JP2000086852A - ポリブタジエン及びその製造方法 - Google Patents

ポリブタジエン及びその製造方法

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JP2000086852A
JP2000086852A JP11197196A JP19719699A JP2000086852A JP 2000086852 A JP2000086852 A JP 2000086852A JP 11197196 A JP11197196 A JP 11197196A JP 19719699 A JP19719699 A JP 19719699A JP 2000086852 A JP2000086852 A JP 2000086852A
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molecular weight
compound
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cobalt
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English (en)
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Yoshimoto Baba
義甫 馬場
Masato Murakami
村上  真人
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の高分子量ポリブタジエンと特定の低分
子量ポリブタジエンとからなるポリブタジエン、及びそ
のポリブタジエンを高重合活性で製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 シス-1,4- 構造含有率が80%以上であり
下記の(A)成分及び(B)成分からなるポリブタジエ
ン及びその製造方法であって、コバルト化合物、有機ア
ルミニウム化合物及び水からなる触媒系を用いて重量平
均分子量(Mw)が70万〜 300万のポリブタジエン
(A)を製造し、コバルト化合物、有機アルミニウム化
合物、並びに硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエ
ステル類からなる群から選ばれる化合物からなる触媒系
を用いて重量平均分子量(Mw)が 5千〜 7万のポリブ
タジエン(B)を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子量ポリブタ
ジエン成分と低分子量ポリブタジエン成分の混合物から
なるポリブタジエン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性ポリスチレン組成物用ポリブタ
ジエンとして、高分子量ポリブタジエン成分と低分子量
ポリブタジエン成分の混合物からなる二峰性ポリブタジ
エンが知られている。
【0003】特開昭62-179542 号公報には、固有粘度
[η]が 3.0〜6.0 で且つシス-1,4-構造のポリブタジ
エンを主成分とする高分子量ポリブタジエン70〜30重量
%と、固有粘度[η]が 0.6〜1.4 で且つシス-1,4- 構
造のポリブタジエンを主成分とする低分子量ポリブタジ
エン30〜70重量%とからなる耐衝撃性ポリスチレン系樹
脂のゴム成分として好適なポリブタジエンゴム組成物が
開示されている。製造方法としては、コバルト化合物、
ハロゲン化有機アルミニウム及び水からなる触媒に、分
子量調節剤としてシクロオクタジエンを添加して低分子
量ポリブタジエンを単独に製造して、別途重合した高分
子量ポリブタジエンとブレンドする方法が記載されてい
る。
【0004】また、特開平4-100810号公報には、固有粘
度[η]が 3.0〜7.0 で且つシス-1,4- 構造率が80%以
上のポリブタジエンを主成分とする高分子量ポリブタジ
エン80〜30重量%と、固有粘度[η]が 0.5〜1.4 で且
つシス-1,4- 構造率が80%未満のポリブタジエンを主成
分とする低分子量ポリブタジエン30〜70重量%とからな
る耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のゴム成分として好適な
ポリブタジエンゴム組成物が開示されている。製造方法
としては、高分子量ポリブタジエンをオクテン酸コバル
ト、ジエチルアルミニウム、水からなる触媒に連鎖移動
剤としてシクロオクタジエンを使用して製造し、低分子
量ポリブタジエンをn-ブチルリチウムを触媒として製造
し、これらを溶液ブレンドする方法が記載されている。
【0005】また、特公昭42-9017 号には、固有粘度
[η]が 1.5〜20で且つシス-1,4- 構造率が85%以上の
高分子量ポリブタジエン70〜95重量%と、固有粘度
[η]が 0.35 〜0.75の低分子量ポリブタジエン30〜 5
重量%とからなるゴム組成物が開示されている。製造方
法としては、コバルト化合物ーセスキアルミニウムの触
媒により、低分子量ポリブタジエンを単独重合により製
造し、別途重合した高分子量ポリブタジエンをブレンド
する方法が記載されている。
【0006】また、特開平10-60174号公報には、GPCで
測定される分子量分布曲線のピークトップ分子量が10万
から150万の高分子量ポリブタジエン98〜30重量%と、G
PCで測定される分子量分布曲線のピークトップ分子量が
1万から5万の低分子量ポリブタジエン2〜70重量%とか
らなる耐衝撃性ポリスチレン系樹脂のゴム成分として好
適なポリブタジエンゴム組成物が開示されている。製造
方法としては、高分子量ポリブタジエンをオクテン酸コ
バルト、ジエチルアルミニウムクロライド、オルト蟻酸
トリメチル、水からなる触媒を使用して製造し、低分子
量ポリブタジエンを、ナフテン酸ニッケル、ジエチルア
ルミニウムクロライド、水からなる触媒を使用して製造
し、これらを溶液ブレンドする方法が記載されている。
しかしながら、分子量分布は4.5〜14.5と狭い。
【0007】また、特公昭43-628号公報には、コバルト
塩+アルミニウムジアルキルハライド+水の触媒系にお
いて、コバルト塩の一部をニッケル塩に置き換えた触媒
系を用いたブタジエンの重合方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の高分
子量ポリブタジエンと特定の低分子量ポリブタジエンと
からなるポリブタジエン及びそのポリブタジエンを高重
合活性で製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、シス-1,4- 構
造含有率が75%以上であり下記の(A)成分及び(B)
成分からなるポリブタジエンに関する。 (A) コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び
水からなる触媒系を用いて製造されたゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子
量(Mw)が70万〜 300万のポリブタジエン。 (B) (i)コバルト化合物、ニッケル化合物から選ば
れる触媒、(ii)有機アルミニウム化合物、並びに、
(iii)硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエステ
ル類からなる群から選ばれる化合物からなる触媒系を用
いて製造されたゲルパーミエーションクロマトグラフ
(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が 5千〜
7万のポリブタジエン。
【0010】さらに、本発明は、全ポリマーの重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)で表される分子量分布が14.5より大きいことを
特徴とする上記のポリブタジエンに関する。
【0011】さらに、本発明は、上記のポリブタジエン
の製造方法であって、コバルト化合物、有機アルミニウ
ム化合物及び水からなる触媒系を用いてゲルパーミエー
ションクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分
子量(Mw)が70万〜 300万のポリブタジエン(A)を
製造し、(i)コバルト化合物、ニッケル化合物から選ば
れる触媒、(ii)有機アルミニウム化合物、並びに、
(iii)硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエステ
ル類からなる群から選ばれる化合物からなる触媒系を用
いてゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で
測定した重量平均分子量(Mw)が 5千〜 7万のポリブ
タジエン(B)を製造することを特徴とするポリブタジ
エンの製造方法に関する。
【0012】本発明で得られるポリブタジエンの(A)
成分のゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)
で測定した重量平均分子量(Mw)が70万〜300万
であり、好ましくは100万〜200万である。固有粘
度[η]は、トルエン中30℃で、好ましくは3.0〜
7.0、特に好ましくは3.5〜5.0である。重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/
Mn)で表される分子量分布は、1.2〜4.0、好ま
しくは1.5〜3.0である。
【0013】本発明で得られるポリブタジエンの(B)
成分のゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフ(GPC)
で測定した重量平均分子量(Mw)が5千〜7万であ
り、 好ましくは5千〜6万であり、特に好ましくは5千
以上3万未満であり、さらに特に好ましくは5千〜2.
5万であり、さらに特により好ましくは1万〜2.5万
である。固有粘度[η]は、トルエン中30℃で、好ま
しくは0.05〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.
3である。重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)で表される分子量分布は、1.
0〜5.0、好ましくは1.5〜4.0である。
【0014】上記の(A)成分と(B)成分からなる本
発明のポリブタジエンの重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分子量
分布は、14.5より大きく、好ましくは20〜12
0、特に好ましくは20〜100である。
【0015】上記の(A)成分となるポリブタジエンの
シス−1,4−構造ユニット含有率は85%以上であ
り、好ましくは90%以上であり、特に好ましくは95
%以上である。
【0016】上記の(B)成分となるポリブタジエンの
シス−1,4− 構造ユニット含有率は40%以上90
%未満、特に好ましくは50以上90%未満である。ト
ランス−1,4−構造ユニット含有率は40%未満であ
り、特に好ましくは6〜30%である。1,2−構造ユ
ニット含有率は1〜50%であり、特に好ましくは2〜
30%である。
【0017】本発明において、上記の(A)成分及び
(B)成分からなるポリブタジエンの製造方法として
は、特に限定しないが、(1)二段直列重合、例えば、
初槽で(A)成分を製造し、終槽で(B)成分を製造す
る方法、又は、初槽で(B)成分を製造し、終槽で
(A)成分を製造する方法、(2)一段重合、例えば、
(A)成分を製造し、ひき続き(B)成分を1槽で製造
する方法、又は、(B)成分を製造し、ひき続き(A)
成分を1槽で製造する方法、(3)二段並列重合、例え
ば、(A)成分と(B)成分を別々の槽で製造した後、
混合する方法(4)(A)成分及び(B)成分をそれぞ
れ、別々に製造したのち溶液ブレンド、溶融ブレンドな
ど混合する方法などが挙げられる。
【0018】中でも、一段重合、第一重合工程で(A)
成分を製造し、次いで、第二重合工程で(B)成分を製
造する二段直列重合が好ましい。
【0019】ポリブタジエン(A)を製造する触媒系
は、コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び水か
らなる触媒系である。
【0020】また、ポリブタジエン(B)を製造する触
媒系は、(i)コバルト化合物、ニッケル化合物から選ば
れる触媒、(ii)有機アルミニウム化合物、並びに、
(iii)硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエステ
ル類からなる群から選ばれる化合物からなる触媒系であ
る。
【0021】ポリブタジエン(A)を製造する工程にお
ける触媒系および重合条件としては、以下のものが挙げ
られる。
【0022】コバルト化合物としては、コバルトの塩や
錯体が好ましく用いられる。特に好ましいものは、塩化
コバルト、臭化コバルト、硝酸コバルト、オクチル酸コ
バルト、ナフテン酸コバルト、酢酸コバルト、マロン酸
コバルト等のコバルト塩や、コバルトのビスアセチルア
セトネートやトリスアセチルアセトネート、アセト酢酸
エチルエステルコバルト、ハロゲン化コバルトのトリア
リールフォスフィン錯体、トリアルキルフォスフィン錯
体、ピリジン錯体やピコリン錯体等の有機塩基錯体、も
しくはエチルアルコール錯体などが挙げられる。
【0023】中でも、オクチル酸コバルト、ナフテン酸
コバルト、コバルトのビスアセチルアセトネート及びト
リスアセチルアセトネートが好ましい。
【0024】有機アルミニウム化合物としては、ハロゲ
ン含有アルミニウム化合物、トリアルキルアルミニウム
化合物及びそれらを水と反応させることによって得られ
るアルミノキサン化合物などが挙げられる。
【0025】ハロゲン含有アルミニウム化合物として、
ジアルキルアルミニウムクロライド、ジアルキルアルミ
ニウムブロマイドなどのジアルキルアルミニウムハライ
ド、アルキルアルミニウムセスキクロライド、アルキル
アルミニウムセスキブロマイドなどのアルキルアルミニ
ウムセスキハライド、アルキルアルミニウムジクロライ
ド、アルキルアルミニウムジブロマイドなどのアルキル
アルミニウムジハライド等が挙げられる。
【0026】具体的化合物としては、ジエチルアルミニ
ウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブロマ
イド、ジブチルアルミニウムモノクロライド、エチルア
ルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムジク
ロライド、ジシクロヘキシルアルミニウムモノクロライ
ド、ジフェニルアルミニウムモノクロライドなどが挙げ
られる。
【0027】トリアルキルアルミニウム化合物として
は、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミ
ニウム、トリオクチルアルミニウムなどが挙げられる。
【0028】アルミノキサン化合物としては、上記のハ
ロゲン含有アルミニウム、トリアルキルアルミニウムを
水と反応させて得られるアルミノキサンが挙げられる。
【0029】これらの有機アルミニウム化合物は、単独
で用いてもよく、いくつかを組み合わせて用いてもよ
い。
【0030】コバルト化合物の使用量は、ブタジエン1
モルに対し、通常、コバルト化合物が5×10-7〜1×
10-4モル、好ましくは5×10-7〜1×10-5モルの
範囲である。
【0031】有機アルミニウム化合物の使用量は、コバ
ルト化合物1モルに対し、通常、10〜5000モル、好まし
くは50〜1000モルの範囲である。
【0032】水の使用量は、有機アルミニウム化合物 1
モルに対して、通常、0.1〜1.2モル、好ましくは
0.2〜1.1モルである。
【0033】触媒成分の添加順序は特に制限はないが、
ポリブタジエン(A)を製造する工程では、水、有機ア
ルミニウム、コバルト化合物の順序、に添加するのが好
ましい。
【0034】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、
1,3-ブタジエンそのものを重合溶媒とする塊状重合など
を適用できる。溶液重合での溶媒としては、トルエン、
ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n-ヘキサ
ン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、
1-ブテン、シス-2- ブテン、トランス-2- ブテン等のオ
レフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベント
ナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0035】ポリブタジエン(B)を製造する工程にお
ける触媒系および重合条件としては、以下のものが挙げ
られる。
【0036】コバルト化合物としては、上記のポリブタ
ジエン(A)を製造する工程で用いたものと同様なもの
を使用できる。
【0037】ニッケル化合物としては、ナフテン酸ニッ
ケル、ギ酸ニッケル、オクチル酸ニッケル、ステアリン
酸ニッケル、クエン酸ニッケル、安息香酸ニッケル、ト
ルイル酸ニッケルなどの有機酸塩、ニッケルアセチルア
セトナ−トなどの有機錯化合物、アルキルベンゼンスル
ホン酸ニッケル、ニッケルオキシボレ−トなどが挙げら
れる。中でも、オクチル酸ニッケル等の有機酸塩が好ま
しい。
【0038】有機アルミニウム化合物としては、上記の
ポリブタジエン(A)を製造する工程で用いたものと同
様なものを使用できる。
【0039】硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエ
ステル類からなる群から選ばれる化合物としては、以下
のものが挙げられる。
【0040】硫黄化合物としては、二硫化炭素、イソチ
オシアン酸フェニル、キサントゲン酸化合物、アルカン
チオール、ジアルキルスルホキシド、ジアルキルサルフ
ァイド、ジアルキル3,3'−チオジプロピオネート、ジア
ルキル硫酸などが挙げられる。
【0041】リン化合物としては、トリノニルホスフィ
ン、トリノニルホスファイト、トリノニルホスフェー
ト、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスファイ
ト、トリフェニルホスフェート、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスフィン、トリス(ノニルフェニル)ホスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)ホスフェート、トリラウ
リルホスフィン、トリラウリルホスフェート、トリラウ
リルホスファイト、トリラウリルトリチオホスフェー
ト、ジラウリルジチオホスフェートなどが挙げられる。
【0042】アミン類としては、エチルアミン、ジエチ
ルアミン、 トリエチルアミン、 ジブチルアミン、トリ
ブチルアミン、アニリン、ジフェニルアミン、シクロヘ
キシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミ
ン、ジベンジルアミン、ピロリジン、ピペリジンなどが
挙げられる。
【0043】エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ビニル、酢酸ブチル、酢酸ドデシル、酢酸フ
ェニル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、安息香酸メ
チルなどが挙げられる。
【0044】中でも、ジラウリル3,3'−チオジプロピオ
ネート、ジトリデシル3,3'−チオジプロピオネート、ジ
ミリスチル3,3'−チオジプロピオネート、ジステアリル
3,3'−チオジプロピオネートなどが好ましい。
【0045】コバルト化合物を触媒とする場合、その使
用量は、ブタジエン1モルに対し、通常、コバルト化合
物が 5×10-7〜1×10-3モルであり、、好ましく
は1×10-6〜5×10-4モルの範囲である。
【0046】ニッケル化合物を触媒とする場合、その使
用量は、ブタジエン1モルに対し、通常、ニッケル化合
物が 5×10-7〜1×10-3モルであり、、好ましく
は1×10-6〜5×10-4モルの範囲である。
【0047】有機アルミニウム化合物の使用量は、コバ
ルト化合物あるいはニッケル化合物1モルに対し、通
常、1〜100モル、好ましくは1〜50モルの範囲で
ある。
【0048】硫黄化合物、リン化合物、アミン類、エス
テル類から選ばれる第三成分の使用量は、コバルト化合
物1モルに対し、通常、0.01〜20モル、好ましく
は0.02〜5モルの範囲である。
【0049】触媒成分の添加順序は特に制限はないが、
硫黄化合物、リン化合物、アミン類並びにエステル類か
らなる群から選ばれる化合物を添加した後、有機アルミ
ニウムを添加し、その後にコバルト化合物あるいはニッ
ケル化合物を添加することが好ましい。また、ポリブタ
ジエン(B)を製造する工程においてにおいて、必要に
応じてコバルト化合物あるいはニッケル化合物、有機ア
ルミニウム化合物、水、ブタジエンモノマーから選ばれ
る少なくとも1種類の成分を追加添加してもよい。これ
らの成分を組み合わせて使用する場合は、追加添加する
前にあらかじめ一定時間接触させておいてもよい。
【0050】重合方法は、特に制限はなく、溶液重合、
1,3-ブタジエンそのものを重合溶媒とする塊状重合など
を適用できる。溶液重合での溶媒としては、トルエン、
ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n-ヘキサ
ン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、
シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、
1-ブテン、シス-2- ブテン、トランス-2- ブテン等のオ
レフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベント
ナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒や、塩化メチレン
等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0051】(A)成分の高分子量ポリブタジエンと
(B)成分の低分子量ポリブタジエンとの割合は、
(A)成分が30重量%以上70重量%未満、好ましくは40
重量%以上70重量%未満であり、(B)が30重量%より
大きく70重量%以下、好ましくは30重量%より大きく60
重量%以下である。(A)成分の割合が上記範囲よりも
大きいと、加工性が低下し、(A)成分の割合が上記範
囲よりも小さいと、ポリブタジエンゴム組成物の粘度が
小さくなりすぎて、好ましくない。
【0052】
【実施例】ポリブタジエンのミクロ構造は、赤外吸収ス
ペクトル分析によって行った。シス1,4構造740c
-1、トランス1,4構造967cm-1、1,2-構造
910cm-1の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、及びその比Mw/Mn
は、ポリスチレンを標準物質として用いたGPC から求め
た。(A)成分と(B)成分の割合は、GPCチャート
の高分子量ポリブタジエンと低分子量ポリブタジエンの
面積比から算出した。固有粘度[η]は、トルエン溶液を
用いて30℃で測定した。
【0053】実施例1 (1)(A)成分(高分子量ポリブタジエン)の製造 内容量 1.5Lオートクレーブの内部を窒素置換し、
あらかじめブタジエン33wt%、ベンゼン36wt%
および2−ブテン31wt%を混合した溶液700mL
を仕込み、室温にて水(H2O)を、濃度が1.9mm
ol/Lになるように添加し、700rpmで 30分
間強攪拌した。ジエチルアルミニウムクロライド(DE
AC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)2.0m
lを添加し、室温で5分間攪拌した。55℃に加温し、
オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶
液(0.005mol/L)0.7mlを添加して重合
を開始し、60℃で25分間重合させた。
【0054】(2)(B)成分(低分子量ポリブタジエ
ン)の製造 次に、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート(TP
L)のトルエン溶液(0.194 mol/L) 1.
0ml、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)
のシクロヘキサン溶液(1mol/L)2.0mlを添
加し、引き続きオクチル酸コバルト(Co(Oc
t)2)のトルエン溶液(0.5mol/L)0.56
mlを添加し、さらに60℃で25分間重合させた。老
化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1)溶液5
mLを添加し、重合を停止した。オートクレーブ内部を
放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジ
エンを回収した。次いで、回収したポリブタジエンを5
0℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表4〜6に示し
た。
【0055】実施例2〜4 重合条件をを表1〜3に示すように変えたほかは実施例
1と同様にして重合を行った。重合結果を表4〜6に示
した。
【0056】実施例5 (1)(A)成分(高分子量ポリブタジエン)の製造 内容量 1.5Lオートクレーブの内部を窒素置換し、
あらかじめブタジエン29wt%、ベンゼン41wt%
および2−ブテン30wt%を混合した溶液700mL
を仕込み、室温にて水(H2O)を、濃度が2.2mm
ol/Lになるように添加し、700rpmで 30分
間強攪拌した。ジエチルアルミニウムクロライド(DE
AC)のシクロヘキサン溶液(1mol/L)2.3m
lを添加し、室温で5分間攪拌した。55℃に加温し、
オクチル酸コバルト(Co(Oct)2)のトルエン溶
液(0.005mol/L)0.77mlを添加して重
合を開始し、60℃で25分間重合させた。
【0057】(2)(B)成分(低分子量ポリブタジエ
ン)の製造 次に、ジラウリル3,3'−チオジプロピオネート(TP
L)のトルエン溶液(0.194 mol/L) 0.
75mlを添加し、引き続きオクチル酸ニッケル(Ni
(Oct)2)のトルエン溶液(0.2mol/L)
0.35mlを添加し、さらに70℃で30分間重合さ
せた。老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/
1)溶液5mLを添加し、重合を停止した。オートクレ
ーブ内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、
ポリブタジエンを回収した。次いで、回収したポリブタ
ジエンを50℃で6時間真空乾燥した。重合結果を表4
〜6に示した。
【0058】実施例6〜7 重合条件をを表1〜3に示すように変えたほかは実施例
5と同様にして重合を行った。重合結果を表4〜6に示
した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【発明の効果】特定の高分子量ポリブタジエンと特定の
低分子量ポリブタジエンからなるポリブタジエンを高活
性で得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シス-1,4- 構造含有率が75%以上であり
    下記の(A)成分及び(B)成分からなるポリブタジエ
    ン。 (A) コバルト化合物、有機アルミニウム化合物及び
    水からなる触媒系を用いて製造されたゲルパーミエーシ
    ョンクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子
    量(Mw)が70万〜 300万のポリブタジエン。 (B) (i)コバルト化合物、ニッケル化合物から選ば
    れる触媒、(ii)有機アルミニウム化合物、並びに、
    (iii)硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエステ
    ル類からなる群から選ばれる化合物からなる触媒系を用
    いて製造されたゲルパーミエーションクロマトグラフ
    (GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)が 5千〜
    7万のポリブタジエン。
  2. 【請求項2】 全ポリマーの重量平均分子量(Mw)と
    数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)で表される分
    子量分布が14.5より大きいことを特徴とする請求項
    1に記載のポリブタジエン。
  3. 【請求項3】 請求項1〜2に記載のポリブタジエンの
    製造方法であって、コバルト化合物、有機アルミニウム
    化合物及び水からなる触媒系を用いてゲルパーミエーシ
    ョンクロマトグラフ(GPC)で測定した重量平均分子
    量(Mw)が70万〜 300万のポリブタジエン(A)を製
    造し、 (i)コバルト化合物、ニッケル化合物から選ばれる触
    媒、(ii)有機アルミニウム化合物、並びに、(iii)
    硫黄化合物、リン化合物、アミン類及びエステル類から
    なる群から選ばれる化合物からなる触媒系を用いてゲル
    パーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定した
    重量平均分子量(Mw)が 5千〜 7万のポリブタジエン
    (B)を製造することを特徴とするポリブタジエンの製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006213890A (ja) * 2005-02-07 2006-08-17 Ube Ind Ltd ポリブタジエン及びポリブタジエンの製造法
JP2006219588A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Ube Ind Ltd ポリブタジエンおよびポリブタジエンの製造方法

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