JPH0618811Y2 - 自動車用ドアトリムにおけるウェザーストリップの取付構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この考案は自動車用ドアトリムにおけるウエザーストリ
ップの取付構造の改良に関する。

《従来の技術》 通常、ドアパネルに内装されるドアトリムには、昇降式
のウインドガラスに対するシール機能を付与するため、
ウエザーストリップがドアトリム上縁部の折曲端面に取
り付けられている。

従来のウエザーストリップについて、第５図を基に説明
すると、まず、ウエザーストリップ１は、ゴム，軟質樹
脂の弾性体の内部に保形性を備えた芯金２を埋設して、
一体に成形されており、このウエザーストリップ１の一
側面には、図示しないウインドガラスと摺接するシール
舌片３が条設されており、かつ他方側面には、芯金２を
切り起こし、適宜箇所に係止爪４が突出形成されてい
る。

そして、このウエザーストリップ１をドアトリム５に取
り付けるには、ドアトリム５の上縁部を構成するガーニ
ッシュ６の折曲端面６ａに取付孔７を適宜設け、この取
付孔７内に前述の係止爪４を挿入し、折曲固定すること
により、ウエザーストリップ１をドアトリム５に取り付
けるようにしている。

しかし、この種のウエザーストリップ１においては、ウ
インドガラスを円滑に昇降操作させるため、シール舌片
３が撓み易くなっており、ウインドガラスが、このシー
ル舌片３により確実に保持されず、例えば、走行中の振
動や風圧等により、ウインドガラスがウエザーストリッ
プ１側に容易に倒れ、ガタツキ音が生じる等の不具合が
あった。

そのため、ウエザーストリップ１の係止爪４と反対方向
に爪８を切り起こし、この爪８によりゴム，合成樹脂等
のストッパ片９を固定して、シール舌片３の撓みを防止
して、走行中の振動や風圧によるウインドガラスのガタ
ツキを防止するようにしている。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、この対策では、ストッパ片９を別個に成
形する必要があり、部品点数がそれだけ増大するととも
に、爪８にストッパ片９を固定する取付作業が付加され
るため、作業工数も増え、大幅なコストアップを招来す
るという欠点が指摘されていた。

この考案は上述の事情に鑑みてなされたもので、本考案
の目的とするところは、簡易な構成で、ウインドガラス
のガタツキを確実に防止するようにしたドアトリム用ウ
エザーストリップの取付構造を提供することにある。

《課題を解決するための手段》 上記目的を達成するために、本考案はドアトリムの上縁
に位置する樹脂製ガーニッシュの折曲端面に取り付けら
れ、ウインドガラスと当接シールするシール舌片を備え
てなるウエザーストリップの取付構造において、前記樹
脂製ガーニッシュの折曲端面に、ストッパが突出形成さ
れているとともに、該ストッパに対応する開口がウエザ
ーストリップに開設され、上記ウエザーストリップを樹
脂製ガーニシュに取り付けた際、開口を通してストッパ
がシール舌片の内面側に突出し、このストッパによりウ
インドガラスからの応力に対して、シール舌片の変形を
規制するようにしたことを特徴とする。

《作用》 前記構成によれば、走行中の振動や風圧により、ウイン
ドガラスが、ウエザーストリップ側に押圧されても、樹
脂製ガーニッシュの折曲端面に突設形成したストッパが
ウエザーストリップの開口を通してシール舌片の内面側
に位置しているため、シール舌片の変形をこのストッパ
により防止でき、よってウインドガラスのガタツキを確
実に防止することができる。

更に、ウエザーストリップを樹脂製ガーニッシュに取り
付ける際、樹脂製ガーニッシュに突出形成したストッパ
に対してウエザーストリップの開口を合わせることによ
り、ウエザーストリップの位置決めを簡単かつ容易に行
なうことが可能となる。

《実施例》 以下、本考案に係る自動車ドアトリムにおけるウエザー
ストリップの取付構造の実施例について、添付図面を参
照しながら詳細に説明する。

第１図はウエザーストリップをドアトリム側に取り付け
る状態を示す全体斜視図、第２図は同ウエザーストリッ
プをドアトリムに取り付けた状態を示す縦断面図であ
る。

第１図において、ウエザーストリップ１０は、軟質塩化
ビニール樹脂，ゴム等の可撓性材１１内に金属製の芯金
１２が埋設されて形成されているウエザーストリップ本
体１３と、このウエザーストリップ本体１３のウインド
ガラス対向側面に形成されるシール舌片１４とから大略
構成され、更にウエザーストリップ本体１３の適宜箇所
にドアトリム側に固定するための係止爪１５と後述する
ストッパを貫通させるための開口１６が適宜間隔を配し
て形成されている。

そして、上記ウエザーストリップ１０が取り付けられる
ドアトリム２０は、ハードボード等の芯材２１の表面側
にポリウレタンフォーム等のパッド材２２を配置して、
更にその表面側に塩ビシート，クロス等の表皮材２３を
被覆した積層構造体からなっており、前述したウエザー
ストリップ１０を取り付ける上縁部の構成は、その芯材
として湾曲状に形成された樹脂製ガーニシュ２４が使用
され、同様にその表面側にパッド材２２，表皮材２３が
被覆されている。このガーニシュ２４は芯材２１にビス
止め等の慣用の固定手段により、ドアトリム２０側に固
定されているが、ウエザーストリップ１０が取り付けら
れる樹脂製ガーニッシュ２４の折曲端面２５には、スト
ッパ２６が突設形成され、このストッパ２６はウエザー
ストリップ１０に開設された開口１６と対応するように
適宜間隔を配して形成されている。

また、この樹脂製ガーニッシュ２４の折曲端面２５に
は、ウエザーストリップ１０の係止爪１５を挿入させる
ための取付孔２７が適宜位置に設けられている。

従って、ウエザーストリップ１０をドアトリム２０側に
取り付けた状態では、第２図に示すように、ウエザース
トリップ１０のシール舌片１４の先端部１４ａがウイン
ドガラス２８と弾接しており、更に、樹脂製ガーニシュ
２４の折曲端面２５に形成されたストッパ２６の先端２
６ａがウエザーストリップ１０の開口１６を通して外部
に突出しており、シール舌片１４の内面１４ｂに近接し
ている。

よって、走行中の振動や風圧等により、ウインドガラス
２８からシール舌片１４に矢印方向の応力が加わったと
しても、このストッパー２６により、シール舌片１４が
変形することなくシール舌片１４の先端１４ａはウイン
ドガラス２８と常に弾接状態にある。

このように、シール舌片１４により、ウインドガラスが
確実に保持されるため、走行中の振動や、走行時の風圧
によりウインドガラス２８が、ガタつくことがなく、異
音の発生が防止でき、車室内の静粛性が良好なものにな
るとともに、ウインドガラス２８の昇降操作を円滑に行
なうことができる。

更に、ウエザーストリップ１０をドアトリム２０側に取
り付ける際、ウエザーストリップ１０の開口１６を樹脂
製ガーニッシュ２４のストッパ２６に合わせるだけで、
ウエザーストリップ１０の適切な位置決めが簡単かつ迅
速に行なうことができる。

次に、第３図，第４図に示すものは、本考案の第２実施
例を示すもので、ウエザーストリップ１０は前述実施例
と同一構成であるがドアトリム３０の構成が相異してい
る。

すなわち、本例におけるドアトリム３０は、芯材３１が
所要形状にプレス成形された複合樹脂板から成り、この
芯材３１に前述した樹脂製ガーニッシュ２４の機能をも
たせた構成に成っており、芯材３１の表面側にポリウレ
タンフォーム等のパッド材３２，塩ビシート等の表皮材
３３が被覆されている。

本例においても、芯材３１の折曲端面３４にストッパ３
５が適宜間隔を配して突設され、ウエザーストリップ１
０の開口１６を通して、シール舌片１４の内面１４ｂ側
に位置して、シール舌片１４の変形を規制して、ウイン
ドガラス２８のガタツキを防止し、円滑な昇降操作を保
証すると言う作用効果は前述実施例として同一であるが 本例では、芯材３１に複合樹脂板（例えば、ポリプロピ
レン樹脂と木粉フィラーとを適宜配合比で混合攪拌した
後、シート状に押し出し成形し、このシートを加熱軟化
させた後、所望の曲面形状にフールドプレス成形する）
を使用することにより、前述実施例の構成（芯材２１に
樹脂製ガーニッシュ２４をビス止め固定する）に比べ、
簡単に成形でき、製造工程が簡略化される利点がある。

《効果》 以上説明したように、本考案によれば、ドアトリム側の
樹脂製ガーニッシュにストッパを設け、このストッパの
先端部がウエザーストリップの開口を通してウェザース
トリップのシール舌片の内面側に位置するように構成し
たものであるから、走行中の振動や風圧により、ウィン
ドガラスがウェザーストリップ側に押圧されても、シー
ル舌片の変形を規制でき、ウィンドガラスのガタツキを
確実に防止でき、車室内の静粛性に大きく貢献すること
ができるとともに、ウインドガラスの円滑な昇降操作が
期待できるという効果がある。

更に、本願によれば、ウェザーストリップ側に形成され
た係止爪をガーニッシュ側の取付孔に一致させて位置決
めさせるという従来の位置決め作業に代えて、樹脂製ガ
ーニッシュのストッパをウェザーストリップの開口内に
合わせれば良いため、ウェザーストリップを樹脂製ガー
ニッシュ側に位置決めする際、目視できることにより、
ウェザーストリップの取付作業を迅速かつ容易に行なう
ことができ、作業性が著しく向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るウェザーストリップの取付構造の
第一実施例を示すもので、ウェザーストリップ並びにド
アトリムを示す全体斜視図、第２図は同ウェザーストリ
ップをドアトリムに取付けた状態を示す縦断面図、第３
図は、考案の第２実施例を示すもので、ウエザーストリ
ップ並びにドアトリムを示す全体斜視図、第４図は同ウ
エザーストリップをドアトリムに取り付けた状態を示す
縦断面図、第５図は従来のウェザーストリップの取付構
造を示す全体斜視図である。 １０……ウェザーストリップ １４……シール舌片 １６……開口 ２０，３０……ドアトリム ２４……樹脂製ガーニッシュ ２５，３４……折曲端面 ２６，３５……ストッパ ２８……ウィンドガラス

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドアトリムの上縁に位置する樹脂製ガーニ
   ッシュの折曲端面に取り付けられ、ウインドガラスと当
   接シールするシール舌片を備えてなるウエザーストリッ
   プの取付構造において、 前記樹脂製ガーニッシュの折曲端面に、ストッパが突出
   形成されているとともに、該ストッパに対応する開口が
   ウエザーストリップに開設され、上記ウエザーストリッ
   プを樹脂製ガーニシュに取り付けた際、開口を通してス
   トッパがシール舌片の内面側に突出し、このストッパに
   よりウインドガラスからの応力に対して、シール舌片の
   変形を規制するようにしたことを特徴とする自動車用ド
   アトリムにおけるウエザーストリップの取付構造。