JP3838108B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚の回路板をプリプレグを介して積層成形することによって行なわれる多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
多層プリント配線板を製造するにあたっては、例えば図4に示すようにして行なわれている。すなわち、表面に回路形成をした内層用の回路板1を複数枚用い、図4(a)のように隣合う回路板1間にプリプレグ2を挟んで複数枚の回路板1を重ね、さらに必要に応じてその外側にプリプレグ2を介して外層回路形成用の金属箔10を重ね、そしてこれを熱盤間で加熱加圧成形することによって、プリプレグ2の樹脂が溶融硬化して形成される絶縁接着層3で複数枚の回路板1や金属箔10を積層一体化した図4(b)のような多層プリント配線板を得ることができるものである。
【0003】
上記のようにして作製される多層プリント配線板において、複数枚の回路板1によって複数層の回路が形成されており、これらの各回路はスルーホールやバイヤホール等で導通接続されるようになっている。従って、プリプレグ2を介して複数枚の回路板1を重ねた後、加熱加圧成形を終了して積層一体化するまでの間に、回路板1が相互に位置ずれすると、回路の位置がずれて導通接続不良が発生するおそれがあるので、各回路板1が相互に位置ずれすることを防止して、それぞれの回路が相互に正確に位置合わせされた状態で加熱加圧成形して積層する必要がある。
【0004】
そこで、プリプレグ2を介して回路板1を重ねる際に、回路板1の対向する各端縁部をそれぞれ局所的に加熱加圧することによって、プリプレグ2の樹脂を部分的に回路板1に熱溶着させ、プリプレグ2を介して各回路板1を結合することが行なわれている。このように各回路板1をプリプレグ2を介して結合しておくことによって、各回路板1が相互に位置ずれすることを防止することができものであり、各回路板1の回路を相互に正確に位置合わせした状態で加熱加圧成形して積層一体化することができるのである。
【0005】
そしてこのように各回路板1をプリプレグ2を介して結合するにあたって、回路板1の重ね枚数が多いときには、回路板1をプリプレグ2を介して結合する作業は図1のように順次行なわれる。すなわち、まず図1(a)のように、2枚の回路板1a,1bの間にプリプレグ2aを挟み、各回路板1a,1bの対向する端縁部の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2aを介して2枚の回路板1a,1bを結合する。次に図1(b)のように、回路板1a,1bのうち一方の回路板1bにプリプレグ2bを介して他の回路板1cを重ね、回路板1a,1cの対向する端縁部の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2bを介して回路板1b,1cを結合する。次に図1(c)のように、外側に位置する回路板1a,1cのうち一方の回路板1cにプリプレグ2cを介して他の回路板1dを重ね、回路板1a,1dの対向する端縁部の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2cを介して回路板1c,1dを結合する。さらにプリプレグ2を介して回路板1を重ねると共に熱圧着ヘッド11で加熱加圧をする結合作業を必要回数繰り返すことによって、図1(d)のように、複数枚の回路板1a〜1fをプリプレグ2a〜2eを介して重ねると共に相互に結合することができるものである。
【0006】
ここで、プリプレグ2に回路板1を熱溶着させて結合させる箇所は、回路板1の対向する端縁に沿った複数箇所に設定されており、位置ずれを防止する結合が確実に行なわれるようにしてある。例えば図3に示すように、回路板1の対向する端縁に沿ったa〜eの複数箇所に設定し、a〜eの各個所において回路板1の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行なうことによって、a〜eの各個所でプリプレグ2に回路板1を熱溶着させて結合させるようにしている。そして、図1(a)〜(d)におけるような、プリプレグ2を介して回路板1を重ねると共に熱圧着ヘッド11で加熱加圧をする結合作業の各回ごとに、a〜eの同じ箇所において回路板1の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行ない、a〜eの同じ箇所において回路板1をプリプレグ2に熱溶着させるようにするのが一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように熱圧着ヘッド11で加熱加圧を行なうにあたって、加熱温度は通常200℃以上で行なわれるので、熱圧着ヘッド11が圧接される回路板1の表面の樹脂は高温の作用で部分的に炭化されるおそれがある。回路板1の表面の樹脂がこのように炭化されていると、この回路板1を次回の結合作業においてプリプレグ2と熱溶着させる際の接着強度が低くなるおそれがある。回路板1の表面の樹脂が炭化されていないと、プリプレグ2の樹脂とこの回路板1の樹脂の重合反応によって、強固な接着力で熱溶着させることができるが、回路板1の表面の樹脂が炭化されているとこのような重合反応が不十分になり、強固な接着力で熱溶着させることができないのである。
【0008】
そして上記のように、プリプレグ2を介して重ねた回路板1に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧をする結合作業を、総ての回において同じ箇所に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行なって、総て同じa〜eの箇所で回路板1をプリプレグ2に熱溶着させるようにすると、2回目以降の結合作業で熱溶着させる総ての箇所において回路板1とプリプレグ2との結合力が不十分になるおそれがある。従ってこのように複数枚の回路板1をプリプレグ2を介して重ねたものを加熱加圧成形して多層プリント配線板を成形するにあたって、結合力が不十分な回路板1に位置ずれが生じるおそれがあり、回路板1に層間位置ずれが発生するおそれがあった。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、回路板が層間位置ずれすることなく積層することができる多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る多層プリント配線板の製造方法は、回路板1をプリプレグ2を介して重ねると共に端縁に沿った3箇所以上の複数箇所で局所的に加熱加圧することによって、プリプレグ2の樹脂を部分的に回路板1に熱溶着させてプリプレグ2の両側に回路板1を結合させ、次に外側に位置する回路板1のいずれか一方の回路板1にプリプレグ2を介して他の回路板1を重ねると共に端縁に沿った3箇所以上の複数箇所で局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2の樹脂を部分的に回路板1に熱溶着させてこのプリプレグ2の両側に回路板1を結合させ、この結合作業を複数回繰り返して複数枚の回路板1をプリプレグ2を介して重ねた後、これを加熱加圧成形することによって、プリプレグ2による絶縁接着層3を介して複数枚の回路板1を積層一体化して多層プリント配線板を製造するにあたって、結合作業の前回とその次の回とにおいて、端縁に沿った3箇所以上の複数箇所のうち少なくとも両端の箇所が同じ位置にならないようにずらした位置で局所的に加熱加圧をしてプリプレグ2の両側に回路板1を結合させるようにすることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項1の発明は、結合作業の回ごとに、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とするものである。
【0012】
また請求項の発明は、請求項において、結合作業の回ごとに加熱加圧時間を順次長くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とするものである。
【0013】
また請求項の発明は、請求項において、結合作業の回ごとに加熱温度を順次高くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とするものである。
【0014】
また請求項の発明は、請求項において、結合作業の回ごとに加圧圧力を順次高くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とするものである。
【0015】
また請求項の発明は、請求項1乃至のいずれかにおいて、結合作業の最終回の加熱加圧条件を最も高く設定することを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
本発明において回路板1としては、内層用回路板などとして用いられている任意のものを使用することができるものである。すなわち、ガラスクロスなどの基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂ワニスを含浸して加熱乾燥することによってプリプレグを作製し、このプリプレグを複数枚重ねると共にその外側に銅箔など金属箔を重ね、これを加熱加圧成形することによって金属箔張り積層板を作製し、そしてこの金属箔張り積層板の金属箔をエッチング加工などして回路形成をすることによって製造されたものを用いることができる。
【0018】
またプリプレグ2としては、多層成形用などとして用いられている任意のものを使用することができるものである。すなわち、ガラスクロスなどの基材にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂ワニスを含浸し、これを加熱乾燥して含浸した熱硬化性樹脂を半硬化状態にすることによって、製造されたものを用いることができる。
【0019】
上記の複数枚の回路板1を内層材として用い、複数枚の回路板1をプリプレグ2を介して加熱加圧成形して積層一体化することによって、多層プリント配線板を製造することができるものであるが、この加熱加圧成形をするに先だって、回路板1が相互に位置ずれしないようにプリプレグ2によって結合する。
【0020】
すなわち既述の図1(a)のように、まず2枚の回路板1a,1bの間にプリプレグ2aを挟み、各回路板1a,1bの相対する端縁部の各外面に熱圧着ヘッド11を対向させて配置すると共に圧接させ、回路板1a,1bを通してプリプレグ2aを局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2aの樹脂を部分的に回路板1a,1bに熱溶着させ、このプリプレグ2aを介して回路板1a,1bを結合する。このようにして1回目の結合作業をした後、次に図1(b)のように、結合した回路板1a,1bのうち一方の回路板1bにプリプレグ2bを介して他の回路板1cを重ね、回路板1a,1cの相対する端縁部の各外面に熱圧着ヘッド11を対向させて配置すると共に圧接させ、回路板1a〜1cを通してプリプレグ2bを局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2bを介して回路板1b,1cを結合する。このようにして2回目の結合作業をした後、次に図1(c)のように、外側に位置する回路板1a,1cのうち一方の回路板1cにプリプレグ2cを介して他の回路板1dを重ね、回路板1a,1dの相対する端縁部の各外面に熱圧着ヘッド11を対向させて配置すると共に圧接させ、回路板1a〜1dを通してプリプレグ2cを局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグ2cを介して回路板1c,1dを結合する。このようにプリプレグ2を介して回路板1を重ねると共に熱圧着ヘッド11で加熱加圧をする結合作業を必要回数繰り返した後、図1(d)のように、複数枚の回路板1a〜1fをプリプレグ2a〜2eを介して重ねると共に、外側に位置する回路板1a,1fの相対する端縁部の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて局所的に加熱加圧する最終回の結合作業をすることによって、複数枚の回路板1a〜1fをプリプレグ2a〜2eを介して相互に結合することができるものである。
【0021】
そしてこのように複数枚の回路板1a〜1fをプリプレグ2a〜2eを介して重ねると共に相互に結合した後、既述の図4(a)のように必要に応じて最外層の回路板1の外面にプリプレグ2を介して銅箔等の金属箔10を重ね、これを熱盤間で加熱加圧成形することによって、プリプレグ2の樹脂が溶融硬化して形成される絶縁接着層3で複数枚の回路板1や金属箔10を積層一体化した図4(b)のような多層プリント配線板を得ることができるものである。このとき、各回路板1はプリプレグ2を介して結合されているので、回路板1とプリプレグ2を重ね合わせたものを熱盤間にセットする際や、加熱加圧成形を行なう際に、各回路板1が相互に位置ずれすることを防止することができるものであり、各回路板1の回路を相互に正確に位置合わせした状態で積層一体化することができるのである。
【0022】
ここで、プリプレグ2に回路板1を熱溶着させて結合させる箇所は、回路板1の対向する端縁に沿った等間隔の複数箇所に設定されるが、例えば図2に示すように、既述の図3の場合よりも多数のa〜iの箇所に設定してある。そして本発明では、図1(a)〜(d)のような工程で、プリプレグ2を介して回路板1を重ねると共に熱圧着ヘッド11で加熱加圧をする結合作業の各回ごとに、このa〜iの箇所から3箇所以上を選定した箇所において、外側に位置する回路板1の外面に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行ない、回路板1をプリプレグ2に熱溶着させて結合させるようにするものであり、しかもこのとき、結合作業の1回目と2回目、2回目と3回目、3回目と4回目、つまりN回目とN+1回目というように、前回とその次の回の結合作業において、3箇所以上の複数箇所のうち少なくとも両端の箇所が同じ位置にならないで、ずれた位置になるように、加熱加圧をする箇所を選定して結合作業を行なうようにしてある。
【0023】
例えば、前回の結合作業においてa,c,e,g,iの箇所に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行ない、次回の結合作業ではb,d,f,hの箇所に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行なうようにして、前回と次回の結合作業において熱溶着させる箇所が総て異なるようにしたり、前回の結合作業においてa,c,e,g,iの箇所に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行ない、次回の結合作業ではb,c,e,g,hの箇所に熱圧着ヘッド11を圧接させて加熱加圧を行なうようにして、前回と次回の結合作業において中央部側の箇所は同じでも両端の箇所が異なるよう熱溶着の箇所を設定したりするものである。このように熱溶着させる箇所は両端の箇所が異なる位置であればよく、総ての箇所が異なっている必要は特にない。またこのように少なくとも両端の箇所が同じ位置にならないように熱溶着位置をずらして結合作業を行なう必要があるのは連続する前回と次回の結合作業においてであり、例えば1回目と3回目、2回目と4回目、あるいは1回目と4回目のように、連続しない回の結合作業においては熱圧着の箇所が総て同じ箇所であっても差し支えない。
【0024】
上記のように前回と次回の結合作業において熱溶着の箇所が同じにならないようずらすことによって、前回の結合作業で熱圧着ヘッド11が圧接された回路板1の表面の樹脂が部分的に炭化されても、次回の結合作業ではこの炭化された部分をさけた箇所でこの回路板1をプリプレグ2と熱溶着させることができるものであり、プリプレグ2の樹脂とこの回路板1の炭化されていない樹脂との重合反応によって強固な接着力で熱溶着させることができるものである。従って、前回と次回の結合作業において熱溶着させる箇所が総て異なるようにするのが最も好ましいが、熱溶着させる複数箇所のうち両端の箇所が異なっていれば、この両端の箇所においてプリプレグ2の樹脂と回路板1の炭化されていない樹脂とを強固な接着力で熱溶着させることができるので、総ての箇所が異なっている必要はない。熱溶着させる複数箇所のうち両端の箇所は、一般に四角形に形成される回路板1の四隅の角部に近い位置に配置されるので、回路板1の縦方向及びそれに垂直な横方向のいずれの方向に対しても位置ずれを防ぐには、この箇所において回路板1の結合固定を行なう必要がある。従って本発明では熱溶着させる複数箇所のうち少なくとも両端の箇所が異なるように結合作業を行なう必要があるのである。
【0025】
上記の図1(a)〜(d)のような工程で、プリプレグ2を介して回路板1を重ねると共に熱圧着ヘッド11で加熱加圧をする結合作業を順次行なうと、結合作業が1回目から2回目、2回目から3回目と作業回数が増えるに伴って重ねられる回路板1の枚数が増えるので、熱圧着ヘッド11で加熱加圧してもプリプレグ2の樹脂を溶融させ難くなり、プリプレグ2と回路板1の熱溶着が不十分になって十分に結合させることができなくなるおそれがある。
【0026】
そこでこの場合には、結合作業の回数が増えて重ねられる回路板1の枚数が増えるのに伴って、熱圧着ヘッド11による加熱加圧条件が順次高くなるように設定する。熱圧着ヘッド11で加熱加圧する際の条件のファクターは主として、加熱加圧の時間、加熱温度、加圧圧力の3つであるので、この3つのファクターのうち少なくとも一つの条件を結合作業の回数に従って順次高くすればよい。すなわち、結合作業ごとに、加熱加圧の時間を順次長くし、あるいは加熱温度を順次高くし、あるいは加圧圧力を順次高くすることによって、結合作業の作業回数が増えるに伴って重ねられる回路板1の枚数が増えても、それに合わせて順次高い加熱加圧条件で加熱加圧することができるので、プリプレグ2と回路板1の熱溶着を十分に行なわせることができるものである。勿論、加熱加圧の時間、加熱温度、加圧圧力の3つのうち、いずれか2つ、あるいは3つとも、結合作業ごとに順次高くするようにしてもよい。ここで、加熱加圧の時間は5秒〜120秒程度の範囲で、加熱温度は250℃〜350℃程度の範囲で、加圧圧力は0.1MPa〜1MPa程度の範囲で調整することができる。
【0027】
また、上記の図1(a)〜(d)のように回路板1をプリプレグ2を介して順次重ねていく作業は同じ場所で行なわれるので、この回路板1を順次重ねる作業の際に回路板1が位置ずれすることは少ない。一方、このようにプリプレグ2を介して回路板1を複数重ねたものを加熱加圧成形して多層プリント配線板を積層する作業は、回路板1をプリプレグ2を介して順次重ねていく作業の場所とは別の場所で行なわれるので、作業場所を移動する際に回路板1が位置ずれし易い。そこで、図1(d)のような最終回の結合作業において熱圧着ヘッド11による加熱加圧条件を最も高く設定し、回路板1とプリプレグ2を高い強度で結合するように熱溶着させるようにしておけば、作業場所の移動の際に回路板1が位置ずれすることを確実に防ぐことができるものであり、また回路板1の位置ずれが起こり難い図1(a)〜(c)のような最終回以外の結合作業においては、熱圧着ヘッド11による加熱加圧条件を低く設定して、回路板1とプリプレグ2を仮固定程度の低い強度で結合するように熱溶着させればよい。このように加熱加圧条件を設定することによって、結合作業の総ての回において同じ加熱加圧条件に設定するよりも作業効率を合理化することができるものである。ここで、最終回以外の結合作業での加熱加圧条件は、時間5秒〜20秒程度、温度200〜250℃程度、圧力0.1MPa〜0.2MPa程度に設定することができ、最終回の結合作業での加熱加圧条件は、時間50〜120秒程度、温度300℃〜350℃程度、圧力は0.2MPa〜1MPa程度の範囲で調整することができる。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0029】
参考例1)
回路板1として、ガラス織布基材エポキシ樹脂積層板を基板とし、両面に銅箔によって回路を形成したサイズ500mm×500mm×厚み0.2mmのものを用いた。この回路板1の端縁の表面には8ヶ所において層間ずれ計測用のマークを銅箔で形成した。またプリプレグ2として、ガラス織布基材にエポキシ樹脂を含浸して得られた厚み0.2mmのFR−4グレードのものを用いた。さらに、熱圧着ヘッド11で加熱加圧する箇所として、回路板1の相対する各端縁に沿って図2のように等間隔でa〜iの箇所を設定した。
【0030】
そしてまず1回目の結合作業として、図1(a)のように2枚の回路板1,1の間に1枚のプリプレグ2を挟み、各回路板1,1のa,c,e,g,iの5箇所の外面に加熱加圧面の大きさが20mm×3mmの熱圧着ヘッド11を対向させて配置し、表1の条件で加熱加圧を行なった。次に2回目の結合作業として、図1(b)のようにプリプレグ2を介して他の回路板1を重ね、外側に位置する回路板1,1のb,d,f,hの4箇所の外面に熱圧着ヘッド11を対向させて配置し、表1の条件で加熱加圧を行なった。以下同様にして、3回目、4回目、5回目の結合作業を、表1に示す箇所で、且つ表1に示す加熱加圧条件で行なった。
【0031】
このように5回の作業で6枚の回路板1をプリプレグ2を介して重ねると共に相互に結合した後、図4(a)のように回路板1の外面にプリプレグ2を介して銅箔10を重ね、これを180℃、2.5MPa、60分間の条件で加熱加圧成形することによって、プリプレグ2の樹脂が溶融硬化して形成される絶縁接着層3で複数枚の回路板1や銅箔10を積層一体化した図4(b)のような14層回路構成の多層プリント配線板を得た。
【0032】
(実施例、参考例2、3、比較例1〜2)
5回の結合作業を、表2〜6に示す箇所で、且つ表2〜6に示す加熱加圧条件で行なうようにした他は、参考例1と同様にして6枚の回路板1をプリプレグ2を介して重ね、さらにこれを加熱加圧成形することによって14層回路構成の多層プリント配線板を得た。
【0033】
【表1】
Figure 0003838108
【0034】
【表2】
Figure 0003838108
【0035】
【表3】
Figure 0003838108
【0036】
【表4】
Figure 0003838108
【0037】
【表5】
Figure 0003838108
【0038】
【表6】
Figure 0003838108
【0039】
上記のようにして実施例、参考例1〜3及び比較例1〜2で得た多層プリント配線板について、X線計測機で8箇所の計測マークを観察し、8箇所の計測マークの位置ずれ量の平均値を回路板1の層間ずれ量として結果を表7に示す。
【0040】
【表7】
Figure 0003838108
【0041】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る多層プリント配線板の製造方法は、回路板をプリプレグを介して重ねると共に端縁に沿った3箇所以上の複数箇所で局所的に加熱加圧することによって、プリプレグの樹脂を部分的に回路板に熱溶着させてプリプレグの両側に回路板を結合させ、次に外側に位置する回路板のいずれか一方の回路板にプリプレグを介して他の回路板を重ねると共に端縁に沿った3箇所以上の複数箇所で局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグの樹脂を部分的に回路板に熱溶着させてこのプリプレグの両側に回路板を結合させ、この結合作業を複数回繰り返して複数枚の回路板をプリプレグを介して重ねた後、これを加熱加圧成形することによって、プリプレグによる絶縁接着層を介して複数枚の回路板を積層一体化して多層プリント配線板を製造するにあたって、結合作業の前回とその次の回とにおいて、端縁に沿った3箇所以上の複数箇所のうち少なくとも両端の箇所が同じ位置にならないようにずらした位置で局所的に加熱加圧をしてプリプレグの両側に回路板を結合させるようにしたので、前回の結合作業で局所的に加熱加圧された回路板の樹脂が部分的に炭化されても、次回の結合作業ではこの炭化された部分をさけた箇所でこの回路板をプリプレグと熱溶着させることができ、プリプレグの樹脂とこの回路板の炭化されていない樹脂との重合反応によって強固な接着力で熱溶着させることができるものであり、各回路板を強固に結合することができ、各回路板が層間位置ずれすることなく積層一体化することができるものである。
【0042】
また請求項の発明は、結合作業の回ごとに、加熱加圧条件を順次高く設定するようにしたので、結合作業の作業回数が増えるに伴って重ねられる回路板の枚数が増えても、それに合わせて順次高い加熱加圧条件で加熱加圧することができ、プリプレグと回路板の熱溶着を十分に行なわせて、回路板の位置ずれを防止することができるものである。
【0043】
また請求項の発明は、結合作業の回ごとに加熱加圧時間を順次長くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定するようにしたので、結合作業の作業回数が増えるに伴って重ねられる回路板の枚数が増えても、それに合わせて順次高い加熱加圧条件で加熱加圧することができ、プリプレグと回路板の熱溶着を十分に行なわせて、回路板の位置ずれを防止することができるものである。
【0044】
また請求項の発明は、結合作業の回ごとに加熱温度を順次高くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定するようにしたので、結合作業の作業回数が増えるに伴って重ねられる回路板の枚数が増えても、それに合わせて順次高い加熱加圧条件で加熱加圧することができ、プリプレグと回路板の熱溶着を十分に行なわせて、回路板の位置ずれを防止することができるものである。
【0045】
また請求項の発明は、結合作業の回ごとに加圧圧力を順次高くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定するようにしたので、結合作業の作業回数が増えるに伴って重ねられる回路板の枚数が増えても、それに合わせて順次高い加熱加圧条件で加熱加圧することができ、プリプレグと回路板の熱溶着を十分に行なわせて、回路板の位置ずれを防止することができるものである。
【0046】
また請求項の発明は、結合作業の最終回の加熱加圧条件を最も高く設定するようにしたので、結合作業の各回の総てにおいて高い条件で加熱加圧を行なう必要なく、回路板の位置ずれを効率良く防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】回路板をプリプレグを介して重ねると共に結合させる工程を示すものであり、(a)乃至(d)はそれぞれ概略断面図である。
【図2】同上の加熱加圧の箇所を示す回路板の平面図である。
【図3】同上の加熱加圧の箇所を示す回路板の平面図である。
【図4】多層プリント配線板の製造の工程を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【符号の説明】
1 回路板
2 プリプレグ
3 絶縁接着層

Claims (5)

  1. 回路板をプリプレグを介して重ねると共に端縁に沿った3箇所以上の複数箇所で局所的に加熱加圧することによって、プリプレグの樹脂を部分的に回路板に熱溶着させてプリプレグの両側に回路板を結合させ、次に外側に位置する回路板のいずれか一方の回路板にプリプレグを介して他の回路板を重ねると共に端縁に沿った3箇所以上の複数箇所で局所的に加熱加圧することによって、このプリプレグの樹脂を部分的に回路板に熱溶着させてこのプリプレグの両側に回路板を結合させ、この結合作業を複数回繰り返して複数枚の回路板をプリプレグを介して重ねた後、これを加熱加圧成形することによって、プリプレグによる絶縁接着層を介して複数枚の回路板を積層一体化して多層プリント配線板を製造するにあたって、結合作業の前回とその次の回とにおいて、端縁に沿った3箇所以上の複数箇所のうち少なくとも両端の箇所が同じ位置にならないようにずらした位置で局所的に加熱加圧をすると共に、結合作業の回ごとに、加熱加圧条件を順次高く設定してプリプレグの両側に回路板を結合させるようにすることを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 結合作業の回ごとに加熱加圧時間を順次長くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 結合作業の回ごとに加熱温度を順次高くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とする請求項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 結合作業の回ごとに加圧圧力を順次高くすることによって、加熱加圧条件を順次高く設定することを特徴とする請求項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  5. 結合作業の最終回の加熱加圧条件を最も高く設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
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