JP3852978B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の自動変速機の変速制御装置に係り、特に変速制御装置を構成する油圧制御回路に設けられたフェイルセーフ機能を有する安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用の自動変速機に用いられる油圧制御回路において、以前から普通に用いられている変速ショック低減用アキュムレータやシフト切替え用メカニカル弁等を廃止し、それらに代わるものとして、自動変速機内のクラッチやブレーキに対して直接的に油圧を供給する複数個の電磁弁を設けると共に、それらの電磁弁をデューティ制御することによって供給する油圧の大きさを制御したり、シフト制御を行う所謂「ダイレクト制御方式」を採用する自動変速機の変速制御装置が提案されている。この方式においては一般的に、車両が危険な状態に陥る恐れがある自動変速機内のクラッチやブレーキの二重係合を防止するために、油圧制御回路の油圧通路の連通、遮断を制御する所謂「フェイルセーフ弁」を1個以上含む安全装置が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のフェイルセーフ弁を含む自動変速機の変速制御装置用の安全装置は、主として、複数個の電磁弁が複数個のクラッチやブレーキの二重係合をもたらす油圧を同時に出力するフェイル状態に対処して、そのような状態においてもクラッチやブレーキの二重係合を防止しようとするものであって、それとは反対に、複数個の電磁弁がいずれもクラッチやブレーキの係合のために必要な油圧を出力しないために、それらのクラッチやブレーキがいずれも係合しない場合、例えば複数個の電磁弁がいずれも油圧OFF側においてスティックして、クラッチやブレーキに必要な油圧が供給されないというようなフェイル状態に対処することが考慮されていなかったため、そのような状態ではやはり車両が走行不能になるという問題があった。
【0004】
本発明は、従来技術における前述のような問題に対処して、複数個のクラッチやブレーキが二重係合するような電磁弁のフェイル状態等に対処するのは勿論のこと、複数個のクラッチやブレーキがいずれも係合しないような電磁弁のフェイル状態等にも対処して、どのようなフェイル状態においても常に車両の走行を保障することができるような、改良された自動変速機の変速制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載された自動変速機の変速制御装置を提供するものである。
【0006】
請求項1記載の自動変速機の変速制御装置においては、ある特定の組み合わせの摩擦要素に油圧を供給する少なくとも2個の電磁弁のいずれかがフェイル状態に陥ることによって、2個の電磁弁が両方とも、摩擦要素であるクラッチやブレーキを係合させ得るだけの油圧を発生しなくなった時は、その油圧制御回路に設けられている少なくとも1個のフェイルセーフ弁が作動して、摩擦要素の一方に対してライン圧を直接に供給する。それによってライン圧を供給された方の摩擦要素が係合して、自動変速機が動力を伝達することができるようになり、車両が走行を続けることが可能になる。
【0007】
請求項2記載の自動変速機の変速制御装置においては、摩擦要素の一方に油圧が供給されている時に他方の摩擦要素に対する油圧の供給を阻止するように作動するフェイルセーフ弁が設けられていると共に、このフェイルセーフ弁は少なくともバネが設けられた側とバネが設けられていない側の2つに分割され、直列に並んだスプールを有していて、分割されたスプール間に油圧が導入された状態では、バネが設けられた側のスプールは、この油圧によってバネの付勢力が相殺されスプールが移動しないようにされ、バネが設けられていない側のスプールが油圧によって移動し、他方の摩擦要素をタンクに接続するように設定されているので、複数個の摩擦要素であるクラッチやブレーキに対して、フェイル状態においてもそれらを係合させ得る油圧が同時に供給される恐れがなくなり、複数個の摩擦要素の二重係合が回避されて車両の走行が保障される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、故障等によって少なくとも1個の摩擦要素(クラッチあるいはブレーキ)に油圧が供給されない場合には車両が走行不能となるような車両用の自動変速機(A/T)における、減速機部のための油圧制御回路に改良を加えたものである。本発明の油圧制御回路と上記減速機部の例を図1に示す。
【0009】
図1の上部に示す減速機部(例)は、1個の遊星ギヤユニット10を備えており、この遊星ギヤユニット10はリングギヤ11、キャリヤ12、サンギヤ13と、リングギヤ11およびサンギヤ13に噛み合いキャリヤ12によって支持されて公転する遊星ギヤ14、ハウジング15、入力軸20および出力軸21、摩擦要素である油圧ブレーキB4および油圧クラッチC3により構成されている。そして、入力軸20はリングギヤ11と、出力軸21はキャリヤ12と、サンギヤ13はブレーキB4を介して固定のハウジング15と連結している。また、出力軸21はクラッチC3を介してサンギヤ13と連結している。
【0010】
この例では、ブレーキB4に油圧が供給されたときは低速段になり、遊星ギヤユニット10は減速機として作動する。すなわち、サンギヤ13が固定されるので入力軸20によりリングギヤ11が回転すると、遊星ギヤ14の公転がキャリヤ12から出力軸21に取り出される。クラッチC3に油圧が供給されたときは高速段になり、サンギヤ13と出力軸21がクラッチC3によって連結されることによって、キャリヤ12および遊星ギヤ14までが一体化されて、遊星ギヤユニット10は単なる接手となる。従って、入力軸20の回転は減速されることなく出力軸21に伝達される。ブレーキB4とクラッチC3に油圧がともに供給されない場合にはサンギヤ13が空回りし、入力軸20からのトルクは出力軸21に伝達されない。
【0011】
油圧制御回路1は、電磁弁30,40、及び摩擦要素B4,C3の強い二重係合を防止するフェイルセーフ弁50と、摩擦要素B4,C3の同時油圧開放を防止するフェイルセーフ弁60により構成されている。電磁弁30,40はそれぞれ供給ポート31,41、出力ポート32,42、リターンポート33,43を有し、供給ポート31,41には図示しないポンプから圧力P1のライン圧が供給されており、リターンポート33,43はタンク70と連通している。
【0012】
従って、供給ポート31,41と出力ポート32,42との間のそれぞれの連通時間と、出力ポート32,42とリターンポート33,43との間のそれぞれの連通時間との割合を、電磁弁30,40への通電時間を制御することにより変化させることによって、出力ポート32,42の油圧P2,P3を0〜P1の範囲で自由に制御することができる。
【0013】
フェイルセーフ弁50はスプール51,52,53、バネ54、ポート50A〜50Fを有し、スプール51は面積S1のランド51A、スプール52は面積S2のランド52Aと面積S3のランド52B、スプール53は面積S4のランド53Aを有している。
【0014】
P1=P2=0のとき、すなわちエンジン停止の状態においては、スプール51,52,53はバネ54に押されて、すべて右方に位置し、ポート50Bと50Fが連通している。
【0015】
そして、エンジンが駆動状態になってP1が増加すると、P1・S1>P3(S2−S3)+P2・S3の範囲(条件1)では、図3に示す低速段のようにスプール51,52,53はすべて左方にあり、ポート50Cと50Fが連通している。また、P1・S1<P3(S2−S3)+P2・S3の範囲(条件2)では、図2に示す高速段のようにスプール53が左方に、スプール51,52が右方にあり、ポート50Bと50Fが連通している。
【0016】
そして仮に、ブレーキB4にライン圧P1が供給されているとき、クラッチC3にそれ以上油圧が供給されるとギヤの破損、あるいは車両のスピン等の危険な状態になる油圧をP2Nとし、反対にクラッチC3にライン圧P1が供給されているとき、ブレーキB4にそれ以上油圧が供給されると同様に危険な状態となる油圧をP3Nとすると、この弁50の各スプールの面積S1,S2,S3については、P2>P2NでかつP3>P3Nのときは条件2の状態になるように選定して、二重係合を避けるように設定している。さらにS1>S2−S3となっていて、P3の力だけではスプール51,52が右方に移動しないようになっているとともに、S1>S3となっていて、P2の力だけではスプール51,52が右方に移動しないようになっている。
【0017】
P2>P2Nでは、スプール51,52が右方へ移動するときのP2の油圧(P2>{P1・S1−P3(S2−S3)}/S3)がスプール53を左方へ押す力P2・S4と、バネ54が右方に押す力F5との関係はF5<P2・S4であるため、バネ54の力がスプール51,52には働かないようにバネ54の強さを設定している。
【0018】
フェイルセーフ弁60はスプール61,62、バネ63、ポート60A〜60Eを有し、スプール61は面積S5のランド61A,61B、スプール62は面積S6のランド62Bを有している。クラッチC3及びブレーキB4の係合に必要な最低油圧をそれぞれP2N′,P3N′とすると、バネ63がスプール61を左方に押す力F6と、ランドの面積S5,S6との関係がP2N′・S5>F6,P3N′・S6>F6となるようにF6,S5,S6が決められているため、P2あるいはP3によって、バネ63がスプール61を左方に押す力F6よりも大きい力S5・P2、あるいはS6・P3がスプール62,63を右方に押す方向に働いていれば、スプール61は右方に位置し、ポート60Dと60Eが連通している。
【0019】
また、P2<P2N′,P3<P3N′のときには、スプール61,62は共に左方に位置し、ポート60Cと60Eが連通している。なお、フェイルセーフ弁50のポート50A,50Eに通じる油路にはオリフィス81,82が、また、フェイルセーフ弁60のポート60A,60B,60Cに通じる油路にはオリフィス83,84,85が設けられて、油圧の脈動による各スプールの振動を低減している。
【0020】
図示しないポンプの吐出口は電磁弁30,40の供給ポート31,41、フェイルセーフ弁50のポート50E、及びフェイルセーフ弁60のポート60Cと連通し、電磁弁30の出力ポート32はフェイルセーフ弁50のポート50A、フェイルセーフ弁60のポート60B、クラッチC3と連通し、電磁弁40の出力ポート42はフェイルセーフ弁50のポート50C、フェイルセーフ弁60のポート60Aと連通し、フェイルセーフ弁50のポート50B,50Dはタンク70と連通し、フェイルセーフ弁50のポート50Fはフェイルセーフ弁60のポート60Dと連通し、フェイルセーフ弁60のポート60EはブレーキB4と連通している。
【0021】
次に、図示の実施形態の作動について説明する。
図1の上段に示す減速機は、摩擦要素B4又はC3のいずれか一方に摩擦要素の係合に必要な油圧が供給されないと動力を入力軸20から出力軸21へ伝達することができず、車両が走行不能となるとともに、2個の摩擦要素B4,C3の両方に摩擦要素の係合に必要な油圧が同時に供給される(二重係合)と、減速機がロックして動かなくなり、車両が走行不能となる、以下この減速機が本発明によって上記の条件を回避する作動を、それぞれの状態を示す図に基づいて説明する。
【0022】
通常、エンジンの駆動時において、クラッチC3に油圧が供給されている高速段の場合(図2参照)には、電磁弁30は供給ポート31と出力ポート32が連通していて、電磁弁40は出力ポート42とリターンポート43が連通しているため、出力ポート32の油圧はP2=P1、出力ポート42の油圧はP3=0になっている。
【0023】
通常のエンジン駆動時における正常な高速段では、ライン圧P1によってスプール53及び61を押す力はバネ54及び63が押す力よりも大きいため、スプール53は左方に、スプール51,52は右方に位置して、ポート50Bと50Fが連通すると共に、スプール62が左方に、スプール61が右方に位置して、ポート60Dと60Eが連通する。従って、図2において太線で示すように、クラッチC3の係合に必要な油圧は電磁弁30の供給ポート31、出力ポート32を通じて供給されると共に、ブレーキB4の油圧はフェイルセーフ弁60のポート60E,60D、フェイルセーフ弁50のポート50F,50Bを通じてタンク70に排出される。
【0024】
正常な低速段においてブレーキB4に油圧が供給されている場合(図3参照)には、電磁弁40は供給ポート41と出力ポート42が連通していて、電磁弁30は出力ポート32とリターンポート33が連通しているため、出力ポート42の油圧はP3=P1で、出力ポート32の油圧はP2=0になっている。そのため、フェイルセーフ弁50のスプール51,52,53はすべて左方に位置して、ポート50Cと50Fが連通し、フェイルセーフ弁60のスプール61,62は右方に位置して、ポート60Dと60Eが連通する。従って、ライン圧P1は電磁弁40の供給ポート41、出力ポート42、フェイルセーフ弁50のポート50C,50F、フェイルセーフ弁60のポート60D,60Eを通じてブレーキB4に供給されると共に、クラッチC3の油圧は電磁弁30の出力ポート32とリターンポート33を通じてタンク70へ排出される。
【0025】
次に異常時として、電磁弁30,40の出力する油圧P2,P3が共に、摩擦要素B4,C3が係合する油圧に達しているか、あるいは油圧P2,P3が共に、摩擦要素B4,C3の係合に必要な油圧に達していない場合の、すなわち電磁弁30又は40(それらの制御系統を含めて)の故障時についての作動を説明する。
【0026】
電磁弁30又は40の故障によって、それらの出力油圧P2,P3が共に、摩擦要素B4,C3の係合に必要な油圧に達している場合(図4参照)、フェイルセーフ弁50のポート50AにはクラッチC3が係合するのに必要な油圧P2が供給されていると共に、ポート50CにブレーキB4が係合するのに必要な油圧P3が供給されており、また、ポート50Eにはライン圧P1が供給されているため、スプール51,52には左方に押す力P1・S1と、右方に押す力P2・S3+P3(S2−S3)が作用しているが、P2,P3共に摩擦要素が係合する油圧に達している場合には、P1・S1<P2・S3+P3(S2−S3)であるため、フェイルセーフ弁50のスプール51,52は右方に位置すると共に、スプール53はF5<P4・S4であるため左方に位置するので、ポート50Bと50Fが連通する。
【0027】
また、フェイルセーフ弁60のポート60BにはP2の油圧が供給されていると共に、ポート60AにはP3の油圧が供給されているので、スプール61には右方に少なくともP3・S6の力が作用していると共に、左方に向ってバネ63によりF6の力で押されているが、P3・S6>F6であるためスプール61は右方に位置しており、ポート60Dと60Eが連通している。このためB4の油圧はフェイルセーフ弁60,50のポート60E,60D,50F,50Cを通じてタンク70に排出されると共に、C3にはP2の油圧が供給されるため、摩擦要素B4,C3の二重係合を防止することができる。
【0028】
その結果、ブレーキである摩擦要素B4が非係合、クラッチである摩擦要素C3が係合となるので、図2に示した正常な高速段の場合と同様に、リングギヤ11と遊星ギヤ14、さらにサンギヤ13とキャリヤ12がクラッチC3によって一体化され、入力軸20の回転がそのまま出力軸21にとり出される。従って車両は走行を続けることが可能となる。
【0029】
電磁弁30又は40の故障によって、それらの出力油圧P2,P3が共に、摩擦要素B4,C3が係合する油圧に達していない場合(図5参照)、電磁弁30の出力油圧P2によってフェイルセーフ弁60のスプール61を右方に押す力P2・S5、及び電磁弁40の出力油圧P3によってスプール62を右方に押す力P3・S6は、共にバネ63がスプール61を左方に押す力F6よりも小さいため、スプール61,62は共に左方に位置しており、それによってポート60Cと60Eが連通し、ライン圧P1が直接にポート60C,60Eを通じて摩擦要素B4に供給される。
【0030】
その結果、ブレーキである摩擦要素B4の係合によってサンギヤ13が固定されるので、図3に示した正常な低速段の場合と同様に、入力軸20の回転によってリングギヤ11が回転すると、それよりも減速された遊星ギヤ14の公転がキャリヤ12によって取り出されて出力軸21が低速回転し、車両の走行が可能となる。従って、摩擦要素C3,B4共に油圧が供給されないことによる走行不能の状態が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態としての自動変速機の変速制御装置を示すシステム構成図である。
【図2】クラッチのみに油圧が供給されている1つの正常な運転状態を示す図1のシステムの作動状態図である。
【図3】ブレーキのみに油圧が供給されている他の正常な運転状態を示す図1のシステムの作動状態図である。
【図4】2個の電磁弁が共に油圧を出力する1つのフェイル状態において、クラッチのみに油圧を供給することによってクラッチ及びブレーキの二重係合を回避して、車両の走行を保障するシステムの作動状態図である。
【図5】2個の電磁弁がいずれも油圧を出力しない他のフェイル状態において、ブレーキのみにライン圧を供給して係合させることによって車両の走行を保障するシステムの作動状態図である。
【符号の説明】
10…遊星ギヤユニット
11…リングギヤ
12…キャリヤ
13…サンギヤ
14…遊星ギヤ
15…固定のハウジング
20…入力軸
21…出力軸
30,40…電磁弁
32,42…出力ポート
50,60…フェイルセーフ弁
51,52,53,61,62…スプール
54,63…バネ
70…タンク
B4…ブレーキ
C3…クラッチ
P1 …ライン圧
P2 …電磁弁30の出力する油圧
P3 …電磁弁40の出力する油圧

Claims (2)

  1. ある特定の組み合わせの摩擦要素に油圧が供給されていない場合に車両が走行不能となる自動変速機の減速機部の前記摩擦要素に供給する油圧を制御する油圧制御回路において、前記摩擦要素に供給する油圧を制御する2個の電磁弁と、前記2個の電磁弁のうちのいずれか一方が油圧を出力しないフェイル状態に陥ると共に、他方も油圧を出力しないように制御された場合、あるいは前記2個の電磁弁の双方がいずれも油圧を出力しないフェイル状態に陥った場合に、前記摩擦要素の一方へライン圧を供給するように作動する少なくとも1個のフェイルセーフ弁を、前記電磁弁の少なくとも1つの電磁弁と当該電磁弁に対応する前記摩擦要素の間に備えていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 複数個の摩擦要素に対して、フェイル状態においてそれらの係合に必要な油圧を同時に供給して二重係合の状態となることにより、車両が走行不能となる可能性がある自動変速機の減速機部の前記摩擦要素に供給する油圧を制御する油圧回路において、前記摩擦要素の一方に所定圧以上の油圧が供給されているときには他方の摩擦要素には前記油圧を供給しないように作動するフェイルセーフ弁を設けると共に、前記フェイルセーフ弁が少なくともバネが設けられた側とバネが設けられていない側の2つに分割され、直列に並んだスプールを有していて、前記油圧を前記フェイルセーフ弁の分割された前記スプール間に導入して、前記バネが設けられている側のスプールが前記油圧力によって前記バネの付勢力が相殺され、前記バネが設けられていない側のスプールが前記油圧力によって移動し、前記他方の摩擦要素をタンクに連通させるように作動する前記フェイルセーフ弁を備えており、前記バネの荷重が前記他方の摩擦要素をタンクに連通させる方向に付勢されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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