JP3849423B2 - スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、器体内に回動自在に配置された開閉素子に可動接点を設けたスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、波動スイッチやタンブラスイッチと称する形式のスイッチでは、図8に示すように、一端部に可動接点42を設けた開閉素子43を端子板32に設けた支持片32dに対して回動自在に配置し、開閉素子43の回動に伴って可動接点42を固定接点41に離接させるものが提供されている。固定接点41は別の端子板31から延長された接点保持片31dに設けられる。この構成では、開閉素子43の一端を支持片32dに当接させて回動支点としているから、開閉素子43の回動中心が必ずしも一定ではなく、固定接点41と可動接点42との接触状態が変動する可能性がある。
【0003】
そこで、固定接点41と可動接点42とを互いの対向面の外周形状が長方形状であって、かつそれぞれ幅方向の中央部が両端部よりも突出する形状(いわゆる蒲鉾状)に形成し、さらに固定接点41の長手方向と可動接点42の長手方向とが互いに交差するように配置する構成が考えられている。この種の接点の構成はクロスバー接点と呼ばれている。クロスバー接点を採用すると、開閉素子43の回動支点にずれが生じて可動接点42の中心と固定接点41の中心とがずれたとしても、可動接点42の固定接点41に対する接触状態にはほとんど変化がなく、安定した接触状態が得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クロスバー接点では、可動接点42と固定接点41との開閉を繰り返すと、接点の長手方向の中間部が消耗して凹所が形成され、固定接点41と可動接点42とが噛み合った状態になって、可動接点42を固定接点41から引き離せなくなる(ロッキングを生じる)可能性がある。
【0005】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、開閉を繰り返しても互いに噛み合う可能性の少ないスイッチを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、器体内の定位置に固定された接点保持片と、器体内で接点保持片の一部に対向し接点保持片との距離が可変となるように回動自在に配置された開閉素子と、接点保持片に設けた固定接点と、開閉素子に設けられ開閉素子の回動に伴って固定接点と離接する可動接点とを備え、固定接点と可動接点との一方の接点は他方の接点との対向面の外周形状が長方形状であって幅方向の中央部が両端部よりも突出する凸曲面であり、前記他方の接点は前記一方の接点との対向面の外周形状が円形状かつ中央部が周部よりも突出する形状であって前記一方の接点との接触時に先端面が前記一方の接点の先端面の略全面に接触することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、外周形状が円形状である前記他方の接点において外周形状が長方形状である前記一方の接点に接触する部位の寸法は前記一方の接点の長手方向の寸法より大きいことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、外周形状が長方形状である前記一方の接点を前記固定接点とし、外周形状が円形状である前記他方の接点とを前記可動接点とすることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、外周形状が長方形状の前記一方の接点の長手方向が、前記開閉素子の回動時における可動接点の中心の軌跡を含む面内に含まれるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に説明する実施の形態では、単極単投型のスイッチを例示するが、本発明の技術思想は他の構成のスイッチにも適用可能である。
【0011】
図2ないし図4に示すスイッチは、前面(図2の上面)が開口した直方体状の合成樹脂成形品のボディ10と、矩形枠状に形成されボディ10の前面側に結合される合成樹脂成形品のカバー20とにより構成される器体1を備える。ボディ10の幅方向における両外側面にはボディ10の長手方向に離間して各一対の組立突起11が突設され、カバー20の後端縁からは組立舌片21が後方に延設され、組立舌片21に設けた組立孔21aに組立突起11が係合することによってボディ10とカバー20とが結合される。
【0012】
ボディ10には、ボディ10の後壁に設けた電線挿入孔12を通して器体1に挿入される電線を接続する2個の端子装置30a,30bと、端子装置30a,30bの間の電路を開閉する接点装置40とが収納される。一方、カバー20の中央部の開口窓22には合成樹脂成形品の反転ハンドル50がカバー20に対して揺動自在に枢支された形で装着され、この反転ハンドル50の揺動に伴って接点装置40が開閉される。反転ハンドル50の前面側にはカバー20の前面に重複する合成樹脂成形品の操作ハンドル60が着脱可能に結合され、操作ハンドル60を操作部として揺動させることにより、反転ハンドル50が揺動して接点装置40が開閉されるようにしてある。
【0013】
ボディ10の内側面には、端子装置30a,30bおよび接点装置40を位置決めするための保持リブ13および保持溝14がそれぞれ複数形成されている。端子装置30a,30bはボディ10の長手方向の両端部内に配置され、接点装置40はボディ10の長手方向の中央部内に配置される。
【0014】
端子装置30a,30bは、導電性の金属板により形成された端子板31,32と、各端子板31,32ごとに2個ずつ設けた鎖錠ばね33と、各端子板31,32ごとに2個ずつ設けた鎖錠ばね33に当接する合成樹脂成形品の解除釦34とを備える。各端子板31,32は、それぞれボディ10の長手方向の両端部付近でボディ10の幅方向の両内側面に設けた保持溝14に両側部が挿入保持される主片31a,32aと、主片31a,32aに対向する当接片31b,32bと、主片31a,32aと当接片31b,32bとの前端縁間を連続一体に連結するようにボディ10の開口面に沿って延長された連結片31c,32cとを備える。当接片31b,32bはボディ10の長手方向の中央部付近でボディ10の幅方向の両内側面に形成された保持リブ13に当接し、保持リブ13と保持溝14との間で端子板31,32がボディ10に保持される。
【0015】
鎖錠ばね33は主片31a,32aと当接片31b,32bとの間に収納される。端子板31には連結片31cから延長されて先端部に固定接点41を備える接点保持片31dがボディ10の長手方向の中央部に向かって斜め後向き(図4の下向き)に延設される。また、端子板32には当接片32bの後端縁からボディ10の長手方向の中央部に向かってボディ10の後面に沿う形で支持片32dが延設され、支持片32dの先端部には前面開放された断面V字状の支点用溝32eが支持片32dの延長方向に直交する形で形成される。
【0016】
鎖錠ばね33は、帯状の板ばねの一端部をS字状に曲成して接触片33aを形成し、他端部をJ字状に曲成して鎖錠片33bを形成し、接触片33aと鎖錠片33bとの間を接続片33cにより連続一体に連結した形状に形成される。また、接触片33aおよび鎖錠片33bは接続片33cに対して厚み方向の同じ側に突出する。鎖錠ばね33を端子板31,32の主片31a,32aと当接片31b,32bとの間に装着するに際しては、接続片33cを当接片31b,32bに当接させる形で接触片33aおよび鎖錠片33bを主片31a,32aに対向させる。ここに、接触片33aおよび鎖錠片33bの先端部は、先端側ほど接続片33cから離れる向きに傾斜し、かつ互いに略平行になるように延長されている。また、接触片33aおよび鎖錠片33bの先端部は、先端側ほど連結片31c,32cとの距離を小さくするように配置される。
【0017】
上述した電線挿入孔12は、端子板31,32の主片31a,32aと接触片33aおよび鎖錠片33bとの間に対応する部位に形成され、電線挿入孔12を通して器体1に電線を挿入すると、電線の先端部が主片31a,32aと接触片33aおよび鎖錠片33bとの間に挟持され、電線が主片31a,32aに接触して端子装置30a,30bと電線とが電気的に接続されるとともに、鎖錠片33bの先端縁が電線に食い込むことによって電線が器体1から抜けないように機械的に保持される。とくに、鎖錠片33bは電線挿入孔12を通して電線を挿入する向きにおいて主片31a,31bとの距離を小さくするように傾斜しているから、電線を引き抜く向きの力に対して鎖錠片33bが撓みにくく、電線の引き抜きを確実に阻止することになる。ここに、電線は絶縁被覆電線であって器体1に挿入する部位は芯線が露出するように絶縁被覆が除去される。したがって、主片31a,32aと鎖錠ばね33との間に電線が挟持されるとは実際には芯線が挟持されることを意味する。
【0018】
ボディ10の後壁には解除釦34に対応する部位に操作孔15が貫設される。解除釦34は各端子装置30a,30bに設けた2個ずつの鎖錠ばね33の間に配置され、両鎖錠ばね33の鎖錠片33bの後面側にそれぞれ当接する2個の押し片34aが側面から突出する形状を有する。操作孔15はマイナスドライバの先端部のような工具が挿入可能となる形状を有し、工具を操作孔15に挿入して解除釦34を前方に押圧すると、鎖錠片33bが押し片34aから押圧力を受けることにより主片31a,32aから離れる向きに撓むようにしてある。したがって、上述のようにして端子装置30a,30bに電線を接続した状態で操作孔15に工具を挿入して解除釦34を押圧すれば、鎖錠片33bが電線から離れるように撓んで電線の機械的保持が解除され、電線を器体1から引き抜くことが可能になる。ここに、解除釦34には2個の押し片34aが設けられ、各端子装置30a,30bに設けた2個の鎖錠ばね33の鎖錠片33bを同時に押圧するから、各端子装置30a,30bに2本の電線を接続しているときには1個の解除釦34を押圧すれば2本の電線の機械的保持を同時に解除することができる。
【0019】
接点装置40は、端子板32の支持片32dに対して枢支された板状の開閉素子43を備え、開閉素子43には端子板31の接点保持片31dに設けた固定接点41に離接する可動接点42が設けられる。開閉素子43の後端縁は支持片32dに設けた支点用溝32eに挿入され、支点用溝32eを中心として開閉素子43が回動可能になっている。ボディ10の長手方向の中央部であってボディ10の後部には開閉素子43の側縁に突設された突片43aが挿入されるV字状の回動規制溝16が形成され、回動規制溝16によって開閉素子43の回動範囲が規制される。開閉素子43と反転ハンドル50との間にはコイルスプリングからなる反転ばね44が保持されており、開閉素子43の前端部には反転ばね44の一端部内に挿入されるばね座片43bが突設される。
【0020】
反転ばね44の他端部は反転ハンドル50の後面側に設けた筒部(図示せず)に挿入される。器体1の幅方向における反転ハンドル50の両側面には支点突起51が突設され、各支点突起51は前端部が先細りとなる形状に形成されている。カバー20の長手方向の中央部であって幅方向の両側部には開口窓22の周縁から前方に突出する一対の軸受突片23が突設され、両軸受突起23の対向面には反転ハンドル50の支点突起51が挿入される軸受凹所24が形成される。軸受凹所24は少なくとも前端部において支点突起51を揺動可能に枢支する。反転ハンドル50の長手方向の一端部には後述する位置表示灯71からの光を透過させるための透孔52が貫設され、さらに反転ハンドル50の長手方向の両端面には操作ハンドル60を反転ハンドル50に結合するための結合爪53がそれぞれ突設される。
【0021】
ところで、図1に示すように、固定接点41は可動接点42との対向面の外周形状が長方形状であって、かつ幅方向の中央部が両端部に対して突出する凸曲面となるように形成されている。つまり、いわゆる蒲鉾状に形成されている。また、固定接点41の長手方向は接点保持片31dの延長方向に一致させてある。一方、可動接点42は固定接点41との対向面の外周形状が円形状かつ中央部が周部よりも突出する形状であって固定接点41との接触時に先端面が固定接点41の先端面の略全面に接触する形状(以下、丸状という)に形成されている。可動接点42における固定接点41との接触部位の寸法は、固定接点41の長手方向の寸法より大きくするのが望ましい。つまり、このような寸法関係に設定しておけば、固定接点41が消耗したとしても可動接点42が固定接点41に噛み合う可能性が少なくなり、可動接点42が固定接点41から分離できなくなるロッキングの発生を防止することができる。また、固定接点41の長手方向が接点保持片31dの延長方向に一致しているから、開閉素子43の回動に伴う可動接点42の中心の軌跡を含む面内に固定接点41の長手方向が一致することになる。つまり、開閉素子43の回動に伴って可動接点42が固定接点41に対して摺接する方向と固定接点41の長手方向とが一致しているから、可動接点42が消耗したとしても可動接点42に形成される凹所は固定接点41の長手方向にならって形成され、固定接点41と可動接点42とがロッキングする可能性が少なくなる。
【0022】
ここにおいて、固定接点41と可動接点42との形状は逆にしてもよいが、一般に可動接点42の体積は固定接点41よりも小さいから、開閉素子43に結合されている可動接点42を丸状とすることによって可動接点42を開閉素子43にかしめる部分の断面積が大きくなり、固定接点41との熱バランスが良好になって、可動接点42が固定接点41に比較して高温になるのを防止することができ、結果的に可動接点42が固定接点41に比較して著しく消耗するのを防止することができる。
【0023】
なお、カバー20の長手方向の両端部にはカバー20の両端部側縁に沿ってカバー20の前面から突出する当てリブ25がそれぞれ突設され、各当てリブ25の外側面には各一対の取付爪26が突設される。ここでは詳しく説明しないが、取付爪26は配線器具用の取付枠に設けた取付孔に係合することによって器体1を取付枠に保持させるために設けてあり、壁面などの施工面に器体1の一部を埋め込む形で施工する際に、施工面に固定される取付枠への器体1の結合作業が容易になっている。また、当てリブ25は器体1を取付枠に取り付けたときに取付枠の裏面側に当接することになる。操作ハンドル60は両当てリブ25の間に配置され、操作ハンドル60は揺動時において当てリブ25に干渉しないように形成される。このように当てリブ25をカバー20に突設し当てリブ25に取付爪26を設けたことによって、当てリブ25を設けない場合に比較すると操作ハンドル60を後方に位置させることが可能になり、施工状態においてカバー20と操作ハンドル60との間に形成される隙間が外部から見えにくくなる。
【0024】
操作ハンドル60は、図4に示すように、反転ハンドル50の前面を覆い、操作ハンドル60の後面には反転ハンドル50に設けた結合爪53に係合する結合脚61が突設される。結合脚61の先端部(後端部)には結合爪53の後面に係合する脚爪61aが形成され、操作ハンドル60の後面に突設した押さえ突起62と脚爪61aとの間で反転ハンドル50が保持され、結果的に操作ハンドル60が反転ハンドル50に固定されることになる。さらに、操作ハンドル60の長手方向の一端部には位置表示灯71からの光を外部に取り出すように導光するためのプリズム63が固着される。
【0025】
ところで、反転ハンドル50の後端部には合成樹脂成形品からなる回路基板70が保持される。回路基板70にはネオンランプからなる位置表示灯71および位置表示灯71の限流用の抵抗72が実装される。また、回路基板70の後面であって反転ハンドル50の長手方向の一端部に対応する部位には接点73が設けられている。回路基板70の中央部には円形に開口した圧入孔74が形成され、反転ハンドル50に設けた筒部が圧入孔74に圧入されることによって、反転ハンドル50に回路基板70が固定されるようにしてある。この状態において位置表示灯71は反転ハンドル50の透孔52を通してプリズム63に対向するように配置される。回路基板70に実装した回路(位置表示灯71と抵抗72との直列回路)の一端は接点73に接続され、他端は反転ハンドル50の筒部を通して反転ばね44に接触する。つまり、回路基板70に実装した回路の上記他端は反転ばね44を介して開閉素子43に電気的に接続されることになる。また、接点73は反転ハンドル50の揺動に伴って一方の端子板31に離接するように配置される。すなわち、反転ハンドル70が揺動することによって、接点73が離接する一方の端子装置30aと開閉素子43に電気的に接続されている他方の端子装置30bとの間に、回路基板70に実装された回路が挿入される状態と、回路が切り離された状態とを選択することになる。両端子装置30a,30bの間に回路が挿入される状態で固定接点41から可動接点42が離れるようにしておけば、接点装置40の開極時に位置表示灯71に通電され、位置表示灯71が点灯することになる。したがって、スイッチを照明器具の点灯・消灯を指示する目的で用いると、照明器具の消灯時において位置表示灯71が点灯し、暗がりでもスイッチの場所を容易に見つけることができるようになる。この構成では、固定接点41に可動接点42が接触した状態では接点73が端子板31から離れ、回路基板70に実装した回路には通電されない。
【0026】
しかして、上述したスイッチの動作を簡単に説明すれば、図4のように操作ハンドル60の右端部が左端部よりも後方(図の下方)に位置するときには可動接点42が固定接点41に接触するようにしているものとして、このとき接点73が左側の端子板31から離れるように接点73を設けておく。この状態では反転ばね44は中間部が両端部よりも左側に膨らんだ状態になり、反転ばね44によって可動接点42が固定接点41に押圧されて接点圧が付与される。一方、この状態から操作ハンドル60の左端部を後方に押すと、反転ばね44の前端部が右側に移動することにより反転ばね44は圧縮された後に急速に伸長して中間部が両端部よりも右側に膨らんだ状態になり、このとき開閉素子43を右側に倒して可動接点42を固定接点41から引き離す。つまり、反転ばね44のばね力は反転ハンドル50を左回りに回転させる向きに作用し、接点73を端子板31に接触させる接触圧が生じることになる。つまり、固定接点41と可動接点42とが離れている状態で、回路基板70に実装された回路に通電され、位置表示灯71が点灯するのである。
【0027】
ところで、上述した端子装置30a,30bに用いる端子板31,32は、電線の芯線が撚り線である場合にも対応可能となるように構成してある。具体的には、端子板31,32の主片31a,32aにおいて鎖錠ばね33の鎖錠片33bの先端部付近において、鎖錠片33bが接触可能な部位であって電線挿入孔12を通して器体1に導入された電線が接触する部位の両側に一対の案内突部38を突設してある。両案内突部38は主片31a,32aの幅方向に並ぶように配置され、案内突部38において互いに近い端部は球面の一部となる(いわゆるSR形状)に形成してある。したがって、電線挿入孔12から芯線が撚り線である電線を導入した場合に、電線がばらばらに広がろうとしても案内突部38に乗り上げる形になって鎖錠片33bと案内突部38との間に電線が確実に挟持され、しかも案内突部38がSR形状であることによって電線はできるだけ両案内突部38の間を通るように誘導されることになる。要するに、電線が撚り線であってもばらばらに広がる可能性を低減することができる。さらに、案内突部38の位置が鎖錠片33bの先端部付近であることによって、電線が案内突部38に乗り上げた状態でも鎖錠片33bから比較的大きい接触圧を電線に作用させることができ、電線の電気的な接続を確実に確保することができる。
【0028】
上述の例では単極単投型のスイッチを例示したが、本発明の技術思想は以下に示す単極双投型のスイッチ(いわゆる3路スイッチ)においても適用可能である。3路スイッチでは、図5ないし図7に示すように、3個の端子装置30b,30c,30dを用いる。端子装置30bは上述した単極単投スイッチと同構成であって、単極単投スイッチに用いた端子装置30aに代えて2個の端子装置30c,30dを用いる。各端子装置30c,30dはそれぞれ端子板45,46を備え、各端子板45,46には、器体1に設けた電線挿入孔12を通して器体1に導入された電線が接触する主片45a,46aと、それぞれボディ10に設けた保持リブ13に当接する当接片45b,46bと、主片45a,46aと当接片45b,46bとの間を連結する連結片45c,46cと、連結片45c,46cから連続一体に延長され先端部にそれぞれ固定接点41a,41bを設けた接点保持片45d,46dとが設けられる。両端子装置30c,30dの接点保持片45d,46dの先端部は互いに対向するように配置され、固定接点41a,41bは対向する。また開閉素子43は厚み方向の両面に可動接点42a,42bを備え、開閉素子43の回動に伴って各固定接点41a,41bに各可動接点42a,42bが選択的に接触するようにしてある。つまり、固定接点41aに可動接点42aが接触している間は可動接点42bは固定接点41bから離れ、固定接点41bに可動接点42bが接触している間は可動接点42aは固定接点41aから離れる。
【0029】
端子装置30c,30dはボディ10の長手方向における同じ側(図7における左側)に配置されており、各端子板45,46にはそれぞれ1個ずつの鎖錠ばね33が収納される。ただし、両端子板45,46の鎖錠ばね33の間に1つの解除釦34が配置される。さらに、各端子板45,46の連結片45c,46cには導電性の金属板からなる接触子47がかしめ固定される。各接触子47は回路基板70に弾接するように弾性が付与されており、反転ハンドル50の揺動にかかわらず接触子47がつねに回路基板70に弾接するようにしてある。回路基板70には位置表示灯71と抵抗(図示せず)との直列回路が実装され、この直列回路の各一端にそれぞれ接触子47が接触する。この種の3路スイッチは階段灯の点灯・消灯に用いられることが多く、階上と階下とにそれぞれ3路スイッチを配置して階段灯の点灯・消灯とを階上と階下とのいずれにおいても操作可能とすることができる。したがって、両固定接点31a,31bの間に位置表示灯71と抵抗との直列回路を挿入しておけば、階段灯の消灯時に位置表示灯71を点灯させることができる。この種の回路の接続関係は周知であるから説明を省略する。また、3路スイッチの他の構成は単極単投型のスイッチと同様である。
【0030】
なお、接点装置40の構成として、上述の例では単極単投型のスイッチ(いわゆる片切り型のスイッチ)と3路スイッチとを例示したが、本発明の技術思想はこれらのスイッチへの適用に限定されるものではなく、たとえば2極単投型のスイッチやいわゆる4路型のスイッチ(4端子のうちの2端子と残りの2端子とを一対一に接続する2つの接続関係が選択可能なスイッチ)に適用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明は、器体内の定位置に固定された接点保持片と、器体内で接点保持片の一部に対向し接点保持片との距離が可変となるように回動自在に配置された開閉素子と、接点保持片に設けた固定接点と、開閉素子に設けられ開閉素子の回動に伴って固定接点と離接する可動接点とを備え、固定接点と可動接点との一方の接点は他方の接点との対向面の外周形状が長方形状であって幅方向の中央部が両端部よりも突出する凸曲面であり、前記他方の接点は前記一方の接点との対向面の外周形状が円形状かつ中央部が周部よりも突出する形状であって前記一方の接点との接触時に先端面が前記一方の接点の先端面の略全面に接触することを特徴とするものであり、可動接点と固定接点との一方を蒲鉾状としながらも他方を丸状に形成したことによって、蒲鉾状の接点が消耗しても丸状の接点が噛み合う可能性が少なくなり、結果的に従来構成に比較するとロッキングの可能性を低減することができる。つまり、接点の消耗時にも良好な接触状態を保つことができる。
【0032】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、外周形状が円形状である前記他方の接点において外周形状が長方形状である前記一方の接点に接触する部位の寸法は前記一方の接点の長手方向の寸法より大きいことを特徴とするものであり、丸状の接点が相手側の接点に接触する部位の寸法を相手側の接点の長手方向の寸法以上に設定したことによって、丸状の接点が相手側の接点に噛み合う可能性をより低減することができ、ロッキングの可能性を低減することができる。
【0033】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、外周形状が長方形状である前記一方の接点を前記固定接点とし、外周形状が円形状である前記他方の接点とを前記可動接点とすることを特徴とするものであり、一般に可動接点は固定接点よりも体積が小さく熱容量の小さいことが多いから、可動接点を開閉素子にかしめ固定している部位の断面積が蒲鉾状の接点に比較すると大きくなって可動接点から開閉素子に放熱されやすくなり、結果的に固定接点と可動接点との間の熱バランスが従来構成よりも良好になる。その結果、固定接点と可動接点とに大きな温度差が生じることがなく、一方のみが極端に消耗するのを防止することができ、このことによってもロッキングの可能性が低減される。
【0034】
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、外周形状が長方形状の前記一方の接点の長手方向が、前記開閉素子の回動時における可動接点の中心の軌跡を含む面内に含まれるものであり、開閉素子の回動によって接点の開閉時には蒲鉾状の接点の長手方向に沿って丸状の接点が摺接するから、丸状の接点が消耗したとしても摺接方向にならう溝が形成されることになり、結果的に、接点が消耗してもロッキングを生じることなく接点を開閉させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、(a)は要部分解斜視図、(b)は要部分解正面図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【図4】同上の縦断面図である。
【図5】本発明の他の構成例を示す分解斜視図である。
【図6】同上を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【図7】同上の縦断面図である。
【図8】従来例に用いる端子板を示し、(a)は要部分解斜視図、(b)は要部分解正面図である。
【符号の説明】
1 器体
31,32 端子板
31d 接点保持片
41,41a,41b 固定接点
42,42a,42b 可動接点
43 開閉素子
Claims (4)
- 器体内の定位置に固定された接点保持片と、器体内で接点保持片の一部に対向し接点保持片との距離が可変となるように回動自在に配置された開閉素子と、接点保持片に設けた固定接点と、開閉素子に設けられ開閉素子の回動に伴って固定接点と離接する可動接点とを備え、固定接点と可動接点との一方の接点は他方の接点との対向面の外周形状が長方形状であって幅方向の中央部が両端部よりも突出する凸曲面であり、前記他方の接点は前記一方の接点との対向面の外周形状が円形状かつ中央部が周部よりも突出する形状であって前記一方の接点との接触時に先端面が前記一方の接点の先端面の略全面に接触することを特徴とするスイッチ。
- 外周形状が円形状である前記他方の接点において外周形状が長方形状である前記一方の接点に接触する部位の寸法は前記一方の接点の長手方向の寸法より大きいことを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
- 外周形状が長方形状である前記一方の接点を前記固定接点とし、外周形状が円形状である前記他方の接点とを前記可動接点とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスイッチ。
- 外周形状が長方形状の前記一方の接点の長手方向が、前記開閉素子の回動時における可動接点の中心の軌跡を含む面内に含まれることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のスイッチ。
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