JPH1191234A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

Info

Publication number
JPH1191234A
JPH1191234A JP9275187A JP27518797A JPH1191234A JP H1191234 A JPH1191234 A JP H1191234A JP 9275187 A JP9275187 A JP 9275187A JP 27518797 A JP27518797 A JP 27518797A JP H1191234 A JPH1191234 A JP H1191234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
recording paper
ink
jet recording
ink jet
fine particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9275187A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Hatano
治 波多野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP9275187A priority Critical patent/JPH1191234A/ja
Publication of JPH1191234A publication Critical patent/JPH1191234A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収層の膜厚を不要に増大させること
なくインク吸収容量を増大させた、低コストでかつ記録
後の画像部のシワの発生がなく写真の風合いが得られ、
記録前後の取り扱いによる画像品質の低下がない高画質
のインクジェット記録用紙をを提供すること。 【解決手段】吸水性支持体上に、平均粒径が100nm
以下の微粒子を含有する乾燥膜厚が5〜30μmの空隙
層をインク吸収層として有するインクジェット記録用紙
において、JIS P8143に規定される縦、横各方
向のこわさの値の小さい方の値が100cm3/100
以上、大きい方の値が400cm3/100以下であ
り、かつ、厚さが160〜300μmであるインクジェ
ット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクを用いて記
録を行うインクジェット記録用紙に関し、更に詳しく
は、低コストで製造可能であり、高画質で写真の風合い
が得られるインクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で、従来から問題となっていた
ノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク及
び装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンタ
ー、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな
分野で急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ、周辺が滑らかでぼやけないこと等
が要求される。
【0004】インクジェット記録用紙において、インク
吸収速度が遅い場合には、2色以上のインク液滴が重な
って記録される際に、記録用紙上で液滴がハジキ現象を
起こしてムラになったり、また、異なる色の境界領域で
お互いの色が滲んだりして画質を大きく低下させやすい
ために、記録用紙としては高いインク吸収性を持たせる
ようにすることが必要である。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0006】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号公報に記載さ
れている支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録
用紙、特開昭56−157号公報に記載されている被覆
層中の顔料として非膠質シリカ粉末を用いた記録用紙、
特開昭57−107878号公報に記載されている無機
顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−11
0287号公報に記載されている2つの空孔分布ピーク
を有する記録用紙、特開昭62−111782号公報に
記載されている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、
特開昭59−68292号公報、同59−123696
号公報及び同60−18383号公報などに記載されて
いる不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−135
786号公報、同61−148092号公報及び同62
−149475号公報等に記載されている微粉末層を有
する記録用紙、特開昭63−252779号公報、特開
平1−108083号公報、同2−136279号公
報、同3−65376号公報及び同3−27976号公
報等に記載されている特定の物性値を有する顔料や微粒
子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−14091
号公報、同60−219083号公報、同60−210
984号公報、同61−20797号公報、同61−1
88183号公報、特開平5−278324号公報、同
6−92011号公報、同6−183134号公報、同
7−137431号公報及び同7−276789号公報
等に記載されているコロイド状シリカ等の微粒子シリカ
を含有する記録用紙、及び、特開平2−276671号
公報、同3−67684号公報、同3−215082号
公報、同3−251488号公報、同4−67986号
公報、同4−263983号公報及び同5−16517
号公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含
有する記録用紙等の多数の技術が知られている。
【0007】上記の中でも、インク受容層がインクを吸
収したり保持するための空隙を多く有する層である場合
にはインクの吸収性が良好で境界部の滲みが少なく、高
品位な画像が期待できる。
【0008】このような空隙構造を有するインク吸収層
を非吸水性の支持体上に設けた場合には、高い濃度の鮮
明な画像が得られるが、空隙構造を有するインク吸収層
においては元々の皮膜の乾燥容量よりインク吸収量が少
ない。例えば、乾燥膜厚が40μmである皮膜におい
て、固形分が均一な容積として仮に22μmである皮膜
を想定すると、空隙量はインクジェット記録用紙1m2
当たり(40−22)=18mlしか有さないことにな
り、記録方式にもよるが最大インク量付近でインク吸収
容量が不足し兼ねない場合が生じ得る。インク吸収容量
が不足する場合にはインクが溢れ、画像品質を大幅に劣
化させる。このため、空隙構造を有するインク吸収層を
非吸水性の支持体上に設けた場合に、多量のインクを十
分吸収させるためには乾燥膜厚を十分厚くする必要が生
じ、この場合、皮膜の脆弱性(特に、低湿下のひび割
れ)が問題となり、また、コスト的にも不利となる。一
方、空隙構造を有するインク吸収層を吸水性のある支持
体上に設けた場合には、支持体自身が高い吸収容量とイ
ンク吸収性を持っており、インクの吸収という観点から
は好ましいものであるため、非吸水性の支持体上に設け
た場合に比べて、空隙層を有するインク吸収層の乾燥膜
圧を薄くすることができる。
【0009】インクジェット記録の利用分野としては、
写真に近い高品位の画像記録が近年特に注目されてい
る。
【0010】空隙層を有するインク吸収層を吸水性のあ
る支持体上に設けた記録用紙はこのような用途に適して
いると考えられるが、支持体自身がインク溶媒を吸収す
るために、記録後にインク溶媒が乾燥した後で支持体が
波打ち状になってシワが画像状に生じやすい問題があ
る。
【0011】また、空隙層を有するインク吸収層は、そ
の空隙が保存中、特に、高温高湿下でその容量が変わっ
たりすることがあるために、空隙層内に空隙が変化しな
いようにする微粒子を含んでいることが好ましい。空隙
層内に微粒子を含有させて空隙を形成させた場合には、
親水性バインダーを含有させることにより皮膜の安定化
を図ることができるが、このようにしても記録用紙の取
り扱いによってはインク吸収層の表面に微細なひび割れ
が発生することがあり、この様なインクジェット記録用
紙にインクジェット記録を行った場合には、インクがこ
のひび割れに沿って広がり著しく画質を低下させてしま
う。
【0012】さらに、写真に近い高品位の画像を得るた
めには、記録用紙の特性として原画に忠実な記録を達成
できることのみならず、記録用紙の光沢、記録用紙とし
ての風合いを併せ持っていることが要求される。
【0013】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態
に鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようと
する第1の課題は、インク吸収層の膜厚を不要に増大さ
せることなくインク吸収容量を増大させたインクジェッ
ト記録用紙を提供することにある。
【0014】また、本発明が解決しようとする第2の課
題は、低コストでかつ記録後の画像部のシワの発生がな
く写真の風合いが得られるインクジェット記録用紙を提
供することにある。
【0015】さらに本発明が解決しようとする第3の課
題は、記録前後の取り扱いによる画像品質の低下がない
高画質のインクジェット記録用紙を提供することであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の課題は、
以下のインクジェット記録用紙によって達成される。 (1)吸水性支持体上に、平均粒径が100nm以下の
微粒子を含有する乾燥膜厚が5〜30μmの空隙層をイ
ンク吸収層として有するインクジェット記録用紙におい
て、JIS P8143に規定される縦、横各方向のこ
わさの値の小さい方の値が100cm3/100以上、
大きい方の値が400cm3/100以下であり、か
つ、厚さが160〜300μmであることを特徴とする
インクジェット記録用紙。 (2)微粒子が、30nm以下の平均粒径を有する1次
粒子により形成された2次凝集粒子であることを特徴と
する上記(1)に記載のインクジェット記録用紙。 (3)1次粒子が、気相法により合成されたシリカであ
ることを特徴とする上記(2)に記載のインクジェット
記録用紙。 (4)インク吸収層がポリビニルアルコールを有するこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の
インクジェット記録用紙。 (5)ポリビニルアルコールに対する微粒子の量が重量
比で3〜8であることを特徴とする上記(4)に記載の
インクジェット記録用紙。 (6)インク吸収層が硬膜剤により硬膜されていること
を特徴とする上記(4)または(5)に記載のインクジ
ェット記録用紙。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明でインクジェット記録用紙の吸水性
支持体としては、所望の吸水性を有し、記録用紙とした
場合に所望のこわさを達成しうるものであればいかなる
ものでも使用できる。所望のこわさは、吸収性支持体、
インク吸収層、及び、必要に応じて設けられる各種コー
ト層の素材の種類や構成、厚さや製造方法などを適宜選
択することにより達成することができる。
【0019】吸水性支持体としては、例えば、一般の
紙、合成紙、布、木材等からなるシートや板等を挙げる
ことができる。特に、紙は基材自身の吸水性が優れ、か
つ、コスト的にも優れるために最も好ましい。以下に紙
支持体について説明する。
【0020】紙支持体としては、LBKP、NBKP等
の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTM
P、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パ
ルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能で
ある。また、必要に応じて、合成パルプ、合成繊維、無
機繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用するこ
とができる。
【0021】紙支持体中には、必要に応じて、サイズ
剤、顔料、紙力増強剤、定着剤、蛍光増白剤、湿潤紙力
増強剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加
することができる。サイズ剤としては、高級脂肪酸、ア
ルキルケテンダイマー等が、顔料としては、炭酸カルシ
ウム、タルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としては、
スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール
等が、定着剤としては、硫酸バンド、カチオン性高分子
電解質等が挙げられるがこれに限定されるものではな
い。
【0022】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状
物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが
できる。また、必要に応じて、抄紙段階または抄紙後
に、スターチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス
処理をしたり、各種コート処理をしたり、カレンダー処
理したりすることもできる。
【0023】本発明のインクジェット記録用紙の吸水性
支持体の厚さは、155〜295μmであるのが好まし
く、180〜295μmであるのがより好ましい。これ
より薄い場合、支持体自身がインク溶媒を吸収するため
に、記録後にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち
状になってシワが画像状に生じやすくなったり、記録用
紙の取り扱いによってはインク吸収層にひび割れを生じ
たりする。また、295μmを越えると印字時の走行性
に支障をきたしやすくなることがある。
【0024】本発明においては、支持体とインク吸収層
の接着強度をより大きくする等の目的で、インク吸収層
の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理
等を行うことができる。
【0025】本発明のインクジェット記録用紙は平均粒
径が100nm以下の微粒子を含有する。
【0026】平均粒径が100nmを越える微粒子を使
用した場合には記録用紙の光沢性が低下したり、インク
ジェット記録時のドットの真円度が低下したり不要なド
ットの広がりが生じたり、あるいは、表面での乱反射に
よる最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にく
くなる。
【0027】微粒子の平均粒径の下限は特に制約はない
がその取り扱い性や製造時の安定性などから概ね10n
m以上である。
【0028】微粒子としては従来インクジェット記録用
紙で公知の各種の無機または有機の固体微粒子を用いる
ことができる。
【0029】無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることが出来る。
【0030】また、有機微粒子の例としては、ポリスチ
レン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エ
ステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ま
たはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂
等が挙げられる。
【0031】上記微粒子は、1次粒子のままでバインダ
ー中に均一に分散された状態で添加されても、また、2
次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で
添加されてもよいが、後者の方がより好ましい。
【0032】微粒子が1次粒子により形成された2次凝
集粒子の形で用いられる場合、その1次粒子の平均粒径
が30nm以下のものを使用することが光沢性の観点か
ら好ましい。
【0033】1次粒子の平均粒径の下限は特に限定され
ないが、粒子の製造上の観点から概ね3nm以上、特
に、6nm以上が好ましい。
【0034】上記において、微粒子の平均粒径は、粒子
そのものあるいは空隙層の断面や表面を電子顕微鏡で観
察し、100個の任意の粒子の粒径を求め、その単純平
均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒径
はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表した
ものである。
【0035】本発明においては、高い濃度を達成し、鮮
明な画像を記録し低コストで製造できる等の点より、微
粒子として、シリカ微粒子を用いることが好ましい。
【0036】シリカ微粒子の製造法は乾式法と湿式法に
大別され、乾式法としては、ハロゲン化珪素の高温での
気相加水分解による方法(気相法)及びケイ砂とコーク
スを電気炉でアークにより加熱還元気化しこれを空気酸
化する方法(アーク法)が知られている。また、湿式法
としては、珪酸塩の酸分解により活性シリカを生成した
後、適度に重合させて凝集・沈殿させる方法が知られて
いる。
【0037】本発明においては、シリカ微粒子の中でも
気相法により合成されたシリカが最も好ましい。
【0038】気相法により合成された微粒子シリカは、
通常、四塩化珪素を水素及び酸素と共に高温で燃焼して
得られる1次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末であ
り、本発明では特に30nm以下の平均1次粒子径を有
するものが光沢性の点で好ましい。
【0039】このような気相法シリカとして現在市販さ
れているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロ
ジルが該当する。
【0040】本発明のインクジェット記録用紙は、微粒
子を含有する空隙層をインク吸収層として有するが、微
粒子を含有させて空隙を形成させる場合には、層中に親
水性バインダーを含有させておくことが安定な皮膜を形
成させるために必要である。
【0041】用いられる親水性バインダーとしては、ゼ
ラチンまたはゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン、
プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポ
リエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキスト
リン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ−カラギー
ナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテ
ンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビア
ゴム、特開平7−195826号公報及び同7−975
7号公報に記載のポリアルキレンオキサイド系共重合性
ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特
開昭62−245260号公報に記載のカルボキシル基
やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこ
れらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等の
ポリマーを挙げることができる。これらの親水性バイン
ダーは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよ
い。
【0042】中でも、ポリビニルアルコールを含有する
親水性バインダーを用いることが、皮膜の吸湿性、高湿
下でのベタつき、インクジェット記録時の染料の滲みが
少ないことなどから好ましい。
【0043】上記のポリビニルアルコールには、カチオ
ン変性、ノニオン変性及びアニオン変性の各変性ボリビ
ニルアルコールも含まれる。
【0044】ポリビニルアルコールの平均重合度は、造
膜性の観点から1000〜5000のものが好ましく用
いられ、特に、平均重合度が2000以上のものが好ま
しい。
【0045】ポリビニルアルコールのケン化度は、70
〜100%のものが好ましく、80〜100%のものが
特に好ましい。
【0046】カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号公報に記載され
ているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウ
ム基をポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0047】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルア
ミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメ
チルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0048】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の含有量は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、特に好ましくは0.2
〜5モル%であるアニオン変性ポリビニルアルコールと
しては、例えば、特開平1−206088号公報に記載
されているようなアニオン性基を有するポリビニルアル
コール、特開昭61−237681号公報及び同63−
307979号公報に記載されているような、ビニルア
ルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合
体、及び、特開平7−285265号公報に記載されて
いるような水溶性基を有する変性ポリビニルアルコール
が挙げられる。
【0049】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0050】本発明のインクジェット記録用紙において
固体微粒子の親水性バインダーに対する重量比率は概ね
2〜10であるが、3〜8が特に好ましい。3未満の時
はインク吸収性の低下が、8を越えるとインク吸収層の
皮膜の脆弱性がもたらされるようになり、高画質のイン
クジェット記録が困難になってくる。
【0051】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には硬膜剤としてほう酸またはその塩が含有され
ることが好ましい。ほう酸またはその塩とは、硼素原子
を中心原子とする酸素酸及びその塩であり、具体的に
は、オルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸、四ほう酸、
五ほう酸及びそれらの塩が挙げられる。
【0052】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層の乾燥膜厚は5〜30μmである。5μm未満の
場合、インク吸収性の低下や光沢の低下を、30μmを
越えると低湿下での保存時などに塗膜のひび割れをひき
おこすとともに、コストの点でも不利になる。
【0053】本発明のインクジェット記録用紙のJIS
P8143に規定される縦、横各方向のこわさの値の
小さい方の値は100cm3/100以上、大きい方の
値は400cm3/100以下である。こわさの小さい
方の値が100cm3/100未満であると記録用紙の
取り扱いによってはインク吸収層の表面に微細なひび割
れを発生しやすくなり、インクジェット記録を行った場
合の画質を低下させてしまうことがある。こわさの大き
い方の値が400cm3/100を越えるとインクジェ
ット記録に際して記録用紙の搬送性に支障をきたすこと
がある。記録用紙のこわさは、支持体、インク吸収層、
及び、必要に応じてなされる各種処理などの厚さ、素
材、構成や製造塗布法などを適宜選択することによって
本発明の範囲内にすることができる。
【0054】本発明のインクジェット記録用紙の厚さは
160〜300μmである。厚さが160μm未満の場
合、吸水性支持体がインク溶媒を吸収するために、記録
後にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になっ
てシワが画像状に生じやすくなる。また、300μmを
越えるとインクジェット記録に際して記録用紙の搬送性
に支障をきたすことがある。
【0055】本発明のインクジェット記録用紙は微粒子
を含有するインク吸収層を2層以上有していることもで
きる。この場合、これら複数のインク吸収層に使用され
る親水性バインダーや微粒子の種類あるいは比率は任意
に選択することができる。
【0056】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には必要に応じて各種の添加剤を添加することが
できる。
【0057】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号
公報、同57−87989号公報、同60−72785
号公報、同61−146591号公報、特開平1−95
091号公報及び同3−13376号公報等に記載され
ている退色防止剤、アニオン、カチオンまたは非イオン
の各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同
59−52689号公報、同62−280069号公
報、同61−242871号公報及び特開平4−219
266号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、
ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯
電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させる
こともできる。
【0058】また、印字後の耐水性や耐湿性を改良する
ためにカチオン媒染剤を含有させることもできる。
【0059】カチオン媒染剤としては、第1級〜第3級
アミノ基及び第4級アンモニウム塩基を有するポリマー
媒染剤が好ましく用いられるが、カチオン性の非ポリマ
ー媒染剤も使用することができる。
【0060】ポリマー媒染剤としては、第4級アンモニ
ウム塩基を有するポリマー媒染剤が耐候性や染料の染着
性の強固さから好ましい。
【0061】好ましいポリマー媒染剤は、上記第4級ア
ンモニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他
のモノマーとの共重合体または縮重合体として得られ
る。
【0062】このポリマー媒染剤は水溶性ポリマーとし
ても、また、水分散性のラテックス粒子としても、いず
れの形でも使用することができる。
【0063】非ポリマー媒染剤としては、炭素原子数の
総和が12以上、好ましくは18以上の第4級アンモニ
ウム塩基を有する化合物が用いられる。
【0064】ポリマー媒染剤及び非ポリマー媒染剤の使
用量は記録用紙1m2あたり0.2〜10g、好ましく
は0.5〜5gである。
【0065】また、本発明のインク吸収層は空隙層であ
るために一般に硬い層となる。このため、製造時やイン
クジェット記録後の溶媒の蒸発時にひび割れを生じやす
いが、この問題をより低減するために油滴を含有させる
ことが好ましい。
【0066】油滴としては、融点が40℃以下の疎水性
化合物を乳化分散したものやガラス転移温度が40℃以
下の重合体ラテックスが用いられる。油滴の平均粒径は
概ね0.02〜1μmであり、好ましくは0.05〜
0.5μm、特に好ましくは0.05〜0.3μmのも
のが用いられる。
【0067】油滴の添加量は、インク吸収層が含有する
微粒子に対して重量比で、概ね1〜50重量%、好まし
くは2〜20重量%である。
【0068】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層側とは反対側に、カール防止や印字直後に重ね合
わせた際のくっつきやインク転写を防止させるために種
々の種類のバック層を設けることができる。
【0069】バック層の構成は支持体の種類や厚み、イ
ンク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には
親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バ
ック層の厚みは、通常は、0.1〜10μmの範囲であ
る。
【0070】また、バック層には、他の記録用紙とのく
っつき防止、筆記性改良、さらにはインクジェット記録
装置内での搬送性改良のために微粒子を含有させ表面を
粗面化できる。この目的で好ましく用いられる微粒子
は、粒径が2〜20μmの有機または無機の微粒子であ
る。
【0071】以上の構成からなる本発明の記録用紙は、
例えば、以下の方法によって得ることができる。まず、
前記の空隙構造を有するインク吸収層形成用の材料を適
当な溶媒、例えば、水、アルコールあるいは各種有機溶
媒に添加して塗布液を調整し、これを前記吸水性支持体
に塗布し、乾燥させて空隙構造を有するインク吸収層を
形成することにより得ることができる。
【0072】インク吸収層を支持体上に塗布する方法は
公知の方法から適宜選択することができる。
【0073】親水性バインダー含有層は2層以上あって
も良く、この場合、2層以上を同時に塗布することもで
き、特に、全ての親水性バインダー含有層を1回の塗布
で済ます同時塗布が好ましい。
【0074】具体的には、インク吸収層の塗布方式とし
ては、ロールコーティング法、ロッドバーコーティング
法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティング
法、カーテン塗布方法あるいは米国特許第2,681,
294号明細書記載のホッパーを使用するエクストルー
ジョンコート法が好ましく用いられるが、特に、多層同
時塗布方式においては、カーテン塗布方法またはスライ
ドホッパー塗布方式が好ましい。
【0075】塗布後の乾燥は、いったん冷却して塗布液
の粘度を増大させるかゲル化させてから風を吹き付けて
乾燥させるのが好ましい。
【0076】塗布液温度は通常は25〜60℃であり、
30〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が2
0℃以下、好ましくは15〜5℃になるようにするのが
好ましく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付け
て乾燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0077】塗布する湿潤膜厚は、目的とする乾燥膜厚
によって変わるが概ね40〜200μm、好ましくは5
0〜150μmであり、塗布速度は、乾燥能力に大きく
依存するが、概ね20〜200m/分である。乾燥時間
は概ね2〜10分である。
【0078】次に、本発明のインクジェット記録用紙を
用いてインクジェット記録するときに使用する水溶性記
録液について説明する。
【0079】水溶性記録液は、通常は、水溶性染料及び
液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。水溶
性染料としては、インクジェット記録で用いられる公知
の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるい
は食品用色素等の水溶性染料が使用できるが、直接染料
または酸性染料が好ましい。
【0080】水溶性記録液の溶媒は水を主体としてなる
が、記録液が乾燥し染料が析出してノズル先端や記録液
供給経路での目詰まりが起こるのを防止するために、通
常、沸点が120℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒
が混用される。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料
などの固形成分が析出し粗大析出物が発生するのを防止
する作用を持つために水よりはるかに低い蒸気圧を有す
ることが要求される。また、水に対して混和性が高い必
要がある。
【0081】そのような目的で使用される高沸点有機溶
媒は多数あるが、具体例としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、グリセリン、ジチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタ
ントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,
2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサント
リオール、1,2−ヘキサンジオール、チオジグリコー
ル、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール
(平均分子量約300以下)等のアルコール類が挙げら
れる。また、上記した以外にも、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン等も使用できる。
【0082】これらの多くの高沸点有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、グリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエー
テル等は好ましいものである。
【0083】水溶性記録液に添加されるその他の添加剤
としては、例えば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ
剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤
及び防錆剤等が挙げられる。
【0084】水溶性記録液は記録用紙に対する濡れ性を
良好にしたり、インクジェットノズルからの吐出を安定
化したりするために、25℃において、25〜50dy
ne/cm、好ましくは28〜40dyne/cmの範囲内
の表面張力を有するのが好ましい。
【0085】また、水溶性記録液の粘度は、通常、25
℃において2〜10cp、好ましくは2.5〜8cpで
ある。また、記録液のpHは3〜9が好ましい。
【0086】インクノズルから吐出される最小インク液
滴が1〜30plの容量の場合、インクジェット記録用
紙上で約20〜60μmの直径の最小ドット径が得られ
るので好ましい。このようなドット径で印字されたカラ
ープリントでは高画質画像が得られる。好ましくは2〜
20plの容積を有する液滴が最小液滴として吐出され
る場合である。
【0087】また、水溶性記録液として、少なくともマ
ゼンタ及びシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる
2種類のインクを用いるインクジェット記録方式では、
ハイライト部では低濃度のインクが使用されるためにド
ットの識別がしにくくなるが、本発明はかかるインクジ
ェット記録方式を採用した場合も良好な結果が得られ
る。
【0088】インクジェット記録方法としては、従来公
知の各種の方式を用いることができ、その詳細は例え
ば、「インクジェット記録技術の動向」(中村孝一編、
平成7年3月31日、日本科学情報株式会社発行)に記
載されている。
【0089】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。
【0090】なお、塗布液の組成は塗布液1Lあたりの
量である。また、こわさはJISP8143に規定され
る方法により求めたものであり、縦方向及び横方向のこ
わさの値の小さい方をSmin、大きい方をSmaxと
略記する。
【0091】実施例1 厚さ200μmの吸水性紙支持体の記録面側に、下記の
構成を有する塗布液−1を塗布した後、皮膜温度が15
℃以下になるように30秒以内に急速に冷却し、20〜
50℃の範囲の風で2分間で急速乾燥して、乾燥膜厚2
0μmの空隙層を有するインクジェット記録用紙試料1
を作成した。この記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡
で観察したところ、微粒子の1次粒子の平均粒径は12
nmであり、2次凝集粒子の平均粒径は65nmであっ
た。また、得られたインクジェット記録用紙試料1の厚
さ及びこわさは表1に示す通りであった。
【0092】 〔塗布液−1〕 微粒子シリカ分散液(1) 450ml カチオン性ポリマー(1) 2g エタノール 35ml n−プロパノール 10ml 酢酸エチル 5ml ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA203) 0.1g ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA235) 12g ホウ酸 2.0g ほう砂 1.0g
【0093】微粒子シリカ分散液(1):日本アエロジ
ル工業株式会社製A200(平均1次粒子径12nmの
気相法シリカ)の80gを純水400ml中に添加し乳
化分散機で分散した後、全量を純水で450mlに仕上
げる。
【0094】
【化1】
【0095】使用する吸水性紙支持体を変更した以外は
インクジェット記録用紙試料1と同様にしてインクジェ
ット記録用紙試料2〜8を作成した。これらの各記録用
紙の空隙層の断面の電子顕微鏡で観察したところ、微粒
子の1次粒子の平均粒径は12nmであり、2次凝集粒
子の平均粒径は65nmであった。また、得られたイン
クジェット記録用紙試料2〜8の厚さ及びこわさは表1
に示す通りであった。
【0096】
【表1】
【0097】得られたインクジェット記録用紙試料1〜
8について、下記により、インク吸収性、低湿下でのひ
び割れ、取り扱いによるひび割れ、光沢度、印字後のシ
ワ,うねり、搬送性、風合いを評価した。得られた結果
を表2に示す。 〈インク吸収性の評価〉イエロー、マゼンタ、シアンの
3色のインクを用いて記録したインクジェット記録用紙
を、室温下(20℃、50%RH)に20秒間放置した
後、記録面に別のインクジェット記録用紙の裏面を重ね
合わせ、10cm2あたり5gの荷重をかけ30秒間保
持したときに、別のインクジェット記録用紙の裏面に付
着したインクを目視により観察し、下記の評価基準で評
価した。
【0098】(評価基準) ◎;全く付着しない ○;痕跡状態で付着するが問題になるほどではない △;少し付着しやや問題になる ×;明らかに付着する
【0099】〈低湿下でのひび割れの評価〉印字面が外
側になるようにして直径60mmの円筒状にしたインクジ
ェット記録用紙を25℃、相対湿度20%で1昼夜保存
した後、表面のひび割れの状態をルーペで観察し、下記
の評価基準で評価した。
【0100】(評価基準) ◎;ルーペでもひび割れが全く観察されない ○;ルーペでは部分的にひび割れが観察されるが、画質
上殆ど影響がない △;目視ではひび割れが観察されないが、ルーペではひ
び割れが認められ、画質上も少し悪影響が見られる ×;目視でひび割れが観察され、しかも画質上の影響が
大きい
【0101】〈取り扱いによるひび割れの評価〉袋に入
れたインクジェット記録用紙を袋から取り出し、プリン
ターの給紙部にセットする操作を、25℃、25%の環
境下で同一インクジェット記録用紙について20回繰り
返した後、表面のひび割れの状態をルーペで観察し、下
記の評価基準で評価した。
【0102】(評価基準) ◎;ルーペでもひび割れが全く観察されない ○;ルーペでは部分的にひび割れが観察されるが、画質
上殆ど影響がない △;目視ではひび割れが観察されないが、ルーペではひ
び割れが認められ、画質上も少し悪影響が見られる ×;目視でひび割れが観察され、しかも画質上の影響が
大きい
【0103】〈光沢度の評価〉日本電色工業株式会社製
変角光沢度計(VGS−1001DP)を用い、インク
ジェット記録用紙の記録層面の75度光沢を測定した。 〈印字後のシワ,うねりの評価〉キャノン株式会社製イ
ンクジェットプリンターBJC−700Jを用い、イエ
ロー、マゼンタ、シアンの3色のインクを用いてベタ印
字後、シート面を目視により観察し、下記の評価基準で
評価した。
【0104】(評価基準) ○;シワ、うねりは認められず、美観を損なわない △;小さなシワ、うねりはあるが、美観を損なうほどで
はない ×;大きなシワ、うねりがあり、美観を損なう ○または△であれば品質上問題はない。
【0105】〈搬送性の評価〉インクジェットプリンタ
ーの給紙部に10枚ずつ記録用紙を入れ、縦方向および
横方向の紙送りを5回ずつ繰り返し、総計100枚の紙
送りを行い、問題なく紙送りされた枚数により下記の評
価基準で評価した。
【0106】(評価基準) ○;100枚とも問題なく紙送りされた △;90〜99枚が問題なく紙送りされた ×;問題なく紙送りされた枚数は89枚以下である
【0107】〈風合いの評価〉10人の判定者により、
写真用印画紙との風合いの違いを判定してもらい、下記
の評価基準で評価した。
【0108】(評価基準) 〇;風合いが大きく異なると判定した人はいない △;風合いが異なると判定した人数は1〜4人 ×;5人以上の人が風合いが大きく異なると判定した
【0109】
【表2】
【0110】表2の結果から、本発明のインクジェット
記録用紙は、全ての評価項目において良好な結果を示し
ており、高品位のインクジェット記録が可能で風合いも
よいことがわかる。これに対して、比較のインクジェッ
ト記録用紙は、全ての評価項目において良好な結果を示
ものはなかった。
【0111】実施例2 塗布液−1の塗布のより形成される空隙層の乾燥膜厚が
15μm、3μm、40μmになるように変更した以外
は実施例1に記載のインクジェット記録用紙試料1と同
様にしてインクジェット記録用紙試料9〜11を作成し
た。この記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡で観察し
たところ、微粒子の2次凝集粒子の平均粒径はいずれも
65nmであった。また、得られたインクジェット記録
用紙試料9〜11の厚さ及びこわさは表3に示す通りで
あった。
【0112】また、塗布液−1の微粒子シリカ分散液
(1)を下記に示す微粒子シリ力分散液(2)に変え、
塗布液−1の塗布のより形成される空隙層の乾燥膜厚が
15μmになるように変更した以外は実施例1に記載の
インクジェット記録用紙試料1と同様にしてインクジェ
ット記録用紙試料12を作成した。この記録用紙の空隙
層の断面の電子顕微鏡で観察したところ、微粒子の2次
凝集粒子の平均粒径は150nmであった。また、得ら
れたインクジェット記録用紙試料12のこわさは表3に
示す通りであった。
【0113】微粒子シリカ分散液(2):日本アエロジ
ル工業株式会社製TT600(平均1次粒径40nmの
気相法シリカ)の80gを純水400ml中に添加し乳
化分散機で分散した後、全量を純水で450mlに仕上
げる。
【0114】
【表3】
【0115】得られたインクジェット記録用紙試料9〜
12について、実施例1と同様にして、インク吸収性、
低湿下でのひび割れ、取り扱いによるひび割れ、光沢
度、印字後のシワ,うねり、搬送性、風合いを評価し
た。得られた結果を表4に示す。
【0116】
【表4】
【0117】表4の結果から、比較のインクジェット記
録用紙試料10はインク吸収層の乾燥膜厚が薄すぎ、イ
ンク吸収性と光沢が低下しており、比較のインクジェッ
ト記録用紙試料11はインク吸収層の乾燥膜厚が厚す
ぎ、ひび割れが多くなっている。また、微粒子の平均粒
径が100nm以上である比較のインクジェット記録用
紙試料12は光沢が大きく低下している。
【0118】実施例3 塗布液−1のポリビニルアルコールPVA203及びP
VA235の使用量を表5に示すように変更し、塗布液
−1の塗布のより形成される空隙層の乾燥膜厚が15μ
mになるように変更した以外は実施例1に記載のインク
ジェット記録用紙試料1と同様にして、インクジェット
記録用紙試料13〜16を作成した。得られたインクジ
ェット記録用紙13〜16のこわさは表5に示す通りで
あった。
【0119】
【表5】 得られたインクジェット記録用紙試料13〜16につい
て、実施例1と同様にして、インク吸収性、低湿下での
ひび割れ、取り扱いによるひび割れ、光沢度、印字後の
シワ,うねり、搬送性、風合いを評価した。得られた結
果を表6に示す。
【0120】
【表6】
【0121】表6の結果から、本発明のインクジェット
記録用紙は、全ての評価項目において良好な結果を示し
ており、高品位のインクジェット記録が可能で風合いも
よいことがわかる。また、ポリビニルアルコールに対す
る微粒子の重量比が3〜8の範囲であるインクジェット
記録用紙試料14及び15は特に優れていることがわか
る。
【0122】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録用紙は、イ
ンク吸収層の膜厚を増大させることなくインク吸収容量
を増大させることができ、低湿下でのひび割れ、取り扱
いによるひび割れ、光沢度、印字後のシワ,うねり、搬
送性、風合いが優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水性支持体上に、平均粒径が100nm
    以下の微粒子を含有する乾燥膜厚が5〜30μmの空隙
    層をインク吸収層として有するインクジェット記録用紙
    において、JIS P8143に規定される縦、横各方
    向のこわさの値の小さい方の値が100cm3/100
    以上、大きい方の値が400cm3/100以下であ
    り、かつ、厚さが160〜300μmであることを特徴
    とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】微粒子が、30nm以下の平均粒径を有す
    る1次粒子により形成された2次凝集粒子であることを
    特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
  3. 【請求項3】1次粒子が、気相法により合成されたシリ
    カであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェ
    ット記録用紙。
  4. 【請求項4】インク吸収層がポリビニルアルコールを有
    することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記
    載のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】ポリビニルアルコールに対する微粒子の量
    が重量比で3〜8であることを特徴とする請求項4に記
    載のインクジェット記録用紙。
  6. 【請求項6】インク吸収層が硬膜剤により硬膜されてい
    ることを特徴とする請求項4または5に記載のインクジ
    ェット記録用紙。
JP9275187A 1997-09-22 1997-09-22 インクジェット記録用紙 Pending JPH1191234A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9275187A JPH1191234A (ja) 1997-09-22 1997-09-22 インクジェット記録用紙

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9275187A JPH1191234A (ja) 1997-09-22 1997-09-22 インクジェット記録用紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1191234A true JPH1191234A (ja) 1999-04-06

Family

ID=17551903

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9275187A Pending JPH1191234A (ja) 1997-09-22 1997-09-22 インクジェット記録用紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1191234A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089981A (ja) * 1999-09-14 2001-04-03 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用布帛
WO2002072360A1 (fr) * 2001-03-14 2002-09-19 Mitsubishi Paper Mills Limited Feuilles pour impression à jet d'encre

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001089981A (ja) * 1999-09-14 2001-04-03 Mitsubishi Paper Mills Ltd インクジェット記録用布帛
WO2002072360A1 (fr) * 2001-03-14 2002-09-19 Mitsubishi Paper Mills Limited Feuilles pour impression à jet d'encre

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4059356B2 (ja) インクジェット記録用紙及びインクジェット記録方法
JP3321700B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP3486806B2 (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JPH1120300A (ja) インクジェット記録方法
JPH1120306A (ja) インクジェット記録用紙及びインクジェット記録方法
JP3561864B2 (ja) 記録用紙およびその製造方法
JP3716561B2 (ja) インクジェット記録用紙およびその製造方法
JP3767160B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP3757562B2 (ja) インクジェット記録用紙
JP3503016B2 (ja) インクジェット記録用紙
JPH1191234A (ja) インクジェット記録用紙
JP3911841B2 (ja) インクジェット記録用紙及びその製造方法
JP3619927B2 (ja) インクジェット記録用紙
JPH10175365A (ja) インクジェット記録方法
JPH1148603A (ja) インクジェット記録用紙
JP3557821B2 (ja) インクジェット記録方法
JPH11301106A (ja) インクジェット記録用紙
JP2001080208A (ja) インクジェット記録用紙
JPH1178217A (ja) インクジェット記録用紙
JP3669314B2 (ja) インクジェット記録方法
JP3852329B2 (ja) インクジェット記録シートの製造方法
JPH11277891A (ja) インクジェット記録用紙
JPH1158939A (ja) インクジェット記録用紙
JPH11277873A (ja) インクジェット記録用紙
JP2004148840A (ja) インクジェット記録用紙

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040302