JP3847572B2 - 強誘電体メモリ装置の作動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、強誘電体メモリ装置をVDD/2モードで作動する方法であって、強誘電体メモリ装置は、多数のメモリセルを有しており、該メモリセルは、各々少なくとも1つの選択トランジスタ、上部及び下部に電極を有する蓄積容量及びソース−ドレイン−区間が蓄積容量に対して並列に接続された短絡トランジスタを有しており、短絡トランジスタは、メモリセルが、各々配属されたワード線及び各々配属された、プリチャージ期間でプリチャージされたビット線を介して制御される読み出し又は書き込み過程後、スタンバイ期間中制御され、その際、蓄積容量の電極は短絡される方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
その種の方法で作動される強誘電体メモリ装置は、ドイツ連邦共和国特許出願第19832994号公報(Siemens AG)から公知である。この公知方法を用いると、多数のメモリセルを有する強誘電体メモリが、VDD/2作動でリフレッシュサイクルなしに作動される。
【0003】
一般的に、その種の、集積回路として構成される非揮発性メモリでは、非励振(寄生)構成素子によって電極と強誘電蓄積容量との間に電圧差が生じる。蓄積容量の誘電体の分極及び電圧差の極性に応じて、蓄積容量は、誘電体の分極を強めたり、又は弱めたりする。
【0004】
従って、最悪の場合、メモリ装置の読み出しの際、データ損失に相応する情報の評価誤りが生じることがある。
【0005】
上述の刊行物に記載されたメモリ装置では、蓄積容量に対して並列に各メモリセル内に設けられた短絡トランジスタには、蓄積容量の上部又はトップ電極板とのメモリノードが接続されており、従って、メモリノードのジャンクションリーク電流が補償される。
【0006】
図1には、そのような短絡トランジスタが構成された、強誘電体メモリ装置の公知のメモリセルの断面略図が示されている。例として示した、このメモリセルでは、蓄積容量Cは、ビット線BLの下部に設けられている。蓄積容量Cは、上部プレート又はトップ電極TE及び下部プレート及びボトム電極BEを有している。蓄積容量Cの上部プレートTEと下部プレートBEとの間には、強誘電体D(例えば、PZT(ジルコン酸チタン酸鉛))が設けられている。半導体基板、例えば、P基板内には、n+導電型ゾーンが拡散されており、基板上には、n+導電型ゾーン間には、ワード線WL0,WL1,WL2,WL3等が設けられており、ワード線は、図1の断面図では、紙面に対して垂直に延在している。隣接ワード線(図1では、WL0とWL1との間;WL2とWL3との間)間に、n+導電型ゾーンのコモンノードCNが形成されている。短絡トランジスタSH、例えば、デプレッション型電界トランジスタは、ワード線WL2の下部に、下部キャパシタ電極BEと接続された各メモリノードSN間に設けられており、且つ、上部キャパシタ電極BEと接続された隣接n+領域に設けられている。相応の制御信号が供給された場合、短絡トランジスタSHは、上部キャパシタ電極TEを下部キャパシタ電極BEと接続し、即ち、両電極を短絡する。メモリ装置全体について考察すると、蓄積容量C全体の短絡により、ジャンクションリーク電流Ijct全体が補償される。
【0007】
図2を用いて、信号−時間ダイアグラムの形式で、上述の刊行物で提案されている、各メモリノードSNのジャンクションリーク電流Ijctを補償する強誘電体メモリ装置のVDD/2作動方法について説明する。
【0008】
蓄積器装置のスイッチオンの際、ワード線WLは全てゼロボルトとなる。先ず、その際、期間STB中、蓄積容量CのTEと接続可能又は接続されている蓄積容量C全てに共通の電極が電圧VDD/2、例えば、0.9ボルトに高められる。短絡トランジスタSHの印加電圧は、相応に強く負に選択されているので、この短絡トランジスタSHは、全ての蓄積容量Cに共通の電極がVDD/2に充電された場合にも導電される。従って、開始期間STB中、強誘電体蓄積容量全体の両電極が短絡される。その際、ジャンクションリーク電流Ijctの前述の補償が行われる。その際、従来技術の4Mメモリ装置では、スタンバイ電流
Istb1=222・Ijct+221・Ijct (1)
が流れる。
【0009】
式(1)では、第1の項は、メモリノードSNによって決められ、第2の項は、コモンノードCNによって決められる。
【0010】
256MDRAMテクノロジの典型的な値を前提とすると(Ijct=20fA)、スタンバイ電流のために、
Istb1=125nA
が得られる。
【0011】
蓄積容量Cを短絡する、この期間STBには、プリチャージステップPREが続き、その際、先ず、応動すべきBLは全てゼロボルトにされ、選択トランジスタは遮断される。プリチャージステップPRE後、選択すべきメモリセル、例えば、図1に示されたメモリノードSNにアクセスすることができる。相応のワード線WL、つまり、図1の実施例では、ワード線WL1が、ゼロボルトから全給電電圧VDD以上に充電されるようにすることによって、所望の強誘電体蓄積容量Cは、相応のビット線と接続されている。応動するBLは、プリチャージステップPREによって0Vにプリチャージされることにより、シフト電流が強誘電体キャパシタCを流れ、選択された強誘電体蓄積容量と所属のビット線との間の電荷が補償される。このステップは、図2には、ステップREADによって示されている。しかし、このステップが行われる前に、選択された強誘電体蓄積容量Cを短絡する短絡トランジスタのゲートを遮断する必要がある。これは、短絡トランジスタSHに相応するワード線、つまり、図1の実施例では、ワード線WL2の負の電位によって行われる。この負の電位によって、所望のデプレッション型電界効果トランジスタだけが遮断される。同様にワード線WL2と接続されたエンハンスメント型電界効果トランジスタは、既にスタンバイ電位によってプリステップで遮断されており、負の電位によって更に高抵抗にされるにすぎない。
【0012】
読み出し信号READの評価及び当該信号の、ステップSENSEでの増幅後、選択されたワード線、つまり、例えば、WL1が再度ゼロボルトに放電され、つまり、選択されたメモリセルが再度ビット線BLから切り離される。強誘電体蓄積容量Cの各電極を再度短絡するために、短絡トランジスタSHに相応するワード線WL2をゼロボルトに放電することによって、短絡トランジスタSHがスイッチオンされる。更に、ワード線WL1がゼロボルトに放電されて、選択されたメモリセルが再度ビット線BLから切り離される。図1に示されているように、リーク電流Ijctの他にサブスレッショルドリーク電流Isth(ジャンクションリーク電流Ijctよりも僅かではあるが)もプリチャージ期間PRE中に流れる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、強誘電体メモリ装置のスタンバイ中流れる全スタンバイ電流を低減することができる方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、この課題は、強誘電体メモリ装置をVDD/2モードで作動する方法であって、強誘電体メモリ装置は、多数のメモリセルを有しており、該メモリセルは、各々少なくとも1つの選択トランジスタ、上部及び下部に電極を有する蓄積容量及びソース−ドレイン−区間が蓄積容量に対して並列に接続された短絡トランジスタを有しており、短絡トランジスタは、メモリセルが、各々配属されたワード線及び各々配属された、プリチャージ期間でプリチャージされたビット線を介して制御される読み出し又は書き込み過程後、スタンバイ期間中制御され、その際、蓄積容量の電極は短絡される方法において、スタンバイ期間を、時間的にプリチャージ期間と一緒にし、その際、ビット線は、蓄積容量の両電極とは別の電位を有するようにし、時間的にプリチャージ期間と一緒にしたスタンバイ期間中、サブスレッショルドリーク電流Isth及びジャンクションリーク電流Ijctからなる全スタンバイ電流を低減し、メモリセルの選択後、当該の選択されたメモリセルの相応の短絡トランジスタの制御期間を、負の電位によって、各短絡トランジスタの相応のワード線で終端するようにすることにより解決される。
【0015】
本発明によって提案された方法ステップでは、VDD/2作動方式で作動する強誘電体メモリは、既述の短絡トランジスタを用いてリーク電流が補償されていて、この強誘電体メモリが、スレッショルドリーク電流Isthを補償するのにも使用される。
【0016】
【発明の実施の形態】
有利な実施例は、従属請求項に記載されている。
【0017】
本発明の方法は、技術的意味の点で、ヒステリシス特性を有する他の形式のメモリにも使用することができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の方法について、本発明による新規なタイミングを示す図3に図示の信号時間ダイヤグラムを用いて詳細に説明する。図3によると、ステップSTB(強誘電体蓄積容量が短絡トランジスタによって短絡されている)は、時間的にプリチャージステップPREと統合されており、その際、ビット線BLは、蓄積容量Cの上部及び下部の電極TE及びBEとは別の電位を有している。それにより、別個のスタンバイステップSTBをなくすことができる。メモリセルの制御サイクル中の別の時間経過は、図1及び図2を用いて既に説明したような従来技術と同様である。
【0019】
本発明の方法を実施可能な、強誘電体メモリ装置のメモリアレイの構造は、冒頭で挙げた刊行物に開示されているのと同様であり、制御インターフェースを本発明のタイミングの仕様に適合しさえすればよい。
【0020】
プリチャージステップと時間的に一致したSTBステップの間、サブスレショールド電流Isthが遮断状態の各選択又はアレイトランジスタを流れるが、スタンバイ電流は全て低減されている。と言うのは、Isthは、Ijctよりもずっと小さいからである(例えば、4Mメモリ装置とすると30%である)。
【0021】
アクセス時間は、図2のSTB期間の時間だけ減少する。以下の式(2)により、本発明の方法によって可能となる全スタンバイ電流が与えられる。
【0022】
Istb2=222・Ijct+222・Isth (2)
ここでも、典型的な値である256MDRAMテクノロジを前提とすると、全スタンバイ電流は、
Istb2=85nA
によって得られる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によると、従来技術で補償用に使用されているSTB期間を時間経過中回避することができるので、全スタンバイ電流を低減することができる(4Mメモリ装置で30%)他に、メモリ装置の作動速度を速くすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 公知のメモリセルの断面略図
【図2】 強誘電体メモリ装置の信号−時間ダイアグラム
【図3】 本発明による新規なタイミングの信号時間ダイヤグラム
【符号の説明】
C 蓄積容量
BL ビット線
TE 上部プレート
BE 下部プレート
D 強誘電体
WL0,WL1,WL2,WL3 ワード線
CN コモンノード
SH 短絡トランジスタ
PRE プリチャージステップ
SN メモリノード
STB スタンバイステップ
Claims (5)
- 強誘電体メモリ装置をVDD/2モードで作動する方法であって、前記強誘電体メモリ装置は、多数のメモリセルを有しており、該メモリセルは、各々少なくとも1つの選択トランジスタ、上部及び下部に電極(BE,TE)を有する蓄積容量(C)及びソース−ドレイン−区間が前記蓄積容量(C)に対して並列に接続された短絡トランジスタ(SH)を有しており、前記短絡トランジスタ(SH)は、メモリセルが、各々配属されたワード線(WL0,WL1,・・・)及び各々配属された、プリチャージ期間(PRE)でプリチャージされたビット線(BL)を介して制御される読み出し又は書き込み過程後、スタンバイ期間(STB)中制御され、その際、前記蓄積容量(C)の電極(BE,TE)は短絡される方法において、
スタンバイ期間(STB)を、時間的にプリチャージ期間(PRE)と一緒にし、その際、ビット線(BL)は、蓄積容量(C)の両電極(BE,TE)とは別の電位を有するようにし、前記時間的にプリチャージ期間(PRE)と一緒にした前記スタンバイ期間(STB)中、サブスレッショルドリーク電流Isth及びジャンクションリーク電流Ijctからなる全スタンバイ電流を低減し、メモリセルの選択後、当該の選択されたメモリセルの相応の短絡トランジスタ(SH)の制御期間を、負の電位によって、各短絡トランジスタ(SH)(例えば、WL2)の相応のワード線で終端することを特徴とする方法。 - 選択されたメモリセルでの強誘電体蓄積容量(C)の電極(BE,TE)の短絡の再形成のために、相応の短絡トランジスタ(SH)と接続されたワード線(WL2)を、再度ゼロボルトに放電する請求項1記載の強誘電体メモリ装置を作動する方法。
- 全ての強誘電体蓄積容量(C)の上部電極を、全電極線路と接続又は接続可能である請求項1又は2記載の強誘電体メモリ装置を作動する方法。
- 短絡トランジスタ(SH)のソース及びドレインを、各々共通の電極に接続可能である請求項1から3迄の何れか1記載の強誘電体メモリ装置を作動する方法。
- 請求項1から5迄の何れか1記載の方法を使用するのに適したヒステリシス特性を有するメモリ装置、例えば、強誘電体メモリ装置。
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