JP3853041B2 - 防災設備の異常検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、防災設備の異常検出装置に関し、特に、例えば、地区音響装置の断線や短絡等の異常を検出する場合に用いて好適な防災設備の異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
防災設備の異常検出装置として、例えば火災警報地区に配線されたベル線の断線や短絡等を検出するものとして、従来例えば実公昭63−39820号公報に示されるようなものがある。この装置は、火災警報地区ベル線に接続されたベルと端末抵抗にそれぞれ逆極性のダイオードが接続されていて、常時は端末抵抗に監視電流を流して断線を監視すると共に、ベル線が短絡したときに生じる端子電圧の上昇を検出してかかるベル線の短絡を検出するものである。
また、近時、複数のMPUを用いて火災に関連する情報の処理を分散させる防災設備の異常検出装置においては、メイン(主局)側の処理を行うMPUが、サブ(従局)側の処理を行うMPUに対し、状態変化を常にポーリング処理により監視している場合、顧客ベータベースの内容を全て、メインのMPUが読み込み、サブのMPUに対して、必要な情報を選択・整列して送出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の実公昭63−39820号公報に示されている従来装置の場合、防災設備の監視時常に火災警報地区ベル線に接続されたベル側に監視電流を流しておく必要があるので、それだけ消費電力が大きくなり、特に停電時に所定時間バッテリで監視を行う防災設備では、この監視電流をその間供給できる容量のバッテリを設備しなけれぱならない等の問題点があった。
また、上述の複数のMPUを用いて火災に関連する情報の処理を分散させる防災設備の異常検出装置の場合には、複数のMPU間で同期パルスを発生して同期をとる必要があり、しかもその同期パルスを伝送する専用のラインを設ける必要があり、処理が繁雑で、構成も複雑になる等の問題点があった。
【0004】
この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、監視電流をできるだけ抑えて消費電力の低減化を図ることができると共に、複数のマイクロプロセッサを用いて防災等に関連する情報の処理を分散させる場合の処理時間を短縮できる構成が簡単な防災設備の異常検出装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る防災設備の異常検出装置は、防災設備の被監視対象物の異常を検出するための異常検出パルスを発生する異常検出パルス発生手段と、該異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスを直接および上記被監視対象物を通して受信し、双方の異常検出パルスを比較して該被監視対象物の異常を判別する異常判別手段とを備えた防災設備の異常検出装置において、上記異常検出パルス発生手段が、監視用の第1の制御手段と、該第1の制御手段の出力に基づいて異常検出パルスを生成する異常検出パルス送信部と、上記第1の制御手段の制御の下に上記異常検出パルス送信部の出力を切り換える第1の切換手段とを有し、上記異常判別手段が、起動用の第2の制御手段と、上記異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスの着信を判定する異常検出パルス着信判定手段と、上記異常検出パルスが入力される上記被監視対象物の出力側を上記第2の制御手段の制御の下に切り換える第2の切換手段と、上記異常検出パルス着信判定手段の一部出力に基づいて作動し、上記異常検出パルス発生手段から直接入力される異常検出パルスと上記第2の切換手段により選択的に取り出される上記被監視対象物の出力とを比較して該被監視対象物の異常を判別する異常監視手段とを有するものである。
【0008】
また、この発明に係る防災設備の異常検出装置は、異常検出パルス着信判定手段が、異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスに基づいて所定電圧を発生する定電圧回路と、この定電圧回路の出力に基づいて作動する光結合手段を含む異常検出パルス着信判定部とからなり、異常監視手段が、定電圧回路の所定電圧を電源電圧として作動し、異常検出パルス発生手段から直接入力される異常検出パルスと第2の切換手段により選択的に取り出される被監視対象物の出力とを比較する複数の比較器と、これらの複数の比較器の出力に基づいて作動する光結合手段とを有するものである。
【0009】
また、この発明に係る防災設備の異常検出装置は、第2の制御手段が、異常監視手段の動作が安定した後の所定時間中に該異常監視手段による判別結果を認識するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明による防災設備の異常検出装置の一実施の形態を、例えば地区音響装置に適用した場合を例にとり、図を参照しながら説明する。
図1は、この発明の一実施の形態の全体を示す構成図である。
図において、1は地区音響線の断線監視を制御したり、回路電圧等を監視する第1の制御手段としての監視用のマイクロプロセッサ(以下、MPUという)、2はMPU1によって付勢される第1の切換手段としてのリレー回路、3はMPU1の制御の下に外部に接続された地区音響装置等の異常を検出するための異常検出パルスを発生する異常検出パルス送信部、4はリレー回路2によって切り換えられる接点であって、この接点4は通常の監視状態では図に示すように異常検出パルス送信部3の出力側に接続された固定端子a側に接続され、ベル鳴動時には接地されている固定端子b側に切り換えられるようになされている。なお、構成要素1〜4は異常検出パルス発生手段を構成する。
【0011】
5は後述の地区音響装置等を起動し、地区音響線の状態情報を収集し、その結果の表示を制御するための第2の制御手段としてのMPU、6はMPU5の制御の下にこの状態情報等を表示する表示機、71〜7nは地区音響線毎に設けられ、MPU5によって付勢される第2の切換手段としての複数のリレー回路、81〜8nは地区音響線毎に設けられ、一方が外部端子Tを介して接点4の可動端子に接続され、他方がリレー回路71〜7nの後述する接点111〜11nに接続された被監視対象物としての複数の地区音響装置である。
9は外部端子Tに接続され、異常検出パルス送信部3に送信された異常検出パルスによって定電圧出力を発生する定電圧回路、10は定電圧回路9の出力に基づいて異常検出パルスが着信したかどうかを判別してその結果をMPU5ヘ出力する異常検出パルス着信判定部である。この定電圧回路9と異常検出パルス着信判定部10は異常検出パルス着信判定手段を構成する。
【0012】
111〜11nは地区音響装置81〜8nに接続された地区音響線毎にそれぞれ設けられ、リレー回路71〜7nによってそれぞれ切り換えられる接点であって、これらの接点111〜11nは通常の監視状態では図に示すように後述の異常監視部の入力側に接続された固定端子a側にそれぞれ接続され、ベル鳴動時には所定電圧の電源端子に接続された固定端子b側に切り換えられるようになされている。
121〜12nは地区音響装置81〜8nに接続された地区音響線毎にそれぞれ設けられ、地区音響装置81〜8nの地区音響線の断線や短絡等の異常を検出する異常監視手段としての異常監視部である。これらの異常監視部121〜12nは、定電圧回路9の出力を電源として作動し、異常検出パルス送信部3からの異常検出パルスを外部端子Tを介して直接取り込むと共に、更にそれぞれ地区音響装置81〜8nを介して同時にまたは所定量遅延された異常検出パルスを取り込み、双方の異常検出パルスを比較することによって地区音響線の断線や短絡等の異常を検出するようになされている。なお、構成要素5、7、9〜12は異常判定手段を構成する。
【0013】
図2および図3は図1の具体的回路の一例を示す回路図である。
図2において、MPU1によって付勢されるリレー回路2は、リレー21、ダイオード22およびドライバ23からなり、リレー21の一方側は所定電圧例えば24Vの電源端子+Bに接続され、他方側はドライバ23を介してMPUの制御端子Rに接続され、リレー21の両端にダイオード22が電源端子+Bに対して逆極性となるように並列接続される。
【0014】
異常検出パルス送信部3は、複数のトランジスタ31、32および33を含み、トランジスタ31のベースは抵抗器34を介してMPU1の制御端子Bに接続されると共に抵抗器35を介して接地され、そのエミッタは接地され、そのコレクタは抵抗器36を介してトランジスタ32のベースに接続されると共にトランジスタ33のコレクタに接続される。
トランジスタ32のコレクタは接点4の固定端子aに接続され、そのエミッタは抵抗器37を介してトランジスタ33のコレクタに接続されると共に直接トランジスタ33のベースに接続され、さらに、抵抗器38を介してこの場合直流電圧例えば24Vを電源電圧とし、グランドをグランドGND1とする電源のプラス側である電源端子+Bに接続される。そして、トランジスタ33のエミッタは直接電源端子+Bに接続される。
なお、トランジスタ33および抵抗器38を用いずに、直接トランジスタ32のエミッタを電源端子十Bに接続してもよい。また、異常検出パルス送信部に接続される電源は全波整流された電源を用いてもよい。
【0015】
図3において、MPU5によって付勢されるリレー回路71〜7nは、それぞれ同様の構成をなし、代表的にリレー回路71に付いて説明すると、リレー回路71はリレー71、ダイオード72およびドライバ73からなり、リレー71の一方側は電源端子+Bに接続される電源とは絶縁された直流または全波整流された電圧例えば24Vを電源電圧とし、グランドをグランドGND2とする電源のプラス側である電源端子+B′に接続され、他方側はドライバ73を介してMPUの制御端子K1に接続され、リレー71の両端にダイオード72が電源端子+B′に対して逆極性となるように並列接続される。
そして、最終段のリレー回路7nは、MPU5の制御端子Knからの起動信号によって付勢される。
【0016】
地区音響装置81〜8nは、それぞれ同様の構成をなし、代表的に地区音響装置81に付いて説明すると、地区音響装置81は地区音響線である地区ベル線に接続された地区ベル81と、これと並列に設けられた終端抵抗82と、これらに相互に逆極性に接続されたダイオード83および84からなり、地区ベル81の一端はダイオード83を介して外部端子Tに接続され、その他端は接点111の可動端子に接続される。また、端末抵抗82の一端は逆向きのダイオード84を介してダイオード83のカソード側に接続され、その他端は地区ベル81の他端側に接続される。
そして、最終段の地区音響装置8nの地区ベル81の他端が、接点11nの可動端子に接続される。
【0017】
異常検出パルス着信判定部10は、フォトカプラ13と、抵抗器14および15からなり、光結合手段としてのフォトカプラ13の発光ダイオード13aのアノード側は抵抗器14を介して定電圧回路9の出力側に接続され、そのカソード側は接地される。また、フォトカプラ13のフォトトランジスタ13bのコレクタ側は抵抗器15を介して所定電圧例えば5Vの電源端子+Vccに接続されると共に直接MPU5の入力端子Dに接続され、そのエミッタはグランドGND1とは絶縁されたグランドGND2に接地される。
【0018】
異常監視部121〜12nは、それぞれ同様の構成をなし、代表的に異常監視部121に付いて説明すると、異常監視部121はオープンコレクタ型の短絡検出用比較器121および断線検出用比較器122とその出力側に設けられた光結合手段としてのフォトカプラ123とを有する。比較器121の非反転入力端子はコンデンサ124を介して接地されると共に抵抗器125を介して外部端子TとグランドGND1間に設けられた抵抗器126、130および131による直列回路の抵抗器126と130との接続点に接続され、その反転入力端子はコンデンサ127を介して接地されると共に抵抗器132を介して接点111の固定端子aに接続される。
【0019】
また、比較器122の非反転入力端子はコンデンサ127を介して接地されると共に抵抗器132を介して接点111の固定端子aに接続され、抵抗器132の固定端子a側とグランドGND1間に抵抗器133が接続される。また、比較器122の反転入力端子はコンデンサ128を介して接地されると共に、抵抗器129を介して外部端子TとグランドGND1間に設けられた抵抗器126、130および131による直列回路の抵抗器130および131の接続点に接続される。
【0020】
比較器121および122には定電圧回路9の出力電圧が電源電圧として供給されるようになされている。
フォトカプラ123の発光ダイオード123aのアノード側は抵抗器134を介して定電圧回路9の出力側に接続され、そのカソード側は比較器121および122の出力側に接続される。また、フォトカプラ123のフォトトランジスタ123bのコレクタ側は抵抗器135を介して電源端子+Vccに接続されると共に直接MPU5の入力端子KX1に接続され、そのエミッタはグランドGND1とは絶縁されたグランドGND2に接地される。
そして、最終段の異常監視部12nの抵抗器132および133(図示せず)の接続点に接点11nの固定端子aが接続され、異常監視部12nの出力側がMPU5の入力端子KXnに接続される。
【0021】
次に、動作について、図4を参照して説明する。
先ず、通常の監視動作に付いて説明する。
MPU1は、制御端子Bの出力をローレベル状態にすると共に、制御端子Rよりローレベルの出力を発生してリレー回路2を消勢(非動作)状態とし、接点4を固定端子a側に接続する。MPU1の制御端子Bの出力がローレベル状態のときは、トランジスタ31がオフ状態にあるので、トランジスタ32および33もオフ状態にある。
いま、MPU1の制御端子Bより図4(a)に示すようなハイレベルの持続時間(パルス幅)が所定時間例えば1秒(1S)とするパルスを所定周期例えば10秒(10S)毎に発生すると、このパルスのハイレベルの持続時間中異常検出パルス送信部3のトランジスタ31がオンし、これに伴ってトランジスタ32および33がオンする。
【0022】
すると、電源端子+B側から抵抗器38およびトランジスタ32を通して接点4の固定端子a側にほぼ電源端子+Bに印加されている電源電圧が出力され、実質的に図4(a)のパルスに対応した異常検出パルスが外部端子Tに印加され、この異常検出パルスは地区音響装置81〜8n、定電圧回路9および異常監視部121〜12nに供給される。
電源端子+Bに印加されている電源電圧の異常検出パルスが定電圧回路9に供給されると、定電圧回路9はその出力側に所定電圧を発生し、この所定電圧が異常検出パルス着信判定部10内のフォトカプラ13の発光ダイオード13aに印加され、この発光ダイオード13aが発光してフォトトランジスタ13bに受光され、その出力、つまり、電圧Vccの出力が異常検出パルスの着信信号としてMPU5の入力端子Dに供給される。
【0023】
また、定電圧回路9からの所定電圧が電源電圧として異常監視部121〜12nに供給されて異常監視部121〜12nが動作状態に入るが、いずれもその動作は同じであるので、ここでは代表的に異常監視部121とこれに接続された地区音響装置81の場合について説明する。
外部端子Tからの異常検出パルスは、異常監視部121の抵抗器126、130および131からなる直列回路を抵抗器130および131による直列回路で分割されて抵抗器125を介して短絡検出用比較器121の非反転入力端子に入力されると共に、抵抗器126、130および131からなる直列回路を抵抗器131で分割されて抵抗器129を介して断線検出用比較器122の反転入力端子に入力される。
また、外部端子Tからの異常検出パルスは、一旦地区音響装置81のダイオード84および端末抵抗82を通り、更に通常の監視状態では固定端子a側に接続されている接点111を通り、そして異常監視部121の抵抗器132の経路を通って比較器121の反転入力端子および比較器122の非反転入力端子に入力される。
【0024】
この場合、外部端子Tから実質的に直接異常監視部121の比較器121の非反転入力端子および比較器122の反転入力端子に入力される異常検出パルスのタイミングは、図4(a)に示すパルスと同じであるが、外部端子Tから地区音響装置81を介して異常監視部121の比較器121の反転入力端子および比較器122の非反転入力端子に入力される異常検出パルスのタイミングは、図4(a)に示すパルスと同じか、あるいは図4(b)に示すように地区音響装置81の地区音響線の長さに応じて図4(a)のパルスより所定時間T1だけ遅延されて入力される。
【0025】
そして、地区音響線(ベル線)が断線しているときは、接点111側から異常監視部121に対する入力(異常検出パルス)がないので、断線検出用比較器122の出力はローレベル、短絡検出用の比較器121の出力は高インピーダンスとなる。従って、定電圧回路9の所定電圧を電源電圧としてフォトカプラ123の発光ダイオード123aを通して比較器122側に電流が流れて発光ダイオード123aが発光し、これがフォトトランジスタ123bで受光され、その出力(ローレベル、つまり、0V)がMPU5の入力端子KX1に入力される。
【0026】
また、地区音響線(ベル線)が短絡しているときは、地区音響装置81側を通る異常検出パルスが実質的にこの地区音響装置81等を介することなくそのまま接点111から異常監視部121に入力されるので、断線検出用の比較器122の出力は高インピーダンス、短絡検出用の比較器121の出力はローレベルとなる。従って、定電圧回路9の所定電圧を電源電圧としてフォトカプラ123の発光ダイオード123を通して比較器121側に電流が流れて発光ダイオード123aが発光し、これがフォトトランジスタ123bで受光され、その出力(ローレベル、つまり、0V)がMPU5の入力端子KX1に入力される。
かくして、MPU5は異常監視部121からローレベルの信号を受けることによって、地区音響装置81の地区音響線が断線または短絡している等その異常を認識することができる。
【0027】
また、地区音響線に断線や短絡等の異常がない場合は、比較器121および122は共に高インピーダンスとなり、従って、発光ダイオード123aが発光しないので、フォトトランジスタ123bの出力はハイレベル(+Vcc)となり、MPU5の入力端子KX1に入力される。
また、この場合、MPU5は異常監視部121からハイレベルの信号を受けることによって、地区音響装置81の地区音響線が正常であることを認識することができる。
【0028】
このようにして、MPU5では、入力端子KX1に入力される信号のレベルに応じて地区音響線が断線や短絡等の異常かあるいは正常かを認識することができるが,定電圧回路9は異常検出パルスによって定電圧出力を得るため、定電圧回路9からの所定電圧が電源電圧として異常監視部121に供給されてから特にその比較器121および122の動作が安定するまで時間を要するので、この比較器121および122の動作が安定した後実際に地区音響線が断線や短絡等の異常かあるいは正常かを認識する必要がある。
そこで、MPU5では上述の異常検出パルス着信判定部10から着信信号を受けると内部のカンウタ(図示せず)をカウント開始し、それより図4(c)に示すように所定時間T2例えば700ミリ秒後の所定時間T3例えば10ミリ秒(10ms)間に上述の地区音響線が断線や短絡等の異常かあるいは正常かを認識するようにする。
【0029】
そして、MPU5はその結果を必要に応じて表示機6に表示するようにする。なお、比較器121および122に接続するフォトカプラをそれぞれ別に設け、それぞれのフォトカプラの出力をMPU5に入力して、地区音響線の断線と短絡とを個別に検出してもよい。
【0030】
次に、ベル鳴動時の動作について説明する。
MPU1は、図示しない火災感知器等の端末機器からの火災信号を入力すると制御端子Rよりハイレベルの出力を発生してリレー回路2を付勢(動作)状態とし、接点4を固定端子b側に切り換える。
また、MPU5は、図示しないMPU1からの制御線による制御によって制御端子K1〜Knの内ベルを鳴動させる地区音響線用の制御端子例えばK1よりハイレベルの出力を発生してリレー回路71のリレー71を付勢(動作)状態とし、接点111を固定端子b側に切り換える。
すると、電源端子+Bから接点111の固定端子b→地区ベル81→ダイオード83→外部端子T→接点4の固定端子b→グランドGND1の経路で電流が流れて地区ベル81が鳴動する。
【0031】
なお、接点4及ぴ接点111の制御は、火災感知器等の端末機器からの火災信号を入力する第3の制御手段としてのMPU40(図示せず)を別途設け、このMPU40からMPU1およびMPU5に対して接点4および接点111の切換制御の指示を出すようにしてもよい。
また、このMPU40に表示機6を接続し、MPU5から地区音響線の状態情報をMPU40へ送信して、MPU40で火災感知器等の端末機器の火災表示の制御と共に、地区音響線の状態惰報の表示の制御を行うようにしてもよい。
【0032】
このように、本実施の形態では、地区音響装置の断線や短絡等の異常を異常検出パルスを間欠的に発生して見るので、監視状態において監視電流を常時流して見る場合に比し、監視電流が少なくてすみ、それだけ消費電力を軽減できる。
また、監視に際してMPUを複数個この場合2個用いているが、検出用の電源ラインとクロックライン(パルスライン)が実質的に兼用された態様になっているので、2個のMPU間に同期をとるために専用のラインが不要となり、構成が簡略化されると共に、マイクロプロセッサに設けられる端子の数も少なくすることができる。
【0033】
なお、異常検出パルス着信判定部10に光結合手段を用いたが、光結合手段の代わりに定電圧回路9とMPU5とを絶縁する機能と、比較器121の出力電圧である定電圧回路9の定電圧出力をMPU5の電源電圧にレベル変換する機能の少なくとも一方を有する回路を使用してもよい。
また、本実施例では、光結合手段の入力側と出力側とを別のグランドに絶縁したが、同一のグランドにしてもよい、
また、上記実施の形態では、この発明による防災設備の異常検出装置を、例えば地区音響装置に適用した場合を例にとり説明したが、これに限定されることなく、その他の被監視対象物例えば防排煙装置等にも同様に適用でき、同様の効果を奏する。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、防災設備の被監視対象物の異常を検出するための異常検出パルスを発生する異常検出パルス発生手段と、この異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスを直接および被監視対象物を通して受信し、双方の異常検出パルスを比較してこの被監視対象物の異常を判別する異常判別手段とを備えたので、監視電流をできるだけ抑えて消費電力の低減化を図ることができると共に構成の簡略化を図れることができるという効果がある。
【0035】
また、この発明によれば、異常検出パルス発生手段が、監視用の第1の制御手段と、この第1の制御手段の出力に基づいて異常検出パルスを生成する異常検出パルス送信部と、第1の制御手段の制御の下に異常検出パルス送信部の出力を切り換える第1の切換手段とを有し、異常判別手段が、起動用の第2の制御手段と、異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスの着信を判定する異常検出パルス着信判定手段と、異常検出パルスが入力される被監視対象物の出力側を第2の制御手段の制御の下に切り換える第2の切換手段と、異常検出パルス着信判定手段の一部出力に基づいて作動し、異常検出パルス発生手段から直接入力される異常検出パルスと第2の切換手段により選択的に取り出される被監視対象物の出力とを比較してこの被監視対象物の異常を判別する異常監視手段とを有するので、監視電流をできるだけ抑えて消費電力の低減化を図ることができると共に、複数の制御手段に同期用の専用のラインが不要となり、それだけ構成を簡略化できるという効果がある。
【0036】
また、この発明によれば、異常検出パルス着信判定手段が、異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスに基づいて所定電圧を発生する定電圧回路と、この定電圧回路の出力に基づいて作動する光結合手段を含む異常検出パルス着信判定部とからなり、異常監視手段が、定電圧回路の所定電圧を電源電圧として作動し、異常検出パルス発生手段から直接入力される異常検出パルスと第2の切換手段により選択的に取り出される被監視対象物の出力とを比較する複数の比較器と、これらの複数の比較器の出力に基づいて作動する光結合手段とを有するので、安定且つ確実に被監視対象物である例えば地区音響装置の断線や短絡等の異常を検出でき、光結合手段によって異常監視部と第2の制御手段とが絶縁されると共に変換異常監視部と第2の制御手段との電源電圧差を考慮する必要がないという効果がある。
【0037】
また、この発明によれば、第2の制御手段が、異常監視手段の動作が安定した後の所定時間中にこの異常監視手段による判別結果を認識するので、被監視対象物である例えば地区音響装置の断線や短絡等の異常を少ない消費電力でもって確実に検出できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る防災設備の異常検出装置の一実施の形態の全体構成を示す構成図である。
【図2】この発明に係る防災設備の異常検出装置の一実施の形態の要部の具体例を示す回路図である。
【図3】この発明に係る防災設備の異常検出装置の一実施の形態の他の要部の具体例を示す回路図である。
【図4】この発明に係る防災設備の異常検出装置の一実施の形態の動作説明に供するための信号波形図である。
【符号の説明】
1,5 MPU、2,71〜7n リレー回路、3 異常検出パルス送信部、81〜8n 地区音響装置、9 定電圧回路、10 異常検出パルス着信判定部、121〜12n 異常監視部。
Claims (3)
- 防災設備の被監視対象物の異常を検出するための異常検出パルスを発生する異常検出パルス発生手段と、
該異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスを直接および上記被監視対象物を通して受信し、双方の異常検出パルスを比較して該被監視対象物の異常を判別する異常判別手段と
を備えた防災設備の異常検出装置において、
上記異常検出パルス発生手段は、監視用の第1の制御手段と、該第1の制御手段の出力に基づいて異常検出パルスを生成する異常検出パルス送信部と、上記第1の制御手段の制御の下に上記異常検出パルス送信部の出力を切り換える第1の切換手段とを有し、
上記異常判別手段は、起動用の第2の制御手段と、上記異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスの着信を判定する異常検出パルス着信判定手段と、上記異常検出パルスが入力される上記被監視対象物の出力側を上記第2の制御手段の制御の下に切り換える第2の切換手段と、上記異常検出パルス着信判定手段の一部出力に基づいて作動し、上記異常検出パルス発生手段から直接入力される異常検出パルスと上記第2の切換手段により選択的に取り出される上記被監視対象物の出力とを比較して該被監視対象物の異常を判別する異常監視手段とを有することを特徴とする防災設備の異常検出装置。 - 上記異常検出パルス着信判定手段は、上記異常検出パルス発生手段からの異常検出パルスに基づいて所定電圧を発生する定電圧回路と、該定電圧回路の出力に基づいて作動する光結合手段を含む異常検出パルス着信判定部とからなり、上記異常監視手段は、上記定電圧回路の所定電圧を電源電圧として作動し、上記異常検出パルス発生手段から直接入力される異常検出パルスと上記第2の切換手段により選択的に取り出される上記被監視対象物の出力とを比較する複数の比較器と、該複数の比較器の出力に基づいて作動する光結合手段とを有する請求項1記載の防災設備の異常検出装置。
- 上記第2の制御手段は、上記異常監視手段の動作が安定した後の所定時間中に該異常監視手段による判別結果を認識する請求項1または2記載の防災設備の異常検出装置。
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