JP3845926B2 - 高刈り制御を備えたコンバイン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高刈り制御を備えたコンバインに関し、農業機械の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からコンバインは、穀稈の長短に対応するために扱深さの自動制御装置が備えられ、脱穀装置のフィ−ドチエン始端部に、稈身方向に受渡し位置を変更調節しながら、扱胴と穀稈穂部との扱ぎ位置を脱穀効率の高い位置に合わせる構成となっていた。そして、コンバインの刈取前処理装置は、安全確保のために、走行車体に対して上方に回動して非作業位置に達すると、脱穀装置のフィ−ドチエンと共に伝動が自動的に中断する伝動自動停止装置を設けた構成になっていた。
【0003】
このような従来型のコンバインは、畦際(枕地)における刈取脱穀作業を行うことは難しく、ほとんどの場合、作業者の手刈り作業に依存していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の刈取前処理装置に装備されている扱深さ調節チエンは、刈り取られて搬送されてきた穀稈丈を扱深さセンサ−で検出して、その検出結果に基づいて扱深さ制御が行われている。この構成は、通常の作業状態には充分に対応でき、調節範囲(調節距離)も穀稈丈に対応できて正確な受継搬送により刈取脱穀作業が行われている。
【0005】
しかしながら、従来の扱深さ制御装置は、一つの扱深さ調節チエンを穀稈丈に応じて制御調節しながら作業を行う構成であるから、必然的に調節範囲(調節距離)が限定され、例えば、コンバインが畦際に達して枕地の刈取に移ると、適確な扱深さ制御ができない問題がある。すなわち、コンバインは、畦際に達して枕地の刈取に移ると、刈取前処理装置を順次上昇させて圃場面より高く盛り上がっている畦に分草杆を衝突させないために、高刈りに移行するため必然的に穀稈丈が極端に短くなる。
【0006】
このように、従来の扱深さ制御装置は、穀稈を高刈りして刈取穀稈丈が極端に短稈になると、調節距離が不足して対応できない課題があった。
また、刈取前処理装置は、所定高さに達すると安全確保のために、伝動が自動的に停止する制御装置を組み込んでいるから、上述した畦際の刈取にあたって上昇しても伝動が停止しないように伝動自動停止の制御を、予め、OFFにして枕地の高刈り作業を行なわねばならない課題も併せて問題点となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するために次の如き技術手段を講ずるものである。すなわち、脱穀装置が搭載された走行車体の前部に、刈取前処理装置が上下昇降自由に設けられ、前記刈取前処理装置は、下部の通常作業位置から上昇作動によって上部の非作業位置に達すると、少なくとも前記刈取前処理装置の伝動が中断される自動停止手段が組み込まれ、前記刈取前処理装置には、扱深さ調節装置と供給調節装置とが備えられて、それぞれ制御調節用のアクチュエ−タに接続させて設けられ、前記刈取前処理装置には、高さ位置を検出する位置検出手段と、搬送経路における搬送穀稈の有無を検出する有無検出手段と、更に、穀稈丈を検出する稈長検出手段とが備えられ、前記各検出手段からの検出情報に基づいて前記自動停止手段及び制御調節用のアクチュエ−タを作動させる制御手段が設けられたコンバインの伝動自動停止装置及び扱深さ制御装置であって、前記下部の通常作業位置から上部の非作業位置に達する間の高さ位置において高刈り作業を可能に構成し、この高刈り作業時には、刈取作業とそれに伴う供給調節とを可能に構成し、穀稈の長さが所定長さよりも長い場合には、前記扱深さ調節装置で扱ぎ深さを調節する構成とし、穀稈の長さが所定長さよりも短い場合には、前記扱深さ調節装置を最も深扱ぎ状態になるように制御すると共に、前記供給調節装置も最も深扱ぎ状態になるように制御する構成とし、前記穀稈丈を検出する稈長検出手段は、刈取前処理装置の穀稈引起し装置の裏側に設ける構成とし、さらに、一工程の作業終了後に前記扱深さ調節装置と供給調節装置とを浅扱ぎ位置に復帰させる構成とし、前記刈取前処理装置は、高刈り作業位置よりも上昇して非作業位置になると、前記位置検出手段の信号に基づいて自動停止手段を作動させて刈取前処理装置の伝動を中断する構成とし、このように刈取前処理装置の伝動が中断されると、一旦、刈取前処理装置を高刈り作業位置まで下降させて刈取前処理装置の駆動を再開させ、刈取前処理装置の駆動再開後、再び、刈取前処理装置が非作業位置になると、刈取前処理装置の伝動を中断するように構成したことを特徴とする高刈り制御を備えたコンバインとしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
まず、その構成について述べる。
走行車体2は、ゴム材を素材として成型したクロ−ラ8を駆動スプロケット9と複数の遊動転輪10とに巻回し、乾田はもちろんのこと、湿田においても沈下しないで走行できる構成としている。そして、脱穀装置1は、フィ−ドチエン11を有し、上側に扱胴12を軸架した扱室13を配置し下側に選別室を設け、供給された刈取穀稈を脱穀選別する構成として走行車体2上に搭載している。
【0009】
そして、補助搬送装置14は、フィ−ドチエン11の内側に沿わせて設け、始端部をフィ−ドチエン11から伝動される伝動スプロケット15に巻回し終端部を扱室13への供給口の近くまで延長して設け、後述する供給調節装置6から受け継いだ穀稈をフィ−ドチエン11と共同して、又は、単独で扱室13へ供給する構成としている。
【0010】
つぎに、刈取前処理装置3は、図6に示すように、走行車体2の前部に設けた支持台16に、前方下方へ延長した刈取フレ−ム17の後部を上下に回動自由に枢着して、この刈取フレ−ム17に刈取装置18や後述の各穀稈搬送装置を装着して構成している。すなわち、刈取前処理装置3は、前端下部に分草杆19を、その背後に傾斜状にした穀稈引起し装置20を、その後方低部には刈取装置18を、更に、その刈取装置18と前述のフィ−ドチエン11及び補助搬送装置14の始端部との間に、掻込搬送装置21と、前部搬送装置22と、扱深さ調節装置5と、供給調節装置6とを順次穀稈の受継搬送ができるように配置して前述の刈取フレ−ム17に取り付けて伝動可能に構成している。
【0011】
まず、掻込搬送装置21は、図6乃至図8に示すように、下部の掻込輪体21aと上部の掻込無端帯21bとからなり、各刈取穀稈条列ごとに前記刈取装置18の上方に設け、穀稈を後方へ掻込搬送する構成としている。前部搬送装置22は、株元搬送チエン22aと穂先搬送ラグ22bとからなり、その始端部を前記掻込搬送装置21の終端部に受継可能に臨ませ、多条の刈取穀稈を後方上方へ搬送して終端部分において左右の搬送穀稈を合流する構成としている。
【0012】
なお、実施例に示す前記穂先搬送ラグ22bは、進行方向に向かって前部の右側からフィ−ドチエン11の始端部側に平面視において傾斜して設けた一方側を刈取前処理装置3の後部まで延長して設け、連続状態で穀稈穂部を搬送する構成としている。
つぎに、扱深さ調節装置5は、図4及び図6に示すように、従来から公知のように搬送チエンと挾持杆とからなり、始端部を前記前部搬送装置22の終端部に搬送穀稈の株元を受継可能に臨ませて設け、後方上方に延長して終端部を後述する供給調節装置6の始端部に臨ませて設けている。そして、扱深さ調節装置5は、始端部を刈取フレ−ム17に枢着して終端側が搬送穀稈の稈身方向に沿って上下に揺動する構成としている。扱深さ制御モ−タ−M1(アクチュエ−タM1に相当する。以下同じ)は、実施例にあっては前記扱深さ調節装置5の近傍位置で上側に装備しており、連杆23を介してその扱深さ調節装置5に連動可能に連結して設け、後述するコントロ−ラ7(制御手段7に相当する。以下同じ)から出力される操作信号に基づいて駆動され、扱深さ制御を行う構成としている。
【0013】
つぎに、供給調節装置6は、図5乃至図7に示すように、供給チエン24と挾持杆25とによって穀稈を挾持して搬送するように設け、扱深さ調節装置5の終端部から受け継いだ穀稈を補助搬送装置14(フィ−ドチエン11)の始端部に受け渡して供給調節を行う構成としている。
具体的に説明すると、供給調節装置6は、図5に示すように、前述の刈取フレ−ム17の基部から補助搬送装置14(フィ−ドチエン11)側へ位置している一体の伝動ボックス26の上面に軸架した駆動スプロケット27と、供給チエン24の搬送側を内面から案内する可動チエンレ−ル28に軸架した転輪29と、それらより前側に位置してテンション機能を持つテンションロ−ラ30とに供給チエン24を巻回して構成している。
【0014】
そして、可動チエンレ−ル28は、上述のとおり供給チエン24の搬送側を内面から案内するもので、前記伝動ボックス26から斜め前方側に突出して延長した固定の支持ア−ム31の前部に回動自由に支持して設け、先端部の前記転輪29側が、補助搬送装置14の始端部に対して遠近移動できる構成としている。更に、テンションロ−ラ30は、前記支持ア−ム31の中間部に固着した固定機枠32から延長したテンションア−ム33に軸着して設け、テンションスプリング34によって外側(チエン24を張る方向)に張圧して構成している。
【0015】
そして、供給制御モ−タ−M2(アクチュエ−タM2に相当する。以下同じ)は、供給チエン24の下方において、一方側を刈取フレ−ム17側に固着し、他方側を前記した固定機枠32に取り付けて装備し、ロット35を介して前記可動チエンレ−ル28に連結して設け、コントロ−ラ7(制御手段7に相当する。以下同じ)から出力される操作信号に基づいて駆動され、供給調節制御を行う構成としている。
【0016】
以上のように、供給制御モ−タ−M2は、図5乃至図7に示すように、前述の扱深さ制御モ−タ−M1と接近した位置に配置され、図6で明らかなように、その上方には後方まで延長されている穂先搬送ラグ22bのケ−スが位置した関係になっている。
そして、挾持杆25は、図5に示すように、供給調節が行われる供給チエン24の穀稈搬送面に常時沿って張圧状態で搬送穀稈を挾持できるように、前後2つの張圧ばね36a、張圧ばね36bとによって張圧させて構成している。そして、後側の張圧ばね36bは、前側の張圧ばね36aより張圧ストロ−クを長くして挾持杆25の調節距離が長く取れるようにして、チエン24後部の移動に充分追従できる構成としている。
【0017】
以上のように構成した刈取前処理装置3は、油圧装置によって伸縮する刈取昇降シリンダ−37によって、図10に示すように、下部の通常の作業位置aと上部の非作業位置bとの間を昇降する構成とし、中間位置を高刈り位置cとしている。
そして、刈取前処理装置3は、図3の概略図のように、走行ミッション装置38の刈取動力取出プ−リ−39から刈取クラッチ装置40を介して伝動される構成としている。41は刈取クラッチレバ−である。
【0018】
そして、自動停止手段4は、自動操作モ−タ−M3によって後述するコントロ−ラ7から出力される操作信号に基づいて、前記刈取クラッチ装置40を切にする構成としている。
つぎに各検出手段と、マイクロコンピュ−タ−を利用したコントロ−ラ7(制御手段7)について、主として図1及び図4に基づいて説明する。
【0019】
まず、位置検出センサS1(位置検出手段、以下同じ)は、ポテンショメ−タ−を利用して刈取フレ−ム17の回動角度を検出して刈取前処理装置3の高さ位置を計測できるように刈取フレ−ム17の基部に設けている。前部穀稈センサS2−1と後部穀稈センサs2−2(穀稈の有無検出手段、以下同じ)は、穀稈引起し装置20の裏側の低位置と、後方まで延長させた穂先搬送ラグ22bのカバ−下側位置とにそれぞれ設け、搬送経路の始端部分と終端部分とにおいて、搬送穀稈の有無を検出する構成としている。
【0020】
そして、稈長検出センサS3(稈長検出手段、以下同じ)は、前記穀稈引起し装置20の裏側の比較的高い位置に設け、搬送穀稈の稈長を検出できる構成としている。そして、穂先センサS4と株元センサS5(稈長検出手段、以下同じ)は、前述した後方まで延長させた穂先搬送ラグ22bのカバ−上方に位置する連結機枠42から穀稈の搬送通路に垂下して設け、搬送中の穀稈丈を検出する構成としている。
【0021】
つぎに、コントロ−ラ7は、マイクロコンピュ−タ−を利用した制御手段であって、基本的には入力側に各センサ類を接続して検出情報を入力し、予め設定記憶させている情報と各センサからの入力情報に基づいて、出力側に接続している各モ−タ−M1、M2、M3の作動を制御しながら、伝動自動停止制御、扱深さ制御、高刈り制御を行う構成となっている。
【0022】
すなわち、コントロ−ラ7は、入力側に位置検出センサS1、前部穀稈センサS2−1と後部穀稈センサs2−2、稈長検出センサS3、穂先センサS4と株元センサS5、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラッチセンサS7、車速センサS8をそれぞれ接続している。そして、コントロ−ラ7は、出力側に扱深さ制御モ−タ−M1、供給制御モ−タ−M2、自動停止モ−タ−M3を接続している。
【0023】
そして、扱深さ制御モ−タ−M1は、稈長検出センサS3、穂先センサS4と株元センサS5の検出情報に基づいて制御され、基本的には穀稈穂部の先端が穂先センサS4と株元センサS5との間を通過する位置をニュ−トラルゾ−ンとして最適の扱深さ位置と判断する構成としている。
そして、供給制御モ−タ−M2は、前部穀稈センサS2−1と稈長検出センサS3との検出情報に基づいて制御され、前部穀稈センサS2−1が検出状態にあって稈長検出センサ−S3が非検出状態になると、制御作動して供給調節装置6を深扱ぎ側に調節する構成としている。
【0024】
なお、具体的な作動は、図2のフロ−チャ−とに基づいて作用の項で述べる。
つぎにその作用について説明する。
まず、エンジンを始動して、刈取クラッチ装置40や脱穀クラッチ装置を入り操作して機体の回転各部を伝動しながら、走行車体2を前進走行に操作すると、コントロ−ラ7は、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラッチセンサS7、車速センサS8からそれぞれ作業開始の信号が入力されて立ち上がり、制御作動を開始する。
【0025】
このようにしてコンバインが刈取脱穀作業を開始すると、圃場の穀稈は、前端下部にある分草杆19によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置20の引起し作用によって倒伏状態から直立状態に引き起こされ、株元が刈取装置18に達して刈り取られ、掻込輪体21aと掻込無端帯21bとの作用を受けて掻込まれ前部搬送装置22に受け継がれて順次連続状態で後部上方に搬送される。
【0026】
そして、穀稈は、多数の条列が集められて左右の前部搬送装置22によって搬送されて後部で合流し、扱深さ調節装置5から供給調節装置6に順次連続状態で受け継がれ、フィ−ドチエン11の始端部に達して脱穀装置1に供給される。
そして、穀稈は、株元がフィ−ドチエン11に挾持された状態で搬送されながら、穂先部分が扱室13内に挿入されて通過する過程で、回転されている扱胴12によって脱穀される。そして、脱穀処理物は、下方の選別室に達して選別風と揺動選別装置の作用を受けて選別処理されるものである。
【0027】
以上のように、コンバインは、連続的に刈取脱穀作業を行い、脱穀選別した穀粒を収穫してグレンタンクに収集貯留する。
さて、上述のように、連続的に刈取脱穀作業が行われているとき、刈取前処理装置3は、下部の通常作業位置aの高さに保持されており、その位置が位置検出センサS1からコントロ−ラ7に入力されている。そして、前部穀稈センサS2−1及び後部穀稈センサS2−2からそれぞれ搬送穀稈が検出されて入力されている。また、稈長検出センサS3は、穀稈丈を検出して入力している。
【0028】
そして、扱深さ調節装置5は、穂先センサS4と株元センサS5からの検出情報がコントロ−ラ24に入力され、それに基づいてコントロ−ラ7から出力される操作信号によって扱深さ制御モ−タ−M1が制御作動され、連杆23を介して自動的に扱深さが調節されている。この場合、コントロ−ラ7は、搬送穀稈の穂先位置が穂先センサS4と株元センサM5との間を通過する位置が最も適する扱深さの位置と判断し、その位置に扱深さ調節装置5の調節位置を合わせるように調節制御している。
【0029】
つぎに、走行車体2は、圃場の畦際に達して枕地の刈取移ると、分草杆19の先端を、圃場の端に隆起している畦に衝突させないために、刈取昇降シリンダ−37を伸長して刈取前処理装置3を、図10に示すように、上昇しながら穀稈の高刈作業に移る。
以下、高刈り制御について、図2のフロ−チャ−トを参照しながら説明する。
【0030】
まず、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラッチセンサS7及び車速センサS8がそれぞれONの状態(作業中)で、刈取前処理装置3を上昇して高刈り位置cにして枕地の刈取に移る。このとき、コントロ−ラ7は、位置検出センサS1と、前部穀稈センサS2−1から刈取前処理装置3の位置(高刈り位置c)と穀稈が送り込まれた検出情報が入力されている。
【0031】
そして、コントロ−ラ7は、稈長検出センサS3が送り込まれてきた穀稈を検出して検出情報を入力すると、基準値(60cm)より長い穀稈丈と判断して扱深さ調節装置5のみの制御となり、非検出情報を入力すると、基準値(60cm)より短い穀稈丈と判断して扱深さ調節装置5と供給調節装置6との両装置による制御を同時に行う。
【0032】
まず、コントロ−ラ7は、稈長検出センサS3から検出情報が入力されると、実施例においては、出力1、5/sec扱深さ制御モ−タ−M1を深扱ぎ側へ制御して扱深さ調節装置5を約15cm深扱ぎ側に調節して作業を行う。
以上の制御作動によって高い刈取作業を行い、後部穀稈センサS2−2が穀稈がなくなったことを検出して終了する。その後、扱深さ調節装置5は、オフディレ−が働き所定時間遅れで約12cm浅扱ぎ側へ戻してリタ−ンとなる。
【0033】
一方、穀稈丈が極端に短く、上部が稈長検出センサS3に届かない状態で非検出情報をコントロ−ラ7に入力すると、コントロ−ラ7は、扱深さ調節装置5と供給調節装置6とを最も深扱ぎ位置に調節する信号をそれぞれ扱深さ制御モ−タ−M1と供給制御モ−タ−M2に出力して制御する。したがって、扱深さ調節装置5と供給調節装置6とは、最も深扱ぎの位置に制御され極端に短い穀稈を脱穀装置1に供給する。
【0034】
この場合、調節制御された供給調節装置6は、扱深さ調節装置5の終端部から大幅に深扱ぎ側に調節されている極く短い穀稈を受け継いで、更に、深扱ぎ側に調節して補助搬送装置14とフィ−ドチェン11に供給するが、このとき、株元がフィ−ドチエン11の挾持位置に届かない短い穀稈は、補助搬送装置14によって搬送され、そのまま供給側から扱室13に全稈が投入される。又、この場合、株元がフィ−ドチェン11の挾持位置まで届いたわずかな穀稈は、フィ−ドチェン11に挾持されて搬送されるが、途中、穂先側が回転している扱胴12に達すると、その回転力によって扱室13内に引き込まれ全稈投入の状態になるものが多い。そして、穀稈は、極く短稈の場合少量ではあるが、フィ−ドチェン11によって確実に挾持されているものだけが挾持状態のままで脱穀処理作用を受け、排藁部に達する。
【0035】
なお、刈取前処理装置3は、図2に示すフロ−チャ−トのように、高刈り位置cより更に上昇して非作業位置bに達し、位置検出センサS1の信号に基づいてコントロ−ラ7から自動停止手段4を作動させて伝動を中断したときには若干の下降操作によって停止状態を解除して、再度やり直しを行う。
以上のようにして刈取脱穀作業の一工程が終了すると、コントロ−ラ7は、後部穀稈センサS2−2が穀稈がなくなったことを検出することにより終了と判断し、一定の時間遅れのもとに、扱深さ調節装置5と供給調節装置6とを浅扱ぎ位置に復帰させる。この場合、扱深さ調節装置5は、調節前の扱ぎ位置に復帰するのを原則とするが、再スタ−トは一般的には若干深扱ぎ位置から行い得るよう深い側に戻しておく。供給調節装置6は、正規の待機位置に復帰させる。
【0036】
なお、扱深さ調節装置5と供給調節装置6は、制御作動後の元に戻す場合の復帰タイミングや復帰位置は、予め設定し基準情報としてコントロ−ラ7に入力しておくもとする。
上述した実施例における説明中に記載した数値は、一実施例を示すものであって、権利範囲を限定するものではない。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、脱穀装置が搭載された走行車体の前部に、刈取前処理装置が上下昇降自由に設けられ、前記刈取前処理装置は、下部の通常作業位置から上昇作動によって上部の非作業位置に達すると、少なくとも前記刈取前処理装置の伝動が中断される自動停止手段が組み込まれ、前記刈取前処理装置には、扱深さ調節装置と供給調節装置とが備えられて、それぞれ制御調節用のアクチュエ−タに接続させて設けられ、前記刈取前処理装置には、高さ位置を検出する位置検出手段と、搬送経路における搬送穀稈の有無を検出する有無検出手段と、更に、穀稈丈を検出する稈長検出手段とが備えられ、前記各検出手段からの検出情報に基づいて前記自動停止手段及び制御調節用のアクチュエ−タを作動させる制御手段が設けられたコンバインの伝動自動停止装置及び扱深さ制御装置であって、前記下部の通常作業位置から上部の非作業位置に達する間の高さ位置において高刈り作業を可能に構成し、この高刈り作業時には、刈取作業とそれに伴う供給調節とを可能に構成し、穀稈の長さが所定長さよりも長い場合には、前記扱深さ調節装置で扱ぎ深さを調節する構成とし、穀稈の長さが所定長さよりも短い場合には、前記扱深さ調節装置を最も深扱ぎ状態になるように制御すると共に、前記供給調節装置も最も深扱ぎ状態になるように制御する構成とし、前記穀稈丈を検出する稈長検出手段は、刈取前処理装置の穀稈引起し装置の裏側に設ける構成とし、さらに、一工程の作業終了後に前記扱深さ調節装置と供給調節装置とを浅扱ぎ位置に復帰させる構成とし、前記刈取前処理装置は、高刈り作業位置よりも上昇して非作業位置になると、前記位置検出手段の信号に基づいて自動停止手段を作動させて刈取前処理装置の伝動を中断する構成とし、このように刈取前処理装置の伝動が中断されると、一旦、刈取前処理装置を高刈り作業位置まで下降させて刈取前処理装置の駆動を再開させ、刈取前処理装置の駆動再開後、再び、刈取前処理装置が非作業位置になると、刈取前処理装置の伝動を中断するようにしたものであるから、刈取前処理装置は、所定高さ以上に上昇すると、脱穀装置の一部と刈取前処理装置との伝動を自動停止して、安全を確保できる構成でありながら、畦際における枕地の刈取に際しては、刈取前処理装置を上昇して穀稈の高刈りを行うことができ、そのとき刈取穀稈丈が極端に短稈になっても、脱穀装置への供給調節距離を充分に確保できて扱深さの面でも対応できる高刈り制御を可能にした特徴を有するものである。そして、穀稈の長さが所定長さよりも短い場合には、扱深さ調節装置を最も深扱ぎ状態になるように制御し、さらに、供給調節装置も最も深扱ぎ状態になるように制御するので、穀稈の長さが極端に短い超短稈であっても、扱ぎ残しを防止できるようになる。
また、植立穀稈の高さ等により、非作業位置との境界付近で高刈り作業を行なうことがあるが、このような場合には刈取前処理装置の高さ調節が難しい状態であり、刈取前処理装置を非作業位置に突入させてしまって伝動を止めてしまうことがある。このような場合でも、一旦、刈取前処理装置を自動で高刈り作業位置まで下降させて刈取前処理装置の駆動を再開させることで、高刈り作業の能率低下を防止できるようになる。
このように、刈取前処理装置が非作業位置になっても、再度のやり直しの機会を運転者に与えることで、微調整が必要な高刈り作業を能率良く実行できるようになる。
また、実際に刈取作業を中断したい場合には、再び刈取前処理装置を上昇さればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例であって、制御構成のブロック図である。
【図2】 本発明の実施例であって、制御作動のフロ−チャ−トである。
【図3】 本発明の実施例であって、自動停止機構の概略図である。
【図4】 本発明の実施例であって、側面図である。
【図5】 本発明の実施例であって、平面図である。
【図6】 本発明の実施例であって、側面図である。
【図7】 本発明の実施例であって、平面図である。
【図8】 本発明の実施例であって、平面図である。
【図9】 本発明の実施例であって、側面図である。
【図10】 本発明の実施例であって、説明用の作用図である。
【符号の説明】
1 脱穀装置 2 走行車体 3 刈取前処理装置
4 自動停止手段 5 扱深さ調節装置 6 供給調節装置
7 制御手段 20 穀稈引起し装置
a 通常作業位置 b 非作業位置
c 高刈り位置 M1、M2 アクチュエ−タ
S1 位置検出手段 S2 有無検出手段(搬送穀稈)
S3、S4、S5 稈長検出手段。

Claims (1)

  1. 脱穀装置が搭載された走行車体の前部に、刈取前処理装置が上下昇降自由に設けられ、前記刈取前処理装置は、下部の通常作業位置から上昇作動によって上部の非作業位置に達すると、少なくとも前記刈取前処理装置の伝動が中断される自動停止手段が組み込まれ、前記刈取前処理装置には、扱深さ調節装置と供給調節装置とが備えられて、それぞれ制御調節用のアクチュエ−タに接続させて設けられ、前記刈取前処理装置には、高さ位置を検出する位置検出手段と、搬送経路における搬送穀稈の有無を検出する有無検出手段と、更に、穀稈丈を検出する稈長検出手段とが備えられ、前記各検出手段からの検出情報に基づいて前記自動停止手段及び制御調節用のアクチュエ−タを作動させる制御手段が設けられたコンバインの伝動自動停止装置及び扱深さ制御装置であって、前記下部の通常作業位置から上部の非作業位置に達する間の高さ位置において高刈り作業を可能に構成し、この高刈り作業時には、刈取作業とそれに伴う供給調節とを可能に構成し、穀稈の長さが所定長さよりも長い場合には、前記扱深さ調節装置で扱ぎ深さを調節する構成とし、穀稈の長さが所定長さよりも短い場合には、前記扱深さ調節装置を最も深扱ぎ状態になるように制御すると共に、前記供給調節装置も最も深扱ぎ状態になるように制御する構成とし、前記穀稈丈を検出する稈長検出手段は、刈取前処理装置の穀稈引起し装置の裏側に設ける構成とし、さらに、一工程の作業終了後に前記扱深さ調節装置と供給調節装置とを浅扱ぎ位置に復帰させる構成とし、前記刈取前処理装置は、高刈り作業位置よりも上昇して非作業位置になると、前記位置検出手段の信号に基づいて自動停止手段を作動させて刈取前処理装置の伝動を中断する構成とし、このように刈取前処理装置の伝動が中断されると、一旦、刈取前処理装置を高刈り作業位置まで下降させて刈取前処理装置の駆動を再開させ、刈取前処理装置の駆動再開後、再び、刈取前処理装置が非作業位置になると、刈取前処理装置の伝動を中断するように構成したことを特徴とする高刈り制御を備えたコンバイン。
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