JP3853402B2 - チップボンディング装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、液晶基板等の各種の回路基板に半導体チップをボンディングする為のチップボンディング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶基板等、各種の回路基板に半導体チップを熱圧着するチップボンディング装置は、例えば、特開平6−236904号公報等において開示されているように、半導体チップを真空吸着保持し得るボンディングツールを上下動し得るように装着したボンディングヘッドと、回路基板を支持するボンディングステージとを備え、半導体チップと回路基板との精密位置決めを行った後、ボンディングツールを下方へ移動させて両者を熱圧着、すなわち、ボンディングする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のチップボンディング装置は、ボンディングステージの平坦な支持面上に回路基板を載置し、かつ、そのまま、又は例えば、特開平4−242955号公報の段落[0028]において開示されているように、回路基板を真空吸着して支持するものであるから、回路基板の下面(ボンディングステージの平坦な支持面と接触される方の面)が平坦面でない場合、すなわち、TFTカラー液晶表示基板(図4,5参照)のように、その下面側に段部Cが形成されている場合においては、この基板をボンディングステージで支持すると、かかるステージの支持面と非接触の箇所が形成され、この支持状態のままでボンディングを行うと、ボンディングツールの下端面(チップ吸着保持面)と、回路基板のボンディングしようとする面との平行度が劣化されて高精度のボンディングが困難になる欠点を有していた。
【0004】
加えて、ボンディングステージに対する回路基板の供給・取り出しを、人手を介して行っていたと共にTFTカラー液晶表示基板(図4参照)のように、X,Y軸方向の二箇所にボンディングする場合においては、Y軸方向の箇所のボンディングを終えると、X軸方向の箇所をY軸方向に位置させるように回路基板を回転させてセットし直す作業が必要とされていたが、これも人手を介して行っていたので、その作業が煩しかった。
【0005】
本発明は、これ等の欠点に鑑み、それらを解消すべく鋭意検討の結果、門型透視台と基板支持装置とで回路基板の対向端夫々を支持すると共に門型透視台と基板支持装置間の基板保持装置により回路基板を真空吸着保持し得る構造のボンディングステージを備えることにより、TFTカラー液晶表示基板(図4,5参照)のように、その下面側に段部が形成されている回路基板であっても高精度にボンディングすることができることを見い出すと共に、回路基板を真空吸着保持して回転、上下動、水平揺動等をなし得る可動アーム型の基板荷役装置を備えることにより、回路基板の荷役の自動化を図ることができることを見い出したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る第1のチップボンディング装置は、ボンディングステージ上の回路基板の上方から半導体チップを保持したボンディングツールを降下させて前記回路基板に前記半導体チップをボンディングするチップボンディング装置において、前記ボンディングステージが、少なくとも、可動テーブル装置上に装着されたステージベースと、前記ステージベース上に装着された基板保持装置及び門型透視台とを備え、前記基板保持装置と門型透視台が前記ステージベース上で互いに分割された独立の構造を有し、かつ、それぞれ独立に前記回路基板の異なる部位を支持する構造を有し、さらに、前記基板保持装置の上面位置が高さ方向に調整可能に構成されており、前記基板保持装置で前記回路基板を保持すると共に前記門型透視台で前記回路基板の一端を支持することを特徴とするものである。
【0007】
このチップボンディング装置においては、前記ボンディングステージが、さらに基板支持装置を備え、前記門型透視台で前記回路基板の一端を支持すると共に前記基板支持装置で前記回路基板の他端を支持する構成とすることができる。この基板支持装置は、門型透視台との間隔を調整し得るように移動自在に装着された基板受けを備えている構成とすることができる。
【0008】
また、上記チップボンディング装置においては、上記基板保持装置を、ステージベース上に装着されたサクションヘッダーと、サクションヘッダーに装着された吸着パッドとで構成されたものとすることができる。吸着パッドは弾性材で構成することもできる。また、可動テーブル装置としては、平行移動及び/又は回転自在のテーブルで構成されているものとすることができる。
【0009】
また、本発明に係る第2のチップボンディング装置は、ボンディングステージ上の回路基板の上方から半導体チップを保持したボンディングツールを降下させて前記回路基板に前記半導体チップをボンディングするチップボンディング装置であって、ボンディングしようとする回路基板の前記ボンディングステージ上への供給、ボンディングを終えた回路基板の前記ボンディングステージ上からの取り出し、一部のボンディングを終えた回路基板の前記ボンディングステージ上での位置のセットし直しが可能な基板荷役装置を備えており、かつ、前記ボンディングステージが、前記第1のチップボンディング装置におけるボンディングステージからなることを特徴とするものである。
【0011】
この基板荷役装置を備えたチップボンディング装置は、たとえば、前記第1のチップボンディング装置におけるボンディングステージ上の回路基板に次々と半導体チップをボンディングする一軸方向に移動し得る一軸テーブルと、前記一軸テーブル上に装着された回転テーブルと、ピストンロッドを上方に向けて突出させ得るように前記回転テーブル上に装着された昇降シリンダーと、一端が前記ピストンロッドの上端に装着された可動アームと、前記回路基板を真空吸着保持して回転させ得るように前記可動アームの他端に回転シリンダーを介して装着された真空吸着器とで構成された基板荷役装置を備えたものに構成できる。
【0012】
【作用】
たとえば図1において鎖線で示されているように、回路基板1がボンディングステージ2上に供給され、その対向端が門型透視台3と基板支持装置4とで支持され、かつ、基板保持装置5で真空吸着保持されている。そして、この状態においてCCDカメラ6により、回路基板1の下面側に印されているアライメントマークと、ボンディングヘッド7のボンディングツール8により真空吸着保持されている半導体チップ9のアライメントマークとが検出され、その結果に基いてボンディングステージ2の可動テーブル装置10が所定に微動制御され、回路基板1と半導体チップ9とが精密に位置決め整合される。
【0013】
すると、ボンディングツール8が下方に移動し、両者を熱圧着、すなわちボンディングする。その際、回路基板1の下面側に段部が形成されていても、この段部を避けた態様に回路基板1の一端が門型透視台3で支持されていると共に基板保持装置5の変形自在な真空吸着パッド11で吸着保持されているから、基板支持装置4による回路基板1の他端側支持が微小であっても、ボンディングツール8の下端面(チップ吸着保持面)と回路基板1のボンディングしようとする面との平行度を一定に保つことができて高精度にボンディングすることができる。
【0014】
なお、ボンディングステージ2に対する回路基板1の供給及び取り出しは、基板荷役装置12により容易に行うことができると共にY軸方向のボンディングを終えると、回路基板1を真空吸着保持してX軸方向のボンディングしようとする箇所をY軸方向に位置せしめるように回転させてセットし直すことも容易に行うことができる。
【0015】
【実施例】
チップボンディング装置の斜視姿が示されている図1において、このボンディング装置は、ボンディングステージ2と、ボンディングヘッド7と、基板荷役装置12と、カメラ移動制御装置13とを備え、ボンディングステージ2は、可動テーブル装置10上に装着されたステージベース14と、このステージベース14上に装着された、門型透視台3、基板支持装置4及び基板保持装置5とで構成されている。
【0016】
なお、可動テーブル装置10は、XYθテーブルで構成されているが、このXYθテーブルは、サーボモータ10aの回転制御によりXテーブル10bをX軸方向へ移動させることができると共にサーボモータ10cの回転制御によりYテーブル10dをY軸方向へ移動させることができ、かつ、θテーブル10eを回転させることができる。また、門型透視台3は、縦断面図である図2において示されているように、透視ガラス15を装着していると共に、このガラス15の下方に透視開口16を穿設している。
【0017】
また、基板保持装置5は、ステージベース14上に装着されたサクションヘッダー17と、このヘッダー17に装着された複数の真空吸着パッド11とで構成され、図示されていない真空ポンプに一端が連結された耐圧ホースの他端がサクションヘッダー17に連結されている。その為、前記真空ポンプを運転して真空吸着パッド11群から吸気することができる。なお、真空吸着パッド11は、弾性材であるゴムで構成されている。
【0018】
また、基板支持装置4は、サクションヘッダー17のY軸方向の一側部に装着されているネジ軸18に螺着されると共にサクションヘッダー17の上端に装着されているガイドレール19に係合され、かつ、サーボモータ20によるネジ軸18の回転制御によりX軸方向に移動し得るように装着された基板受け21を備えている。
【0019】
従って、基板受け21を所定位置に移動させることにより、固定側の門型透視台3との間隔を調整することができるが、これは、回路基板1のX軸方向の長さに対応して行われる。そして、基板受け21により回路基板1のX軸方向の一端を支持することができると共に門型透視台3により、ボンディングしようとする方の他端を支持することができる。
【0020】
なお、基板受け21の上端面は、門型透視台3の上端面と同一レベル好ましくはやや低めのレベルに設けられている。すなわち、基板受け21の上端面が門型透視台3の上端面より高いと回路基板1を平行にセットできないと共にボンディング時において回路基板1がボンディングツール8からの力で強制的に変形されて基板割れが発生する恐れがあるが、同一レベル好ましくはやや低めのレベルに設けることにより、ボンディング時に回路基板1が基板受け21から多少浮き上って平行度を一定に保つことができるので、基板割れの発生を防止することができる。また、門型透視台3との間隔調整は、基板荷役装置12により回路基板1が、ボンティングステージ2上に供給される前に行われる。
【0021】
次に、基板荷役装置12は、Y軸方向に移動し得る一軸テーブル22と、このテーブル22上に装着された回転テーブル23と、ピストンロッド24を上方に向けて突出させ得るように回転テーブル23上に装着された昇降シリンダー25と、一端がピストンロッド24の上端に装着された可動アーム26と、回路基板1を真空吸着保持して回転させ得るように可動アーム26の他端に回転シリンダー27を介して装着された真空吸着器28とを備えている。
【0022】
なお、一軸テーブル22のY軸方向への移動制御は、サーボモータ29の正逆回転により行われる。また、図示されていない真空ポンプに一端が連結されている耐圧ホースの他端が真空吸着器28に連結されており、その為、前記真空ポンプを運転することにより、真空吸着器28で回路基板1を吸着保持することができる。
【0023】
次に、ボンディングヘッド7は、常にボンディング位置Bに位置されるように装着、すなわち、他所に移動できないようにボンディング位置Bに装着されている。詳述すると、図3において、Zテーブル30及びブラケット用縦ガイド31は、図示されていない装置フレームに固着されていると共に、反力受け支柱32も、その下端が図示されていない装置フレームに固着されている。
【0024】
なお、Zテーブル30は、サーボモータ33によりネジ軸を回転させてピッチ送りするネジ軸送り機構(図示されていない)を備えているが、この機構にヘッドブラケット34が連携されている。従って、かかる機構を介してヘッドブラケット34が移動されると、これに装着されているボンディングツール8及び加圧伝達軸35が一緒に移動される。
【0025】
また、ボンディングツール8は、半導体チップ9を真空吸着保持し得ると共にヒータを内蔵し、図示されていないパルスヒータ制御装置により迅速に所定温度に加熱し得るように構成され、一対の弾性体(コイルバネ)36を介してヘッドブラケット34に懸装、すなわち、ヘッドブラケット34に装着のピン37と、ボンディングツール8に装着のピン38とに、弾性体(コイルバネ)36が係止されている。
【0026】
なお、左側のA側にも同様に弾性体(コイルバネ)36が係止されている。その為、ボンディングツール8は、ヘッドブラケット34に装着されている一対のツール用縦ガイド39(図示されている側と対向する側にも装着されている)で案内されてZ軸方向(上下方向)に摺動することができる。
【0027】
また、ボンディングツール8による半導体チップ9の真空吸着保持は、ボンディングツール8の下端面に開口されている吸気孔(図示されていない)から吸気して行われる。その為、図示されていない真空ポンプに一端が連結された耐圧ホースの他端がボンディングツール8の吸気通路(図示されていない)に連結されていると共に、この吸気通路と前記吸気孔とが連通されている。
【0028】
また、加圧伝達軸35は、ヘッドブラケット34に装着されている軸受40により支持されているが、その下端がボンディングツール8の上端に当接されて抜け止めされ、かつ、上端がヘッドブラケット34の上端面上に一定長突出されるようにヘッドブラケット34を貫通してZ軸方向(上下方向)に摺動し得るように装着されている。従って、加圧伝達軸35を下方へ押し付けることにより、ボンディングツール8を、左右のツール用縦ガイド39で案内して下方へ移動させることができると共に、かかる押し付けを解除することにより、上方の元の原点位置にリターンさせることができる。
【0029】
図3においては、この状態が示されている。また、シリンダーブラケット41は、ブラケット用縦ガイド31に摺動し得るように係合されていると共に弾性体(コイルバネ)42を介して反力受け支柱32に懸装、すなわち、シリンダーブラケット41に装着のピン43と、反力受け支柱32に装着のピン44とに、弾性体(コイルバネ)42が係止されている。
【0030】
加えて、シリンダーブラケット41の上面側にはロードセル45が装着され、更に、その下面側に、ピストンロッド46を下方に突出し得るようにエアーシリンダー47が装着されているが、ロードセル45の上端は、反力受け支柱32に対して所定間隔に離別されていると共に、ピストンロッド46と加圧伝達軸35とは、通常においては互いに一定間隔に離別されている。
【0031】
次に、カメラ移動制御装置13は、XYテーブル50上に装着されたブラケット51と、このブラケット51に装着されたZテーブル52と、Zテーブル52に装着されたCCDカメラ6とを備え、サーボモータ53の回転制御によりXテーブル50aをX軸方向へ移動させることができると共にサーボモータ54の回転制御によりYテーブル50bをY軸方向へ移動させることができ、更に、サーボモータ55の回転制御によりZテーブル52をレール58で案内してZ軸方向へ移動させることができる。
【0032】
その為、CCDカメラ6の撮像ヘッド56を所定位置に移動させることができるが、図1においては、門型透視台3で区画された領域57内に移動された状態が示されている。なお、この状態において、回路基板1の下面側に印されているアライメントマークが検出(撮像)される。その時、撮像ヘッド56から透視開口16に投光する。
【0033】
そして、この検出を終えると、ボンディングステージ2が基板荷役装置12の方へ移動され、門型透視台3が、撮像ヘッド56の所から他の退避位置へ移動される。その為、引き続いて、CCDカメラ6により上方のボンディングツール8に真空吸着保持されている半導体チップ9のアライメントマークが検出(撮像)される。なお、かかる検出に際し、必要に応じてCCDカメラ6が上方へ移動される。
【0034】
以下、CCDカメラ6がボンディングステージ2上から他の退避位置へ移動されると共にボンディングステージ2が元の位置にリターンされ、かつ、前記両アライメントマークの検出結果に基いて、その位置ずれをなくするように可動テーブル装置10を介してボンディングステージ2の微動制御が行われ、回路基板1と半導体チップ9とが精密に位置決めされる。この位置決めは、可動テーブル装置10がXYθテーブルで構成されているので、多方向に正確に行うことができる。
【0035】
次いで、ボンディングツール8が下方へ移動されて両者を熱圧着、すなわち、ボンディングする。なお、基板荷役装置12の可動アーム26は、ボンディング中においては、ボンディングステージ2上から他の退避位置へ揺動されている。そして、ボンディングを終えると、回路基板1の続いてボンディングしようとする箇所をボンディング位置Bに位置決めさせるように、ボンディングステージ2の移動制御が行われる。これは、上述の微動制御と同様に可動テーブル装置10を介して行われる。
【0036】
すなわち、例えば、回路基板1が、図4,5において示されているTFTカラー液晶表示基板である場合においては、この基板は、図2において示されているように、その一端が基板受け21で支持されると共にボンディングする方の他端が門型透視台3で支持され、そして、この状態において、Y軸方向の二箇所B1 ,B2 に半導体チップ9がボンディングされるが、B1 の所のボンディングに引き続いてB2 の所にボンディングする為に、B1 の所のボンディングを終えた後、B2 の所を、基準のボンディング位置Bに位置決めさせるようにボンディングステージ2の移動制御が行われる。
【0037】
そして、この位置決めを終えると、退避されていたCCDカメラ6が前回と同一位置に移動されて来て、同様に、回路基板1及び半導体チップ9のアライメントマークを検出し、これに基いてボンディングステージ2の微動制御が行われ、その後、ボンディングツール8により両者を熱圧着、すなわち、ボンディングする。
【0038】
なお、TFTカラー液晶表示基板は、上下ガラス基板60,61及び上下偏光板62,63の積層構造に設けられ、その下面側に段部Cが形成されているが、この基板の対向両端を基板受け21及び門型透視台3で支持、すなわち、段部Cを避けた状態に支持しているので、かかるボンディングに際し、ボンディングツール8の下端面(チップ吸着保持面)と、TFTカラー液晶表示基板のボンディングしようとする面64との平行度が劣化されのを防止することができて、高精度(ミクロン単位の精度)にボンディングすることができる。
【0039】
また、回路基板1を、真空吸着パッド11群で吸着保持しているので、回路基板1の移動を阻止することができると共に弾性材であるゴム材で構成された真空吸着パッド11群で保持しているので、高加圧条件下のボンディング時において、回路基板1の水平度が変化しても、それに対応し得て良好にボンディングすることができる。
【0040】
続いて、Y軸方向の二箇所B1 ,B2 のボンディングを終えると、基板荷役装置12の可動アーム26が回路基板1上に移動されて来て、かかる回路基板1を真空吸着保持し、続いてボンディングしようとするX軸方向の箇所をY軸方向に位置させるように回路基板1を所定角度に回転させてセットし直す。これにより、X軸方向の三箇所B3 ,B4 ,B5 がY軸方向に位置され、かつ、B3 箇所がホンディング位置Bに位置決めされる。
【0041】
すなわち、基板荷役装置12の真空吸着器28により回路基板1が吸着保持されると、基板保持装置5による回路基板1の真空吸着保持が解除され、また、その後、昇降シリンダー25のピストンロッド24が所定ストローク突出されて可動アーム26が上方の所定位置に移動されると、基板支持装置4の基板受け21が移動制御されて、回路基板1のY軸方向の一端を支持するに適した所に位置決めされる。
【0042】
一方、真空吸着器28により吸着保持されてボンディングステージ2の上方に移動されている回路基板1は、回転シリンダー27を介して所定角度に回転されると共に一軸テーブル22の移動制御により、最初にボンディングしようとする箇所B3 がホンディング位置Bに位置決めされる。すると、昇降シリンダー25のピストンロッド24が所定ストローク没されて回路基板1がボンディングステージ2上に載置され、これにより、回路基板1が図2において示されているように基板受け21及び門型透視台3で支持される。
【0043】
また、この回路基板1が、基板保持装置5の真空吸着パッド11群で吸着保持されると共に基板荷役装置12の真空吸着器28による吸着保持が解除され、かつ、可動アーム26が再び上方へ移動された後、回転テーブル23の制御によりボンディングステージ2上から他の退避位置に揺動される。
【0044】
次いで、CCDカメラ6の撮像ヘッド56が門型透視台3で区画された領域57内に移動されて来て、回路基板1の下面側に印されているアライメントマークが検出(撮像)される。以下、上述のB1 ,B2 の所にボンディングする場合と同様の工程を経てB3 →B4 →B5 の順にボンディングすることができる。このように、基板荷役装置12を装着しているので、回路基板1のセット作業を容易に行うことができる。
【0045】
なお、全ての箇所のボンディングを終えた回路基板1は、基板荷役装置12を介してボンディングステージ2上から取り除かれると共に、次の回路基板1が同装置12を介してボンディングステージ2上にセットされる。
【0046】
また、ボンディングを終えた回路基板1を基板荷役装置12から受け取り他所へ移送する装置、及び、ボンディングしようとする回路基板1を、基板荷役装置12に供給する位置に移送して来る装置、更には、ボンディングヘッド7のボンディングツール8に供給する半導体チップ9を移送して来る装置等については図示されていないが、それらは適宜に所定型式のものを選択することができる。
【0047】
以上、本発明に係る一実施例について述べたが、本発明においては、サクションヘッダー17は、エアーシリンダー等を介して水平に上下動し得るようにステージベース14上に装着してもよい。また、可動テーブル装置10は、XYテーブルだけで構成してもよい。
【0048】
また、門型透視台3及び基板支持装置4は、Y軸方向において対向されるようにステージベース14上に装着してもよく、その場合においては一軸テーブル22は、X軸方向に移動し得るように装着すればよい。
【0049】
また、回路基板1のホンディングしようとする箇所を次々と基準のボンディング位置Bに位置決めする為のピッチ送りは、基板荷役装置12により行ってもよいと共に、基板受け21は、門型透視台3とのレベル調整をし得るように上下動自在に装着してもよい。
【0050】
【発明の効果】
上述の如く請求項1に記載の発明によると、ボンディングしようとする上面側と反対側の下面側に段部が形成されている回路基板であっても、ボンディングツールの下端面(チップ吸着保持面)と回路基板のボンディングしようとする面との平行度を一定に保つことができて高精度にボンディングすることができる。
【0051】
【発明の効果】
とくに請求項2に記載の発明のように基板支持装置を設けて回路基板の他端も支持するようにすれば、一層高精度にボンディングすることができる。
【0052】
加えて、請求項3に記載の発明によると、回路基板の大きさに対応して基板支持間隔を調整することができる。
【0053】
加えて、請求項4に記載の発明によると、位置決めされた回路基板の移動を阻止することができる。
【0054】
加えて、請求項5に記載の発明によると、高加圧条件下のボンディング時において、回路基板の水平度が変化しても、それに対応し得て良好にボンディングすることができる。
【0055】
加えて、請求項6に記載の発明によると、基準のボンディング位置に対する回路基板の位置決めをより正確に行うことができる。また、請求項7に記載の発明によると、回路基板のセット作業を容易に行うことができる。これに上記チップボンディング装置におけるボンディングステージを設ければ、回路基板のセット作業の容易化と高精度のボンディングをともに達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チップボンディング装置の全体的姿を示す斜視図である。
【図2】回路基板の支持態様を示す図である。
【図3】ボンディングヘッドの斜視図である。
【図4】従来における回路基板の支持態様を示す図である。
【図5】図4のXa矢視図である。
【符号の説明】
1 回路基板
2 ボンディングステージ
3 門型透視台
4 基板支持装置
5 基板保持装置
6 CCDカメラ
7 ボンディングヘッド
8 ボンディングツール
9 半導体チップ
10 可動テーブル装置
11 真空吸着パッド
12 基板荷役装置
13 カメラ移動制御装置
14 ステージベース
15 透視ガラス
16 透視開口
17 サクションヘッダー
21 基板受け
22 一軸テーブル
23 回転テーブル
25 昇降テーブル
26 可動アーム
27 回転シリンダー
28 真空吸着器
56 撮像ヘッド
Claims (7)
- ボンディングステージ上の回路基板の上方から半導体チップを保持したボンディングツールを降下させて前記回路基板に前記半導体チップをボンディングするチップボンディング装置において、前記ボンディングステージが、少なくとも、可動テーブル装置上に装着されたステージベースと、前記ステージベース上に装着された基板保持装置及び門型透視台とを備え、前記基板保持装置と門型透視台が前記ステージベース上で互いに分割された独立の構造を有し、かつ、それぞれ独立に前記回路基板の異なる部位を支持する構造を有し、さらに、前記基板保持装置の上面位置が高さ方向に調整可能に構成されており、前記基板保持装置で前記回路基板を保持すると共に前記門型透視台で前記回路基板の一端を支持することを特徴とするチップボンディング装置。
- 前記ボンディングステージが、さらに基板支持装置を備え、前記門型透視台で前記回路基板の一端を支持すると共に前記基板支持装置で前記回路基板の他端を支持することを特徴とする請求項1に記載のチップボンディング装置。
- 前記基板支持装置が、前記門型透視台との間隔を調整し得るように移動自在に装着された基板受けを備えていることを特徴とする請求項2に記載のチップボンディング装置。
- 前記基板保持装置が、前記ステージベース上に装着されたサクションヘッダーと、前記サクションヘッダーに装着された吸着パッドとで構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のチップボンディング装置。
- 前記吸着パッドが弾性材で構成されていることを特徴とする請求項4に記載のチップボンディング装置。
- 前記可動テーブル装置が、平行移動及び/又は回転自在のテーブルで構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のチップボンディング装置。
- ボンディングステージ上の回路基板の上方から半導体チップを保持したボンディングツールを降下させて前記回路基板に前記半導体チップをボンディングするチップボンディング装置であって、ボンディングしようとする回路基板の前記ボンディングステージ上への供給、ボンディングを終えた回路基板の前記ボンディングステージ上からの取り出し、一部のボンディングを終えた回路基板の前記ボンディングステージ上での位置のセットし直しが可能な基板荷役装置を備えており、かつ、前記ボンディングステージが、請求項1〜6のいずれかに記載のチップボンディング装置におけるボンディングステージからなることを特徴とするチップボンディング装置。
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