JP4547312B2 - 温度センサーおよび火災感知器 - Google Patents

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Description

本発明は、被温度検知領域の温度を広範囲に検出する温度センサー、およびこの温度センサーを用いた火災感知器に関する。
従来の温度センサーは、点または棒など局所的に測定するものが多い。例えば、スポット型火災感知器の場合、その直下で発生した火災に対しては敏感に反応するが水平方向に離れた場所での火災の場合には、熱流が天井面を伝わった後に火災発報される。
このことは空調装置用の温度センサーについても言え、測定ポイントが局所的なため室温の平均値と測定温度とがかけ離れた値を検出する場合がある。
また、このような点の温度検知ではなく、空間的に温度検知する温度センサーを備えた火災感知器として、空気管式差動式分布型感知器がある。このタイプの火災感知器は、感熱素子として内径2mm程度の銅パイプ製の空気管を使用し、この空気管を被温度検知空間に分布させて配置し、火災の温度上昇による空気管内の圧力を検出する方式となっている。
また、同様に広範囲な温度検知機能を持つ火災感知器としては、感熱素子として熱電対を使用し、熱電対部と接続線を交互に接続して被温度検知空間に分布させて配置して、火災の温度上昇による熱電対起電力を検出する方式の熱電対式差動式分布型感知器がある。
また、金属線で構成された熱感知線の標準温度状態での抵抗値と現在温度での抵抗値とを測定し、これらの抵抗値から現在温度を算出するようにした分布型温度検知装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平3−246430号公報
このように従来の火災感知器には様々なものがあるが、それぞれ以下のような問題点がある。
従来のスポット型火災感知器では、局所的な温度検知となるため、被検知空間の温度を測定する場合、温度分布に差が発生し温度センサー設置の位置、風量などにより温度センサーの測定値と被温度検知空間全体での温度平均とに誤差が発生するという問題点があった。
従来の差動式分布型火災感知器は、感熱素子として銅パイプ製の空気管を使用するため、その設置の際にはこの空気管を潰さないように施工する特殊な技術が必要となっていた。また、空気管式差動式分布型感知器は、空気圧力を利用した検出方式であるため、大型台風など低気圧による誤報発生の事例がある。さらに空気管が外圧でつぶされたり、穴が開いたりしても誤報の原因となるという問題点があった。
さらに、この空気管式差動式分布型感知器の試験は、マノメーターと呼ばれる特殊な試験機により作動試験を行う必要があり、試験のため労力と設備のコスト負担が大きいという問題点もあった。
また、従来の熱電対差動式分布型感知器は、設置の際には熱電対部と接続線とのカシメ作業など特殊な技術が必要となる。このため、設置作業が容易ではないという問題点があった。また、感熱部と接続線との断線状態はメーターリレー試験機と呼ばれる試験を接続して断線状態を判断するなど、自動的に感熱部と接続線との断線状態を検出することはできなかった。このメーターリレー試験機は検出器に熱電対起電圧相当の電圧を送り検出器が作動状態とする試験機能は備えているが、検出器自体の試験であり熱電対部の起電圧を試験するには実際に燃焼火皿で燃焼試験を行う必要があった。
また、熱電対起電力が微少電圧のため、外来ノイズによる誤報などが発生する事例があった。また、空気管式差動式分布型感知器、熱電対式差動式分布型感知器は差動式火災感知器の特性として冷温所などのドアを開閉した場合など、火災判定温度上昇率以上となり誤報が発生するなどの事例があった。
また、感熱線の抵抗値は測定時の温度、その全長に依存して変化し、感熱線全長は施工現場の状況、施工方法により一定長に統一できる場合と、できない場合とがある。このため、被検知空間の温度を演算する際の基準温度における感熱線全長の抵抗値を有効に検出器に記憶させる手段が必要となる。従来、基準温度における感熱線全長の抵抗値を測定する手段として、人がデータを手作業で入力する方法や、別に基準となるサーミスタや温度計、基準抵抗などを設ける手段などがあるが、回路構成が複雑になるなどコスト増になるという問題点があった。
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、設置条件や環境等に影響されることなく正確な火災検知が可能で、かつ試験、設置等に要する労力やコストを低減することができる温度センサーおよび火災感知器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の温度センサーは、被温度検知領域に分布させて設置された感熱線と、前記感熱線に電流を流し加熱試験を行う試験手段と、前記感熱線の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、あらかじめ前記試験手段により前記感熱線の加熱試験を行って前記抵抗値測定手段によって測定された前記感熱線の基準温度における抵抗値を記憶した基準値記憶手段と、前記基準値記憶手段に記憶された前記基準温度における前記感熱線の前記抵抗値、および前記抵抗値測定手段が現在測定した前記感熱線の抵抗値から現在温度を算出する演算手段とを備え、前記感熱線が、ポジティプサーミスタ特性を有する導電性高分子材であることを要旨とする。
また、本発明の火災感知器は、前記の温度センサーと、火災判定基準温度を記憶する記憶手段と、前記温度センサーによって得られた現在温度と前記火災判定基準温度とを比較して、前記現在温度が前記火災判定基準温度を越えた場合に火災発生と判定する火災判定手段と、前記火災判定手段による判定の結果から火災発生の場合に火災信号を送出する信号送出手段とを備えることを要旨とする。
また、本発明の火災感知器は、前記の温度センサーと、火災判定基準温度上昇率を記憶する記憶手段と、前記温度センサーによって得られた現在温度から現在温度上昇率を求める温度変化演算手段と、前記現在温度上昇率と前記火災判定基準温度上昇率とを比較して、前記現在温度上昇率が前記火災判定基準温度上昇率を越えた場合に火災発生と判定する火災判定手段と、前記火災判定手段による判定の結果から火災発生の場合に火災信号を送出する信号送出手段とを備えることを要旨とする。
また、本発明の火災感知器は、前記の温度センサーと、火災判定基準温度および火災判定基準温度上昇率を記憶する記憶手段と、前記温度センサーによって得られた現在温度から現在温度上昇率を求める温度変化演算手段と、前記現在温度と前記火災判定基準温度とを比較して前記現在温度が前記火災判定基準温度を越えた場合であり、かつ前記現在温度上昇率と前記火災判定基準温度上昇率とを比較して現在温度上昇率が前記火災判定基準温度上昇率を越えた場合に、火災発生と判定する火災判定手段と、前記火災判定手段による判定の結果から火災発生の場合に火災信号を送出する信号送出手段とを備えることを要旨とする。
本発明の温度センサーによれば、被温度検知領域に感熱線を分布させて設置し、試験回路により感熱線の加熱試験を行うことで基準温度における感熱線の抵抗値を測定してこれを記憶し、現在の抵抗値を測定してこれをこの基準温度における抵抗値と比較、演算することで被温度検知空間の温度を検出するようにしたので、温度センサー設置の位置、風量などによる温度センサーの測定値と被温度検知領域全体での温度平均との温度分布差がなくなり、被温度検知領域全体の平均的な温度を正確に検出することができる。また、抵抗値の測定により温度センサーの断線、短絡状態も容易に測定できる。
また、本発明の火災感知器によれば、温度検知を、被温度検知領域に感熱線を分布させて設置し、試験回路により感熱線の加熱試験を行うことで基準温度における感熱線の抵抗値を測定してこれを記憶し、現在の抵抗値を測定してこれをこの基準温度における抵抗値と比較、演算することで被温度検知空間の温度を検出するようにしたので、感熱線の接続だけの施工方法により特殊な技術を必要としない施工が行え、施工費用の削減ができるとともに、大型台風など自然環境に影響されにくい火災感知器を提供することができる。しかも、試験回路を備えているので、通常は使われることのない火災感知器が正常に機能するかどうかを容易に検査することもできる。
さらに、本発明の火災感知器によれば、上述の温度センサーを用いたことで、現在温度による火災判定、温度上昇率による火災判定、さらに現在温度と温度上昇率の両方による火災判定など、様々な火災判定基準による火災感知器を提供することができる。
以下、本発明による温度センサーを実施するための最良の形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、実施例1における温度センサーの構成を示すブロック図である。また図2は、1つの部屋を被温度検知空間とした場合の実施例1における温度センサーの配置を示す平面図である。
本実施例1の温度センサー1は大別すると、温度を検出する感熱線11と、感熱線11の信号を検出して温度センサー1としての信号を出力する検出器12とで構成されている。
感熱線11は、被温度検知領域内に広範囲に渡って設置されている。ここでは、図2に示すように、被温度検知領域である建物の壁、天井、床などで仕切られた被温度検知空間100内の天井付近に広範囲に、均等に配置されている。なお、一般的に感熱線11は、例えば、天井面全体または壁面に、数メートル間隔で平均的に分布して設置される。
感熱線11としては、純ニッケル線など比較的抵抗の温度係数が高い純金属製のものが使用可能である。純ニッケルの温度係数(ここでは各素材を線状とした場合の温度1℃当たりの抵抗値が増加する率)は、+0.00692/℃である。
また、感熱線11としては、純ニッケル線より温度係数が高いポジティブサーミスタ特性のある導電性高分子材が使用可能である。
このような導電性高分子材としては、例えば、信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴムがある。このPTCシリコーンゴムの温度係数は−10℃から80℃の範囲で+0.0087から+0.0253/℃と、純ニッケル線に対し約125%から約365%と抵抗値が温度に対し増加する温度係数が高い。したがって火災感知などの温度センサー1に用いるのには、純ニッケル線よりも適している。
図3は、信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴムの−10℃から80℃での抵抗値測定データとその計算温度係数を示す図表である。
ここで用いられているシリコーンゴムは約200℃程度の耐熱性を有する。例えば、直径2mmのPTCシリコーンゴム1m、20℃での抵抗値は4480Ω、30℃での抵抗値は5000Ωであり、20℃から30℃の平均温度係数は((5000Ω−4480Ω)/10℃)/4480Ω=0.0116となり20℃での抵抗値4480Ωに対し1℃当たり0.0116の率で抵抗値が増加することを表しており全長に渡って温度が1℃上昇する毎に抵抗値は1m当たり52.0Ω上昇する。20℃から30℃の平均温度係数は図3の20℃の下に記載してあり、他の温度の場合も同様である。
一方、純ニッケル線の抵抗率は7.24×10−8Ω・mである。例えば、直径0.2mmの純ニッケル線200m、20℃での抵抗値は491Ω、30℃での抵抗値は525Ωであり20℃から30℃の平均温度係数は((525Ω−491Ω)/10℃)/491Ω=0.00692となり20℃での抵抗値Ωに対し1℃当たり0.00692の率で抵抗値が増加することを表しており全長に渡って温度が1℃上昇する毎に抵抗値は1m当たり3.4Ω上昇する。一般に純ニッケル線の温度係数は−100℃から300℃位の間に渡ってほぼ一定であることは周知である。
図4は、信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴムと純ニッケル線の温度と抵抗値の特性グラフである。
純ニッケル線は直線的に温度係数が上昇するのに対し、信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴムは温度が高いほど温度係数が高くなる特性がみられ、空調、火災などの温度変化で温度が上昇し高温になった場合、温度係数が高くなるため検出誤差が少なくなり有効に温度に応じた抵抗値が測定できる。また、信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴムの場合の温度係数は−10℃から+80℃までの範囲で実験により温度係数が確認され、温度センサー1としては−10℃から+80℃の範囲で使用可能となる。また、火災感知器としては国家検定規格による使用温度範囲は−10℃から定温式の場合、公称作動温度までの使用範囲となり、公称作動温度は最大80℃まで使用できる。
したがって、感熱線11としては純ニッケル線よりもPTCシリコーンゴムが好ましいことがわかる。
なお、感熱線11としては信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴム以外にポジティプサーミスタ特性のある導電性高分子材であれば純ニッケル線よりも温度検知し易い。
信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴム以外のポジティプサーミスタ特性のある導電性高分子材を感熱線11として用いる場合は、例えば、導電性高分子材をφ2mmの線状に加工し、絶縁物で覆い一定の長さに切断して使用する。感熱線11は外来ノイズ防止のためペア線で設置する方法が望ましく、ループを形成させる。感熱線11の接続および末端は圧着等の方法で行う。
次に、検出器12の構成について説明する。
検出器12は、図1に示すように、感熱線11の加熱試験を行う試験回路13(試験手段)、感熱線11の全長の抵抗値を測定する抵抗値測定回路14(抵抗値測定手段)、感熱線11の接続を試験回路13または抵抗値測定回路14へ切り替える切替回路15、感熱線11の基準温度における全長の抵抗値の基準値を記憶する基準値記憶回路16(基準値記憶手段)、抵抗値測定回路14へ一定時間間隔のサンプリング信号を出力するサンプリング回路17、感熱線11の基準温度における抵抗値の基準値と測定された現在の抵抗値と感熱線温度上昇時の温度係数とから現在の温度を計算する現在温度演算回路18(演算手段)、および現在温度情報を信号出力する信号送出回路19により構成されている。
感熱線11は、全長、断面積が一定であれば基準温度における抵抗値は変わることがない。しかし、感熱線11の抵抗値は、その施行現場において、測定時の温度や、施行された感熱線11の全長に依存して変化する。しかも感熱線11の全長は施工現場の状況、施工方法により一定長に統一できる場合と、できない場合が発生する。このため、被温度検知空間100の温度を演算する際の基準温度における感熱線全長の抵抗値を検出器12自らが感熱線11を発熱させて測定することにしている。
すなわち、本実施例1では、感熱線11の施工時において、または使い始める最初に、感熱線11が加熱および冷却されないような環境状態において、感熱線11に試験回路13から一定の電流を流して感熱線11そのものの温度を一定に保ち、その時点で抵抗値測定回路14が抵抗値を測定して、その測定した抵抗値を基準値記憶回路16に記憶させている。
検出器12による温度検出動作について説明する。
通常の監視時においては、ループを形成した感熱線11の2本の他の末端が切替回路15を経由して抵抗値測定回路14に接続され、サンプリング回路17により間欠的に、例えば、数秒毎にサンプリング信号(電流)が抵抗値測定回路14に流されて、抵抗値測定回路14がサンプリング信号に従って間欠的に感熱線11の抵抗値測定る。
測定された抵抗値は、現在温度演算回路18により、基準値記憶回路16に記憶された基準温度における抵抗値と比較、演算され、現在温度が算出される。
この演算は、感熱線11の基準温度における抵抗値の基準値と測定された現在の抵抗値と感熱線の温度上昇時の温度係数とから行われる。
具体的には、例えば、基準温度20℃の時の感熱線11の全長100mに渡る抵抗値の基準値が448Ω、測定された感熱線11の現在抵抗値が600KΩとすると、現在の被温度検知空間100における温度と抵抗値との関係は図3のデータより、
20℃・・・448KΩ
30℃・・・500KΩ
40℃・・・572KΩ
50℃・・・670KΩ
となり、現在抵抗値600KΩは40〜50℃の範囲に入っていることが分かる。また、40〜50℃の平均温度係数は図3より0.01713(/℃)であり、これは40℃の抵抗値572KΩに対して1℃当たりの増加する抵抗値の増加率を表し、572KΩ×0.01713=9.798KΩが1℃当たりの増加抵抗値となる。
したがって、現在抵抗値600KΩの温度は、
40℃+(現在抵抗値−現在抵抗値に近い40℃での抵抗値)/1℃当たりの増加抵抗値
=40℃+(600KΩ−572KΩ)/9.798KΩ
=40℃+(28KΩ/9.798KΩ)
=40℃+2.86℃
=42.8℃
が計算される。
この演算により得られた現在温度情報は、信号送出回路19から、例えば、空調装置などに信号として出力される。
一方、感熱線11が断線、短絡した場合には、測定される抵抗値が、通常時の抵抗値と比較して極端に高い(断線の場合)か、極端に低く(短絡の場合)なるので、抵抗値測定回路14による抵抗値の測定によって容易に断線、短絡と判定することができる。このような断線や短絡を判定された場合も、信号送出回路19から感熱線断線信号、感熱線短絡信号として出力される。
次に、感熱線11の加熱試験を行う場合には、切替回路15を試験回路13側に切り替える。これにより感熱線11は切替回路15を経由して試験回路13に接続される。
試験では、まず試験回路13から感熱線11に電流が流される。感熱線11は基本的には抵抗体であるから電流が流れると発熱する。すなわち、感熱線11は試験回路13からの電流によって、ジュール熱により加熱される。
ここで使用しているポジティプサーミスタ特性を有する導電性高分子材の温度係数はあらかじめ測定済みであるため、加熱試験前の感熱線抵抗値と加熱試験後の感熱線抵抗値を測定、演算し、既知のポジティプサーミスタ特性を有する導電性高分子材の温度係数と測定した温度係数のデータを比較することにより加熱試験前の感熱線平均温度を容易に演算することができる。つまり、各温度における温度係数が異なるため、加熱試験を行って測定した温度係数により、加熱試験前の温度を絶対温度として演算することができる。
試験回路13は、このような感熱線11の発熱量を電流と時間で制御しており、発熱完了を待って切替回路15を通常監視状態に切り替え、抵抗値測定回路14により感熱線11の抵抗値を測定することで加熱試験時に係る温度変化を測定し、感熱線11が加熱試験による適切な抵抗値を示すかどうかを判断する。したがって、基準温度における抵抗値を測定するときには、基準温度となるように電流を流す時間を制御すればよい。
また、電流量や電流を流す時間を制御する代わりに、直接感熱線の温度を測り、その温度が基準温度となった時点で切替回路15を切り替えて、その時点の抵抗値を測定することでも、感熱線11の全長にわたる基準温度における抵抗値を簡単に測定して記憶させることもできる。なお、基準温度の測定は、前記の通り感熱線自体に電流を流して発熱させているので、感熱線11のどこをってもよい。
このように、実施例1に係る温度センサー1は、被温度検知空間100の温度を測定する場合、感熱線11を被温度検知空間100内に分布させて設置することにより測定値と被温度検知空間100全体での温度平均との温度分布差がなくなり、被温度検知空間100全体の温度を測定することができる。したがって、部屋全体の平均的な温度センサー1として活用できるとともに感熱線11の断線、短絡状態も容易に測定でき、さらには感熱線11自体の加熱試験を行うことも可能となる。
また、試験回路13を持つことで、加熱試験前の感熱線11の平均温度における感熱線抵抗値を基準温度における感熱線抵抗値に換算して記憶することができる。また、試験回路13を持つことで、従来、基準温度における感熱線全長の抵抗値を、サーミスタや温度計、基準抵抗などを設けて人手により測定していた手間を省くことができる。
また、感熱線11として、ポジティプサーミスタ特性を有する導電性高分子材を使用することにより、感熱線抵抗値の温度係数は金属線の場合より高い温度係数を示すので、常時一定時間間隔で感熱線全長の抵抗値を測定し、その抵抗値から現在温度および温度上昇率を演算することができる。またこれにより絶対温度でとらえることも可能となる。
したがって、このような温度センサー1は、空調装置用として使用できるほか、火災感知器にも使用することができる。
次に、火災感知器としての実施例について説明する。
実施例2は定温式分布型火災感知器の一実施例である。
図5は、実施例2の定温式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。なお、上述の実施例1と同一部材には同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
実施例2の定温式分布型火災感知器2は、被温度検知空間100内に張り巡らされた感熱線11と、この感熱線11に接続された検出器20とから構成されている。
検出器20は、感熱線11の加熱試験を行う試験回路13、感熱線11の抵抗値を測定する抵抗値測定回路14、感熱線11の接続を試験回路13または抵抗値測定回路14へ切り替える切替回路15、感熱線11の基準温度における全長の抵抗値の基準値および火災判定基準温度を記憶する基準値記憶回路16、抵抗値測定回路14へ一定時間間隔のサンプリング信号を出力するサンプリング回路17、感熱線11の基準温度における抵抗値の基準値と測定された現在の抵抗値と感熱線温度上昇時の温度係数とから現在の温度を計算する現在温度演算回路18、現在温度演算回路18により演算された現在温度を記憶するデータ記憶回路21、現在温度と国家検定による火災判定基準温度とを照合して火災判定を行う定温式火災判定回路22(火災判定手段)、および火災情報を火災受信機に出力する火災信号送出回路23(信号送出手段)により構成されている。
本実施例2においては、この検出器20内の定温式火災判定回路22が、現在温度演算回路18による現在温度と国家検定規格による火災判定基準温度とを照合し、火災判定を行う。したがって、この定温式分布型火災感知器2は、前述した実施例1の温度センサー1の検出器内に定温式分布型火災感知器2とするためのデータ記録回路と定温式火災判定回路22を設け、前述の温度センサー1としての構成によって得られる温度信号から火災判定を行うようにしたものである。なお、基準値記憶回路16は、実際の装置構成においては、例えば、半導体メモリなどの記憶装置であるため、温度センサー1の基準値記憶回路16に、さらに製造段階において、あらかじめ火災判定基準温度を入力、記憶させて、火災判定基準温度を記憶する記憶手段としている。
感熱線11は全長、断面積が一定であるため基準温度における抵抗値は、前述した実施例1同様に既知となるものであるので、あらかじめ感熱線の基準温度における抵抗値を基準値として基準値記憶回路16に記憶させておく。抵抗値の基準値は実施例1と同様にして記憶させることができる。
次に、定温式分布型火災感知器2の動作について説明する。
通常監視時においては、感熱線11が接続されている検出器20の切替回路15を抵抗値測定回路14側に切り替えられており、サンプリング回路17により間欠的に、例えば、数秒毎に電流が流され感熱線11の抵抗値が測定される。
測定された抵抗値は基準値記憶回路16に記憶されたデータと現在温度演算回路18により比較、演算されて算出される。この現在温度の算出は前述した実施例1における温度センサー1と同じである。得られた現在温度情報はデータ記憶回路21に記憶される。
データ記憶回路21に記憶された現在温度は、定温式火災判定回路22により火災判定基準温度と照合して火災判定される。ここで、火災と判定された場合には、火災信号送出回路23より火災受信機に火災信号として出力される。
また、感熱線11が断線、短絡した場合には、実施例1同様に測定された抵抗値から断線、短絡と判定され、火災信号送出回路23より感熱線断線信号、感熱線短絡信号として出力される。
なお、火災信号送出回路23より出力された火災信号、または感熱線断線信号、感熱線短絡信号は、図示しない火災受信機によって受信される。
一方、感熱線11の加熱試験を行う場合には、切替回路15が切り替わり、感熱線11は切替回路15を経由して試験回路13に接続される。
そして、試験を行う際には、試験回路13から感熱線11に電流が流される。感熱線11は抵抗体であるから電流が流れると発熱する。試験回路13は感熱線11の発熱量を電流と時間で制御しており、発熱完了を待って切替回路15を通常監視状態に切り替え、抵抗値測定回路14により感熱線11の抵抗値を測定することで加熱試験時に係る温度変化を測定し、感熱線11が加熱試験による適切な抵抗値を示すかどうかを判断する。
ここで、発熱完了となる感熱線11の温度は、例えば、国家検定規格以上の温度とする。これによりこの試験動作において、火災信号が出れば、国家検定規格以上の温度を正常に検出できており、正常であると判定できる。
このように、本実施例2に係る定温式分布型火災感知器2では、被温度検知空間100の温度を測定する場合、感熱線11を被温度検知空間100に分布させて設置することにより、測定値と被温度検知空間100全体での温度平均と温度分布差がなくなり部屋全体の平均的な温度を火災判定して、誤報の少ない火災報知設備における火災感知器として活用できるとともに感熱線11の断線や短絡状態も容易に測定できる。また、感熱線11の加熱試験を行うことも可能となる。
実施例3は差動式分布型火災感知器の一実施例である。
図6は、実施例3の差動式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。なお、上述の実施例1および実施例2と同一部材には同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
本実施例3の差動式分布型火災感知器3は、基本構造は前述した実施例1における温度センサー1と同様であり、被温度検知空間100内に張り巡らされた感熱線11と、この感熱線11に接続された検出器30よりなる。
検出器30の内部構成は、実施例2と同様であり、感熱線11の加熱試験を行う試験回路13、感熱線11の全長の抵抗値を測定する抵抗値測定回路14、感熱線11の接続を試験回路13または抵抗値測定回路14へ切り替える切替回路15、感熱線11の基準温度における全長の抵抗値の基準値および火災判定基準温度を記憶する基準値記憶回路16、抵抗値測定回路14を一定時間間隔で測定するサンプリング回路17、基準値記憶回路16の情報と抵抗値測定回路14の情報を感熱線温度上昇時の温度係数から演算して現在の温度を計算する現在温度演算回路18、現在温度演算回路18により演算された現在温度を記憶するデータ記憶回路21、データ記憶回路21に記憶された時系列の複数の現在温度から現在温度上昇率を算出する温度変化演算回路31(温度変化演算手段)、現在温度と国家検定による火災判定基準温度とを照合して火災判定を行う差動式火災判定回路32(火災判定手段)、火災情報を火災受信機に出力する火災信号送出回路23により構成されている。
ここで、実施例2と異なるのは、火災判定動作である。本実施例3では、差動式火災判定回路32において現在温度演算回路18による現在温度とあらかじめ決められた時間から温度上昇率を求め、求めた温度上昇率と国家検定規格による火災判定基準温度上昇率とを照合し、火災判定を行う。このような判定は差動式と呼ばれている。一方、前述した実施例2のような判定は定温式と呼ばれている。
なお、判定動作以外の構成および動作については、実施例2と同様であるのでそれらの説明は省略する。すなわち、この差動式分布型火災感知器においても、前述した実施例1の温度センサー1の検出器内に差動式分布型火災感知器とするためのデータ記録回路、温度変化演算回路31、および差動式火災判定回路32を設け、前述の温度センサー1としての構成によって得られる温度信号から現在温度上昇率を算出した上で火災判定を行うようにしたものである。
なお、基準値記憶回路16には、本実施例3においても製造段階において、あらかじめ火災判定基準温度上昇率を入力、記憶させて、火災判定基準温度上昇率を記憶する記憶手段としている。
以下、この差動式分布型火災感知器の動作について説明する。
この検出器30においては、製造段階において、あらかじめ基準値記憶回路16に火災判定基準温度上昇率を入力し、記憶しておく。
また、感熱線11は全長、断面積が一定であるため基準温度における抵抗値は、前述した実施例1同様に既知となるものであるので、あらかじめ感熱線基準温度における抵抗値の基準値を基準値記憶回路16に記憶させておく。
通常監視時においては、感熱線11が接続されている検出器30の切替回路15を抵抗値測定回路14側に切り替えられており、サンプリング回路17により間欠的に、例えば、数秒毎に電流が流され感熱線11の抵抗値が測定される。
測定された抵抗値は基準値記憶回路16に記憶されたデータと現在温度演算回路18により比較、演算され、得られた現在温度情報がデータ記憶回路21に記憶される。このとき、データ記憶回路21に記憶されたデータに、温度変化演算回路31によりあらかじめ記憶された時間をかけて温度上昇率が求められる。
なお、このような時間から現在温度上昇率を求める代わりに、データ記憶回路21に間欠的に測定されている現在温度を時系列で記憶し、記憶した複数の温度から現在温度上昇率を求めるようにしてもよい。
そして、差動式火災判定回路32は、求められた温度上昇率と火災判定基準温度上昇率と照合して火災判定を行う。ここで、火災と判定された場合には、火災信号送出回路23より火災受信機に火災信号として出力される。
また、感熱線11が断線、短絡した場合には、実施例1同様に測定された抵抗値から断線、短絡と判定され、火災信号送出回路23より感熱線断線信号、感熱線短絡信号として出力される。
なお、火災信号送出回路23より出力された火災信号、または感熱線断線信号、感熱線短絡信号は、図示しない火災受信機によって受信される。
一方、感熱線11の加熱試験を行う場合には、切替回路15が切り替わり感熱線11は切替回路15を経由して試験回路13に接続される。
そして、試験を行う際には、試験回路13から感熱線11に電流が流される。感熱線11は抵抗体であるから電流が流れると発熱する。試験回路13は感熱線11の発熱量を電流と時間で制御しており、発熱完了を待って切替回路15を通常監視状態に切り替え、抵抗値測定回路14により感熱線11の抵抗値を測定することで加熱試験時に係る温度変化を測定し、感熱線11が加熱試験による適切な抵抗値を示すかどうかを判断する。
ここで、発熱完了となる感熱線11の温度は、温度上昇率が、例えば、国家検定規格の以上の火災判定基準温度上昇率となるような温度とする。これによりこの試験動作において、火災信号が出れば、国家検定規格以上の温度を正常に検出できており、正常であると判定できる。
このように、実施例3に係る差動式分布型火災感知器では、被温度検知空間100の温度を測定する場合、感熱線11を分布させて設置することにより測定値と被温度検知空間100全体での温度平均と温度分布差がなくなり部屋全体の平均的な温度を火災判定して、誤報の少ない火災報知設備として活用できる。また、感熱線11の断線、短絡状態も容易に測定できるとともに感熱線11の加熱試験を行うことも可能となる。
実施例4は定温式と差動式の両方の機能を持つ定温検知機能付き差動式分布型火災感知器の一実施例である。
図7は、実施例4の定温検知機能付き差動式分布型火災感知器4の構成を示すブロック図である。なお、上述の実施例1〜3と同一部材には同一の符号を付して、それらの説明は省略する。
本実施例4の定温検知機能付き差動式分布型火災感知器4は、実施例2の定温式と実施例3の差動式による両方の火災判定機能を有する。したがって、検出器40における定温検知付き差動式火災判定回路42以外の構成は、実施例2および3と同様である。
この定温検知機能付き差動式分布型火災感知器4は、定温検知付き差動式火災判定回路42(火災判定手段)において、現在温度演算回路18による現在温度が国家検定規格による火災判定基準温度設定温度以上の場合に、さらに現在温度と時間による現在温度上昇率を国家検定規格による火災判定基準温度上昇率とを照合し、火災判定を行う。なお、基準値記憶回路16には、国家検定規格による火災判定基準温度と国家検定規格による火災判定基準温度上昇率とが記憶されている。
これにより、定温検知機能付き差動式分布型火災感知器4では、被温度検知空間100の温度を測定する場合、感熱線11を分布させて設置することにより、測定値と被温度検知空間100全体での温度平均との温度分布差がなくなり、部屋全体の平均的な温度差から、かつ温度上昇率をもって火災判定することができる。このため、冷温所などのドアを開閉した場合など、これまでの差動式分布型感知器では火災判定温度上昇率以上となり誤報が発生する場合があったが、温度上昇率以外にも定温式の機能によって設定温度条件も加味された火災判定が行われるようになり、これまでより誤報の少ない火災報知設備として分布型火災感知器を提供できる。
実施例5は、感熱線11と被温度検知領域との間に接続線を設けた形態である。
図8は、実施例5における温度センサー1の構成を示すブロック図である。また図9は、1つの部屋を被温度検知空間100とした場合の実施例5における温度センサー1の配置を示す平面図である。
この温度センサー5は、基本的には、実施例1の温度センサー1と同様であり、被温度検知空間100に広範囲に分布して配置された感熱線11と検出器12からなり、感熱線11と検出器12との間が接続線51によって接続されているものである。したがって、感熱線11および検出器12の構成、ならびに温度検知動作および試験動作については実施例1と同じであるので、これらの説明は省略する。
ここで接続線51は、感熱線11と比較して温度に対する抵抗値の変化が少ない素材を用いる。例えば、銅線は、温度係数が0.0043/℃と、ポジティブサーミスタ特性のある信越化学工業株式会社製PTCシリコーンゴムと比較して小さいため、温度測定範囲内においては、感熱線11の抵抗値の変化に対してほとんど無視できる程度の変化しかない。
したがって、このような接続線51を用いた場合でも実施例1の温度センサー1と全く同じ動作により温度測定や試験を行うことが可能である。
そして、このような接続線51を用いることで、被温度検知空間100とは異なる部屋や離れた場所に検出器12を設置した場合でも、被温度検知空間100以外の空間における温度を検知することなく、被温度検知空間100のみの温度を検知することができる。
このような接続線51を用いた構成は、定温式分布型火災感知器および差動式分布型火災感知器においても同じようにすることができる。
図10は、接続線51を用いた場合の定温式分布型火災感知器6の構成を示すブロック図である。
図10に示すように、この定温式分布型火災感知器6では、感熱線11と検出器20との間を接続線51によって接続している。このようにした場合も、この定温式分布型火災感知器6における感熱線11および検出器20の構成および動作は、実施例2における定温式分布型火災感知器2と全く同じようにすることができる。
また、図11は、接続線51を用いた場合の差動式分布型火災感知器7の構成を示すブロック図である。
図11に示すように、この差動式分布型火災感知器7では、感熱線11と検出器30との間を接続線51によって接続している。このようにした場合も、この定温式分布型火災感知器7における感熱線11および検出器30の構成および動作は、実施例3における差動式分布型火災感知器3と全く同じようにすることができる。
また、図示を省略するが、実施例4の定温式機能付差動式分布型火災感知器においても、同じように接続線51により感熱線11と検出器とを接続するようにしてもよい。この場合、感熱線11および検出器の構成、ならびにその動作は実施例4とまったく同じである。
上述した各実施例では、感熱線11を空間内に配置して空間の温度検知を行う例について説明したが、本発明はこのような空間の温度検知ばかりではなく、物体表面の温度をまんべんなく検知するための温度センサー1としても利用することができる。
図12は、実施例6における物体表面の温度を検知するための温度センサー1の配置を示す斜視図である。
図示するように、物体表面の温度を検知する場合には、感熱線11を被温度検知物体200の表面に分布させて配置すればよい。この場合、この被温度検知物体200が被温度検知領域となる。
そして感熱線11は、接続線51を介して検出器12に接続される。ここで感熱線11、接続線51および検出器12は、前述した実施例と同様であり、その動作は実施例1と同じである。
感熱線11は被温度検知物体表面のみにかかるようにして、そこから検出器に至る部分を接続線51によって接続している。これは、感熱線11から検出器に至る間で、被温度検知物体表面から外れた空間部分に感熱線11があると、その空間部分の温度を検知してしまうおそれがあるので、このような空間の温度検知を防止するためである。
このように、物体表面の温度であっても、感熱線11をその被温度検知物体200の表面に分布させて設置することにより測定値と被温度検知物体200全体の温度平均を測定することができる。また、物体表面での感熱線11の断線、短絡状態も容易に測定でき、さらには感熱線11自体の加熱試験を行うことも可能となる。
また、本実施例では、円柱形状の物体表面における温度を検知する例について示したが、物体の形状は円柱形状に限らず、表面に感熱線11を分布させることができる形状であれば、特殊な形状であっても対応することができる。
なお、本実施例の構成において、温度センサーにより物体表面の温度を検知するためには、物体外の空気の温度影響を少なくするため、空気と温度センサーとの間に断熱テープなどの断熱処理を施す必要がある。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は、このような実施例に限定されるものではない。例えば、検出器は、上述の説明では各回路が独立したものとして説明してあるが、これらはマイクロコンピューターやLSIなどによる構成であってもよいことは言うまでもない。
本発明は空調装置、プラントなどの温度センサーとして、また、火災報知設備差動式分布型火災感知器として防災システムにも利用することが可能である。
実施例1における温度センサーの構成を示すブロック図である。 1つの部屋を被温度検知空間とした場合の実施例1における温度センサーの配置を示す平面図である。 PTCシリコーンゴムの−10℃から80℃での抵抗値測定データとその計算温度係数を示す図表である。 PTCシリコーンゴムと純ニッケル線の温度と抵抗値の特性グラフである。 実施例2の定温式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。 実施例3の差動式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。 実施例4の定温検知機能付き差動式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。 実施例5における温度センサーの構成を示すブロック図である。 1つの部屋を被温度検知空間とした場合の実施例5における温度センサーの配置を示す平面図である。 接続線を用いた場合の定温式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。 接続線を用いた場合の差動式分布型火災感知器の構成を示すブロック図である。 実施例6における物体表面の温度を検知するための温度センサーの配置を示す斜視図である。
符号の説明
1、5…温度センサー
2、6…定温式分布型火災感知器
3、7…差動式分布型火災感知器
4…定温検知機能付き差動式分布型火災感知器
11…感熱線
12、20、30、40…検出器
13…試験回路
14…抵抗値測定回路
15…切替回路
16…基準値記憶回路
17…サンプリング回路
18…現在温度演算回路
19…信号送出回路
21…データ記憶回路
22…定温式火災判定回路
23…火災信号送出回路
31…温度変化演算回路
32…差動式火災判定回路
42…定温検知付き差動式火災判定回路
51…接続線
100…被温度検知空間
200…被温度検知物体

Claims (7)

  1. 被温度検知領域に分布させて設置された感熱線と、
    前記感熱線に電流を流し加熱試験を行う試験手段と、
    前記感熱線の抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
    あらかじめ前記試験手段により前記感熱線の加熱試験を行って前記抵抗値測定手段によって測定された前記感熱線の基準温度における抵抗値を記憶した基準値記憶手段と、
    前記基準値記憶手段に記憶された前記基準温度における前記感熱線の抵抗値、および前記抵抗値測定手段が現在測定した前記感熱線の抵抗値から現在温度を算出する演算手段と、
    を備え
    前記感熱線は、ポジティプサーミスタ特性を有する導電性高分子材である、
    ことを特徴とする温度センサー。
  2. 請求項1に記載の温度センサーにおいて、
    前記抵抗値測定手段は、所定の時間間隔で間欠的に前記感熱線の抵抗値を測定する、
    ことを特徴とする温度センサー。
  3. 請求項1または請求項2に記載の温度センサーにおいて、
    前記感熱線と前記抵抗値測定手段との間を、前記感熱線よりも温度に対する抵抗値の変化が少ない接続線により接続している、
    ことを特徴とする温度センサー。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の温度センサーにおいて、
    前記被温度検知領域は、空間または物体表面である、
    ことを特徴とする温度センサー。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の温度センサーと、
    火災判定基準温度を記憶する記憶手段と、
    前記温度センサーによって得られた現在温度と前記火災判定基準温度とを比較して、前記現在温度が前記火災判定基準温度を越えた場合に火災発生と判定する火災判定手段と、
    前記火災判定手段による判定の結果から火災発生の場合に火災信号を送出する信号送出手段と、
    を備えることを特徴とする火災感知器
  6. 請求項1から請求項4のいずれか項に記載の温度センサーと、
    火災判定基準温度上昇率を記憶する記憶手段と、
    前記温度センサーによって得られた現在温度から現在温度上昇率を求める温度変化演算手段と、
    前記現在温度上昇率と前記火災判定基準温度上昇率とを比較して、前記現在温度上昇率が前記火災判定基準温度上昇率を越えた場合に火災発生と判定する火災判定手段と、
    前記火災判定手段による判定の結果から火災発生の場合に火災信号を送出する信号送出手段と、
    を備えることを特徴とする火災感知器。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか項に記載の温度センサーと、
    火災判定基準温度および火災判定基準温度上昇率を記憶する記憶手段と、
    前記温度センサーによって得られた現在温度から現在温度上昇率を求める温度変化演算手段と、
    前記現在温度と前記火災判定基準温度とを比較して前記現在温度が前記火災判定基準温度を越えた場合で、かつ前記現在温度上昇率と前記火災判定基準温度上昇率とを比較して前記現在温度上昇率が前記火災判定基準温度上昇率を越えた場合に、火災発生と判定する火災判定手段と、
    前記火災判定手段による判定の結果から火災発生の場合に火災信号を送出する信号送出手段と、
    を備えることを特徴とする火災感知器。
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