JP7093299B2 - 熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法 - Google Patents

熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法 Download PDF

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本発明は、熱プレスによって金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法に関するものである。
金型装置によって熱プレスして繊維強化樹脂を成形する熱プレス装置が知られている(例えば特許文献1)。
近年、自動車等の車両の骨格部材として、鋼板を繊維強化樹脂材で補強した金属樹脂複合体を用いることが提案されている。
特開平7-256673号公報
金属樹脂複合体を製造する方法としては、鋼板と繊維強化樹脂材とを熱プレス装置によって熱プレスして一体に成形する方法が考えられる。ただし、単に熱プレス装置を用いて金属樹脂複合体を成形するようにすると、繊維強化樹脂材の母材である合成樹脂材料が金型と鋼板との合わせ面の間に流れ込んでバリが発生することが避けられない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱プレスによる金属樹脂複合体の成形時におけるバリの発生を抑えることのできる熱プレス装置、および金属樹脂複合体の成形方法を提供することにある。
上記課題を解決するための熱プレス装置は、金属板に対して、熱硬化性の接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置において、可動型および固定型の少なくとも一方は、前記金属板との間に前記接着材の端部を挟むとともに同端部を前記接着材の内側部分および前記繊維強化樹脂材よりも先に硬化させるべく加熱する加熱部を備える。
上記課題を解決するための金属樹脂複合体の成形方法は、熱プレス装置を用い、熱硬化性の接着材を介して金属板に繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する金属樹脂複合体の成形方法であって、前記接着材の端部を、前記熱プレス装置の可動型および固定型の少なくとも一方と前記金属板との間に挟んだ状態にする挟持工程と、前記接着材の端部を、前記接着材の内側部分および前記繊維強化樹脂材よりも先に硬化させるべく加熱する加熱工程と、を有する。
一実施形態の熱プレス装置の中間位置まで型締めされた状態の側端面図。 同熱プレス装置によって成形される骨格部材の斜視図。 同骨格部材の図2の3-3線に沿った端面図。 型開き状態の熱プレス装置の側端面図。 型締め状態の熱プレス装置の側端面図。 型締め状態の熱プレス装置における接着シートの端部付近を拡大して示す断面図。 熱プレス装置による骨格部材の成形工程を示すフローチャート。 鋼板がセットされた状態の熱プレス装置の側端面図。 接着シートおよびSMCがセットされた状態の熱プレス装置の側端面図。 仮締め位置まで型締めされた状態の熱プレス装置の側端面図。 中間位置まで型締めされた状態の熱プレス装置における接着シートの端部付近を拡大して示す断面図。 他の実施形態の熱プレス装置の型開き状態の側端面図。 同熱プレス装置の型締め状態の側端面図。 型締め状態の熱プレス装置における接着シートの端部付近を拡大して示す断面図。
以下、熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法の一実施形態について説明する。
図2および図3に示すように、骨格部材20は、プレス成形された鋼板21に、接着材の層(接着層22)を介して、繊維強化樹脂材の層(繊維強化樹脂層23)が一体形成された構造をなしている。この骨格部材20は、鋼板21を炭素繊維強化樹脂(CFRP)で補強した金属樹脂複合体である。鋼板21は、溶融亜鉛鍍金鋼板(SCGA)や冷間圧延鋼板(SPC)によって構成されている。繊維強化樹脂層23は、熱硬化性の樹脂材料(エポキシ系の樹脂材料)を母材として不連続の炭素繊維を含む炭素繊維強化樹脂によって形成されている。接着層22は熱硬化性の樹脂材料(エポキシ系の樹脂材料)によって構成されている。接着層22を構成する樹脂材料としては、鋼板21と炭素繊維強化樹脂との接着に適した樹脂材料が採用されている。上記骨格部材20は、熱プレス装置を用いた熱プレスによって、具体的にはSMC(シート・モールディング・コンパウンド)成形法を通じて成形される。
以下、骨格部材20の成形に用いる熱プレス装置について説明する。
図4~図6に示すように、熱プレス装置30は、固定型41および可動型43によって構成された金型装置40を有している。金型装置40における固定型41と可動型43との間には、骨格部材20が成形されるスペースSP1(図5)が区画形成される。
固定型41の上部には下方に向けて窪む形状の凹部44が設けられている。この凹部44には、骨格部材20の成形に際して、鋼板21と、接着層22になる接着シートと、繊維強化樹脂層23になるSMCとがセットされる。なお、SMCは、熱硬化性の樹脂材料、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、充填材などを混合した樹脂ペーストを不連続の炭素繊維に含浸させるとともに、フィルムで被覆してシート状にしたものである。SMCは、所定の温度条件で加熱して増粘させることによって取り扱いが良好にされている。
可動型43は、固定型41に対して上下方向(型締め方向[図4の下方]および型開き方向[図4の上方])に相対移動可能に配置された母型45と、同母型45に対して上下方向に相対移動可能に取り付けられた入れ子46とを有している。母型45の下部には環状で突出する環状壁47が設けられている。この環状壁47の内周面には、全周にわたって延びるシール部材48が取り付けられている。熱プレス装置30による熱プレスの実行に際しては、油圧シリンダー(図示略)によって母型45を固定型41に近づく方向(図4の下方)に移動させるといったように、金型装置40の型締めが実行される。
金型装置40の型締めに伴い、シール部材48の内周面が固定型41の外周面に全周にわたって接触するようになる。このときシール部材48によって固定型41の外周面と可動型43(詳しくは、母型45の環状壁47)の内周面との隙間が塞がれて、金型装置40の内部において固定型41と可動型43とによって区画形成されるスペースの内外がシールされる。
入れ子46は、前記スペースSP1の端部に沿って延びる環状をなしている。入れ子46は、母型45の下面に形成された環状の環状溝50に出没可能に嵌まっている。環状溝50の内部には複数のスプリング49が間隔を置いて設けられている。各スプリング49の一端は入れ子46の上面に接触しており、他端は環状溝50の底面に接触している。金型装置40が型開き状態(図4に示す状態)であるときには、スプリング49の付勢力によって入れ子46が下方に移動して、同入れ子46の先端部分が環状溝50の内部から脱出した状態になる。一方、金型装置40が型締め状態(図5に示す状態)であるときには、入れ子46は、スプリング49の付勢力に抗して上方に移動して環状溝50の内部に収容された状態になる。
入れ子46の先端面は、内周側よりも外周側のほうが固定型41側に突出する形状の段部51を有している。金型装置40の型締めに際して、入れ子46の先端が鋼板21に当接した状態になると、入れ子46の先端面における段部51よりも内周側の部分と上記鋼板21の上面との間に隙間52(図6)が形成される。そして、本実施形態の金型装置40では、上記隙間52に接着シート22Aの端部22Bが納まるようになっている。
熱プレス装置30は、骨格部材20の熱プレスに先立ち、金型装置40内部における固定型41と可動型43とによって区画されるスペース内のガスを抜くための真空引き装置60を有している。この真空引き装置60は、大気圧よりも低い圧力が蓄圧される負圧タンク61と、同負圧タンク61に接続された負圧ポンプ62とを有している。母型45の環状壁47における上記シール部材48の配設部分よりも上方には貫通孔63が形成されている。そして、この貫通孔63と負圧タンク61とは連通路64を介して連通されている。連通路64の途中には、同連通路64による貫通孔63および負圧タンク61の連通と同連通の遮断とを切り替える開閉バルブ65が設けられている。
真空引き装置60は、次のように作動する。負圧ポンプ62の作動によって、負圧タンク61の内部は負圧(大気圧よりも低い圧力)になっている。そして、開閉バルブ65が開弁されると、連通路64を介して貫通孔63と負圧タンク61とが連通される。これに伴い、連通路64および貫通孔63を介して上記スペース内のガスが吸引されて抜かれて、同スペース内のガス量が少ない低圧状態になる。
熱プレス装置30は、金型装置40を加熱するための加熱装置70を有している。加熱装置70は、母型45の内部に形成された第1蒸気通路71と、入れ子46の内部に形成された第2蒸気通路72と、それら第1および第2蒸気通路71,72に接続されたボイラー73とを有している。第1および第2蒸気通路71,72にはボイラー73から高温の蒸気が供給されている。第1および第2蒸気通路71,72の内部を通過する高温の蒸気によって、母型45および入れ子46は加熱される。
以下、熱プレス装置30による熱プレスの実行態様を作用効果とともに説明する。
図7に示すように、骨格部材20の成形に際しては先ず、金型装置40の内部に鋼板21がセットされる(ステップS1)。具体的には、別途のプレス装置によって予めプレス成形された鋼板21が用意されている。そして、図8に示すように、金型装置40が型開き状態にされるとともに、上記鋼板21が固定型41の上に置かれる。
次に、金型装置40の内部に接着シート22AおよびSMC23Aがセットされる(図7のステップS2)。具体的には、図9に示すように、下方側から鋼板21、接着シート22A、およびSMC23Aの順で並ぶように、鋼板21の上に接着シート22AおよびSMC23Aが置かれる。
その後、金型装置40が型締め状態(図5に示す状態)になる位置よりも手前の仮締め位置まで型締めされる(図7のステップS3)。具体的には、図10に示すように、可動型43の環状壁47内面のシール部材48と固定型41の外周面とが周囲全周にわたって当接した状態になる位置であって、且つ、入れ子46の先端が鋼板21に当接しない位置まで可動型43が下方に移動される。これにより、固定型41と可動型43との間に所定のスペースSP2が区画形成される。そして、この状態で真空引き装置60によって上記スペースSP2内のガスを吸い出す工程(いわゆる真空引き)が実行される。具体的には、所定時間にわたり開閉バルブ65が開弁操作されて、上記スペースSP2に負圧タンク61が接続される。これにより、スペースSP2内のガス(空気)が抜かれて低圧状態になるため、その後における金型装置40の型締めがスムーズに行われるようになる。
その後、金型装置40が中間位置まで型締めされる(図7のステップS4)。具体的には、図1に示すように、入れ子46の先端が鋼板21および接着シート22Aの端部22Bに当接する位置であって、且つ、母型45が型締め状態(図5に示す状態)になる最終位置よりも手前の位置まで、可動型43が下方に移動される。本実施形態では、このように可動型43を移動させる工程が挟持工程に相当する。
そして、この状態が所定時間(例えば数秒)にわたって保持される。なお本実施形態では、発明者による各種の実験やシミュレーションの結果をもとにバリの発生が適正に抑えられる程度に接着シート22Aの端部22Bを硬化させることの可能な加熱時間が予め求められており、同時間が所定時間として定められている。また本実施形態では、入れ子46の先端が鋼板21および接着シート22Aの端部22Bに当接した状態を所定時間にわたって保持する工程が加熱工程に相当する。
図11に示すように、このときには入れ子46の先端と鋼板21との間に接着シート22Aの端部22Bが挟まれた状態になる。入れ子46は加熱装置70によって加熱されている。そのため、このとき接着シート22Aにおける上記入れ子46が当接している部分、すなわち接着シート22Aの端部22Bが加熱硬化されるようになる。なお、このとき接着シート22Aにおける端部22B以外の部分(内側部分)については、可動型43(入れ子46および母型45)に接触しておらず、可動型43による加熱および硬化はなされない。
このように本実施形態では、接着シート22Aの端部22Bが、入れ子46と鋼板21との間に挟まれた状態で同接着シート22Aの内側部分よりも先に硬化される。これにより、接着シート22Aの端部22Bの上面が入れ子46の先端面と密着した状態になるとともに、接着シート22Aの端部22Bの下面が鋼板21の上面と密着した状態になる。このように本実施形態では、入れ子46と鋼板21との間で硬化した接着シート22Aの端部22Bによって、入れ子46と鋼板21との隙間を埋めることができる。本実施形態では、入れ子46が、接着シート22Aの端部22Bを同接着シート22Aの内側部分よりも先に硬化させるべく加熱する加熱部に相当する。
ここで、プレス成形される鋼板21は、樹脂成形品と比較して、寸法精度が低くなり易い。そのため、プレス成形された鋼板21を用いて金型装置によって金属樹脂複合体を成形する際には、鋼板21と金型との合わせ面の間に隙間が生じやすく、この隙間に起因するバリが生じやすいと云える。この点、本実施形態では、接着シート22Aの端部22Bを鋼板21の外面と入れ子46の先端面とに密着させる態様で加熱して硬化させることができる。これにより、鋼板21と入れ子46との間を接着シート22Aの端部22Bによって的確に埋めることができるため、バリの発生を好適に抑えることができる。
その後、金型装置40が型締め状態になる位置(図5に示す最終位置)まで型締めされる(図7のステップS5)。これにより、熱プレスによって骨格部材20が成形されるようになる。具体的には、接着シート22Aが加熱硬化されて接着層22になり、SMC23Aが引き延ばされて所定形状に成形されるとともに加熱硬化されて繊維強化樹脂層23になる。このようにして、鋼板21、接着層22、および繊維強化樹脂層23を有する金属樹脂複合体としての骨格部材20が成形される。
本実施形態では、接着シート22A(接着層22)の端部22Bが、入れ子46と鋼板21との間に挟まれた状態で、同接着シート22Aの内側部分よりも先に加熱硬化される。そして、その後の熱プレスに際してSMC23Aが引き延ばされて所定形状に成形される。このとき、硬化した接着シート22Aの端部22Bによって堰き止められる態様で、SMC23Aが接着シート22Aの端部22Bを超えて前記スペースSP1の外部に流出することを抑えることができる。したがって、熱プレスによる骨格部材20の成形時におけるバリの発生を抑えることができる。
なお本実施形態の骨格部材20では、接着シート22Aの端部22Bが入れ子46の先端と鋼板21とに挟まれた状態で接着シート22Aの内側部分よりも先に加熱硬化されるため、接着シート22Aの端部22Bの各部の厚さにばらつきが生じる可能性は低い。これに対して、接着シート22Aの内側部分ではSMC23Aが引き延ばされる際に同接着シート22Aの表面をSMC23Aが流れるため、接着シート22Aの一部が一緒に流される等して、同接着シート22A(接着層22)の厚さにばらつきが生じる。
こうしたことから、本実施形態の骨格部材20では、接着シート22A(接着層22)の端部22Bと内側部分との境界(金型装置40における入れ子46の内周側の端部と母型45との境界)に僅かな段差が形成される。金型装置40では、接着シート22Aの端部22Bにおける内側部分側(図6の右側)の端部と、同金型装置40の内部においてSMC23Aが流動する領域(接着シート22Aの上面と母型45の下面とによって区画される領域)の端部とが一致している。そして、この端部(図6中に矢印Cで示す部分)に、上述した僅かな段差は形成される。しかも、本実施形態の骨格部材20では、接着層22の端部22Bと内側部分とで同接着層22の厚さのばらつき度合いが異なったものになる。
その後、金型装置40が型開き状態にされるとともに、同金型装置40の内部から骨格部材20が取り出される(図7のステップS6)。
このようにして、本実施形態の骨格部材20は、熱プレス装置30による熱プレスによって成形される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する作用効果が得られる。
(1)接着シート22Aの端部22Bが、入れ子46と鋼板21との間に挟まれた状態で、同接着シート22Aの内側部分およびSMC23Aよりも先に加熱硬化される。そのため、熱プレスによる骨格部材20の成形時におけるバリの発生を抑えることができる。
(2)可動型43は、母型45と、型締め方向において相対移動可能な態様で母型45に設けられた入れ子46とを有している。そして、加熱部としての入れ子46は、母型45よりも先に、金型装置40が型締め状態になったときの型締め位置(具体的には、入れ子46の先端が接着シート22Aの端部22Bに当接する位置)に到達するようになっている。そのため、熱プレスによる骨格部材20の成形に際して、先ず、入れ子46によって熱硬化性の接着シート22Aの端部22Bを加熱して硬化させることができる。そして、その後に母型45が型締め位置(最終位置)になるため、同母型45によって接着シート22Aの端部22Bよりも内側部分の樹脂材料(接着シート22AおよびSMC23A)を成形するとともに加熱硬化させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・骨格部材20の成形に際して、可動型43の移動を一時的に停止させることなく、金型装置40が型開き状態から型締め状態になるまで可動型43を移動させ続けるようにしてもよい。同構成によっても、母型45が型締め位置になる前に入れ子46が型締め位置になるため、接着シート22Aの端部22Bを、入れ子46と鋼板21との間に挟まれた状態で同接着シート22Aの内側部分およびSMC23Aよりも先に加熱硬化させることができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材20の成形方法は、貫通孔が形成される態様で接着層22および繊維強化樹脂層23が設けられていない部分(非形成部分)を有する骨格部材にも適用することができる。上記構成においては、前記入れ子46と同様の構造の入れ子、具体的には骨格部材の非形成部分の内縁に沿って延びる環状をなして接着シート22Aの端部を全周にわたり加熱することの可能な入れ子を設けるようにすればよい。こうした構成によれば、骨格部材の非形成部分の内縁において、接着シート22Aの端部を、入れ子の外面と鋼板21の外面との間に挟んだ状態で同接着シート22Aの内側部分およびSMC23Aよりも先に加熱硬化することができる。これにより、骨格部材の非形成部分の内縁におけるバリの発生を抑えることができる。
・接着層22や繊維強化樹脂層23が鋼板21における固定型41側の面に形成される場合には、固定型41に前記入れ子46と同様の構造の入れ子を設けるようにしてもよい。
・母型45および入れ子46を加熱するための構成として、ボイラー73や第1および第2蒸気通路71,72を設けることに代えて、可動型43の内部に高温のオイルを供給するオイル通路を設けたり、可動型43に電熱ヒータを取り付けたりしてもよい。
・接着シート22Aの端部22Bを加熱する加熱部を、可動型43に一体に設けたり固定型41に一体に設けたりしてもよい。
図12~図14に、そうした金型装置80の一例を示す。なお、図12~図14において、先の図1~図11に例示した熱プレス装置30と同様の構成については同一の符号もしくは対応する符号を付して示しており、それら構成についての重複する説明は省略する。
図12~図14に示すように、固定型81に一体の加熱部91と可動型83に一体の加熱部92とは共に、金属材料によって形成された基部93と同基部93の内部に設けられた発熱体としての電熱線94とによって構成されている。可動型83に一体の加熱部92は、断熱機能を有する断熱層95を介して可動型83に固定されている。加熱部92は、前記スペースSP1(図14)の端部に沿って延びる環状をなしている。加熱部92の下面は、内周側よりも外周側のほうが固定型81側に突出する形状の段部84を有している。金型装置80の型締めに際して、加熱部92の下面が鋼板21に当接した状態になると、加熱部92の下面における段部84よりも内周側の部分と上記鋼板21の上面との間に隙間52が形成される。そして、金型装置80では、上記隙間52に接着シート22Aの端部22Bが納まるようになっている。固定型81に一体の加熱部91は、断熱機能を有する断熱層95を介して固定型81に固定されている。加熱部91は、型締め状態(図13に示す状態)になると同加熱部91と上記加熱部92との間に鋼板21および接着シート22Aの端部22Bを挟み込む態様で延びる環状をなしている。上記構成では、加熱部92の電熱線94を通電することにより、同加熱部92の温度が可動型83における加熱部92以外の部分の温度よりも高くなる。また、加熱部91の電熱線94を通電することにより、同加熱部91の温度が固定型81における加熱部91以外の部分の温度よりも高くなる。
上記構成によれば、骨格部材20の成形に際して固定型81と可動型83とが型締め状態になったときに、加熱部91,92が配置される部分、すなわち接着シート22Aの端部22Bを加熱する部分を周辺部分よりも高温にすることができる。これにより、接着シート22Aの端部22Bを、同端部22Bよりも内側部分の樹脂材(具体的には、接着シート22Aの内側部分やSMC23A)よりも先に硬化させることができる。
なお、金型装置80における加熱部91を省略することができる。また、接着層22や繊維強化樹脂層23が鋼板21における固定型81側の面に形成される場合には、加熱部92を省略して、加熱部91のみを設けるようにしてもよい。さらに、加熱部91,92を基部93内に電熱線94が設けられた構造にすることに代えて、基部93内に蒸気が供給される蒸気通路が設けられた構造にすることや、基部93内に高温のオイルが供給されるオイル通路が設けられた構造にすることができる。
・接着シート22Aの端部22Bを、同端部22Bよりも内側部分を構成する樹脂材料よりも速く硬化する樹脂材料(いわゆる速硬化樹脂材料)によって構成してもよい。こうした構成によれば、接着シート22Aの端部22Bを早期に硬化させることができるため、SMC23Aが接着シート22Aの端部22Bを超えて流出することを好適に抑えることができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材20の成形方法は、熱プレス装置を用いた熱プレスによって骨格部材20を成形する装置であれば、SMC成形法以外の成形法によって骨格部材20を成形する装置にも適用することができる。そうした成形法としては、PCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)成形法や、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)成形法を挙げることができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材20の成形方法は、母材が熱可塑性の樹脂材料である繊維強化樹脂材を鋼板に熱プレスして成形される骨格部材に適用することができる。また、上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材の成形方法は、連続炭素繊維またはガラス繊維によって強化した繊維強化樹脂材を鋼板に熱プレスして成形される骨格部材にも適用可能である。その他、鋼板以外の金属板(例えばアルミニウム板)に繊維強化樹脂材を熱プレスして成形した骨格部材などにも、上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材の成形方法は適用することができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や金属樹脂複合体の成形方法は、自動車の骨格部材に適用することに限らず、金属板に対して、熱硬化性の接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして成形される金属樹脂複合体であれば、適用可能である。
20…骨格部材、21…鋼板、22…接着層、22A…接着シート、22B…端部、23…繊維強化樹脂層、23A…SMC、30…熱プレス装置、40…金型装置、41…固定型、43…可動型、44…凹部、45…母型、46…入れ子、47…環状壁、48…シール部材、49…スプリング、50…環状溝、51…段部、52…隙間、60…真空引き装置、61…負圧タンク、62…負圧ポンプ、63…貫通孔、64…連通路、65…開閉バルブ、70…加熱装置、71…第1蒸気通路、72…第2蒸気通路、73…ボイラー、80…金型装置、81…固定型、83…可動型、84…段部、91,92…加熱部、93…基部、94…電熱線、95…断熱層。

Claims (5)

  1. 金属板に対して、熱硬化性の接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置において、
    可動型および固定型の少なくとも一方は、前記金属板との間に前記接着材の端部を挟むとともに同端部を前記接着材における前記端部以外の部分である内側部分および前記繊維強化樹脂材よりも先に硬化させるべく加熱する加熱部を備える、ことを特徴とする熱プレス装置。
  2. 前記可動型は、母型と、前記可動型および前記固定型の型締め方向において相対移動可能な態様で前記母型に設けられた入れ子とを有し、
    前記加熱部は、加熱装置によって加熱された前記入れ子であり、
    前記入れ子は、前記母型よりも先に、前記可動型および前記固定型が型締め状態になったときの位置に到達するものである
    請求項1に記載の熱プレス装置。
  3. 前記加熱部は、前記可動型および前記固定型の少なくとも一方に一体に設けられる発熱体である
    請求項1に記載の熱プレス装置。
  4. 前記接着材の端部における前記内側部分の側の端部と、前記可動型および前記固定型の内部において前記繊維強化樹脂材が流動する領域の端部とが一致している
    請求項1~3のいずれか一項に記載の熱プレス装置。
  5. 熱プレス装置を用い、熱硬化性の接着材を介して金属板に繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する金属樹脂複合体の成形方法であって、
    前記接着材の端部を、前記熱プレス装置の可動型および固定型の少なくとも一方と前記金属板との間に挟んだ状態にする挟持工程と、
    前記接着材の端部を、前記接着材における前記端部以外の部分である内側部分および前記繊維強化樹脂材よりも先に硬化させるべく加熱する加熱工程と、を有する金属樹脂複合体の成形方法。
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