JP3841363B2 - インクジェット記録用キャスト塗被紙,その製造方法及びそのキャスト塗被紙を用いたインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、特に優れた白紙表面光沢を有し、かつ優れたインクジェット記録(印字)適性を備えたキャスト塗被紙、その製造方法及びそのキャスト塗被紙を用いたインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンタによる記録が、騒音が少なく、高速記録が可能であり、かつ多色化が容易なために多くの分野で利用されている。
インクジェット記録用紙としては、インク吸収性に富むように工夫された上質紙や、表面に多孔性顔料を塗工した塗被紙等が適用されている。これらの用紙はすべて表面光沢の低い、所謂マット調のインクジェット記録用紙である。しかしながら、最近、インクジェット記録の高速化、高精細化、フルカラー化といった用途の拡大に伴い、表面光沢の高い、優れた外観を持つインクジェット記録用紙が希求されている。
【0003】
一般に表面光沢の高い用紙としては、表面に板状顔料を塗被し、さらに、必要に応じてキャレンダー処理を施した塗被紙、あるいは湿潤塗被層を鏡面を有する加熱ドラム面に圧着、乾燥、離型することにより、その鏡面を写し取ることによって得られる、所謂キャスト塗被紙等が知られている。
【0004】
このキャスト塗被紙はスーパーキャレンダー仕上げされた通常の塗工紙に比較して高い表面光沢とより優れた表面平滑性を有し、優れた印刷効果が得られることから、高級印刷物等の用途に専ら利用されているが、インクジェット記録用紙としては種々の難点を抱えている。
【0005】
即ち、一般に従来のキャスト塗被紙は、その塗被層を構成する顔料組成物中の接着剤等の成膜性物質がキャストコーターの鏡面ドラム表面を写し取ることにより高い光沢を得ている。他方、この成膜性物質の存在によって塗被層の多孔性が失われ、インクジェット記録時のインキの吸収を極端に低下させる等の問題を抱えている。そして、このインキ吸収性を改善するには、キャスト塗被層がインキを容易に吸収できるようにポーラスにしてやることが重要であり、そのためには成膜性物質の量を減ずることが必要となる。一方、成膜性物質の量を減らすことにより、結果として白紙光沢が低下する。
【0006】
さらに、インクジェット記録用紙については、その耐水性や印字発色濃度を向上させる目的でカチオン性樹脂を塗被層中に添加することが知られているが、これらのカチオン性樹脂をキャスト塗被液に添加することは、キャスト仕上げ後の光沢低下やインクジェット記録用インクの吸収性を悪化させるため、添加することが困難であった。そのために、一般のキャスト塗被紙ではインクジェット記録用インクの吸収性が悪いのみならず、印字発色濃度が低く、かつ印字後の耐水性も不十分なものであった。以上の如く、キャスト塗被紙の表面光沢とインクジェット記録(印字)適性の両方を同時に満足させることが極めて困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記により、本発明者等はキャスト塗被紙が本来有する高表面平滑性および高光沢を維持し、かつインクジェット記録(印字)適性に優れたキャスト塗被紙を得る方法について鋭意研究を重ねた。その結果、特定のカチオン性樹脂を含有した下塗り塗被層を設け、且つ上塗り塗被層(キャスト塗被液)として、特定のガラス転移点を持つ重合体を含有する塗被液を使用し、キャスト仕上げすることにより、キャスト塗被紙本来の高光沢、高平滑性を維持し、かつ従来のキャスト塗被紙では得ることのできなかった極めて優れたインクジェット印字記録適性を備えたキャスト塗被紙が得られることを見出したのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の各態様を含む。
【0009】
〔1〕原紙上に、顔料、接着剤およびポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドを共重合してなるカチオン性樹脂を含有する下塗り塗被層、さらに該下塗り塗被層上に40℃以上のガラス転移点を有するスチレン−アクリル酸エステル共重合体および/またはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体を含有するキャスト塗被層を積層してなるインクジェット記録用キャスト塗被紙。
【0010】
〔2〕原紙上に、顔料、接着剤およびポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドを共重合してなるカチオン性樹脂を含有する下塗り用水性塗被液を塗被、乾燥後、40℃以上のガラス転移点を有するスチレン−アクリル酸エステル共重合体および/またはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体を含有する塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成せしめ、この塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げるインクジェット記録用キャスト塗被紙の製造方法。
【0011】
〔3〕 原紙上に、下塗り用水性塗被液を塗被、乾燥して得られる下塗り塗被紙の透気度が、ガーレー高圧型透気度試験機で測定した値で、20秒/10cc以下である〔2〕記載のインクジェット記録用キャスト塗被紙の製造方法。
【0012】
〔4〕 〔1〕記載のキャスト塗被紙を用いて、微細孔から水性インクを吐出させて記録画像を形成させるインクジェット記録方法。
【0013】
〔5〕 水性インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる〔4〕記載のインクジェット記録方法。
【0014】
【作用】
前記したように、本発明者等はキャスト塗被組成物について鋭意検討を進めた結果、特定の重合体樹脂を含有する塗被組成物を特定のカチオン性樹脂を含有せしめた下塗り塗被層を設けた原紙上に塗被し、キャスト仕上げすることにより、本発明の所望とする優れた表面光沢を維持し、かつ優れたインクジェット印字記録適性を兼ね備えたキャスト紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
即ち、本発明において、キャスト塗被液に含有される特定の重合体樹脂の具体例は、例えばメチルアクリレート,エチルアクリレート,ブチルアクリレート,2−エチルヘキシルアクリレート,ラウリルアクリレート,2−ヒドロキシエチルアクリレート,グリシジルアクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のアクリル酸エステル、メチルメタクリレート,エチルメタクリレート,2−ヒドロキシエチルメタクリレート,2−ヒドロキシプロピルメタクリレート,グリシジルメタクリレート等のアルキル基炭素数が1〜18個のメタクリル酸エステル等よりなるアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルと、スチレンとを共重合して得られるスチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体である。
【0017】
上記のエチレン性モノマーを重合してなる重合体は、そのガラス転移点が、40℃以上、好ましくは50℃〜100℃の範囲である。
ガラス転移点は例えばエチレン性モノマーの種類や重合体の架橋の度合いにより調整することができる。即ち比較的にガラス転移点を高くするスチレン等のモノマーを50重量%以上含有させることによりガラス転移点を高くすることが出来る。
キャスト塗被液には上記樹脂の他にコロイダルシリカ等の顔料を配合することができ、通常その量は樹脂100重量部に対し1重量部〜200重量部程度である。
これらの重合体はガラス転移点以上の温度で成膜し、キャスト塗被紙表面の多孔性を阻害するため、インクジェット記録時のインキの吸収を低下させる。従って、重合体が完全に成膜を起こさない状態でキャスト仕上げを行うことにより、キャスト塗被紙表面の多孔性を維持したまま、強光沢のキャスト面を得ることができるわけである。重合体のガラス転移点が40℃未満であると、それ以下の表面温度でキャスト仕上げすることが必要であるが、この場合、前記重合体を含むキャスト塗被組成物の乾燥速度が著しく遅くなり、結果として相当の低速度での操業を強いられる。
【0018】
また、白色度、粘度、流動性等を調節するために、一般の印刷用塗被紙やインクジェット用紙に使用されている顔料、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
【0019】
次に、本発明において、下塗り塗被層中に含有させる特定のカチオン性樹脂について述べる。
前述したように、従来のインクジェット記録用紙については、その耐水性や印字発色濃度を向上させる目的でカチオン性樹脂を塗被層中に添加することが知られている。しかしながら、これらのカチオン性樹脂を、従来の一般キャスト塗被液に添加することは、表面光沢の低下やインク吸収性の低下をもたらすため好ましくない。本発明では、特定のカチオン性樹脂を下塗り層用塗被液に添加することによって、表面光沢やインク吸収を低下させることなく、耐水性や印字発色濃度を良好にすることができるものである。さらに、特定のカチオン性樹脂を下塗り層用塗被液に添加することは、前述した重合体を含有するキャスト塗被組成物を上塗り塗被液として塗被した際に、前記カチオン性樹脂がキャスト塗被組成物の凝集を促進させるため、下塗り塗被層への過度の浸透を防ぎ、結果的に光沢むらやピンホールが極めて少なく、均一で優れた光沢を有するキャスト塗被表面を得ることができる。
【0020】
なお、ポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドとを共重合してなるカチオン性樹脂としては、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、あるいはイミノビスプロピルアミン等の直線状ポリアミンおよび/またはその塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等の塩類とジシアンジアミドを加熱することにより共重縮合させたもの、あるいはホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等のアルデヒド類の存在下に共重縮合させたカチオン性樹脂が挙げられる。
また共重縮合の前にポリアルキレンポリアミン類の塩酸塩等の塩類を生成する為に塩化アンモニウム等のアンモニウム塩を反応させた後、ジシアンジアミドと共重縮合させることも出来る(ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩重縮合物と称する)。
この本発明特定のカチオン性樹脂では、従来のカチオン性樹脂、例えば第3級アミノ基や第3級または第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等の従来のインクジェット記録用紙に使用されているカチオン性樹脂に比べ、キャスト仕上げ後の耐水性が優れ、また優れた光沢とインクジェット記録適性が得られる。
【0021】
次に、下塗り塗被層に含有される顔料と接着剤について述べる。即ち、顔料としては、例えばカオリン、クレー、焼成クレー、無定形シリカ、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等の塗被紙製造分野で公知の各種顔料が使用できる。
【0022】
接着剤としては、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白等の蛋白質類、澱粉や酸化澱粉等の各種澱粉類、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス等、一般に塗被紙用として用いられている従来公知の接着剤が単独、あるいは併用して用いられる。なお接着剤は顔料に対し、5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲で添加される。
【0023】
下塗り塗被層には顔料及び接着剤に前述のカチオン性樹脂が添加されるが、添加量は、顔料100重量部に対し、1〜30重量部程度、好ましくは5〜20重量部程度の範囲である。その他、一般塗被紙に使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加併用される。
【0024】
而して、上記材料をもって構成される下塗り塗被用組成物は、一般に、固形分濃度を1〜65重量%程度に調製し、米坪が約20〜400g/m2 程度の原紙上に乾燥重量で2〜50g/m2 、より好ましくは5〜20g/m2 程度になるようにブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗被装置により塗被後、乾燥される。さらに、必要に応じて下塗り乾燥後にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け、キャスト仕上げ等の平滑化処理を適宜施すこともできる。
【0025】
なお、下塗り用原紙としては、一般の塗被紙に使用される酸性紙、あるいは中性紙等が適宜使用されるが、要求される印字品質に合わせてサイズ度や填料を適宜調整することが望ましい。
【0026】
上記の方法で得られた下塗り塗被層を設けた塗被紙は、その透気度が、ガーレー高圧型透気度試験機(ASTM−D−726 B法)で20秒/10cc以下(値が低い方が透気性が良い)にあることが望ましい。因みに、20秒/10ccを越えるとインクジェット記録時のインクの吸収性が低下するのみならず、キャスト操業性も低下する傾向にある。
また、キャスト塗被層を形成した後ではJIS−P−8117による透気度が300秒/100cc以下に調整すると優れたインク吸収性が得られ好ましい。透気度(JIS−P−8117)は20秒/100cc以上がより好ましい。
【0027】
かくして得られた下塗り塗被紙の塗被面に、前述した特定の重合体組成物よりなるキャスト塗被液を、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシコーター、チャンプレックスコーター、バーコーター、グラビアコーター等の各種公知の塗被装置により塗被し、前述したように塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥してキャスト仕上げが行われることになる。なお、このキャスト塗被液の塗被量は、乾燥重量で0.2〜30g/m2 程度、好ましくは1〜10g/m2 である。
【0028】
かくして得られるインクジェット記録用キャスト塗被紙を用いた本発明のインクジェット記録方法は、インクをノズルより効果的に離脱させて、射程体である記録媒体にインクを付与し得る方式であれば、いかなる方式でもよいが、特に、特開昭54−59936号公報に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力によって、インクをノズルより吐出させるインクジェット記録方式が有効に使用できるものである。
【0029】
本発明のインクジェット記録方法に好適な一例のインクジェット記録装置を以下に説明する。その装置の主要部である、ヘッド構成例を図1、図2及び図3に示す。即ち、
ヘッド13はインクを通す溝14を有するガラス、セラミックまたはプラスチック板等を、感熱記録に用いられる発熱ヘッド15(図ではヘッドが示されているが、これに限定されるものではない)とを接着して得られる。発熱ヘッド15は酸化シリコン等で形成される保護膜16、アルミニウム電極17−1、17−2、ニクロム等で形成される発熱抵抗体層18、蓄熱層19、アルミナ等の放熱性の良い基板20よりなっている。
【0030】
インク21は吐出オリフィス(微細孔)22まで来ており、圧力Pによりメニスカス23を形成している。
【0031】
いま、電極17−1、17−2に電気信号が加わると、発熱ヘッド15のnで示される領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気泡が発生し、その圧力でメニスカス23が突出し、インク21が吐出し、オリフィス22より記録小滴24となり、記録シート25に向かって飛翔する。図3には図1に示すヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。該マルチヘッドはマルチ溝26を有するガラス板27と、図1に説明したものと同様な発熱ヘッド28を密着して製作されている。
【0032】
なお、図1はインク流路に沿ったヘッド13の断面図であり、図2は図1のA−B線での切断図である。
【0033】
図4に、かかるヘッドを、組み込んだインクジェット記録装置の1例を示す。図4において、61はワイピング部材としてのブレードであり、その一端はブレード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブレード61は記録ヘッドにより記録領域に隣接した位置に配設され、また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。62はキャップであり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。さらに、63はブレード61に隣接して設けられるインク吸収体であり、ブレード61と同様に記録ヘッドの移動経路中に突出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ62、吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレード61及び吸収体63によってインク吐出口面に水分、塵埃等の除去が行われる。
【0034】
65は吐出エネルギー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する記録媒体にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジである。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆動されるベルト69と接続(不図示)している。これにより、キャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びそれに隣接して領域の移動が可能となる。
【0035】
51は記録媒体を挿入する為の給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される紙送りローラーである。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対向する位置へ記録媒体が給紙され、記録が進行するにつれて排紙ローラー53を介して排紙される。
【0036】
上記の構成において、記録ヘッド65が記録終了等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレード61は移動経路中に突出している。その結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。なお、キャップ62が記録ヘッド65の突出面に当接してキャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0037】
記録ヘッド65がホームポジションから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にある。その結果、その移動においても記録ヘッド65の突出口面はワイピングされる。
【0038】
上述の記録ヘッドのホームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘッドが記録のために記録領域を移動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、その移動に伴って、上記ワイピングが行われる。
【0039】
一方、本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクとしては、像を形成する為の色素と該色素を溶解または分散する為の液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種の分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防黴剤、記録剤の溶解(または分散)安定化剤等を添加して調製される。
【0040】
インクに使用される記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料および各種顔料等が挙げられるが、従来公知のものは特に制限なく使用することができる。このような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求される特性等に依存して決定されるが、本発明におけるインクの場合も、従来のインク中におけるような配合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような使用で特に問題はない。
【0041】
本発明で用いられるインクとしては、上記の如き色素を溶解または分散させてなる液溶媒であって、水または水と水溶性有機溶剤として、インクの乾燥防止効果を有する多価アルコールを含有するものが使用される。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重量部および重量%を示す。
【0043】
実施例1
顔料として、無定形シリカ100部に、接着剤として、ポリビニルアルコール20部、カチオン性樹脂としてポリエチレンポリアミンジシアンジアミドアンモニウム塩重縮合物であるポリエチレンポリアミン系樹脂(商品名:PNF70/日華化学工業株式会社製)5部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加、混合し、固形分濃度15%の下塗り用塗被液を調製した。この下塗り用塗被液を、米坪100g/m2 の原紙に乾燥重量で10g/m2 となるように、エアーナイフコーターで塗被、乾燥して下塗り原紙を得た。この下塗り原紙の透気度はガーレー高圧型透気度試験機による測定で4秒/10ccであった。
【0044】
一方、ガラス転移点80℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体50部、コロイダルシリカ50部、離型剤としてステアリン酸カルシウム2部よりなる固形分濃度が35%のキャスト塗被液を調製した。このキャスト塗被液を上記の下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度が75℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。この時のキャスト塗被量は固形分重量で、5g/m2 であった。
【0045】
実施例2
キャスト塗被液として、ガラス転移点70℃のスチレン−メチルアクリレート共重合体とコロイダルシリカの複合体100部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム3部よりなる固形分濃度が40%の塗被液を調製した。このキャスト塗被液を実施例1の下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度を65℃に加熱した鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。この時のキャスト塗被量は固形分重量で、6g/m2 であった。
【0046】
実施例3
キャスト塗被液として、ガラス転移点50℃のスチレン−メチルアクリレート共重合体100部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム5部よりなる固形分濃度が35%の塗被液を調製した。このキャスト塗被液を実施例1で使用したものと同じ下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度が60℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。この時のキャスト塗被量は固形分重量で1g/m2 であった。
【0047】
実施例4
顔料として、無定形シリカ100部に、接着剤として、ポリビニルアルコール10部、カチオン性樹脂としてジシアンジアミドポリアルキレンポリアミン共重合物(商品名:ネオフィックスE−117/日華化学工業株式会社製)10部、分散剤として、ポリ燐酸ソーダ0.5部を添加、混合し、固形分濃度15%の下塗り用塗被液を調製した。この下塗り用塗被液を、米坪100g/m2 の原紙に乾燥重量で5g/m2 となるように、エアーナイフコーターで塗被、乾燥して下塗り原紙を得た。この下塗り原紙の透気度はガーレー高圧型透気度試験機による測定で4秒/10ccであった。
【0048】
一方、ガラス転移点80℃のスチレン−2メチルヘキシルアクリレート共重合体50部、コロイダルシリカ50部、離型剤としてステアリン酸カルシウム2部よりなる固形分濃度が35%のキャスト塗被液を調製した。このキャスト塗被液を上記の下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度が75℃の鏡面ドラムに圧接、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。この時のキャスト塗被量は固形分重量で、5g/m2 であった。
【0049】
比較例1
実施例1において、カチオン性樹脂をポリアルカノールアリルアミンとした以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
下塗り原紙の透気度はガーレー高圧型透気度試験機で4秒/10ccであった。
【0050】
比較例2
実施例2において、カチオン性樹脂をジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物とした以外は、実施例2と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
下塗り原紙の透気度はガーレー高圧型透気度試験機で3秒/10ccであった。
【0051】
比較例3
実施例1において、カチオン性樹脂を無添加とした以外は、実施例1と同じ方法でインクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。
下塗り原紙の透気度はガーレー高圧型透気度試験機で2秒/10ccであった。
【0052】
比較例4
キャスト塗被液として、ガラス転移点0℃のスチレン−ブタジエン共重合体100部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム5部よりなる固形分濃度が35%の塗被液を調整した。このキャスト塗被液を実施例1の下塗り原紙上にロールコーターを用いて塗被した後、ただちに表面温度が60℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。この時のキャスト塗被量は固形分重量で5g/m2 であった。
【0053】
比較例5
キャスト塗被液として、カオリン100部、カゼイン10部、ガラス転移点30℃のスチレン−メチルメタアクリレート10部、離型剤としてステアリン酸カルシウム10部よりなる固形分濃度が45%の塗被液を調製した。このキャスト塗被液を実施例1の下塗り原紙上にロールコータを用いて塗被した後、ただちに表面温度が75℃の鏡面ドラムに圧接し、乾燥後、離型させ、インクジェット記録用キャスト塗被紙を得た。キャスト塗被量は固形分重量で15g/m2 であった。
【0054】
比較例6
実施例1において使用したカチオン性樹脂の代わりにポリエチレンポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を使用した他は実施例1と同じ方法でキャスト仕上げを行った。下塗り原紙の透気度はガーレー高圧型透気度試験機で4秒/10ccであった。
【0055】
かくして得られたキャスト塗被紙の白紙光沢、インクジェットプリンター適性、操業性についての結果を表1に示した。
なお、上記の評価については下記の如き方法で評価を行った。
【0056】
[白紙光沢度]
JIS−P8142に準じて測定した。
【0057】
[インクジェット記録時のインク吸収性]
シャープ(株)製のカラーイメージジェットIO−735Xを用いて、インクジェット記録を行い、そのときのインクの乾燥性を目視で評価した。
◎:印字直後に指で触れてもまったく汚れない。
○:印字直後に指で触れると僅かに汚れるが、ほとんど乾燥している。
△:印字直後、インク部分がわずかに光っているが、実用上問題はない。
×:インクの乾燥不良のため、印字中にインクが流れて実用的でない。
【0058】
[インクジェット記録後のインク濃度(発色性)]
シャープ(株)製のカラーイメージジェットIO−735Xを用いて、印字を行ない、インクの濃度(発色性)を目視で評価した。
○:発色濃度が良好である。
△:発色濃度がやや薄いが実用上問題のないレベルである。
×:発色濃度が薄く実用的でない。
【0059】
[インクジェット記録(印字後)での耐水性]
シャープ(株)製のカラーイメージジェットIO−735Xを用いて印字を行ない、約10分間水に浸漬し、印字部分の変化を目視で評価した。
○:印字部分が水に流されたり、滲んだりしない。
△:印字部分がやや滲む。
×:印字部分が水によって流され、ぼやけてしまう。
【0060】
[キャスト操業性]
○:問題なく操業できた。
△:低スピードではあるが、操業可能なレベル。
×:離型性不良により、ドラムピックが発生し、操業不可。
【0061】
なお、特に、本発明に係るキャスト塗被紙を用いて水性インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させるインクジェット記録装置により記録を行うと、極めて優れたインクジェット記録ができることが分かった。そこで、該インクジェット記録装置(カラーインクジェットプリンター、商品名:BJC−820J/キヤノン(株)製)を用いて、本発明に係る実施例1〜4、および比較例1〜6のキャスト塗被紙に対して同様にインクジェット記録を行い、得られた結果を表2に示した。尚、表1及び表2において、比較例4と比較例5はインク吸収性が劣るため、印字中にインクが流れ出し、インク濃度、インク耐水性の評価を行えなかった。よってそれぞれの評価欄には「−」印を記入し、評価不能であったことを示した。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】
表1、表2の結果から明らかなように、本発明のキャスト塗被紙は表面光沢度、インクジェットプリンタ(記録)適性に優れ、かつ効率良く生産することが可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図。
【図3】図1に示したヘッドをマルチ化したヘッドの外観斜視図。
【図4】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
13 : ヘッド
14 : インクを通す溝
15 : 発熱ヘッド
16 : 保護膜
17−1: アルミニウム電極
17−2: アルミニウム電極
18 : 発熱抵抗体層
19 : 蓄熱層
20 : 基板
21 : インク
22 : オリフィス
23 : メニスカス
24 : 記録小滴
25 : 記録シート
26 : マルチ溝
27 : ガラス板
28 : 発熱ヘッド
51 : 給紙部
52 : 紙送りローラー
53 : 排紙ローラー
61 : ブレード
62 : キャップ
63 : インク吸収体
64 : 吐出回復部
65 : 記録ヘッド
66 : キャリッジ
67 : ガイド軸
68 : モ−ター
69 : ベルト
Claims (5)
- 原紙上に、顔料、接着剤およびポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドを共重合してなるカチオン性樹脂を含有する下塗り塗被層、さらに該下塗り塗被層上に40℃以上のガラス転移点を有するスチレン−アクリル酸エステル共重合体および/またはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体を含有するキャスト塗被層を積層してなるインクジェット記録用キャスト塗被紙。
- 原紙上に、顔料、接着剤およびポリアルキレンポリアミン類とジシアンジアミドを共重合してなるカチオン性樹脂を含有する下塗り用水性塗被液を塗被、乾燥後、40℃以上のガラス転移点を有するスチレン−アクリル酸エステル共重合体および/またはスチレン−メタクリル酸エステル共重合体を含有する塗被液を塗被してキャスト用塗被層を形成せしめ、この塗被層が湿潤状態にある間に、加熱された鏡面ドラムに圧接、乾燥して仕上げるインクジェット記録用キャスト塗被紙の製造方法。
- 原紙上に、下塗り用水性塗被液を塗被、乾燥して得られる下塗り塗被紙の透気度が、ガーレー高圧型透気度試験機で測定した値で、20秒/10cc以下である請求項2記載のインクジェット記録用キャスト塗被紙の製造方法。
- 請求項1記載のキャスト塗被紙を用いて、微細孔から水性インクを吐出させて記録画像を形成させるインクジェット記録方法。
- 水性インクに熱エネルギーを作用させてインクを吐出させる請求項4記載のインクジェット記録方法。
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