JP3845486B2 - 精密加工用仮着接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シリコン、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、光学レンズ等の加工時の仮着に使用される精密加工用仮着接着剤に関し、精密切断、穴開け、研磨加工や、ウエハと定盤との間の仮着といったような種々の加工の際の仮着に有用な接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような用途に対する接着剤としては、石油系樹脂、パラフィンワックス、松脂の変性物、例えば、重合ロジン、マレイン化ロジン、ロジンエステル、シェラック樹脂、カルナバ、密蝋、モンタンワックス等の動植物系、鉱物系が使用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの天然系原料をベースとした変性接着剤は、金属イオンの不純物が多く含まれるため、例えば、半導体ウエハの仮着接着剤として使用した場合、金属イオンの残存から、半導体のデバイス機能の低下を招いていた。この対策として、金属イオンをイオン交換法やキレート処理法により除去する方法が知られているが、Al、Sn等の金属イオンの除去は難しく、数拾ppbオーダーの要求には対応できなかった。また、従来の接着剤においては、接着剤を除去するのに有機溶剤を使用しなければならないものが多く、この場合、大気汚染や自然環境の破壊等の環境衛生上も大きな問題となっていた。
【0004】
本発明の目的は、表面平滑性、接着性、洗浄性等に優れると共に、金属イオンの含有量が極めて低く、半導体デバイスに影響を与えることの少ない精密加工用仮着接着剤を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、除去に際し有機溶媒を必要とせず、環境衛生上の問題を解決しうる精密加工用仮着接着剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、精密加工用仮着接着剤において、酸無水物が付加されたノボラック型エポキシ樹脂を主成分とし、かつ可塑剤を所定量配合した仮着接着剤は、残存金属イオン量を半導体デバイスの機能に影響を及ぼさないレベルに容易に維持できると共に仮着接着剤として優れた性能を発揮するものであり、かつ、環境衛生上も安全なものとできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の第1の精密加工用仮着接着剤は、シリコン、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、または光学レンズを仮着して精密加工する際に使用される精密加工用仮着接着剤であって、酸無水物が付加されたノボラック型エポキシ樹脂を主成分とし、該樹脂100重量部に対し可塑剤を3重量部〜35重量部の範囲で含有し、アルカリ水溶液に可溶であることを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の精密加工用仮着接着剤は、シリコン、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、または光学レンズを仮着して精密加工する際に使用される精密加工用仮着接着剤であって、酸無水物が付加されたノボラック型エポキシ樹脂及びロジン系樹脂を主成分とし、該樹脂混合物100重量部に対し可塑剤を3重量部〜35重量部の範囲で含有し、アルカリ水溶液に可溶であることを特徴とする。
【0009】
また、上記の可塑剤が、トルエンスルホン酸エチルアミド、フタル酸エステル系化合物、オキシ酸エステル系化合物および脂肪族二塩基酸エステル系化合物からなる群から選ばれる1種或は2種以上の混合物であることを特徴とする。
【0010】
また、上記の精密加工用仮着接着剤が、ウエハ精密加工用であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の精密加工用仮着接着剤をウエハ精密加工用とする場合を中心にして説明する。まず本発明の第1の精密加工用仮着接着剤について説明する。
【0012】
接着剤主成分である酸無水物が付加されたノボラック型エポキシ樹脂(以下、エポキシ樹脂という)は、フェノールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂と一価または多価のフェノール類、又はアルコール類との反応生成物に、更に、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物を付加させることにより得られるもので、軟化点が60℃〜120℃、酸価が80mgKOH/g〜200mgKOH/gの樹脂である。軟化点が120℃を越えると接着時にウエハの熱歪みか発生するので好ましくなく、また、酸価が80mgKOH/gより低いとアルカリ可溶性が低下する。
【0013】
また、エポキシ樹脂における金属イオンの含有量が50ppb以下が好ましく、金属イオン除去の洗浄が容易となる。このような樹脂としては、例えば東都化成(株)製AX311M(固型分濃度70%、酸価120mgKOH/g)等が挙げられる。
【0014】
次に、可塑剤としては、トルエンスルホン酸エチルアミド、フタル酸エステル系化合物、オキシ酸エステル系化合物および脂肪族二塩基酸エステル系化合物からなる群から選ばれる1種或は2種以上の混合物を挙げることができ、好ましくはトルエンスルホン酸エチルアミドである。可塑剤は、樹脂100重量部に対し3重量部〜35重量部、好ましくは10重量部〜30重量部の範囲で含有させるとよく、3重量部未満であると接着剤の軟化点が高すぎ、また塗布平滑性に乏しく、また、35重量部を越えると接着加工後の剥離性が悪化する。
【0015】
エポキシ樹脂と可塑剤は、イソプロピルアルコール、トルエン等の溶媒に固型分濃度20%〜50%の溶液として第1の精密加工用仮着接着剤とされる。
【0016】
第1の精密加工用仮着接着剤は、エポキシ樹脂を接着剤主成分とすることにより、接着剤における金属イオンの含有量として50ppb以下、好ましくは30ppb以下とできる。
【0017】
本発明の第2の精密加工用仮着接着剤について説明する。
第2の精密加工用仮着接着剤は、その接着剤主成分が上述したエポキシ樹脂及びロジン系樹脂を主成分とするものである。ロジン系樹脂は、上記のエポキシ樹脂に、融点低下、カミソリ剥離性の向上、アルカリ洗浄性の向上、平滑性の向上、溶剤離れ(乾燥性)の向上等を目的として添加されるもので、例えば、ロジン、ロジンエステル、部分または水添ロジン、重合ロジン、またはこれらのロジン樹脂とマレイン酸等の二塩基酸との変性ロジンまたはそれらのエステル誘導体等の少なくとも1種が挙げられ、いずれもその酸価が70mgKOH/g以上のものとするとよい。70mgKOH/g未満であるとアルカリ可溶性が低下する。なお、上記のロジン系樹脂には天然セラック、合成セラックをロジン系樹脂に対して40%以下の割合で添加してもよい。ロジン系樹脂における金属イオンの含有量は、通常、二千ppbのオーダーであるので、通常の方法により脱金属処理を施し、数百ppbのオーダー、好ましくは30ppbのオーダーとしておくとよい。
【0018】
ロジン系樹脂は、エポキシ樹脂100重量部に対して0重量部〜50重量部、好ましくは0重量部〜30重量部の割合で使用され、50重量%を越えると、接着剤中における金属イオンの濃度が高くなるので好ましくない。
【0019】
これらの主成分には、第1の接着剤同様の可塑剤が添加される。可塑剤は、エポキシ樹脂とロジン系樹脂との合計量100重量部に対し可塑剤を3重量部〜35重量部、好ましくは10重量部〜30重量部の範囲とするとよく、第1の接着剤同様の溶媒を使用し、同様の濃度の溶液として第2の精密加工用仮着接着剤とされる。
【0020】
第2の精密加工用仮着接着剤においては、その金属イオンの含有量として100ppb以下、好ましくは50ppb以下とするとよい。
【0021】
第1または第2の接着剤は、ウエハまたは定盤上にスピンコーター法、スプレー法等により塗布され、溶媒が除去された後、加熱圧着されるか、または、溶媒を除去して固型接着剤とし、ウエハまたは定盤上に溶融塗布されて加熱圧着することにより、ウエハは定盤上に確実に固定される。こうして固定されたウエハに対して、アルカリ研磨液による研磨加工等が施され、加工後にはスクレバー、ナイフ等を利用して定盤上から剥離される。
【0022】
接着剤はウエハと定盤との接着固定を図り、研磨時における40℃〜50℃の昇温やアルカリ研磨液に耐えて、鏡面研磨に到達することが必要であると共に、研磨加工後には、例えばカミソリの刃先をウエハの接着面に挿入し、一挙に剥離しうることが求められるが、この両者を達成するためには、接着強度が25kg/cm2 〜35kg/cm2 程度であることが必要である。剥離されたウエハに付着している接着剤は、一次洗浄をアルカリ性の洗浄剤で、次いで仕上げリンスを純水で行うことにより除去される。
【0023】
アルカリ性洗浄剤としては、テトラメチルアンモニウムオキサイド、アルカノールアミン、アミノアルコール、水溶性アミン類等の有機アミン、無機アルカリ、またはこれらの塩の水溶液を使用するとよいが、金属イオンを混入させるものは避けるのが好ましい。
【0024】
また、本発明の第1、第2の精密加工用仮着接着剤を、水晶振動子、フェライト材、金属材、ガラス材等の切断、研磨加工に使用する場合には、接着剤を固形接着剤とし、ホットメルトタイプとして使用するとよい。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例および比較例により具体的に説明する。
【0026】
(実施例1)
ヘキサヒドロ無水フタル酸が付加されたノボラック型エポキシ樹脂溶液(東都化成(株)製AX311M、酸価120mgKOH/g、固形分70重量%、溶媒30%)を溶剤{イソプロピルアルコール/トルエン(重量比)=2/1}で希釈し、固形分40重量%とした溶液100重量部に、トルエンスルホン酸エチルアミド(富士アミドケミカル社製、トップサイダーNo.3)を4重量部混合し、更に、混合溶剤{イソプロピルアルコール/トルエン(重量比)=2/1}を6重量部加えて、固形分40重量%溶液の接着剤を調製した。
【0027】
なお、上述したヘキサヒドロ無水フタル酸が付加されたノボラック型エポキシ樹脂における金属イオン含有量は、ナトリウムイオン8ppb、アルミニウムイオン0ppb、亜鉛イオン2ppb、鉄イオン16ppb、ニッケルイオン1ppb、銅イオン2ppb、クロムイオン2ppbである。
【0028】
(実施例2〜実施例10)
実施例1において用いた可塑剤に代えて、DOM(マレイン酸ジオクチル、実施例2)、DBA(アジピン酸ジブチル、実施例3)、DIBA(アジピン酸ジイソブチル、実施例4)、DIDA(アジピン酸ジイソデシル、実施例5)、シトロフレックスA−4(ファイザー社製、クエン酸アセチルトリブチル、実施例6)、DCHP(フタル酸ジシクロヘキシル、実施例7)、コダフレックスTXIB(イーストマンケミカル社製、トリメチルペンタンジオールイソプチレート、実施例8)、オレイン酸(実施例9)、トルエンスルホン酸エチルアミド(富士アミドケミカル社製、トップサイダーNo.3):オレイン酸(重量比)=2:1混合物(実施例10)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして固形分40重量%溶液の接着剤を調製した。
【0029】
(比較例1)
ヘキサヒドロ無水フタル酸が付加されたノボラック型エポキシ樹脂溶液(東都化成(株)製AX311M、酸価120mgKOH/g、固形分70重量%、溶媒30%)を溶剤{イソプロピルアルコール/トルエン(重量比)=2/1}で希釈し、固形分40重量%溶液とし、接着剤とした。
【0030】
(実施例11〜13)
実施例1における可塑剤の添加量を、エポキシ樹脂100重量部に対し5重量部(実施例11)、10重量部(実施例12)、25重量部(実施例3)に代え、トータル固形分濃度を40重量%に調整して接着剤を作製した。
【0031】
(比較例2)
実施例1における可塑剤の添加量を、エポキシ樹脂100重量部に対し、40重量部に代え、トータル固形分を40重量%に調整して接着剤を作製した。
【0032】
(塗布平滑性の評価)
実施例1〜13および比較例1、2で得た液状接着剤について、下記条件でガラスウエハに塗布後、電気オーブンを使用し、80℃×5分の条件下で加熱乾燥した。
【0033】
塗布条件
装置:ミカサ製スピンコーター1H360型
条件:初期回転1000rpm/2sec〜フル回転3000rpm/10sec
塗布厚:4±0.5μm
乾燥後、塗布面のフラットネスを触針式表面粗さ計{(株)東京精密製、サーフコム574A}を用いて測定し、塗布平滑性とした。
【0034】
(接着力の評価)
実施例1〜13および比較例1、2で得た液状接着剤について、上記と同様の塗布条件でステンレス板に塗布後、同様に加熱乾燥した後、塗布面と他のステンレス板を合わせ、120℃、0.1kg/cm2 の熱圧条件で貼合せた。貼合物の引っ張り剪断強さをストログラフ計(東洋精機(株)製、R−1)を用いて測定し、接着力(kg/cm2 )とした。
【0035】
(洗浄性の評価)
上記の接着力の評価で剥離したステンレス板に付着した接着剤を、4%炭酸アンモニウム水溶液を使用し、洗浄装置{オリンパス(株)製EE−MO−02N}で30℃、10min.で洗浄性を評価した。
【0036】
(軟化点の評価)
実施例1、10〜13および比較例1で得た液状接着剤について80℃に設定した真空乾燥機で溶剤を揮発させ、固形接着剤とした後、環球法により軟化点(℃)を求めた。
【0037】
なお、塗布平滑性、洗浄性の評価については、それぞれ結果が極めて良好な場合をVG、良好な場合をG、普通の場合をF、劣る場合をPとして示した。
【0038】
その結果を、表1、表2に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003845486
【0040】
表1から、本発明の第1の精密加工用仮着接着剤は、比較例1(可塑剤未添加)に比して塗布平滑性に優れると共に接着力に優れることがわかる。
【0041】
【表2】
Figure 0003845486
【0042】
表2から、本発明の第1の精密加工用仮着接着剤は、可塑剤の添加により接着力が向上するが、比較例1(可塑剤未添加)、及び比較例2(樹脂100重量部に対して可塑剤を40重量部含有させたもの)は接着力が低下することがわかる。
【0043】
(実施例14〜17)
実施例10〜13で得た液状接着剤について80℃に設定した真空乾燥機で溶剤を揮発させ、固形接着剤(実施例14〜17)をそれぞれ得た。
【0044】
(比較例3、4)
比較例1、2で得た液状接着剤について80℃に設定した真空乾燥機で溶剤を揮発させ、固形接着剤(比較例3、4)をそれぞれ得た。
【0045】
(塗布平滑性の評価)
実施例14〜17および比較例3、4で得た固型接着剤を130℃で溶融させた後、下記条件で130℃に設定したホットプレート上でガラスウエハを加温し、スピンコーターにて塗布後、冷却した。
【0046】
塗布条件
装置:ミカサ製スピンコーター1H360型
条件:初期回転1000rpm/2sec〜フル回転3500rpm/5sec
塗布厚:4±0.5μm
塗布面のフラットネスを触針式表面粗さ計{(株)東京精密製、サーフコム574A}を用いて測定し、塗布平滑性とした。
【0047】
(接着力の評価)
実施例14〜17および比較例3、4で得た固型接着剤を、120℃で溶融させた後、上記と同様の塗布条件でステンレス板に塗布後、塗布面に他のステンレス板を合わせ、ステンレス板同士を120℃、0.1kg/cm2 の熱圧条件で貼合した。貼合物の引っ張り剪断強さを、ストログラフ計(東洋精機(株)製、R−1)を用いて測定し、接着力(kg/cm2 )とした。
【0048】
(洗浄性の評価)
上記の接着力の評価で剥離したステンレス板に付着した接着剤を、4%炭酸アンモニウム水溶液を使用し、洗浄装置{オリンパス(株)製EE−MO−02N}で30℃、10min.の条件で洗浄性を評価した。
【0049】
なお、塗布平滑性、洗浄性の評価方法については、実施例1〜13の評価方法と同様である。結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0003845486
【0051】
表3から、本発明の第1の精密加工用仮着接着剤は、固型接着剤としても、可塑剤の添加により接着力が向上するが、比較例3(可塑剤未入品)、比較例4(樹脂100重量部に対して可塑剤を40重量部含有させたもの)は接着力が低下することがわかる。
【0052】
次に、本発明の第2の精密加工用仮着接着剤の実施例を説明する。
【0053】
(実施例18)
ヘキサヒドロ無水フタル酸が付加されたノボラック型エポキシ樹脂溶液(東都化成(株)製AX311M、酸価120mgKOH/g、固形分70重量%、溶媒30%)を溶剤{イソプロピルアルコール/トルエン(重量比)=2/1}で希釈し、固形分36重量%とした溶液300重量部と、重合ロジン{理化ハーキュレス(株)製、酸価140mgKOH/g}を溶剤{ノルマルプロピルアルコール/トルエン(重量比)=3/7}で希釈し、固型分38重量%とした溶液100重量部との混合物に、トルエンスルホン酸エチルアミド(富士アミドケミカル社製、トップサイダーNo.3)を14重量部混合し、更に、混合溶剤{イソプロピルアルコール/トルエン(重量比)=2/1}を21重量部加えて、固形分40重量%溶液の接着剤を調製した。
【0054】
なお、上述した重合ロジンは、その金属イオン含有量がナトリウムイオン890ppb、アルミニウムイオン440ppb、亜鉛イオン460ppb、鉄イオン610ppb、ニッケルイオン7ppb、銅イオン3ppb、クロムイオン19ppbのものをカチオンイオン交換法により脱金属処理をし、その金属イオン含有量がナトリウムイオン2ppb、アルミニウムイオン20ppb、亜鉛イオン8ppb、鉄イオン7ppb、ニッケルイオン0ppb、銅イオン0ppb、クロムイオン0ppbとしたものを使用した。
【0055】
(実施例19)
実施例18で得た液状接着剤について80℃に設定した真空乾燥機で溶剤を揮発させ、固形接着剤を得た。
【0056】
実施例18で得た液状接着剤は、上述した実施例1〜13と同様の方法、また、実施例19で得た固型接着剤は、上述した実施例14〜17と同様の方法で評価した。その結果を下記表4に示す。
【0057】
【表4】
Figure 0003845486
【0058】
本発明の第2の精密加工用仮着接着剤は、エポキシ樹脂にロジン系樹脂を添加したことにより、塗布平滑性、洗浄性により優れ、また、乾燥性、剥離性においても優れることが判明した。
【0059】
【発明の効果】
本発明の精密加工用仮着接着剤は、主成分をエポキシ系樹脂またはエポキシ樹脂とロジン系樹脂とし、かつ可塑剤を所定量配合したものとすることにより、表面平滑性、接着力、洗浄性、軟化点において優れた接着剤である。また、不純物としての金属イオンの含有量を低くすることにより、半導体デバイスの機能に影響を及ぼすことがないものとできる。更に、除去に際しアルカリ水溶液を使用することにより、容易に除去できるので、有機溶媒を必要とせず、中毒や火災等のない環境上安全な接着剤とすることができる。

Claims (4)

  1. シリコン、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、または光学レンズを仮着して精密加工する際に使用される精密加工用仮着接着剤であって、酸無水物が付加されたノボラック型エポキシ樹脂を主成分とし、該樹脂100重量部に対し可塑剤を3重量部〜35重量部の範囲で含有し、アルカリ水溶液に可溶であることを特徴とする精密加工用仮着接着剤。
  2. シリコン、ガリウムヒ素、ガラス材、磁性材、金属材、水晶、または光学レンズを仮着して精密加工する際に使用される精密加工用仮着接着剤であって、酸無水物が付加されたノボラック型エポキシ樹脂及びロジン系樹脂を主成分とし、該樹脂混合物100重量部に対し可塑剤を3重量部〜35重量部の範囲で含有し、アルカリ水溶液に可溶であることを特徴とする精密加工用仮着接着剤。
  3. 可塑剤が、トルエンスルホン酸エチルアミド、フタル酸エステル系化合物、オキシ酸エステル系化合物および脂肪族二塩基酸エステル系化合物からなる群から選ばれる1種或は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1、または2記載の精密加工用仮着接着剤。
  4. 精密加工用仮着接着剤が、ウエハ精密加工用仮着接着剤であることを特徴とする請求項1、2または3記載の精密加工用仮着接着剤。
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