内の気圧と現像装置4の外部の気圧との差であり、値が小さいほど現像装置4の外部の気圧に対して現像装置4内の気圧が低い状態である。
図10に示すように、攪拌スクリュ6の回転数を増加させると、攪拌搬送路11の搬送方向下流側が詰まる状態となり、上流側には隙間が出来る。すなわち、回転数が速いほど、攪拌搬送路11内の現像剤の分布が下流側ほど現像剤が多い状態となる。そして、攪拌搬送路11内の落下口92付近に存在していた攪拌現像剤93はより攪拌搬送路11の下流側へと搬送される。このため、攪拌スクリュ6の回転数が現状回転数の場合では内圧が上昇し始める現像剤量であっても攪拌スクリュ6の回転数を増加させた場合では内圧が上昇することはない。そして、図10に示すように現状回転数の場合よりも現像剤量が多い状態でトナー補給口95付近での内圧が上昇し始める。このように、攪拌スクリュ6の回転数を上げることにより、現像剤量の増加することで内圧が上昇してしまうことを遅らせることが出来るが、図10に示すように内圧を負圧にすることはできない。
高速回転するスクリュによって風を発生させることで、トナー補給口95近傍の空気を攪拌搬送路11の下流側に空気を移動させることが考えられる。しかし、図8に示すように攪拌スクリュ6の回転数を増加させても内圧は外圧に対して負圧になっていない。このことから、高速回転するスクリュの回転のみではトナー補給口95付近の現像装置4の内圧を低下させることが出来ないことが実験1によって確認することができた。
〔実験2〕
実験2として、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bの条数が異なる二つの条件で現像装置4内の現像剤量に対するトナー補給口95付近の内圧の変化を測定する実験を行った。実験2では、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bが1条の場合と2条の場合との2つの条件で実験を行った。なお、攪拌スクリュ6の回転数は実験1の現状回転数(約700[rpm])と同じである。
図11は実験2の二つの条件でそれぞれ攪拌搬送路11内の現像剤量を変化させたときのトナー補給口95付近での内圧の変化を測定した結果を示すグラフである。
図11から、攪拌スクリュ6として2条スクリュを用いた場合は、現像剤量の増加によって内圧が上昇するまでは負圧となっていることが分かる。実験2の結果より、2条のスクリュを用いることによりトナー補給口95から落下口92までの攪拌搬送路11内で攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bの間に密閉空間αを形成することができ、攪拌スクリュ6の回転によって密閉空間αを搬送方向下流側に移動させることができたと考えられる。
また、図11に示すように、1条スクリュの内圧が上昇し始める現像剤量であっても2条スクリュの内圧は上昇しない。これは2条スクリュを用いることにより攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93の移動速度を増加させることができ、実験1の攪拌スクリュ6の回転数を増加させた条件の場合と同様に、現像剤量の増加することで内圧が上昇してしまうことを抑えることが出来るためである。
図12は、実施例1の現像装置4の図2及び図5中の領域Eの任意の位置を図2中の矢印G方向から見た断面図である。
図12に示すように、現像装置4の領域Eの回収スクリュ5と攪拌スクリュ6との間には第一隔壁8は設けられていない。すなわち、実施例1の現像装置4では、領域E全体が第一隔壁8に設けられた図3中の奥側端部で回収搬送路10と攪拌搬送路11とを連通擦る開口部となっている。
また、図13は、現像装置4を駆動させた後に領域Eの部分の現像容器3を、現像装置4から振動を与えないように取り外した状態の現像容器3の領域E部分を図12と同じ方向から観察した断面図である。図13に示す断面図は図12の断面図から回収スクリュ5と攪拌スクリュ6とを取り外した状態の断面図である。そして、現像容器3の図13中の奥側端部には回収スクリュ5の回収軸部5aを通す回収軸受穴5cと、攪拌スクリュ6の攪拌軸部6aを通す攪拌軸受穴6cとが設けられている。図13に示すように現像装置4を駆動して停止した後の領域Eの回収スクリュ5と攪拌スクリュ6との間には、壁状の現像剤である現像剤壁Tが形成されていた。
トナー補給口95と落下口92との間の攪拌搬送路11を形成する現像装置4の領域Eの部分が、図12に示すように第一隔壁8を備えていないと、攪拌スクリュ6の上部の攪拌搬送内壁11fとのクリアランスを密閉しても、回収スクリュ5との間の空間によって密閉空間αを形成できなくなることが懸念される。しかし、現像装置4を停止させて、回収スクリュ5と攪拌スクリュ6とを取り外した状態でも図13に示すような現像剤壁Tが形成されており、さらに実験2の2条スクリュの実験結果で内圧が負圧となったことから、密閉空間αは形成されていると考えられる。よって、現像装置4を駆動させた状態の領域Eでは、図14に示すように回収スクリュ5と攪拌スクリュ6との間から攪拌スクリュ6の上部を覆うように現像剤壁Tが形成されていると考えられる。
なお、現像剤壁Tは現像剤が凝集して形成しているものではない。回収スクリュ5が矢印I方向に回転することで回収搬送路10内の現像剤によって回収スクリュ5側から現像剤壁Tが形成される。一方、攪拌スクリュ6が矢印J方向に回転することで攪拌スクリュ6側から現像剤壁Tを形成する現像剤を削り取って攪拌搬送路11の搬送方向下流側へ搬送する。
図12に示すように、現像装置4の領域E全域で回収搬送路10と攪拌搬送路11とが連通している構成では、現像装置4内の現像剤量がかなり多い状態とならないと、密閉空間αを形成することは困難である。そこで、図15に示すように現像容器3の天井部の回収スクリュ5と攪拌スクリュ6との間にマイラーからなる連通部上部仕切り部材98を設けても良い。図16は、図15に示した領域Eの部分から回収スクリュ5と攪拌スクリュ6とを取り外した現像容器3の斜視説明図である。
図15及び図16に示すように、連通部上部仕切り部材98を設けることにより、領域E内の現像剤と連通部上部仕切り部材98とを接触させることにより、図2に示す状態よりも少ない現像剤量で密閉空間αを形成することが出来る。なお、連通部上部仕切り部材98としてはマイラーに限るものではない。また、現像容器3の天井部に連通部上部仕切り部材98を設けても連通部上部仕切り部材98の下部で回収搬送路10から攪拌搬送路11への現像剤の受渡しが行われる。
図15及び図16に示す現像装置4では、図16に示すように現像装置4の領域E内のトナー補給口95よりも攪拌搬送路11の搬送方向下流側のみに連通部上部仕切り部材98を設けている。密閉空間αによって空気を移動させるのはトナー補給口95から落下口92までなので、トナー補給口95よりも攪拌搬送路11の搬送方向下流側に連通部上部仕切り部材98を設けることで、連通部上部仕切り部材98による密閉性の向上を図ることができる。しかし、連通部上部仕切り部材98の配置としてはトナー補給口95よりも攪拌搬送路11の搬送方向下流側のみに限らず、第一隔壁8が設けられていない領域Eの全域に設けても良い。
図5及び図6に示すように、現像装置4の排気口である落下口92に対して攪拌スクリュ6の搬送方向下流側では、攪拌現像剤93が攪拌搬送路11を埋めた状態となっている。これにより、トナー補給口95から現像装置4内に取り込まれた空気が落下口92よりも攪拌搬送路11の搬送方向下流側に向かうことを抑制し、現像装置4内に取り込まれた空気の供給搬送路12への排気をスムーズに行うことが出来る。
〔変形例1〕
実施例1では、現像装置4の領域Eには第一隔壁8が設けられていない構成について説明した。以下、変形例1として現像装置4の領域Eに第一隔壁8を備える構成について説明する。
現像装置4の領域Eに第一隔壁8を設けた点以外は実施例1と共通であるので共通点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図17は変形例1の現像装置4の領域E中のトナー補給口95に対して攪拌スクリュ6の搬送方向下流側での任意の位置を図2中の矢印G方向から見た断面図である。図17に示すように、変形例1の現像装置4は領域Eの範囲でもトナー補給口95よりも攪拌スクリュ6の搬送方向下流側には第一隔壁8を設けている。そして、トナー補給口95を設けている位置では、実施例1と同様に第一隔壁8を設けずに、回収搬送路10と攪拌搬送路11との連通部を形成している。このように、トナー補給口95に対して攪拌スクリュ6の搬送方向下流側に第一隔壁8を設けることにより、トナー補給口95から落下口92までの密閉性を高めることができ、より確実に密閉空間αを形成することが出来る。
さらに、変形例1の現像装置4は、図17に示すように現像容器3の天井部に、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bの形状に沿った形状のスクリュ形状天井部99を設け、攪拌スクリュ6の外形と攪拌搬送内壁11fの断面とを略同一形状としている。このように、トナー補給口95の下流側から落下口92までの攪拌搬送内壁11fを攪拌スクリュ6の形状に沿った形状に形成することで、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93と攪拌搬送内壁11fとが接触しやすくなる。これにより、断続的な空気の塊を密閉する密閉空間αを形成しやすくなり、トナー補給口95から落下口92までの空気を移動させる作用を向上させることが出来る。
〔変形例2〕
次に、変形例2として攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bの先端に磁石を設けた構成について説明する。
図18は変形例2の現像装置4のトナー補給口95から排気口である落下口92までの攪拌搬送路11の説明図である。
図18に示すように変形例2の現像装置4では攪拌スクリュ6のトナー補給口95から落下口92までの間の攪拌羽部6bの先端に磁石部6eを設けている。
2成分の現像剤は磁性キャリアを含んでいるため、磁石部6e付近に存在する現像剤(図18中では現像剤の図示は省略)は磁石部6eの磁力により穂立ちする。これにより、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bの先端には現像剤が穂立ちした状態で存在する。穂立ちした攪拌羽部6b先端の現像剤は攪拌搬送内壁11fに接触しやすくなり、搬送上部近接間隙6dの間隙を現像剤によって塞ぎやすくなる。これにより、トナー補給口95から落下口92までの攪拌搬送路11内の上方の空隙を穂立ちした現像剤によって分割することが可能になり、密閉空間αを形成することができる。
このように、磁力による穂立ち効果を利用することで、実施例1と同様にトナー補給口95から落下口92まで空気の塊を移動させる作用を得ることができ、トナー補給口95付近の内圧を低減することができ、トナー飛散を抑制することができる。
〔実施例2〕
次に本実施形態の特徴部を備えた二つ目の実施例(以下、実施例2と呼ぶ)について説明する。
図19は実施例2の現像装置4のトナー補給口95から排気口である落下口92までの攪拌搬送路11の説明図である。
図19に示すように、攪拌搬送路11内のトナー補給口95近傍の空気を密閉する密閉空間αを、攪拌スクリュ6と攪拌現像剤93と攪拌搬送路11を形成するケーシングの内壁である攪拌搬送内壁11fの天井部とによって形成する。そして、攪拌スクリュ6による攪拌現像剤93の搬送に伴って搬送方向下流側(図19中右側)に密閉空間αも移動する。密閉空間によって密閉されて攪拌スクリュ6の搬送方向下流側まで移動した空気は、排気口である落下口92を通過して攪拌搬送路11から供給搬送路12へ排出される。
実施例1では、攪拌羽部6bが攪拌搬送内壁11fの天井部に近接する搬送上部近接間隙6dはケーシングと攪拌スクリュ6とのクリアランスのために間隙となっている。そして、実施例1ではクリアランスの間隙を塞いで搬送上部近接間隙6dを空気が移動できないように密閉する密閉手段として攪拌現像剤93を用いている。一方、図19に示す実施例2では、攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bが現像剤供給口であるトナー補給口95に対して搬送方向下流側で攪拌搬送内壁11fの天井部と搬送方向の複数箇所で摺擦する搬送上部摺擦部として作用する。また、搬送上部摺擦部である攪拌羽部6bと攪拌搬送内壁11fとが摺擦する搬送上部摺擦箇所6fでは空気が移動できないように密閉する形状に攪拌スクリュ6と攪拌搬送内壁11fとが形成されている。これにより、隣り合う搬送上部摺擦箇所6f同士の間に密閉空間αを形成する。そして、攪拌スクリュ6が現像剤を搬送する動作として回転することで攪拌軸部6aに対して上方に位置する攪拌羽部6bが搬送方向下流側の部分となり、搬送上部摺擦箇所6fも搬送方向下流側に移動する。これにより、隣り合う搬送上部摺擦箇所6fの間に形成される密閉空間αをトナー補給口95から搬送方向下流側に移動させることが出来る。
実施例2のように攪拌羽部6bが攪拌搬送内壁11fの天井部に摺擦する構造とすることにより、図19に示すように攪拌現像剤93の嵩が低く攪拌現像剤93の凸部93bが攪拌搬送内壁11fの天井部に到達していない状態であっても、密閉空間αを形成することが出来る。
なお、回転する攪拌スクリュ6が攪拌搬送内壁11fに摺擦する構成では僅かでも誤差があると駆動時にかじりが生じるおそれがある。よって、実施例2のように攪拌スクリュ6が攪拌搬送内壁11fに摺擦する構成の現像装置4では、攪拌スクリュ6が攪拌搬送内壁11fに摺擦する位置での攪拌スクリュ6と攪拌搬送内壁11fを形成するケーシングとは製造コストが高くなっても高精度に製造して、駆動時のかじりの発生を防止する必要がある。また、攪拌スクリュ6が攪拌搬送内壁11fに摺擦する位置での攪拌スクリュ6と攪拌搬送内壁11fとしては摺擦によって磨耗し難い、耐磨耗性に優れた材質を用いる必要がある。
〔実施例3〕
次に本実施形態の特徴部を備えた三つ目の実施例(以下、実施例3と呼ぶ)について説明する。
図20は実施例3の現像装置4のトナー補給口95から排気口である落下口92までの攪拌搬送路11の説明図である。
図20に示すように、攪拌搬送路11内のトナー補給口95近傍の空気を密閉する密閉空間αを、攪拌スクリュ6と攪拌現像剤93と攪拌搬送路11を形成するケーシングの内壁である攪拌搬送内壁11fの天井部とによって形成する。そして、攪拌スクリュ6による攪拌現像剤93の搬送に伴って搬送方向下流側(図20中右側)に密閉空間αも移動する。密閉空間によって密閉されて攪拌スクリュ6の搬送方向下流側まで移動した空気は、排気口である落下口92を通過して攪拌搬送路11から供給搬送路12へ排出される。
実施例2では、攪拌羽部6bが攪拌搬送内壁11fの天井部に近接する搬送上部近接間隙6dは攪拌スクリュ6の攪拌羽部6bが攪拌搬送内壁11fに摺擦する構成である。一方、図20に示す実施例3の現像装置4では、密閉手段として、可撓性の材料からなり、攪拌搬送内壁11fの天井部に接触する可撓性摺擦部材として、羽部先端マイラー6gを攪拌羽部6bの先端に設けている。実施例3のように攪拌羽部6bの先端に設けた羽部先端マイラー6gが攪拌搬送内壁11fの天井部に摺擦する構造とすることにより、実施例2と同様に攪拌現像剤93の嵩が低く攪拌現像剤93の凸部93bが攪拌搬送内壁11fの天井部に到達していない状態であっても、密閉空間αを形成することが出来る。さらに、可撓性のある羽部先端マイラー6gを攪拌搬送内壁11fの天井部に摺擦する構造であるため、多少の製造誤差があっても攪拌羽部6bを直接摺擦させる構成のように駆動時のかじりが生じる恐れが無いため、実施例2の構成に比べて製造コストの削減を図ることができる。
〔変形例3〕
上述の実施例1〜3及び変形例1〜2では、トナー補給口95からトナーの補給がなされる現像剤搬送路である攪拌搬送路11の現像剤搬送部材がスクリュである構成について説明した。以下、変形例3として攪拌搬送路11の現像剤搬送部材が現像剤搬送ベルト60を備える構成について説明する。
現像装置4の攪拌搬送路11での現像剤搬送部材が現像剤搬送ベルト60である点以外は実施例1と共通であるので共通点についての説明は省略し、相違点についてのみ説明する。
図21は変形例3の現像装置4のトナー補給口95から排気口である落下口92までの攪拌搬送路11を説明する模式図である。
図21に示すように現像剤搬送ベルト60は張架部材によって張架され図21中矢印方向に表面移動する無端状のベルト本体60aと、ベルト本体60aに表面移動方向に対して直交するように設けられたベルト凸部60bとから構成される。
図21に示すように、現像剤搬送部材が現像剤搬送ベルト60である場合でも、攪拌搬送路11内の攪拌現像剤93の剤面93aは一様ではなく、現像剤搬送ベルト60のベルト凸部60bに沿って凹凸を持っている。すなわち、現像剤搬送ベルト60のベルト凸部60bが存在している部分の搬送方向下流側の剤面93fはベルト凸部60bで攪拌現像剤93が押されるため盛り上がり凸部93bを形成する。一方、ベルト凸部60bに対して搬送方向上流側の剤面93fはベルト凸部60bの下流側の凸部93bと比較してその剤面は低くなっている。
図21に示すように、攪拌搬送路11内のトナー補給口95近傍の空気を密閉する密閉空間αを、現像剤搬送ベルト60と攪拌現像剤93と攪拌搬送路11を形成するケーシングの内壁である攪拌搬送内壁11fの天井部とによって形成する。そして、現像剤搬送ベルト60による攪拌現像剤93の搬送に伴って搬送方向下流側(図21中右側)に密閉空間αも移動する。密閉空間によって密閉されて現像剤搬送ベルト60の搬送方向下流側まで移動した空気は、排気口である落下口92を通過して攪拌搬送路11から供給搬送路12へ排出される。
図21に示すようにトナー補給口95から落下口92までを繋ぐ経路内の攪拌現像剤93が、攪拌搬送路11の攪拌搬送内壁11fの天井部に接触する現像剤接触部93aが存在し、隣り合う現像剤接触部93aの間に密閉空間αが存在する。この場合、トナー補給口95から落下口92までの攪拌搬送路11はトナー補給口95付近から落下口92まで空気を移動させるポンプのような作用を奏する。
図21の現像装置4のように、トナー補給口95から落下口92まで繋ぐ経路内で攪拌現像剤が攪拌搬送内壁11fの天井部に接触する現像剤接触部93aが存在する場合、攪拌搬送路11内の空気は各密閉空間αによって不連続な空気の塊として細分化される。不連続な空気の塊を密閉する各密閉空間αは、現像剤搬送ベルト60のベルト凸部60bに押されて盛り上がった攪拌現像剤93の凸部93b間に存在している。このため、現像剤搬送ベルト60が表面移動して攪拌現像剤93の凸部93bが下流側へ搬送されると密閉空間αもそれに伴い下流側へ搬送される。
現像剤搬送ベルト60はトナー補給口95に対して搬送方向下流側で攪拌搬送内壁11fの天井部と近接する搬送上部近接間隙6dを搬送方向の複数箇所で形成する内壁近接部であるベルト凸部60bを備える。また、攪拌現像剤93の凸部93bが搬送上部近接間隙6dを空気が移動できないように密閉する近接部密閉手段として作用することにより、隣り合う搬送上部近接間隙6d同士の間に密閉空間αを形成する。そして、現像剤搬送ベルト60が現像剤を搬送する動作として表面移動することで搬送上部近接間隙6dが搬送方向下流側に移動する。これにより、隣り合う搬送上部近接間隙6dの間に形成される密閉空間αをトナー補給口95から搬送方向下流側に移動させることが出来る。
変形例3では、攪拌現像剤93の凸部93bが近接部密閉手段として作用する構成について説明した。しかし、現像剤搬送ベルト60を用いる構成の近接部密閉手段としては攪拌現像剤93に限るものではない。例えば、実施例2のように、内壁近接部であるベルト凸部60bが攪拌搬送内壁11fの天井部に摺擦する構成であってもよい。また、実施例3のように、内壁近接部であるベルト凸部60bの先端にマイラーからなる摺擦部を設け、この摺擦部が攪拌搬送内壁11fの天井部に摺擦する構成であってもよい。
また、変形例3では、現像剤搬送部材として、ベルト本体60aとベルト凸部60bとを備える現像剤搬送ベルト60について説明した。搬送スクリュ以外の現像剤搬送部材としては、変形例3のベルト本体60aの代わりに無端状のワイヤーを備え、ベルト凸部60bの代わりに板状部材を備える現像剤搬送ワイヤー部材を用いてもよい。この現像剤搬送ワイヤー部材では、無端状のワイヤーと、ワイヤーに対して直交する平面状の板状部材とから構成される。攪拌搬送内壁11fの断面と略同形状であのものを用い、隣り合う板状部材の間で密閉空間αが形成されるように構成する。
上述の実施例1〜3及び変形例1〜3では、トナー補給口95から攪拌搬送路11に吸い込んだ空気を攪拌搬送路11から排出する排出口は現像装置4内を現像剤が循環するための落下口92が兼用している。このように落下口92が排気口としての機能を兼ねていると、落下口92を通過する現像剤によって落下口92からの空気の排出が阻害されるおそれがある。このため、より確実に排気をおこなうためには、落下口92とは別に排気口を設けることが望ましい。
以上のように、実施例1〜3及び変形例1〜3の構成では、簡単な構成にて、トナー補給口95付近の現像容器3内の内圧を負圧にすることができ、トナー飛散を確実に低減することができる。
また、上述の実施例1〜3及び変形例1〜3では回収搬送路10、攪拌搬送路11、及び供給搬送路12の3つの現像剤搬送路を備えた現像装置4について説明した。本実施形態の特徴部であるトナー補給口95から排気口である落下口92まで空気を移動さて、排気口から空気を排気させる構成は、3つの現像剤搬送路を備えた現像装置に限るものではない。トナー補給口から現像剤搬送路に現像剤またはトナーを補給する現像装置であれば適用可能である。
以上、本実施形態によれば、現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体である感光体1と対向する箇所で感光体1の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体である現像スリーブ13と、現像剤搬送路である攪拌搬送路11内の現像剤を搬送する現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6と、攪拌搬送路11中に現像剤を供給する現像剤供給口であるトナー補給口95とトナー補給口95から攪拌搬送路11に現像剤を供給する現像剤供給手段である不図示のトナー補給装置とを有する現像装置4において、攪拌搬送路11内のトナー補給口95近傍の空気を密閉する密閉空間αを、攪拌スクリュ6と攪拌現像剤93と攪拌搬送路11を形成するケーシングの内壁である攪拌搬送内壁11fとによって形成し、攪拌スクリュ6による現像剤の搬送に伴って攪拌スクリュ6の搬送方向下流側に密閉空間αも移動することにより、攪拌搬送路11のトナー補給口95付近に存在した空気が搬送方向下流側に移動する。そして、密閉空間αによって密閉されて攪拌スクリュ6の搬送方向下流側に移動した空気をトナー補給口95に対して搬送方向下流側にある排気口としての落下口92を通して攪拌搬送路11から供給搬送路12へと排出する。トナー補給口95近傍の空気が搬送方向下流側へ移動するため、移動した空気の分の気体を外部から取り込むことになり、トナー補給口95で現像装置4の外部から内部に向かう吸引気流が発生する。そして、トナー補給口95で吸引気流が発生することによって、トナー補給口95の近傍で舞い上がったトナーがトナー補給口95から外部に向かうことを防止することが出来、トナー補給口95でのトナー飛散をより確実に防止することができる。
また、現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6は、現像剤供給口であるトナー補給口95に対して搬送方向下流側の攪拌搬送内壁11fの天井部と近接する搬送上部近接間隙6dを搬送方向の複数箇所で形成する内壁近接部である攪拌羽部6bを備え、搬送上部近接間隙6dを空気が移動できないように密閉する近接部密閉手段を備えることで隣り合う搬送上部近接間隙6d同士の間に密閉空間αを形成し、攪拌スクリュ6の現像剤の搬送動作を行うことによって搬送上部近接間隙6dが搬送方向下流側に移動することにより、密閉空間αによって密閉された空気を搬送することが可能となる。
また、実施例1のように近接部密閉手段が攪拌搬送内壁11fの天井部と内壁近接部である攪拌羽部6bとの間の現像剤となるように設定することにより、特別な部材を設けることなく近接部密閉手段を実現することが出来る。
具体的には、実施例1では、現像剤搬送部材は回転軸である攪拌軸部6aと攪拌軸部6aに螺旋状に設けられた攪拌羽部6bとを備え、回転することにより攪拌軸部6aの軸方向に現像剤を搬送する攪拌スクリュ6であり、攪拌羽部6bが内壁近接部であり、攪拌羽部6bの攪拌スクリュ6の回転によって攪拌軸部6aの上方に位置する部分が、攪拌搬送内壁11fの天井部に近接して搬送上部近接間隙6dを形成する。そして、攪拌羽部6bの搬送上部近接間隙6dを形成する部分によって押されることで盛り上った攪拌現像剤93の凸部93bが搬送上部近接間隙6dを埋めることによって現像剤が近接部密閉手段として作用して密閉空間αを形成する。
また、現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6は、現像剤搬送路である攪拌搬送路11内の少なくとも現像剤供給口であるトナー補給口95から排気口である落下口92までの位置で搬送上部近接間隙を形成する内壁近接部である攪拌羽部6bの先端に磁石部6eを備えることで、磁石部6eの磁力によって現像剤の穂立ちが形成され、穂立ちを形成する攪拌現像剤93によって搬送上部近接間隙6dをより確実に塞ぐことができ、より確実に密閉空間αを形成することが出来る。
また、実施例2のように、現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6は、現像剤供給口であるトナー補給口95に対して搬送方向下流側で攪拌搬送内壁11fの天井部と搬送方向の複数箇所で摺擦する搬送上部摺擦部である攪拌羽部6bを備え、攪拌羽部6bと攪拌搬送内壁11fとが摺擦する搬送上部摺擦箇所6fでは空気が移動できないように密閉する形状に攪拌スクリュ6と攪拌搬送内壁11fとを形成することで、隣り合う搬送上部摺擦箇所6f同士の間に密閉空間αを形成し、攪拌スクリュ6の現像剤の搬送動作を行うことによって搬送上部摺擦箇所6fが搬送方向下流側に移動する構造とすることにより、攪拌現像剤93内の現像剤量が実施例1の構造で密閉空間αを形成するために必要な現像剤量よりも少ない状態であっても密閉空間αを形成することができる。
また、実施例3のように、近接部密閉手段として、可撓性の材料からなり、攪拌搬送内壁11fの天井部に接触する可撓性摺擦部材である羽部先端マイラー6gを内壁近接部である攪拌羽部6bの先端に設けることにより、攪拌現像剤93内の現像剤量が実施例1の構造で密閉空間αを形成するために必要な現像剤量よりも少ない状態であっても密閉空間αを形成することができる。
また、少なくとも現像剤供給口であるトナー補給口95から排気口である落下口92までの現像剤搬送路である攪拌搬送路11では、現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6の攪拌羽部6b外形と攪拌搬送内壁11fの断面とが略同一形状であることにより、トナー補給口95から落下口92までの密閉性を高めることができる。
また、排気口である落下口92に対して現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6の搬送方向下流側では攪拌現像剤93が現像搬送路を埋めた状態となることにより、トナー補給口95から現像装置4内に取り込まれた空気が落下口92よりも攪拌搬送路11の搬送方向下流側に向かうことを抑制し、現像装置4内に取り込まれた空気の供給搬送路12への排気をスムーズに行うことが出来る。
また、現像剤搬送部材が回転軸である攪拌軸部6aと攪拌軸部6aに螺旋状に設けられた羽部である攪拌羽部6bとを備え、回転することによって攪拌軸部6aの軸方向に現像剤を搬送する攪拌スクリュ6であることにより、攪拌スクリュ6を回転させることで密閉空間αをトナー補給口95から搬送方向下流側へと移動させることが出来る。
また、実施例1の実験2で用いた二つ目の条件のように攪拌スクリュ6が現像剤搬送路である攪拌搬送路11内の少なくとも現像剤供給口であるトナー補給口95を設けた位置の近傍では多条のスクリュであることにより、1条のスクリュよりも密閉空間αによって密閉された空気の移動を促すことが出来る。
また、現像剤搬送路である攪拌搬送路11内の現像剤搬送方向上流側の現像剤の移動速度が、現像剤搬送方向下流側の現像剤の移動速度以上であることをにより、落下口92に対して現像剤搬送部材である攪拌スクリュ6の搬送方向下流側では攪拌現像剤93が現像搬送路を埋めた状態となることを実現することが出来る。
本実施形態に係る複写機の概略構成図。 現像装置の斜視説明図。 現像装置と感光体とを示す拡大構成図。 現像剤搬送路内の現像剤の流れを説明する現像装置の斜視断面図。 現像装置の攪拌搬送路と供給搬送路との現像剤の流れを説明する模式図。 現像容器内の空気の流れを示す模式図。 現像装置内の現像剤の嵩が上昇した状態の模式図。 トナー補給口から排気口である落下口までの攪拌搬送路の説明図。 実施例1の現像装置のトナー補給口から排気口である落下口までの攪拌搬送路の説明図。 実験1の結果を示すグラフ。 実験2の結果を示すグラフ。 実施例1の現像装置の領域Eの断面図。 現像容器の領域E部分を図12と同じ方向から観察した断面図。 実施例1の現像装置が駆動しているときの領域Eの断面図。 連通部上部仕切り部材を設けた現像装置の領域Eの断面図。 連通部上部仕切り部材を設けた現像装置の領域Eの斜視説明図。 変形例1の現像装置の領域Eの断面図。 変形例2の現像装置のトナー補給口から排気口である落下口までの攪拌搬送路の説明図。 実施例2の現像装置のトナー補給口から排気口である落下口までの攪拌搬送路の説明図。 実施例3の現像装置のトナー補給口から排気口である落下口までの攪拌搬送路の説明図。 変形例3の現像装置のトナー補給口から排気口である落下口までの攪拌搬送路の説明図。
符号の説明
1 感光体
2 現像剤
3 現像容器
4 現像装置
5 回収スクリュ
6 攪拌スクリュ
6a 攪拌軸部
6b 攪拌羽部
6c 攪拌軸受穴
6d 搬送上部近接間隙
6e 磁石部
6f 搬送上部摺擦箇所
6g 羽部先端マイラー
7 供給スクリュ
8 第一隔壁
9 第二隔壁
10 回収搬送路
11 攪拌搬送路
11f 攪拌搬送内壁
12 供給搬送路
13 現像スリーブ
14 ドクタブレード
15 駆動ローラ
16 二次転写バックアップローラ
17 中間転写ユニット
18 プロセスカートリッジ
20 画像形成ユニット
21 光書込ユニット
22 二次転写装置
23 張架ローラ
24 紙搬送ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
90 ベルトクリーニング装置
91 持ち上げ口
92 落下口
93 攪拌現像剤
94 供給現像剤
95 トナー補給口
96 容器排気口
97 排気フィルタ
98 連通部上部仕切り部材
99 スクリュ形状天井部
100 プリンタ部
110 中間転写ベルト
114 張架ローラ
500 複写機

Claims (13)

  1. 現像剤を表面上に担持して回転し、潜像担持体と対向する箇所で該潜像担持体の表面の潜像にトナーを供給して現像する現像剤担持体と、
    現像剤搬送路内の現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、
    該現像剤搬送路中に現像剤を供給する現像剤供給口と、
    該現像剤供給口から該現像剤搬送路に現像剤を供給する現像剤供給手段とを有する現像装置において、
    該現像剤搬送路内の該現像剤供給口近傍の空気を密閉する密閉空間を、該現像剤搬送部材と該現像剤と該現像剤搬送路を形成するケーシングの内壁である搬送内壁とによって形成し、
    該現像剤搬送部材による現像剤の搬送に伴って該現像剤搬送部材の搬送方向下流側に該密閉空間も移動し、
    該密閉空間によって密閉されて該現像剤搬送部材の搬送方向下流側に移動した空気を該現像剤搬送路から排出する排気口を該現像剤供給口に対して搬送方向下流側に有することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1の現像装置において、
    上記現像剤搬送部材は、上記現像剤供給口に対して搬送方向下流側の上記搬送内壁の天井部と近接する搬送上部近接間隙を搬送方向の複数箇所で形成する内壁近接部を備え、
    該搬送上部近接間隙を空気が移動できないように密閉する近接部密閉手段を備えることで隣り合う該搬送上部近接間隙同士の間に上記密閉空間を形成し、
    該現像剤搬送部材の現像剤の搬送動作を行うことによって該搬送上部近接間隙が搬送方向下流側に移動することを特徴とする現像装置。
  3. 請求項2の現像装置において、
    上記近接部密閉手段は上記搬送内壁の天井部と上記内壁近接部との間の現像剤であることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項3の現像装置において、
    上記現像剤搬送部材は回転軸と該回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより該回転軸の軸方向に現像剤を搬送する搬送スクリュであり、
    該羽部が上記内壁近接部であり、該羽部の該搬送スクリュの回転によって該回転軸の上方に位置する部分が該搬送内壁の天井部に近接して上記搬送上部近接間隙を形成し、該羽部の該搬送上部近接間隙を形成する部分によって押されることで盛り上った現像剤が該搬送上部近接間隙を埋めることによって現像剤が上記近接部密閉手段として作用することを特徴とする現像装置。
  5. 請求項3または4の現像装置において、
    上記現像剤搬送部材は、上記現像剤搬送路内の少なくとも上記現像剤供給口から上記排気口までの位置で上記搬送上部近接間隙を形成する上記内壁近接部の先端に磁石を備えることを特徴とする現像装置。
  6. 請求項2の現像装置において、
    上記近接部密閉手段として、可撓性の材料からなり、上記搬送内壁の天井部に接触する可撓性摺擦部材を上記内壁近接部の先端に設けたことを特徴とする現像装置。
  7. 請求項1の現像装置において、
    上記現像剤搬送部材は、上記現像剤供給口に対して搬送方向下流側で上記搬送内壁の天井部と搬送方向の複数箇所で摺擦する搬送上部摺擦部を備え、
    該搬送上部摺擦部と該搬送内壁とが摺擦する搬送上部摺擦箇所では空気が移動できないように密閉する形状に該現像剤搬送部材と該搬送内壁とを形成することで、隣り合う該搬送上部摺擦箇所同士の間に上記密閉空間を形成し、
    該現像剤搬送部材の現像剤の搬送動作を行うことによって該搬送上部摺擦箇所が搬送方向下流側に移動することを特徴とする現像装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7の現像装置において、
    少なくとも上記現像剤供給口から上記排気口までの上記現像剤搬送路では、
    上記現像剤搬送部材の外形と上記搬送内壁の断面とが略同一形状であることを特徴とする現像装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、
    上記排気口に対して上記現像剤搬送部材の搬送方向下流側では現像剤が上記現像剤搬送路を埋めた状態となることを特徴とする現像装置。
  10. 請求項1、2、3、5、6、7、8または9の現像装置において、
    上記現像剤搬送部材は回転軸と該回転軸に螺旋状に設けられた羽部とを備え、回転することにより該回転軸の軸方向に現像剤を搬送する搬送スクリュであることを特徴とする現像装置。
  11. 請求項10の現像装置において、
    上記搬送スクリュは、上記現像剤搬送路内の少なくとも上記現像剤供給口を設けた位置の近傍では多条のスクリュであることを特徴とする現像装置。
  12. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の現像装置において、
    上記現像剤搬送路内の現像剤搬送方向上流側の現像剤の移動速度は、現像剤搬送方向下流側の現像剤の移動速度以上であることを特徴とする現像装置。
  13. 少なくとも潜像担持体と、
    該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
    該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
    該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
    該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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