JPH1148603A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH1148603A
JPH1148603A JP9213324A JP21332497A JPH1148603A JP H1148603 A JPH1148603 A JP H1148603A JP 9213324 A JP9213324 A JP 9213324A JP 21332497 A JP21332497 A JP 21332497A JP H1148603 A JPH1148603 A JP H1148603A
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JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording paper
absorbing layer
layer
jet recording
Prior art date
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JP9213324A
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English (en)
Inventor
Osamu Hatano
治 波多野
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストでかつ記録後の画像部のシワの発生
がなく、写真の風合いが得られ、インク吸収層と支持体
との接着性が良く、かつ高インク吸収速度と高インク吸
収容量を有するインクジェット記録用紙を提供する。 【解決手段】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
に、親水性バインダーおよび親水性バインダーに対して
重量比で1〜3倍のポリマーラテックスを含有する第1
のインク吸収層および、乾燥膜厚が5〜30μmであっ
て平均粒径が100nm以下の微粒子を含有する空隙層
を有する第2のインク吸収層をこの順に設けたことを特
徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを用い
て記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に低コ
ストで製造可能であって高画質で写真の風合いが得ら
れ、しかも記録層と支持体の接着性を改良したインクジ
ェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよ
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野に急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0004】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0006】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号公報に記載さ
れている支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録
用紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履
層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用
紙、特開昭57ー107878号公報に記載されている
無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−
110287号公報に記載されている2つの空孔分布ピ
ークを有する記録用紙、特開昭62−111782号公
報に記載されている上下2層の多孔質層からなる記録用
紙、特開昭59−68292号公報、同59−1236
96号公報および同60−18383号公報などに記載
されている不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−
135786号公報、同61−148092号公報およ
び同62−149475号公報等に記載されている微粉
末層を有する記録用紙、特開昭63−252779号公
報、特開平1−108083号公報、同2−13627
9号公報、同3−65376号公報および同3−279
76号公報等に記載されている特定の物性値を有する顔
料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−1
4091号公報、同60−219083号公報、同60
−210984号公報、同61−20797号公報、同
61−188183号公報、特開平5−278324号
公報、同6−92011号公報、同6−183134号
公報、同7−137431号公報、同7−276789
号公報等に記載されているコロイド状シリカ等の微粒子
シリカを含有する記録用紙、および特開平2−2766
71号公報、同3−67684号公報、同3−2150
82号公報、同3−251488号公報、同4−679
86号公報、同4−263983号公報および同5−1
6517号公報などに記載されているアルミナ水和物微
粒子を含有する記録用紙等が多数知られている。
【0007】上記の中でも、インク受容層がインクを吸
収したり保持するための空隙を多く有する層である場合
にインクの吸収性が良好で境界部の滲みが少なく、高品
位な画像が期待できる。
【0008】このような空隙構造を有するインク吸収層
を非吸水性の支持体上に設けた場合には、高い濃度の鮮
明な画像が得られる反面、支持体上に設けられたインク
吸収層の空隙容量が制限を受ける。
【0009】例えば、乾燥膜厚が40μmである皮膜に
おいて、固形分が均一な容積として仮に22μmである
皮膜を想定すると空隙量はインクジェット記録用紙1m
2当たり(40−22)=18ml/m2しか有さないこ
とになり、記録方式にもよるが最大インク量付近でイン
ク吸収容量が不足し兼ねない場合が生じ得る。インク吸
収容量が不足する場合にはインクが溢れ、画像品質を大
幅に劣化させる。
【0010】空隙構造を有するインク吸収層においては
元々の皮膜の乾燥容量よりインク吸収量が少ないために
多量のインクを十分吸収するためには乾燥膜厚を十分厚
くする必要が生じる。
【0011】一方、空隙構造を有するインク吸収層を吸
水性のある支持体上に設けた場合には、支持体自身が高
い吸収容量とインク吸収性を持っておりインクの吸収と
いう観点からは好ましいものであるため、前記のような
インク吸収層に対する制限は少なくなる。しかし、支持
体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後にインク
溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になってシワが画
像状に生じやすい問題がある。
【0012】本出願人は、この点につき検討した結果、
厚さが160μm以上の吸水性支持体上に空隙構造を有
するインク吸収層を設けることで、インク吸収性および
高品位な画質を維持しつつ、記録後の支持体のシワの発
生を抑えることが出来ることを見いだした。しかし、空
隙構造を有するインク吸収層を吸水性の支持体上に設け
た場合には、非吸水性の支持体の場合に比べて、支持体
と空隙構造を有するインク吸収層の接着性が劣ることが
判明した。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る第1の課題は、インク吸収層の膜厚を不要に増大させ
ることなくインク吸収容量を増大させたインクジェット
記録用紙を提供することにある。
【0014】また、本発明が解決しようとする第2の課
題は、低コストでかつ記録後の画像部のシワの発生がな
く写真の風合いが得られるインクジェット記録用紙を提
供することにある。
【0015】さらに本発明が解決しようとする第3の課
題はインク吸収層と支持体との接着性が改良され、かつ
高インク吸収速度と高インク吸収容量を有するインクジ
ェット記録用紙を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下のイ
ンクジェット記録用紙によって達成される。
【0017】1.厚さが160μm以上の吸水性支持体
上に、親水性バインダーおよび親水性バインダーに対し
て重量比で1〜3倍のポリマーラテックスを含有する第
1のインク吸収層および、乾燥膜厚が5〜30μmであ
って平均粒径が100nm以下の微粒子を含有する空隙
層を有する第2のインク吸収層をこの順に設けたことを
特徴とするインクジェット記録用紙。
【0018】2.前記第2のインク吸収層が含有する微
粒子が、平均粒径が30nm以下の平均粒径を有する微
粒子の2次凝集粒子であることを特徴とする前記1に記
載のインクジェット記録用紙。
【0019】3.前記第2のインク吸収層が含有する微
粒子が、気相法により合成されたシリカであることを特
徴とする前記2に記載のインクジェット記録用紙。
【0020】4.前記空隙層がポリビニルアルコールを
含有することを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載
のインクジェット記録用紙。
【0021】5.前記ポリビニルアルコールに対する微
粒子の量が重量比で3〜8であることを特徴とする前記
4に記載のインクジェット記録用紙。
【0022】6.前記空隙層が硬膜剤により硬膜されて
いることを特徴とする前記4または5に記載のインクジ
ェット記録用紙。
【0023】7.前記第1のインク吸収層の乾燥膜厚が
0.5〜5μmであることを特徴とする前記1〜6のい
ずれかに記載のインクジェット記録用紙。
【0024】以下、本発明を詳細に説明する。
【0025】本発明でインクジェット記録用紙の吸水性
支持体としては、所望の吸水性を有する物であればいか
なるものでも使用できる。
【0026】例えば、一般の紙、合成紙、布、木材等か
らなるシートや板等を挙げることができるが、特に紙は
基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために
最も好ましい。以下に紙支持体について説明する。
【0027】紙支持体としては、LBKP、NBKP等
の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTM
P、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パ
ルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能で
ある。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機
繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用すること
が出来る。
【0028】紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、
顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力
剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加する
ことができる。サイズ剤としては高級脂肪酸、アルキル
ケテンダイマー等が、顔料としては炭酸カルシウム、タ
ルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としてはスターチ、
ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が、定着
剤としては硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等が挙
げられるがこれに限定されるものではない。
【0029】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状
物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが
できる。また、必要に応じて抄紙段階または抄紙後にス
ターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理を
したり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理した
りすることも出来る。
【0030】本発明のインクジェット記録用紙の吸水性
支持体の厚さは160μm以上である。これより薄い場
合、支持体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後
にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になって
シワが画像状に生じやすくなる。また、吸水性支持体の
厚さは180μm以上であることが、シワの発生がより
少ない点でより好ましい。吸水性支持体の厚さに特に上
限はないがその取り扱い性から概ね500μm程度であ
る。
【0031】本発明においては、支持体とインク吸収層
の接着強度をより大きくする等の目的で、インク吸収層
の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理
等を行うことができる。
【0032】本発明の記録用紙は、支持体に近い側に設
けられた親水性バインダーおよび親水性バインダーに対
して重量比で1〜3倍のポリマーラテックスを含有する
第1のインク吸収層と、この上に設けられた空隙構造を
有する第2のインク吸収層からなる。
【0033】第1のインク吸収層に用いられる親水性バ
インダーとしては、ゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポ
リビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好ま
しい)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘
導体(平均分子量が約2万以上が好ましい)、ポリエチ
レングリコール(平均分子量が10万以上が好まし
い)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリ
ル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラ
ギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカ
ストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラ
ン、特開平7−195826号および同7−9757号
に記載のポリアルキレンオキサイド系共重合性ポリマ
ー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭6
2−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン
酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニ
ルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを
挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独
で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0034】安定高速塗布の観点から、少なくとも1種
は可逆的にゾルゲル変換可能な親水性バインダーを一部
使用するのが好ましく、この点から、ゼラチン、ゼラチ
ン誘導体、およびκ−カラギーナンの少なくとも1種を
使用するのが好ましい。
【0035】特に好ましいポリマーは、ゼラチンまたは
ゼラチン誘導体を少なくとも有する場合であって、更に
ゼラチンまたはゼラチン誘導体とポリビニルピロリドン
の組み合わせ、ゼラチン誘導体とポリビニルアルコール
およびその誘導体の組み合わせ、ゼラチン誘導体とポリ
ビニルピロリドンとポリビニルアルコールの組み合わせ
等が特に好ましい。
【0036】上記において好ましく用いられるゼラチン
としては通常のアルカリ処理ゼラチンおよび酸処理ゼラ
チンを用いることができる。そのようなゼラチンの等電
点は通常は5〜9の範囲のものを適宜選択して用いるこ
とができる。
【0037】誘導体ゼラチンは上記ゼラチンのアミノ基
またはイミノ基を無水フタル酸等の酸無水物やフェニル
イソシアネート等のイソシアネート類等により反応さ
せ、アミノ基およびイミノ基の少なくとも一部を不活性
化させたゼラチンが好ましい。
【0038】前記ポリビニルアルコール誘導体として
は、従来インクジェット記録用紙に公知のものを適宜選
択して用いることができる。そのようなポリビニルアル
コール誘導体としては、例えば、特開昭61−1048
3号公報、同61−27279号公報、同61−134
291号公報および特開平6−143798号公報に記
載のカチオン変成ポリビニルアルコール、特開平6−1
55895号公報に記載のアセトアセチル化ポリビニル
アルコール、特開平6−55743号公報に記載のビニ
ルピロリドン変成ポリビニルアルコールおよび特開平7
−101141号公報に記載のシリル変成ポリビニルア
ルコール等が用いられる。
【0039】第1のインク吸収層に用いられるポリマー
ラテックスとしては、各種ポリマーの水分散体の形態で
用いることが出来、具体的にはアクリル系ポリマー、エ
ステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、アミド系ポリ
マー、オレフィン系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマ
ー、エポキシ系ポリマー、アミド系ポリマーおよびこれ
らの変性物や共重合体等の水分散体を用いることが出来
る。これらの中でアクリル系ポリマー、オレフィン系ポ
リマー、ウレタン系ポリマーの使用が好ましく、インク
吸収性、塗膜強度の点から、オレフィン系ポリマーおよ
びアクリル系ポリマーが好ましい。
【0040】オレフィン系ポリマーとしてはビニルモノ
マーとジオレフィン類のコポリマーからなるポリマーが
好ましく、ビニルモノマーとしては例えばスチレン、ア
クリルニトリル、メタクリルニトリル、アクリル酸メチ
ル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル等が好ましく用い
られ、ジオレフィン類としてはブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレンなどが好ましく用いられる。また、こ
れら成分に加えて、不飽和カルボン酸(例えばアクリル
酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、もし
くはこれらのアルキルエステル、アクロレイン、メタク
ロレイン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシ
ジル、アクリル酸−2−ヒドロキシルエチル、メタクリ
ル酸−2−ヒドロキシルエチル、アクリル酸アリル、N
−メチロールアクリルアミド、ビニルイソシアネート等
の架橋可能な成分を加えることもできる。
【0041】アクリル系ポリマーとしては、例えば炭素
原子数が1〜18の直鎖または分岐の脂肪族基、フェニ
ル基、アラルキル基、ヒドロキシル基を有する脂肪族基
等のアクリル酸またはメタクリル酸エステル類、アクリ
ルニトリル、炭素原子数が1〜18のアルキル基のN−
またはN,N−アクリルアミド、およびアクリル酸また
はメタクリル酸およびこれらの塩の単独重合体もしくは
共重合体、あるいは上記モノマーと、スチレンスルホン
酸やビニルスルホン酸およびそれらの塩、イタコン酸、
マレイン酸、フマル酸およびそれらの塩、無水イタコン
酸、無水マレイン酸等の酸無水物、ビニルイソシアネー
ト、アリルイソシアネート、ビニルメチルエーテル、酢
酸ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン等との共重合体
などがある。
【0042】通常これらのポリマーラテックス粒子は乳
化重合法によって得られる。そこで用いられる界面活性
剤、重合開始剤等については、常法で用いられるものを
用いればよい。ポリマーラテックス粒子の合成法に関し
ては、米国特許第2,852,368号、同2,85
3,457号、同3,411,911号、同3,41
1,912号、同4,197,127号、ベルギー特許
第688,882号、同691,360号、同712,
823号、特公昭45−5331号、特開昭60−18
540号、同51−130217号、同58−1378
31号、同55−50240号等に詳しく記載されてい
る。
【0043】ポリマーラテックス粒子の平均粒径は0.
005〜2.0μm程度、好ましくは0.01〜0.8
μmである。また、ポリマーラテックス粒子のガラス転
移温度(Tg)には特に限定はない。折り曲げ強度等の
点から、ガラス転移温度が低く柔軟な物が好ましいが、
使用するバインダーの種類やバインダーとの量比、イン
ク吸収性等の関係を考慮して適宜選ぶことが出来る。
【0044】第1のインク吸収層は第2のインク吸収層
と吸水性支持体の間に位置する。第1のインク吸収層に
は、吸水性支持体へのインク吸収性を妨げず、かつイン
ク吸収層と支持体とを良好に接着することが求められ
る。
【0045】第1のインク吸収層の親水性バインダーに
対するポリマーラテックスの重量比は1〜3倍である。
1倍未満の場合インク吸収性の低下を、3倍を越えると
光沢の低下、塗膜のひび割れ、支持体との接着性の低下
などをひきおこすことがある。
【0046】第1のインク吸収層の乾燥膜厚は0.5〜
5μmであることが好ましい。0.5μm未満の場合、
支持体との接着性の低下を、5μmを越えると支持体へ
のインク吸収性の低下をひきおこすことがある。
【0047】第1のインク吸収層は親水性バインダーの
種類や組成、ポリマーラテックスの種類や組成、添加剤
の種類等の異なる2以上の親水性バインダー含有層を積
層させたものも含まれる。この場合、親水性バインダー
に対するポリマーラテックスの重量比や乾燥膜厚はこれ
ら複数の親水性バインダー含有層全体について設定され
る。
【0048】次に第1のインク吸収層の上に設けられる
第2のインク吸収層について説明する。
【0049】第2のインク吸収層は微粒子を含有する空
隙層を有するインク吸収層であるが、空隙層内に微粒子
を含有させて空隙を形成させる場合には、親水性バイン
ダーを含有させておくことが安定な皮膜を形成させるた
めに必要である。
【0050】第2のインク吸収層は粒径が100nm以
下の微粒子を含有する。
【0051】平均粒径が100nmを越える微粒子を使
用した場合には記録用紙の光沢性が低下したり、インク
ジェット記録時のドットの真円度が低下したり不要なド
ットの広がりが生じたり、あるいは表面での乱反射によ
る最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にくく
なる。
【0052】微粒子の下限は特に制約はないがその取り
扱い性や製造時の安定性などから概ね10nm以上であ
る。
【0053】微粒子としては従来インクジェット記録用
紙で公知の各種の無機または有機の固体微粒子を用いる
ことが出来る。
【0054】無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることが出来る。
【0055】一方有機微粒子の例としては、ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エス
テル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、また
はこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等
が挙げられる。
【0056】上記微粒子は、1次粒子のままでバインダ
ー中に均一に分散された状態で用いられることも、ま
た、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された
状態で添加されても良いが、後者がより好ましい。
【0057】上記微粒子が1次粒子の2次凝集粒子を形
成した形で用いられる場合、その1次粒子の粒径が30
nm以下のものを使用することが光沢性の観点から好ま
しい。
【0058】1次粒子の粒径の下限は特に限定されない
が粒子の製造上の観点から概ね3nm以上、特に6nm
以上が好ましい。
【0059】上記において微粒子の平均粒径は、粒子そ
のものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観察
し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純平均
値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径は
その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したも
のである。
【0060】本発明においては高い濃度を達成し、鮮明
な画像を記録し低コストで製造できる等の点より、無機
微粒子として、気相法により合成された微粒子シリカお
よびコロイダルシリカから選ばれる固体微粒子を用いる
ことが好ましいが気相法により合成されたシリカが最も
好ましい。
【0061】気相法により合成された微粒子シリカは通
常、四塩化珪素を水素及び酸素共に高温で燃焼して得ら
れる1次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末であり、
本発明では特に30nm以下の1次粒子径を有するもの
が光沢性の点で好ましい。
【0062】このような気相法シリカとして現在市販さ
れているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロ
ジルが該当する。
【0063】本発明で好ましく用いられるコロイダルシ
リカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交
換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成し
て得られるものであり、このコロイダルシリカをインク
ジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭5
7−14091号、同60−219083号、同60−
219084号、同61−20792号、同61−18
8183号、同63−17807号、特開平4−932
84号、同5−278324号、同6−92011号、
同6−183134号、同6−297830号、同7−
81214号、同7−101142号、同7−1790
29号、同7−137431号、および国際特許公開W
O94/26530号などに記載されている。
【0064】コロイダルシリカの好ましい粒子径は通常
は5〜100nmであるが特に7〜30nmの粒子径が
好ましい。
【0065】上記の気相法により合成されたシリカおよ
びコロイダルシリカは、その表面をカチオン変成された
ものであってもよく、また、Al、Ca、MgおよびB
a等で処理された物であってもよい。
【0066】第2のインク吸収層に用いられる親水性バ
インダーには、第1のインク吸収層で用いられる親水性
バインダーと同様の親水性バインダーが好ましく用いら
れるが、特にポリビニルアルコールが好ましい。
【0067】このポリビニルアルコールにはカチオン変
性、ノニオン変性およびアニオン変性の各変性ポリビニ
ルアルコールも含まれる。
【0068】ポリビニルアルコールの平均重合度は造膜
性の観点から1000〜5000のものが好ましく用い
られ、特に平均分子量が2000以上のものが好まし
い。
【0069】ポリビニルアルコールのケン化度は70〜
100%のものが好ましく、80〜100%のものが特
に好ましい。
【0070】カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号に記載されている
ような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を
上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有する
ポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有するエ
チレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン
化することにより得られる。
【0071】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル(メタクリルアミドプロピル)アンモニ
ウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチ
ルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0072】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0073】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号公報、および同63−3079
79号公報に記載されているような、ビニルアルコール
と水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特
開平7−285265号公報に記載されているような水
溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられ
る。
【0074】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0075】上記微粒子の親水性バインダーに対する重
量比率は概ね2〜10の範囲であるが、特に3〜8が好
ましい。上記微粒子の親水性バインダーに対する重量比
率が3未満の場合インク吸収性の低下を、8を越えると
第2のインク吸収層の塗膜のひび割れをひきおこすこと
がある。
【0076】第2のインク吸収層には硬膜剤としてほう
酸またはその塩が含有されることが好ましい。ほう酸ま
たはその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸
およびその塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、
メタほう酸、次ほう酸、四ほう酸、五ほう酸およびそれ
らの塩が含まれる。
【0077】第2のインク吸収層の乾燥膜圧は5〜30
μmである。5μm未満の場合、インク吸収性の低下や
光沢の低下を、30μmを越えると塗膜のひび割れをひ
きおこすことがある。
【0078】第2のインク吸収層は微粒子の種類および
平均粒径や添加剤の種類等の異なる2以上の微粒子含有
層を積層させたものも含まれる。この場合、乾燥膜厚や
微粒子の平均粒径はこれら複数の微粒子含有層全体につ
いて設定される。
【0079】第1および第2のインク吸収層には必要に
応じて各種の添加剤を添加することが出来る。
【0080】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号
公報、同57−87989号公報、同60−72785
号公報、同61−146591号公報、特開平1−95
091号公報及び同3−13376号公報等に記載され
ている退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオン
の各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同
59−52689号公報、同62−280069号公
報、同61−242871号公報および特開平4−21
9266号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡
剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘
剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有
させることもできる。
【0081】また、印字後の耐水性や耐湿性を改良する
ためにカチオン媒染剤を含有させることもできる。
【0082】カチオン媒染剤としては第1級〜第3級ア
ミノ基および第4級アンモニウム塩基を有するポリマー
媒染剤が好ましく用いられるが、カチオン性の非ポリマ
ー媒染剤も使用することができる。
【0083】ポリマー媒染剤としては、第4級アンモニ
ウム塩基を有するポリマー媒染剤が耐候性や染料の染着
性の強固さから好ましい。
【0084】好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アン
モニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他の
モノマーとの共重合体または縮重合体として得られる。
【0085】このポリマー媒染剤は水溶性ポリマーとし
ても、また、水分散性のラテックス粒子のいずれの形で
も使用することができる。
【0086】一方、非ポリマー性の媒染剤としては、炭
素原子数の総和が12以上、好ましくは18以上の第4
級アンモニウム塩基を有する化合物が用いられる。
【0087】上記ポリマー媒染剤および非ポリマー媒染
剤の使用量は記録用紙1m2あたり0.2〜10g、好
ましくは0.5〜5gである。
【0088】特にカチオン性媒染剤がポリマー媒染剤で
ある場合、少なくとも第2層のインク吸収層に含有させ
ることが好ましいが、特に好ましくは第1のインク吸収
層と第2のインク吸収層の両者に添加される。
【0089】一方、非ポリマー性の媒染剤を使用する場
合には、第1のインク吸収層または第2のインク吸収層
を形成する塗布液のいずれに添加しても塗布後に層間で
拡散して均一化するためにどちらの層に添加しても耐水
性と耐湿性の改良効果を得ることができる。
【0090】また、第2のインク吸収層は空隙構造であ
るために一般に固い層になる。このため、製造時やイン
クジェット記録後のインク溶媒の蒸発時にひび割れが生
じやすいが、この問題を軽減するために少なくとも第2
のインク吸収層には油滴を含有させることが好ましい。
【0091】油滴としては融点が40℃以下の疎水性化
合物を乳化分散したものやガラス転移温度が40℃以下
の重合体ラテックス粒子が用いられる。油滴の粒径は概
ね0.02〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μ
m、特に好ましくは0.05〜0.3μmのものが用い
られる。
【0092】油滴の添加量は第2のインク吸収層が含有
する微粒子に対して重量比で1〜50重量%、好ましく
は2〜20重量%で用いられる。
【0093】この油滴は第2層だけでなく第1層にも用
いることができるが効果の大きさから第2層には少なく
とも用いることが好ましい。
【0094】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層側とは反対側にはカール防止や印字直後に重ね合
わせた際のくっつきやインク転写を更に向上させるため
に種々の種類のバック層を設けることができる。
【0095】バック層の構成は支持体の種類や厚み、イ
ンク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には
親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バ
ック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0096】また、バック層には他の記録用紙とのくっ
つき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録装
置内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この
目的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有
機または無機の微粒子である。
【0097】親水性層を支持体上に塗布する方法は公知
の方法から適宜選択して行うことが出来る。親水性バイ
ンダー含有層および微粒子含有層はそれぞれ2層以上あ
っても良く、この場合、2層以上を同時に塗布すること
もでき、特に全ての親水性バインダー層を1回の塗布で
済ます同時塗布が好ましい。
【0098】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2681294号公報記載のホッパーを
使用するエクストルージョンコート法が好ましく用いら
れるが、特に多層同時塗布方式においては、カーテン塗
布方法またはスライドホッパー塗布方式が好ましい。
【0099】親水性バインダー含有インク吸収層を支持
体上に塗布後、冷却してゲル状態にした後、コールドド
ライ法で乾燥する方法は好ましい方法のひとつである
が、この際、好ましくは乾燥時にはセットした塗布液が
再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の
観点から好ましい。通常はセット後室温〜30℃の範囲
内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜50℃に加
熱して完全に乾燥させられる。
【0100】塗布後の乾燥は、いったん冷却して塗布液
の粘度を増大させるかゲル化させてから風を吹き付けて
乾燥させるのが好ましい。
【0101】塗布液温度は通常は25〜60℃であり、
30〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が2
0℃以下、好ましくは15〜5℃になるようにするのが
好ましく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付け
て乾燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0102】塗布する湿潤膜厚は目的とする乾燥膜厚に
よって変わるが概ね40〜200μm、好ましくは50
〜150μm、塗布速度は乾燥能力に大きく依存するが
概ね20〜200m/分である。乾燥時間は概ね2〜1
0分である。
【0103】次に本発明の記録用紙を用いてインクジェ
ット記録する時使用する場合の水溶性記録液について以
下に説明する。
【0104】水溶性記録液は、通常は水溶性染料及び液
媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。水溶性
染料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水
溶性染料が使用できるが直接染料、または酸性染料が好
ましい。
【0105】記録液の溶媒は水を主体としてなるが、記
録液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端や記録液
供給経路での目詰まりを防止するために、通常沸点が1
20℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が使用され
る。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料などの固形
成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作用を持つ
ために水よりはるかに低い蒸気圧を有することが要求さ
れる一方、水に対して混和性が高い必要がある。
【0106】そのような目的で高沸点有機溶媒としては
高沸点の有機溶媒が通常多く使用されるが、具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエ
ーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2ーヘキサンジ
オール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポ
リエチレングリコール(平均分子量が約300以下)等
のアルコール類が挙げられる。また、上記した以外に
も、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等も
使用できる。
【0107】これらの多くの高沸点有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0108】記録液が含有するその他の添加剤として
は、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調
整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆
剤、等が挙げられる。
【0109】記録液は記録用紙に対する濡れ性を良好に
するため及びインクジェットノズルからの吐出を安定化
させる目的で、25℃において、25〜50dyne/
cm、好ましくは28〜40dyne/cmの範囲内の
表面張力を有するのが好ましい。
【0110】また、記録液の粘度は通常25℃において
2〜10cp、好ましくは2.5〜8cpである。ま
た、記録液のpHは3〜9が好ましい。
【0111】インクノズルから吐出される最小インク液
滴としては1〜30plの容量の場合、記録紙上で約2
0〜60μmの直径の最小ドット径が得られるので好ま
しい。このようなドット径で印字されたカラープリント
は高画質画像を与える。好ましくは2〜20plの容積
を有する液滴が最小液滴として吐出される場合である。
【0112】また、前記水性インクが、少なくともマゼ
ンタおよびシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる
2種類のインクで記録する方式において、ハイライト部
では低濃度のインクが使用されるためにドットの識別が
しにくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用した場
合も適用できる。
【0113】インクジェット記録方法において、記録方
法としては、従来公知の各種の方式を用いることがで
き、その詳細はたとえば、インクジェット記録技術の動
向(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株
式会社発行)に記載されている。
【0114】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示
し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m2当たり
の量を示す。
【0115】実施例1 吸水性を有する厚さ180μmの紙支持体の記録面側
に、下記の構成を有する層を、層−1、層−2の順に、
それぞれの乾燥膜厚が3μm、20μmになるように塗
布し乾燥して、本発明の記録用紙−1を得た。
【0116】 〔層−1〕 親水性バインダー(1):酸処理ゼラチン(等電点=8.5)/ポリビニル アルコール(クラレ株式会社製PVA203)=6/4(重量比) 6g ポリマーラテックス(1):スチレン−ブタジエンラテックス(ブタジエン /スチレン/アクリル酸=58/40/2、モノマー量比は重量%) 14g 界面活性剤(1):サポニン 0.02g 〔層−2〕 下記微粒子シリカ分散液(1) 450ml 下記カチオン性ポリマー(1) 2g エタノール 35ml n−プロパノール 10ml 酢酸エチル 5ml ポリビニルアルコール 0.1g (クラレ株式会社製PVA203) ポリビニルアルコール 12g (クラレ株式会社製PVA235) ホウ酸 2.0g ほう砂 1.0g 微粒子シリカ分散液(1):日本アエロジル工業株式会社製A300の80g を純水400ml中に添加し高速ホモジナイザーで分散した後、全量を純水で4 50mlに仕上げる。
【0117】
【化1】
【0118】次に、上記記録用紙−1における〔層−
1〕の親水性バインダー(1)の添加量、およびポリマ
ーラテックス(1)の添加量を表1のように変更した以
外は記録用紙−1と同様にして記録用紙−2〜4を作成
した。
【0119】また、記録用紙−1における〔層−1〕の
ポリマーラテックス(1)をポリマーラテックス
(2):ポリアクリレートラテックス(スチレン/メタ
クリル酸グリシジル/アクリル酸ブチル=20/40/
40)とし、その添加量および親水性バインダー(1)
の添加量を表1のように変更した以外は記録用紙−1と
同様にして記録用紙−5〜8を作成した。
【0120】さらに、記録用紙−1における〔層−1〕
のポリマーラテックス(1)を添加せず、親水性バイン
ダー(1)の添加量を表1のように変更した以外は記録
用紙−1と同様にして記録用紙−9、10を作成した。
【0121】次に、得られた各記録用紙について以下の
項目を評価した。
【0122】塗布後のひび割れ:100cm2あたり
のひび割れ数を調べた。
【0123】インク吸収性:イエロー、マゼンタ、シ
アンの3色を記録した記録用紙を、室温下(20℃、5
0%RH)に20秒間放置した後、記録面に各々の記録
用紙の裏面を重ね合わせ、10cm2あたり5gの荷重
をかけ30秒間保持した時に、インクが反対側の記録面
に付着するか否かで判断した。
【0124】 ○ 全く付着しない × 明らかに付着する △ 痕跡状態で付着する 支持体とインク吸収層の接着性:カッターナイフで記
録面側より縦横に5mm間隔の格子状切り込みを入れた
後、記録面に粘着テープを貼り、剥がし、格子100個
あたりのインク吸収層のはがれ数で判断した。
【0125】 ○ はがれ数が10未満 × はがれ数が31以上 △ はがれ数が10〜30 光沢度:75度鏡面光沢度を調べた。
【0126】得られた結果を表1に示す。
【0127】
【表1】
【0128】表1の結果から、本発明の記録用紙−1、
2、5、6は親水性バインダーに対するポリマーラテッ
クスの重量比や高い皮膜強度、良好なインク吸収性、良
好なインク吸収層と支持体の接着性、良好な光沢性を有
していることがわかる。これに対して、比較例の記録用
紙−3、7はポリマーラテックスの添加量が過多であ
り、塗膜のひび割れ発生、支持体との接着性低下、光沢
低下が発生しており、また、比較例の記録用紙−4、
8、9、10はポリマーラテックスの添加量が少なすぎ
るか、または無添加であるためインク吸収性が劣化して
いることがわかる。
【0129】実施例2 実施例1の記録用紙−1において、〔層−2〕の乾燥膜
厚が4μmになるように変更した以外は実施例1と同様
にして記録用紙−11を作成し、実施例1と同様にして
評価した。
【0130】実施例1の記録用紙−1において、〔層−
2〕の乾燥膜厚が40μmになるように変更した以外は
実施例1と同様にして記録用紙−12を作成し、実施例
1と同様にして評価した。
【0131】得られた結果を表2に示す。
【0132】
【表2】
【0133】表2の結果から、比較例の記録用紙−11
は第2のインク吸収層の乾燥膜厚が薄すぎ、インク吸収
性と光沢が低下しており、比較例の記録用紙−12は第
2のインク吸収層の乾燥膜厚が厚すぎ、塗膜のひび割れ
が発生している。
【0134】実施例3 実施例1の記録用紙−1における〔層−2〕のポリビニ
ルアルコールの重量を表3のように変更した以外は記録
用紙−1と同様にして記録用紙−13〜16を作成し、
実施例1と同様に評価した。
【0135】得られた結果を表3に示す。
【0136】
【表3】
【0137】表3の結果から、本発明の記録用紙−13
〜16は皮膜強度、インク吸収性、インク吸収層と支持
体の接着性、光沢性ともに良好であるが、空隙層中のポ
リビニルアルコールに対する微粒子の重量比が3〜8の
範囲である記録用紙−13、14は特に優れていること
がわかる。
【0138】実施例4 実施例1において、〔層−1〕の乾燥膜厚が表4になる
ように変更した以外は実施例1の記録用紙−1と同様に
して記録用紙−17〜20を作成し、実施例1と同様に
して評価した。
【0139】得られた結果を表4に示す。
【0140】
【表4】
【0141】表4の結果から、本発明の記録用紙−17
〜20は皮膜強度、インク吸収性、インク吸収層と支持
体の接着性、光沢性ともに良好であるが、第1のインク
吸収層の乾燥膜厚が0.5〜5μmの範囲である記録用
紙−18、19は特に優れていることがわかる。
【0142】
【発明の効果】本発明の構成により、皮膜強度が高く、
インク吸収性、インク吸収層と支持体の接着性、光沢性
ともに良好なインクジェット記録用紙が得られた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
    に、親水性バインダーおよび親水性バインダーに対して
    重量比で1〜3倍のポリマーラテックスを含有する第1
    のインク吸収層および、乾燥膜厚が5〜30μmであっ
    て平均粒径が100nm以下の微粒子を含有する空隙層
    を有する第2のインク吸収層をこの順に設けたことを特
    徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記第2のインク吸収層が含有する微粒
    子が、平均粒径が30nm以下の平均粒径を有する微粒
    子の2次凝集粒子であることを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】 前記第2のインク吸収層が含有する微粒
    子が、気相法により合成されたシリカであることを特徴
    とする請求項2に記載のインクジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記空隙層がポリビニルアルコールを含
    有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記ポリビニルアルコールに対する微粒
    子の量が重量比で3〜8であることを特徴とする請求項
    4に記載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記空隙層が硬膜剤により硬膜されてい
    ることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジ
    ェット記録用紙。
  7. 【請求項7】 前記第1のインク吸収層の乾燥膜厚が
    0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1〜6の
    いずれか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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