JP3800951B2 - スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に通電していないときに点灯する位置表示灯を備えたスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、照明負荷のオンオフに用いるスイッチでは、照明負荷の消灯時に点灯する位置表示灯を内蔵したものが提供されている。この種のスイッチとしては、たとえば図6に示すような3路スイッチと称する切換スイッチが従来から知られている。図示するスイッチは、一面に開口面を有したボディ10と、揺動する反転ハンドル50を保持したカバー20とを結合して器体1が形成されるものであり、ボディ10には端子装置を構成する3個の端子板32,45,46が収納される。端子板45,46にはそれぞれ固定接点41b(一方の固定接点は同図では見えない位置に存在する)が保持され、両固定接点41bは互いに対向する。また、残りの端子板32には開閉素子40′が揺動自在に支持され、開閉素子40′には両固定接点41bの間に挿入されて各固定接点41bにそれぞれ離接可能な2個の可動接点42a(一方の可動接点は同図では見えない位置に存在する)が保持される。この開閉素子40′は反転ハンドル50との間に反転ばね44を保持しており、反転ハンドル50が揺動することによって開閉素子40′が揺動し、各可動接点42aが対応する固定接点41bに選択的に接触するように構成してある。つまり、反転ハンドル50の揺動に伴って、端子板32が端子板45との間の電路が閉成される状態と、端子板32が端子板46との間の電路が閉成される状態とが選択されるのである。
【0003】
反転ハンドル50には回路基板70が取り付けられ、回路基板70にはネオンランプからなる位置表示灯71が実装される。また、反転ハンドル50の前面側には操作ハンドル60が一体に結合され、反転ハンドル50と操作ハンドル60とによってスイッチのハンドルが構成される。また、操作ハンドル60には位置表示灯71からの光を取り出すためのプリズム63が取り付けられ、操作ハンドル60には一側縁に沿って化粧用のハンドルライン64が取り付けられる。上述したプリズム63の一部はハンドルライン64から露出する。
【0004】
ところで、3路スイッチにおいては両固定接点41bの間に位置表示灯71を挿入し、かつ位置表示灯71は反転ハンドル50とともに器体1に対して揺動するから、各端子板45,46と回路基板70とを電気的に接続するための接触子47が設けられる。接触子47は一端部が端子板45,46に固定され、他端部が回路基板70に弾接するように、弾性を有した材料により形成されている。
【0005】
具体的には、接触子47は、図7および図8に示すように、端子板45,46においてボディ10の開口面に沿う連結片45c,46cにおけるカバー20側の表面に重なる取付片47aを備えるとともに、取付片47aの一方の側縁に結合部として連結片45c,46cの側部を囲む断面コ字状の係止片47bが一体に設けられ、取付片47aの他方の側縁に結合部として連結片45c,46cの側面に沿って延長された挟み片47cおよび挟み片47cを切り起こして形成した係止爪47dが一体に設けられた形状を有している。したがって、係止片47bを連結片45c,46cの側部に引っ掛けた後に、挟み片47cを連結片45c,46cの側縁に当接させながら取付片47aを連結片45c,46cに押し付けると、係止爪47dが連結片45c,46cの裏面側に係止されることで、接触子47が端子板45,46に固定されることになる。このような構造を採用していることによって、端子板45,46への接触子47の取付作業が簡単になり、組立作業が容易になるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した構成では端子板45,46における連結片45c,46cの左右両側部で接触子47が位置保持されているものの、係止片47bは連結片45c,46cに引っ掛けることによって係止されているのみであり、係止爪47dは連結片45c,46cに対して線接触しているのみであるから、端子板45,46に対する接触子47の固定強度は比較的小さく、反転ハンドル50の揺動に伴って接触子47に作用する力によって、接触子47が端子板45,46に対してがたつく可能性がある。
【0007】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、接触子の端子板への取付作業を複雑にすることなく端子板に対する接触子の固定強度を従来構成よりも強固にして端子板に対する接触子のがたつきを防止したスイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、一面に開口面を有したボディおよびボディの開口面側に結合されるカバーにより形成された器体と、カバーに揺動自在に設けたハンドルと、ボディに収納され電線が接続される複数個の端子板と、ボディに収納されハンドルの揺動に伴って端子板間の電路を開閉する接点装置と、ハンドルに取り付けられ電源と負荷との間に接点装置を挿入した電路が形成されているときに接点装置が開放された状態で電源から通電される位置表示灯と、少なくとも1つの端子板に一端部が固定され他端部が位置表示灯を実装した回路基板の導電部に弾接することにより端子板と位置表示灯とを電気的に接続する接触子とを備え、接触子が固定される端子板はボディの開口面に沿った連結片を備え、接触子の前記一端部が連結片のカバー側の表面に重なる取付片を備えるとともに、連結片の両側部に結合される結合部を取付片の両側縁に備え、さらに接触子の前記取付片において結合部を設けた側縁とは異なる周縁にカバーから突設された押さえ片と前記連結片との間に挟持される延設片が設けられているものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記取付片の一方の側縁に設けた結合部が前記連結片の一方の側部を囲む断面コ字状に形成された係止片であり、前記取付片の他方の側縁に設けた結合部が前記連結片の他方の側面に沿って延長された挟み片および挟み片を切り起こして形成され前記取付片の裏面側に係止される係止爪であることを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記ボディに3個の端子板が収納され、2個の端子板にそれぞれ保持された固定接点に選択的に接触する可動接点が残りの端子板に電気的に接続され、固定接点を保持する2個の端子板にそれぞれ前記接触子が固定されるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に説明する実施の形態では、単極双投型のスイッチ(3路スイッチ)を例示するが、本発明の技術思想は他の構成のスイッチにも適用可能である。
【0012】
図1ないし図3に示すスイッチは、前面(図2の上面)が開口した直方体状の合成樹脂成形品のボディ10と、矩形枠状に形成されボディ10の前面側に結合される合成樹脂成形品のカバー20とにより構成される器体1を備える。ボディ10の幅方向における両外側面にはボディ10の長手方向に離間して各一対の組立突起11が突設され、カバー20の後端縁からは組立舌片21が後方に延設され、組立舌片21に設けた組立孔21aに組立突起11が係合することによってボディ10とカバー20とが結合される。
【0013】
ボディ10には、ボディ10の後壁に設けた電線挿入孔12を通して器体1に挿入される電線をそれぞれ接続する3個の端子装置30b,30c,30dと、端子装置30b,30cの間の電路を閉成する状態と、端子装置30b,30dの間の電路を閉成する状態とを選択する接点装置40とが収納される。一方、カバー20の中央部の開口窓22には合成樹脂成形品の反転ハンドル50がカバー20に対して揺動自在に枢支された形で装着され、この反転ハンドル50の揺動に伴って接点装置40が電路を開閉する。反転ハンドル50の前面側にはカバー20の前面に重複する合成樹脂成形品の操作ハンドル60が着脱可能に結合され、操作ハンドル60を操作部として揺動させることにより、反転ハンドル50が揺動して接点装置40が開閉されるようにしてある。つまり、反転ハンドル50と操作ハンドル60とが一体になってハンドルとして機能する。
【0014】
ボディ10の内側面には、端子装置30b,30c,30dおよび接点装置40を位置決めするための保持リブ13および保持溝14がそれぞれ複数形成されている。端子装置30bと端子装置30c,30dとはボディ10の長手方向の各端部内にそれぞれ配置され、接点装置40はボディ10の長手方向の中央部内に配置される。
【0015】
端子装置30b,30c,30dは、導電性の金属板により形成された端子板32,45,46をそれぞれ備える。端子装置30bは、端子板32に対応する2個の鎖錠ばね33を備えるとともに、両鎖錠ばね33に当接する合成樹脂成形品の1個の解除釦34を備える。一方、端子装置30c,30dは、それぞれ端子板45,46に対応する1個ずつの鎖錠ばね33を備えるとともに、両鎖錠ばね33に当接する合成樹脂成形品の1個の解除釦34を備える。各端子板32,45,46は、それぞれボディ10の長手方向の両端部付近でボディ10の幅方向の内側面に設けた保持溝14に側部が挿入保持される主片32a,45a,46aと、主片32a,45a,46aに対向する当接片32b,45b,46bと、主片32a,45a,46aと当接片32b,45b,46bとの前端縁間をそれぞれ連続一体に連結するようにボディ10の開口面に沿って延長された連結片32c,45c,46cとを備える。当接片32b,45b,46bはボディ10の長手方向の中央部付近でボディ10の幅方向の内側面に形成された保持リブ13に当接し、保持リブ13と保持溝14との間で各端子板32,45,46がそれぞれボディ10に保持される。さらに、各端子板45,46にはそれぞれ連結片45c,46cから連続一体に延長され先端部にそれぞれ固定接点41a,41bを設けた接点保持片45d,46dが設けられる。端子装置30c,30dの接点保持片45d,46dの先端部は互いに対向するように配置され、固定接点41a,41bは対向する。また、端子板32には当接片32bの後端縁からボディ10の長手方向の中央部に向かってボディ10の後面に沿う形で支持片32dが延設され、支持片32dの先端部には前面開放された断面V字状の支点用溝32eが支持片32dの延長方向に直交する形で形成される。
【0016】
鎖錠ばね33は主片32a,45a,46aと当接片32b,45b,46bとの間に収納される。鎖錠ばね33は、帯状の板ばねの一端部をS字状に曲成して接触片33aを形成し、他端部をJ字状に曲成して鎖錠片33bを形成し、接触片33aと鎖錠片33bとの間を接続片33cにより連続一体に連結した形状に形成される。また、接触片33aおよび鎖錠片33bは接続片33cに対して厚み方向の同じ側に突出する。鎖錠ばね33を各端子板32,45,46の主片32a,45a,46aと当接片32b,45b,46bとの間に装着するに際しては、接続片33cを当接片32b,45b,46bに当接させる形で接触片33aおよび鎖錠片33bを主片32a,45a,46aに対向させる。ここに、接触片33aおよび鎖錠片33bの先端部は、先端側ほど接続片33cから離れる向きに傾斜し、かつ互いに略平行になるように延長されている。また、接触片33aおよび鎖錠片33bの先端部は、先端側ほど連結片32c,45c,46cとの距離を小さくするように配置される。
【0017】
上述した電線挿入孔12は、端子板32,45,46の主片32a,45a,46aと接触片33aおよび鎖錠片33bとの間に対応する部位に形成され、電線挿入孔12を通して器体1に電線を挿入すると、電線の先端部が主片32a,45a,46aと接触片33aおよび鎖錠片33bとの間に挟持され、電線が主片32a,45a,46aに接触して端子装置30b,30c,30dと電線とが電気的に接続されるとともに、鎖錠片33bの先端縁が電線に食い込むことによって電線が器体1から抜けないように機械的に保持される。とくに、鎖錠片33bは電線挿入孔12を通して電線を挿入する向きにおいて主片31b,45b,46bとの距離を小さくするように傾斜しているから、電線を引き抜く向きの力に対して鎖錠片33bが撓みにくく、電線の引き抜きを確実に阻止することになる。ここに、電線は絶縁被覆電線であって器体1に挿入する部位は芯線が露出するように絶縁被覆が除去される。したがって、主片32a,45a,46aと鎖錠ばね33との間に電線が挟持されるとは実際には芯線が挟持されることを意味する。
【0018】
ボディ10の後壁には解除釦34に対応する部位に操作孔15が貫設される。解除釦34は端子装置30bに設けた2個の鎖錠ばね33の間に1個が配置されるとともに、端子装置30c,30dにそれぞれ1個ずつ設けた2個の鎖錠ばね33の間に1個が配置される。各解除釦34には、それぞれ2個の鎖錠ばね33の鎖錠片33bの後面側にそれぞれ当接する2個の押し片34aが側面から突出する。操作孔15はマイナスドライバの先端部のような工具が挿入可能となる形状を有し、工具を操作孔15に挿入して解除釦34を前方に押圧すると、鎖錠片33bが押し片34aから押圧力を受けることにより主片32a,45a,46aから離れる向きに撓むようにしてある。したがって、上述のようにして端子装置30b,30c,30dに電線を接続した状態で操作孔15に工具を挿入して解除釦34を押圧すれば、鎖錠片33bが電線から離れるように撓んで電線の機械的保持が解除され、電線を器体1から引き抜くことが可能になる。ここに、解除釦34には2個の押し片34aが設けられ、2個の鎖錠ばね33の鎖錠片33bを同時に押圧するから、端子装置30bに2本の電線を接続しているときや、端子装置30c,30dにそれぞれ1本ずつの電線を接続しているときには、それぞれ1個の解除釦34を押圧すれば2本の電線の機械的保持を同時に解除することができる。
【0019】
接点装置40は、端子板32の支持片32dに対して枢支された板状の開閉素子43を備え、開閉素子43の厚み方向の両面には端子板45,46の接点保持片45d,46dに設けた固定接点41a,41bにそれぞれ離接する可動接点42a,42bが設けられる。開閉素子43の後端縁は支持片32dに設けた支点用溝32eに挿入され、支点用溝32eを中心として開閉素子43が回動可能になっている。開閉素子43が回動すると各固定接点41a,41bに各可動接点42a,42bが選択的に接触する。つまり、固定接点41aに可動接点42aが接触している間は可動接点42bは固定接点41bから離れ、固定接点41bに可動接点42bが接触している間は可動接点42aは固定接点41aから離れる。開閉素子43の一端部は支点用溝32eに挿入されているから、開閉素子43の回動中心を安定させて開閉素子43を安定に回動させることができる。ボディ10の長手方向の中央部であってボディ10の後部には開閉素子43の側縁に突設された突片43aが挿入されるV字状の回動規制溝16が形成され、回動規制溝16によって開閉素子43の回動範囲が規制される。開閉素子43と反転ハンドル50との間にはコイルスプリングからなる反転ばね44が保持されており、開閉素子43の前端部には反転ばね44の一端部内に挿入されるばね座片43bが突設される。
【0020】
反転ばね44の他端部は反転ハンドル50の後面側に設けた筒部(図示せず)に挿入される。器体1の幅方向における反転ハンドル50の両側面には支点突起51が突設され、各支点突起51は前端部が先細りとなる形状に形成されている。カバー20の長手方向の中央部であって幅方向の両側部には開口窓22の周縁から前方に突出する一対の軸受突片23が突設され、両軸受突起23の対向面には反転ハンドル50の支点突起51が挿入される軸受凹所24が形成される。軸受凹所24は少なくとも前端部において支点突起51を揺動可能に枢支する。反転ハンドル50の長手方向の一端部には後述する位置表示灯71からの光を透過させるための透孔52が貫設され、さらに反転ハンドル50の長手方向の両端面には操作ハンドル60を反転ハンドル50に結合するための結合爪53がそれぞれ突設される。
【0021】
なお、カバー20の長手方向の両端部にはカバー20の両端部側縁に沿ってカバー20の前面から突出する当てリブ25がそれぞれ突設され、各当てリブ25の外側面には各一対の取付爪26が突設される。ここでは詳しく説明しないが、取付爪26は配線器具用の取付枠に設けた取付孔に係合することによって器体1を取付枠に保持させるために設けてあり、壁面などの施工面に器体1の一部を埋め込む形で施工する際に、施工面に固定される取付枠への器体1の結合作業が容易になっている。また、当てリブ25は器体1を取付枠に取り付けたときに取付枠の裏面側に当接することになる。操作ハンドル60は両当てリブ25の間に配置され、操作ハンドル60は揺動時において当てリブ25に干渉しないように形成される。このように当てリブ25をカバー20に突設し当てリブ25に取付爪26を設けたことによって、当てリブ25を設けない場合に比較すると操作ハンドル60を後方に位置させることが可能になり、施工状態においてカバー20と操作ハンドル60との間に形成される隙間が外部から見えにくくなる。
【0022】
操作ハンドル60は、図1に示すように、反転ハンドル50の前面を覆い、操作ハンドル60の後面には反転ハンドル50に設けた結合爪53に係合する結合脚61が突設される。結合脚61の先端部(後端部)には結合爪53の後面に係合する脚爪61aが形成され、操作ハンドル60の後面に突設した押さえ突起62と脚爪61aとの間で反転ハンドル50が保持され、結果的に操作ハンドル60が反転ハンドル50に固定されることになる。さらに、操作ハンドル60の長手方向の一端部には位置表示灯71からの光を外部に取り出すように導光するためのプリズム63が固着される。
【0023】
ところで、反転ハンドル50の後端部には合成樹脂成形品からなる回路基板70が保持される。回路基板70にはネオンランプからなる位置表示灯71および位置表示灯71の限流用の抵抗(図示せず)が実装される。また、回路基板70の後面であって反転ハンドル50の長手方向の一端部に対応する部位には導電部として一対の接触用導電パターン(図示せず)が形成されている。回路基板70の中央部には円形に開口した圧入孔74が形成され、反転ハンドル50に設けた筒部が圧入孔74に圧入されることによって、反転ハンドル50に回路基板70が固定されるようにしてある。この状態において位置表示灯71は反転ハンドル50の透孔52を通してプリズム63に対向するように配置される。回路基板70に実装した回路(位置表示灯71と抵抗との直列回路)の両端は各接触用導電パターンにそれぞれ接続される。
【0024】
各端子板45,46の連結片45c,46cには導電性の金属板からなる接触子47が固定される。各接触子47は、図4に示すように、連結片45c,46cの前面に重ねて取り付けられる取付片47aを備え、取付片47aの一方の側縁には連結片45c,46cの一方の側部を囲むように断面コ字状に形成された係止片47bが結合部として連続一体に設けられるとともに、取付片47bの他方の側縁には連結片45c,46cの他方の側面に沿って延長された挟み片47cが結合部として連続一体に設けられる。さらに、挟み片47cには連結片45c,46cの裏面側に係止される係止爪47dが切り起こしによって形成されている。
【0025】
したがって、図5に示すように、連結片45c,46cの一方の側縁に係止片47bを引っ掛けるようにし、連結片45c,46cの他方の側縁に係止爪47dを係止することによって、連結片45c,46cに接触子47を固定することができる。接触子47の取付片47aにおいて係止片47bおよび挟み片47cを設けていない一つの側縁からは、回路基板70に設けた接触用導電パターンに弾接する接触片47eも延設される。この接触片47eに適宜の弾性を付与することにより反転ハンドル50の揺動にかかわらず接触子47がつねに回路基板70に弾接することになる。
【0026】
取付片47aの残りの側縁には連結片45c,46cに重なるように延長された延設片47fが設けられる。なお、延設片47fは係止片47b寄りに設けられる。これは、係止爪47dには弾性があり、取付片47aの一方の側部では取付片47aと係止爪47dとの間で連結片45c,46cを挟持するから、連結片45c,46cに対する接触子47のがたつきが少ないのに対して、取付片47aの他方の側部では連結片45c,46cに係止片47bを引っ掛けているだけであって、より確実な固定構造を要するからである。
【0027】
図1に示すように、カバー20の内周面には押さえ片27が突設されており、ボディ10にカバー20を結合すると、押さえ片27の後端面と端子板45,46の連結片45c,46cとの間に延設片47fを挟持する。つまり、ボディ10とカバー20との結合によって延設片47fが端子板45,46とカバー20との間に挟持され、接触子47が確実に固定されるのである。
【0028】
上述したスイッチの動作を簡単に説明する。いま、図1のように操作ハンドル60の右端部が左端部よりも後方(図の下方)に位置するときには可動接点42aが固定接点41aに接触するようにしているものとする。このとき反転ばね44は中間部が両端部よりも左側に膨らんだ状態になり、反転ばね44によって可動接点42aが固定接点41aに押圧されて接点圧が付与される。一方、この状態から操作ハンドル60の左端部を後方に押すと、反転ばね44の前端部が右側に移動することにより反転ばね44は圧縮された後に急速に伸長して中間部が両端部よりも右側に膨らんだ状態になり、このとき開閉素子43を右側に倒して可動接点42bを固定接点41bに接触させる。つまり、反転ばね44bのばね力は反転ハンドル50を左回りに回転させる向きに作用し、可動接点42bを固定接点41bに接触させる接触圧が生じることになる。
【0029】
この種の3路スイッチは階段灯の点灯・消灯に用いられることが多く、階上と階下とにそれぞれ3路スイッチを配置することによって、階段灯の点灯・消灯とを階上と階下とのいずれにおいても操作可能とする用途が広くしられている。したがって、両固定接点31a,31bの間に位置表示灯71と抵抗との直列回路を挿入しておけば、階段灯の消灯時に位置表示灯71を点灯させることができ、暗がりでもスイッチの場所を容易に見つけることができるようになる。この種の回路の接続関係は周知であるから説明を省略する。
【0030】
ところで、上述した端子装置30a,30bに用いる端子板31,32は、電線の芯線が撚り線である場合にも対応可能となるように構成してある。具体的には、端子板32,45,46の主片32a,45a,46aにおいて鎖錠ばね33の鎖錠片33bの先端部付近において、鎖錠片33bが接触可能な部位であって電線挿入孔12を通して器体1に導入された電線が接触する部位の両側に一対の案内突部38を突設してある。両案内突部38は主片32a,45a,46aの幅方向に並ぶように配置されている。したがって、電線挿入孔12から芯線が撚り線である電線を導入した場合に、電線がばらばらに広がろうとしても案内突部38に乗り上げる形になって鎖錠片33bと案内突部38との間に電線が確実に挟持され、電線はできるだけ両案内突部38の間を通るように誘導される。要するに、電線が撚り線であってもばらばらに広がる可能性を低減することができる。さらに、案内突部38の位置が鎖錠片33bの先端部付近であることによって、電線が案内突部38に乗り上げた状態でも鎖錠片33bから比較的大きい接触圧を電線に作用させることができ、電線の電気的な接続を確実に確保することができる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1の発明は、一面に開口面を有したボディおよびボディの開口面側に結合されるカバーにより形成された器体と、カバーに揺動自在に設けたハンドルと、ボディに収納され電線が接続される複数個の端子板と、ボディに収納されハンドルの揺動に伴って端子板間の電路を開閉する接点装置と、ハンドルに取り付けられ電源と負荷との間に接点装置を挿入した電路が形成されているときに接点装置が開放された状態で電源から通電される位置表示灯と、少なくとも1つの端子板に一端部が固定され他端部が位置表示灯を実装した回路基板の導電部に弾接することにより端子板と位置表示灯とを電気的に接続する接触子とを備え、接触子が固定される端子板はボディの開口面に沿った連結片を備え、接触子の前記一端部が連結片のカバー側の表面に重なる取付片を備えるとともに、連結片の両側部に結合される結合部を取付片の両側縁に備え、さらに接触子の前記取付片において結合部を設けた側縁とは異なる周縁にカバーから突設された押さえ片と前記連結片との間に挟持される延設片が設けられているものであり、ボディに収納した端子板とカバーに設けた押さえ片との間で接触子に設けた延設片を挟持するから、接触子の端子板への取付作業を複雑にすることなく端子板に対する接触子の固定強度を従来構成よりも強固にして端子板に対する接触子のがたつきを防止することができるという利点がある。
【0032】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記取付片の一方の側縁に設けた結合部が前記連結片の一方の側部を囲む断面コ字状に形成された係止片であり、前記取付片の他方の側縁に設けた結合部が前記連結片の他方の側面に沿って延長された挟み片および挟み片を切り起こして形成され前記取付片の裏面側に係止される係止爪であることを特徴とするものであり、端子板の連結片に係止片を引っ掛けた状態で係止爪を連結片に係止するだけの簡単な作業で端子板に接触子を取り付けることができる。
【0033】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記ボディに3個の端子板が収納され、2個の端子板にそれぞれ保持された固定接点に選択的に接触する可動接点が残りの端子板に電気的に接続され、固定接点を保持する2個の端子板にそれぞれ前記接触子が固定されるものであり、3路スイッチの構成において、負荷への電源遮断時に点灯する位置表示灯を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】同上を示し、(a)は正面図、(b)は下面図、(c)は側面図である。
【図4】同上に用いる接触子を示す斜視図である。
【図5】同上の要部断面図である。
【図6】従来例を示す分解斜視図である。
【図7】同上に用いる端子板と接触子との関係を示し、(a)は分解斜視図、(b)は組立後の斜視図である。
【図8】同上に用いる端子板と接触子との関係を示し、(a)は分解斜視図、(b)は組立後の斜視図である。
【符号の説明】
1 器体
10 ボディ
20 カバー
27 押さえ片
32 端子板
40 接点装置
41a,41b 固定接点
42a,42b 可動接点
45,46 端子板
45c,46c 連結片
47 接触子
47a 取付片
47b 係止片
47c 挟み片
47d 係止爪
47f 延設片
50 反転ハンドル
60 操作ハンドル
70 回路基板
71 位置表示灯
Claims (3)
- 一面に開口面を有したボディおよびボディの開口面側に結合されるカバーにより形成された器体と、カバーに揺動自在に設けたハンドルと、ボディに収納され電線が接続される複数個の端子板と、ボディに収納されハンドルの揺動に伴って端子板間の電路を開閉する接点装置と、ハンドルに取り付けられ電源と負荷との間に接点装置を挿入した電路が形成されているときに接点装置が開放された状態で電源から通電される位置表示灯と、少なくとも1つの端子板に一端部が固定され他端部が位置表示灯を実装した回路基板の導電部に弾接することにより端子板と位置表示灯とを電気的に接続する接触子とを備え、接触子が固定される端子板はボディの開口面に沿った連結片を備え、接触子の前記一端部が連結片のカバー側の表面に重なる取付片を備えるとともに、連結片の両側部に結合される結合部を取付片の両側縁に備え、さらに接触子の前記取付片において結合部を設けた側縁とは異なる周縁にカバーから突設された押さえ片と前記連結片との間に挟持される延設片が設けられていることを特徴とするスイッチ。
- 前記取付片の一方の側縁に設けた結合部が前記連結片の一方の側部を囲む断面コ字状に形成された係止片であり、前記取付片の他方の側縁に設けた結合部が前記連結片の他方の側面に沿って延長された挟み片および挟み片を切り起こして形成され前記取付片の裏面側に係止される係止爪であることを特徴とする請求項1記載のスイッチ。
- 前記ボディに3個の端子板が収納され、2個の端子板にそれぞれ保持された固定接点に選択的に接触する可動接点が残りの端子板に電気的に接続され、固定接点を保持する2個の端子板にそれぞれ前記接触子が固定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスイッチ。
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