JP3845218B2 - 差動式熱感知器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火災等の発生によって急激に発生する熱を感知し、その温度上昇速度がある値以上になったときに発報信号を出力する差動式熱感知器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
火災報知器等に使用される熱感知器には、周囲温度が一定値を越えると接点が閉じて発報信号を出力する定温式熱感知器と、周囲温度の上昇率が一定の率以上になった時に作動して発報信号を出力する差動式熱感知器とがある。定温式熱感知器は、例えばバイメタル等を用いて構成され、構造が極めて簡単であるという特徴がある。一方、差動式熱感知器は、周囲温度の上昇率が一定の率以上であれば、温度が一定値を越えなくても発報信号が出力されるという特徴がある。
【0003】
図2(a),(b)は、従来の差動式熱感知器の構成図であり、同図(a)はスポット型の差動式熱感知器、及び同図(b)は分布型の差動式熱感知器を示している。
図2(a)のスポット型の差動式熱感知器は、例えば部屋の天井等に取り付けられるもので、所定容量の内部空間を有する容器(即ち、感圧室)1を有している。感圧室1の一部には弾力性のある薄い金属板で作られたダイヤフラム2が取り付けられている。また、感圧室1の一部にはリーク孔3が設けられており、このリーク孔3を通して感圧室1と外部との間で空気の出入りが出来るようになっている。感圧室1はモールド台4に固定されており、ダイヤフラム2の中心部とこのモールド台4との間には、接点5が設けられている。そして、気温の変化や冷暖房等のように、室温の変化が緩慢であれば、リーク孔3を通して少量の空気が出入りして感圧室1内の圧力と外部の圧力とが釣り合いを保ち、接点5が閉じないようになっている。
また、火災が発生した場合には、感知器の周囲の急激な温度上昇に伴って、感圧室1内の空気がリーク孔3から漏れる以上に急激に膨脹し、ダイヤフラム2を押し上げて接点5が閉じられる。そして、接点5の情報は発報信号OUTとして受信機に伝えられるようになっている。
【0004】
図2(b)の分布型の差動式熱感知器は、比較的広い部屋等の火災を検出するもので、部屋の天井等に張られた総延長20m〜100mの空気管1Aを有している。空気管1Aの一端には、スポット型の差動式熱感知器と同様に、ダイヤフラム2と接点5が取り付けられるとともに、リーク孔3が設けられている。また、この空気管1Aの一端には、試験用送気口6が設けられている。試験用送気口6は通常の動作時は閉じられており、試験時にはここから一定量の空気を注入するようになっている。
この分布型の差動式熱感知器の動作は、スポット型における感圧室1が空気管1Aに変わっただけであり、スポット型の動作と同様である。
【0005】
差動式熱感知器の火災検出感度は、消防法等の規定により定められている。例えば、スポット型の1種の場合、室温が10℃/分の割合で直線的に上昇する場合、4.5分以内に作動しなければならず、また、2℃/分の割合で直線的に上昇する場合には、15分以内に作動してはならないように規定されている。
このように、差動式熱感知器は、定温式熱感知器と異なり、周囲温度の上昇率が一定の率以上であれば、温度が一定値を越えなくても発報信号OUTが出力され、早期に火災を検出することができるという特徴を有しているので、広く使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の差動式熱感知器では、次のような課題があった。
即ち、通常の温度変化や気圧の変化に対してダイヤフラム2内外の圧力の釣り合いを保つために、リーク孔3が必要である。しかし、このリーク孔3は、小さすぎると空気の出入りが困難になり、通常の温度変化でもダイヤフラム2が押し上げられて発報信号OUTが出力されるという誤発報が生じる。また、リーク孔3が大きすぎると、火災発生時にも、このリーク孔3から空気が抜けてしまって発報信号OUTが出力されないという無発報が生じる。
【0007】
リーク孔3の調整は、ダイヤフラム2の弾力性や接点5の間隔とも関連するので、極めて微妙であり、非常に手間がかかるという課題があった。
本発明は、前記従来技術が持っていた課題を解決し、ダイヤフラムにかかる圧力を周期的に監視して温度上昇率を判定することによりリーク孔を必要としない差動式熱感知器を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明は、分布型の差動式熱感知器であって、火災検出範囲に分布して設置され、その範囲に応じて長さが異なるものであって、筐体内に引き込まれる密閉された管状の感圧容器と、前記感圧容器内の気体の圧力に応じて電気信号を出力する圧力検出手段と、前記圧力検出手段から出力される電気信号を所定の周期で読み取り、前記周囲温度に対応する温度データに変換して出力する信号変換手段と、前記信号変換手段から逐次出力される温度データに基づいて前記周囲温度の上昇量を算出し、該上昇量が一定値を越えたときに温度変化信号を出力する温度変化判定手段と、前記温度変化判定手段から出力される温度変化信号を監視し、該温度変化信号が一定時間継続して出力されたときに火災が発生したと判定する火災判定手段と、前記感圧容器の長さの区分に応じた温度上昇率の低下分を補正する補正情報を設定するための設定手段とを備え、前記温度変化判定手段は、前記設定手段で設定された補正情報に従って、前記温度変化信号を出力する基準となる前記一定値を、前記感圧容器の長さに応じた温度上昇率の低下分を補償するように補正することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、以上のように差動式熱感知器を構成したので、次のような作用が行われる。感圧容器の周囲温度が変化すると、その内部に密閉された気体の圧力が変化し、これに伴って圧力検出手段からその圧力に応じた電気信号が出力される。電気信号は信号変換手段によって所定の周期で読み取られ、温度データに変換される。信号変換手段から逐次出力される温度データの変化は温度変化判定手段で判定され、その上昇量が一定値を越えると温度変化信号が出力される。そして、温度変化信号が一定時間継続して出力されると、火災判定手段によって火災が発生したと判定される。また、設定手段で設定された補正情報が温度変化判定手段に与えられ、この補正情報に基づいて温度変化信号を出力する基準となる一定値が決定される。そして、この決定された一定値に基づいて温度データの上昇値が判定され、温度変化判定手段から温度変化信号が出力される。
【0015】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態
図1(a),(b)は、本発明の第1の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図であり、同図(a)は構造を示す断面図、及び同図(b)は同図(a)中の信号処理基板に搭載された信号処理回路等を示す構成図である。
この差動式熱感知器は、例えば部屋の天井等に取り付けられ、その周囲温度の変化率に基づいて火災を判定して発報信号OUTを出力するもので、図1(a)に示すように、所定容量の内部空間を有して密閉された感圧容器(例えば、感圧室)11を有している。感圧室11の一部には、弾力性のある薄い金属板で作られ、この感圧室11内部の空気圧に応じて位置が変位する圧力位置変換手段(例えば、ダイヤフラム)12が取り付けられている。感圧室11はモールド台13に固定されており、このモールド台13には、更に、信号処理回路20等が搭載された信号処理基板14が固定されている。
【0016】
信号処理基板14の裏面にはダイヤフラム12の変位を検出してその変位量に応じた電気信号を出力する変位検出手段(例えば、圧力センサ)21が固定されている。圧力センサ21の感圧部とダイヤフラム12の中心部との間は、スプリング等の弾力性のある接続材15で物理的に接続されている。接続材15は、ダイヤフラム12から与えられる圧力を緩和して圧力センサ21に伝えるとともに、この圧力センサ21等の損傷を防止するためのものである。
圧力センサ21は、例えば、単結晶シリコン基板上に4個のストレイン・ゲージ抵抗を形成し、この単結晶シリコン基板に圧力が加えられたときに、抵抗値が増加する抵抗同士と減少する抵抗同士を、それぞれ対向する辺となるようにブリッジ接続したものである。そして、このブリッジ回路の入力側に一定の電圧を印加することにより、加えられた圧力に対応する電圧が、このブリッジ回路の出力側から出力されるようになっている。このような半導体型の圧力センサ21は、金属ストレイン・ゲージ抵抗に比べて、1桁以上高感度でかつ精度が高いという利点を有している。
【0017】
図1(b)に示すように、圧力センサ21の出力側には、増幅器22を介して信号変換手段(例えば、アナログ・ディジタル変換器、以下、「ADC」という)23が接続されている。増幅器22は、圧力センサ21から出力された微小電圧を、ADC23の入力レベルまで増幅するためのものである。また、ADC23は、増幅器22から出力された電圧をディジタル値に変換するものであり、このADC23の出力側に温度変化判定手段(例えば、温度変化判定部)24が接続されている。
【0018】
温度変化判定部24は、例えばマイクロプロセッサ等で構成され、ADC23から出力されるディジタル値を所定の周期で読み取り、対応する温度データに変換するとともに、前回読み取った温度データとの比較判定を行うものである。この周期は、短かすぎると有効な温度変化を検出することができず、また、長すぎると温度変化の状態を的確に捕らえることができないので、1〜10秒程度の間の値(例えば、5秒)に設定されている。そして、温度変化判定部24は、温度データの変化率が一定値(例えば、10℃/分)を越えている場合には有効変化、この一定値以下の場合には無効変化と判定して、その判定結果の温度変化信号を火災判定手段(例えば、火災検出部)25に出力するようになっている。
火災判定部25は、例えば温度変化判定部24と同一のマイクロプロセッサで構成され、この温度変化判定部24から与えられた温度変化信号が、所定の回数(例えば、20回)連続して有効変化である場合に、火災が発生したと判定するものである。火災判定部25の出力側には、接点26aを有する発報信号出力部26が接続されており、この火災判定部25から火災の判定を示す出力信号が与えられたときに、この接点26aが閉じられて発報信号OUTが出力されるようになっている。
【0019】
図3は、図1(b)の信号処理回路20における動作の一例を示すフローチャートであり、図4は、周囲温度の時間変化の一例を示す図である。以下、これらの図3及び図4を参照しつつ、図1(a),(b)の差動式熱感知器の動作を説明する。
図1の差動式熱感知器が部屋の天井等に設置されると、感圧室11内に密閉された空気の圧力がその周囲温度に応じて変化し、ダイアフラム12から接続材15を介して圧力センサ21に伝えられる。ここで、図示しない受信機から電源が供給されると、与えられた圧力に応じた電圧が圧力センサ21から出力され、増幅器22で所定のレベルに増幅されてADC23に与えられる。増幅器22から出力された電圧は、ADC23によってディジタル信号に変換され、温度変化判定部24に伝えられる。
【0020】
一方、受信機からの電源供給によって、温度変化判定部24等の動作が開始され、図3のステップS1以下の処理が実行される。
ステップS1において、ADC23から出力されたディジタル信号は、温度変化判定部24によって読み取られ、対応する温度データに変換される。この温度データは、例えば図示しないレジスタに格納され、ステップS2へ進む。
ステップS2において、図示しないカウンタiが0にセットされ、ステップS3へ進む。ステップS3において、所定の待ち時間(この場合は、5秒)が設定され、この待ち時間の経過後にステップS4へ進む。ステップS4において、ADC23から出力されるディジタル信号の読み取りが行われ、対応する温度データに変換されてステップS5へ進む。
【0021】
ステップS5において、ステップS4で今回得られた温度データと、レジスタに格納されている前回の温度データとの変化量が算出される。更に、レジスタに今回得られた温度データが格納され、ステップS6へ進む。
ステップS6において、ステップS5で算出された温度データの変化量が、一定の上昇率(この場合は、10℃/分)を越えているか否かが判定される。一定の上昇率を越えている場合には、有効変化と判定され、一定の上昇率以下の場合には、無効変化と判定される。この判定結果は、火災判定部25に与えられる。火災判定部25では、温度変化判定部24の判定結果が無効変化である場合には、ステップS2へ戻ってカウンタiが0にリセットされる。一方、有効変化である場合には、ステップS7へ進み、カウンタiの値が1だけカウントアップされて、ステップS8へ進む。
【0022】
ステップS8において、カウンタiの値が所定の値(この場合は、20)に達したか否かが判定される。所定の値に達していなければ、火災に至っていないと判定されてステップS3へ戻る。一方、所定の値に達していれば、火災の発生と判定され、ステップS9へ進む。
ステップS9において、発報信号出力部26が起動され、接点26aが閉じられる。これによって発報信号OUTが出力されて、受信機へ与えられる。
【0023】
以上のフローチャートに従った動作を、図4の温度変化に対応して説明する。時刻t1から時刻t2までのように温度変化が全く無い場合、及び時刻t2から時刻t3までのように温度変化が極めて緩慢な場合は、図3のステップS6において無効変化と判定され、カウンタiの値は常に0に保たれ、発報信号OUTは出力されない。
時刻t3から時刻t4までのように温度変化が大きい場合は、ステップS6において有効変化と判定され、ステップS7においてカウンタiは所定時間(5秒)毎に順次カウントアップされる。
しかし、時刻t4において温度上昇が停止して温度変化がなくなると、ステップS6において無効変化と判定され、ステップS2に戻ってカウンタiの値は0にリセットされ、発報信号OUTは出力されない。
【0024】
時刻t5から時刻t6までのように温度変化が大きく、かつ温度上昇が一定のの時間継続すると、ステップS6において有効変化と判定され、ステップS7に進んでカウンタiは所定時間毎に順次カウントアップされる。そして、ステップS3〜S8の繰り返しによる継続したカウントアップの結果、カウンタiの値は発報基準の値に達し、ステップS8において火災の発生と判定される。
【0025】
以上のように、この第1の実施形態の差動式熱感知器は、密閉された感圧室11内の空気の圧力を検出する圧力センサ21、圧力の変化に基づいて温度変化を検出してその温度上昇が火災等によるものか否かを判定する温度変化判定部24、及び火災等による温度上昇が一定時間継続したときに火災発生と判定して発報信号OUTを出力する火災判定部25等を有している。これにより、感圧室11にリーク孔を設ける必要がなく、調整が簡単で、かつ温度変化に応じて確実に火災を検出することが可能な差動式熱感知器が得られるという利点がある。
【0026】
第2の実施形態
図5(a),(b)は、本発明の第2の実施形態を示す分布型の差動式熱感知器の構成図であり、同図(a)は構造を示す図、及び同図(b)は同図(a)中の信号処理基板に搭載された信号処理回路等を示す図である。また、図1中の要素と共通の要素には、共通の符号が付されている。
この分布型の差動式熱感知器は、比較的広い部屋等の火災を検出するもので、部屋の天井等に張られた総延長20m〜100mの密閉された感圧容器(例えば、空気管)11Aを有している。空気管11Aの端は検出部の筐体13Aに引き込まれ、ダイヤフラム12Aが接続されている。筐体13Aの内部には、信号処理回路20A等が搭載された信号処理基板14が固定されている。
信号処理基板14には半導体型の圧力センサ21が固定されており、この圧力センサ21の感圧部とダイヤフラム12Aの中心部とが弾力性のある接続材15で物理的に接続されている。
【0027】
信号処理基板14に搭載された信号処理回路20Aは、図5(b)に示すように、圧力センサ21、増幅器22、ADC23、温度変化判定部24A、火災判定部25、発報信号出力部26、及び設定手段(例えば、設定スイッチ)27で構成されている。設定スイッチ27は、空気管11Aの長さに応じて温度変化の判定条件を変えるためのスイッチであり、例えば、この空気管11Aの長さの区分を、20m単位で設定することができるようになっている。設定スイッチ27は温度変化判定部24Aに接続されている。
温度変化判定部24Aの機能は、図1(b)中の温度変化判定部24とほぼ同様である。但し、設定スイッチ27で設定された値に応じて、温度変化の検出条件が変えられるようになっている。これは、広範囲に分布して設置された空気管11Aで検出される温度上昇は、その設置された範囲の温度上昇の平均値となるため、この空気管11Aの長さが長いほど、火災発生時に検出される温度上昇率が低くなるためである。
【0028】
その他の圧力センサ21、増幅器22、ADC23、火災判定部25、及び発報信号出力部26は、図1(b)中のものと同様である。
このような分布型の差動式熱感知器は、図1(a)のスポット型の差動式熱感知器の感圧室11が空気管11Aに代わっただけであり、図5(b)の信号処理回路20Aの動作は、図1(b)の信号処理回路20の動作とほぼ同様で、同様の利点を有する。
【0029】
第3の実施形態
図6は、本発明の第3の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図であり、図1(a)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この差動式熱感知器は、図1の差動式熱感知器における圧力センサ21及び接続材15に代えて、差動トランス28を設けたものである。
差動トランス28は、例えば、一定の交流電圧が与えられる一次巻線、差動的に接続された2つの二次巻線、及びこれらの一次及び二次巻線間を電磁的に結合する強磁性体の可動型の磁気コアで構成され、この磁気コアに変位によって二次巻線に出力される電圧が変化するようになったものである。差動トランス28は、比較的広い範囲の変位に比例して、高感度で精度の良い出力が得られるという利点がある。
【0030】
差動トランス28の一次及び二次巻線が信号処理基板14の裏面に固定され、コアがダイヤフラム12に接続されている。
このような差動式熱感知器では、差動トランス28の二次巻線に出力される交流電圧を整流することによって、ダイヤフラム12の変位、即ち周囲温度に応じた電圧を得ることができる。その他の構成は、図1の差動式熱感知器と同様であり、同様の効果がある。
【0031】
第4の実施形態
図7は、本発明の第4の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図であり、図1(a)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この差動式熱感知器は、図1の差動式熱感知器における圧力センサ21及び接続材15に代えて、ホール素子29及び磁石30を設けたものである。
ホール素子29は、例えば板状の半導体で構成された4端子型の磁気センサであり、入力端子から半導体の一定方向に一定電流を流し、この半導体の板面に垂直に磁界を加えると、一定電流に対して直交する方向にその磁界の強さに比例した電圧が生じるというホール効果を利用したものである。このようなホール素子29は、比較的広い範囲の変位に比例して、高感度で精度の良い出力が得られるという利点がある。
【0032】
ホール素子29が信号処理基板14の裏面に固定され、磁石30がダイヤフラム12に取り付けられている。そして、ダイヤフラム12の変位によって磁石30とホール素子29との間の距離が変化するようになっている。
このような差動式熱感知器では、ホール素子29の入力端子に一定の直流電流を印加することにより、ダイヤフラム12の変位、即ち周囲温度に応じた電圧を、このホール素子29の出力端子から得ることができる。その他の構成は、図1の差動式熱感知器と同様であり、同様の効果がある。
【0033】
第5の実施形態
図8は、本発明の第5の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図であり、図1(a)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
この差動式熱感知器は、図1の差動式熱感知器における感圧室11の一部に設けられていたダイヤフラム12を削除し、感圧室11内の空気圧を圧力センサ21の感圧面に直接導くための通気管11aを設けている。通気管11aと圧力センサ21との間は封止樹脂等によって密閉され、感圧室11内の空気が外部に漏れないようになっている。その他の構成は図1の差動式熱感知器と同様である。
【0034】
このような差動式熱感知器の動作は、感圧室11内の空気圧が直接圧力センサ21に加えられるようになっていること以外は、図1の差動式熱感知器と同様である。
この差動式熱感知器は、図1の差動式熱感知器とは異なり、ダイヤフラムがないので、構成を簡素化することができるという利点がある。但し、圧力センサ21に加える圧力を緩和するための接続材が存在しないので、この圧力センサ21の強度は、加えられる圧力を考慮して選定する必要がある。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次の(a)〜(f)のようなものがある。
(a) 差動式熱感知器の構造は、図1(a)や図5(a)等に例示したものに限定されず、同様の機能を有するものであれば、どのような構造でも同様に適用可能である。
(b) ダイヤフラム12,12Aに代えて、内部の空気圧に応じて位置の変位を生じるベローズ等のように柔軟性と気密性のある圧力位置変換手段を用いても良い。
(c) 信号処理回路20,20Aの構成は、図1(b)や図5(b)に例示したものに限定されず、同様の機能を有するものであれば、どのような構成でも同様に適用可能である。
【0036】
(d) 図5の分布型の差動式熱感知器における圧力センサ21に代えて、差動トランスやホール素子を設け、ダイヤフラム12Aの変位を検出するようにしても良い。
(e) 温度変化判定部24等は、温度の上昇率とその継続時間のみで火災を判定するのではなく、一定の温度になったときにも火災と判定して発報信号OUTを出力するようにしても良い。
(f) ダイヤフラム12,12Aに、報知信号出力部26の接点26aに並列接続した接点を設け、一定温度に達したときにこのダイヤフラム12,12Aの変位によってこの接点が閉じるようにしても良い。これにより、万一、火災による高温で信号処理回路20等が誤動作しても、定温式熱感知器として動作して確実に発報信号OUTを出力することが可能になる。
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、密閉された感圧容器内の気体の圧力を検出するための圧力検出手段、圧力の変化に基づいて温度変化を検出してその温度上昇が火災等によるものか否かを判定する信号変換手段と温度変化判定手段、及び火災等による温度上昇が一定時間継続したときに火災発生と判定する火災判定手段を有している。これにより、従来のようにリーク孔を設ける必要がなくなり、調整が簡単で、かつ温度変化に応じて確実に火災を検出することが可能な差動式熱感知器が得られるという効果がある。また、感圧容器の容量に応じた補正情報を設定するための設定手段を設け、更に、温度変化判定手段は、この設定手段で設定された補正情報に従って温度変化信号を出力するように構成している。例えば分布型の差動式熱感知器のように、感知区域の広さによって異なる長さの空気管等の感圧容器を使用する場合に、適切な温度変化判定を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図である。
【図2】従来の差動式熱感知器の構成図である。
【図3】図1(b)の信号処理回路20における動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】周囲温度の時間変化の一例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す分布型の差動式熱感知器の構成図である。
【図6】本発明の第3の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図である。
【図7】本発明の第4の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図である。
【図8】本発明の第5の実施形態を示すスポット型の差動式熱感知器の構成図である。
【符号の説明】
11 感圧室
11A 空気管
11a 通気管
12,12A ダイヤフラム
21 圧力センサ
23 ADC(アナログ・ディジタル変換器)
24,24A 温度変化判定部
25 火災判定部
26 発報信号出力部
27 設定スイッチ
28 差動トランス
29 ホール素子
30 磁石

Claims (1)

  1. 分布型の差動式熱感知器であって、
    火災検出範囲に分布して設置され、その範囲に応じて長さが異なるものであって、筐体内に引き込まれる密閉された管状の感圧容器と、
    前記感圧容器内の気体の圧力に応じて電気信号を出力する圧力検出手段と、
    前記圧力検出手段から出力される電気信号を所定の周期で読み取り、前記周囲温度に対応する温度データに変換して出力する信号変換手段と、
    前記信号変換手段から逐次出力される温度データに基づいて前記周囲温度の上昇量を算出し、該上昇量が一定値を越えたときに温度変化信号を出力する温度変化判定手段と、
    前記温度変化判定手段から出力される温度変化信号を監視し、該温度変化信号が一定時間継続して出力されたときに火災が発生したと判定する火災判定手段と、
    前記感圧容器の長さの区分に応じた温度上昇率の低下分を補正する補正情報を設定するための設定手段とを備え、
    前記温度変化判定手段は、前記設定手段で設定された補正情報に従って、前記温度変化信号を出力する基準となる前記一定値を、前記感圧容器の長さに応じた温度上昇率の低下分を補償するように補正すること、
    を特徴とする差動式熱感知器。
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