JP3841138B2 - ポリブタジエンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子量ポリブタジエン成分と低分子量ポリブタジエン成分の混合物からなる二峰性ポリブタジエンゴム組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
耐衝撃性ポリスチレン組成物用ポリブタジエンとして、高分子量ポリブタジエン成分と低分子量ポリブタジエン成分の混合物からなる二峰性ポリブタジエンゴム組成物が知られている。
【0003】
特開昭62−179542号公報には、固有粘度[η]が3.0〜6.0で且つシス−1,4−構造のポリブタジエンを主成分とする高分子量ポリブタジエン70〜30重量%と、固有粘度[η]が0.6〜1.4で且つシス−1,4−構造のポリブタジエンを主成分とする低分子量ポリブタジエン30〜70重量%とからなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のゴム成分として好適なポリブタジエンゴム組成物が開示されている。製造方法としては、コバルト化合物、ハロゲン化有機アルミニウム及び水からなる触媒に、分子量調節剤としてシクロオクタジエンを添加して低分子量ポリブタジエンを単独に製造して、別途重合した高分子量ポリブタジエンとブレンドする方法が記載されている。
【0004】
また、特開平4−100810号公報には、固有粘度[η]が3.0〜7.0で且つシス−1,4−構造率が80%以上のポリブタジエンを主成分とする高分子量ポリブタジエン80〜30重量%と、固有粘度[η]が0.5〜1.4で且つシス−1,4−構造率が80%未満のポリブタジエンを主成分とする低分子量ポリブタジエン30〜70重量%とからなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のゴム成分として好適なポリブタジエンゴム組成物が開示されている。製造方法としては、高分子量ポリブタジエンをオクテン酸コバルト、ジエチルアルミニウム、水からなる触媒に連鎖移動剤としてシクロオクタジエンを使用して製造し、低分子量ポリブタジエンを、n−ブチルリチウムを触媒として製造し、これらを溶液ブレンドする方法が記載されている。
【0005】
また、特開平10−60174号公報には、GPCで測定される分子量分布曲線のピ−クトップ分子量が10万から150万の高分子量ポリブタジエン98〜30重量%と、GPCで測定される分子量分布曲線のピ−クトップ分子量が1万から5万の低分子量ポリブタジエン2〜70重量%とからなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のゴム成分として好適なポリブタジエンゴム組成物が開示されている。製造方法としては、高分子量ポリブタジエンをオクテン酸コバルト、ジエチルアルミニウムクロライド、オルト蟻酸トリメチル、水からなる触媒を使用して製造し、低分子量ポリブタジエンを、ナフテン酸ニッケル、ジエチルアルミニウムクロライド、水からなる触媒を使用して製造し、これらを溶液ブレンドする方法が記載されている。しかしながら、分子量分布は4.5〜14.5と狭い。
【0006】
また、特公昭42−9017号には、固有粘度[η]が 1.5〜20で且つシス−1,4−構造率が85%以上の高分子量ポリブタジエン70〜95重量%と、固有粘度[η]が0.35〜0.75の低分子量ポリブタジエン30〜5重量%とからなるゴム組成物が開示されている。製造方法としては、コバルト化合物−セスキアルキルアルミニウムの触媒により、低分子量ポリブタジエンを単独重合により製造し、別途重合した高分子量ポリブタジエンをブレンドする方法が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、特定の高分子量ポリブタジエンと特定の低分子量ポリブタジエンとからなるポリブタジエン、及び、該ポリブタジエンを高重合活性で製造する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、シス−1,4−構造ユニット含有率が75%以上であり、第一重合工程で、コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び水からなる触媒系を用いてポリブタジエン(A)を製造し、次いで、第二重合工程で、コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び水からなる触媒系を用いてポリブタジエン(B)を製造することを特徴とする、ポリブタジエン(A)がゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が100万〜200万であり、シス−1,4−構造ユニット含有率が95%以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.5〜3.0であり、ポリブタジエン(B)がゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が1万〜2.5万であり、シス−1,4−構造ユニット含有率が50%以上80%未満、トランス−1,4−構造ユニット含有率が6〜25.1%、1,2−構造ユニット含有率が12〜30%であるポリブタジエンであり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.5〜4.0であり、全ポリマ−のシス−1,4−構造ユニット含有率が75%以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が20〜120であるポリブタジエンの製造方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明で得られるポリブタジエンの(A)成分のゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が100万〜200万である。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、1.5〜3.0である。
【0014】
本発明で得られるポリブタジエンの(B)成分のゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が1万〜2.5万である。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、1.5〜4.0である。
【0015】
上記の(A)成分と(B)成分からなる本発明のポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、20〜120である。
【0016】
上記の(A)成分と(B)成分からなる本発明のポリブタジエンのシス−1,4−構造含有率は、75%以上であり、好ましくは80%以上である。
【0017】
上記の(A)成分となるポリブタジエンのシス−1,4−構造ユニット含有率は95%以上である。
【0018】
上記の(B)成分となるポリブタジエンのシス−1,4−構造ユニット含有率は50以上80%未満である。トランス−1,4−構造ユニット含有率は6〜30%である。1,2−構造ユニット含有率は12〜30%である。
【0019】
本発明において、上記の(A)成分及び(B)成分からなるポリブタジエンの製造方法としては、一段重合、第一重合工程で(A)成分を製造し、次いで、第二重合工程で(B)成分を製造する二段直列重合がある。
【0020】
本発明において、上記の(A)成分及び(B)成分のポリブタジエンは、コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び水からなる触媒系を用いて製造することが好ましい。
【0021】
(A)成分の製造における触媒系および重合条件としては、以下のものが挙げられる。
【0022】
コバルト化合物としては、コバルトの塩や錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、バ−サチック酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルアセトネ−トやトリスアセチルアセトネ−ト、アセト酢酸エチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリアリ−ルフォスフィン錯体、トリアルキルフォスフィン錯体、ピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、もしくはエチルアルコ−ル錯体などが挙げられる。
【0023】
中でも、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、バ−サチック酸コバルト、コバルトのビスアセチルアセトネ−ト及びトリスアセチルアセトネ−トが好ましい。
【0024】
有機アルミニウム化合物としては、ハロゲン含有アルミニウム化合物、トリアルキルアルミニウム化合物などが挙げられる。
【0025】
ハロゲン含有アルミニウム化合物として、ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミニウムブロマイドなどのジアルキルアルミニウムハライド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキルアルミニウムセスキブロマイドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジクロライド、アルキルアルミニウムジブロマイドなどのアルキルアルミニウムジハライド等が挙げられる。
【0026】
具体的化合物としては、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブロマイド、ジブチルアルミニウムモノクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、ジシクロヘキシルアルミニウムモノクロライド、ジフェニルアルミニウムモノクロライドなどが挙げられる。
【0027】
トリアルキルアルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。
【0028】
コバルト化合物の使用量は、ブタジエン1モルに対し、通常、コバルト化合物が5×10-7〜1×10-4モル、好ましくは5×10-7〜1×10-5モルの範囲である。
【0029】
有機アルミニウム化合物の使用量は、コバルト化合物1モルに対し、通常、10〜5000モル、好ましくは50〜1000モルの範囲である。
【0030】
水の使用量は、有機アルミニウム化合物 1モルに対して、通常、0.1〜1.2モル、好ましくは0.2〜1.1モルである。
【0031】
触媒成分の添加順序は特に制限はないが、水、有機アルミニウム、コバルト化合物の順序に添加するのが好ましい。
【0032】
重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒とする塊状重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0033】
(B)成分の製造における触媒系および重合条件としては、以下のものが挙げられる。
【0034】
コバルト化合物としては、上記の(A)成分の製造で用いたものと同様なものを使用できる。
【0035】
有機アルミニウム化合物としては、上記の(A)成分の製造で用いたものと同様なものを使用できる。
【0036】
コバルト化合物の使用量は、ブタジエン1モルに対し、通常、コバルト化合物が5×10-7〜1×10-3モル、好ましくは1×10-6〜5×10-4モルの範囲である。
【0037】
有機アルミニウム化合物の使用量は、コバルト化合物1モルに対し、通常、1〜100モル、好ましくは1〜50モルの範囲である。
【0038】
触媒成分の添加順序は特に制限はないが、有機アルミニウムを添加して、その後にコバルト化合物を添加することが好ましい。
また、第二重合工程において、必要に応じてコバルト化合物、有機アルミニウム化合物、水、ブタジエン溶液から選ばれる少なくとも1種類の成分を追加添加してもよい。これらの成分を組み合わせて使用する場合は、追加添加する前にあらかじめ一定時間接触させておいてもよい。
【0039】
重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、1,3−ブタジエンそのものを重合溶媒とする塊状重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n−ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1−ブテン、シス−2−ブテン、トランス−2−ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0040】
(A)成分の高分子量ポリブタジエンと(B)成分の低分子量ポリブタジエンとの割合は、(A)成分が30重量%以上70重量%未満、好ましくは40重量%以上70重量%未満であり、(B)が30重量%より大きく70重量%以下、好ましくは30重量%より大きく60重量%以下である。(A)成分の割合が上記範囲よりも大きいと、加工性が低下し、(A)成分の割合が上記範囲よりも小さいと、ポリブタジエンゴム組成物の粘度が小さくなりすぎて好ましくない。
【0041】
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、上述した発明を限定するものではない。
【実施例】
ミクロ構造は、赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス1,4構造 740cm-1、トランス1,4構造 967 cm-1、1,2−構造910 cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。(A)成分と(B)成分の割合は、GPCチャ−トの高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンの面積比から算出した。(A)成分のミクロ構造は、重合中に少量を抜き出して得られたポリマ−を測定した。(B)成分のミクロ構造は、全ポリマ−のミクロ構造と、(A)成分のミクロ構造、及び(A)成分と(B)成分の割合から計算により求めた。
重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、及びその比Mw/Mnは、ポリスチレンを標準物質として用いたGPCから求めた。
固有粘度[η]は、トルエン中30℃で測定した。
【0042】
実施例1
(1)(A)成分(高分子量ポリブタジエン)の製造(第1重合工程)
内容量 1.5Lオ−トクレ−ブの内部を窒素置換し、あらかじめブタジエン30wt%、ベンゼン25wt%および2−ブテン45wt%を混合した溶液700mLを仕込み、室温にて水(H2O)を、濃度が2.4mmol/Lになるように添加し、700rpmで30分間強攪拌した。
ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)2.5mlを添加し、室温で5分間攪拌した。55℃に加温し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.005mol/L)0.9mlを添加して重合を開始し、60℃で25分間重合させた。
(2)(B)成分(低分子量ポリブタジエン)の製造(第2重合工程)
次に、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)2.5mlを添加し、引き続きオクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.5mol/L)0.45mlを添加し、さらに60℃で25分間重合させた。老化防止剤を含むエタノ−ル/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オ−トクレ−ブ内部を放圧した後、重合液をエタノ−ルに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを50℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表4〜6に示した。
【0043】
実施例2〜6
モノマ−溶液組成および重合条件を表1〜3に示すように変えた重合結果を表4〜6に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】
実施例7
(1)(A)成分(高分子量ポリブタジエン)の製造(第1重合工程)
内容量 1.5Lオ−トクレ−ブの内部を窒素置換し、あらかじめブタジエン30wt%、ベンゼン50wt%および2−ブテン20wt%を混合した溶液700mLを仕込み、室温にて水(H2O)を、濃度が1.7mmol/Lになるように添加し、700rpmで 30分間強攪拌した。
ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)1.75mlを添加し、室温で5分間攪拌した。55℃に加温し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.005mol/L)0.85mlを添加して重合を開始し、65℃で25分間重合させた。
(2)(B)成分(低分子量ポリブタジエン)の製造(第2重合工程)
次に、ブタジエン30wt%、ベンゼン50wt%および2−ブテン20wt%からなる溶液90mLに、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)1.8mlを添加して混合した。得られた溶液を上記のオ−トクレ−ブに注入し、引き続きオクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.67mol/L)0.41mlを添加し、さらに75℃で25分間重合させた。老化防止剤を含むエタノ−ル/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オ−トクレ−ブ内部を放圧した後、重合液をエタノ−ルに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを50℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表8〜12に示した。
【0051】
実施例8
(1)(A)成分(高分子量ポリブタジエン)の製造(第1重合工程)
実施例7と同様に行った。
(2)(B)成分(低分子量ポリブタジエン)の製造(第2重合工程)
次に、ブタジエン30wt%、ベンゼン50wt%および2−ブテン20wt%からなる溶液90mLに、水3μLを添加して強攪拌した後、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)1.8mlを添加して混合した。得られた溶液を上記のオ−トクレ−ブに注入し、引き続きオクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.67mol/L)0.36mlを添加し、さらに75℃で25分間重合させた。老化防止剤を含むエタノ−ル/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オ−トクレ−ブ内部を放圧した後、重合液をエタノ−ルに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを50℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表8〜12に示した。
【0052】
実施例9
第2重合工程で追加添加する溶液への添加水を5μLにした他は実施例8と同様に重合を行った。重合結果を表8〜12に示した。
【0053】
実施例10
(1)(A)成分(高分子量ポリブタジエン)の製造(第1重合工程)
内容量 1.5Lオ−トクレ−ブの内部を窒素置換し、あらかじめブタジエン25wt%、ベンゼン20wt%および2−ブテン55wt%を混合した溶液700mLを仕込み、室温にて水(H2O)を、濃度が1.7mmol/Lになるように添加し、700rpmで 30分間強攪拌した。
ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)1.8mlを添加し、室温で5分間攪拌した。55℃に加温し、オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.005mol/L)0.85mlを添加して重合を開始し、65℃で25分間重合させた。
(2)(B)成分(低分子量ポリブタジエン)の製造(第2重合工程)
次に、ブタジエン25wt%、ベンゼン20wt%および2−ブテン55wt%からなる溶液70mLに、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)1.8mlを添加して混合した。得られた溶液を上記のオ−トクレ−ブに注入し、引き続きオクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶液(0.67mol/L)0.21mlを添加し、さらに75℃で25分間重合させた。老化防止剤を含むエタノ−ル/ヘプタン(1/1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オ−トクレ−ブ内部を放圧した後、重合液をエタノ−ルに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを50℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表8〜12に示した。
【0054】
実施例11
第2重合工程で追加添加する溶液への添加水を8μLにした他は実施例10と同様に重合を行った。重合結果を表8〜12に示した。
【0055】
【表7】
【0056】
【表8】
【0057】
【表9】
【0058】
【表10】
【0059】
【表11】
【0060】
【表12】
【0061】
【発明の効果】
特定の高分子量ポリブタジエンと特定の低分子量ポリブタジエンからなる新規なポリブタジエン、及び、高活性で得られる製造法を提供する。
Claims (1)
- シス−1,4−構造ユニット含有率が75%以上であり、第一重合工程で、コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び水からなる触媒系を用いてポリブタジエン(A)を製造し、次いで、第二重合工程で、コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び水からなる触媒系を用いてポリブタジエン(B)を製造することを特徴とする、ポリブタジエン(A)がゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が100万〜200万であり、シス−1,4−構造ユニット含有率が95%以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.5〜3.0であり、ポリブタジエン(B)がゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が1万〜2.5万であり、シス−1,4−構造ユニット含有率が50%以上80%未満、トランス−1,4−構造ユニット含有率が6〜25.1%、1,2−構造ユニット含有率が12〜30%であるポリブタジエンであり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が1.5〜4.0であり、全ポリマ−のシス−1,4−構造ユニット含有率が75%以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布が20〜120であるポリブタジエンの製造方法。
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