JP2002367048A - 火災感知器 - Google Patents

火災感知器

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JP2002367048A
JP2002367048A JP2001173461A JP2001173461A JP2002367048A JP 2002367048 A JP2002367048 A JP 2002367048A JP 2001173461 A JP2001173461 A JP 2001173461A JP 2001173461 A JP2001173461 A JP 2001173461A JP 2002367048 A JP2002367048 A JP 2002367048A
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JP2001173461A
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Tomonori Mukougawa
友徳 向川
Yoshisato Mayuzumi
佳里 黛
Yukio Yamauchi
幸雄 山内
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Hochiki Corp
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Hochiki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構造が簡単で火災感知器として必要にして十分
なサイズに小型化でき、感度の方向依存性がない差動式
熱感知を行う。 【解決手段】上カバー3、ケース本体4及び下カバー5
により内部に密閉空間を形成し、下カバー5及びケース
本体4の一部を熱気流を受ける受熱面とした保護ケース
2と、保護ケース2の密閉空間に縦置きで収納配置され
た基板6と、基板6の温度勾配による高温部と低温部の
温度を検出する少なくとも一組の温度検出素子7とを備
え、この2組の温度検出素子7の検出信号から温度差を
検出して差動式熱感知を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の温度検出素
子とその熱伝導構造によって火災時の温度上昇の度合を
判断して火災を検出する差動式熱感知を行う火災感知器
に関する。
【0002】
【従来技術】従来、火災の熱気流を受けた際の温度を検
出して火災を発報する火災感知器としては、所定の火災
温度に達した時に発報する定温式熱感知器と、火災によ
る温度の上昇度合を判断して発報する差動式火災感知器
が知られている。
【0003】このうち差動式熱感知器としては、ダイア
フラムを使用した差動式熱感知器が古くから使用されて
おり、近年にあっては温度検出にサーミスタを使用した
差動式熱感知器も実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ダイアフラムを使用した差動式熱感知器は、チャンバー
構造をもっているために小型化しにくい問題がある。ま
たサーミスタを使用した差動式熱感知器は、ダイアフラ
ム式に比べると小型化できるが、差動式熱感知のために
感知器の外部と内部にサーミスタを設けており、サーミ
スタの配置により感温特性が変化するなどの問題があ
る。
【0005】一方、生産設備等での温度異常を監視する
超小形の半導体センサとして、差動式の感温センサが知
られている(特許第2697938号公報)。この感温
センサは、例えばシリコン基板などをエッチングして感
熱部の厚みを変化させ、厚みの厚いところと厚みの薄い
ところに形成されたそれぞれの温度センサの出力差分か
ら温度変化を算出している。
【0006】しかしながら、このような構造の感温セン
サでは、感度に方向依存性が生じ、方向性のないことが
要求される火災感知では安定性に欠ける問題がある。ま
た、このような構造の感温センサは、検出感度を高める
ために緩やかな温度上昇でも大きな差動出力が得られる
ようになっている。このため本来火災感知器が作動して
はならない室温の温度上昇で大きな差動出力を生じて発
報し、国内の差動式熱感知器の検定規格を満足すること
ができず、火災感知器として適していない。
【0007】本発明は、構造が簡単で火災感知器として
必要にして十分なサイズに小型化でき、感度の方向依存
性がない差動式熱感知を行う火災感知器を提供すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は次のように構成する。
【0009】本発明の火災感知器は、上カバー、ケース
本体及び下カバーにより内部に閉鎖空間を形成し、下カ
バー及びケース本体の一部を熱気流を受ける受熱面とし
た保護ケースと、保護ケースの内部閉鎖空間に縦置きで
収納配置された基板と、基板上に形成され、基板の温度
勾配による高温部と低温部の温度を検出する少なくとも
1組の温度検出素子とを備え、少なくとも1組の温度検
出素子の検出信号から温度差を検出して差動式熱感知を
行うことを特徴とする。
【0010】このような構成をもつ本発明の火災感知器
は、火災による熱気流を受けると下カバー及びこれに近
いケース本体により受熱が行われ、その熱が下カバーと
上カバーとの間に縦置き配置された基板に流れ込む。こ
の時、基板の下カバー側の方が上カバー側より熱の伝導
が速い。その結果、平常時の基板に温度分布の変化が生
じていない状態から、火災時には基板の下カバー側の温
度が上カバー側に向かうほど温度が低くなる温度勾配が
発生する。
【0011】本発明は、この火災時に基板内に生ずる温
度勾配に対し、基板の下カバー側端部となる高温部の温
度THと上カバー側端部となる低温部TCの温度を1又
は複数組の温度検出素子で検出し、その温度差分(TH
−TC)に基づき差動式熱感知を行う。
【0012】また本発明の火災感知器は、上カバー、ケ
ース本体及び下カバーにより保護ケースを構成して内部
に密閉空間を形成し、この密閉空間に温度検出素子を形
成した基板を配置することで、温度検出素子を外気から
遮断し、湿気や腐食性ガスによる検出素子の劣化を防
ぎ、高い耐久性を得る。
【0013】また本発明の火災感知器は、保護ケースの
ケース本体として、熱気流に対し感度の依存性がない円
筒形、円錐形、多角形柱とし、感度の方向依存性をなく
す。
【0014】更に本発明の火災感知器は、基板を上カバ
ーと下カバーの両方に接着した状態で固定もしくは上カ
バーと下カバーのいずれか一方に固定し、保護ケースで
熱気流を受けた際に、基板に流れ込む熱量を制御するこ
とにより、基板に火災による急激な温度上昇を検出する
に必要な温度勾配をさせることを特徴とする。
【0015】このように基板や保護ケースの形状、材質
等により、火災による熱気流を受けたときの基板の温度
勾配を最適化し、国内の差動式熱感知器に必要な検定規
格を満足することができる。
【0016】ここで国内の差動式熱感知器(第1種)の
検定規格は、次のようになる。 (1)ステップ上昇試験 (作動試験):試験機内温度を+20℃ステップ変化さ
せた場合、30秒以内に発報すること。 (不作動試験):試験機内温度を+10℃ステップ変化
させた場合、60秒以内に発報しないこと。 (2)直線上昇試験 (作動試験):温度上昇速度15℃/分の場合、4.5
分以内に発報すること。 (不作動試験):温度上昇速度3℃/分の場合、15分
以内に発報しないこと。
【0017】本発明の火災感知器は、保護ケース、基板
及び温度検出素子により差動式熱感知器を構成し、他の
検出構造をもつ火災感知器に装着して複合型火災感知器
としたことを特徴とする。
【0018】本発明の火災感知器における温度検出素子
は、熱電堆、サーミスタ、金属抵抗体、誘電体又は半導
体を使用する。また本発明の火災感知器は、基板に差動
式熱感知の温度検出素子に加え、所定温度へ到達を検出
する定温式熱感知の温度検出素子を設けてもよい。
【0019】更に本発明の火災感知器は、更に基板に設
けた温度検出素子の近傍の基板上にマイクロヒーターを
設け、火災感知器自体の性能の自動試験機能を有するよ
うにしても良い。
【0020】本発明による火災感知器の別の形態にあっ
ては、熱気流を受けるカバープレートの受熱面ほぼ中央
に下向きに取付け配置された基板と、基板の温度勾配に
よる高温部と低温部の温度を検出する少なくとも1組の
温度検出素子と、カバープレート、基板及び温度検出素
子を覆って被着された保護コーティングとを備え、少な
くとも1組の温度検出素子から温度差を検出して差動式
熱感知を行うことを特徴とする。
【0021】この形態をとる本発明の火災感知器は、温
度検出素子を設けた基板がカバープレートに対し露出し
て取付けられた構造であり、保護ケースを必要としない
分、構造を簡単にでき、更に熱気流を直接うけるので感
度が高い。また温度検出素子を設けた基板に対しては樹
脂などの保護コーティングを施しているので、温度検出
素子を外気から遮断し、湿気や腐食性ガスによる検出素
子の劣化を防ぎ、高い耐久性を得ている。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明による火災感知器の
感熱部構造の分解説明図である。図1において、感熱部
1は、上カバー3、中空円筒状のケース本体4及び下カ
バー5を接着固定することにより内部に密閉空間を形成
する保護ケース2を有し、保護ケース2の内部の密閉空
間に温度検出素子7が形成された基板6を縦方向に配置
して収納している。基板6に形成した温度検出素子7か
らは上カバー側にリード線8が引き出され、リード線8
は上カバー3を貫通して外部に取り出される。
【0023】図2は図1の感熱部1を用いた本発明の火
災感知器の設置状態の説明図である。図2において、感
熱部1は取付カバー9により天井面10に取り付けられ
ている。感熱部1の保護ケース2内に組み込まれた基板
6は、この実施形態では、保護ケース2の中央に上端及
び下端を上カバー3及び下カバー5に接触させた状態で
接着剤14により固着されており、上カバー3及び下カ
バー5から伝熱を受ける。
【0024】火災時などによる熱気流11を下カバー5
及び取付カバー9の外側に露出しているケース本体4に
より受熱すると、上カバー3及び下カバー5に接着され
た基板6に対する伝熱が起きる。このとき急激な雰囲気
の温度変化がある場合には、各部の熱応答速度の違いに
より基板6内に、下カバー5側の温度が高く上カバー3
側の温度が低くなる温度勾配に基づく温度差、例えば下
カバー5側の温度をTH、上カバー3側の温度をTCと
すると、温度差(TH−TC)を生ずる。
【0025】また雰囲気の温度が緩やかに上昇する場合
には、基板6内に発生する温度勾配は小さくなる。この
ように基板6内に発生する温度分布に対し、本発明にあ
っては基板6上に形成した温度検出素子7により下カバ
ー5側の温度THと上カバー3側の温度TCを検出し、
特に演算処理することなく両者の温度差(TH−TC)
を直接、差動式熱感知の出力として得るようにしてい
る。
【0026】図3は図1,図2の感熱部1に設けた基板
6に形成している温度検出素子7の具体的な実施形態で
あり、サーモパイルを使用したことを特徴とする。
【0027】図3において、基板6上には、温度検出素
子としてサーモパイル(熱電堆)12が形成されてい
る。サーモパイル12にあっては、温度検出素子を構成
する下カバー5側の温接点検出素子12aと上カバー3
側の冷接点検出素子12bを異なる2種の金属を交互に
直列接続し、6組の温接点と冷接点の組合せを直列接続
している。
【0028】このサーモパイル12においては、温接点
検出素子12a側の基板6の温度THと冷接点検出素子
12b側の基板6の温度TCとの温度差(TH−TC)
による起電力が直接、温度検出信号として一対のリード
線8を介して図示しない感知器回路に与えられる。
【0029】また異なる2種の金属により6組の温接点
と冷接点の組合せを直列接続していることから、それぞ
れの温接点と冷接点による温度差について、加算された
熱起電力が温度検出信号として出力される。
【0030】図4は図1,図2の感熱部1の基板6に形
成される温度検出素子7の他の実施形態であり、金属抵
抗体として白金抵抗体を使用し且つブリッジ回路を形成
するようにしたことを特徴とする。
【0031】図4において、基板6上に形成される温度
検出素子7としては、基板6の下カバー5側に白金抵抗
体13a及び温度変化によって抵抗値が変化しない抵抗
体13bを形成し、また基板6の上カバー3側に同じく
白金抵抗体13c及び温度変化によって抵抗値が変化し
ない抵抗体13dを形成している。この4つの白金抵抗
体を含む13a〜13dは、外部に取り出された4本の
リード線8a〜8dに対しブリッジ接続される。
【0032】白金抵抗体を含む13a〜13dのブリッ
ジ回路は、リード線8aと8cに外部の感知器回路から
規定の直流電圧を印加し、リード線8a,8c間に流れ
る電流を検出する回路とすればよい。
【0033】この白金抵抗体を含む13a〜13dを用
いたブリッジ回路は、基板6の温度が一様な場合にはそ
れぞれの抵抗値が等しいことからリード線8a,8c間
に流れる電流は零である。これに対し火災による熱気流
などを受けて白金抵抗体13a側の温度THが高く、こ
れに対し白金抵抗体13c側の温度TCが低くなる温度
勾配を過渡的に生ずると、白金抵抗体を含む13a,1
3bの組と白金抵抗体を含む13c,13dの組の抵抗
値に温度差に応じた抵抗値の差を生じ、このためリード
線8a,8c間に温度差(TH−TC)に対応した電流
が流れ、これによって図示しない感知器回路で直接、差
動式熱感知の出力信号を得ることができる。
【0034】なお図3,図4にあっては、基板6に形成
する感度検出素子7としてサーモパイルと白金抵抗体な
どの金属抵抗体を例にとっているが、サーミスタ、誘電
体や半導体などを使用してもよいことはもちろんであ
り、要するに温度変化を電気信号に変換できるものであ
れば何でもよい。
【0035】次に図1,図2の感熱部1における熱気流
11を受けた際の伝熱作用を図5を参照して詳細に説明
する。
【0036】図5において、感熱部1に対する熱気流1
1に対し、下カバー5の外側と取付カバー9の下側に位
置するケース本体4の外側部分が熱気流11の受熱面と
なり、これに対し上カバー3には直接熱気流11は当た
らない。保護ケース2内に収納された基板6は下カバー
5に接着固定されているため、下カバー5の受熱による
熱は実線の矢印で示すように速やかに基板6の下側から
伝導し、基板6の下カバー5側の熱応答速度は速い。
【0037】これに対し基板6の上カバー3側は熱気流
11を直接受けないことから、下カバー5の熱気流11
の受熱による熱がケース本体4を通って上カバー3側か
ら内部の基板6に実線の矢印で示すように伝導し、基板
6の上カバー3側に対する熱応答速度は遅くなる。
【0038】このため平常時の基板6内に温度分布が生
じていない状態から、火災による熱気流11を受けた時
には、基板6内に下カバー5側の温度THが高く上カバ
ー3側の温度TCがこれに対し低くなる温度勾配(TH
>TC)が発生する。
【0039】このように熱気流11を受けた際に基板6
の内部に生ずる温度分布に対し、図3のサーモパイル1
2もしくは図4のような白金抵抗体13a〜13dのブ
リッジ回路による温度検出素子が形成されていること
で、外部に対し温度差(TH−TC)となる差動式熱感
知の検出信号を直接出力することができる。
【0040】なお図3,図4におけるサーモパイルや白
金抵抗体による温度検出素子の形成方法としては、量産
性や応答性を考慮し、基板6の温度勾配を正確に計測で
きる薄膜、即ちスパッタ法、真空蒸着法、CVD法など
による成膜による薄膜を基板6上に形成することが望ま
しい。
【0041】このように基板6は温度差(TH−TC)
を検出する温度検出素子を形成する他に、下カバー5か
ら上カバー3に流す熱の量をコントロールするのに重要
な役割を果たす。したがって基板6の厚み、大きさ、材
質、更に保護ケース2を構成する上カバー3、ケース本
体4及び下カバー5の材質などを最適化することで、温
度検出素子7による差動式熱感知に最適な基板の温度勾
配が得られるようにする。
【0042】図5のように基板6を通って下カバー5か
ら上カバー3に流れる熱量は、上カバー3と下カバー5
に接着される基板6の面積と上カバー3と下カバー5の
間の間隔に依存する。
【0043】例えば基板6にガラスを用いた場合、基板
6の熱構造は上カバー3と下カバー5との接着面積を1
〜5mm2 、高さを2mmから15mm程度に確保する
ことにより、差動式熱感知における国内の検定規格を満
足するような特性が得られる。
【0044】また上カバー3及び下カバー5に対する基
板6の接着面積は、感度の方向依存性をなくす観点から
は小さい方が望ましい。更に下カバー5の厚みは基板6
の応答速度を大きく左右するため、1mm以下の厚さに
抑える必要がある。
【0045】図6は図1,図2の感熱部1を用いた本発
明の火災感知器について、差動式熱感知の国内検定規格
を評価するための直線上昇試験と階段上昇試験のそれぞ
れについての作動試験及び不作動試験の結果を示した特
性図である。
【0046】ここで試験条件を例えば1種について列挙
すると次のようになる。 (1)階段上昇・作動試験(投げ込み試験) 1種 +20℃で30秒以内に作動 (2)階段上昇・不作動試験 1種 +10℃で1分以上不作動 (3)直線上昇・作動試験 1種 10℃/分で4.5分以内に作動 (4)直線上昇・不作動試験 1種 3℃/分で15分以上不作動 このような試験条件に対し図6の本発明による火災感知
器の測定結果にあっては、前記四つの試験を満足する高
温点部の温度THと低温点部の温度TCの差に起因する
(比例する)出力の閾値(TH−TC)が図示のように
存在し、差動式熱感知器としての出力をえることができ
る。
【0047】このような閾値(TH−TC)は、階段上
昇・作動試験の測定特性Aについては30秒以内に閾値
(TH−TC)を超えて条件を満足している。また階段
上昇・不作動試験にあっては測定特性Bのように1分を
過ぎても閾値(TH−TC)に到達せず、条件を満足し
ている。
【0048】また直線上昇・作動試験の特性Cにあって
は1分40秒付近で閾値(TH−TC)に達して作動し
ており、4.5分以内に作動とする条件を満足してい
る。これに対し直線上昇・不作動試験の測定特性Dにあ
っては15分を過ぎても閾値(TH−TC)に達するこ
とがなく条件を満足している。
【0049】図7は本発明の火災感知器で使用する感熱
部1の他の実施形態であり、この実施形態にあっては保
護ケース2内の一定空間に温度検出素子7を形成した基
板6の配置構造として、基板6を下カバー5に対しての
み接着剤14により接着固定し、上カバー3側について
は基板端部6aを離して配置するようにしたことを特徴
とする。
【0050】この図7の実施形態にあっては、火災によ
る熱気流11により下カバー5で受けた熱は接着された
基板6へ流れ込むが、上カバー3側を経由した熱の流れ
込みはない。
【0051】このため図5に示した基板6が上カバー3
と下カバー5の両方に接着されている場合と比較して、
上カバー3に基板6が接着されていない分、基板6の熱
容量が小さく、したがって基板6の熱時定数が小さくな
り、特に基板6の両端部6a側の熱応答速度が速くな
る。その結果、国内検定規格における直線上昇・不作動
では出力が飽和するように作用するため、緩やかな温度
上昇に対する非火災報を効果的に低減する構造というこ
とができる。
【0052】図8は本発明の火災感知器に使用する感熱
部1の他の実施形態であり、この実施形態にあっては保
護ケース2内に配置する温度検出素子7を形成した基板
6の取付構造として、上カバー3に対してのみ接着剤1
4で接着固定し、下端部6bは下カバー5から離すよう
にしたことを特徴とする。
【0053】この実施形態にあっては、下カバー5及び
取付カバー9の外側に位置するケース本体4で受熱した
熱は上カバー3を介して基板6に伝導され、基板6の上
カバー3側の温度がTHと高く、下カバー5側の温度が
TCと低い温度分布を生ずる。
【0054】このため火災発生時の基板6の温度変化
は、上カバー3に接着された上部側の温度THの上昇が
下端部6bの温度TCに比較して速くなり、且つ大きな
温度変化を示す。
【0055】このため図5に示した基板6の上カバー3
と下カバー5の両方に接着されている実施形態と比較し
た場合、上カバー3からのみ基板6に伝熱が起こるた
め、基板6の温度上昇は遅くなる。即ち基板6における
上カバー3側の温度TH及び下カバー5側の温度TCと
もに熱応答速度が遅くなる。
【0056】この図8の構造を持つ感熱部1の特徴は、
上カバー3側の温度THと下カバー5側の温度TCの熱
応答速度は遅いものの、温度差(TH−TC)をとるこ
とにより見掛上の熱応答速度を速くすることができる。
また緩やかな温度上昇に対しても温度差(TH−TC)
の検出出力が飽和するように作用するため、緩やかな温
度上昇に対して,非火災報の低減などに十分な効果が期
待できる構造ということができる。
【0057】図9は本発明の火災感知器の感熱部1の他
の実施形態であり、この実施形態にあっては保護ケース
を台形円錐形状としたことを特徴とする。
【0058】図9において保護ケース2は、上カバー
3、中空の台形円錐体で構成されたケース本体4a及び
下カバー5で構成され、内部の密閉空間に温度検出素子
7を形成した基板6を縦方向に配置し、温度検出素子7
からのリード線8を上カバー3を通して上部に引き出し
ている。
【0059】図10は図9の感熱部1を使用した本発明
の火災感知器の取付状態であり、この実施形態にあって
は図2と同様、保護ケース2内に基板6は上カバー3及
び下カバー5の両方に接着剤14により接着固定されて
いる。
【0060】この図9,図10の実施形態の感熱部1に
あっては、保護ケース2の形状を台形円錐形状としたこ
とで下カバー5の面積が上カバー3よりも大きい構造と
なる。このため上カバー3側の熱容量が小さく、またケ
ース本体4aから流れ込む熱量も多くなるため、上カバ
ー3と接着されている基板6側の温度TCの上昇が相対
的に速くなる特徴がある。
【0061】図11は図9,図10の実施形態について
の国内検定規格における作動試験及び不作動試験の測定
結果を示している。この測定結果についても、階段上昇
作動試験の測定特性A、階段上昇・不作動試験の測定特
性B、直線上昇・作動試験の測定特性C及び直線上昇・
不作動試験の測定特性Dのすべてにつき、各条件を満足
する閾値THが図示のように設定できる。
【0062】図12は本発明の火災感知器に使用する感
熱部1の他の実施形態であり、この実施形態にあっては
保護ケース2を逆台形円錐形状としたことを特徴とす
る。即ち保護ケース2は、上カバー3、中空の逆円錐体
の形状を持つケース本体4b及び下カバー5で構成さ
れ、内部に温度検出素子7を形成し、リード線8を引き
出した基板6を装着している。
【0063】図13はその天井面10に対する取付状態
であり、保護ケース2の外側に取付カバー9を設けて天
井面10に取り付けている。逆円錐台形の保護ケース2
内の密閉空間には縦方向に基板6が配置されており、基
板6は上カバー3及び下カバー5の両方に接着剤14に
より接着固定されている。
【0064】この図12,図13の逆円錐台形の保護ケ
ース2を用いた実施形態にあっては、下カバー5の面積
が上カバー3の面積に対し小さくなるような構造が特徴
となる。この場合、下カバー5の熱容量が小さくなって
いるため、火災などによる熱気流11に対する熱応答速
度が、基板6における下カバー5側が速く差動式熱感知
の温度差の出力を大きくとるために有利な構造というこ
とができる。
【0065】図14は図12,図13の実施形態につい
ての国内検定試験における作動試験及び不作動試験の測
定結果である。この測定結果から明らかなように、保護
ケース2を逆円錐台形として上カバー3の面積に対し相
対的に大きくした場合には、面積の小さい下カバー5側
に位置する基板6の温度THの温度上昇度が大きくな
り、その結果、大きな差動式熱感知の検出出力が得られ
るように作用し、図示のように階段上昇作動試験の測定
特性A、階段上昇不作動試験の測定特性B、直線上昇作
動試験の測定特性C及び直線上昇不作動試験の測定特性
Dの全てを満足する差動式熱感知器として使用できる閾
値(TH−TC)が存在することになる。
【0066】図15は本発明の他の実施形態であり、こ
の実施形態にあっては、例えば図1,図2に示した構造
の感熱部1を他の検出構造をもつ通常の火災感知器に組
み合わせて複合型火災感知器としたことを特徴とする。
【0067】即ち、上記の各実施形態に示した本発明の
火災感知器の感熱部1は、いずれも小型化が可能であ
り、他の検出構造を持つ光電式火災感知器、更には火災
ガス漏れ警報器などに組み込んで複合型火災感知器とし
ての利用が可能である。
【0068】この場合、本発明による差動式熱感知を実
現する感熱部1の他の検出構造を持つ火災感知器への取
付構造は、例えば図15(A)のように光電式火災感知
器15の下端面15aの中央に本発明の火災感知器の感
熱部1を固定する。
【0069】また図15(B)のように光電式火災感知
器16の下端部に支持アームを切欠形成した断熱構造1
6aにより感知器筐体面から浮かせた構造をとるように
してもよい。
【0070】このように光電式火災感知器16の筐体カ
バーから断熱構造16aにより浮かせて本発明による火
災感知器の感熱部1を固定することで、感熱部1から感
知器筐体側への熱の逃げが抑えられるため、直線上昇試
験で温度差(TH−TC)の検出出力が適切に飽和する
特性を得ることができる。
【0071】図16は本発明の火災感知器の感熱部に使
用する温度検出素子の他の実施形態であり、この実施形
態にあっては基板6上に図4の実施形態と同様、サーモ
パイル12を形成すると同時に、基板6の空き部分例え
ば下側に測温抵抗体17を形成するようにしたことを特
徴とする。
【0072】この測温抵抗体17としては、白金抵抗体
もしくはサーミスタなどの基板6の温度により電気的な
特性が変化する素子であれば何でもよい。
【0073】この測温抵抗体17により基板6の温度を
検出することで、図示しない感知器回路において測温抵
抗体17で検出した温度が予め定めた一定温度となった
ときに作動するようにし、いわゆる定温式熱感知による
補償機能を備えた火災感知器を実現することができる。
【0074】図17は本発明の火災感知器の感熱部に使
用する温度検出素子の他の実施形態であり、この実施形
態にあっては図17の測温抵抗体17に加え、更にマイ
クロヒータ18を設けるようにしたことを特徴とする。
マイクロヒータ18に通電して基板6を直接加熱するこ
とにより、疑似的に火災が発生した状況を作り、感知器
の動作試験を行うことができる。
【0075】またマイクロヒータ18により加熱した際
に生ずる基板6の温度分布をサーモパイル12により検
出し、あるいは測温抵抗体17で検出することにより、
温度検出素子が正常に機能しているかどうかを直接且つ
確実に診断することもできる。
【0076】更に図16の実施形態における測温抵抗体
17をマイクロヒータとして使用して基板6の温度分布
をサーモパイル12により検出するような構成とすれ
ば、図17のように特別にマイクロヒータ18を設けな
くとも、測温抵抗体17をヒータ兼測温抵抗体として機
能させ、火災感知器に自動試験機能を持たせることがで
きる。
【0077】図18は本発明の変形となる他の実施形態
であり、この実施形態にあっては温度検出素子を形成し
た基板を露出構造として設けるようにしたことを特徴と
する。
【0078】即ち、この実施形態にあっては、図18
(A)のようにカバープレート20の下部中央にカバー
プレート20と直交して下向きに温度検出素子7を形成
した基板6を取付固定している。このカバープレート2
0、温度検出素子7を形成した基板6に対しては、図1
8(B)のように、その側を覆って樹脂などによってコ
ーティング21が施され、基板6上に形成した温度検出
素子7を雰囲気から密閉し、耐腐食性を高めた構造とし
ている。基板6に形成する温度検出素子7としては、図
3,図4,図16及び図17などのいずれかとすること
ができる。
【0079】この図18の実施形態にあっては、火災時
などの熱気流11を受けると、基板6は熱気流11から
直接熱を受け、基板6の先端部の温度THはカバープレ
ート20に固定している上部側の基板温度TCに対し速
く且つ大きな温度上昇を示し、この基板6内に生ずる温
度差(TH−TC)を直接出力することで差動式熱感知
器としての性能を満足することができる。
【0080】ここで、図18の実施形態にあっては、実
際の火災感知器として設置する際には、カバープレート
20より突出した基板6の部分を外部からの物が当たる
ことに対し防ぐため、その周囲を保護カバーで覆うよう
にする。
【0081】なお上記の実施形態にあっては、感熱部の
上カバー3として耐腐食性の高い樹脂などの材質を使用
しているが、上カバー3として火災感知器の回路基板な
どを直接利用してもよい。この上カバー3として機能す
る回路基板上にはインピーダンス変換や増幅回路などの
信号処理回路を形成し、これによって温度検出素子7か
らの温度差の検出出力がノイズの影響を受ける前に信号
を処理し、耐ノイズ性を向上させることができる。
【0082】また上記の実施形態にあっては、感熱部の
保護ケース2の形状として円筒形状、円錐台形形状、逆
円錐台形形状を例にとるものであったが、保護ケース2
としては熱気流がどちらの方向から来ても感度に方向依
存性が生じないような形状であれば良く、このため円錐
形、円筒形、あるいは多角形状など適宜の形状をとるこ
とができる。
【0083】更にまた本発明は上記の実施形態に限定さ
れず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を
含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受
けない。
【0084】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、上カバー、ケース本体及び下カバーにより構成され
た保護カバー内部の密閉空間に温度検出素子を形成した
基板を縦配置することで、火災による熱気流を下カバー
側で受けた際に、基板内に例えば下カバー側の温度が高
く上カバー側の温度が低くなる温度勾配を作り出し、少
なくとも一対の温度検出素子により、この温度勾配によ
る温度差を検出して差動式熱感知の検出信号を直接外部
に出力することで、差動式熱感知を構造的に実現した火
災感知器を得ることができる。
【0085】また保護カバー内の密閉空間に温度検出素
子を形成した基板が配置されており、温度検出素子は外
部から遮断され、湿気や腐食性ガスによる温度検出素子
の劣化が防止され、高い耐久性を得ることができる。
【0086】また基板や保護ケースの形状、材質などに
より火災による熱気流を受けたときの基板の温度勾配を
最適化し、これによって国内の差動式熱感知器に必要な
検定規格を満足する最適な差動式熱感知器としての性能
を構造的に実現することができる。
【0087】更に本発明の火災感知器は最終的に容易に
小型化できるため、既存の光電式煙感知器や低温式火災
感知器のカバー部分に簡単に組み付けて複合型火災感知
器を容易に実現することができる。
【0088】更に基板内に測温抵抗体やマイクロヒータ
を設置することにより、定温式火災感知器としての補償
機能を実現したり、あるいはマイクロヒータを利用して
性能確認を遠隔的な自動試験により行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の火災感知器の分解説明図
【図2】本発明の火災感知器の設置状態の説明図
【図3】温度検出素子としてサーモパイルを使用した基
板の説明図
【図4】温度検出素子として白金抵抗体でブリッジ回路
を構成した基板の説明図
【図5】本発明の火災感知器における差動式熱感知のた
めの熱伝導の説明図
【図6】国内検定規格の試験に対する本発明の火災感知
器における差動式熱感知特性の説明図
【図7】基板の下側のみを保護カバー側に接着させた本
発明の実施形態の説明図
【図8】基板の上側のみを保護カバー側に接着させた本
発明の実施形態の説明図
【図9】保護ケースを台形円錐状にした本発明の実施形
態の分解説明図
【図10】図9の実施形態の取付け使用状態の説明図
【図11】図9,10の実施形態における国内検定規格
の試験に対する差動式熱感知特性の説明図
【図12】保護ケースを逆台形円錐状にした本発明の実
施形態の分解説明図
【図13】図12の実施形態の取付け使用状態の説明図
【図14】図12,13の実施形態における国内検定規
格の試験に対する差動式熱感知特性の説明図
【図15】本発明の火災感知器を他の検出構造の火災感
知器に装着した複合型火災感知器の説明図
【図16】差動式熱感知の温度検出素子に加えて定温式
熱感知の測温抵抗体を設けた本発明で使用する基板の説
明図
【図17】図16の基板に更にマイクロヒーターを設け
た本発明で使用する基板の説明図
【図18】温度検出素子を設けた基板を露出構造とした
本発明の他の実施形態の説明図
【符号の説明】
1:火災感知器 2:保護ケース 3:上カバー 4:ケース本体 5:下カバー 6:基板 7:温度検出素子 8:リード線 9:取付カバー 10:天井面 11:熱気流 12:サーモパイル(熱電堆) 12a:温接点検出素子 12b:冷接点検出素子 13a,13c:白金抵抗体 13b,13d:固定抵抗体 14:接着部 15,16:光電式煙感知器 15a:カバー下端面 16a:断熱支持構造 17:測温抵抗体 18:マイクロヒーター
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年7月12日(2001.7.1
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また本発明の火災感知器は、上カバー、ケ
ース本体及び下カバーにより保護ケースを構成して内部
閉鎖空間を形成し、この閉鎖空間に温度検出素子を形
成した基板を配置することで、温度検出素子を外気から
遮断し、湿気や腐食性ガスによる検出素子の劣化を防
ぎ、高い耐久性を得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】ここで国内の差動式熱感知器(第1種)の
検定規格は、次のようになる。 (1)ステップ上昇試験 (作動試験):試験機内温度を+20℃ステップ変化さ
せた場合、30秒以内に発報すること。 (不作動試験):試験機内温度を+10℃ステップ変化
させた場合、60秒以内に発報しないこと。 (2)直線上昇試験 (作動試験):温度上昇速度10℃/分の場合、4.5
分以内に発報すること。 (不作動試験):温度上昇速度℃/分の場合、15分
以内に発報しないこと。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【発明の実施の形態】図1は本発明による火災感知器の
感熱部構造の分解説明図である。図1において、感熱部
1は、上カバー3、中空円筒状のケース本体4及び下カ
バー5を接着固定することにより内部に閉鎖空間を形成
する保護ケース2を有し、保護ケース2の内部の閉鎖
間に温度検出素子7が形成された基板6を縦方向に配置
して収納している。基板6に形成した温度検出素子7か
らは上カバー側にリード線8が引き出され、リード線8
は上カバー3を貫通して外部に取り出される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】図3において、基板6上には、温度検出素
子としてサーモパイル(熱電堆)12が形成されてい
る。サーモパイル12にあっては、温度検出素子を構成
する下カバー5側の温接点12aと上カバー3側の冷接
点1bの間を異なる2種の金属を交互に直列接続し、
6組の温接点と冷接点の組合せを直列接続している。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】白金抵抗体を含む13a〜13dのブリッ
ジ回路は、リード線8bと8dに外部の感知器回路から
規定の直流電圧を印加し、リード線8a,8c間に流れ
る電流を検出する回路とすればよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】ここで試験条件を例えば1種について列挙
すると次のようになる。 (1)階段上昇・作動試験(投げ込み試験) 1種 +20℃で30秒以内に作動 (2)階段上昇・不作動試験 1種 +10℃で1分以上不作動 (3)直線上昇・作動試験 1種 10℃/分で4.5分以内に作動 (4)直線上昇・不作動試験 1種 ℃/分で15分以上不作動 このような試験条件に対し図6の本発明による火災感知
器の測定結果にあっては、前記四つの試験を満足する高
温点部の温度THと低温点部の温度TCの差に起因する
(比例する)出力の閾値Eが図示のように存在し、差動
式熱感知器としての出力をえることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】このような閾値Eは、階段上昇・作動試験
の測定特性Aについては30秒以内に閾値Eを超えて条
件を満足している。また階段上昇・不作動試験にあって
は測定特性Bのように1分を過ぎても閾値Eに到達せ
ず、条件を満足している。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】また直線上昇・作動試験の特性Cにあって
は1分40秒付近で閾値Eに達して作動しており、4.
5分以内に作動とする条件を満足している。これに対し
直線上昇・不作動試験の測定特性Dにあっては15分を
過ぎても閾値Eに達することがなく条件を満足してい
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正内容】
【0063】図13はその天井面10に対する取付状態
であり、保護ケース2の外側に取付カバー9を設けて天
井面10に取り付けている。逆円錐台形の保護ケース2
内の閉鎖空間には縦方向に基板6が配置されており、基
板6は上カバー3及び下カバー5の両方に接着剤14に
より接着固定されている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正内容】
【0065】図14は図12,図13の実施形態につい
ての国内検定試験における作動試験及び不作動試験の測
定結果である。この測定結果から明らかなように、保護
ケース2を逆円錐台形として上カバー3の面積に対し相
対的に大きくした場合には、面積の小さい下カバー5側
に位置する基板6の温度THの温度上昇度が大きくな
り、その結果、大きな差動式熱感知の検出出力が得られ
るように作用し、図示のように階段上昇作動試験の測定
特性A、階段上昇不作動試験の測定特性B、直線上昇作
動試験の測定特性C及び直線上昇不作動試験の測定特性
Dの全てを満足する差動式熱感知器として使用できる閾
値Eが存在することになる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】更に本発明の火災感知器は最終的に容易に
小型化できるため、既存の光電式煙感知器や温式火災
感知器のカバー部分に簡単に組み付けて複合型火災感知
器を容易に実現することができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正14】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正15】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正16】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 幸雄 東京都品川区上大崎2丁目10番43号 ホー チキ株式会社内 Fターム(参考) 5C085 AA01 AB02 BA05 BA12 BA15 BA17 BA22 CA04 CA13 FA20 FA24 FA40 5G405 AA01 AB01 AC06 CA13 CA57 FA17 FA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上カバー、ケース本体及び下カバーにより
    内部に閉鎖空間を形成し、前記下カバー及び前記ケース
    本体の一部を熱気流を受ける受熱面とした保護ケース
    と、 前記保護ケースの内部閉鎖空間に前記上カバー及び下カ
    バーに対し縦置きで収納配置された基板と、 前記基板上に形成され、前記基板の温度勾配による高温
    部と低温部の温度を検出する少なくとも1組の温度検出
    素子と、を備え、前記少なくとも1組の温度検出素子の
    検出信号から温度差を検出して差動式熱感知を行うこと
    を特徴とする火災感知器。
  2. 【請求項2】請求項1記載の火災感知器において、前記
    保護ケースのケース本体は、熱気流に対し感度の依存性
    がない円筒形、円錐形、多角形柱としたことを特徴とす
    る火災感知器。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の火災感知器におい
    て、前記温度検出素子は、熱電堆、サーミスタ、金属抵
    抗体、誘電体又は半導体であることを特徴とする火災感
    知器。
  4. 【請求項4】請求項1記載の火災感知器において、前記
    基板を前記上カバーと前記下カバーの両方に接着した状
    態で固定もしくは、前記上カバーと前記下カバーのいず
    れか一方に接着して固定し、前記保護ケースで熱気流を
    受けた際に、前記基板に流れ込む熱量を制御することに
    より前記基板に火災による急激な温度上昇を検出するに
    必要な温度勾配を生じさせることを特徴とする火災感知
    器。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の火災感
    知器において、前記保護ケース、基板及び温度検出素子
    により差動式熱感知器を構成し、他の検出構造をもつ火
    災感知器に装着して複合型火災感知器としたことを特徴
    とする火災感知器。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の火災感
    知器において、前記基板に差動式熱感知の温度検出素子
    に加え、所定温度への到達を検出する定温式熱感知の温
    度検出素子を形成したことを特徴とする火災感知器。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    火災感知器において、更に前記基板に設けた温度検出素
    子の近傍の基板上にマイクロヒーターを設け、火災感知
    器自体の性能の自動試験機能を有することを特徴とする
    火災感知器。
  8. 【請求項8】熱気流を受けるカバープレートの受熱面ほ
    ぼ中央に下向きに取付け配置された基板と、 前記基板の温度勾配による高温部と低温部の温度を検出
    する少なくとも1組の温度検出素子と、 前記カバープレート、基板及び温度検出素子を覆って被
    着された保護コーティングと、を備え、前記少なくとも
    1組の温度検出素子から温度差を検出して差動式熱感知
    を行うことを特徴とする火災感知器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6877895B2 (en) * 2001-09-27 2005-04-12 Hochiki Corporation Fire sensor
JP2010218044A (ja) * 2009-03-13 2010-09-30 Nohmi Bosai Ltd 熱感知器

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