JP7208131B2 - 金属樹脂複合体 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板および繊維強化樹脂材が接着剤を介して一体に形成された金属樹脂複合体に関するものである。
近年、車両の骨格部材などに、金属板を繊維強化樹脂材で補強した金属樹脂複合体を用いることが提案されている(例えば特許文献1)。
また、車両の骨格部材として、金属板の端部同士を重ねた状態で部分的に接合することによって複数枚の金属板が繋がれた構造の金属板部材を用いること等も提案されている。
国際公開第2010/143365号
ここで、単に金属樹脂複合体を形成すると、上記金属板部材と繊維強化樹脂部材とを一体にする際に、繊維強化樹脂部材の母材である合成樹脂材料や金属板部材と繊維強化樹脂部材とを接着する接着剤が、金属板部材における金属板の継ぎ目の隙間を介して漏れ出すおそれがある。これは、金属樹脂複合体の意匠性の低下を招いたり繊維強化樹脂部材の形状ばらつきを招いたりするなど、同金属樹脂複合体の品質低下を招く一因になるために好ましくない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高品質の金属樹脂複合体を形成することの可能な構造の金属樹脂複合体を提供することにある。
上記課題を解決するための金属樹脂複合体は、少なくとも二枚の金属板が板面方向に並べられた状態で互いに接合されてなるとともに、前記二枚の金属板の端部が板厚方向に重ねられた状態で部分的に接合された構造の接合部を有してなる金属板部材と、繊維強化樹脂材料からなる繊維強化樹脂部材と、前記金属板部材における前記接合部を含む部分と前記繊維強化樹脂部材との間に介設されて前記金属板部材および前記繊維強化樹脂部材を接着する接着剤と、前記接合部に沿って延びて、前記二枚の金属板の端部の間に挟まれた挟持部と前記二枚の金属板の端部のうちの一方に係合する係合部とを有するシール部材と、を備える。
一実施形態の骨格部材における図4中に1で示す部分の断面図。 骨格部材の斜視図。 骨格部材の図2の3-3線に沿った断面図。 骨格部材の図2の4-4線に沿った断面図。 シール部材の取り付け態様を示す説明図。 シール部材の端面図。 シール部材の図6の7-7線に沿った端面図。 型開き状態の熱プレス装置の端面図。 型締め状態の熱プレス装置の端面図。 骨格部材の形成手順を示すフローチャート。 型締め過程におけるシール部材およびその周辺の端面図。 他の実施形態の骨格部材におけるシール部材の端面図。 他の実施形態の骨格部材におけるシール部材およびその周辺の断面図。 他の実施形態の骨格部材におけるシール部材およびその周辺の断面図。
以下、一実施形態の金属樹脂複合体について説明する。
図2~図4に示すように、骨格部材20は、二枚の金属板21A,21Bからなる金属板部材21に、接着剤の層である接着層22を介して、繊維強化樹脂材料からなる繊維強化樹脂部材23が一体形成された構造をなしている。この骨格部材20は、金属板部材21を炭素繊維強化樹脂(CFRP)で補強した金属樹脂複合体であり、断面ハット形状をなしている。
金属板部材21を構成する金属板21Aは溶融亜鉛鍍金鋼板(SCGA)によって形成されており、金属板21Bは冷間圧延鋼板(SPC)によって形成されている。金属板部材21は、二枚の金属板21A,21Bが板面方向(すなわち板厚方向と直交する方向)に並べられた状態で互いに接合された構造をなしている。金属板部材21は、詳しくは、二枚の金属板21A,21Bの端部が板厚方向に重ねられた状態で溶接によって部分的に接合された構造をなしている。
繊維強化樹脂部材23は、熱硬化性の樹脂材料(エポキシ系の樹脂材料)を母材として不連続の炭素繊維を含む炭素繊維強化樹脂によって形成されている。
接着層22は、金属板部材21における上記金属板21A,21Bの端部が接合された接合部21Cを含む部分と繊維強化樹脂部材23との間に介設されて、金属板部材21および繊維強化樹脂部材23を接着している。接着層22を構成する樹脂材料としては、金属板部材21と繊維強化樹脂部材23との接着に適した樹脂材料が採用されている。具体的には、接着層22は熱硬化性の樹脂材料(エポキシ系の樹脂材料)によって構成されている。
ここで、上記骨格部材20は、熱プレス装置を用いた熱プレスによって、具体的にはSMC(シート・モールディング・コンパウンド)成形法を通じて成形される。本実施形態では、図4に示すように、金属板部材21における接合部21Cにシール部材50が取り付けられている。このシール部材50により、熱プレスによって骨格部材20を成形する際に、二枚の金属板21A,21Bの隙間を介して繊維強化樹脂部材料の母材である合成樹脂材料や接着剤が漏れ出すことが抑えられるようになっている。
以下、シール部材50について詳細に説明する。
図1および図4および図5に示すように、シール部材50は、金属板部材21における接合部21Cの内面に沿って延びるコの字状をなしている。また、シール部材50は断面略U字状をなしている。詳しくは、シール部材50は、同シール部材50の延設方向に沿ってコの字状で延びる係合溝51を有している。この係合溝51は、金属板21Aの端部を嵌めることの可能な形状をなしている。
図1および図5に示すように、シール部材50における係合溝51の側壁を構成する一対の壁部のうちの一方は、二枚の金属板21A,21Bの端部の隙間と略同一の形状をなす挟持部52になっている。この挟持部52は、二枚の金属板21A,21Bの隙間を埋めるように同隙間に嵌めることの可能な形状をなしている。
シール部材50は弾性材料(熱可塑性のエラストマー)によって形成されている。
図6および図7に示すように、シール部材50の係合溝51の内側面、詳しくは金属板21Aの端部に対向する面には、略全面にわたって配置される態様で複数の凸部53が設けられている。これら凸部53は、係合溝51の開口から底に向かって延びる突条をなしており、同係合溝51の開口端に沿って等間隔で並ぶように設けられている。
図5中に白抜きの矢印で示すように、シール部材50は金属板部材21の内面側に取り付けられる。具体的には、シール部材50の挟持部52を二枚の金属板21A,21Bの隙間に進入させるとともに、シール部材50の係合溝51に金属板21Aの端部を進入させる。そして、金属板21Aの端部が係合溝51の底に突き当たることにより、金属板部材21へのシール部材50の取り付けが完了する。
このように本実施形態によれば、シール部材50の係合溝51の底に金属板21Aの端部が突き当たる位置まで同シール部材50の挟持部52を二枚の金属板21A,21Bの隙間に進入させて嵌めるといった簡単な作業を通じて、二枚の金属板21A,21Bの継ぎ目の隙間を塞ぐ適正な位置にシール部材50を配置することができる。
また本実施形態では、シール部材50の挟持部52の表面、詳しくは係合溝51の内側面に同シール部材50の取り付け方向に沿って延びる凸部53が形成されている。そして、シール部材50の取り付けが、挟持部52表面の凸部53を弾性変形させて潰しつつ同挟持部52を二枚の金属板21A,21Bの端部の隙間に押し込んで嵌めるといったように行われる。これにより、シール部材50の挟持部52の表面が金属板21A,21Bの端部の表面と同一の形状に形成される場合と比較して、金属板21Aと挟持部52との接触面圧が高くなる部分を少なくすることができるため、金属板部材21へのシール部材50の取り付けをスムーズに行うことができるようになる。
以下、骨格部材20の成形に用いる熱プレス装置30の構造について説明する。
図8および図9に示すように、熱プレス装置30は、固定型41および可動型43によって構成された金型装置40を有している。この金型装置40が図9に示す型締め状態になると、固定型41と可動型43との間には、断面ハット状で延びるスペース、すなわち骨格部材20が成形されるスペースが区画形成される。
固定型41の上部には下方に向けて窪んだ形状の凹部44が設けられている。この凹部44には、骨格部材20の成形に際して、金属板部材21と、接着層22になる接着シート22Aと、繊維強化樹脂部材23になるSMC23Aとがセットされる。なおSMC23Aは、熱硬化性の樹脂材料、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、充填材などを混合した樹脂ペーストを不連続の炭素繊維に含浸させるとともに、フィルムで被覆してシート状にしたものである。SMC23Aは、所定の温度条件で加熱して増粘させることによって取り扱いが良好にされている。
可動型43は、固定型41に対して上下方向、詳しくは型締め方向(図8の下方)および型開き方向(図9の上方)に移動可能に配置されている。可動型43の下部には下方に向けて突出した形状の突出部45が設けられている。また可動型43の下部における外縁には環状で突出する環状壁47が設けられている。この環状壁47の内周面には、全周にわたって延びるシール材48が取り付けられている。熱プレス装置30による熱プレスの実行に際しては、油圧シリンダー(図示略)によって可動型43を固定型41に近づく方向に移動させるといったように、金型装置40の型締めが実行される。
金型装置40の型締めに伴い、固定型41の凹部44に可動型43の突出部45が進入するようになるとともに、可動型43の環状壁47に設けられたシール材48の内周面が固定型41の外周面に全周にわたって接触するようになる。このときシール材48によって固定型41の外周面と可動型43の環状壁47の内周面との隙間が塞がれて、金型装置40の内部において固定型41と可動型43とによって区画形成されるスペースSPの内外がシールされる。
熱プレス装置30は、骨格部材20の熱プレスに先立ち、金型装置40内部における固定型41と可動型43とによって区画されるスペースSP内のガスを抜くための真空引き装置60を有している。この真空引き装置60は、大気圧よりも低い圧力が蓄圧される負圧タンク61と、同負圧タンク61に接続された負圧ポンプ62とを有している。可動型43の環状壁47における上記シール材48の配設部分よりも上方には貫通孔63が形成されている。そして、この貫通孔63と負圧タンク61とは連通路64を介して連通されている。連通路64の途中には、同連通路64による貫通孔63および負圧タンク61の連通と同連通の遮断とを切り替える開閉バルブ65が設けられている。
真空引き装置60は、次のように作動する。負圧ポンプ62の作動によって、負圧タンク61の内部は負圧(大気圧よりも低い圧力)になっている。そして、開閉バルブ65が開弁されると、連通路64を介して貫通孔63と負圧タンク61とが連通される。これに伴い、連通路64および貫通孔63を介して上記スペースSP内のガスが吸引されて抜かれて、同スペースSP内のガス量が少ない低圧状態になる。
熱プレス装置30は、金型装置40を加熱するための加熱装置70を有している。加熱装置70は、可動型43の内部に形成された蒸気通路71と、同蒸気通路71に接続されたボイラー73とを有している。蒸気通路71にはボイラー73から高温の蒸気が供給されている。蒸気通路71の内部を通過する高温の蒸気によって、可動型43は加熱される。
以下、骨格部材20の形成手順を作用とともに説明する。
図10に示すように、骨格部材20の形成に際しては先ず、金属板部材21が形成される(ステップS1)。具体的には、別途のプレス装置によって金属板21A,21Bが各別にプレス成形される。そして、それら金属板21A,21Bの端部を重ねた状態で部分的に接合して金属板21A,21Bを一体にすることにより、金属板部材21が形成される。
その後、図5に示すように、金属板部材21にシール部材50が取り付けられる(図10のステップS2)。本実施形態では、このようにしてシール部材50を取り付けられた金属板部材21が熱プレス装置30による熱プレスに用いられる。
そして、熱プレス装置30による骨格部材20の成形に際しては先ず、金型装置40の内部に、シール部材50および金属板部材21がセットされる(ステップS3)。具体的には、図8に示すように、金型装置40が型開き状態にされるとともに、シール部材50が取り付けられた状態の金属板部材21が固定型41の上に置かれる。
その後、金型装置40の内部に接着シート22AおよびSMC23Aがセットされる(図10のステップS4)。具体的には、図8に示すように、下方側から金属板部材21、接着シート22A、およびSMC23Aの順で並ぶように、金属板部材21の上に接着シート22AおよびSMC23Aが置かれる。
その後、金型装置40が図9に示す型締め状態になる位置よりも手前の仮締め位置まで型締めされる(図10のステップS5)。具体的には、可動型43の環状壁47内面のシール材48と固定型41の外周面とが周囲全周にわたって当接した状態になる位置であって、且つ、可動型43の下面が金属板部材21に当接しない位置まで同可動型43が下方に移動される。これにより、固定型41と可動型43との間に所定のスペースSPが区画形成される。そして、この状態で真空引き装置60によって上記スペースSP内のガスを吸い出す工程(いわゆる真空引き)が実行される。詳しくは、所定時間にわたり開閉バルブ65が開弁操作されて、上記スペースSPに負圧タンク61が接続される。これにより、スペースSP内のガスが抜かれて低圧状態になるため、その後における金型装置40の型締めがスムーズに行われるようになる。
その後、金型装置40が図9に示す型締め状態になる位置まで型締めされる(図10のステップS6)。これにより、熱プレスによって骨格部材20が成形されるようになる。詳しくは、接着シート22Aが加熱硬化されて接着層22になり、SMC23Aが引き延ばされて所定形状に成形されるとともに加熱硬化されて繊維強化樹脂部材23になる。このようにして、金属板部材21、シール部材50、接着層22、および繊維強化樹脂部材23を有する金属樹脂複合体としての骨格部材20が成形される。
図11に示すように、金型装置40の型締めに際しては、金属板部材21の接合部21Cの周辺では、金属板21Bの下面が固定型41によって支持された状態で、繊維強化樹脂部材23になるSMC23Aが金属板21Aの上面と可動型43の下面との間で押し広げられる。そのため、図11に白抜きの矢印で示すように、金属板部材21の接合部21Cにおいては、熱プレス装置30によるプレス圧力が二枚の金属板21A,21Bによってシール部材50の挟持部52を挟んで潰すように作用する。これにより、シール部材50の挟持部52の上面と金属板21Aの下面との接触面圧や同挟持部52の下面と金属板21Bの上面との接触面圧が高くなる。
そのため、金型装置40の型締めに際して、SMC23Aや接着シート22Aにプレス圧力が作用するとはいえ、SMC23Aの母材である合成樹脂材料や接着シート22Aを構成する接着剤が、シール部材50の挟持部52と金属板21Aとの隙間や同挟持部52と金属板21Bとの隙間を介して不要に漏れ出すことを抑えることができる。これにより、接着層22や繊維強化樹脂部材23のはみ出しに起因する骨格部材20の意匠性の低下を抑えたり、成形後における繊維強化樹脂部材23や接着層22の形状ばらつきを抑えたりすることができるため、高い品質の骨格部材20を形成することができる。
また本実施形態では、シール部材50の係合溝51の内側面に凸部53(図6参照)が形成されている。熱プレス装置30による熱プレスに際しては、プレス圧力によって凸部53が金属板21A,21Bに押し付けられて潰れることにより、シール部材50の係合溝51の内側面と金属板21Aの外面とが高い接触面圧で広範囲にわたって密着するようになる。そのため、シール部材50の係合溝51の内側面と金属板21Aの外面との隙間を介して上記合成樹脂材料や接着剤が不要に漏れ出すことを抑えることができる。
ここで、プレス成形される金属板21A,21Bは、樹脂成形品と比較して、寸法精度が低くなり易い。そのため、金属板21A,21Bが接合された構造の金属板部材21では、接合部21Cの各部における金属板21A,21Bの隙間を一定にすることが難しく、この隙間をシール部材によって塞ぐことも難しいと云える。この点、本実施形態では、熱プレス装置30によるプレス圧力が、シール部材50の挟持部52を二枚の金属板21A,21Bの端部で挟んだ状態で潰すように作用する。そのため、二枚の金属板21A,21Bの端部の隙間がシール部材50の挟持部52によって的確に埋められるようになる。
また本実施形態では、シール部材50が金属板部材21の内面側に取り付けられている。これにより、二枚の金属板21A,21Bの隙間におけるSMC23Aや接着シート22Aが配置される側の開口がシール部材50によって塞がれている。そのため、二枚の金属板21A,21Bの隙間にSMC23Aの母材である合成樹脂材料や接着シート22Aを構成する接着剤が不要に進入することを抑えることができる。これにより、成形後における繊維強化樹脂部材23や接着層22の形状ばらつきを抑えることができる。しかも本実施形態では、熱プレス装置30によるプレス圧力がSMC23Aや接着シート22Aを介してシール部材50の挟持部52を二枚の金属板21A,21Bの隙間に押し込むように作用する。これにより、シール部材50の係合溝51の底部に金属板21Aの端部が当接する位置で同シール部材50が保持されるようになるため、シール部材50の位置ずれが抑えられるようになる。
このようにして金型装置40が型締め状態にされた後(図10のステップS6)、金型装置40が型開き状態にされるとともに、同金型装置40の内部から骨格部材20が取り出される(ステップS7)。このように本実施形態の骨格部材20は、熱プレス装置30による熱プレスによって成形される。
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)骨格部材20に、二枚の金属板21A,21Bの端部の間に挟まれた挟持部52と金属板21Aの端部に係合する係合溝51とを有するシール部材50を、金属板部材21の接合部21Cに沿って延びる態様で設けるようにした。これにより、骨格部材20の意匠性の低下を抑えたり、成形後における繊維強化樹脂部材23や接着層22の形状ばらつきを抑えたりすることができるため、高い品質の骨格部材20を形成することができる。
(2)シール部材50に金属板21Aの端部が嵌まる形状の係合溝51を形成した。そのため、シール部材50の挟持部52を二枚の金属板21A,21Bの隙間に進入させる力が作用した場合であっても、金属板21Aの端部がシール部材50の係合溝51の底に突き当たることによって同シール部材50の移動が規制されるようになる。これにより、シール部材50の全体が二枚の金属板21A,21Bの間に嵌まり込んだ状態になってしまうことが抑えられるため、シール部材50を適正な位置に容易に配置することができる。
(3)シール部材50の係合溝51は、二枚の金属板21A,21Bの端部のうちの繊維強化樹脂部材23側に配置された金属板21Aの端部に係合している。これにより、二枚の金属板21A,21Bの隙間にSMC23Aの母材である合成樹脂材料や接着シート22Aを構成する接着剤が不要に進入することを抑えることができるため、成形後における繊維強化樹脂部材23や接着層22の形状ばらつきを抑えることができる。
(4)シール部材50の係合溝51の内側面に、非弾性変形状態において突出する形状の凸部53を設けるようにした。これにより、シール部材50の挟持部52の表面が金属板21A,21Bの端部の表面と同一の形状に形成される場合と比較して、金属板21Aと挟持部52との接触面圧が高くなる部分を少なくすることができるため、金属板部材21へのシール部材50の取り付けをスムーズに行うことができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・係合溝51の内側面に形成される凸部53の形状は任意に変更することができる。例えば係合溝51の内側面にドット状をなすように凸部を設けることが可能である。
・シール部材50の係合溝51の一対の内側面のうちの一方に形成される凸部53を省略したり、一対の内側面の両方に形成される凸部53を省略したりしてもよい。その他、シール部材50の挟持部52における金属板21Bに対向する面に、非弾性変形状態で突出する形状の凸部を設けることなども可能である。
・シール部材50の係合溝51の内側面に、凸部53を設けることに代えて、内面凹部を設けるようにしてもよい。同構成によっても、シール部材50の挟持部52の表面が金属板21A,21Bの端部の表面と同一の形状に形成される場合と比較して、金属板21Aと挟持部52との接触面圧が高くなる部分を少なくすることができる。
・図12に示すように、シール部材50の係合溝51の内側面に、同シール部材50の延設方向において連続的に延びる凸部である突条部54を設けるようにしてもよい。なお、シール部材50の係合溝51の内側面に前記凸部53が設けられている場合には、内側面からの突条部54の突出量が凸部53の突出量以上であることが好ましい。上記構成によれば、上記凸部53や上記内面凹部の形状によることなく、シール部材50の係合溝51の内部において、その延設方向の全長にわたって連続的にシール部材50(突条部54の突端)と金属板21Aの端部とを密着させることができる。そのため、SMC23Aの母材である合成樹脂材料や接着シート22Aを構成する接着剤が、シール部材50の挟持部52と金属板21Aとの隙間を介して不要に漏れ出すことを抑えることができる。
・図13に一例を示すように、二枚の金属板21A,21Bの端部のうちの繊維強化樹脂部材23から遠い側に配置された金属板21Bの端部がシール部材50の係合溝51に嵌まる態様で、金属板部材21の接合部21Cにシール部材50を設けるようにしてもよい。同構成によっても、上記(1)、(2)および(4)に記載の効果に準じた効果を得ることができる。
・二枚の金属板21A,21Bの端部のうちの一方に係合する係合部の形状は、同端部が嵌まる溝形状に限らず、任意の形状に変更することができる。例えば図14に示すように、シール部材80として、二枚の金属板21A,21Bに挟まれる挟持部52と二枚の金属板21A,21Bの一方の先端が当接する当接壁部81とを有する断面L字状のものを採用することができる。
・骨格部材20の成形に際して、可動型43の移動を一時的に停止させることなく、金型装置40が型開き状態から型締め状態になるまで可動型43を移動させ続けるようにしてもよい。
・可動型43を加熱するための構成として、ボイラー73や蒸気通路71を設けることに代えて、可動型43の内部に高温のオイルを供給するオイル通路を設けたり、可動型43に電熱ヒータを取り付けたりしてもよい。
・上記実施形態にかかる骨格部材は、SMC成形法以外の成形法によって成形される骨格部材にも適用することができる。そうした成形法としては、PCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)成形法や、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)成形法を挙げることができる。
・接着層22を構成する樹脂材料として、エポキシ系の樹脂材料以外の熱硬化性の樹脂材料(例えば、ウレタン系の樹脂材料や、アクリル系の樹脂材料)を採用することができる。その他、例えばホットメルト接着剤を接着層22を構成する接着剤として採用するなど、接着層22を構成する樹脂材料として熱可塑性の樹脂材料を採用することが可能である。
・繊維強化樹脂部材23の母材としては、エポキシ系の樹脂材料以外の熱硬化性の樹脂材料(例えば、不飽和ポリエステル樹脂や、ビニルエステル樹脂)を採用することができる。
・上記実施形態にかかる骨格部材は、母材が熱可塑性の樹脂材料である繊維強化樹脂材を金属板部材に熱プレスして成形される骨格部材にも適用することができる。また、上記実施形態にかかる骨格部材は、不連続の炭素繊維以外の繊維材料(例えば連続炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維)によって強化した繊維強化樹脂材を金属板部材に熱プレスして成形される骨格部材にも適用可能である。その他、鋼板以外の金属板(例えばアルミニウム板)からなる金属板部材に繊維強化樹脂材を熱プレスして成形した骨格部材などにも、上記実施形態にかかる骨格部材は適用することができる。
・上記実施形態にかかる骨格部材は、断面U字形状の骨格部材や断面L字形状の骨格部材など、断面ハット形状以外の任意の形状の骨格部材にも適用することができる。
・上記実施形態にかかる骨格部材は、金属板部材の表面に塗布した接着剤を介して、同金属板部材に繊維強化樹脂部材が貼り付けられる構造の骨格部材にも適用することができる。同構成によっても、繊維強化樹脂部材の貼り付けのために同繊維強化樹脂部材を接着剤および金属板部材に押し付けたときに、金属板部材の表面に塗布した接着剤が、二枚の金属板の隙間を介して漏れ出すことを抑制できる。
・上記実施形態にかかる骨格部材は、三枚以上の金属板が板面方向に並べられた状態で互いに接合された構造の金属板部材を有する骨格部材にも適用することができる。
・上記実施形態にかかる金属樹脂複合体は、自動車の骨格部材に適用することに限らず、接着剤を介して繊維強化樹脂部材と金属板部材とが接着された構造の金属樹脂複合体であれば、適用可能である。
20…骨格部材、21…金属板部材、21A,21B…金属板、21C…接合部、22…接着層、22A…接着シート、23…繊維強化樹脂部材、23A…SMC、30…熱プレス装置、40…金型装置、41…固定型、43…可動型、44…凹部、45…突出部、47…環状壁、48…シール材、50…シール部材、51…係合溝、52…挟持部、53…凸部、54…突条部、60…真空引き装置、61…負圧タンク、62…負圧ポンプ、63…貫通孔、64…連通路、65…開閉バルブ、70…加熱装置、71…蒸気通路、73…ボイラー、80…シール部材、81…当接壁部。

Claims (4)

  1. 少なくとも二枚の金属板が板面方向に並べられた状態で互いに接合されてなるとともに、前記二枚の金属板の端部が板厚方向に重ねられた状態で部分的に接合された構造の接合部を有してなる金属板部材と、
    繊維強化樹脂材料からなる繊維強化樹脂部材と、
    前記金属板部材における前記接合部を含む部分と前記繊維強化樹脂部材との間に介設されて前記金属板部材および前記繊維強化樹脂部材を接着する接着剤と、
    前記接合部に沿って延びて、前記二枚の金属板の端部の間に挟まれた挟持部と前記二枚の金属板の端部のうちの一方に係合する係合部とを有するシール部材と、
    を備える金属樹脂複合体。
  2. 前記係合部は、前記二枚の金属板の端部のうちの一方に係合する係合溝である
    請求項1に記載の金属樹脂複合体。
  3. 前記係合部は、前記二枚の金属板の端部のうちの前記繊維強化樹脂部材側に配置された前記端部に係合している
    請求項1または2に記載の金属樹脂複合体。
  4. 前記シール部材は、弾性材料によって構成されており、
    前記挟持部は、前記金属板の端部に対向する面に、非弾性変形状態において突出する形状の凸部が形成されている
    請求項1~3のいずれか一項に記載の金属樹脂複合体。
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