JPH10178868A - 高刈り制御を備えたコンバイン - Google Patents

高刈り制御を備えたコンバイン

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JPH10178868A
JPH10178868A JP34946596A JP34946596A JPH10178868A JP H10178868 A JPH10178868 A JP H10178868A JP 34946596 A JP34946596 A JP 34946596A JP 34946596 A JP34946596 A JP 34946596A JP H10178868 A JPH10178868 A JP H10178868A
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culm
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清 飯泉
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 脱穀装置への供給調節距離を充分に確保でき
て扱深さの面でも対応できる高刈り制御を可能とする。 【解決手段】 刈取前処理装置には、それぞれ制御調節
用のアクチュエ−タM1、M2に連結した扱深さ調節装置
と供給調節装置とを設け、更に、前記刈取前処理装置に
は、高さ位置を検出する位置検出手段S1と、穀稈の搬
送経路における搬送穀稈の有無を検出する有無検出手段
2と、更に、穀稈丈を検出する稈長検出手段S3
4、S5とを設け、これら各検出手段S1〜S5からの検
出情報に基づいて自動停止手段及び制御調節用のアクチ
ュエ−タM1、M2を作動させる制御手段7を設けた伝動
自動停止装置及び扱深さ制御装置を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高刈り制御を備え
たコンバインに関し、農業機械の技術分野に属するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来からコンバインは、穀稈の長短に対
応するために扱深さの自動制御装置が備えられ、脱穀装
置のフィ−ドチエン始端部に、稈身方向に受渡し位置を
変更調節しながら、扱胴と穀稈穂部との扱ぎ位置を脱穀
効率の高い位置に合わせる構成となっていた。そして、
コンバインの刈取前処理装置は、安全確保のために、走
行車体に対して上方に回動して非作業位置に達すると、
脱穀装置のフィ−ドチエンと共に伝動が自動的に中断す
る伝動自動停止装置を設けた構成になっていた。
【0003】このような従来型のコンバインは、畦際
(枕地)における刈取脱穀作業を行うことは難しく、ほ
とんどの場合、作業者の手刈り作業に依存していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の刈取前処理装置
に装備されている扱深さ調節チエンは、刈り取られて搬
送されてきた穀稈丈を扱深さセンサ−で検出して、その
検出結果に基づいて扱深さ制御が行われている。この構
成は、通常の作業状態には充分に対応でき、調節範囲
(調節距離)も穀稈丈に対応できて正確な受継搬送によ
り刈取脱穀作業が行われている。
【0005】しかしながら、従来の扱深さ制御装置は、
一つの扱深さ調節チエンを穀稈丈に応じて制御調節しな
がら作業を行う構成であるから、必然的に調節範囲(調
節距離)が限定され、例えば、コンバインが畦際に達し
て枕地の刈取に移ると、適確な扱深さ制御ができない問
題がある。すなわち、コンバインは、畦際に達して枕地
の刈取に移ると、刈取前処理装置を順次上昇させて圃場
面より高く盛り上がっている畦に分草杆を衝突させない
ために、高刈りに移行するため必然的に穀稈丈が極端に
短くなる。
【0006】このように、従来の扱深さ制御装置は、穀
稈を高刈りして刈取穀稈丈が極端に短稈になると、調節
距離が不足して対応できない課題があった。また、刈取
前処理装置は、所定高さに達すると安全確保のために、
伝動が自動的に停止する制御装置を組み込んでいるか
ら、上述した畦際の刈取にあたって上昇しても伝動が停
止しないように伝動自動停止の制御を、予め、OFFに
して枕地の高刈り作業を行なわねばならない課題も併せ
て問題点となっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するために次の如き技術手段を講ずるものであ
る。すなわち、脱穀装置1が搭載された走行車体2の前
部に、刈取前処理装置3が上下昇降自由に設けられ、前
記刈取前処理装置3は、低部の通常作業位置aから上昇
作動によって上部の非作業位置bに達すると、少なくと
も前記刈取前処理装置3の伝動が中断される自動停止手
段4が組み込まれ、前記刈取前処理装置3には、扱深さ
調節装置5と供給調節装置6とが備えられてそれぞれ制
御調節用のアクチュエ−タM1、M2に接続させて設けら
れ、前記刈取前処理装置3には、高さ位置を検出する位
置検出手段S1と、穀稈の搬送経路における搬送穀稈の
有無を検出する有無検出手段S2と、更に、穀稈丈を検
出する稈長検出手段S3、S4、S5とが備えられ、前記
各検出手段S1〜S5からの検出情報に基づいて前記自動
停止手段4及び制御調節用のアクチュエ−タM1、M2
作動させる制御手段7が設けられたコンバインの伝動自
動停止装置及び扱深さ制御装置であって、前記低部の通
常作業位置aから上部の非作業位置bに達する間の高刈
り位置cにおいて、刈取作業とそれに伴う供給調節とを
可能にしている高刈り制御を備えたコンバインとしたも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を具体的に説明する。まず、その構成につい
て述べる。走行車体2は、ゴム材を素材として成型した
クロ−ラ8を駆動スプロケット9と複数の遊動転輪10
とに巻回し、乾田はもちろんのこと、湿田においても沈
下しないで走行できる構成としている。そして、脱穀装
置1は、フィ−ドチエン11を有し、上側に扱胴12を
軸架した扱室13を配置し下側に選別室を設け、供給さ
れた刈取穀稈を脱穀選別する構成として走行車体2上に
搭載している。
【0009】そして、補助搬送装置14は、フィ−ドチ
エン11の内側に沿わせて設け、始端部をフィ−ドチエ
ン11から伝動される伝動スプロケット15に巻回し終
端部を扱室13への供給口の近くまで延長して設け、後
述する供給調節装置6から受け継いだ穀稈をフィ−ドチ
エン11と共同して、又は、単独で扱室13へ供給する
構成としている。
【0010】つぎに、刈取前処理装置3は、図6に示す
ように、走行車体2の前部に設けた支持台16に、前方
下方へ延長した刈取フレ−ム17の後部を上下に回動自
由に枢着して、この刈取フレ−ム17に刈取装置18や
後述の各穀稈搬送装置を装着して構成している。すなわ
ち、刈取前処理装置3は、前端下部に分草杆19を、そ
の背後に傾斜状にした穀稈引起し装置20を、その後方
低部には刈取装置18を、更に、その刈取装置18と前
述のフィ−ドチエン11及び補助搬送装置14の始端部
との間に、掻込搬送装置21と、前部搬送装置22と、
扱深さ調節装置5と、供給調節装置6とを順次穀稈の受
継搬送ができるように配置して前述の刈取フレ−ム17
に取り付けて伝動可能に構成している。
【0011】まず、掻込搬送装置21は、図6乃至図8
に示すように、下部の掻込輪体21aと上部の掻込無端
帯21bとからなり、各刈取穀稈条列ごとに前記刈取装
置18の上方に設け、穀稈を後方へ掻込搬送する構成と
している。前部搬送装置22は、株元搬送チエン22a
と穂先搬送ラグ22bとからなり、その始端部を前記掻
込搬送装置21の終端部に受継可能に臨ませ、多条の刈
取穀稈を後方上方へ搬送して終端部分において左右の搬
送穀稈を合流する構成としている。
【0012】なお、実施例に示す前記穂先搬送ラグ22
bは、進行方向に向かって前部の右側からフィ−ドチエ
ン11の始端部側に平面視において傾斜して設けた一方
側を刈取前処理装置3の後部まで延長して設け、連続状
態で穀稈穂部を搬送する構成としている。つぎに、扱深
さ調節装置5は、図4及び図6に示すように、従来から
公知のように搬送チエンと挾持杆とからなり、始端部を
前記前部搬送装置22の終端部に搬送穀稈の株元を受継
可能に臨ませて設け、後方上方に延長して終端部を後述
する供給調節装置6の始端部に臨ませて設けている。そ
して、扱深さ調節装置5は、始端部を刈取フレ−ム17
に枢着して終端側が搬送穀稈の稈身方向に沿って上下に
揺動する構成としている。扱深さ制御モ−タ−M1(ア
クチュエ−タM1に相当する。以下同じ)は、実施例に
あっては前記扱深さ調節装置5の近傍位置で上側に装備
しており、連杆23を介してその扱深さ調節装置5に連
動可能に連結して設け、後述するコントロ−ラ7(制御
手段7に相当する。以下同じ)から出力される操作信号
に基づいて駆動され、扱深さ制御を行う構成としてい
る。
【0013】つぎに、供給調節装置6は、図5乃至図7
に示すように、供給チエン24と挾持杆25とによって
穀稈を挾持して搬送するように設け、扱深さ調節装置5
の終端部から受け継いだ穀稈を補助搬送装置14(フィ
−ドチエン11)の始端部に受け渡して供給調節を行う
構成としている。具体的に説明すると、供給調節装置6
は、図5に示すように、前述の刈取フレ−ム17の基部
から補助搬送装置14(フィ−ドチエン11)側へ位置
している一体の伝動ボックス26の上面に軸架した駆動
スプロケット27と、供給チエン24の搬送側を内面か
ら案内する可動チエンレ−ル28に軸架した転輪29
と、それらより前側に位置してテンション機能を持つテ
ンションロ−ラ30とに供給チエン24を巻回して構成
している。
【0014】そして、可動チエンレ−ル28は、上述の
とおり供給チエン24の搬送側を内面から案内するもの
で、前記伝動ボックス26から斜め前方側に突出して延
長した固定の支持ア−ム31の前部に回動自由に支持し
て設け、先端部の前記転輪29側が、補助搬送装置14
の始端部に対して遠近移動できる構成としている。更
に、テンションロ−ラ30は、前記支持ア−ム31の中
間部に固着した固定機枠32から延長したテンションア
−ム33に軸着して設け、テンションスプリング34に
よって外側(チエン24を張る方向)に張圧して構成し
ている。
【0015】そして、供給制御モ−タ−M2(アクチュ
エ−タM2に相当する。以下同じ)は、供給チエン24
の下方において、一方側を刈取フレ−ム17側に固着
し、他方側を前記した固定機枠32に取り付けて装備
し、ロット35を介して前記可動チエンレ−ル28に連
結して設け、コントロ−ラ7(制御手段7に相当する。
以下同じ)から出力される操作信号に基づいて駆動さ
れ、供給調節制御を行う構成としている。
【0016】以上のように、供給制御モ−タ−M2は、
図5乃至図7に示すように、前述の扱深さ制御モ−タ−
1と接近した位置に配置され、図6で明らかなよう
に、その上方には後方まで延長されている穂先搬送ラグ
22bのケ−スが位置した関係になっている。そして、
挾持杆25は、図5に示すように、供給調節が行われる
供給チエン24の穀稈搬送面に常時沿って張圧状態で搬
送穀稈を挾持できるように、前後2つの張圧ばね36
a、張圧ばね36bとによって張圧させて構成してい
る。そして、後側の張圧ばね36bは、前側の張圧ばね
36aより張圧ストロ−クを長くして挾持杆25の調節
距離が長く取れるようにして、チエン24後部の移動に
充分追従できる構成としている。
【0017】以上のように構成した刈取前処理装置3
は、油圧装置によって伸縮する刈取昇降シリンダ−37
によって、図10に示すように、下部の通常の作業位置
aと上部の非作業位置bとの間を昇降する構成とし、中
間位置を高刈り位置cとしている。そして、刈取前処理
装置3は、図3の概略図のように、走行ミッション装置
38の刈取動力取出プ−リ−39から刈取クラッチ装置
40を介して伝動される構成としている。41は刈取ク
ラッチレバ−である。
【0018】そして、自動停止手段4は、自動操作モ−
タ−M3によって後述するコントロ−ラ7から出力され
る操作信号に基づいて、前記刈取クラッチ装置40を切
にする構成としている。つぎに各検出手段と、マイクロ
コンピュ−タ−を利用したコントロ−ラ7(制御手段
7)について、主として図1及び図4に基づいて説明す
る。
【0019】まず、位置検出センサS1(位置検出手
段、以下同じ)は、ポテンショメ−タ−を利用して刈取
フレ−ム17の回動角度を検出して刈取前処理装置3の
高さ位置を計測できるように刈取フレ−ム17の基部に
設けている。前部穀稈センサS 2−と後部穀稈センサ
2−(穀稈の有無検出手段、以下同じ)は、穀稈引
起し装置20の裏側の低位置と、後方まで延長させた穂
先搬送ラグ22bのカバ−下側位置とにそれぞれ設け、
搬送経路の始端部分と終端部分とにおいて、搬送穀稈の
有無を検出する構成としている。
【0020】そして、稈長検出センサS3(稈長検出手
段、以下同じ)は、前記穀稈引起し装置20の裏側の比
較的高い位置に設け、搬送穀稈の稈長を検出できる構成
としている。そして、穂先センサS4と株元センサS
5(稈長検出手段、以下同じ)は、前述した後方まで延
長させた穂先搬送ラグ22bのカバ−上方に位置する連
結機枠42から穀稈の搬送通路に垂下して設け、搬送中
の穀稈丈を検出する構成としている。
【0021】つぎに、コントロ−ラ7は、マイクロコン
ピュ−タ−を利用した制御手段であって、基本的には入
力側に各センサ類を接続して検出情報を入力し、予め設
定記憶させている情報と各センサからの入力情報に基づ
いて、出力側に接続している各モ−タ−M1、M2、M3
の作動を制御しながら、伝動自動停止制御、扱深さ制
御、高刈り制御を行う構成となっている。
【0022】すなわち、コントロ−ラ7は、入力側に位
置検出センサS1、前部穀稈センサS2−と後部穀稈セ
ンサs2、稈長検出センサS3、穂先センサS4と株元
センサS5、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラッチセン
サS7、車速センサS8をそれぞれ接続している。そし
て、コントロ−ラ7は、出力側に扱深さ制御モ−タ−M
1、供給制御モ−タ−M2、自動停止モ−タ−M3を接続
している。
【0023】そして、扱深さ制御モ−タ−M1は、稈長
検出センサS3、穂先センサS4と株元センサS5の検出
情報に基づいて制御され、基本的には穀稈穂部の先端が
穂先センサS4と株元センサS5との間を通過する位置を
ニュ−トラルゾ−ンとして最適の扱深さ位置と判断する
構成としている。そして、供給制御モ−タ−M2は、前
部穀稈センサS2−1と稈長検出センサS 3との検出情報
に基づいて制御され、前部穀稈センサS2−1が検出状
態にあって稈長検出センサ−S3が非検出状態になる
と、制御作動して供給調節装置6を深扱ぎ側に調節する
構成としている。
【0024】なお、具体的な作動は、図2のフロ−チャ
−とに基づいて作用の項で述べる。つぎにその作用につ
いて説明する。まず、エンジンを始動して、刈取クラッ
チ装置40や脱穀クラッチ装置を入り操作して機体の回
転各部を伝動しながら、走行車体2を前進走行に操作す
ると、コントロ−ラ7は、刈取クラッチセンサS6、脱
穀クラッチセンサS7、車速センサS8からそれぞれ作業
開始の信号が入力されて立ち上がり、制御作動を開始す
る。
【0025】このようにしてコンバインが刈取脱穀作業
を開始すると、圃場の穀稈は、前端下部にある分草杆1
9によって分草作用を受け、次いで穀稈引起し装置20
の引起し作用によって倒伏状態から直立状態に引き起こ
され、株元が刈取装置18に達して刈り取られ、掻込輪
体21aと掻込無端帯21bとの作用を受けて掻込まれ
前部搬送装置22に受け継がれて順次連続状態で後部上
方に搬送される。
【0026】そして、穀稈は、多数の条列が集められて
左右の前部搬送装置22によって搬送されて後部で合流
し、扱深さ調節装置5から供給調節装置6に順次連続状
態で受け継がれ、フィ−ドチエン11の始端部に達して
脱穀装置1に供給される。そして、穀稈は、株元がフィ
−ドチエン11に挾持された状態で搬送されながら、穂
先部分が扱室13内に挿入されて通過する過程で、回転
されている扱胴12によって脱穀される。そして、脱穀
処理物は、下方の選別室に達して選別風と揺動選別装置
の作用を受けて選別処理されるものである。
【0027】以上のように、コンバインは、連続的に刈
取脱穀作業を行い、脱穀選別した穀粒を収穫してグレン
タンクに収集貯留する。さて、上述のように、連続的に
刈取脱穀作業が行われているとき、刈取前処理装置3
は、下部の通常作業位置aの高さに保持されており、そ
の位置が位置検出センサS1からコントロ−ラ7に入力
されている。そして、前部穀稈センサS2−及び後部
穀稈センサS2−からそれぞれ搬送穀稈が検出されて
入力されている。また、稈長検出センサS3は、穀稈丈
を検出して入力している。
【0028】そして、扱深さ調節装置5は、穂先センサ
4と株元センサS5からの検出情報がコントロ−ラ24
に入力され、それに基づいてコントロ−ラ7から出力さ
れる操作信号によって扱深さ制御モ−タ−M1が制御作
動され、連杆23を介して自動的に扱深さが調節されて
いる。この場合、コントロ−ラ7は、搬送穀稈の穂先位
置が穂先センサS4と株元センサM5との間を通過する位
置が最も適する扱深さの位置と判断し、その位置に扱深
さ調節装置5の調節位置を合わせるように調節制御して
いる。
【0029】つぎに、走行車体2は、圃場の畦際に達し
て枕地の刈取移ると、分草杆19の先端を、圃場の端に
隆起している畦に衝突させないために、刈取昇降シリン
ダ−37を伸長して刈取前処理装置3を、図10に示す
ように、上昇しながら穀稈の高刈作業に移る。以下、高
刈り制御について、図2のフロ−チャ−トを参照しなが
ら説明する。
【0030】まず、刈取クラッチセンサS6、脱穀クラ
ッチセンサS7及び車速センサS8がそれぞれONの状態
(作業中)で、刈取前処理装置3を上昇して高刈り位置
cにして枕地の刈取に移る。このとき、コントロ−ラ7
は、位置検出センサS1と、前部穀稈センサS2−から
刈取前処理装置3の位置(高刈り位置c)と穀稈が送り
込まれた検出情報が入力されている。
【0031】そして、コントロ−ラ7は、稈長検出セン
サS3が送り込まれてきた穀稈を検出して検出情報を入
力すると、基準値(60cm)より長い穀稈丈と判断し
て扱深さ調節装置5のみの制御となり、非検出情報を入
力すると、基準値(60cm)より短い穀稈丈と判断し
て扱深さ調節装置5と供給調節装置6との両装置による
制御を同時に行う。
【0032】まず、コントロ−ラ7は、稈長検出センサ
3から検出情報が入力されると、実施例においては、
出力1、5/sec扱深さ制御モ−タ−M1を深扱ぎ側へ
制御して扱深さ調節装置5を約15cm深扱ぎ側に調節
して作業を行う。以上の制御作動によって高い刈取作業
を行い、後部穀稈センサS2−が穀稈がなくなったこ
とを検出して終了する。その後、扱深さ調節装置5は、
オフディレ−が働き所定時間遅れで約12cm浅扱ぎ側
へ戻してリタ−ンとなる。
【0033】一方、穀稈丈が極端に短く、上部が稈長検
出センサS3に届かない状態で非検出情報をコントロ−
ラ7に入力すると、コントロ−ラ7は、扱深さ調節装置
5と供給調節装置6とを最も深扱ぎ位置に調節する信号
をそれぞれ扱深さ制御モ−タ−M1と供給制御モ−タ−
2に出力して制御する。したがって、扱深さ調節装置
5と供給調節装置6とは、最も深扱ぎの位置に制御され
極端に短い穀稈を脱穀装置1に供給する。
【0034】この場合、調節制御された供給調節装置6
は、扱深さ調節装置5の終端部から大幅に深扱ぎ側に調
節されている極く短い穀稈を受け継いで、更に、深扱ぎ
側に調節して補助搬送装置14に供給するが、このと
き、株元がフィ−ドチエン11の挾持位置に届かない短
い穀稈は、補助搬送装置14によって搬送され、そのま
ま供給側から扱室13に全稈が投入される。
【0035】なお、刈取前処理装置3は、図2に示すフ
ロ−チャ−トのように、高刈り位置cより更に上昇して
非作業位置bに達し、位置検出センサS1の信号に基づ
いてコントロ−ラ7から自動停止手段4を作動させて伝
動を中断したときには若干の下降操作によって停止状態
を解除して、再度やり直しを行う。以上のようにして刈
取脱穀作業の一工程が終了すると、コントロ−ラ7は、
後部穀稈センサS2−が穀稈がなくなったことを検出
することにより終了と判断し、一定の時間遅れのもと
に、扱深さ調節装置5と供給調節装置6とを浅扱ぎ位置
に復帰させる。この場合、扱深さ調節装置5は、調節前
の扱ぎ位置に復帰するのを原則とするが、再スタ−トは
一般的には若干深扱ぎ位置から行い得るよう深い側に戻
しておく。供給調節装置6は、正規の待機位置に復帰さ
せる。
【0036】なお、扱深さ調節装置5と供給調節装置6
は、制御作動後の元に戻す場合の復帰タイミングや復帰
位置は、予め設定し基準情報としてコントロ−ラ7に入
力しておくもととする。上述した実施例における説明中
に記載した数値は、一実施例を示すものであって、権利
範囲を限定するものではない。
【0037】
【発明の効果】本発明は、脱穀装置が搭載された走行車
体の前部に、刈取前処理装置が上下昇降自由に設けら
れ、前記刈取前処理装置は、下部の通常作業位置から上
昇作動によって上部の非作業位置に達すると、伝動が中
断される自動停止手段が組み込まれ、前記刈取前処理装
置には、扱深さ調節装置と供給調節装置とが備えられて
それぞれ制御調節用のアクチュエ−タに接続させて設け
られ、前記刈取前処理装置には、高さ位置を検出する位
置検出手段と、穀稈の搬送経路における搬送穀稈の有無
を検出する有無検出手段と、更に、穀稈丈を検出する稈
長検出手段とが備えられ、前記各検出手段からの検出情
報に基づいて前記自動停止手段及び制御調節用のアクチ
ュエ−タを作動させる制御手段が設けられたコンバイン
の伝動自動停止装置及び扱深さ制御装置であって、前記
下部の通常作業位置から上部の非作業位置に達する間の
高さ位置において、刈取作業とそれに伴う供給調節とを
可能にしたものであるから、刈取前処理装置は、所定高
さ以上に上昇すると、脱穀装置の一部と刈取前処理装置
との伝動を自動停止して、安全を確保できる構成であり
ながら、畦際における枕地の刈取に際しては、刈取前処
理装置を上昇して穀稈の高刈りを行うことができ、その
とき刈取穀稈丈が極端に短稈になっても、脱穀装置への
供給調節距離を充分に確保できて扱深さの面でも対応で
きる高刈り制御を可能にした特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例であって、制御構成のブロック
図である。
【図2】本発明の実施例であって、制御作動のフロ−チ
ャ−トである。
【図3】本発明の実施例であって、自動停止機構の概略
図である。
【図4】本発明の実施例であって、側面図である。
【図5】本発明の実施例であって、平面図である。
【図6】本発明の実施例であって、側面図である。
【図7】本発明の実施例であって、平面図である。
【図8】本発明の実施例であって、平面図である。
【図9】本発明の実施例であって、側面図である。
【図10】本発明の実施例であって、説明用の作用図で
ある。
【符号の説明】
1 脱穀装置 2 走行車体 3
刈取前処理装置 4 自動停止手段 5 扱深さ調節装置 6
供給調節装置 7 制御手段 a 通常作業位置 b
非作業位置 c 高刈り位置 M1、M2 アクチュエ−タ S1 位置検出手段 S2 有無検出手段(搬送穀
稈) S3、S4、S5 稈長検出手段。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱穀装置が搭載された走行車体の前部
    に、刈取前処理装置が上下昇降自由に設けられ、前記刈
    取前処理装置は、下部の通常作業位置から上昇作動によ
    って上部の非作業位置に達すると、少なくとも前記刈取
    前処理装置の伝動が中断される自動停止手段が組み込ま
    れ、前記刈取前処理装置には、扱深さ調節装置と供給調
    節装置とが備えられて、それぞれ制御調節用のアクチュ
    エ−タに接続させて設けられ、前記刈取前処理装置に
    は、高さ位置を検出する位置検出手段と、搬送経路にお
    ける搬送穀稈の有無を検出する有無検出手段と、更に、
    穀稈丈を検出する稈長検出手段とが備えられ、前記各検
    出手段からの検出情報に基づいて前記自動停止手段及び
    制御調節用のアクチュエ−タを作動させる制御手段が設
    けられたコンバインの伝動自動停止装置及び扱深さ制御
    装置であって、前記下部の通常作業位置から上部の非作
    業位置に達する間の高さ位置において、刈取作業とそれ
    に伴う供給調節とを可能にしている高刈り制御を備えた
    コンバイン。
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