JPH1158939A - インクジェット記録用紙 - Google Patents

インクジェット記録用紙

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JPH1158939A
JPH1158939A JP9226350A JP22635097A JPH1158939A JP H1158939 A JPH1158939 A JP H1158939A JP 9226350 A JP9226350 A JP 9226350A JP 22635097 A JP22635097 A JP 22635097A JP H1158939 A JPH1158939 A JP H1158939A
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JP
Japan
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ink
recording paper
fine particles
absorbing layer
jet recording
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JP9226350A
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English (en)
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Osamu Hatano
治 波多野
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収層の膜厚を不要に増大させること
なくインク吸収容量を増大させ、かつ記録後の画像部の
シワの発生がなく、皮膜の脆弱性が低下しない、写真の
風合いが得られる高画質インクジェット記録用紙を提供
する。 【解決手段】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
に、平均粒径が100nm以下の微粒子と親水性バイン
ダーを含有し、乾燥膜厚が5〜30μmの空隙構造を有
するインク吸収層を有し、該微粒子の親水性バインダー
に対する重量比が4〜20倍であり、該インク吸収層に
は該微粒子に対する重量比で0.05〜0.5倍の油滴
を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクを用いて記
録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に低コスト
で製造可能であって高画質で写真の風合いが得られるイ
ンクジェット記録用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、インクの微小液
滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シー
トに付着させ、画像・文字などの記録を行うものである
が、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点
を有している。この方式で従来から問題となっていたノ
ズルの目詰まりとメンテナンスについては、インク及び
装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、
ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野
に急速に普及している。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録用紙としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明
るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドット
が重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだ
りしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上
に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が
要求される。
【0004】特にインク吸収速度が遅い場合には、2色
以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙
上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、ま
た、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画
質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高
いインク吸収性を持たせるようにすることが必要であ
る。
【0005】これらの問題を解決するために、従来から
非常に多くの技術が提案されている。
【0006】例えば、特開昭52−53012号公報に
記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤
させた記録用紙、特開昭55−5830号公報に記載さ
れている支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録
用紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履
層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用
紙、特開昭57−107878号公報に記載されている
無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−
110287号公報に記載されている2つの空孔分布ピ
ークを有する記録用紙、特開昭62−111782号公
報に記載されている上下2層の多孔質層からなる記録用
紙、特開昭59−68292号公報、同59−1236
96号公報及び同60−18383号公報などに記載さ
れている不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−1
35786号公報、同61−148092号公報及び同
62−149475号公報等に記載されている微粉末層
を有する記録用紙、特開昭63−252779号公報、
特開平1−108083号公報、同2−136279号
公報、同3−65376号公報及び同3−27976号
公報等に記載されている特定の物性値を有する顔料や微
粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−1409
1号公報、同60−219083号公報、同60−21
0984号公報、同61−20797号公報、同61−
188183号公報、特開平5−278324号公報、
同6−92011号公報、同6−183134号公報、
同7−137431号公報、同7−276789号公報
等に記載されているコロイド状シリカ等の微粒子シリカ
を含有する記録用紙、及び特開平2−276671号公
報、同3−67684号公報、同3−215082号公
報、同3−251488号公報、同4−67986号公
報、同4−263983号公報及び同5−16517号
公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含有
する記録用紙等が多数が知られている。
【0007】上記の中でも、インク受容層がインクを吸
収したり保持するための空隙を多く有する層である場合
にインクの吸収性が良好で境界部の滲みが少なく、高品
位な画像が期待できる。
【0008】このような空隙構造を有するインク吸収層
を非吸水性の支持体上に設けた場合には、高い濃度の鮮
明な画像が得られる反面、支持体上に設けられたインク
吸収層の空隙容量が制限を受ける。
【0009】例えば、乾燥膜厚が40μmである皮膜に
おいて、固形分が均一な容積として仮に22μmである
皮膜を想定すると空隙量はインクジェット記録用紙1m
2当たり(40−22)=18ml/m2しか有さないこ
とになり、記録方式にもよるが最大インク量付近でイン
ク吸収容量が不足し兼ねない場合が生じ得る。インク吸
収容量が不足する場合にはインクが溢れ、画像品質を大
幅に劣化させる。
【0010】空隙構造を有するインク吸収層においては
元々の皮膜の乾燥容量よりインク吸収量が少ないために
多量のインクを十分吸収するためには乾燥膜厚を十分厚
くする必要が生じる。
【0011】一方、空隙構造を有するインク吸収層を吸
水性のある支持体上に設けた場合には、支持体自身が高
い吸収容量とインク吸収性を持っておりインクの吸収と
いう観点からは好ましいものであるため、前記のような
インク吸収層に対する制限は少なくなる。しかし、支持
体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後にインク
溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になってシワが画
像状に生じやすい問題がある。
【0012】本出願人は、この点につき検討した結果、
厚さが160μm以上の吸水性支持体上に空隙構造を有
するインク吸収層を設けることで、インク吸収性及び高
品位な画質を維持しつつ、記録後の支持体のシワの発生
を押さえることが出来ることを見いだした。
【0013】空隙構造を有するインク吸収層(以下、空
隙層ともいう)は、その空隙が保存中、特に高温高湿下
でその容量が変わったりすることがあるために、空隙層
内に空隙が変化しないような微粒子を含んでいることが
好ましい。また、空隙層内に微粒子を含有させて空隙を
形成させる場合には、親水性バインダーを含有させてお
くことが安定な皮膜を形成させるために必要である。
【0014】空隙層の微粒子の親水性バインダーに対す
る重量比を増加させるほど空隙率が上昇し、より少ない
塗布量で良好なインク吸収性が達成しやすくなるが、一
方で皮膜の安定性が低下する。
【0015】また、微粒子の親水性バインダーに対する
重量比が少なすぎると、微粒子自身或いは微粒子間に形
成させる空隙を塞いでしまったり、或いはインク吸収時
に親水性バインダー自身がインク吸収初期に膨潤して空
隙層を塞いでインク吸収性を低下させる等の問題が生じ
る。
【0016】このような空隙層における微粒子と親水性
バインダーの添加量の比率については従来から検討され
ているが、空隙層は支持体上に設けられるものであるか
ら、使用する支持体により、前記添加量の比率の好まし
い範囲は当然異なってくる。
【0017】本出願人は、空隙構造を有するインク吸収
層を吸水性支持体上に設ける場合における微粒子と親水
性バインダーの添加量の比率について、インク吸収性及
び皮膜の安定性の観点より鋭意検討した結果、微粒子の
親水性バインダーに対する重量比は概ね4〜20倍にす
ることが必要であることがわかった。しかし、さらなる
検討の結果、前記の重量比範囲においては、皮膜の脆弱
性が十分でなく、特に低湿下で保存した場合にインク吸
収層の表面に微細なひび割れ状態を発生することがわか
った。この様なインクジェット記録用紙にインクジェッ
ト記録を行った場合には、インクがこのひび割れに沿っ
て広がり著しく画質を低下させてしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の実態に
鑑みてなされたものであって、本発明が解決しようとす
る第1の課題は、インク吸収層の膜厚を不要に増大させ
ることなくインク吸収容量を増大させたインクジェット
記録用紙を提供することにある。
【0019】また、本発明が解決しようとする第2の課
題は、低コストでかつ記録後の画像部のシワの発生がな
く写真の風合いが得られるインクジェット記録用紙を提
供することにある。
【0020】更に本発明が解決しようとする第3の課題
は低湿下で保存した場合であっても皮膜の脆弱性が低下
しない高画質のインクジェット記録用紙を提供すること
である。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下のイ
ンクジェット記録用紙によって達成される。
【0022】1.厚さが160μm以上の吸水性支持体
上に、平均粒径が100nm以下の微粒子と親水性バイ
ンダーを含有し、乾燥膜厚が5〜30μmで空隙構造を
有するインク吸収層を有し、該微粒子の親水性バインダ
ーに対する重量比が4〜20倍であり、該インク吸収層
に該微粒子に対する重量比で0.05〜0.5倍の油滴
を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0023】2.前記微粒子が、30nm以下の平均粒
径を有する1次粒子により形成された2次凝集粒子であ
ることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録
用紙。
【0024】3.前記1次粒子が、気相法により合成さ
れたシリカであることを特徴とする前記2に記載のイン
クジェット記録用紙。
【0025】4.前記インク吸収層がポリビニルアルコ
ールを含有することを特徴とする前記1〜3の何れか1
項に記載のインクジェット記録用紙。
【0026】5.前記インク吸収層が硬膜剤により硬膜
されていることを特徴とする前記4に記載のインクジェ
ット記録用紙。
【0027】6.前記油滴が、融点が40℃以下の疎水
性化合物を乳化分散して得られた油滴又はガラス転移点
が40℃以下のポリマーラテックスであることを特徴と
する前記1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記
録用紙。
【0028】以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】本発明でインクジェット記録用紙の吸水性
支持体としては、所望の吸水性を有する物であればいか
なるものでも使用できる。
【0030】例えば、一般の紙、合成紙、布、木材等か
らなるシートや板等を挙げることができるが、特に紙は
基材自身の吸水性に優れかつコスト的にも優れるために
最も好ましい。以下に紙支持体について説明する。
【0031】紙支持体としては、LBKP、NBKP等
の化学パルプ、GP、CGP、RMP、TMP、CTM
P、CMP、PGW等の機械パルプ、DIP等の古紙パ
ルプ、等の木材パルプを主原料としたものが使用可能で
ある。また、必要に応じて合成パルプ、合成繊維、無機
繊維等の各種繊維状物質も原料として適宜使用すること
が出来る。
【0032】紙支持体中には必要に応じて、サイズ剤、
顔料、紙力増強剤、定着剤等、蛍光増白剤、湿潤紙力
剤、カチオン化剤等の従来公知の各種添加剤を添加する
ことができる。サイズ剤としては高級脂肪酸、アルキル
ケテンダイマー等が、顔料としては炭酸カルシウム、タ
ルク、酸化チタン等が、紙力増強剤としてはスターチ、
ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が、定着
剤としては硫酸バンド、カチオン性高分子電解質等が挙
げられるがこれに限定されるものではない。
【0033】紙支持体は前記の木材パルプなどの繊維状
物質と各種添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、
ツインワイヤー抄紙機等の各種抄紙機で製造することが
できる。また、必要に応じて抄紙段階又は抄紙後にスタ
ーチ、ポリビニルアルコール等でサイズプレス処理をし
たり、各種コート処理をしたり、カレンダー処理したり
することも出来る。
【0034】本発明のインクジェット記録用紙の吸水性
支持体の厚さは160μm以上である。これより薄い場
合、支持体自身がインク溶媒を吸収するために、記録後
にインク溶媒が乾燥した後で支持体が波打ち状になって
シワが画像状に生じやすくなる。また、吸水性支持体の
厚さは180μm以上であることが、シワの発生がより
少ない点でより好ましい。吸水性支持体の厚さに特に上
限はないがその取り扱い性から概ね500μm程度であ
る。
【0035】本発明においては、支持体とインク吸収層
の接着強度をより大きくする等の目的で、インク吸収層
の塗布に先立って、支持体にコロナ放電処理や下引処理
等を行うことができる。
【0036】本発明のインクジェット記録用紙は平均粒
径が100nm以下の微粒子を含有する。
【0037】平均粒径が100nmを越える微粒子を使
用した場合には記録用紙の光沢性が低下したり、インク
ジェット記録時のドットの真円度が低下したり不要なド
ットの広がりが生じたり、或いは表面での乱反射による
最高濃度の低下が生じたりして鮮明な画像が得にくくな
る。
【0038】微粒子の平均粒径の下限は特に制約はない
がその取り扱い性や製造時の安定性などから概ね10n
m以上である。
【0039】微粒子としては従来インクジェット記録用
紙で公知の各種の無機又は有機の固体微粒子を用いるこ
とができる。
【0040】無機微粒子の例としては、軽質炭酸カルシ
ウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリ
ン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸
亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソ
ウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質
シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアル
ミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、
ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を
挙げることが出来る。
【0041】一方有機微粒子の例としては、ポリスチレ
ン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エス
テル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、又は
これらの共重合体、尿素樹脂、又はメラミン樹脂等が挙
げられる。
【0042】上記微粒子は、1次粒子のままでバインダ
ー中に均一に分散された状態で用いられることも、ま
た、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された
状態で添加されても良いが、後者がより好ましい。
【0043】上記微粒子が1次粒子の2次凝集粒子を形
成した形で用いられる場合、その1次粒子の平均粒径が
30nm以下のものを使用することが光沢性の観点から
好ましい。
【0044】1次粒子の平均粒径の下限は特に限定され
ないが粒子の製造上の観点から概ね3nm以上、特に6
nm以上が好ましい。
【0045】上記において微粒子の平均粒径は、粒子そ
のもの或いはインク吸収層の断面や表面を電子顕微鏡で
観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めてその単純
平均値(個数平均)として求められる。ここで個々の粒
径はその投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表し
たものである。
【0046】本発明においては高い濃度を達成し、鮮明
な画像を記録し低コストで製造できる等の点より、無機
微粒子として、シリカ微粒子及びコロイダルシリカから
選ばれる固体微粒子を用いることが好ましい。
【0047】シリカ微粒子の製造法は乾式法と湿式法に
大別され、乾式法としてはハロゲン化珪素の高温での気
相加水分解による方法(気相法)、及びケイ砂とコーク
スを電気炉でアークにより加熱還元気化しこれを空気酸
化する方法(アーク法)が知られている。また湿式法と
しては珪酸塩の酸分解により活性シリカを生成した後、
過度に重合させて凝集・沈殿させる方法が知られてい
る。
【0048】本発明においてはシリカ微粒子の中でも気
相法により合成されたシリカが最も好ましい。
【0049】気相法により合成された微粒子シリカは通
常、四塩化珪素を水素及び酸素共に高温で燃焼して得ら
れる平均1次粒子径が5〜500nmのシリカ粉末であ
り、本発明では特に30nm以下の平均1次粒子径を有
するものが光沢性の点で好ましい。
【0050】このような気相法シリカとして現在市販さ
れているものとしては日本アエロジル社の各種のアエロ
ジルが該当する。
【0051】本発明で好ましく用いられるコロイダルシ
リカは、珪酸ナトリウムの酸等による複分解やイオン交
換樹脂層を通過させて得られるシリカゾルを加熱熟成し
て得られるものであり、このコロイダルシリカをインク
ジェット記録用紙に使用することは、例えば、特開昭5
7−14091号公報、同60−219083号公報、
同60−219084号公報、同61−20792号公
報、同61−188183号公報、同63−17807
号公報、特開平4−93284号公報、同5−2783
24号公報、同6−92011号公報、同6−1831
34号公報、同6−297830号公報、同7−812
14号公報、同7−101142号公報、同7−179
029号公報、同7−137431号公報、及び国際特
許公開WO94/26530号公報などに記載されてい
る。
【0052】コロイダルシリカの好ましい平均粒子径は
通常は5〜100nmであるが特に7〜30nmの平均
粒子径が好ましい。
【0053】上記の気相法により合成されたシリカ及び
コロイダルシリカは、その表面をカチオン変成されたも
のであってもよく、また、Al、Ca、Mg及びBa等
で処理された物であってもよい。
【0054】本発明のインクジェット記録用紙に用いら
れる親水性バインダーとしては、ゼラチン又はゼラチン
誘導体、ポリビニルピロリドン、プルラン、ポリビニル
アルコール又はその誘導体、ポリエチレングリコール、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及
びその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナ
ン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビ
ーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、特開平7−19
5826号及び同7−9757号に記載のポリアルキレ
ンオキサイド系共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブ
チラール、或いは、特開昭62−245260号に記載
のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマ
ーの単独又はこれらのビニルモノマーを繰り返して有す
る共重合体等のポリマーを挙げることができる。これら
の親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上
を併用しても良い。
【0055】中でも、ポリビニルアルコールを含有する
ことが皮膜の吸湿性、高湿下のベタツキ、インクジェッ
ト記録時の染料の滲みが少ない事などから好ましい。
【0056】このポリビニルアルコールにはカチオン変
性、ノニオン変性及びアニオン変性の各変性ポリビニル
アルコールも含まれる。
【0057】ポリビニルアルコールの平均重合度は造膜
性の観点から1000〜5000のものが好ましく用い
られ、特に平均重合度が2000以上のものが好まし
い。
【0058】ポリビニルアルコールのケン化度は70〜
100%のものが好ましく、80〜100%のものが特
に好ましい。カチオン変成ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号公報に記載されて
いるような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム
基を上記ポリビニルアルコールの主鎖又は側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0059】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメ
チルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
【0060】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%が好ましく、特に好ましくは0.2
〜5モル%である。
【0061】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号公報、及び同63−30797
9号公報に記載されているような、ビニルアルコールと
水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開
平7−285265号公報に記載されているような水溶
性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0062】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0063】本発明のインクジェット記録用紙において
インク吸収層に含有される固体微粒子の親水性バインダ
ーに対する重量比率は4〜20倍である。4倍未満の時
はインク吸収性の低下を、20倍を越えるとインク吸収
層の後述の油滴を添加しても皮膜の脆弱性が大きく劣化
し、高画質のインクジェット記録が出来なくなる。
【0064】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層は親水性バインダーに対して高い比率の固体微粒
子を含有するために、これに伴う皮膜脆弱性を改善する
ためにインク吸収層に油滴を含有する。
【0065】ここで好ましく用いられる油滴としては、
大きく2種類のものに分けられる。
【0066】その第1は、前記油滴が、融点が40℃以
下の疎水性化合物を乳化分散して得られた油滴である場
合であり、第2のものは前記油滴が、ガラス転移温度が
40℃以下のポリマーラテックスである場合である。
【0067】第1のタイプの油滴は通常、室温で水に対
する溶解度が0.1重量%以下が好ましく、特に好まし
くは0.01重量%以下であって融点が40℃以下の疎
水性有機化合物である。
【0068】そのような疎水性有機化合物は通常の疎水
性高沸点有機化合物として知られている有機化合物や、
融点が40℃以下の疎水性ポリマーが挙げられる。
【0069】上記疎水性有機化合物としては、例えばフ
タル酸エステル類(例えばジブチルフタレート、ジオク
チルフタレート、ジイソデシルフタレート等)、リン酸
エステル類(例えば、トリクレジルホスフェート、トリ
オクチルホスフェート等)、脂肪酸エステル類(ステア
リン酸ブチル、セバチン酸ビス(2−エチルヘキシ
ル)、エチレングリコールジステアレート、グリセロー
ルトリブチレート等)、アミド類(N,N−ジエチルラ
ウリルアミド、N,N−ジエチル−2−(2,5−ジ−
t−アミルフェノキシ)ブタンアミド等)、エーテル類
(エチレングリコールジブチルエーテル、デシルエーテ
ル、ジベンジルエーテル等)、シリコンオイル及び流動
パラフィン等を挙げることが出来る。
【0070】また、融点が40℃以下の疎水性ポリマー
としては、例えば、ポリ(2−エチルヘキシルメタクリ
レート)、ポリブチルメタクリレート、コポリ(ブチル
アクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート:90
/10)、ポリビニルアセテート、ポリビニルプロピオ
ネート、コポリ(ブチルアクリレート/t−ブチルアク
リレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/スチレ
ン:60/20/10/10)等が挙がられる。
【0071】上記疎水性ポリマーとしては平均分子量が
5000〜10万程度のポリマーが好ましく用いられ
る。10万を越えるポリマーの場合、後述する乳化分散
等の方法で微粒子の油滴を形成しにくくなる。
【0072】上記疎水性有機化合物は高速ホモジナイザ
ーや高圧ホモジナイザー等により親水性バインダー中
に、好ましくは界面活性剤の存在下で乳化分散されて用
いられる。この際、酢酸エチル、酢酸プロピル、メチル
エチルケトン、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミ
ド等の低沸点有機溶媒等の存在下で乳化分散するのがよ
り微小な油滴を形成するのに好ましい。
【0073】また、この乳化分散時に、他の疎水性有機
化合物(例えば紫外線吸収剤や蛍光増白剤、画像安定剤
等)で融点が40℃を越える有機化合物を併用すること
もできるが、好ましくは油滴を形成する有機化合物の5
0重量%以上は融点が40℃以下の化合物であるのが好
ましい。
【0074】一方、油滴の第2のタイプであるガラス転
移温度が40℃以下のポリマーラテックスは、乳化重合
法で重合されたポリマーラテックスであり、例えば、ス
チレン−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリアクリル
酸エステル系ラテックス、ポリメタクリル酸エステル系
ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、エチレン−酢酸
ビニル系ラテックス等が好ましく用いられる。
【0075】上記の重合体ラテックスの例としては例え
ば、スチレン/ブタジエンラテックス(7/3)、ポリ
酢酸ビニルラテックス、酢酸ビニル/エチレンラテック
ス(9/1)、酢酸ビニル/メタクリル酸エチルラテッ
クス(5/5)、塩化ビニル/アクリル酸エチル(3/
2)、アクリル酸エチル/アクリル酸メチル/HEMA
(5/4/1)、スチレン/アクリル酸ブチル/HEM
A(1/6/3)、シリコンラテックス等を挙げること
が出来る。上記において、共重合比率はモル比を表し、
HEMAはヒドロキシエチルメタクリレートを表す。
【0076】上記各種の油滴の平均粒径は0.05〜
0.5μmであることが好ましい。油滴のサイズが0.
05μm以下である場合には油滴が不安定になりやすく
なったり、脆弱性の改良効果が低減しやすくなる。ま
た、油滴のサイズが0.5μmを越える場合には光沢が
低下しやすくなる。
【0077】上記油滴はインク吸収層が含有する微粒子
に対して重量比で0.05〜0.5倍量用いられる。
【0078】油滴の微粒子に対する重量比が0.05倍
未満である場合には、皮膜の脆弱性の改良効果が不十分
であり、また0.5倍を越える場合には空隙比率が低下
してインク吸収量が低下したり光沢の低下が起こりやす
い。
【0079】本発明のインクジェット記録用紙では親水
性バインダーに対して高い比率の固体微粒子を含有する
インク吸収層を厚さが160μm以上の吸水性支持体上
に設ける。吸水性支持体は非吸水性支持体に比べて低湿
条件下や高湿条件下で寸法変化が生じやすく、支持体上
のインク吸収層とのバランスがとれず記録用紙のカール
が生じやすい。このため、油滴として融点が40℃以下
の疎水性化合物を乳化分散して得られた油滴又はガラス
転移温度が40℃以下のポリマーラテックスを用いるこ
とがカール特性の改善の点で好ましい。
【0080】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には硬膜剤としてほう酸又はその塩が含有される
ことが好ましい。ほう酸又はその塩としては、硼素原子
を中心原子とする酸素酸及びその塩のことを示し、具体
的にはオルトほう酸、メタほう酸、次ほう酸、四ほう
酸、五ほう酸及びそれらの塩が含まれる。
【0081】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層の乾燥膜厚は5〜30μmである。5μm未満の
場合、インク吸収性の低下や光沢の低下を、30μmを
越えると油滴を添加しても塗膜のひび割れをひきおこす
ことがある。
【0082】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層は微粒子及び親水性バインダーを有するインク吸
収層を2層以上有していることもできる。この場合、こ
れら複数のインク吸収層に使用される親水性バインダー
や微粒子の種類或いは比率は任意に選択されるが、平均
粒径が100nm以下の微粒子と親水性バインダーを有
し、該微粒子が親水性バインダーに対して重量比で4〜
20倍であり、乾燥膜厚が5〜30μmである空隙構造
を有するインク吸収層を有し、該層に本発明の油滴を含
有する層が少なくとも1層ある。
【0083】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層には必要に応じて各種の添加剤を添加することが
出来る。
【0084】例えば、特開昭57−74193号公報、
同57−87988号公報及び同62−261476号
公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192公
報号、同57−87989号公報、同60−72785
号公報、同61−146591号公報、特開平1−95
091号公報及び同3−13376号公報等に記載され
ている退色防止剤、アニオン、カチオン又は非イオンの
各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同5
9−52689号公報、同62−280069号公報、
同61−242871号公報及び特開平4−21926
6号公報等に記載されている蛍光増白剤、消泡剤、ジエ
チレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防
止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させること
もできる。
【0085】また、印字後の耐水性や耐湿性を改良する
ためにカチオン媒染剤を含有させることもできる。
【0086】カチオン媒染剤としては第1級〜第3級ア
ミノ基及び第4級アンモニウム塩基を有するポリマー媒
染剤が好ましく用いられるが、カチオン性の非ポリマー
媒染剤も使用することができる。
【0087】ポリマー媒染剤としては、第4級アンモニ
ウム塩基を有するポリマー媒染剤が耐候性や染料の染着
性の強固さから好ましい。
【0088】好ましいポリマー媒染剤は上記第4級アン
モニウム塩基を有するモノマーの単独重合体やその他の
モノマーとの共重合体又は縮重合体として得られる。
【0089】このポリマー媒染剤は水溶性ポリマーとし
ても、また、水分散性のラテックス粒子の何れの形でも
使用することができる。
【0090】一方、非ポリマー性の媒染剤としては、炭
素原子数の総和が12以上、好ましくは18以上の第4
級アンモニウム塩基を有する化合物が用いられる。
【0091】上記ポリマー媒染剤及び非ポリマー媒染剤
の使用量は記録用紙1m2あたり0.2〜10g、好ま
しくは0.5〜5gである。
【0092】本発明のインクジェット記録用紙のインク
吸収層側とは反対側にはカール防止や印字直後に重ね合
わせた際の耐くっつきやインクの耐転写性を更に向上さ
せるために種々の種類のバック層を設けることができ
る。
【0093】バック層の構成は支持体の種類や厚み、イ
ンク吸収性層の構成や厚みによっても変わるが一般には
親水性バインダーや疎水性バインダーが用いられる。バ
ック層の厚みは通常は0.1〜10μmの範囲である。
【0094】また、バック層には他の記録用紙とのくっ
つき防止、筆記性改良、更にはインクジェット記録装置
内での搬送性改良のために表面を粗面化できる。この目
的で好ましく用いられるのは粒径が2〜20μmの有機
又は無機の微粒子である。
【0095】以上の構成からなる本発明の記録用紙は例
えば以下の方法によって得ることができる。まず、前記
の空隙構造を有するインク吸収層形成用の材料を適当な
溶媒、例えば水、アルコール或いは各種有機溶媒に添加
して塗布液を調製し、これを前記吸水性支持体に塗布
し、乾燥させて空隙構造を有するインク吸収層とする。
【0096】インク吸収層を支持体上に塗布する方法は
公知の方法から適宜選択して行うことが出来る。親水性
バインダー含有層は2層以上あっても良く、この場合、
2層以上を同時に塗布することもでき、特に全ての親水
性バインダー含有層を1回の塗布で済ます同時塗布が好
ましい。
【0097】インク吸収層の塗布方式としては、ロール
コーティング法、ロッドバーコーティング法、エアナイ
フコーティング法、スプレーコーティング法、カーテン
塗布方法或いは米国特許第2681294号公報記載の
ホッパーを使用するエクストルージョンコート法が好ま
しく用いられるが、特に多層同時塗布方式においては、
カーテン塗布方法又はスライドホッパー塗布方式が好ま
しい。
【0098】親水性バインダー含有インク吸収層を支持
体上に塗布後、冷却してゲル状態にした後、コールドド
ライ法で乾燥する方法は好ましい方法のひとつである
が、この際、好ましくは乾燥時にはセットした塗布液が
再溶解しない状態までの条件で加熱することが生産性の
観点から好ましい。通常はセット後室温〜30℃の範囲
内である程度水分を蒸発させた後で40℃〜50℃に加
熱して完全に乾燥させられる。
【0099】塗布後の乾燥は、いったん冷却して塗布液
の粘度を増大させるかゲル化させてから風を吹き付けて
乾燥させるのが好ましい。
【0100】塗布液温度は通常は25〜60℃であり、
30〜50℃が好ましい。冷却は塗布後の膜面温度が2
0℃以下、好ましくは15〜5℃になるようにするのが
好ましく、その後の乾燥は20〜60℃の風を吹き付け
て乾燥するのが均一な膜面を得る点から好ましい。
【0101】塗布する湿潤膜厚は目的とする乾燥膜厚に
よって変わるが概ね40〜200μm、好ましくは50
〜150μm、塗布速度は乾燥能力に大きく依存するが
概ね20〜200m/分である。乾燥時間は概ね2〜1
0分である。
【0102】次に本発明の記録用紙を用いてインクジェ
ット記録する時使用する場合の水溶性記録液について以
下に説明する。
【0103】水溶性記録液は、通常は水溶性染料及び液
媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。水溶性
染料としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水溶
性染料が使用できるが直接染料、又は酸性染料が好まし
い。
【0104】記録液の溶媒は水を主体としてなるが、記
録液が乾燥した際に染料が析出してノズル先端や記録液
供給経路での目詰まりを防止するために、通常沸点が1
20℃以上で室温で液状の高沸点有機溶媒が使用され
る。高沸点有機溶媒は水が蒸発した際に染料などの固形
成分が析出して粗大析出物の発生を防止する作用を持つ
ために水よりはるかに低い蒸気圧を有することが要求さ
れる一方、水に対して混和性が高い必要がある。
【0105】そのような目的で高沸点有機溶媒としては
高沸点の有機溶媒が通常多く使用さあれが、具体例とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセ
リン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレング
リコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエ
ーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−
ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、
1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘキサンジ
オール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポ
リエチレングリコール(平均分子量が約300以下)等
のアルコール類が挙げられる。また、上記した以外に
も、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等も
使用できる。
【0106】これらの多くの高沸点有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセ
リン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモ
ノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエ
ーテル等は好ましいものである。
【0107】記録液が含有するその他の添加剤として
は、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調
整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆
剤、等が挙げられる。
【0108】記録液は記録用紙に対する濡れ性を良好に
するため及びインクジェットノズルからの吐出を安定化
させる目的で、25℃において、25〜50dyne/
cm、好ましくは28〜40dyne/cmの範囲内の
表面張力を有するのが好ましい。
【0109】また、記録液の粘度は通常25℃において
2〜10cp、好ましくは2.5〜8cpである。ま
た、記録液のpHは3〜9が好ましいインクノズルから
吐出される最小インク液滴としては1〜30plの容量
の場合、記録紙上で約20〜60μmの直径の最小ドッ
ト径が得られるので好ましい。このようなドット径で印
字されたカラープリントは高画質画像を与える。好まし
くは2〜20plの容積を有する液滴が最小液滴として
吐出される場合である。
【0110】また、前記水性インクが、少なくともマゼ
ンタ及びシアンについて、各々濃度が2倍以上異なる2
種類のインクで記録する方式において、ハイライト部で
は低濃度のインクが使用されるためにドットの識別がし
にくくなるが、本発明はかかる記録方式を採用した場合
も適用できる。
【0111】インクジェット記録方法において、記録方
法としては、従来公知の各種の方式を用いることがで
き、その詳細は例えば、インクジェット記録技術の動向
(中村孝一編、平成7年3月31日、日本科学情報株式
会社発行)に記載されている。
【0112】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、
塗布液の組成は塗布液1Lあたりの量である。
【0113】実施例1 吸水性を有する厚さ180μmの紙支持体の記録面側
に、下記の組成を有する塗布液−1を乾燥膜厚が20μ
mになるように塗布し乾燥して、実施例1の記録用紙を
作成した。この記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観
察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は60nmで
あった。
【0114】 〔塗布液−1〕 下記微粒子シリカ分散液(1) 450ml 下記油滴分散液(1) 80ml 下記カチオン性ポリマー(1) 2g エタノール 35ml n−プロパノール 10ml 酢酸エチル 5ml ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA203) 0.1g ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA235) 12g ホウ酸 2.0g ほう砂 1.0g 界面活性剤(トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム) 0.1g 微粒子シリカ分散液(1):日本アエロジル工業株式会
社製A300(平均1次粒径7nmの気相法シリカ)の
80gを純水400ml中に添加し乳化分散機で分散し
た後、全量を純水で450mlに仕上げる。
【0115】油滴分散液(1):流動パラフィン(mp
<10℃)4gを酢酸エチル8mlに加熱溶解し、ポリ
ビニルアルコール(クラレ株式会社製PVA203)を
1%とサポニンを2%を含有する純水20mlに混合し
乳化分散した後、全量を純水で40mlに仕上げる。
【0116】
【化1】
【0117】得られた記録用紙について以下の項目を評
価した。
【0118】インク吸収性:イエロー、マゼンタ、シ
アンの3色を記録した記録用紙を、室温下(20℃、5
0%RH)に20秒間放置した後、記録画像面に別の記
録用紙の裏面を重ね合わせ、10cm2あたり5gの荷
重をかけ30秒間保持した時に、インクが前記裏面に付
着するか否かで判断した。
【0119】 ○ 全く付着しない △ 痕跡状態で付着する × 明らかに付着する。
【0120】皮膜脆弱性:各々のインクジェット記録
用紙を25℃、相対湿度20%で、印字面が外側になる
ように直径60mmの円筒状にした状態で1昼夜保存し
た後、表面のひび割れ状態をルーペで観察した。
【0121】 ◎ ルーペでもひび割れが全く観察されない ○ 部分的にひび割れがルーペで観察されるが画質上殆
ど影響がない △ 目視ではひび割れが無くルーペでひび割れが認めら
れる また画質上も少し悪影響が見られる × 目視でひび割れが見られ、しかも画質上の影響が大
きい。
【0122】光沢度:記録層面を日本電色工業株式会
社製変角光沢度計(VGS−1001DP)を用い75
度光沢を測定した。
【0123】印字後のシワ、うねり:キャノン株式会
社製インクジェットプリンタBJC−700Jを用い、
イエロー、マゼンタ及びシアンのベタ印字後のシート面
を肉眼により観察し下記基準で判定した。品質上問題に
ならないのはA及びBである。
【0124】 A シワ、うねりは認められず、美観を損なわない B 小さなシワ、うねりはあるが、美観を損なうほどで
はない C 大きなシワ、うねりがあり、美観を損なう。
【0125】カール:A4サイズの記録用紙を23
℃、20%RH及び23℃、80%RHの環境下で48
時間放置した後、四隅のカール高さを測定し、カールの
方向及びカールの程度で評価した。
【0126】 カールの方向 + インク吸収層側にカールした − 裏面側にカールした カールの程度 ◎ 四隅のカール高さの平均<5mm ○ 5mm≦四隅のカール高さの平均≦15mm △ 15mm≦四隅のカール高さの平均≦25mm × 四隅のカール高さの平均>25mm。
【0127】実施例2〜6、比較例1〜5 上記実施例1において、塗布液−1中の油滴分散液
(1)の添加量及び油滴分散液(1)中の疎水性有機化
合物の種類を変えることにより、表1に示すように本発
明の疎水性有機化合物を添加及び比較の有機化合物を添
加した以外は実施例1の記録用紙と同様にして実施例2
〜6及び比較例1〜5の各記録用紙を作成した。但し油
滴分散液の添加量を変えた場合、塗布液の全量は各記録
用紙で同じになるように純水で調整した。このようにし
て作成した各記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観察
による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は何れも60n
mであった。
【0128】得られた各記録用紙について実施例1と同
様に評価した。
【0129】結果を表2に示す。
【0130】
【表1】
【0131】
【表2】
【0132】表2の結果から、本発明の記録用紙はイン
ク吸収性を低下させずに皮膜の脆弱性を改善でき、しか
も光沢の大きな低下もないことがわかる。特に、融点が
40℃以下の疎水性化合物を使用した実施例1、2、
3、4は皮膜の脆弱性の改善が大きく、しかも光沢の低
下もほとんどない。またカール特性も大きく改善されて
いる。
【0133】これに対して、油滴の添加量が本発明以下
である比較例2、4は皮膜の脆弱性が改善されておら
ず、一方油滴の添加量が本発明以上である比較例3、5
ではインク吸収性が低下し、また光沢の低下も大きい。
【0134】実施例7〜12、比較例6、7 実施例1において塗布液−1中の油滴分散液(1)に変
えて、ポリマーラテックスを表3に示すように添加した
以外は実施例1の記録用紙と同様にして実施例7〜12
及び比較例6、7の各記録用紙を作成した。ポリマーラ
テックスの添加に伴い、塗布液の全量は各記録用紙で同
じになるように純水で調整した。このようにして作成し
た各記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観察による微
粒子の2次凝集粒子の平均粒径は何れも60nmであっ
た。
【0135】得られた各記録用紙について実施例1と同
様に評価した。
【0136】結果を表4に示す。
【0137】
【表3】
【0138】
【表4】
【0139】表4の結果から、油滴としてポリマーラテ
ックスを使用した場合であっても、微粒子に対して油滴
を0.05〜0.5倍量含有した本発明の記録用紙はイ
ンク吸収性や光沢を低下させずに皮膜の脆弱性を改善で
きることがわかる。特に、ガラス転移温度が40℃以下
のポリマーラテックスを使用した実施例7、8、9、1
0は皮膜の脆弱性の改善が大きく、しかも光沢の低下も
ほとんどない。またカール特性も大きく改善されてい
る。
【0140】これに対して、ポリマーラテックスの添加
量が本発明以上である比較例6、7では皮膜の脆弱性は
改善されるが、インク吸収性や光沢が低下する。
【0141】実施例13 実施例1において塗布液−1の乾燥膜厚が16μmにな
るように変更した以外は実施例1の記録用紙と同様にし
て実施例13の記録用紙を作成し、実施例1の評価項目
〜について評価した。この記録用紙の空隙層の断面
の電子顕微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒
径は60nmであった。
【0142】比較例8、9 実施例1において塗布液−1の乾燥膜厚が4μm、40
μmになるように変更した以外は実施例1の記録用紙と
同様にして比較例8、9の各記録用紙を作成し、実施例
13と同様にして評価した。これらの各記録用紙の空隙
層の断面の電子顕微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子
の平均粒径は何れも60nmであった。
【0143】比較例10 実施例1において使用する吸水性を有する紙支持体を厚
さ130μmのものに変え、塗布液−1の乾燥膜厚が1
6μmになるように変えた以外は実施例1の記録用紙と
同様にして比較例10の記録用紙を作成し、実施例13
と同様にして評価した。この記録用紙の空隙層の断面の
電子顕微鏡観察による微粒子の2次凝集粒子の平均粒径
は60nmであった。
【0144】比較例11 実施例1において塗布液−1の微粒子シリカ分散液
(1)を下記に示す微粒子シリカ分散液(2)に代え、
塗布液−1の乾燥膜厚が16μmになるように変えたた
以外は実施例1の記録用紙と同様にして比較例11の記
録用紙を作成し、実施例13と同様にして評価した。こ
の記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観察による微粒
子の2次凝集粒子の平均粒径は150nmであった。
【0145】微粒子シリカ分散液(2):日本アエロジ
ル工業株式会社製TT600(平均1次粒径40nmの
気相法シリカ)の80gを純水400ml中に添加し乳
化分散機で分散した後、全量を純水で450mlに仕上
げる。
【0146】得られた結果を表5に示す。
【0147】
【表5】
【0148】表5の結果から、比較例8の記録用紙はイ
ンク吸収層の乾燥膜厚が薄すぎ、インク吸収性と光沢が
低下しており、比較例9の記録用紙はインク吸収層の乾
燥膜厚が厚すぎ、塗膜の脆弱性が改善されていない。ま
た、比較例10の記録用紙は使用した紙支持体が薄いた
め印字後にシワ、うねりが生じ美観を損なっている。更
に、微粒子の平均粒径が100nm以上である比較例1
1は光沢が大きく低下している。
【0149】実施例14、15、比較例12、13 実施例1において、塗布液−1のポリビニルアルコール
の重量を表6のように変更した以外は実施例1の記録用
紙と同様にして実施例14、15及び比較例12、13
の各記録用紙を作成し、実施例13と同様に評価した。
これらの各記録用紙の空隙層の断面の電子顕微鏡観察に
よる微粒子の2次凝集粒子の平均粒径は何れも60nm
であった。
【0150】得られた結果を表6に示す。
【0151】
【表6】
【0152】表6の結果から、微粒子が親水性バインダ
ーに対して重量比で4〜20倍である実施例14、15
の記録用紙はインク吸収性、皮膜強度、光沢とも良好で
ある。これに対して、微粒子の親水性バインダーに対す
る重量比が本発明以下である比較例12の記録用紙はイ
ンク吸収性が低下しており、微粒子の親水性バインダー
に対する重量比が本発明以上である比較例13の記録用
紙は皮膜の脆弱性が改善されていない。
【0153】
【発明の効果】本発明の構成により、インク吸収性を低
下させずに皮膜の脆弱性を改善でき、しかも光沢の大き
な低下もないインクジェット記録用紙を得ることができ
た。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが160μm以上の吸水性支持体上
    に、平均粒径が100nm以下の微粒子と親水性バイン
    ダーを含有し、乾燥膜厚が5〜30μmで空隙構造を有
    するインク吸収層を有し、該微粒子の親水性バインダー
    に対する重量比が4〜20倍であり、該インク吸収層に
    は該微粒子に対する重量比で0.05〜0.5倍の油滴
    を含有することを特徴とするインクジェット記録用紙。
  2. 【請求項2】 前記微粒子が、30nm以下の平均粒径
    を有する1次粒子により形成された2次凝集粒子である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    用紙。
  3. 【請求項3】 前記1次粒子が、気相法により合成され
    たシリカであることを特徴とする請求項2に記載のイン
    クジェット記録用紙。
  4. 【請求項4】 前記インク吸収層がポリビニルアルコー
    ルを含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1
    項に記載のインクジェット記録用紙。
  5. 【請求項5】 前記インク吸収層が硬膜剤により硬膜さ
    れていることを特徴とする請求項4に記載のインクジェ
    ット記録用紙。
  6. 【請求項6】 前記油滴が、融点が40℃以下の疎水性
    化合物を乳化分散して得られた油滴又はガラス転移点が
    40℃以下のポリマーラテックスであることを特徴とす
    る請求項1〜5の何れか1項に記載のインクジェット記
    録用紙。
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