JP3843341B2 - 着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置 - Google Patents

着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテナを着脱自在に積込み可能な着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置に係り、特に塵芥収集用コンテナなど水平保持用コンテナ脚部を有するコンテナの積込み時にコンテナ脚部がコンテナ積載部後端に衝突するのを防止した衝突防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、着脱式コンテナ車は図5に示すように通常の標準化された直方体形状のコンテナ2を積載し、このコンテナ2をリフトアーム機構6によって車台4に対して積降し可能に構成している。
【0003】
コンテナ2の積込み作業は、まず図6に示すように地上に定置されたコンテナ2の前方にコンテナ車の車台後部を位置させ、この状態でリフトアーム機構6のアームをコンテナ2方向に回動させ、その先端の上向きフック6aをコンテナ2の前端上部の横長バー状係合部2aに下から係合させる。次に、図7に示すようにリフトアーム機構6のアームを前方に回動させることによりコンテナ2を車台4に引き上げることができる。
【0004】
ところで、近年、着脱式コンテナ車に塵芥収集用コンテナを搭載することが提案されている。この塵芥収集用コンテナ20は、図8及び図9に示すように略直方体形状を成す塵芥収容箱22の後部に塵芥投入箱24の上端部をヒンジ部材にて開閉可能に連結した構成である。塵芥投入箱24は、作業者の投入動作を容易にするためその投入口24aが比較的低位置に設定される関係上、その下端だけがその他の部分よりも大きく突出した形状となっている。
【0005】
このような塵芥収集用コンテナ20を普通に地上に定置する場合、塵芥投入箱24の突出下端のためコンテナ20が前下がり傾斜となる。しかし、前下がり傾斜では無様な印象を与える上、塵芥投入箱24の下端部に配設された図示しない汚水回収タンク内の汚水が前方の塵芥収容箱22内に流出したり、あるいは塵芥収容箱22の底面に溜まった汚水が前端に集まってその一部が微小隙間から外部に流出したり、箱内壁を腐食させるなどの問題がある。
【0006】
そこで、従来の塵芥収集用コンテナ20の前端下部には図9のように突出及び格納可能な脚部22aが配設されたものがあり、コンテナ20を地上に定置するときだけ脚部を突出させてコンテナをほぼ水平に保持するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記脚部22aはコンテナ20を積込むときは邪魔になるので積込作業の始めに必ず格納しておく必要があるが、脚部22aの格納は手作業で行っているため作業者の不注意で脚部22aを突出させたまま積込作業を続行してしまう可能性がまったくないとはいえない。このように脚部22aを突出させたまま積込作業を行うと、脚部22aがコンテナ積載部後端部に衝突して脚部22aないしコンテナ積載部を損傷させてしまったり、悪くするとコンテナ20がバランスを崩して横転するなどの可能性もある。
【0008】
本発明の目的は、コンテナの脚部を突出させたままで積込み作業を行った場合に、コンテナ積載部に脚部が衝突する前に積込み動作を自動停止させることにある。
【0009】
本発明に係る着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置は、コンテナの前端下部に突出及び格納可能に配設されたコンテナ脚部を備えたコンテナと、コンテナ脚部を格納した状態でコンテナを積載するコンテナ積載部と、コンテナ積載部に着脱自在にコンテナを積込むためのリフトアーム機構とを備えた着脱式コンテナ車に装備されるコンテナ脚部衝突防止装置であって、コンテナ脚部とコンテナ積載部の後端のうち、いずれか一方に検知部を配設すると共に、他方に検知部に対応した被検知部を設け、コンテナ積込動作において、検知部が被検知部を検知した場合に、当該検知結果に基づいて、リフトアーム機構の積込動作を停止させ、かつ、コンテナ積込動作において、検知部が被検知部を検知しない場合には、リフトアーム機構の積込動作が継続されるように構成した制御回路を設けたことを特徴とする。
【0010】
前記検知部は例えば圧力センサで構成可能であり、その場合前記検知部又は被検知部のいずれか一方に弾性部材を付設し、検知部に対する被検知部の押圧力にて突出状態のコンテナ脚部の接近を検知する。
【0011】
また、前記検知部は近接センサで構成することも可能であり、その場合コンテナ積載部の後端に近接センサを有する検知部を配設すると共に、該検知部に復帰用弾性部材を介してコンテナ脚部が接触可能な接触部を付設し、前記検知部に対する接触部の相対位置の変化によって突出状態のコンテナ脚部の接近を検知す る。
【0012】
或いは、コンテナ積載部の後端に近接センサを有する検知部を配設し、該検知部によって突出状態のコンテナ脚部の接近を直接的に検知することも可能であ る。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図に基づき説明する。
【0014】
図1の着脱式コンテナ車は基本的に従来のものと同一であって、後部にコンテナを着脱自在に積載するコンテナ積載部としての水平な車台40と、前後方向に回動可能なリフトアーム機構60を有する。リフトアーム機構60はL字状を成すリフトアーム64とフックアーム66とを有し、リフトシリンダ64aとフックシリンダ66aによってそれぞれのアーム64,66が前後方向に揺動可能である。フックアーム66の先端にはフック66bが形成され、このフック66bはコンテナ20前端上部の横長バー状係合部22bに下から係合可能とされている。
【0015】
車台40の後端部には、コンテナ脚部衝突防止装置80が配設されている。この衝突防止装置80はまったく新しいもので、塵芥収集用コンテナ20など前端下部に突出及び格納可能な脚部22aを有するコンテナを積込む際の脚部格納忘れによる脚部衝突事故を未然に防止するものである。詳しくは図2(a)(b)に示すように、車台後端40aに配設された左右一対の取付板82bの上端部がヒンジ82dによって車台後端40aに連結され、取付板82bが前後方向(図2(a)で左右方向)に揺動可能とされている。取付板82bの上端部は取付板82bのストッパを兼ねたカバー82eで覆われ、このカバー82eの内部に取付板82bを後方に附勢するための弾性部材としての圧縮ばね82aが配設されている。従って、常時は圧縮ばね82aの附勢力で取付板82bがカバー82e内面に当接した状態となっている。
【0016】
取付板82bの下端部後面には、左右一対の取付板82bを相互に連結するように接触部としての横長の接触バー82cが取付けられている。また取付板82bの下端部前面には、前方に延在する検知板84aが取付けられ、この検知板84aに微小隙間を明けて対向するようにして、車台後端40a下部に突設したブラケット板85に近接センサで構成される検知部84bが配設されている。この検知部84bは検知板84aとの重合面積の変化を検出して接触バー82cが動いたことを検出可能に構成されている。すなわち、検知板84aと検知部84bとによって接触バー82cに対する脚部22aの当接を検知する検知手段84が構成されている。なお、脚部22aの前面には脚部22a格納時の把手となる枠状のハンドル25が張出固定される場合があるが、このようなハンドル25を被検知部として利用して接触バー82cに当接させるのが望ましい。すなわち、車台後端部40aに後方張出部分を形成する場合に、脚部22aができるだけ離れた位置で検知部84bに検知されることが後方張出部分の設計の自由度向上のために好都合だからである。
【0017】
コンテナ脚部22aは、図3(a)(b)に示すように垂直なガイド筒26aに昇降自在に挿入され、脚部22a上端部に固定支柱27及びブラケット28を介してガススプリングシリンダ29の本体上端部が枢結されている。またこのガススプリングシリンダ29のピストンロッド29a下端部もコンテナ20底部に枢結されている。これによりコンテナ脚部22aの重量の大半がガススプリングシリンダ29の伸長力でバランスされ、脚部22aを小さな力で容易に持上げられるようになっている。脚部22aの上下2個所には図示しないロック孔が横方向に形成され、この上下いずれか一方のロック孔とガイド筒26aに形成された1つのロック孔とが整合状態でロックピン26bにて貫通されるようになっている。
【0018】
脚部衝突防止装置は前述の如く構成され、コンテナ積込時におけるこの装置の作動状況を図4のフローチャートを用いて説明する。図4でステップS1は運転席や車台後部に配設される積込みスイッチのON操作であり、このスイッチがONにされるとステップS2でリフトシリンダ64aが短縮してリフトアーム64が前方に回動する。リフトアーム64が前方に少し回動した段階でステップS3で積込みスイッチが自動又は手動でOFFにされる。この段階でコンテナ脚部22aの下端部が地面から僅かに浮くので、コンテナ脚部22aからロックピン26bを抜いて手動にて脚部22aを持上げ格納し、この格納位置で再びロックピン26bを差込む(ステップS4)。
【0019】
次に、ステップS5で積込みスイッチを手動にて再びONにするとステップS6でリフトアーム64の前方回動が再開され、この際脚部22aは格納済みのためステップS7の判定では「検知せず」となってステップS8でリフトアーム64の前方回動が継続され、車台40側に配設された図示しない第4センサがリフトアーム64が最後まで回動したことを検知すると、リフトシリンダ64aの短縮作動が停止する。これと同時に、今度はフックシリンダ66aの短縮作動が開始され、フックアーム66が前方に回動し始める。そしてフックアーム66の基端部に配設された図示しない第5センサがフックアーム66が最後まで回動したことを検知すると、フックシリンダ66aの短縮作動ないしフックアーム66の前方回動が停止する(ステップS12)。これでコンテナ20の積込み作動が完了し、積込みスイッチが自動的にOFFになる(ステップS13)。
【0020】
次に、ステップS4の脚部22aの格納を失念したままステップS5で積込みスイッチをONにした場合を説明する。この場合は、脚部22aが接触バー82cに当たって検知部84bが作動する。検知部84bの検知結果はリフトシリンダ64aの制御回路に伝達され、ステップS14でリフトアーム64の前方回動が自動停止される。この状態で作業者は積込みスイッチを手動にてOFFにすると共に(ステップS15)、リフトアーム64の逆動作のため運転席や車台後部に配設される降ろしスイッチを手動にてONにする。これによりリフトシリンダ64が後方に少し逆回動し、検知部84bが非作動状態に復帰する(ステップS17)。作業者はこの段階で直ちに降ろしスイッチを手動にてOFFにしてリフトアーム64の回動を停止させ、この状態で改めて脚部22aの格納作業を行 う。脚部22aの格納を完了するとステップS5で積込みスイッチを再びONにし、既述のステップS6〜ステップS13が実行される。
【0021】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば前記実施形態では車台40側に検知部84bを配設したが、この検知部84bは脚部22a側に配設してもよいことは勿論であって、その場合は検知部用の小型電源等も併せてコンテナ20側に配設すると共に、その検知結果をリフトアーム機構の制御回路にワイヤレス等で伝達する手段を追加すればよい。また、前記実施形態では検知部84bで検知板84aの移動を検知することにより脚部22aの接近を間接的に検知した が、検知範囲を十分に確保することにより検知部84bによる脚部22aの直接検知も可能である。また、検知部としては近接センサの他に圧力センサや光学センサなど各種のセンサを利用可能であり、例えば圧力センサを利用する場合は適当な弾性部材を検知部ないし被検知部に付設して弾性部材の圧力上昇を検知することで突出状態の脚部の接近を検知するようにしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
本発明は前述の如く、コンテナ積載部に対するコンテナ脚部の接近を検知部で検知して積込動作を自動停止させるようにしたので、脚部を格納し忘れて積込み動作を行った場合の脚部の損傷等の事故を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンテナ脚部衝突防止装置を有する着脱式コンテナ車の側面図。
【図2】(a)はコンテナ脚部衝突防止装置の側面図、(b)は同後面図。
【図3】(a)は突出状態の脚部の正面図、(b)は格納状態の脚部の正面図。
【図4】コンテナの積込み作動のフローチャート。
【図5】従来の着脱式コンテナ車の側面図。
【図6】従来の着脱式コンテナ車のコンテナを降ろした状態の側面図。
【図7】従来の着脱式コンテナ車の積込みないし降ろし動作の側面図。
【図8】塵芥収集用コンテナを搭載した着脱式コンテナ車の側面図。
【図9】地上に定置した塵芥収集用コンテナの側面図。
【符号の説明】
20 塵芥収集用コンテナ
22a 脚部
25 脚部のハンドル(被検知部)
40 車台(コンテナ積載部)
40a 車台後端部
60 リフトアーム機構
82a 圧縮ばね(弾性部材)
82b 取付板
82c 接触バー(接触部)
84a 検知板
84b 検知部

Claims (4)

  1. コンテナの前端下部に突出及び格納可能に配設されたコンテナ脚部を備えたコンテナと、前記コンテナ脚部を格納した状態でコンテナを積載するコンテナ積載部と、前記コンテナ積載部に着脱自在にコンテナを積込むためのリフトアーム機構とを備えた着脱式コンテナ車に装備されるコンテナ脚部衝突防止装置であって、
    前記コンテナ脚部とコンテナ積載部の後端のうち、いずれか一方に検知部を配設すると共に他方に前記検知部に対応した被検知部を設け、
    コンテナ積込動作において、前記検知部が被検知部を検知した場合に、当該検知結果に基づいて、前記リフトアーム機構の積込動作を停止させ、かつ、コンテナ積込動作において、前記検知部が被検知部を検知しない場合には、前記リフトアーム機構の積込動作が継続されるように構成した制御回路を設けたことを特徴とする着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置。
  2. 前記検知部又は被検知部のいずれか一方に弾性部材を付設し、検知部に対する被検知部の押圧力にて突出状態のコンテナ脚部の接近を検知するように構成したことを特徴とする請求項1記載の着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装 置。
  3. コンテナ積載部の後端に近接センサを有する検知部を配設すると共に、該検知部に弾性部材を介してコンテナ脚部が接触可能な接触部を付設し、前記検知部に対する接触部の相対位置の変化によって突出状態のコンテナ脚部の接近を検知するように構成したことを特徴とする請求項1記載の着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置。
  4. コンテナ積載部の後端に近接センサを有する検知部を配設し、該検知部によって突出状態のコンテナ脚部の接近を検知するように構成したことを特徴とする請求項1記載の着脱式コンテナ車のコンテナ脚部衝突防止装置。
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