JP3854377B2 - パイロット式電磁弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パイロット圧により駆動されるスプール弁を備えたパイロット式電磁弁に係る。特に詳しくは、スプール弁を強制的に駆動するために操作される手動弁を備えたパイロット式電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電磁弁はスプール弁と、そのスプール弁を空気圧(パイロット圧)により間接的に動かすためのパイロット圧切換弁から成るアクチュエータ部とを有する。ソレノイド式のパイロット圧切換弁は電気的に駆動される。パイロット圧切換弁がオン・オフされることにより、スプール弁両端のピストンに対するパイロット圧の供給が切り換えられ、スプール弁が駆動される。
【0003】
パイロット圧切換弁を含むアクチュエータ部としては、シングルソレノイド式とダブルソレノイド式とがある。シングルソレノイド式は一つのパイロット圧切換弁を有する。ダブルソレノイド式は二つのパイロット圧切換弁を有する。
【0004】
シングルソレノイド式のアクチュエータ部を有する電磁弁では、パイロット圧切換弁がオンされたときに、スプール弁の一方のピストンにパイロット圧が供給され、スプール弁が往動する。パイロット圧切換弁がオフされたときには、スプール弁の他方のピストンにパイロット圧が供給され、スプール弁が復動して元の位置に復帰する。つまり、このタイプの電磁弁では、パイロット圧切換弁をオフさせることに伴い、スプール弁を元の位置に復帰させることのできる自己復帰型の動作が得られる。
【0005】
ダブルソレノイド式のアクチュエータ部を有する電磁弁では、各パイロット圧切換弁がそれぞれオン・オフされることにより、スプール弁の各ピストンに対するパイロット圧の供給が切り換えられ、スプール弁が往復動する。このタイプの電磁弁では、各パイロット圧切換弁がオフされても、スプール弁が元の位置に復帰することはない。この場合、スプール弁は両パイロット圧切換弁がオフされたときの位置に保持される。つまり、このタイプの電磁弁では、パイロット圧切換弁をオフさせることに伴い、スプール弁をある位置に保持することのできる自己保持型の動作が得られる。
【0006】
特開平7−27249号公報は上記のようなパイロット式電磁弁の一例を開示する。この公報の電磁弁は、シングルソレノイド式のアクチュエータ部と、別のダブルソレノイド式のアクチュエータ部との間で互換性が確保される。そして、それらアクチュエータ部を電磁弁に対して選択的に使用することにより、自己復帰型の動作と自己保持型の動作とが選択的に得られる。
【0007】
即ち、図17に示すように、この電磁弁201は切換弁部202と、シングルソレノイド式のアクチュエータ部203とを備える。切換弁部202はスプール弁204を二つの位置の間で移動可能に収容する。切換弁部202は、スプール弁204の両端に対応して第1の加圧室205及び第2の加圧室206を備える。各加圧室205,206は、スプール弁204の各端を押圧するための第1のピストン207、第2のピストン208をそれぞれ収容する。両ピストン207,208は互いに同じ大きさの外径を有する。切換弁部202は作動圧用の給気通路209及び排気通路210、並びにパイロット圧用のパイロット給気通路211及びパイロット排気通路212を有する。
【0008】
シングルソレノイド式のアクチュエータ部203は4ポート弁又は5ポート弁よりなる一つのパイロット圧切換弁213を含む。このパイロット圧切換弁213がオンされることにより、第1の弁体214が第1の位置に移動して第1の加圧室205が第1のパイロット通路216を介してパイロット給気通路211に連通される。第1の弁体214が第1の位置に移動することにより、第2の弁体215がそれに連動して移動し、第2の加圧室206が第2のパイロット通路217を介してパイロット排気通路212に連通される。パイロット圧切換弁213がオフされることによ、第1の弁体214が第2の位置に移動して両者205,211の間が遮断されると共に、第1の加圧室205が第1のパイロット通路216を介してパイロット排気通路212に連通される。第1の弁体214が第2の位置に移動することにより、第2の弁体215がそれに連動して移動し、第2の加圧室206が第2のパイロット通路217を介してパイロット給気通路211に連通される。従って、両加圧室205,206の一方にパイロット圧が供給されるときには、他方からは圧力が排出され、スプール弁204が一方へ移動する。このため、パイロット圧切換弁213がオフされるときには、スプール弁204が必ず元の位置に復帰することになる。
【0009】
上記切換弁部202の構成は、そのままダブルソレノイド式の電磁弁として兼用される。即ち、シングルソレノイド式のアクチュエータ部203がダブルソレノイド式のアクチュエータ部と交換される。ここで、両ピストン207,208が互いに外径を同じくすることから、各加圧室205,206に対してパイロット圧が選択的に供給されることにより、スプール弁204が往復動する。或いは、両加圧室205,206に対するパイロット圧の供給が同時に遮断されることにより、スプール弁204が任意の位置に保持される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のパイロット式電磁弁201では、手動弁との関連については、何も述べられていない。手動弁とは、スプール弁を、アクチュエータ部によるパイロット圧の切り換えから独立して、任意的かつ強制的に駆動するために操作されるものである。一般に、手動弁はアクチュエータ部のパイロット圧切換弁に対応して設けられ、スプール弁の各ピストンに対するパイロット圧の供給を切り換えるために任意に操作される。
【0011】
ここで、電磁弁は各種の機械設備に適用される。その機械設備を動作させるために、電磁弁のアクチュエータ部は電気的に制御される。その一方で、機械設備の組立調整、或いはメンテナンスの際に、電磁弁をアクチュエータ部の制御から独立して強制的、かつ任意に動かす必要がある。この必要性に鑑みれば、手動弁は電磁弁の実用性を高めるためには不可欠な構成要素であると言える。従って、上記の電磁弁201についても、その電磁弁201としての機能を担保しつつ、手動弁による一般的な機能を確保することが望まれる。
【0012】
しかしながら、上記の電磁弁201のように、シングルソレノイド式のアクチュエータ部とダブルソレノイド式のアクチュエータ部との間で互換性を持たせた場合、手動弁についても、両方式のアクチュエータ部に合わせて作動させる必要がある。即ち、シングルソレノイド式のアクチュエータ部203又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部の適用に拘わらず、手動弁が操作されたときには、スプール弁が強制的に駆動されることが望まれる。このため、上記の電磁弁201に対し、単に手動弁を付加しただけでは、アクチュエータ部の各方式に合わせて手動弁を適正に機能させることができなくなるおそれがある。
【0013】
この発明は前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、一つの電磁弁において、シングルソレノイド式のアクチュエータ部とダブルソレノイド式のアクチュエータ部との間で互換性を持たせ、併せてシングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部に応じて手動弁を適正に機能させることを可能にしたパイロット式電磁弁を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の第1の発明は、流体の流路を切り換えるためにパイロット圧により駆動されるスプール弁と、スプール弁の両端に設けられ、パイロット圧を受けるために互いに等しい大きさの受圧面を有する第1のピストン及び第2のピストンと、各ピストンに対するパイロット圧の供給を切り換えるためのアクチュエータ部と、スプール弁を強制的に駆動するために操作され、作動位置と非作動位置とに選択的に配置される第1の手動弁及び第2の手動弁とを備えたパイロット式電磁弁において、第1の手動弁が非作動位置に配置されることにより、アクチュエータ部から第1及び第2の手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧が供給されることが許容されることと、第1の手動弁が作動位置に配置されることにより、第1のピストンに第1の手動弁を介してパイロット圧が強制的に供給されることと、第2の手動弁が非作動位置に配置されることにより、アクチュエータ部から第1及び第2の手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧が供給されることが許容されると共に、アクチュエータ部から第2の手動弁を介して第2のピストンにパイロット圧が供給されることが許容されることと、第2の手動弁が作動位置に配置されることにより、第2のピストンに第2の手動弁を介してパイロット圧が強制的に供給されると共に、アクチュエータ部から第1及び第2の手動弁を介して第1のピストンに前記パイロット圧が供給されることが許容されることとを備えたことを趣旨とする。
【0015】
上記第1の発明の構成によれば、第1及び第2の手動弁が共に非作動位置に配置された状態では、アクチュエータ部から第1及び第2の手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧が供給されることが許容される。これと共に、アクチュエータ部から第2の手動弁を介して第2のピストンにパイロット圧が供給されることが許容される。ここで、上記のようにアクチュエータ部から各ピストンにパイロット圧が供給されることが許容されるときには、その逆に、各ピストンからアクチュエータ部にパイロット圧が戻されることが許容されることをも含む(以下において同様。)。
【0016】
ここで、アクチュエータ部により、第1及び第2のピストンに対するパイロット圧の供給が適宜に切り換えられることにより、第1及び第2のピストンの少なくとも一つによりスプール弁が押圧されて駆動され、電磁弁により流体の流路が切り換えられる。つまり、スプール弁がアクチュエータ部によるパイロット圧の切り換えに依存して駆動される。
【0017】
ここで、アクチュエータ部に一つのパイロット圧切換弁を有するシングルソレノイド式のものを適用したとする。そして、例えば、パイロット圧切換弁が非作動状態にあるときには、同弁から第1のピストンにパイロット圧が供給されることを許容すると共に、第2のピストンからパイロット圧切換弁にパイロット圧が戻されることを許容するように構成する。一方、パイロット圧切換弁が作動状態にあるときには、同弁から第2のピストンにパイロット圧が供給されることを許容すると共に、第1のピストンからパイロット圧切換弁にパイロット圧が戻されることを許容するように構成する。このようにすることにより、シングルソレノイド式のアクチュエータ部を使用して電磁弁を動作させることが可能になる。
【0018】
これに対し、アクチュエータ部に二つのパイロット圧切換弁を有するダブルソレノイド式のものを適用したとする。そして、一方のパイロット圧切換弁を第1のピストンに対応させ、他方のパイロット圧切換弁を第2のピストンに対応させる。各パイロット圧切換弁を適宜に制御することにより、第1及び第2のピストンの少なくとも一つにパイロット圧が供給されること、各ピストンから各パイロット圧切換弁にパイロット圧が戻されることを許容するように構成する。このようにすることにより、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部を使用して電磁弁を動作させることが可能になる。
【0019】
上記電磁弁において、第1の手動弁のみが作動位置に配置されることにより、第1のピストンに第1の手動弁を介してパイロット圧が強制的に供給される。このとき、第2のピストンにはアクチュエー部からパイロット圧が供給されることが許容される。このため、第1のピストンによりスプール弁が強制的に駆動され、電磁弁において流体の流路が切り換えられる。一方、第2の手動弁のみが作動位置に配置されることにより、第2のピストンに第2の手動弁を介してパイロット圧が強制的に供給されると共に、第1及び第2の手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧が供給されることが許容される。このため、第2のピストンによりスプール弁が強制的に駆動され、第1のピストンによる方向とは逆方向へ駆動され、電磁弁において流体の流路が切り換えられる。
【0020】
従って、この電磁弁では、スプール弁が、シングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部によるパイロット圧の切り換えに依存して駆動される。更に、各手動弁の操作に基づき、スプール弁がシングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部によるパイロット圧の切り換えから独立して強制的に駆動される。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパイロット式電磁弁を具体化した一実施の形態を図1〜図16を参照して詳細に説明する。
【0026】
図1に示すように電磁弁1は切換弁部2と、その片側に設けられたアクチュエータ部3とを備える。切換弁部2は流体(気体)の流路を切り換えるためにパイロット圧により駆動されるスプール弁4を有する。切換弁部2はその外部に露出して設けられた手動装置5を有する。アクチュエータ部3は、スプール弁4に対するパイロット圧の供給を切り換えるために電気的に制御される。アクチュエータ部3は切換弁部2に対して着脱可能に設けられる。
【0027】
切換弁部2はスプールハウジング6、継手ハウジング7及びマニホールドブロック8を備える。スプールハウジング6はスプール弁4を往復動可能に収容する。スプール弁4はその軸線方向へ所定のストロークをもって移動可能である。スプールハウジング6はスプール弁4の両端に対応して設けられた第1の加圧室9及び第2の加圧室10を有する。スプールハウジング6は一つの給気ポート11と、一対の排気ポート12,13と、第1及び第2の出力ポート14,15を有する。給気ポート11には、この電磁弁1により流路が切り換えられる圧縮空気が供給される。
【0028】
スプール弁4はその両端に第1の加圧室9に対応して設けられた第1のピストン16と、第2の加圧室10に対応して設けられた第2のピストン17とを有する。両ピストン16,17は略円筒状をなし、スプール弁4に一体的に設けられる。両ピストン16,17は互いに等しい大きさの受圧面16a,17aを有する。スプール弁4はその軸上に、互いに離間して配置された複数の弁部4aを有する。各弁部4aの外径は軸のそれよりも大きい。
【0029】
各ピストン16,17は、スプール弁4をその軸線方向へ駆動するために、対応する各加圧室9,10に供給されるパイロット圧を各受圧面16a,17aで受けてスプール弁4を押圧する。スプール弁4が駆動されることにより、給気ポート11に供給される気体の流路が、第1の出力ポート14と第2の出力ポート15との間で切り換えられる。これと同時に、第2又は第1の出力ポート15,14に導入される排気の流れが、各排気ポート12,13の間で切り換えられる。
【0030】
継手ハウジング7は二つのパイプ継手18,19を有する。一方の継手18は第1の出力ポート14に連通し、他方の継手19は第2の出力ポート15に連通する。
【0031】
マニホールドブロック8は主排気通路20、パイロット給気通路21、パイロット排気通路22及び手動装置5を備える。主排気通路20はスプールハウジング6の各排気ポート12,13に連通し、各排気ポート12,13から排出される排気を電磁弁1の外へ排出する。パイロット給気通路21には、各加圧室9,10へパイロット圧として供給される圧縮空気が流れる。パイロット排気通路22には、各加圧室9,10から排出されたパイロット圧が流れ込む。
【0032】
手動装置5は、アクチュエータ部3によるパイロット圧の切り換えから独立してスプール弁4を強制的、かつ任意に駆動するために操作される。手動装置5は軸状をなす第1の手動弁23及び第2の手動弁24を備える。両手動弁23,24は、スプール弁4を駆動するために切換弁部2の外部から操作される。
【0033】
同ブロック8は上方へ開口する第1及び第2の弁穴25,26を有する。第1の弁穴25には第1の手動弁23が、第2の弁穴26には第2の手動弁24がそれぞれ上下動可能、かつ回動可能に組み込まれる。各弁穴25,26の底部には、各手動弁23,24を上方へ付勢するためのバネ27,28がそれぞれ設けられる。第1の手動弁23はその外径が第1の弁穴25の内径に整合し、その下端に周溝23aを有する。第2の手動弁24は頭部24aと、その頭部24aよりも小径な軸部24bと、その頭部24aと軸部24bとの間に設けられたシール部24cと、軸部24bの下端部に設けられた一対の弁部24d,24eとを有する。両弁部24d,24eは軸部24bよりも大径をなし、互いに所定の距離だけ隔てられる。第2の弁穴26は各弁部24d,24eを境に三つの空間に区画される。
【0034】
各手動弁23,24は、図1に示すように、その上端面が対応する各弁穴25,26の開口端に一致する非作動位置に配置される。各手動弁23,24は、治具等により各バネ27,28の付勢力に抗して下方へ押圧されることにより、図6,8,10に示すように、非作動位置より押し下げられた作動位置に配置される。この作動位置において、各手動弁23,24は、治具等により回されてピン(図示しない)に係合することにより、位置保持される。このように、各手動弁23,24は非作動位置と作動位置との間で選択的に切り換え配置される。
【0035】
同ブロック8において、パイロット給気通路21は第2の弁穴26の底部を通じてパイロット給気ポート29に連通する。パイロット排気通路22はパイロット排気ポート30に連通する。同ブロック8は第1の加圧室9に連通する第1の室通路31と、第1の加圧室9にパイロット給気通路21からのパイロット圧を強制的に供給するための第1の強制給気通路32と、両弁穴25,26を互いに接続する弁間通路33とを含む。そして、図1,2,8に示すように、第1の手動弁23が非作動位置に配置されることにより、第1の加圧室9に通じる第1の室通路31が第1の弁穴25の周溝23aを介して弁間通路33に連通する。図6に示すように、第1の手動弁23が押し下げられて作動位置に配置されることにより、第1の室通路31が周溝23aを介して第1の強制給気通路32に連通する。
【0036】
同ブロック8は第2の加圧室10に連通する第2の室通路34と、第2の加圧室10にパイロット給気通路21からのパイロット圧を強制的に供給するための第2の強制給気通路35と、第1の給排気ポート36を通じてアクチュエータ部3に接続される第1の給排気通路37と、第2の給排気ポート38を通じてアクチュエータ部3に接続される第2の給排気通路39とを含む。第1及び第2の給排気通路37,39のそれぞれは、アクチュエータ部3が制御されることにより、パイロット圧の供給又はパイロット圧の排出が選択的に許容される。図1,2,6に示すように、第2の手動弁24が非作動位置に配置されることにより、第2のピストン室10に通じる第2の室通路34が第2の弁穴26を介して第2の給排気通路39に連通すると共に、弁間通路33が同弁穴26を介して第1の給排気通路37に連通する。図8,10に示すように、第2の手動弁24が作動位置に配置されることにより、第2の室通路34が第2の弁穴26を介して第2の強制給気通路35に連通すると共に、弁間通路33が同弁穴26を介して第2の給排気通路35に連通する。
【0037】
図1,2,6,8,10に示すアクチュエータ部3はダブルソレノイド式のものであり、電気的に制御される第1及び第2のパイロット圧切換弁41,42と、両パイロット圧切換弁41,42に兼用される弁ケーシング43とを有する。第1のパイロット圧切換弁41は第1の加圧室9に対するパイロット圧の供給と、同加圧室9からのパイロット圧の排出とを切り換える。第2のパイロット圧切換弁42は第2の加圧室10に対するパイロット圧の供給と、同加圧室10からのパイロット圧の排出とを切り換える。
【0038】
第1のパイロット圧切換弁41は第1のソレノイド44、第1のコア45、第1のプランジャ46及び第1の弁体47を有する。第2のパイロット圧切換弁42は第2のソレノイド48、第2のコア49、第2のプランジャ50及び第2の弁体51を有する。各プランジャ46,50は復帰用のバネ52,53により付勢される。第1の弁体47は第1のプランジャ46に連動して移動する。第2の弁体51は第2のプランジャ50に連動して移動する。
【0039】
弁ケーシング43は各弁体47,51のそれぞれに対応する第1及び第2の給気弁座54,55を有する。両給気弁座54,55は共通する給気弁孔56を有する。弁ケーシング43は、各弁体47,51にそれぞれ対応する第1及び第2の排気弁座57,58を有する。第1の排気弁座57は第1の排気弁孔59を有し、第2の排気弁座58は第2の排気弁孔60を有する。
【0040】
弁ケーシング43は第1及び第2のパイロット出力ポート61,62、パイロット入力ポート63、並びにパイロット排気ポート64を有する。給気弁孔56はパイロット入力ポート63を通じてマニホールドブロック8のパイロット給気ポート29に連通する。各排気弁孔59,60は、弁ケーシング43に設けられた排気通路65及びパイロット排気ポート64を通じて、同ブロック8のパイロット排気ポート30に連通する。第1のパイロット出力ポート61は、同ブロック8の第1の給排気ポート36に連通する。第2のパイロット出力ポート62は、同ブロック8の第2の給排気ポート38に連通する。
【0041】
ここで、第1のソレノイド44が励磁(オン)されることにより、第1のプランジャ46が移動して第1の弁体47が給気弁孔56を開くと共に第1の排気弁孔59を閉じる。これにより、パイロット入力ポート63に導入されるパイロット圧が、第1のパイロット出力ポート61から第1の給排気通路37を通じて第2の弁穴26に供給される。
【0042】
第2のソレノイド48が励磁(オン)されることにより、第2の弁体51が給気弁孔56を開くと共に第2の排気弁孔60を閉じる。これにより、パイロット入力ポート63に導入されるパイロット圧が、第2のパイロット出力ポート62から第2の給排気通路39を通じて第2の弁穴26に供給される。第1及び第2のソレノイド44,48は所定のコントローラ(図示しない)により、所定のシーケンスプログラムに基づいてオン・オフ制御される。
【0043】
図12に示すアクチュエータ部71はシングルソレノイド式のものであり、上記ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3と交換されてマニホールドブロック8に装着された状態を示す。このアクチュエータ部3は電気的に制御される一つのパイロット圧切換弁72及び弁ケーシング73を有する。このパイロット圧切換弁72は第1又は第2の加圧室9,10に対するパイロット圧の供給と、第2又は第1の加圧室10,9からのパイロット圧の排出とを交互に切り換える。
【0044】
このパイロット圧切換弁72はソレノイド74、コア75、プランジャ76、第1及び第2の弁体77,78を備える。プランジャ76は復帰用のバネ79により付勢される。第1の弁体77はプランジャ76に連動して移動する。
【0045】
弁ケーシング73は各弁体77,78のそれぞれに対応する第1及び第2の給気弁座80,81を有する。両給気弁座80,81は共通する給気弁孔82を有する。弁ケーシング73は、各弁体77,78にそれぞれ対応する第1及び第2の排気弁座83,84を有する。各排気弁座83,84はそれぞれ第1、第2の排気弁孔85,86を有する。
【0046】
弁ケーシング73は第1及び第2のパイロット出力ポート87,88、パイロット入力ポート89、並びにパイロット排気ポート90を有する。給気弁孔82はパイロット入力ポート89を通じて、マニホールドブロック8のパイロット給気ポート29に連通する。各排気弁孔85,86は、弁ケーシング73に設けられた排気通路91及びパイロット排気ポート90を通じて、同ブロック8のパイロット排気ポート30に連通する。第1のパイロット出力ポート87は、同ブロック8の第1の給排気ポート37に連通する。第2のパイロット出力ポート88は、同ブロック8の第2の給排気ポート38に連通する。
【0047】
このパイロット圧切換弁71はダイアフラム92を更に備える。ダイアフラム92に固定されたロッド93は第2の排気弁孔86を貫通して第2の弁体78に接続される。ダイアフラム92は復帰用のバネ94により付勢される。弁ケーシング73に設けられた連通路95は第1の弁体77の周りの空間と、ダイアフラム92に面する空間との間を連通する。
【0048】
ここで、ソレノイド74が消磁(オフ)されることにより、第1の弁体77が給気弁孔82を閉じる共に第1の排気弁孔85を開く。このとき、バネ94によりダイアフラム92が復帰変位して、第2の弁体78が給気弁孔82を開くと共に第2の排気弁孔86を閉じる。これにより、パイロット入力ポート89に導入されるパイロット圧が、第2のパイロット出力ポート88から第2の給排気通路39を通じて第2の弁穴26に供給される。又、第1のパイロット出力ポート87に導入されるパイロット圧は連通路95、第2の排気弁孔86、パイロット排気ポート90を通じてパイロット排気通路22に戻される。
【0049】
ソレノイド74が励磁(オン)されることにより、プランジャ76が移動して第1の弁体77が給気弁孔82を開くと共に第1の排気弁孔85を閉じる。これにより、パイロット入力ポート89に導入されるパイロット圧が、第1のパイロット出力ポート87から第1の給排気通路37を通じて第2の弁穴26に供給される。このとき、パイロット入力ポート89から連通路95に導入されるパイロット圧力に基づいてダイアフラム92が変位し、第2の弁体78が給気弁孔82を閉じると共に第2の排気弁孔86を開く。従って、第2のパイロット出力ポート88に導入されるパイロット圧が、パイロット排気ポート90を通じてパイロット排気通路22に戻される。
【0050】
以上説明したようにこの実施の形態の電磁弁1の構成によれば、その切換弁部2にダブルソレノイド式のアクチュエータ部3が装着されたときには、次のような動作が得られる。
【0051】
図1,2に示すように、手動装置5が操作されず、第1及び第2の手動弁23,24が共に非作動位置に配置された第1の態様では、第1の加圧室9に通じる第1の室通路31が周溝23aを介して弁間通路33に連通する。この弁間通路33は第2の弁穴26を介して、アクチュエータ部3に接続される第1の給排気通路37に連通する。更に、第2の加圧室10に通じる第2の室通路34が第2の弁穴26を介して、アクチュエータ部3に接続される第2の給排気通路39に連通する。この第1の態様に対応する電磁弁1の状態を図3の回路図に示す。
【0052】
この実施の形態では、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3につき、第1のパイロット圧切換弁41が第1の給排気通路37に対応し、第2のパイロット圧切換弁42が第2の給排気通路39に対応して設けられる。そして、各パイロット圧切換弁41,42が適宜に制御されることにより、各給排気通路37,39に対するパイロット圧の供給と、各給排気通路37,39からのパイロット圧の排出とが適宜に許容される。
【0053】
従って、第1のパイロット圧切換弁41が独自にオン・オフされると、第1の弁体47が第1の位置と第2の位置との間で切り換え配置され、第1の給排気通路37に対するパイロット圧の供給と、同通路37からのパイロット圧の排出とが選択的に許容される。一方、第2のパイロット圧切換弁42が独自にオン・オフされると、第2の弁体51が第1の位置と第2の位置との間で切り換え配置され、第2の給排気通路39に対するパイロット圧の供給と、同通路39からのパイロット圧の排出とが選択的に許容される。このように、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3を作動させて電磁弁1を動作させることが可能になる。
【0054】
例えば、上記第1の態様から、図4に示すように、アクチュエータ部3の第2のパイロット圧切換弁42がオンされると、第2の給排気通路39にパイロット圧が導入され、そのパイロット圧が第2の弁穴26及び第2の室通路34を介して第2の加圧室10に供給され、第2のピストン17に供給される。これにより、スプール弁4が第2のピストン17により押圧されて駆動され、切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。スプール弁4に伴って第1のピストン16が移動すると、第1の加圧室9からはパイロット圧が排出され、その圧力が第1の室通路31、周溝23a、弁間通路33、第2の弁穴26、第1の給排気通路37及び第1のパイロット圧切換弁41を介してパイロット排気通路22から排出される。
【0055】
上記の場合とは逆に、図5の回路図に示すように、アクチュエータ部3の第1のパイロット圧切換弁41がオンされると、第1の給排気通路37にパイロット圧が導入され、そのパイロット圧が第2の弁穴26、弁間通路33、周溝23a及び第1の室通路31を介して第1の加圧室9に供給され、第1のピストン16に供給される。これにより、第1のピストン16によりスプール弁4が押圧されてスプール弁4が、上記図4の場合とは逆方向へ駆動され、切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。このとき、第2の加圧室10から排出されるパイロット圧は、第2の室通路34、第2の弁穴26、第2の給排気通路39及び第2のパイロット圧切換弁42を通じてパイロット排気通路22から排出される。
【0056】
ここでは、両ピストン16,17の受圧面16a,17aの大きさが同じである。そのため、両加圧室9,10にパイロット圧が同時に供給されたとき、或いは両加圧室9,10に対するパイロット圧が同時に遮断されたときには、両ピストン16,17によるスプール弁4の押圧力が均衡し、スプール弁4はそのときの位置に保持される。
【0057】
このように、スプール弁4がダブルソレノイド式のアクチュエータ部3によるパイロット圧の供給切り換えに依存して駆動され、切換弁部2における流路が切り換えられる。
【0058】
一方、上記第1の態様から、図6,7に示すように、手動装置5の第1の手動弁23のみが作動位置に配置された第2の態様では、第1の加圧室9に通じる第1の室通路31が周溝23aを介して第1の強制給気通路32に連通する。このため、第2のパイロット圧切換弁42がオフされて第2の加圧室10にパイロット圧が供給されないときには、第1の加圧室9のみにパイロット圧が強制的に供給されることになる。この結果、スプール弁4が一方向へ駆動されて切換弁部2における流体の流路が切り換えられる。
【0059】
上記第1の態様から、図8,9に示すように、手動装置5の第2の手動弁24のみが作動位置に配置された第3の態様では、第2の加圧室10に通じる第2の室通路34が第2の弁穴26を介して第2の強制給気通路35に連通すると共に、弁間通路33が同弁穴26を介して第2の給排気通路39に連通する。このため、第1のパイロット圧切換弁41がオフされて第1の加圧室9にパイロット圧が供給されないときには、第2の加圧室10のみにパイロット圧が強制的に供給されることになる。この結果、スプール弁4が上記第2の態様とは逆方向へ駆動されて切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。
【0060】
上記第3の態様から、図10,11に示すように、第2の手動弁24に加えて第1の手動弁23が作動位置に配置された第4の態様では、第1の加圧室9に通じる第1の室通路31が周溝23aを介して第1の強制給気通路32に連通する。同時に、第2の加圧室10に通じる第2の室通路34が第2の弁穴26を介して第2の強制給気通路35に連通する。このため、両パイロット圧切換弁41,42によるパイロット圧の供給切り換えに拘わらず、両加圧室9,10には共にパイロット圧が強制的に供給される。このため、両ピストン16,17によりスプール弁4が両方向から押圧され、スプール弁4が上記第3の態様の位置に保持される。つまり、電磁弁1において自己保持型の動作が得られる。
【0061】
上記のように、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3を使用して電磁弁1を動作させることができると共に、電磁弁1において各手動弁23,24の機能を確保することができる。つまり、電磁弁1において、手動弁23,24の機能を確保した上で、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3により自己保持型の動作を得ることができる。
【0062】
次に、上記ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3をシングルソレノイド式のアクチュエータ部71と交換して電磁弁1に適用した場合を説明する。
【0063】
この実施の形態では、図12に示すように、シングルソレノイド式のアクチュエータ部71につき、第1の弁体77等が第1の給排気通路37に対応し、第2の弁体78等が第2の給排気通路39に対応する。そして、パイロット圧切換弁72がオンされたときには、第1の給排気通路37に対するパイロット圧の供給が許容されると共に、第2の給排気通路39からのパイロット圧の排出が許容される。パイロット圧切換弁72がオフされたときには、第2の給排気通路39に対するパイロット圧の供給が許容されると共に、第1の給排気通路37からのパイロット圧の排出が許容される。
【0064】
従って、図12,13に示すように、パイロット圧切換弁72がオフされ、両手動弁23,24が共に非作動位置に配置された第1の態様では、第1の加圧室9に通じる第1の室通路31が、周溝23a及び弁間通路33を介して、アクチュエータ部71に接続される第1の給排気通路37に連通する。更に、第2の加圧室10に通じる第2の室通路34が、第2の弁穴26を介して、アクチュエータ部3に接続される第2の給排気通路39に連通する。
【0065】
上記第1の態様では、第1の給排気通路37にパイロット圧が導入され、そのパイロット圧が第2の弁穴26、弁間通路33、周溝23a及び第1の室通路31を介して第1の加圧室9に供給され、第1のピストン16に供給される。これにより、スプール弁4が駆動されて切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。このとき、第2のピストン17の移動に伴い第2の加圧室10から排出されるパイロット圧は第2の室通路34、第2の弁穴26、第2の給排気通路39及びパイロット圧切換弁72を通じてパイロット排気通路22から排出される。ここでは、パイロット圧切換弁72がオフされるときにスプール弁4が一方へ駆動されることから、スプール弁4は元の位置に復帰する。つまり、電磁弁1において自己復帰型の動作が得られる。
【0066】
上記第1の態様から、図14に示すように、パイロット圧切換弁72がオンされると、第2の給排気通路39にパイロット圧が導入され、そのパイロット圧が第2の弁穴26及び第2の室通路34を介して第2の加圧室10に供給され、第2のピストン17に供給される。これにより、スプール弁4が駆動されて切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。第1のピストン16の移動に伴い第1の加圧室9から排出されるパイロット圧は、第1の室通路31、周溝23a、弁間通路33、第2の弁穴26、第1の給排気通路37及びパイロット圧切換弁72を介してパイロット排気通路22から排出される。
【0067】
上記第1の態様から、図15に示すように、第2の手動弁24のみが作動位置に配置されると、第2の加圧室10に通じる第2の室通路34が第2の弁穴26を介して第2の強制給気通路35に連通すると共に、弁間通路33が第2の弁穴26を介して第2の給排気通路39に連通する。このとき、アクチュエータ部71から第1の給排気通路37へパイロット圧が導出され、アクチュエータ部71から第2の給排気通路39へはパイロット圧が導出されない。この設定状態では、第1の加圧室9が第1の室通路31、周溝23a、弁間通路33、第2の弁穴26を介して第2の給排気通路39に連通することになる。このため、パイロット圧切換弁72によっては第1の加圧室9へパイロット圧が供給されることはなく、第2の加圧室10のみにパイロット圧が強制的に供給される。この結果、スプール弁4が駆動されて切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。
【0068】
上記第1の態様から、図16に示すように、第1の手動弁23のみが作動位置に配置されると、第1の加圧室9が周溝23aを介して第1の強制給気通路32に連通し、パイロット圧の導入を受けない第2の給排気通路39が第2の弁穴26を介して第2の加圧室10に連通することになる。このため、第1の加圧室9のみにパイロット圧が強制的に供給され、スプール弁4が駆動されて切換弁部2における気体の流路が切り換えられる。
【0069】
上記のように、シングルソレノイド式のアクチュエータ部71を使用して電磁弁1を動作させることができると共に、電磁弁1において各手動弁23,24の機能を確保することができる。つまり、電磁弁1において、手動弁23,24の機能を確保した上で、シングルソレノイド式のアクチュエータ部71により自己復帰型の動作を得ることができる。
【0070】
従って、この実施の形態の電磁弁1では、スプール弁4が、シングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部71,3によるパイロット圧の切り換えに依存して駆動される。併せて、各手動弁23,24が操作されると、スプール弁4が、シングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部71,3によるパイロット圧の切り換えから独立して強制的に駆動される。このため、一つの電磁弁1において、シングルソレノイド式のアクチュエータ部71とダブルソレノイド式のアクチュエータ部3との間で互換性を持たせることができる。併せて、シングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部71,3の各々に対応させて各手動弁23,24を適正に機能させることができる。
【0071】
このことから、例えば、電磁弁1が機械設備に適用された場合、その機械設備を動作させるために、各アクチュエータ部3,71を電気的に制御することにより、電磁弁1を動作させることができる。その一方で、機械設備の組立調整、或いはメンテナンスの際には、電磁弁1を各アクチュエータ部3,71の制御から独立して任意に動かす必要がある。この場合には、各手動弁23,24を任意に操作することにより、電磁弁1を任意に動かすことができ、上記従来の電磁弁201と比べて実用性の高い電磁弁1を得ることができる。
【0072】
この実施の形態では、切換弁部2に対してシングルソレノイド式のアクチュエータ部71と、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部3とを交換するだけで、一つの電磁弁1において自己復帰型の動作と自己保持型の動作とを選択的に得ることができる。このため、必要に応じて自己復帰型又は自己保持型の動作を選択的に得るために、既に機枠に取り付けられた電磁弁1全体を機枠から取り外す必要がなく、作業性の向上を図ることができる。
【0073】
【発明の効果】
請求項1に記載の第1の発明によれば、第1の手動弁が非作動位置に配置されたときには、アクチュエータ部から第1及び第2の両手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧が供給されることを許容させ、第1の手動弁が作動位置に配置されたときには、第1のピストンに第1の手動弁を介してパイロット圧を強制的に供給させる。第2の手動弁が非作動位置に配置されたときには、アクチュエータ部から両手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧を供給させることを許容させると共に、アクチュエータ部から第2の手動弁を介して第2のピストンにパイロット圧が供給されることを許容させる。第2の手動弁が作動位置に配置されたときには、第2のピストンに第2の手動弁を介してパイロット圧を強制的に供給させると共に、アクチュエータ部から両手動弁を介して第1のピストンにパイロット圧が供給されることを許容させるようにしている。
【0074】
従って、アクチュエータ部をシングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のものにした場合、両手動弁が共に非作動位置に配置されたときには、アクチュエータ部によるパイロット圧の切り換えに依存して第1、第2のピストンにパイロット圧が供給され、スプール弁が駆動される。第1の手動弁が作動位置に配置されたときには、第1のピストンにパイロット圧が強制的に供給され、第2の手動弁が作動位置に配置されたときには、第2のピストンにパイロット圧が強制的に供給され、第1のピストンに対するパイロット圧の供給が規制されて、スプール弁が駆動される。このため、一つの電磁弁において、シングルソレノイド式のアクチュエータ部とダブルソレノイド式のアクチュエータ部との間で互換性を持たせることができ、併せてシングルソレノイド式又はダブルソレノイド式のアクチュエータ部に対応して手動弁を適正に機能させることができるという効果を発揮する。
【0075】
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のパイロット式電磁弁を具体化した一実施の形態に係り、電磁弁の構造を示す断面図である。
【図2】 同実施の形態に係り、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部を含む電磁弁の主要部を示す断面図である。
【図3】 同実施の形態に係り、図2の電磁弁の状態を示す空気圧回路図である。
【図4】 同実施の形態に係り、電磁弁の作用を示す空気圧回路図である。
【図5】 同実施の形態に係り、電磁弁の作用を示す空気圧回路図である。
【図6】 同実施の形態に係り、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部を含む電磁弁の主要部を示す断面図である。
【図7】 同実施の形態に係り、図6の電磁弁の状態を示す空気圧回路図である。
【図8】 同実施の形態に係り、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部を含む電磁弁の主要部を示す断面図である。
【図9】 同実施の形態に係り、図8の電磁弁の状態を示す空気圧回路図である。
【図10】 同実施の形態に係り、ダブルソレノイド式のアクチュエータ部を含む電磁弁の主要部を示す断面図である。
【図11】 同実施の形態に係り、図10の電磁弁の状態を示す空気圧回路図である。
【図12】 同実施の形態に係り、シングルソレノイド式のアクチュエータ部を含む電磁弁の主要部を示す断面図である。
【図13】 同実施の形態に係り、図12の電磁弁の状態を示す空気圧回路図である。
【図14】 同実施の形態に係り、電磁弁の作用を示す空気圧回路図である。
【図15】 同実施の形態に係り、電磁弁の作用を示す空気圧回路図である。
【図16】 同実施の形態に係り、電磁弁の作用を示す空気圧回路図である。
【図17】 従来のパイロット式電磁弁の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電磁弁
3 ダブルソレノイド式のアクチュエータ部
4 スプール弁
16 第1のピストン
16a 受圧面
17 第2のピストン
17a 受圧面
23 第1の手動弁
24 第2の手動弁
41 第1のパイロット圧切換弁
42 第2のパイロット圧切換弁
71 シングルソレノイド式のアクチュエータ部
72 パイロット圧切換弁
Claims (1)
- 流体の流路を切り換えるためにパイロット圧により駆動されるスプール弁と、前記スプール弁の両端に設けられ、前記パイロット圧を受けるために互いに等しい大きさの受圧面を有する第1のピストン及び第2のピストンと、前記各ピストンに対する前記パイロット圧の供給を切り換えるためのアクチュエータ部と、前記スプール弁を強制的に駆動するために操作され、作動位置と非作動位置とに選択的に配置される第1の手動弁及び第2の手動弁とを備えたパイロット式電磁弁において、
前記第1の手動弁が前記非作動位置に配置されることにより、前記アクチュエータ部から前記第1及び第2の手動弁を介して前記第1のピストンに前記パイロット圧が供給されることが許容されることと、
前記第1の手動弁が前記作動位置に配置されることにより、前記第1のピストンに前記第1の手動弁を介して前記パイロット圧が強制的に供給されることと、
前記第2の手動弁が前記非作動位置に配置されることにより、前記アクチュエータ部から前記第1及び第2の手動弁を介して前記第1のピストンに前記パイロット圧が供給されることが許容されると共に、前記アクチュエータ部から前記第2の手動弁を介して前記第2のピストンに前記パイロット圧が供給されることが許容されることと、
前記第2の手動弁が前記作動位置に配置されることにより、前記第2のピストンに前記第2の手動弁を介して前記パイロット圧が強制的に供給されると共に、前記アクチュエータ部から前記第1及び第2の手動弁を介して前記第1のピストンに前記パイロット圧が供給されることが許容されることと
を備えたことを特徴とするパイロット式電磁弁。
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JPH1144377A JPH1144377A (ja) | 1999-02-16 |
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JP20288297A Expired - Lifetime JP3854377B2 (ja) | 1997-07-29 | 1997-07-29 | パイロット式電磁弁 |
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- 1997-07-29 JP JP20288297A patent/JP3854377B2/ja not_active Expired - Lifetime
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