JP3838619B2 - 車両用トノカバー装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リヤシート後方側のラゲージルームの上面開口を覆う車両用トノカバー装置に係り、特に、バックドアの開閉操作に連動する車両用トノカバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、バックドアが開放できる車両では、リヤシート後方側のラゲージルーム内には、引出し式のトノカバー装置か、あるいはバックドアと連繋して後端側が持ち上げられるトノボードのいずれかが使用されている。
【0003】
例えば、図7に示すように、リヤシート1とバックドア2との間に画成されるラゲージルーム3に設けられる引出し式のトノカバー装置4は、リヤシート1の背面側に取り付けられている収納ケース5からトノカバー本体6が引き出され、引出し端をフック等により係着することにより、ラゲージルーム3の上面開口を覆うとともに、荷物類を出し入れする際には、フックから取り外せば、このトノカバー本体6は収納ケース5内部の巻取りバネ(図示せず)により、収納ケース5内に巻取り収納される。
【0004】
また、図8に示すように、トノボード7はバックドア2との間に連結用ロープ8で接続されており、図示するように、バックドア2を開放操作すると、フロント側端縁7aを回動支点として連結用ロープ8と接続しているリヤ側端縁7bが上方に持ち上げられ、ラゲージルーム3を開口できる。
【0005】
このように、従来のトノカバー装置4やトノボード7においては、例えば、トノカバー装置4では、バックドア2と連繋していないため、バックドア2を開放操作した後、トノカバー本体6を収納ケース5内に収納操作して荷物類の出し入れを行なう必要があり、荷物類の出し入れを行なった後、トノカバー本体6を引出し操作して、ラゲージルーム3を被覆した後、バックドア2を閉じるなど、面倒な作業を強いられ、使い勝手が好ましいものではなかった。
【0006】
また、バックドア2と連繋するトノボード7は、トノボード7のリヤ側端縁7bが上方に持ち上げられ、ラゲージルーム3の上面が一部開口されるものの、開口面積が多く確保できないため、荷物の出し入れにそれ程有利に働くものではない。
【0007】
先に出願人は、バックドアと連動してラゲージルームの上面開口を開閉できるトノカバー装置として、特願平11−245075号を出願している。
【0008】
この先願例は、図9,図10に示すように、ラゲージルーム3内に巻取り器9が設けられており、この巻取り器9には、2系列のワイヤ10,11が巻き取られており、一方側のバックドア連結ワイヤ10はバックドア2と接続しており、他方側の循環ワイヤ11はガイドローラ間に巻装され、この循環ワイヤ11にスライダ12が取り付けられている。
【0009】
そして、このスライダ12にトノカバー本体6のリヤ側端縁が係止され、また、トノカバー本体6は、収納ケース5内の巻取りバネ13により巻取り収納される。上記スライダ12は、バックドア2を閉鎖した状態では、図9中右側方向、すなわちラゲージルーム3内を後退動作するため、トノカバー本体6は巻取りバネ13のバネ力に対して引き出されることになり、ラゲージルーム3の上面開口を蓋する。
【0010】
一方、バックドア2を開放操作したときには、図9中左側方向にスライダ12が動作、すなわちラゲージルーム3内を前進動作するため、トノカバー本体6は、巻取りバネ13により収納ケース5内に巻取り収納され、ラゲージルーム3の上面が開放されることになる。
【0011】
そして、バックドア2と連結するバックドア連結ワイヤ10は、巻取り器9に巻き取られるが、図11に示すように、ラゲージサイドトリムの裏側に配置されたワイヤ巻取り器9より後方に引き伸ばされ、直接バックドア2に連結しているのが実情である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、先願例のトノカバー装置では、バックドア2の開閉操作に連繋して、トノカバー本体6を動作させることはできるが、巻取り器9のバネ力をトノカバーの収納ケース5内に内蔵されている巻取りバネ13のバネ力よりも大きく設定する必要があり、そのため、巻取り器9が大型化するとともに、バックドア2を持ち上げる際の負荷も過大となるなど、トノカバー装置の構造が複雑化並びに大型化し、バックドア2の開閉操作においても大きな労力を必要とするという問題点があった。
【0013】
更に、図11に示すように、巻取り器9から引き出されるバックドア連結ワイヤ10は、ワイヤ剥き出しとなるため、油の付着や布類の絡み付き等により、トノカバーの円滑な駆動が期待できないという問題点も指摘されている。
【0014】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、バックドアの開閉操作に連繋して、ラゲージルームの上面開口を自動的に開閉できるバックドア連動タイプの車両用トノカバー装置であって、トノカバーを巻き取る巻取りバネを廃止することができ、装置の小型化が図れ、バックドアの開閉操作も僅かな労力で簡単に行なうことができるとともに、バックドア連結ワイヤの配索経路を工夫して、安全性が高く、かつ、ワイヤを確実に保護でき、耐久性を高めた車両用トノカバー装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、リヤシート後方側に設けられる車両用トノカバー装置であって、ラゲージルームの上面開口を覆うトノカバー本体と、ラゲージルーム内に配設され、バックドア連結ワイヤと循環ワイヤの2系列のワイヤを巻き取るワイヤ巻取り器と、循環ワイヤに取り付けられ、車両の前後方向に沿って摺動可能であるとともに、トノカバー本体のリヤ側端縁に係止されるスライダとから構成され、バックドアの開閉操作に連繋し、スライダを介してトノカバー本体のリヤ側端縁が前後方向に移動し、ラゲージルームの上面開口を開閉するとともに、バックドア連結ワイヤをガイドするワイヤガイドがラゲージサイドトリムの製品形状に沿ってカーブする湾曲状のアウターケーシングにより構成されている。
【0016】
また、本発明の別実施形態は、リヤシート後方側に設けられる車両用トノカバー装置であって、ラゲージルームの上面開口を覆うトノカバー本体と、ラゲージルーム内に配設され、バックドア連結ワイヤと循環ワイヤの2系列のワイヤを巻き取るワイヤ巻取り器と、循環ワイヤに取り付けられ、車両の前後方向に沿って摺動可能であるとともに、トノカバー本体のリヤ側端縁に係止されるスライダとから構成され、バックドアの開閉操作に連繋し、スライダを介してトノカバー本体のリヤ側端縁が前後方向に移動し、ラゲージルームの上面開口を開閉するとともに、上記バックドア連結ワイヤを車外に挿通ガイドするガイド筒体が車体パネルに嵌挿されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、トノカバー本体としては、ラゲージルームの上面開口を覆うことができる寸法を備えていれば、その材質として、布地シート、不織布シート、合成樹脂シート等、可撓性を有するトノカバーシートや、剛性を備えたシャッター板、2つ折り可能なボード板等を使用できる。
【0018】
そして、布地シート等のトノカバーシートを使用する際には、例えば、矩形状のトノカバーシートのフロント端縁をリヤシート背面等に固定して、トノカバーシートのリヤ側端縁をラゲージルーム内の両側に前後方向に沿って摺動動作するスライダに係止すれば、スライダが後退動作することにより、ラゲージルームの上面開口を覆うことができ、スライダが前進動作することにより、トノカバーシートが自重により垂れ下がり、ラゲージルーム内のフロント側に収納される。
【0019】
また、トノカバーシートのフロント側端縁をフリー状態として、トノカバーを幅方向に沿ってカバーの上下から挟み込んで支持するトノカバー支持部を設ければ、フロント端縁側が下方側に垂れ下がることにより、ラゲージルーム内に収納できる。
【0020】
更に、トノカバーシートの4辺を2つ折りタイプの分割フレームで支持する構成を採用すれば、この場合もスライダの往復動作に応じて分割フレームが平坦状、あるいは2つ折り状に変形することにより、ラゲージルームの上面開口を開閉できる。
【0021】
ここで、ワイヤガイドとしては、樹脂成形体からなり、保形性をもつアウターケーシング等の適用が可能である。
【0022】
また、リヤピラーを貫通するガイド筒体は、バックドアステイの車体取付点の極力近傍位置に設定するのが良く、ピラー貫通点はステイ取付点の内側は避け、上下乃至は外側とする。
【0023】
そして、車体とバックドアのシールより外側の車体雨どい部に貫通部を設置するときには、ガイドは車体との間にシール機構を必要とする。
【0024】
更に、ステイの一部にワイヤを連結することにより、ワイヤとステイのだぶりを少なくでき、雨どい貫通でワイヤとステイの近傍配置とドアトリム閉じ時、アウターパネルにワイヤが出ないようにできる。尚、ワイヤへのコーティング施工で、錆止め、または安全性が確保できる。
【0025】
従って、本発明によれば、バックドアを開放操作すれば、バックドア連結ワイヤにより巻取り器の巻取り部が回動し、この巻取り部に巻き取られている循環ワイヤがガイドローラ間で循環動作して、循環ワイヤに取り付けられているスライダが前進動作する。
【0026】
そして、スライダにトノカバー本体のリヤ側端縁が係止されているため、トノカバー本体のリヤ側かフロント側に向けて移動するため、ラゲージルームの上面を自動的に開口することができる。
【0027】
一方、バックドアを閉鎖した場合には、巻取り器の巻取り部は逆方向に回動することにより、循環ワイヤに固定されているスライダは後退し、トノカバー本体のリヤ側端縁がスライダと同調して引き出されることにより、ラゲージルームの上面開口を覆うことができる。従って、バックドアの開閉操作と連繋して、トノカバー本体を連動させることができる。
【0028】
このように、本発明によれば、トノカバー本体は、従来のように巻取りバネを廃止したため、巻取り器の容量は、トノカバー側巻取りバネの容量に左右されることなく、小容量のものが使用でき、トノカバー側の巻取りバネの廃止、巻取り器の小容量化により、トノカバー装置をコンパクト化でき、かつバックドアを開閉操作する際の労力も少なくて済む。
【0029】
従って、ワイヤガイドを設けることにより、ワイヤ配索経路が安定するとともに、ワイヤとステイの近傍外側配置にすれば、ワイヤの干渉が防止でき、かつ荷物の出し下ろしの邪魔にならない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用トノカバー装置の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1乃至図5は本発明に係る車両用トノカバー装置の第1実施形態を示すもので、図1は車両用トノカバー装置の全体構成図、図2は同車両用トノカバー装置における巻取り器の構成を示す説明図、図3は同装置におけるバックドア連結ワイヤの出口付近の構成を示す平面図、図4,図5はバックドアの開閉操作と連繋して動作するトノカバーの動作を示す各説明図である。また、図6は本発明に係る車両用トノカバー装置の第2実施形態におけるバックドア連結ワイヤの出口部付近の構成を示す説明図である。
【0032】
まず、本発明に係る車両用トノカバー装置20の第1実施形態について説明する。図1において、リヤシート1とバックドア2との間に画成されるラゲージルーム3に設けられる車両用トノカバー装置20は、ラゲージルーム3の上面開口の開口面積と略等しい面積を備えた矩形状のトノカバーシート30と、ラゲージルーム3内に設けられ、バックドア2の開閉操作に連繋して、内部の2系列のワイヤを巻き取り、あるいは引き出す巻取り器40と、ラゲージルーム3の両側に設けられ、巻取り器40からのワイヤの引き出し、あるいは巻取りバネ43によるワイヤの巻き取りと連動して、前後方向に沿ってスライド可能なスライダ50とから大略構成されている。
【0033】
更に詳しくは、トノカバーシート30は、布地シート、不織布シート、合成樹脂シート等、可撓性を備えたシート材料から構成され、フロント側端縁30a並びにリヤ側端縁30bにシャフト31,32がトノカバーシート30の幅よりもシャフト長さを長く設定して、シャフト31,32の両端311,321が外方に突出するように取り付けられている。
【0034】
そして、トノカバーシート30のフロント側端縁30aに取り付けられているシャフト31の両端311をリヤシート1のシートバック背面側に設けられている係止部1aに取り付けて、トノカバーシート30のフロント側端縁30aが固定される。
【0035】
一方、トノカバーシート30のリヤ側端縁30bに取り付けられているシャフト32の両端末321は、スライダ50に取り付けるフックとしての機能をもち(以下、係止用フック321と符号化する)、スライダ50上面の係着溝50a内に係止される。
【0036】
次いで、巻取り器40とスライダ50との関係について、図1,図2を基に説明すると、巻取り器40には、2系列のワイヤ(以下、バックドア連結ワイヤ41、循環ワイヤ42とする)が各巻取り部40a,40bに巻取りバネ43のバネ力により巻き取られており、一方側のバックドア連結ワイヤ41は、アウターケーシング60等のワイヤガイドを介してバックドア2に接続されており、他方側の循環ワイヤ42は、両端末が異なる巻き方向となるように、巻取り部40bに巻き取られており、一対のガイドローラ51,52に掛け渡されており、この循環ワイヤ42にスライダ50が取り付けられている。そして、循環ワイヤ42の循環動作に応じて、スライダ50がガイドレール53に沿って車両の前後方向に沿って往復動作を行なう。
【0037】
図3は、車両用トノカバー装置20の後部右側の構成を示す平面図であり、ワイヤ巻取り器40並びにガイドレール53は、ラゲージルーム3内のラゲージサイドトリム70の外側に位置しており、特に本発明においてはワイヤ巻取り器40から引き伸ばされ、バックドア2に連結するバックドア連結ワイヤ41は、ラゲージサイドトリム70の製品形状に対応して湾曲状をなす樹脂成形体からなるアウターケーシング60内に挿通させている。
【0038】
このように、アウターケーシング60等のワイヤガイドを設けることにより、バックドア連結ワイヤ41の配索経路が安定化するとともに、このワイヤガイドがプロテクタ機能を備えているため、ワイヤによる干渉や荷役の作業の障害になることがなく、かつ見栄え上もワイヤが露出しないため好ましい。
【0039】
また、バックドア連結ワイヤ41は、バックドア2の開放時に車体とドアを結ぶ部分、少なくとも一部に樹脂などのコーティング処理を施せば、錆止めに効果がある。
【0040】
従って、バックドア2の閉鎖状態を図4、開放状態を図5にて示すように、バックドア2を閉鎖した状態では、バックドア2に接続されているバックドア連結ワイヤ41は、巻取り器40の巻取りバネ43のバネ力により巻き取られており、巻取り部40a,40bは同軸上で同期して回転するため、バックドア2を閉鎖した状態では、スライダ50がガイドレール53の最後端位置となるように、トノカバーシート30側の循環ワイヤ42の巻取り量を調整しておく。
【0041】
従って、スライダ50がガイドレール53の最後端に位置し、このスライダ50にトノカバーシート30のリヤ側シャフト32が取り付けられているため、図示するように、ラゲージルーム3の上面開口のほぼ全面がトノカバーシート30により被覆され、ラゲージルーム3内部搭載荷物類が外部に露見することがない。
【0042】
そして、バックドア2を開放操作すれば、図5に示すように、バックドア2に連結しているバックドア連結ワイヤ41が巻取り器40から引き出され、それによりトノカバーシート30を駆動させる循環ワイヤ42も巻取り部40bから引き出され、循環ワイヤ42に接続しているスライダ50が図5中左方向、すなわちリヤシート1側に向けて前進駆動されるため、トノカバーシート30のリヤ側端縁30b側がリヤシート1側に向けて移動し、図示するように、トノカバーシート30は、U字状にラゲージルーム3内に垂れ下がり収納され、ラゲージルーム3の上面開口を開放することができる。
【0043】
このように、上述した車両用トノカバー装置20にあっては、バックドア2の開閉操作に連動して、トノカバーシート30を開閉操作することができ、使い勝手に優れるとともに、トノカバーシートに巻取り力を付与する従来の巻取りバネを廃止することができ、しかも、トノカバーシート30は、フロント側及びリヤ側にそれぞれシャフト31,32を設けるだけの簡易構造であり、製作コストも低減化できる。
【0044】
更に、巻取り器40についても、先願例のものでは、トノカバーの巻取りバネのバネ力よりも強いバネ力をもつ大型の巻取り器を必要としたが、トノカバー側の巻取りバネのバネ力に左右されることなく、コンパクト構造で小容量の巻取り器40を使用でき、そのため、バックドア2の開放操作時、少ない労力でバックドア2を開放することができ、構造が簡易でコストが低減化できるばかりでなく、バックドア2の開け閉めに要する労力も少なくて済む。
【0045】
次いで、図6は本発明に係る車両用トノカバー装置20の別実施形態を示すもので、上述した実施形態に使用した湾曲状に成形された樹脂成形体のアウターケーシング60からなるワイヤガイドに替えて、車体パネル71にラゲージルーム3と車外とを貫通状に嵌挿されているガイド筒体61により、バックドア連結ワイヤ41がガイドされる。
【0046】
この第2実施形態においても、バックドア2と連結するバックドア連結ワイヤ41は、その配索経路が安定化するとともに、バックドア2の開閉操作時、ラゲージルーム3よりも外側に位置するため、荷物の搭載作業の邪魔にはならず、しかも、ワイヤ巻取り器40から引き出されるバックドア連結ワイヤ41は、ほぼ一直線上にバックドア2側に引き伸ばされ、特に、ショックアブソーバのアウターケーシング2aに連結されれば、最短経路にバックドア連結ワイヤ41を配索することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る車両用トノカバー装置は、バックドアの開閉操作に連動して開閉動作でき、使い勝手に優れるとともに、トノカバー側の巻取りバネを内蔵した巻取り機構を廃止することができるため、構造の簡素化、製作コストの低減が期待できるとともに、バックドアの開け閉めが少ない労力で済み、操作性を高めることができるという効果を有する。
【0048】
更に、ワイヤ巻取り器から引き出され、バックドアに連結されるワイヤ処理構造として、トノカバーの後縁コーナー部に沿って湾曲するアウターケーシング内、又は車体パネルを貫通するガイド筒体等のワイヤガイド内を通してバックドア連結ワイヤをバックドア側に配索する構造を採用したため、ワイヤの配索経路が安定化するとともに、荷物の搭載作業等の支障になることがないとともに、外部に違和感を与えることがなく、外観見栄えを向上させることができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用トノカバー装置の第1実施形態を示す全体図である。
【図2】図1に示す車両用トノカバー装置における巻取り器の作用を示す説明図である。
【図3】図1に示す車両用トノカバー装置におけるバックドア連結ワイヤの出口部の処理構造を示す説明図である。
【図4】図1に示す車両用トノカバー装置におけるトノカバーの閉鎖状態を示す説明図である。
【図5】図1に示す車両用トノカバー装置におけるトノカバーの開放状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る車両用トノカバー装置の第2実施形態におけるバックドア連結ワイヤの出口部の処理構造を示す説明図である。
【図7】従来のトノカバー装置の構成を示す説明図である。
【図8】従来のバックドア連動式トノボードを示す説明図である。
【図9】バックドア連動式のトノカバー装置の先願例を示す構成説明図である。
【図10】図9に示す先願例におけるスライダ駆動系の構成を示す説明図である。
【図11】図9に示す先願例におけるバックドア連結ワイヤの処理構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 リヤシート
2 バックドア
3 ラゲージルーム
20 車両用トノカバー装置
30 トノカバーシート
40 巻取り器
40a,40b 巻取り部
41 バックドア連結ワイヤ
42 循環ワイヤ
43 巻取りバネ
50 スライダ
51,52 ガイドローラ
53 ガイドレール
60 アウターケーシング
61 ガイド筒体
70 ラゲージサイドトリム
71 車体パネル
【発明の属する技術分野】
この発明は、リヤシート後方側のラゲージルームの上面開口を覆う車両用トノカバー装置に係り、特に、バックドアの開閉操作に連動する車両用トノカバー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、バックドアが開放できる車両では、リヤシート後方側のラゲージルーム内には、引出し式のトノカバー装置か、あるいはバックドアと連繋して後端側が持ち上げられるトノボードのいずれかが使用されている。
【0003】
例えば、図7に示すように、リヤシート1とバックドア2との間に画成されるラゲージルーム3に設けられる引出し式のトノカバー装置4は、リヤシート1の背面側に取り付けられている収納ケース5からトノカバー本体6が引き出され、引出し端をフック等により係着することにより、ラゲージルーム3の上面開口を覆うとともに、荷物類を出し入れする際には、フックから取り外せば、このトノカバー本体6は収納ケース5内部の巻取りバネ(図示せず)により、収納ケース5内に巻取り収納される。
【0004】
また、図8に示すように、トノボード7はバックドア2との間に連結用ロープ8で接続されており、図示するように、バックドア2を開放操作すると、フロント側端縁7aを回動支点として連結用ロープ8と接続しているリヤ側端縁7bが上方に持ち上げられ、ラゲージルーム3を開口できる。
【0005】
このように、従来のトノカバー装置4やトノボード7においては、例えば、トノカバー装置4では、バックドア2と連繋していないため、バックドア2を開放操作した後、トノカバー本体6を収納ケース5内に収納操作して荷物類の出し入れを行なう必要があり、荷物類の出し入れを行なった後、トノカバー本体6を引出し操作して、ラゲージルーム3を被覆した後、バックドア2を閉じるなど、面倒な作業を強いられ、使い勝手が好ましいものではなかった。
【0006】
また、バックドア2と連繋するトノボード7は、トノボード7のリヤ側端縁7bが上方に持ち上げられ、ラゲージルーム3の上面が一部開口されるものの、開口面積が多く確保できないため、荷物の出し入れにそれ程有利に働くものではない。
【0007】
先に出願人は、バックドアと連動してラゲージルームの上面開口を開閉できるトノカバー装置として、特願平11−245075号を出願している。
【0008】
この先願例は、図9,図10に示すように、ラゲージルーム3内に巻取り器9が設けられており、この巻取り器9には、2系列のワイヤ10,11が巻き取られており、一方側のバックドア連結ワイヤ10はバックドア2と接続しており、他方側の循環ワイヤ11はガイドローラ間に巻装され、この循環ワイヤ11にスライダ12が取り付けられている。
【0009】
そして、このスライダ12にトノカバー本体6のリヤ側端縁が係止され、また、トノカバー本体6は、収納ケース5内の巻取りバネ13により巻取り収納される。上記スライダ12は、バックドア2を閉鎖した状態では、図9中右側方向、すなわちラゲージルーム3内を後退動作するため、トノカバー本体6は巻取りバネ13のバネ力に対して引き出されることになり、ラゲージルーム3の上面開口を蓋する。
【0010】
一方、バックドア2を開放操作したときには、図9中左側方向にスライダ12が動作、すなわちラゲージルーム3内を前進動作するため、トノカバー本体6は、巻取りバネ13により収納ケース5内に巻取り収納され、ラゲージルーム3の上面が開放されることになる。
【0011】
そして、バックドア2と連結するバックドア連結ワイヤ10は、巻取り器9に巻き取られるが、図11に示すように、ラゲージサイドトリムの裏側に配置されたワイヤ巻取り器9より後方に引き伸ばされ、直接バックドア2に連結しているのが実情である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように、先願例のトノカバー装置では、バックドア2の開閉操作に連繋して、トノカバー本体6を動作させることはできるが、巻取り器9のバネ力をトノカバーの収納ケース5内に内蔵されている巻取りバネ13のバネ力よりも大きく設定する必要があり、そのため、巻取り器9が大型化するとともに、バックドア2を持ち上げる際の負荷も過大となるなど、トノカバー装置の構造が複雑化並びに大型化し、バックドア2の開閉操作においても大きな労力を必要とするという問題点があった。
【0013】
更に、図11に示すように、巻取り器9から引き出されるバックドア連結ワイヤ10は、ワイヤ剥き出しとなるため、油の付着や布類の絡み付き等により、トノカバーの円滑な駆動が期待できないという問題点も指摘されている。
【0014】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、バックドアの開閉操作に連繋して、ラゲージルームの上面開口を自動的に開閉できるバックドア連動タイプの車両用トノカバー装置であって、トノカバーを巻き取る巻取りバネを廃止することができ、装置の小型化が図れ、バックドアの開閉操作も僅かな労力で簡単に行なうことができるとともに、バックドア連結ワイヤの配索経路を工夫して、安全性が高く、かつ、ワイヤを確実に保護でき、耐久性を高めた車両用トノカバー装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、リヤシート後方側に設けられる車両用トノカバー装置であって、ラゲージルームの上面開口を覆うトノカバー本体と、ラゲージルーム内に配設され、バックドア連結ワイヤと循環ワイヤの2系列のワイヤを巻き取るワイヤ巻取り器と、循環ワイヤに取り付けられ、車両の前後方向に沿って摺動可能であるとともに、トノカバー本体のリヤ側端縁に係止されるスライダとから構成され、バックドアの開閉操作に連繋し、スライダを介してトノカバー本体のリヤ側端縁が前後方向に移動し、ラゲージルームの上面開口を開閉するとともに、バックドア連結ワイヤをガイドするワイヤガイドがラゲージサイドトリムの製品形状に沿ってカーブする湾曲状のアウターケーシングにより構成されている。
【0016】
また、本発明の別実施形態は、リヤシート後方側に設けられる車両用トノカバー装置であって、ラゲージルームの上面開口を覆うトノカバー本体と、ラゲージルーム内に配設され、バックドア連結ワイヤと循環ワイヤの2系列のワイヤを巻き取るワイヤ巻取り器と、循環ワイヤに取り付けられ、車両の前後方向に沿って摺動可能であるとともに、トノカバー本体のリヤ側端縁に係止されるスライダとから構成され、バックドアの開閉操作に連繋し、スライダを介してトノカバー本体のリヤ側端縁が前後方向に移動し、ラゲージルームの上面開口を開閉するとともに、上記バックドア連結ワイヤを車外に挿通ガイドするガイド筒体が車体パネルに嵌挿されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、トノカバー本体としては、ラゲージルームの上面開口を覆うことができる寸法を備えていれば、その材質として、布地シート、不織布シート、合成樹脂シート等、可撓性を有するトノカバーシートや、剛性を備えたシャッター板、2つ折り可能なボード板等を使用できる。
【0018】
そして、布地シート等のトノカバーシートを使用する際には、例えば、矩形状のトノカバーシートのフロント端縁をリヤシート背面等に固定して、トノカバーシートのリヤ側端縁をラゲージルーム内の両側に前後方向に沿って摺動動作するスライダに係止すれば、スライダが後退動作することにより、ラゲージルームの上面開口を覆うことができ、スライダが前進動作することにより、トノカバーシートが自重により垂れ下がり、ラゲージルーム内のフロント側に収納される。
【0019】
また、トノカバーシートのフロント側端縁をフリー状態として、トノカバーを幅方向に沿ってカバーの上下から挟み込んで支持するトノカバー支持部を設ければ、フロント端縁側が下方側に垂れ下がることにより、ラゲージルーム内に収納できる。
【0020】
更に、トノカバーシートの4辺を2つ折りタイプの分割フレームで支持する構成を採用すれば、この場合もスライダの往復動作に応じて分割フレームが平坦状、あるいは2つ折り状に変形することにより、ラゲージルームの上面開口を開閉できる。
【0021】
ここで、ワイヤガイドとしては、樹脂成形体からなり、保形性をもつアウターケーシング等の適用が可能である。
【0022】
また、リヤピラーを貫通するガイド筒体は、バックドアステイの車体取付点の極力近傍位置に設定するのが良く、ピラー貫通点はステイ取付点の内側は避け、上下乃至は外側とする。
【0023】
そして、車体とバックドアのシールより外側の車体雨どい部に貫通部を設置するときには、ガイドは車体との間にシール機構を必要とする。
【0024】
更に、ステイの一部にワイヤを連結することにより、ワイヤとステイのだぶりを少なくでき、雨どい貫通でワイヤとステイの近傍配置とドアトリム閉じ時、アウターパネルにワイヤが出ないようにできる。尚、ワイヤへのコーティング施工で、錆止め、または安全性が確保できる。
【0025】
従って、本発明によれば、バックドアを開放操作すれば、バックドア連結ワイヤにより巻取り器の巻取り部が回動し、この巻取り部に巻き取られている循環ワイヤがガイドローラ間で循環動作して、循環ワイヤに取り付けられているスライダが前進動作する。
【0026】
そして、スライダにトノカバー本体のリヤ側端縁が係止されているため、トノカバー本体のリヤ側かフロント側に向けて移動するため、ラゲージルームの上面を自動的に開口することができる。
【0027】
一方、バックドアを閉鎖した場合には、巻取り器の巻取り部は逆方向に回動することにより、循環ワイヤに固定されているスライダは後退し、トノカバー本体のリヤ側端縁がスライダと同調して引き出されることにより、ラゲージルームの上面開口を覆うことができる。従って、バックドアの開閉操作と連繋して、トノカバー本体を連動させることができる。
【0028】
このように、本発明によれば、トノカバー本体は、従来のように巻取りバネを廃止したため、巻取り器の容量は、トノカバー側巻取りバネの容量に左右されることなく、小容量のものが使用でき、トノカバー側の巻取りバネの廃止、巻取り器の小容量化により、トノカバー装置をコンパクト化でき、かつバックドアを開閉操作する際の労力も少なくて済む。
【0029】
従って、ワイヤガイドを設けることにより、ワイヤ配索経路が安定するとともに、ワイヤとステイの近傍外側配置にすれば、ワイヤの干渉が防止でき、かつ荷物の出し下ろしの邪魔にならない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用トノカバー装置の実施形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1乃至図5は本発明に係る車両用トノカバー装置の第1実施形態を示すもので、図1は車両用トノカバー装置の全体構成図、図2は同車両用トノカバー装置における巻取り器の構成を示す説明図、図3は同装置におけるバックドア連結ワイヤの出口付近の構成を示す平面図、図4,図5はバックドアの開閉操作と連繋して動作するトノカバーの動作を示す各説明図である。また、図6は本発明に係る車両用トノカバー装置の第2実施形態におけるバックドア連結ワイヤの出口部付近の構成を示す説明図である。
【0032】
まず、本発明に係る車両用トノカバー装置20の第1実施形態について説明する。図1において、リヤシート1とバックドア2との間に画成されるラゲージルーム3に設けられる車両用トノカバー装置20は、ラゲージルーム3の上面開口の開口面積と略等しい面積を備えた矩形状のトノカバーシート30と、ラゲージルーム3内に設けられ、バックドア2の開閉操作に連繋して、内部の2系列のワイヤを巻き取り、あるいは引き出す巻取り器40と、ラゲージルーム3の両側に設けられ、巻取り器40からのワイヤの引き出し、あるいは巻取りバネ43によるワイヤの巻き取りと連動して、前後方向に沿ってスライド可能なスライダ50とから大略構成されている。
【0033】
更に詳しくは、トノカバーシート30は、布地シート、不織布シート、合成樹脂シート等、可撓性を備えたシート材料から構成され、フロント側端縁30a並びにリヤ側端縁30bにシャフト31,32がトノカバーシート30の幅よりもシャフト長さを長く設定して、シャフト31,32の両端311,321が外方に突出するように取り付けられている。
【0034】
そして、トノカバーシート30のフロント側端縁30aに取り付けられているシャフト31の両端311をリヤシート1のシートバック背面側に設けられている係止部1aに取り付けて、トノカバーシート30のフロント側端縁30aが固定される。
【0035】
一方、トノカバーシート30のリヤ側端縁30bに取り付けられているシャフト32の両端末321は、スライダ50に取り付けるフックとしての機能をもち(以下、係止用フック321と符号化する)、スライダ50上面の係着溝50a内に係止される。
【0036】
次いで、巻取り器40とスライダ50との関係について、図1,図2を基に説明すると、巻取り器40には、2系列のワイヤ(以下、バックドア連結ワイヤ41、循環ワイヤ42とする)が各巻取り部40a,40bに巻取りバネ43のバネ力により巻き取られており、一方側のバックドア連結ワイヤ41は、アウターケーシング60等のワイヤガイドを介してバックドア2に接続されており、他方側の循環ワイヤ42は、両端末が異なる巻き方向となるように、巻取り部40bに巻き取られており、一対のガイドローラ51,52に掛け渡されており、この循環ワイヤ42にスライダ50が取り付けられている。そして、循環ワイヤ42の循環動作に応じて、スライダ50がガイドレール53に沿って車両の前後方向に沿って往復動作を行なう。
【0037】
図3は、車両用トノカバー装置20の後部右側の構成を示す平面図であり、ワイヤ巻取り器40並びにガイドレール53は、ラゲージルーム3内のラゲージサイドトリム70の外側に位置しており、特に本発明においてはワイヤ巻取り器40から引き伸ばされ、バックドア2に連結するバックドア連結ワイヤ41は、ラゲージサイドトリム70の製品形状に対応して湾曲状をなす樹脂成形体からなるアウターケーシング60内に挿通させている。
【0038】
このように、アウターケーシング60等のワイヤガイドを設けることにより、バックドア連結ワイヤ41の配索経路が安定化するとともに、このワイヤガイドがプロテクタ機能を備えているため、ワイヤによる干渉や荷役の作業の障害になることがなく、かつ見栄え上もワイヤが露出しないため好ましい。
【0039】
また、バックドア連結ワイヤ41は、バックドア2の開放時に車体とドアを結ぶ部分、少なくとも一部に樹脂などのコーティング処理を施せば、錆止めに効果がある。
【0040】
従って、バックドア2の閉鎖状態を図4、開放状態を図5にて示すように、バックドア2を閉鎖した状態では、バックドア2に接続されているバックドア連結ワイヤ41は、巻取り器40の巻取りバネ43のバネ力により巻き取られており、巻取り部40a,40bは同軸上で同期して回転するため、バックドア2を閉鎖した状態では、スライダ50がガイドレール53の最後端位置となるように、トノカバーシート30側の循環ワイヤ42の巻取り量を調整しておく。
【0041】
従って、スライダ50がガイドレール53の最後端に位置し、このスライダ50にトノカバーシート30のリヤ側シャフト32が取り付けられているため、図示するように、ラゲージルーム3の上面開口のほぼ全面がトノカバーシート30により被覆され、ラゲージルーム3内部搭載荷物類が外部に露見することがない。
【0042】
そして、バックドア2を開放操作すれば、図5に示すように、バックドア2に連結しているバックドア連結ワイヤ41が巻取り器40から引き出され、それによりトノカバーシート30を駆動させる循環ワイヤ42も巻取り部40bから引き出され、循環ワイヤ42に接続しているスライダ50が図5中左方向、すなわちリヤシート1側に向けて前進駆動されるため、トノカバーシート30のリヤ側端縁30b側がリヤシート1側に向けて移動し、図示するように、トノカバーシート30は、U字状にラゲージルーム3内に垂れ下がり収納され、ラゲージルーム3の上面開口を開放することができる。
【0043】
このように、上述した車両用トノカバー装置20にあっては、バックドア2の開閉操作に連動して、トノカバーシート30を開閉操作することができ、使い勝手に優れるとともに、トノカバーシートに巻取り力を付与する従来の巻取りバネを廃止することができ、しかも、トノカバーシート30は、フロント側及びリヤ側にそれぞれシャフト31,32を設けるだけの簡易構造であり、製作コストも低減化できる。
【0044】
更に、巻取り器40についても、先願例のものでは、トノカバーの巻取りバネのバネ力よりも強いバネ力をもつ大型の巻取り器を必要としたが、トノカバー側の巻取りバネのバネ力に左右されることなく、コンパクト構造で小容量の巻取り器40を使用でき、そのため、バックドア2の開放操作時、少ない労力でバックドア2を開放することができ、構造が簡易でコストが低減化できるばかりでなく、バックドア2の開け閉めに要する労力も少なくて済む。
【0045】
次いで、図6は本発明に係る車両用トノカバー装置20の別実施形態を示すもので、上述した実施形態に使用した湾曲状に成形された樹脂成形体のアウターケーシング60からなるワイヤガイドに替えて、車体パネル71にラゲージルーム3と車外とを貫通状に嵌挿されているガイド筒体61により、バックドア連結ワイヤ41がガイドされる。
【0046】
この第2実施形態においても、バックドア2と連結するバックドア連結ワイヤ41は、その配索経路が安定化するとともに、バックドア2の開閉操作時、ラゲージルーム3よりも外側に位置するため、荷物の搭載作業の邪魔にはならず、しかも、ワイヤ巻取り器40から引き出されるバックドア連結ワイヤ41は、ほぼ一直線上にバックドア2側に引き伸ばされ、特に、ショックアブソーバのアウターケーシング2aに連結されれば、最短経路にバックドア連結ワイヤ41を配索することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明に係る車両用トノカバー装置は、バックドアの開閉操作に連動して開閉動作でき、使い勝手に優れるとともに、トノカバー側の巻取りバネを内蔵した巻取り機構を廃止することができるため、構造の簡素化、製作コストの低減が期待できるとともに、バックドアの開け閉めが少ない労力で済み、操作性を高めることができるという効果を有する。
【0048】
更に、ワイヤ巻取り器から引き出され、バックドアに連結されるワイヤ処理構造として、トノカバーの後縁コーナー部に沿って湾曲するアウターケーシング内、又は車体パネルを貫通するガイド筒体等のワイヤガイド内を通してバックドア連結ワイヤをバックドア側に配索する構造を採用したため、ワイヤの配索経路が安定化するとともに、荷物の搭載作業等の支障になることがないとともに、外部に違和感を与えることがなく、外観見栄えを向上させることができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用トノカバー装置の第1実施形態を示す全体図である。
【図2】図1に示す車両用トノカバー装置における巻取り器の作用を示す説明図である。
【図3】図1に示す車両用トノカバー装置におけるバックドア連結ワイヤの出口部の処理構造を示す説明図である。
【図4】図1に示す車両用トノカバー装置におけるトノカバーの閉鎖状態を示す説明図である。
【図5】図1に示す車両用トノカバー装置におけるトノカバーの開放状態を示す説明図である。
【図6】本発明に係る車両用トノカバー装置の第2実施形態におけるバックドア連結ワイヤの出口部の処理構造を示す説明図である。
【図7】従来のトノカバー装置の構成を示す説明図である。
【図8】従来のバックドア連動式トノボードを示す説明図である。
【図9】バックドア連動式のトノカバー装置の先願例を示す構成説明図である。
【図10】図9に示す先願例におけるスライダ駆動系の構成を示す説明図である。
【図11】図9に示す先願例におけるバックドア連結ワイヤの処理構造を示す説明図である。
【符号の説明】
1 リヤシート
2 バックドア
3 ラゲージルーム
20 車両用トノカバー装置
30 トノカバーシート
40 巻取り器
40a,40b 巻取り部
41 バックドア連結ワイヤ
42 循環ワイヤ
43 巻取りバネ
50 スライダ
51,52 ガイドローラ
53 ガイドレール
60 アウターケーシング
61 ガイド筒体
70 ラゲージサイドトリム
71 車体パネル
Claims (2)
- リヤシート後方側に設けられる車両用トノカバー装置であって、ラゲージルームの上面開口を覆うトノカバー本体と、ラゲージルーム内に配設され、バックドア連結ワイヤと循環ワイヤの2系列のワイヤを巻き取るワイヤ巻取り器と、循環ワイヤに取り付けられ、車両の前後方向に沿って摺動可能であるとともに、トノカバー本体のリヤ側端縁に係止されるスライダとから構成され、バックドアの開閉操作に連繋し、スライダを介してトノカバー本体のリヤ側端縁が前後方向に移動し、ラゲージルームの上面開口を開閉するとともに、バックドア連結ワイヤをガイドするワイヤガイドがラゲージサイドトリムの製品形状に沿ってカーブする湾曲状のアウターケーシングにより構成されていることを特徴とする車両用トノカバー装置。
- リヤシート後方側に設けられる車両用トノカバー装置であって、ラゲージルームの上面開口を覆うトノカバー本体と、ラゲージルーム内に配設され、バックドア連結ワイヤと循環ワイヤの2系列のワイヤを巻き取るワイヤ巻取り器と、循環ワイヤに取り付けられ、車両の前後方向に沿って摺動可能であるとともに、トノカバー本体のリヤ側端縁に係止されるスライダとから構成され、バックドアの開閉操作に連繋して、スライダを介してトノカバー本体のリヤ側端縁が前後方向に移動し、ラゲージルームの上面開口を開閉するとともに、上記バックドア連結ワイヤを車外に挿通ガイドするガイド筒体が車体パネルに嵌挿されていることを特徴とする車両用トノカバー装置。
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