JP3856649B2 - カウルカバー - Google Patents

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【0001】
【産業上の技術分野】
本発明は、自動車のフードとフロントガラスとの間のカウル部を覆うカウルカバーに係わり、特に、車体への組付作業の効率化を図り、その取付精度の向上を図ったカウルカバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
カウルカバーは、自動車のエンジンルームを覆うフードとフロントガラスとの間に配され、エンジンルームとフロントガラスとの間に設けられた車体パネルであるカウルボックス上に取り付けられている。カウルカバーは、フード幅(ボンネット幅)と略同一の長さを有しており、アーチ形をなす薄板状の外装トリム部品である。カウルカバーは、通常、黒色等に着色されたポリプロピレン樹脂材を射出成形することにより成形される。
【0003】
カウルカバーのカバー本体部には、落ち葉、雨水や雪等の侵入を防止するメッシュを有する開口、ワイパー駆動軸を外部に突出させる穴やワイパーアームとの干渉を回避する凹部などが設けられている。カウルカバーによりカウルボックス内ヘの雨水や雪等の侵入を防止しつつ外気を取り入れ、カウルボックス内で雨水等を分離して車室内に外気を取り入れている。
【0004】
前記カバー本体部のフロントガラスに対向する後端部には、車幅方向にわたって可撓性の合成ゴム材等からなる弾性シール体が取り付けられている。その後端部の裏面側には、車幅方向にわたって断続的に突出する略L字状をなす複数のクリップが形成されている。同クリップとカバー本体部の後端とで、フロントガラスの前端縁を僅かに挟持して、フロントガラス及びカウルカバーの間に生ずる隙間を遮蔽することにより美観を向上させるようになっている。
【0005】
この種の従来のカウルカバーの構造例が、例えば特開平8−282541号公報に開示されている。同公報に開示されたカウルカバー(カウルルーバ)のフロントガラスに対向する後端部は、弾性シール体(プロテクタ)を介してフロントガラスの外面と接触する第1保持部と、車幅方向にわたって断続的に一体形成され、フロントガラスの内面と接触するクリップを取り付けるための複数の第2保持部とを備えている。この第2保持部には、前記クリップを前記第1保持部の弾性シール体と対向する方向に摺動可能又は回動可能に案内して保持するガイドが設けられている。
【0006】
このカウルカバーの一例として、同カウルカバーの後端部の裏面側には、前記第1保持部の弾性シール体と対向する方向に拡開した傾斜状態で延びる略L字状をなす第2保持部が一体形成されている。前記クリップは、前記第2保持部のガイドに沿って車体前後方向に摺動可能に保持される。
【0007】
カウルカバーの後端部をフロントガラスの前端縁に押し込むと、前記クリップの押圧突起と反対側の基端部がフロントガラスの前端縁と当接して、同クリップは、前記第2保持部のガイドに沿って車体前方向に摺動する。同クリップが前記第2保持部のガイドに沿って所定量摺動すると、同クリップの押圧突起は、フロントガラスの内面と接触し、同フロントガラスの前端縁が、前記クリップと前記弾性シール体との間に挟持される。
【0008】
また、このカウルカバーの他の一例として、同カウルカバーの第1保持部の前方に前記第2保持部である円形をなす装着穴が形成されている。略L字状をなすクリップの押圧突起と反対側の基端部は、前記装着穴の周縁に沿って延びる一対のガイドに回動可能に保持されている。
【0009】
フロントガラスの外面に前記第1保持部の弾性シール体を接触させた状態で、前記第2保持部に対して前記クリップを所定量回動させると、同クリップの基端部は、前記第2保持部のガイドに沿って回動して、同クリップの押圧突起がフロントガラスの内面と接触し、同フロントガラスの前端縁が、前記クリップと前記弾性シール体との間に挟持されるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記公報に開示されたカウルカバーの取付構造は、前記第2保持部と、同第2保持部に対して摺動可能或いは回動可能なクリップとの組合せによりフロントガラスの前端縁を挟持するフック部を構成している。このフック部を摺動させたり、或いは回動させるため、フロントガラスの前端縁と車体パネルとの間のスペースを十分に確保する必要がある。この従来のカウルカバーの取付構造では、フロントガラスを車体パネル上に水密的に接着固定すると共に、フロントガラスの前端縁の下方側スペースを大きく確保しなければならず、フロントガラスの前端縁を挟持する部品等のレイアウト上の問題が生じる。
【0011】
また、前記カウルカバーは、平面からみて車幅方向にアーチ形に延在する長尺板材からなり、第2保持部とクリップとの組合せにより構成される前記フック部は、所定の間隔をおいて車幅方向に複数配設される。別体の組合せであるフック部を得るためには、構造が複雑化するばかりでなく部品点数も増加し、カバー本体部やその部品であるクリップ等の部品管理が煩雑になりやすく、この構造の複雑化や部品点数の増加は、製造コストや組立コストなどの高騰に繋がり、量産上好ましくない。
【0012】
また、通常、カウルカバーのフック方式による取付構造は、フロントガラスの傾斜角度にしたがってフロントガラスの前端縁の裏面側にフックを挿入し、カウルカバーをフロントガラスの前端縁に挟着させる作業を必要とする。カウルカバーの前端部は、車体パネルであるカウル部のエンジンルーム側の水平パネルに対して止着されるため、ガラス面が立ち上がったような傾斜角度の大きい場合には、カウルカバーを車体に取り付けるとき、そのカバー本体部が前記水平パネルと当接して、前記フック部の挿入角度がフロントガラスの傾斜角度と大きく異なり挿入しにくくなり、カウルカバーを車体に取り付けることが困難となる。
【0013】
一般に、カウルカバーの後端部に設けられるフックは、所定の間隔をおいて車幅方向の複数の部位に配置されており、その見栄えとしての外観を向上させるため、前記フックは取付状態でフロントガラスの裏面側に密着するように配置される。従って、カウルカバーの裏面側にある個々の前記フックが、フロントガラスの前端縁の裏面側に正しく組み付けられたか否かを確認することは困難である。
【0014】
本発明は、上記従来の課題を解消すべくなされたものであり、その具体的な目的は、カウルカバーのフック方式による取付作業の合理化を図ると共に、フロントガラスの傾斜角度に影響されることなく、容易に取り付けられ得るカウルカバーを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
本件請求項1に係る発明は、自動車のフードとフロントガラスとの間のカウル部を覆うカウルカバーであって、外面側に突出し、前後にへの字状に屈曲した弾性板材からなるカバー本体部と、同カバー本体部の後端部に一体に設けられ、前記フロントガラスの前端縁を挟持する複数のクリップとを有し、前記カバー本体部は、への字状の屈曲部分の後方に沿って形成され、前記フロントガラスに対する前記クリップの嵌着角度を変化させる変形部を有してなることを特徴とするカウルカバーにある。
【0016】
本発明は、フロントガラスの前端縁を複数のクリップにより挟持させるとき、同フロントガラスの外面に、への字状に屈曲した弾性板材からなるカバー本体部の後端を接触させた状態でカウル部上に設置したのち、前記カバー本体部をその弾力に抗して押し下げる。同カバー本体部を押し下げると、同カバー本体部の屈曲部分の後方に沿って形成された変形部が弾性変形して車体前後方向に押し拡げられ、同カバー本体部の後端部に設けられた複数のクリップのフロントガラスに対する嵌着角度が、フロントガラスの傾斜角度と略同一方向に変化する。
【0017】
このとき、前記カバー本体部をフロントガラスの前端縁に向けて押し込むと、前記クリップがフロントガラスの裏面側前端縁に向けて移動し、フロントガラスの内面と接触する。その結果、フロントガラスの前端縁は、前記カバー本体部の後端と前記クリップとの間に挟持される。前記カバー本体部の押下げ力を解除すると、前記カバー本体部の前記変形部が弾力によって原形のへの字状に復帰し、同カバー本体部は、元の形状に戻る。
【0018】
本発明によれば、上記構成を備えることにより、フロントガラスに対する前記クリップの嵌着角度を押圧操作で容易に変化させることが可能となり、フロントガラスの傾斜角度に関わらず、車体部品との干渉を避けて容易に取り付けることができる。また、複雑な挟着構造や広いスペースを必要とせず、車体への組付作業がしやすくなって歩留りがよく生産性を向上させることができると共に、その取付精度が向上できる。
【0019】
請求項2に係る発明にあっては、前記カバー本体部は、その前端部に水平に延設され、車体の水平パネルに止着される前端プレート部を有していることを特徴としている。
【0020】
この発明は、前記カバー本体部の前端プレート部が、予め車体のエンジンルーム側の水平パネルに対して止着されたとしても、ガラス面が立ち上がったような傾斜角度の大きい場合に、上述の操作によって前記水平パネル上を移動することなくフロントガラスの傾斜角度にしたがって、同フロントガラスの前端縁の裏面側に上記クリップが挿入でき、前記カバー本体部をフロントガラスの前端縁に挟着させる作業を容易に行うことができる。従って、前端プレート部を予め車体のエンジンルーム側の水平パネルに対して止着しておくことができ、組付け時の位置決めなどもしやすくなる。
【0021】
この発明によれば、フロントガラスの傾斜角度に関わらず、前記カバー本体部の前端プレート部を車体の水平パネルに水平に予め固定できるため、例えばフロントフードにより、前記カバー本体部の車幅方向にわたって車体の水平パネルに面当たりするように押さえ付けられるようになり、十分に且つ安定的に保持され、前記カバー本体部の撓み変形に対して組付強度を確保することができる。
【0022】
請求項3に係る発明は、前記変形部は薄肉構造とされていることを特徴としている。
この発明によれば、前記変形部は薄肉構造からなり、例えば単一の樹脂材により一体に成形することができ、所望の易変形性を安価に且つ容易に得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1〜図4は本発明の代表的な実施形態であるカウルカバーを示しており、図1は、同カウルカバーが取り付けられた車体の一部分を模式的に示す部分斜視図であり、図2は、同カウルカバーの全体を模式的に示す斜視図であり、図3は、同カウルカバーの後端部の一部分を模式的に示す図1におけるII−II線の矢視部分斜視図であり、図4は、同カウルカバーを車体に取り付けた取付状態を模式的に示す断面図である。
【0024】
図1において、本発明の代表的な実施形態であるカウルカバー10は、自動車のエンジンルーム1を覆うフロントフード2とフロントガラス3との間に配されており、エンジンルーム1とフロントガラス3との間に設けられたカウルボックス4を覆っている。フロントフード2の後端縁の裏面側には、一対のウオッシャノズル5,5が配置されている。
【0025】
このカウルカバー10は、図2及び図4に示すように、外面側に突出し、車体前後方向に略へ字状に屈曲した弾性板材からなるカバー本体部11と、フロントガラス3の前端縁を挟持する複数のフック(クリップ)12,…,12とを備えている。このカウルカバー10は、フロントフード2と略同一の長さを有するアーチ形をなしており、タルクを配合したポリプロピレン樹脂材を射出成形することにより成形される。
【0026】
前記カバー本体部11は、車体前後方向に略へ字状に屈曲した屈曲部分13を介して略水平に延設されたプレート部14を有している。そして、前記カバー本体部11は、カウルボックス4に固設する段部形状をなす前端部15、及びフロントガラス3との間に生ずる隙間を遮蔽するための後端部16を有している。この前端部15には、車体の水平パネルに止着される前端プレート部15aが水平に延設されている。この前端プレート部15aと反対側の後端部16には、階段状の段部16aが延設されている。この段部16aは、前記クリップ12と略同一方向に屈曲された略L字状をなしている。
【0027】
前記カバー本体部11は、雨滴や塵芥等の侵入を防止する小径の楕円孔の集合体である樹脂性メッシュにより覆われた開口11a、ワイパー駆動軸孔11b、図示せぬワイパー駆動軸に回動自在に固定されるワイパーアームとの当接を回避する凹部11c、フロントフード2を閉じたときにウオッシャノズル5との当接を回避するための切欠き11d、凹溝11e等が設けられている。
【0028】
本発明の特徴とするところは、前記カバー本体部11の屈曲部分13の後方に沿って形成された変形部17の構造にある。図4は、その変形部17の代表的な構造例を示している。
同図において明らかなように、前記変形部17は、前記カバー本体部11よりも肉薄に形成されると共に、図2に示すごとくカバー本体部11の屈曲部分13に断続的に形成された凹溝11eを除く屈曲部分13に沿ってアーチ形に滑らかに湾曲して延設されている。カバー本体部11を車体に装着するとき、前記変形部17は、フロントガラス3に対して上記クリップ12の嵌着角度を変化させるようになっている。前記変形部17の薄肉構造は、単一の樹脂材により一体に成形することができ、所望の易変形性を安価に且つ容易に得ることができる。
【0029】
本発明の好適な実施形態によれば、前記変形部17は、前記カバー本体部11の前端寄りに配される。この場合には、前記カバー本体部11の後端部16から離れた部位に前記変形部17が設けられるため、前記カバー本体部11の後端部16と協働してフロントガラス3の前端縁を車幅方向にわたって挟持する複数のクリップ12の相互のズレを防止することができる。
【0030】
本実施形態にあっては、前記変形部17を薄肉構造としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記カバー本体部11と相対的に変形しやすい構造や材質等を設定することができる。本発明によれば、例えば変形部17を除くカバー本体部11の裏面側に格子状をなす低丈の補強リブを設け、同変形部17よりも剛性を高めることができる。また、この変形部17を、同変形部17を除くカバー本体部11よりも軟質材料により構成して、同変形部17とカバー本体部11とを同一厚みで成形一体化することにより、同変形部17を変形しやすくすることもできる。
【0031】
アーチ形に滑らかに湾曲したカバー本体部11の前端部15には、フロントフード2を閉じたときに、同フード2の下面に当接して弾性変形する弾性シール体18を取り付けるための6つの取付孔15b,…,15bが穿設されている。前記弾性シール体18は、例えばエラストマーを押出成形した管状の発泡ゴム材からなる。前記取付孔15bは、所定の間隔をおいて前記カバー本体部11の前端に沿って配されている。
【0032】
前記カバー本体部11の後端部16の裏面側には、車幅方向にわたって断続的に突出する略L字状をなす8つのクリップ12,…,12が一体に形成されている。このクリップ12は、カバー本体部11の後端部16と協働してフロントガラス3の前端縁を車幅方向にわたって挟持する。この後端部16とクリップ12との間は、フロントガラス3の前端縁を挿入可能に斜め上方に向けて開口している。
【0033】
前記クリップ12は、図3において明らかなように、前記カバー本体部11の後端部16の裏面から車体後側の斜め下方に向けて延設された基部片12aと、この基部片12aの後端縁から略直角に上方に屈曲して延設された押圧片12bと、同押圧片12bの先端から上方に向けて突出した押圧突起12cとを有している。前記基部片12aと、前記カバー本体部11の後端部16と対向して配された段部16aとには、補強リブ12dが所定の間隔をおいて前記押圧片12bと略平行に且つ前記段部16aの下面と面一に一体形成されている。前記基部片12aの基端部は、先端部よりも肉薄に形成されている。
【0034】
前記クリップ12の設置部位に対応する段部16aの下面は、射出成形時における離型のために前記補強リブ12dの下面と面一に形成されているが、前記クリップ12の設置部位以外の前記段部16aの下面は、断面を略L字状に形成すると共に、前記クリップ12の設置部位に対応する段部16aの下面と車幅方向に滑らかに傾斜した傾斜面で連続され、この段部16aの下面は、車幅方向の全長にわたって緩やかに延在している。この段部16aの下面には、図4及び図5に示すように発泡ゴム材からなる細長い弾性シール体19が、その曲げ角度を小さくして両面粘着テープにより固着されている。
【0035】
前記基部片12aと押圧片12bとの間に構成される屈曲部には、互いに交差する方向に開口した貫通孔12eが形成されている。射出成形時にあって、前記貫通孔12eを形成することにより、スライド型を三面で固定型と可動型との間に位置決め固定することになり、スライド型と各型の合わせ面に生じる成形時のバリを防止するようになっている。
【0036】
以上のごとく構成された本発明のカバー本体部11を車体に取り付けた状態を図4に示している。同図において、フロントフード2は閉鎖状態にある。前記カバー本体部11の前端側の弾性シール体18は、フロントフード2の後端裏面に押さえられると共に、前記カバー本体部11の後端側の弾性シール体19を押さえ込んでおり、フロントフード2とフロントガラス3との間に良好な水密性が確保される。
【0037】
前記カバー本体部11のプレート部14は、その前端部15よりも上方にあって、フロントフード2とフロントガラス3との間に略水平に延在されており、カウルボックス4の容積が増大するように配されている。フロントフード2と略同一面上に連続したプレート部14により、見栄えとしての外観を向上させることができる。前記カバー本体部11は、上記変形部17を有しているため、フード上面と略同一平面上に延長して形成されたプレート部14を有するような形状に起因する製品の剛性を適切に緩和して、車体への取付作業性が向上できる。
【0038】
図4において明らかなように、フロントガラス3が接着される車体パネル4aは、前記クリップ12の挟着位置の近傍に配されるため、同クリップ12と車体パネル4aとの間の間隔は狭くなっている。従来のごとくフロントガラス3の前端縁と車体パネル4aとの間のスペースを大きく確保することなく、前記クリップ12等の形状や構造などに制約されずに、フロントガラス3を車体パネル4a上に水密的に接着固定することができる。
【0039】
前記カバー本体部11は、その前端部15に穿設された取付孔15bと同取付孔15bに対応して水平なカウルエクステンション部4bに穿設された係止孔とに固定クリップ20を挿入して固定されている。平面からみてアーチ形に滑らかに湾曲したカバー本体部11の前端部15に沿って水平に固定されるため、前記カバー本体部11の撓み変形に対して組付強度を確保することができる。
【0040】
次に、本発明の変形部17の作用を図5を参照して説明する。図5は、本発明のカウルカバー10が弾性変形した状態を示している。
フロントガラス3の前端縁をカバー本体部11の後端部16と複数のクリップ12との間に挟持する際には、図5に一点鎖線で示すごとくフロントガラス3の外面にカバー本体部11の後端部16を接触させた状態でカウルボックス4上に仮設置する。次いで、前記カバー本体部11を、その弾力に抗して、図5に矢印Aで示すごとく押し下げる。同カバー本体部11を押し下げると、同カバー本体部11の屈曲部分13に沿って形成された変形部17が、図5に実線で示すごとく弾性変形し、車体前後方向に押し拡げられる。そして、前記カバー本体部11の後端部16に立設された複数のクリップ12のフロントガラス3に対する嵌着角度が、フロントガラス3の傾斜角度と略同一方向に変化する。
【0041】
いま、前記カバー本体部11をフロントガラス3の前端縁に向けて速やかに押し込むと、図5に矢印Bで示すごとく前記クリップ12がフロントガラス3の裏面側前端縁に向けて移動し、フロントガラス3の内面と接触する。こうして、フロントガラス3の前端縁は、前記カバー本体部11の後端部16と前記クリップ12との間に挟持される。次いで、前記カバー本体部11の押下げ力を解除すると、同カバー本体部11の前記変形部17は、樹脂の弾力によって変形が解除され、同カバー本体部11は、軽いスプリングバックによって原形の略への字状に復帰して元の形状に戻る。
【0042】
次いで、弾性シール体18を介して前記カバー本体部11の取付孔15bに予め固定された固定クリップ20をカウルエクステンション部4bの係止孔に挿入し、同固定クリップ20の鉤部で前記係止孔に係止して前記カバー本体部11の前端部15を固定する。こうして、フロントガラス3に対する前記クリップ12の嵌着角度を押圧操作で容易に変化させることが可能となり、図4に示すようにカウルカバー10を車体に取り付けることができる。
【0043】
なお、上述した組付操作では、フロントガラス3の前端縁を前記カバー本体部11の後端部16と前記クリップ12との間に挟持したあとに、前記カバー本体部11の前端部15をカウルエクステンション部4bに固定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば前記カバー本体部11の前端プレート部15aが、予めカウルエクステンション部4bに仮止めされたとしても、ガラス面が立ち上がったような傾斜角度の大きい場合に、上述の組付操作によって前記カウルエクステンション部4b上を大きく移動することなくフロントガラス3の傾斜角度にしたがって、同フロントガラス3の前端縁の裏面側に前記クリップ12を容易に挿入することができ、前記カバー本体部11の組付作業時の位置決め等がしやすくなる。
【0044】
前記変形部17は、平面からみて車幅方向にわたってアーチ形状に湾曲して延在されており、固定クリップ20が固定されるカウルエクステンション部4bの係止孔も車幅方向にわたってアーチ状に配されると共に、これらと同一方向にアーチ状をなす段部16aの下面に対向して配されるクリップ12も車幅方向にわたってアーチ状に配されるため、前記カバー本体部11を組み付ける前の拘束されない状態と異なり、図5に示す矢印A方向の外力に対しては、変形しにくくなる。
【0045】
前記変形部17は、前記カバー本体部11の前端寄りに配して、前記カバー本体部11の後端部16から離れた部位に前記変形部17を設け、前記カバー本体部11の後端縁16と協働してフロントガラス3の前端縁を車幅方向にわたって挟持する8つのクリップ12の相互のズレを極小にすることができるため、フロントガラス3への取付作業が容易に且つ正確に行われやすくなり、無理な力がクリップ12に加わらないため、困難な作業によりクリップ12を破損することなく、歩留りがよく生産性を向上させることができる。
【0046】
一般に、カウルカバー10は、フロントフード2でカバー本体部11の全長にわたってカウルエクステンション部4bに面当たりするように押さえ付けられ、十分に且つ安定的に保持される。また、そのようなフロントフード2の挟持力が加わらない場合、例えば保守点検や洗車等の場合であっても、前記カバー本体部11を平面からみて並行な複数の滑らかな曲線を描くように固定クリップ20やクリップ12等により固定する構造としているため、通常の押圧程度では、前記カバー本体部11を撓み変形させるごとき問題となるような変形を生じることなく、車体にカウルカバー10を強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施形態であるカウルカバーが取り付けられた車体の一部分を模式的に示す部分斜視図である。
【図2】同カウルカバーの全体を模式的に示す斜視図である。
【図3】同カウルカバー後端部の部分斜視図である。
【図4】同カウルカバーの取付状態を模式的に示す断面図である。
【図5】同カウルカバーの取付けの一例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 エンジンルーム
2 フロントフード
3 フロントガラス
4 カウルボックス
4a 車体パネル
4b カウルエクステンション部
5 ウオッシャノズル
10 カウルカバー
11 カバー本体部
11a 開口
11b ワイパー駆動軸孔
11c 凹部
11d 切欠き
11e 凹溝
12 クリップ
12a 基部片
12b 押圧片
12c 押圧突起
12d 補強リブ
12e 貫通孔
13 屈曲部分
14 プレート部
15 前端部
15a 前端プレート部
15b 取付孔
16 後端部
16a 段部
17 変形部
18,19 弾性シール体
20 固定クリップ

Claims (3)

  1. 自動車のフードとフロントガラスとの間のカウル部を覆うカウルカバーであって、
    外面側に突出し、前後にへの字状に屈曲した弾性板材からなるカバー本体部と、同カバー本体部の後端部に立設され、前記フロントガラスの前端縁を挟持する複数のクリップとを有し、
    前記カバー本体部は、への字状の屈曲部分の後方に沿って形成され、前記フロントガラスに対する前記クリップの嵌着角度を変化させる変形部を有してなる、
    ことを特徴とするカウルカバー。
  2. 前記カバー本体部は、その前端部に水平に延設され、車体の水平パネルに止着される前端プレート部を有してなることを特徴とする請求項1記載のカウルカバー。
  3. 前記変形部は薄肉構造とされてなることを特徴とする請求項1又は2記載のカウルカバー。
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