JP3329579B2 - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JP3329579B2
JP3329579B2 JP12220094A JP12220094A JP3329579B2 JP 3329579 B2 JP3329579 B2 JP 3329579B2 JP 12220094 A JP12220094 A JP 12220094A JP 12220094 A JP12220094 A JP 12220094A JP 3329579 B2 JP3329579 B2 JP 3329579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録シ
ートに関するものであり、更に詳しくは、インク吸収性
を確保し、水や手汗の付着により生じる印字部のインク
滲みを防止したフルカラーインクジェット記録に適した
インクジェット記録シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シ
ートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字
を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々
の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インク
ジェット方式により形成される画像は、製版方式による
多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色
のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少
なくて済む用途に於いては、写真技術によるよりも安価
であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用
されつつある。
【0003】インクジェット記録方式に適用される記録
シートには、平版印刷、凸版印刷、グラビア印刷等に使
用される上質紙やコート紙が挙げられ、これらを使用し
てインクジェット記録装置やインク組成の面から良好な
画質を得る方法が検討されてきた。しかし、インクジェ
ット記録の高速化、要求される画像の高品位化、用途の
拡大等により、これらの要求を満足するためには、該記
録装置やインク組成からの対応だけでは困難となってき
ている。
【0004】記録シートに要求される特性としては、以
下の項目が一例として挙げられる。 1.インクジェット記録の高速化:インク吸収性が早い
こと。インク吸収性が低下すると印字部以外にインクが
拡散し、ドット径の肥大に伴う鮮鋭性の低下や地汚れと
呼ばれるインクによる白紙部分の汚染が生じる。さらに
この現象はインクが重なる部分では顕著となる。 2.画像の高品位化:印字ドットが拡散しないこと。ド
ット径は記録装置にも依存するが、インクが記録シート
に着弾した後に拡散すると色彩性や鮮鋭性が低下し、ぼ
けた画像となる。 3.用途の拡大:経時で画質の変化がないこと。使用さ
れる環境の影響を受けないこと。例えば、耐光性、耐水
性、耐オゾン性に優れていることが挙げられる。
【0005】このような要求に対して、従来からいくつ
かの提案が行われてきた。インク吸収性向上や印字ドッ
トの拡散防止に対しては支持体上にインク吸収層を設け
る方法(特開昭52-9074号公報、同58-72495号公報
等)、 インク吸収層中におけるインク中の染料成分の
分布状態が色彩性や鮮鋭性に影響することに着目して、
染料成分を吸着する特定の剤を用いる方法(特開昭55-1
44172号公報) が示されている。又、耐光性、耐水性、
耐オゾン性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含
有させること(特開昭60-11389号公報)、基材中又は基
材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること
(特開昭64-8085号公報)等が示されている。
【0006】しかしながら、これらの特性に対する要求
は次第に高度になり、厳しくなる一方で、インクジェッ
ト記録装置が安価でしかも鮮鋭性や色彩性といった画像
再現性や色再現性に優れた画像をパーソナルコンピュー
ターレベルで簡単に得ることができることから、インク
ジェット記録装置は、特定の人に使用される特殊な記録
装置から汎用の記録装置に変遷してきており、又、得ら
れる画像も印刷物や写真と区別つき難いことから、イン
クジェット記録方法が抱えるインク吸収性、耐光性、耐
水性、耐オゾン性等の問題を解消することが出来なくな
っている。従って、これらの特性を確保することがイン
クジェット記録装置やインクジェット記録シートの必須
条件となっているのが現状である。
【0007】更に、用途の多様化に伴って、ポスターや
POPアートに使用されたり、裏面に粘着剤層を設け
て、価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベ
ル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用
ラベル(ステッカー)等のラベル用途、広い範囲の被着
体に良く接着し、貼り付け作業が簡単なため、他面に粘
着層を介して感熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性
を有するシート等と貼り合わせて複合した機能を付加さ
せることも可能となることから、切符、定期券、各種カ
ード等への応用も広がりつつある。
【0008】インクは、溶剤タイプと水性タイプに分類
されるが、価格、安全性、取り扱いの容易性等から水性
インクが多く、特にこのような用途の多様化により、水
性インクが抱える印字面に水が付着した際に発生するイ
ンクの滲みだしの防止が重要な課題となっている。しか
し、この課題に対する取り組みは十分に行われていない
のが現状であり、インク吸収体としての機能を有する木
材パルプを主体成分とする支持体をインクジェット記録
シートの媒体とする該記録シートにおいては、更に重要
且つ早期に解決しなければならない課題となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、水性インクを用いて記録されるインクジ
ェット記録シートにおいて、インク吸収性を確保し、水
や手汗の付着により生じる印字部のインク滲みを防止し
たインクジェット記録シートを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、インクジ
ェット記録シートについて種々の研究を重ねた結果、色
彩性や鮮鋭性は支持体上に塗層を設けたコートタイプの
インクジェット記録シートとすることにより、要求に見
合った色彩性や鮮鋭性は得られるが、近年、要求レベル
の高まった水や手汗の付着によるインク滲みの発生は回
避できず、支持体と塗層の両方から対応する必要のある
こと、特に支持体に特定のカチオン性化合物を適用する
ことが不可欠であることを見い出した。
【0011】即ち、本発明のインクジェット記録シート
は、木材パルプを主体成分とする支持体の片面にインク
吸収層が塗設されたコートタイプのインクジェット記録
シートにおいて、該支持体及び該インク吸収層中にカチ
オン性化合物を含有してなり、且つ該支持体に含浸され
該カチオン性化合物が、数平均分子量10万以下のも
のであることを特徴とするものである。
【0012】又、本発明のインクジェット記録シートに
おいて、支持体に含浸されるカチオン性化合物の付着量
が、単位面積当たり0.8meq./m2以上であることが好
ましい。
【0013】更に好ましくは、本発明のインクジェット
記録シートにおいて、インク吸収層は、カチオン性化合
物、顔料並びに接着剤を主体成分とする塗被組成物から
なることを特徴とするものである。
【0014】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、支持体が、オンマシンによりカチオン性化合物含有
組成物を含浸されてなることが好ましい。
【0015】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、インク吸収層が設けられた支持体の反対面に、粘着
剤層が塗設することで、ラベル或はタグ用途のインクジ
ェット記録シートとしての特徴を有するものである。
【0016】本発明に係る支持体とは、LBKP、NB
KP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、
CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の
古紙パルプ、等の木材パルプを主成分として、従来公知
の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留まり向上
剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以
上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイ
ヤ抄紙機等の各種装置で製造された原紙である。このよ
うな原紙に、そのままインク吸収層を設けても良いし、
平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、
TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置
を使用しても良い。
【0017】支持体には、顔料が5重量%以上、好まし
くは5〜36重量%含まれていると木材パルプと顔料が
作る空隙がインクを吸収するので、インク吸収層を多量
に塗る必要がなくなる。又、支持体の坪量は、一般には
40〜300g/m2であるが、特に制限されるのもではな
く、用途に合わせて適宜選択すればよい。
【0018】本発明に係るインク吸収層とは、顔料、接
着剤、カチオン性化合物を主成分とする塗被組成物から
なることが好ましく、これらに添加剤として、染料定着
剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡
剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍
光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ
剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適
宜配合することもできる。
【0019】本発明に係るカチオン性化合物とは、水媒
体中でカチオンに解離するものを云い、典型的なカチオ
ン性基としては、1級、2級、3級アミノ基、4級アン
モニウム塩が挙げられる。このようなカチオン性化合物
であればいかなるものも適用することができ、その種類
は特に限定されるものではないが、支持体に適用するカ
チオン性化合物としては、数平均分子量が10万以下で
あるものを選択する必要がある。ここで、カチオン性化
合物の分子量が10万を超えて大きいと、乾燥後に形成
する皮膜が支持体の有するインク吸収容量を低下させる
ために、インク溢れを生じる原因ともなることから、支
持体に適用するカチオン性化合物の数平均分子量として
は10万以下のものに限定される。
【0020】又、支持体或いはインク吸収層に適用され
るカチオン性化合物としては,モノマー、オリゴマー、
ポリマーのいづれも適用でき、ポリマーとしては、ポリ
アルキレンポリアミド;ポリアルキレンポリ尿素;ポリ
アミドポリ尿素;ポリアミノエポキシ樹脂;或いはこれ
らとアルデヒドとの反応生成物やアルキル化剤との反応
生成物;エチレンイミンの開環重合物;カチオン性ビニ
ルポリマーの単独重合物或いは他の重合性モノマーとの
共重合物;N−ビニルアミド系モノマーの単独重合物或
いは他の重合性モノマーとの共重合物;活性水素を有す
るポリマーに、アンモニア、1級アミン、2級アミンと
ホルムアルデヒドを反応させたマンニッヒ反応物;活性
水素を有するポリマーとカチオン化剤との反応物;活性
水素を有するポリマーとアンモニア、アミン類、エピハ
ロヒドリンとの反応物;キチンを加水分解したキトサ
ン;活性水素を有するポリマーと上述のポリマーのいづ
れかを、アルデヒド、エピハロヒドリン、ポリイソシア
ネート等の架橋剤を用いて反応させた共重合物等が例示
できる。なお、支持体には、上述したカチオン性化合物
の内でも、数平均分子量を基準に該当するカチオン性化
合物を適宜適用することものである。
【0021】支持体及びインク吸収層に用いられる顔料
としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができ
る。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サ
チンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カ
ルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロ
イダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水
酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、
加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシ
ウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等を用いることができる。上述の顔料の中でも多
孔性無機顔料が好ましく、多孔性非晶質合成シリカ、多
孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナが挙げられ、特
に多孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好まし
い。
【0022】又、インク吸収層が支持体上に2層以上設
けることもできるし、印字される面はマット調、アート
・コート調、キャスト調、フィルム調等の要求に合わせ
た選択を行うことも制限されない。
【0023】更に、インク吸収層を支持体の両面に塗設
することも可能であり、インク吸収層が塗設された支持
体の反対面にカール適性や筆記性を確保するためにバッ
クコート層を塗設しても構わない。又、粘着層を介して
感熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性を有するシー
ト等と貼り合わせて複合した機能を付加させて、切符、
定期券、各種カード等への応用も可能である。
【0024】支持体及びインク吸収層には、接着剤とし
てポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エー
テル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼ
ラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール
等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合
体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共
役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及
びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリ
ル酸及びメタクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリ
ル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等
のビニル系重合体ラテックス;或はこれらの各種重合体
のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変
性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬
化合成樹脂系等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレー
ト、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラー
ル、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、
これらを1種以上使用できる。
【0025】支持体に含浸するカチオン性化合物は、数
平均分子量が10万以下のものに限られ、該化合物が固
形の場合は水中で溶解させ使用する。該化合物は、単独
で含浸することも可能であり、上述の顔料、接着剤と併
用した組成物を含浸することも可能である。支持体の深
さ方向に該化合物を分布させることにより、本発明の効
果は確実となることから、該化合物の支持体への付与に
は含浸を用いる。
【0026】カチオン性化合物を支持体へ含浸させる
としては、該支持体おける単位面積当たりのカチオン荷
電量を基準に決定することが好ましい。ここで、カチオ
ン荷電量とは、コロイド滴定により測定される該化合物
が有する単位重量当たりのカチオン荷電量(meq./g)と該
化合物の単位面積当たりの付着量(g/m2)の積(meq./m2)
である。
【0027】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、単位面積当たりのカチオン荷電量が0.8meq./m2
以上、好ましくは1.0meq./m2以上となるように支持
体へ含浸することが好ましい。該荷電量が0.8meq./m
2未満では、目的を満足する水や手汗の付着によるイン
クの滲み出しを回避することが難しくなる。
【0028】支持体にカチオン性化合物或いは該化合物
を含む組成物を含浸する装置には、サイズプレス等の装
置をオンマシン或はオフマシンで用いることができる。
特に支持体が抄造された後に連続して含浸するオンマシ
ンの装置であると本発明の目的を更に確実にする。
【0029】支持体上に塗設されるインク吸収層は、上
述の顔料、接着剤、カチオン性化合物を主体成分とする
組成物を塗設することにより、空隙が確保されインクを
吸収したり定着させやすくなるので好ましい。該インク
吸収層の塗設量としては、該インク吸収層の単位面積当
たりのカチオン荷電量を基準に決定することが好まし
い。単位面積当たりのカチオン荷電量が0.2meq./m2
以上、好ましくは0.7meq./m2以上となるように支持
体上に塗設することが好ましい。該荷電量が0.2meq.
/m2 未満では目的を満足する水や手汗の付着によるイン
クの滲み出しを回避することが難しくなる。
【0030】インク吸収層を塗設する装置としては、各
種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコー
タ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコー
タ、ショートドウェルコータ、サイズプレス、スプレー
等の各種装置をオンマシン或はオフマシンで用いること
ができる。又、インク吸収層を塗設した後には、マシン
カレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソ
フトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げても良
い。
【0031】インクジェット記録シートの用途拡大に伴
い、特にインク吸収層が塗設された支持体の反対面に粘
着剤層を設けたタックシートとしての使用が拡大してい
る。該タックシートにおいては、使用される環境が多岐
にわたり、冷食用価格表示タックシートでは表面での水
の露結、物流管理用では室外で使用されタックシート表
面への雨・雪の付着、運搬時の手汗の付着等、印字部へ
の水の付着によるインク滲み出しが生じる機会が、従来
のインクジェット記録シートの使用環境と比較して多く
なる。このようなことから、タックシート用途において
は、水や手汗の付着によるインクの滲み出しに対する要
求レベルが高く、本発明のインクジェット記録シートに
よって、この要求を満足することが可能となる。
【0032】本発明に係る粘着剤層は、以下に述べる剥
離紙の剥離剤塗布面に粘着剤を設け、粘着剤面とインク
受理シートのインク吸収層が塗設されていない面を重ね
て、プレスロール等で圧着する方法が一般に行われる
が、該受理シート裏面に粘着剤を先に塗布して、剥離紙
と貼り合わせても良い。該粘着剤には、ゴム系又はアク
リル樹脂系の粘着剤を用いることができる。ゴム系の主
原料は天然ゴム又はスチレン・ブタジエンラバーであ
り、天然ゴムでは、ロジン系樹脂や可塑剤なとが添加さ
れ、通常ノルマルヘキサンを溶媒として塗工する。又、
スチレン・ブタジエンラバーを主原料とした場合は溶融
して塗工する。アクリル樹脂系においては、2−エチル
ヘキシルアクリレート、ブチルアクリレート、エチルア
クリレート、アクリル酸、β−ヒドロキシエチルアクリ
レート等のアクリル系モノマーを重合して作る。重合の
方法により、酢酸エチルやトルエン等の有機溶媒を用い
たり、界面活性剤を用いて水中で乳化させながら重合し
たエマルジョンタイプを用いることができる。
【0033】又、粘着剤の耐熱性や耐溶剤性等の物性を
向上させるために、上記原料に、イソシアネート系、メ
ラミン系、金属キレート系等の架橋剤を用いて架橋反応
させても良いし、シリカ、カオリン、クレー、炭酸カル
シウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
メラミン樹脂粒子、澱粉粒子等の顔料を添加したり、水
溶性高分子、石油系樹脂、各種パラフィンワックス、脂
肪酸又はその誘導体、高級アルコール類、金属石鹸類、
シリコーン類、さらには帯電防止剤、増粘剤、分散剤、
防腐剤、酸化防止剤、消泡剤等を添加しても良い。これ
らの粘着剤は、ラベル用インクジェット記録シートの使
用される用途に合わせた選択をすれば良い。
【0034】粘着剤を設ける装置には、エアーナイフコ
ータ、ブレードコータ、バーコータ、ロールコータの
他、スロットノズル、スロットダイ、ロータリースクリ
ーンプリンタ、グラビアコータ、オフセットグラビアコ
ータ、ホットメルトホイール、スパイラルスプレー等が
あり、粘着剤の種類及び塗布量、塗布した粘着剤にパタ
ーンを付与する必要性等、用途に合った選択を適宜行え
ば良い。
【0035】又、剥離紙の基材としては、上質紙、クラ
フト紙、グラシン紙、プラスチックフィルム等があり、
これらの基材上に剥離剤として、シリコーン樹脂を塗布
する。紙系基材の場合には、基材に熱可塑性樹脂をラミ
ネートし、平滑な面を得た方が剥離性が向上する。シリ
コーン樹脂を紙系基材に直接塗布したものはダイレクト
タイプ、紙基材上に熱可塑性樹脂をラミネートした後に
塗布したものはポリラミタイプ、プラスチックフィルム
上に直接塗布したものはフィルムタイプと呼ばれ、それ
ぞれの中から剥離紙として選択する基準は、インクジェ
ット記録装置内で、剥離紙が搬送途中で剥がれることの
ない接着力を有すること、自動ラベラーによる貼り付け
時に、該ラベラーの剥離力以下の接着力であることにあ
る。従って、用途にあった剥離紙の選択をすれば良く、
さらに、カール適性の確保が必要な場合には、シリコー
ン樹脂を塗布した基材の反対面に裏面処理として、熱可
塑性樹脂をラミネートしたり、合成樹脂をコーティング
することが好ましい。又、特殊な用途には、非シリコー
ン系の剥離剤を使用しても構わない。
【0036】本発明で云う水性インクとは、着色剤、液
媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
【0037】着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料或は食品用色素等の水溶性染料が
挙げられる。
【0038】又、水性インクを飛翔させる方法は、ピエ
ゾ方式、バブル方式等に制限されるものではない。
【0039】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等
の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコ
ール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリ
コール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エー
テル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の
多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレ
ングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テルが好ましい。その他の添加剤としては、例えば、p
H調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張
力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が挙げら
れる。
【0040】本発明に係るインクジェット記録シート
は、記録時に液状であるインクを使用するどのような記
録シートとして用いてもかまわない。例えば、熱溶融性
物質、染顔料等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フ
ィルム、高密度紙、合成紙等の薄い支持体上に塗布した
インクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶融さ
せて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性インク
を加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジェッ
ト記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインクを用
いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー及び
無色又は有色の染顔料を内包したマイクロカプセルを用
いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シート等が
挙げられる。
【0041】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化又は定着までに、記録シートのインク吸収層の
深さ方向又は水平方向に対して浸透又は拡っていく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録シート、或いはそれらをタッ
ク加工したタック用記録シートとして利用しても何ら構
わない。
【0042】更に、複写機・プリンター等に広く使用さ
れている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する電子
写真記録用記録シート、或いはラベル用電子写真記録シ
ートとして、本発明におけるインクジェット記録シート
を使用しても構わない。
【0043】
【作用】本発明が目的とするインク吸収性には、インク
が速やかに媒体に浸透する一方で、拡散をできる限り抑
制することが要求される。又、水や手汗により生じる印
字部のインク滲みの防止は、水分の影響を受けて水性で
あるインクが再溶解しないことが要求される。インク
は、主として染料成分と溶媒成分からなり、該溶媒成分
を選択的に吸収することによりインク吸収性を確保する
ことが可能であり、支持体やその表面に塗層を設け、物
理的に空隙を作り、該空隙の容積を高めることによっ
て、該溶媒成分の浸透を確保することが可能となる。し
かしながら、該溶媒成分に伴って該染料成分も浸透する
ことから、該染料成分が深さ方向に浸透を進めるとそれ
に比例して印字濃度が低下して、色彩性の悪化が生じ
る。
【0044】従って、該染料成分を選択的に捕獲して定
着させる必要があり、該染料成分が有するスルフォン酸
塩或いはカルボン酸塩と反応して、水に不溶な塩を生成
することが必要である。このことから、カチオン性化合
物との反応が考えられるが、単に該化合物を適用するだ
けでは、インク吸収性の確保のみならず水分の影響を受
けて生じるインク滲みを防止することはできない。
【0045】本発明が示すように、支持体及びインク吸
収層にカチオン性化合物を含有させ、更に特定の分子量
を有するカチオン性化合物を支持体に含有させてのみに
目的を満足するインクジェット記録シートを得ることが
可能となる。支持体が木材パルプを主体成分とするイン
クジェット記録シートは、安価であり支持体自体にイン
ク吸収容量があるが、該支持体上にインク吸収層を塗設
しても印字されたインクは該インク吸収層を透過して該
支持体に達し、該インク吸収層にカチオン性化合物が含
有されていてもインク中の染料成分は該支持体に浸透し
てしまう。これは、該インク吸収層にて該染料成分を捕
獲し、定着する時間よりも浸透時間が速いために、該染
料成分が支持体に浸透していることが起因していると推
測され、該支持体にも該染料成分を捕獲し定着する機能
が必要となる。
【0046】しかし、単に支持体とインク吸収層にカチ
オン性化合物を含有させるだけでは本発明の目的を解決
するには至らず、該支持体に特定の分子量を有するカチ
オン性化合物を含有させる必要がある。即ち、該支持体
に適用するカチオン性化合物の分子量が大きいと、乾燥
後の形成皮膜が該支持体の有するインク吸収容量を低下
させ、インク溢れを生じさせる原因になるため、支持体
に適用するカチオン性化合物の数平均分子量としては1
0万以下のものに限定される。
【0047】又、支持体に適用するカチオン性化合物の
量は、インクジェット記録装置の種類に依存するが、共
に単位面積当たりのカチオン荷電量が0.8meq./m2
上であれば、本発明の目的が確実となる。
【0048】支持体にカチオン性化合物を直接含浸する
場合においては、オフマシンよりもオンマシンが好まし
い。これは、支持体が木材パルプを主体成分とするもの
であり、抄造後に経時的に発現するサイズ性が含浸時の
該化合物の分布に影響することに起因するためである。
上述の如く、支持体にもインク中の染料成分を捕獲し、
定着する機能が必要であることから、該支持体の内部に
カチオン性化合物が存在することが望ましく、サイズ性
の発現は該化合物の分布を阻害するために、該染料成分
の定着を低下させる場合がある。このことから、サイズ
性の発現を軽減するために、オフマシン含浸では支持体
を抄造した直後に行うことが好ましいし、オンマシンで
あれば抄造工程と連続に含浸できるために更に好適であ
る。
【0049】
【実施例】以下に、本発明の実施例をあげて説明する
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
又、実施例に於いて示す「部」及び「%」は、特に明示
しない限り重量部及び重量%を示す。
【0050】<支持体>組成物は、LBKP(濾水度4
00mlcsf)70部とNBKP(濾水度450ml
csf)30部から成る木材パルプ100部に対して、
軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比
率が30/35/35の顔料25部、市販アルキルケテ
ンダイマー0.10部、市販カチオン系アクリルアミド
0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド
0.5部とした。調成後、長網抄紙機を用いて坪量90
g/m2で抄造し支持体を得た。
【0051】<カチオン性化合物>表1に示すカチオン
性化合物A〜Eを支持体及びインク吸収層に適用した。
【0052】
【表1】
【0053】
【0054】実施例 支持体の表面に、オンマシンのサイズプレス装置を用い
て、カチオン性化合物Aが10部、市販の酸化澱粉が9
0部からなる固形分濃度5%の組成物を30g/m2含浸さ
せた。該支持体の単位面積当たりのカチオン荷電量は
1.05meq./m2である。該支持体の表面にインク吸収
層を塗設した。該インク吸収層は、合成非晶質シリカ
(ファインシールX37B:徳山曹達社製)が100
部、コロイダルシリカ(スノーテックス−O:日産化学
工業社製)が30部、ポリビニルアルコール(PVA1
17:クラレ社製)が40部、カチオン性化合物Aが3
0部からなる塗被組成物からなり、これらを調液して、
固形分濃度15%にて、エアーナイフコータで乾燥塗工
量が10g/m 2 となるように塗工乾燥し、その後カレンダ
ー処理を行い、実施例のインクジェット記録シートを
得た。
【0055】
【0056】実施例 支持体の表面に、オンマシンのサイズプレス装置を用い
て、カチオン性化合物Bが60部、実施例で使用した
酸化澱粉が40部からなる固形分濃度5%の組成物を3
0g/m2含浸させた。該支持体の単位面積当たりのカチオ
ン荷電量は9.00meq./m2である。該支持体の表面に
インク吸収層を塗設した。該インク吸収層は、合成非晶
質シリカ(ファインシールX37B:徳山曹達社製)が
100部、コロイダルシリカ(スノーテックス−O:日
産化学工業社製)が30部、ポリビニルアルコール(P
VA117:クラレ社製)が40部、カチオン性化合物
Bが30部からなる塗被組成物からなり、これらを調液
して、固形分濃度15%にて、エアーナイフコータで乾
燥塗工量が10g/m2となるように、実施例1と同じ条件
で塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、実施例のイン
クジェット記録シートを得た。
【0057】実施例 支持体の表面に、オフマシンのサイズプレス装置を用い
てカチオン性化合物Aが50部、実施例で使用した酸
化澱粉が50部からなる固形分濃度5%の組成物を30
g/m2含浸させた。該支持体の単位面積当たりのカチオン
荷電量は5.25meq./m2である。該支持体の表面にイ
ンク吸収層を塗設した。該インク吸収層は、合成非晶質
シリカ(ファインシールX37B:徳山曹達社製)が1
00部、コロイダルシリカ(スノーテックス−O:日産
化学工業社製)が30部、ポリビニルアルコール(PV
A117:クラレ社製)が30部、カチオン性化合物C
が30部からなる塗被組成物からなり、これらを調液し
て、固形分濃度15%にて、エアーナイフコータで乾燥
塗工量が10g/m2となるように、実施例1と同じ条件で
塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、実施例のインク
ジェット記録シートを得た。
【0058】実施例4 支持体の表面に、オフマシンのサイズプレス装置を用い
て、カチオン性化合物Cが50部、実施例で使用した
酸化澱粉が50部からなる固形分濃度5%の組成物を3
0g/m2含浸させた。該支持体の単位面積当たりのカチオ
ン荷電量は2.63meq./m2である。該支持体の表面に
実施例1と同じ塗被組成物からなるインク吸収層を同じ
条件で調液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、実施
のインクジェット記録シートを得た。
【0059】実施例 支持体は実施例と同様の組成物、条件で含浸させた。
該支持体の表面にインク吸収層を塗設した。該インク吸
収層は、合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:
徳山曹達社製)が100部、コロイダルシリカ(スノー
テックス−O:日産化学工業社製)が30部、ポリビニ
ルアルコール(PVA117:クラレ社製)が30部、
カチオン性化合物Dが30部からなる塗被組成物からな
り、これらを調液して、固形分濃度15%にて、エアー
ナイフコータで乾燥塗工量が10g/m2となるように、実
施例1と同じ条件で塗工、乾燥、カレンダー処理を行
い、実施例のインクジェット記録シートを得た。
【0060】実施例 支持体は実施例と同様の組成物、条件で含浸させた。
該支持体の表面にインク吸収層を塗設した。該インク吸
収層は、合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:
徳山曹達社製)が100部、コロイダルシリカ(スノー
テックス−O:日産化学工業社製)が30部、ポリビニ
ルアルコール(PVA117:クラレ社製)が25部、
カチオン性化合物Eが30部からなる塗被組成物からな
り、これらを調液して、固形分濃度15%にて、エアー
ナイフコータで乾燥塗工量が10g/m2となるように、実
施例1と同じ条件で、塗工、乾燥、カレンダー処理を行
い、実施例のインクジェット記録シートを得た。
【0061】実施例 支持体は実施例と同様の組成物、条件で含浸させ、該
支持体の表面に実施例と同じ塗被組成物を、同じ条件
で調液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い実施例
インクジェット記録シートを得た。
【0062】比較例1 支持体の表面に、オフマシンのゲートロールコータを用
いて、カチオン性化合物Eが50部、実施例2で使用し
た酸化澱粉が50部からなる固形分濃度10%の組成物
を5g/m2塗工した。該支持体の単位面積当たりのカチオ
ン荷電量は1.00meq./m2 である。該支持体の表面に
実施例1と同じ塗被組成物からなるインク吸収層を同じ
条件で調液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、比較
例1のインクジェット記録シートを得た。
【0063】比較例2 支持体の表面に、オンマシンのサイズプレス装置を用い
て、固形分濃度5%のカチオン性化合物Dを30g/m2
浸させた。該支持体の単位面積当たりのカチオン荷電量
は8.25meq./m2 である。該支持体の表面に実施例4
と同じ塗被組成物からなるインク吸収層を同じ条件で調
液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、比較例2のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0064】比較例3 支持体の表面に、オフマシンのサイズプレス装置を用い
て、カチオン性化合物Eが50部、実施例2で使用した
酸化澱粉が50部からなる固形分濃度5%の組成物を3
0g/m2含浸させた。該支持体の単位面積当たりのカチオ
ン荷電量は3.00meq./m2 である。該支持体の表面に
実施例5と同じ塗被組成物からなるインク吸収層を同じ
条件で調液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、比較
例3のインクジェット記録シートを得た。
【0065】比較例4 支持体は比較例3と同様の組成物、条件で含浸させた。
該支持体の表面にインク吸収層を塗設した。該支持体の
表面に実施例8と同じ塗被組成物からなるインク吸収層
を同じ条件で調液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行
い、比較例4のインクジェット記録シートを得た。
【0066】比較例5 支持体にはカチオン性化合物を塗工或いは含浸せず、該
支持体の表面にインク吸収層を塗設した。該支持体の表
面に実施例5と同じ塗被組成物からなるインク吸収層を
同じ条件で調液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、
比較例5のインクジェット記録シートを得た。
【0067】比較例6 支持体は実施例6と同様の組成物、条件で含浸させた。
該支持体の表面にインク吸収層を塗設した。インク受理
層の塗被組成物は、カチオン性化合物を適用しない以外
は、実施例1と同じとして、実施例1と同じ条件で調
液、塗工、乾燥、カレンダー処理を行い、比較例6のイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0068】実施例1〜及び比較例1〜6の評価結果
を表2に示す。尚、表2中の特性項目は以下の方法で評
価した。
【0069】<インク吸収性の評価>インクジェット記
録特性に重要なインク吸収性をインク吸収時間とインク
溢れから評価した。この2つの評価としては、それぞれ
A又はB評価が必要である。 1.インク吸収時間 インクを吸収する時間が遅いと、吸収されないインクが
インクジェット記録装置内での搬送中に、該装置と接触
し、印字部分ばかりでなく印字されていない部分を汚す
地汚れの発生があり、画像品位を大きく低下させること
から、インクジェット記録シートには、インク吸収時間
の早いことが必要となる。 ・評価方法:市販のインクジェット記録プリンター(デ
スクライター550C:ヒューレットパッカード社製)
を用いて、ブラックインクでベタ印字を行い、印字直後
に印字部分の表面を白紙で覆い、白紙に転写されたイン
クを以下の基準で評価した。 A:インクの転写は確認されず、インク吸収時間は早
い。 B:僅かにインクの転写が確認されるが、地汚れとはな
らない。 C:インクの転写が全面にあり、地汚れを発生させる可
能性がある。
【0070】2.インク溢れ インクジェット記録装置の高速化に伴い、本来、印字さ
れたドットや領域の鮮明性が低下しやすくなる。特に色
の異なるインクが隣接する部分においては、インク吸収
性が低いと、インクが溢れた状態が続くと隣接したイン
クが一体となって、色彩性や鮮明性の低下となることか
ら、インク溢れのないことが必要となる。 ・評価方法:上述のインクジェット記録プリンターを用
いて、マゼンタインクとイエローインクの重ね印字部分
に、シアンインクとイエローインクの重ね印字部分を隣
接するように印字し、境界部分を以下の基準で評価し
た。 A:境界部分はクリアーであり、インク溢れは認められ
ない。 B:境界線が断片的に黒く視認されるが、色彩性や鮮明
性の低下にはならない。 C:境界線が連続的に黒く視認され、色彩性や鮮明性の
低下となる。
【0071】<耐水性>印字された部分に水や手汗が付
着することにより、印字部分ではインクが滲みだして、
色彩性や鮮明性の低下となることから、以下の方法で評
価した。この方法で算出されるインク滲み率は、1.2
以下であれば実用上許容されるレベルである。 ・評価方法:上述のインクジェット記録プリンターを用
いて、直線をマゼンタインクで描き、直線の太さ(WB
)を計測する。その後、50μlの水を直線上に滴下
し、24時間放置した後の直線の太さ(WA )を計測す
る。インク滲みが発生する場合には、インク滲み率(W
A/WB)が1.0を越えることになる。計測は、画像解
析装置を用いて、モード法により2値化して行い、計測
される直線(L1)と垂直に交わる直線(L2)を予め
作り、L2との平行線を計測部分に移動して、水滴下前
及び後の直線(L1)の太さを求めた。
【0072】
【表2】
【0073】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明によれ
ば支持体及びインク吸収層にカチオン性化合物を含有
し、且つ支持体に特定の分子量を有するカチオン性化合
を含浸することにより、インク吸収性を確保し、水や
手汗が付着してもインクの滲みだしを抑制したインクジ
ェット記録シートが得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−243382(JP,A) 特開 平4−341885(JP,A) 特開 平7−89220(JP,A) 特開 平7−149038(JP,A) 特開 平5−221115(JP,A) 特開 平2−243381(JP,A) 特開 平6−143800(JP,A) 実開 平1−137263(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材パルプを主体成分とする支持体の片
    面にインク吸収層が塗設されたコートタイプのインクジ
    ェット記録シートにおいて、該支持体及び該インク吸収
    層中にカチオン性化合物を含有してなり、且つ該支持体
    に含浸される該カチオン性化合物が、数平均分子量10
    万以下のものであることを特徴とするインクジェット記
    録シート。
  2. 【請求項2】 支持体に含浸されるカチオン性化合物の
    付着量が、単位面積当たり0.8meq./m2以上であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シー
    ト。
  3. 【請求項3】 インク吸収層が、カチオン性化合物、顔
    料並びに接着剤を主体成分とする塗被組成物からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シー
    ト。
  4. 【請求項4】 支持体が、オンマシンによりカチオン性
    化合物含有組成物を含浸されてなることを特徴とする請
    求項1又は2記載のインクジェット記録シート。
  5. 【請求項5】 インク吸収層が設けられた支持体の反対
    面に、粘着剤層が塗設されてなることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか記載のインクジェット記録シート。
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