JP7249932B2 - 熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法 - Google Patents

熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱プレスによって金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法に関するものである。
金型装置によって熱プレスして繊維強化樹脂を成形する熱プレス装置が知られている(例えば特許文献1)。
近年、自動車等の車両の骨格部材として、鋼板を繊維強化樹脂材で補強した金属樹脂複合体を用いることが提案されている。
特開平7-256673号公報
金属樹脂複合体を製造する方法としては、鋼板と繊維強化樹脂材とを熱プレス装置によって熱プレスして一体に成形する方法が考えられる。ただし、単に熱プレス装置を用いて金属樹脂複合体を成形するようにすると、繊維強化樹脂材の母材である合成樹脂材料が金型と鋼板との合わせ面の間に流れ込んでバリが発生することが避けられない。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱プレスによる金属樹脂複合体の成形時におけるバリの発生を抑えることのできる熱プレス装置、および金属樹脂複合体の成形方法を提供することにある。
上記課題を解決するための熱プレス装置は、金属板に対して、接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置において、可動型および固定型の少なくとも一方は、前記接着材の端部を前記金属板との間に挟んだ状態で型締め方向に潰す形状をなす押潰部を有する。
上記課題を解決するための金属樹脂複合体の成形方法は、熱プレス装置を用い、接着材を介して金属板に繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する金属樹脂複合体の成形方法であって、前記熱プレス装置の型締めの過程において、前記接着材の端部を、同熱プレス装置の可動型および固定型の一方と前記金属板との間に挟むとともに型締め方向に押し潰す押潰工程と、前記熱プレス装置の型締め状態において前記接着材の端部を硬化させる硬化工程と、を有する。
一実施形態の熱プレス装置における(a)は図5中に1aで示す部分の側端面図であり、(b)は(a)中に1bで示す部分の側端面図。 金属樹脂複合体としての骨格部材の斜視図。 骨格部材の図2の3-3線に沿った断面図。 型開き状態の熱プレス装置の側端面図。 型締め状態の熱プレス装置の側端面図。 熱プレス装置による骨格部材の成形工程を示すフローチャート。 型締め過程の熱プレス装置における接着シートの端部およびその周辺の側端面図。 型締め過程の熱プレス装置における接着シートの端部およびその周辺の側端面図。 骨格部材の(a)は断面斜視図であり、(b)は(a)中に9bで示す部分の断面斜視図。 他の実施形態の熱プレス装置における接着シートの端部およびその周辺の側端面図。 他の実施形態の熱プレス装置における接着シートの端部およびその周辺の側端面図。 他の実施形態の熱プレス装置における接着シートの端部およびその周辺の側端面図。
以下、熱プレス装置および金属樹脂複合体の成形方法の一実施形態について説明する。
先ず、本実施形態にかかる熱プレス装置によって成形される金属樹脂複合体としての骨格部材について説明する。
図2および図3に示すように、骨格部材20は、プレス成形された鋼板21に、接着材の層である接着層22を介して、繊維強化樹脂材の層である繊維強化樹脂層23が一体形成された構造をなしている。この骨格部材20は、鋼板21を炭素繊維強化樹脂(CFRP)で補強した金属樹脂複合体であり、断面ハット形状をなしている。鋼板21は、溶融亜鉛鍍金鋼板(SCGA)や冷間圧延鋼板(SPC)によって構成されている。繊維強化樹脂層23は、熱硬化性の樹脂材料(エポキシ系の樹脂材料)を母材として不連続の炭素繊維を含む炭素繊維強化樹脂によって形成されている。接着層22は熱硬化性の樹脂材料(エポキシ系の樹脂材料)によって構成されている。接着層22を構成する樹脂材料としては、鋼板21と炭素繊維強化樹脂との接着に適した樹脂材料が採用されている。上記骨格部材20は、熱プレス装置を用いた熱プレスによって、具体的にはSMC(シート・モールディング・コンパウンド)成形法を通じて成形される。
次に、本実施形態にかかる熱プレス装置について説明する。
図4および図5に示すように、熱プレス装置30は、固定型41および可動型43によって構成された金型装置40を有している。この金型装置40が図5に示す型締め状態になると、固定型41と可動型43との間には、断面ハット状で延びるスペース、すなわち骨格部材20が成形されるスペースが区画形成される。
固定型41の上部における幅方向(図4の左右方向)の中央部分には、下方に向けて断面略台形状で窪んだ形状の凹部44が設けられている。この凹部44には、骨格部材20の成形に際して、鋼板21と、接着層22になる接着シートと、繊維強化樹脂層23になるSMCとがセットされる。なお接着シートは、厚さが均一の不織布に液状の熱硬化性樹脂材料を含浸させたものである。また、SMCは、熱硬化性の樹脂材料、硬化剤、増粘剤、内部離型剤、充填材などを混合した樹脂ペーストを不連続の炭素繊維に含浸させるとともに、フィルムで被覆してシート状にしたものである。SMCは、所定の温度条件で加熱して増粘させることによって取り扱いが良好にされている。
可動型43は、固定型41に対して上下方向、詳しくは型締め方向(図4の下方)および型開き方向(図4の上方)に移動可能に配置されている。可動型43の下部における幅方向の中央部分には、下方に向けて断面略台形状で突出した形状の突出部45が設けられている。また可動型43の下部における外縁には環状で突出する環状壁47が設けられている。この環状壁47の内周面には、全周にわたって延びるシール部材48が取り付けられている。熱プレス装置30による熱プレスの実行に際しては、油圧シリンダー(図示略)によって可動型43を固定型41に近づく方向に移動させるといったように、金型装置40の型締めが実行される。
金型装置40の型締めに伴い、固定型41の凹部44に可動型43の突出部45が進入するようになるとともに、可動型43の環状壁47に設けられたシール部材48の内周面が固定型41の外周面に全周にわたって接触するようになる。このときシール部材48によって固定型41の外周面と可動型43の環状壁47の内周面との隙間が塞がれて、金型装置40の内部において固定型41と可動型43とによって区画形成されるスペースSPの内外がシールされる。
熱プレス装置30は、骨格部材20の熱プレスに先立ち、金型装置40内部における固定型41と可動型43とによって区画されるスペースSP内のガスを抜くための真空引き装置60を有している。この真空引き装置60は、大気圧よりも低い圧力が蓄圧される負圧タンク61と、同負圧タンク61に接続された負圧ポンプ62とを有している。可動型43の環状壁47における上記シール部材48の配設部分よりも上方には貫通孔63が形成されている。そして、この貫通孔63と負圧タンク61とは連通路64を介して連通されている。連通路64の途中には、同連通路64による貫通孔63および負圧タンク61の連通と同連通の遮断とを切り替える開閉バルブ65が設けられている。
真空引き装置60は、次のように作動する。負圧ポンプ62の作動によって、負圧タンク61の内部は負圧(大気圧よりも低い圧力)になっている。そして、開閉バルブ65が開弁されると、連通路64を介して貫通孔63と負圧タンク61とが連通される。これに伴い、連通路64および貫通孔63を介して上記スペースSP内のガスが吸引されて抜かれて、同スペースSP内のガス量が少ない低圧状態になる。
熱プレス装置30は、金型装置40を加熱するための加熱装置70を有している。加熱装置70は、可動型43の内部に形成された蒸気通路71と、同蒸気通路71に接続されたボイラー73とを有している。蒸気通路71にはボイラー73から高温の蒸気が供給されている。蒸気通路71の内部を通過する高温の蒸気によって、可動型43は加熱される。
本実施形態では、熱プレスによる骨格部材20の成形時におけるバリの発生を抑えるために、金型装置40の可動型43における骨格部材20の接着層22の端部に対向する部分に、同接着層22(詳しくは接着シート)の端部を骨格部材20の鋼板21との間に挟んだ状態で型締め方向に潰す形状をなす押潰部50が設けられている。
以下、可動型43の押潰部50およびその周辺の構造について詳細に説明する。
図1および図4に示すように、可動型43の突出部45における幅方向の中央部分、詳しくは断面略台形状の突出部45における同台形状の上底にあたる部分と台形状の脚にあたる部分のうちの上底側の部分とが、骨格部材20の繊維強化樹脂層23の外面と同一の形状をなす中央成形部51になっている。
図1(a)および図1(b)に示すように、可動型43の突出部45における中央成形部51の外縁に接する部分には、同外縁に沿って延びる外縁成形部52が設けられている。図1(b)中の破線は、骨格部材20の成形前において固定型41の凹部44内に配置された状態の接着シート22Aを示している。上記外縁成形部52の形状は、金型装置40が型締め状態になったときにおける外縁成形部52の内面と鋼板21との隙間が図1(b)中に破線で示す前記接着シート22Aよりも厚くなるように定められている。
可動型43の突出部45における上記外縁成形部52の外縁に接する部分には、同外縁に沿って延びる押潰部50が設けられている。この押潰部50の形状は、金型装置40が型締め状態になったときにおける押潰部50の内面と鋼板21との隙間が図1(b)中に破線で示す上記接着シート22Aよりも薄くなるように定められている。押潰部50は、外縁成形部52に近い側の部分をなす平坦部53と、外縁成形部52から遠い側の部分をなす鋸歯部54とによって構成されている。
平坦部53の内面は、固定型41の凹部44の内面や鋼板21の外面と略平行に延びる形状をなしている。これにより本実施形態では、金型装置40が型締め状態になったときに、平坦部53の内面と鋼板21との隙間が略一定の厚さになる。
図1(b)に示すように、上記鋸歯部54の内面には、同鋸歯部54の外縁に沿って延びる突条をなす凸部54Aが設けられている。凸部54Aは、鋸歯部54の外縁に沿う方向と交差する方向において並ぶように3本設けられている。これら凸部54Aの外面における型開き方向に延びる部分には、抜き勾配が設定されている。3本の凸部54Aを有する鋸歯部54は、外縁に沿う方向と交差する方向における断面が略鋸歯形状をなしている。
図1および図4に示すように、可動型43の突出部45における幅方向の両端部分、詳しくは断面略台形状の突出部45における同台形状の脚にあたる部分のうちの下底側の部分には、合わせ部55が設けられている。合わせ部55の内面は、固定型41の凹部44の内面や鋼板21の外面と平行に延びる形状をなしており、金型装置40が型締め状態になったときにおける鋼板21との隙間が略「0」になる形状をなしている。
以下、熱プレス装置30による熱プレスの実行態様を作用とともに説明する。
図6に示すように、骨格部材20の成形に際しては先ず、金型装置40の内部に鋼板21がセットされる(ステップS1)。具体的には、別途のプレス装置によって予めプレス成形された鋼板21が用意されている。そして、図4に示すように、金型装置40が型開き状態にされるとともに、上記鋼板21が固定型41の上に置かれる。
次に、金型装置40の内部に接着シート22AおよびSMC23Aがセットされる(図6のステップS2)。具体的には、図4に示すように、下方側から鋼板21、接着シート22A、およびSMC23Aの順で並ぶように、鋼板21の上に接着シート22AおよびSMC23Aが置かれる。
その後、金型装置40が図5に示す型締め状態になる位置よりも手前の仮締め位置まで型締めされる(図6のステップS3)。具体的には、可動型43の環状壁47内面のシール部材48と固定型41の外周面とが周囲全周にわたって当接した状態になる位置であって、且つ、可動型43の合わせ部55が鋼板21に当接しない位置まで可動型43が下方に移動される。これにより、固定型41と可動型43との間に所定のスペースSPが区画形成される。そして、この状態で真空引き装置60によって上記スペースSP内のガスを吸い出す工程(いわゆる真空引き)が実行される。具体的には、所定時間にわたり開閉バルブ65が開弁操作されて、上記スペースSPに負圧タンク61が接続される。これにより、スペースSP内のガス(空気)が抜かれて低圧状態になるため、その後における金型装置40の型締めがスムーズに行われるようになる。
その後、金型装置40が図5に示す型締め状態になる位置まで型締めされる(図6のステップS4)。
図7に示すように、金型装置40の型締めの過程においては、先ず、可動型43の押潰部50、詳しくは平坦部53の内面が接着シート22Aの表面に突き当たるようになる。
その後、図8に示すように、可動型43が型締め方向(図8の下方)にさらに移動することによって、上記押潰部50の平坦部53が接着シート22Aに押し付けられて食い込むようになる。このとき、接着シート22Aにおける上記平坦部53が食い込む部分を可動型43と鋼板21との隙間における外縁成形部52側(図8の下側)や鋸歯部54側(図8の上側)に押し退けるようにして、同接着シート22Aの端部(詳しくは、接着シート22Aを構成する熱硬化性の樹脂材料)が押し広げられる。そして、接着シート22Aの端部における上記外縁成形部52側に押し退けられる部分は、図8中に矢印Aで示すように、同外縁成形部52内に進入するようになる。また、接着シート22Aの端部における上記鋸歯部54側に押し退けられる部分は、図8中に矢印Bで示すように、鋸歯部54内に進入するようになる。なお、このときにはSMC23Aは中央成形部51の内部において引き延ばされており、同中央成形部51の幅方向における両端部に到達していない。
その後、図1(a)および図1(b)に示すように、可動型43が型締め方向にさらに移動して金型装置40が型締め状態になると、可動型43と鋼板21との間で、接着層22と繊維強化樹脂層23とが成形される。詳しくは、中央成形部51の内部でSMC23Aが引き延ばされた状態で加熱硬化されて繊維強化樹脂層23になる。また、接着シート22Aの端部が外縁成形部52と鋼板21との間や押潰部50と鋼板21との間に挟まれるとともに型締め方向に押し潰され、その状態で加熱硬化されることによって、可動型43と鋼板21との隙間を塞ぐ形状の接着層22になる。
なお本実施形態では、接着シート22Aの端部の上面が可動型43の内面と密着した状態になるとともに、接着シート22Aの端部の下面が鋼板21の上面と密着した状態になる。このように本実施形態では、可動型43と鋼板21との間で押し潰された状態で加熱硬化される接着シート22Aの端部によって、可動型43と鋼板21との隙間を埋めることができる。なお本実施形態では、金型装置40の型締めの過程が押潰工程に相当し、金型装置40が型締め状態になったときが硬化工程に相当する。
その後、金型装置40が型開き状態にされるとともに、同金型装置40の内部から骨格部材20が取り出される(図6のステップS5)。このようにして、本実施形態の骨格部材20は、熱プレス装置30による熱プレスによって成形される。
図9(a)および図9(b)に示すように、本実施形態の骨格部材20は、鋼板21と繊維強化樹脂層23との間から接着層22の端部がはみ出した状態になっている。そして、この接着層22の端部は、同端部を押し潰す部分である可動型43の押潰部50の内面に倣った形状になる。本実施形態の骨格部材20では、接着層22における鋼板21と繊維強化樹脂層23との間からはみ出した部分、すなわち接着層22の端部が、接着層22の外縁に沿った方向と交差する方向における断面が略鋸歯状になっている。
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)熱プレス装置30の可動型43は、接着シート22Aの端部を鋼板21との間に挟んだ状態で型締め方向に潰す形状をなす押潰部50を有している。
そのため、熱プレス装置30による熱プレスに際して、接着シート22Aの端部を可動型43と鋼板21との間に挟んで潰すことにより、接着シート22Aの端部を可動型43の内面に密着させることができ、接着シート22Aの端部によって可動型43と鋼板21との隙間を埋めることができる。これにより、接着シート22Aの端部によって堰き止められる態様で、繊維強化樹脂層23を構成するSMC23A(具体的には、SMC23Aの母材である樹脂材料)が同端部を超えて流出することを抑制することができる。しかも、熱プレスに際して、熱硬化性の樹脂材料を含む接着シート22Aの端部が型締め方向に潰されて薄くなる。これにより、接着シート22Aの端部のうちの薄くなった部分を早期に硬化させることができるため、SMC23Aが接着シート22Aの端部を超えて流出することを好適に抑制することができる。したがって、熱プレスによる骨格部材20の成形時におけるバリの発生を抑えることができる。
ここで、プレス成形される鋼板21は、樹脂成形品と比較して、寸法精度が低くなり易い。そのため、プレス成形された鋼板21を用いて金型装置によって金属樹脂複合体を成形する際には、鋼板21と金型との合わせ面の間に隙間が生じやすく、この隙間に起因するバリが生じやすいと云える。この点、本実施形態では、接着シート22Aの端部を鋼板21と可動型43との間で潰した状態で加熱して硬化させることができる。これにより、鋼板21と可動型43との間を接着層22、詳しくは接着シート22Aの端部によって的確に埋めることができるため、バリの発生を好適に抑えることができる。
(2)可動型43における押潰部50は、鋼板21に対向する面において突出する凸部54Aを有している。この凸部54Aの突端部分においては、可動型43の押潰部50と鋼板21との隙間、すなわち接着シート22Aを挟む隙間を部分的に薄くすることができるため、同接着シート22Aの内部に熱を伝わり易くすることができる。したがって、接着シート22Aの端部の少なくとも一部を早期に硬化させることができるようになる。しかも、凸部54Aの突端部分から離れた部分においては接着シート22Aを挟む隙間を比較的厚くすることができるため、同部分を、凸部54Aの突端部分によって押し退けられた樹脂材料が逃げ込むスペースにすることができる。これにより、接着シート22Aの端部をスムーズに潰すことができるようになる。
(3)押潰部50の凸部54Aは、接着層22を構成する接着シート22Aの縁部に沿って延設されている。これにより、接着シート22Aの端部のうちの同接着シート22Aの縁部に沿って延びる部分を早期に硬化させることができるため、同部分によって堰き止めるようにして、繊維強化樹脂層23を構成するSMC23Aが接着シート22Aの端部を超えて流出することを好適に抑制することができる。
(4)押潰部50の凸部54Aは、接着シート22Aの縁部に沿う方向と交差する方向において並ぶように3本設けられている。
そのため、押潰部50によって押し退けられた接着シート22Aの一部、詳しくは接着シート22Aを構成する熱硬化性の樹脂材料が同接着シート22Aの外縁側に移動する際に、その樹脂材料が、接着シート22Aの外縁に沿って線状に延びる凸部54Aの配設部分において広い範囲にわたって、凸部54Aの突端部分と鋼板21との狭い隙間を通過するようになる。したがって、その狭い隙間において可動型43から接着シート22Aに熱を効率良く伝えることができ、接着シート22Aの端部を早期に硬化させることができる。しかも、接着シート22Aの端部において同接着シート22Aが早期に硬化する部分を複数箇所設けることができるため、それら部分によって、SMC23Aが接着シート22Aの端部を超えて流出することを好適に抑制することができる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・図10に示すように、接着シート22Aの外縁に沿って延びる凸部54Aを、1本のみ設けたり、2本だけ設けたり、4本以上設けたりしてもよい。
・図11に示すように、押潰部80を、固定型41の凹部44の内面や鋼板21の外面と略平行に延びる形状をなす平坦部83のみによって構成してもよい。
・可動型43の突出部45における外縁成形部52を省略してもよい。例えば図12に示すように、可動型43の突出部45における中央成形部51の外縁に接する部分に、同外縁に沿って延びる押潰部90を設けるようにしてもよい。
・押潰部50における鋼板21に対向する面の内面に形成される凸部54Aの形状は任意に変更することができる。例えば押潰部50の内面にドット状に配置される凸部を設けること等が可能である。
・骨格部材20の成形に際して、可動型43の移動を一時的に停止させることなく、金型装置40が型開き状態から型締め状態になるまで可動型43を移動させ続けるようにしてもよい。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材20の成形方法は、貫通孔が形成される態様で接着層22および繊維強化樹脂層23が設けられていない部分(非形成部分)を有する骨格部材にも適用することができる。上記構成においては、接着層22の端部や可動型43の押潰部50および外縁成形部52を、骨格部材の非形成部分の内縁に沿って延びる環状をなす態様で配置すればよい。こうした構成によれば、骨格部材の非形成部分の内縁において、接着シート22Aの端部を可動型43の外面と鋼板21の外面との間に挟んだ状態で型締め方向に潰すことができる。これにより、骨格部材の非形成部分の内縁におけるバリの発生を抑えることができる。
・接着層22や繊維強化樹脂層23が鋼板21における固定型41側の面に形成される場合には、前記押潰部50や外縁成形部52と同様の構造の押潰部や外縁成形部を固定型41に設けるようにしてもよい。
・可動型43を加熱するための構成として、ボイラー73や蒸気通路71を設けることに代えて、可動型43の内部に高温のオイルを供給するオイル通路を設けたり、可動型43に電熱ヒータを取り付けたりしてもよい。
・接着シート22Aの端部を、同端部よりも内側部分を構成する樹脂材料よりも速く硬化する樹脂材料、いわゆる速硬化樹脂材料によって構成してもよい。こうした構成によれば、接着シート22Aの端部を早期に硬化させることができるため、SMC23Aが接着シート22Aの端部を超えて流出することを好適に抑えることができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材20の成形方法は、熱プレス装置を用いた熱プレスによって骨格部材20を成形する装置であれば、SMC成形法以外の成形法によって骨格部材20を成形する装置にも適用することができる。そうした成形法としては、PCM(プリプレグ・コンプレッション・モールディング)成形法や、RTM(レジン・トランスファー・モールディング)成形法を挙げることができる。
・繊維強化樹脂層23の母材としては、エポキシ系の樹脂材料以外の熱硬化性の樹脂材料(例えば、不飽和ポリエステル樹脂や、ビニルエステル樹脂)を採用することができる。
・接着層22を構成する樹脂材料として、エポキシ系の樹脂材料以外の熱硬化性の樹脂材料(例えば、ウレタン系の樹脂材料や、アクリル系の樹脂材料)を採用することができる。
・接着層22になる接着シートとしては、不織布を有していないものを用いることができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材20の成形方法は、母材が熱可塑性の樹脂材料である繊維強化樹脂材を鋼板に熱プレスして成形される骨格部材に適用することができる。また、上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材の成形方法は、不連続の炭素繊維以外の繊維材料(例えば連続炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維)によって強化した繊維強化樹脂材を鋼板に熱プレスして成形される骨格部材にも適用可能である。その他、鋼板以外の金属板(例えばアルミニウム板)に繊維強化樹脂材を熱プレスして成形した骨格部材などにも、上記実施形態にかかる熱プレス装置30や骨格部材の成形方法は適用することができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や金属樹脂複合体の成形方法は、断面U字形状の骨格部材や断面L字形状の骨格部材など、断面ハット形状以外の任意の形状の骨格部材にも適用することができる。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や金属樹脂複合体の成形方法は、自動車の骨格部材に適用することに限らず、金属板に対して、熱硬化性の接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして成形される金属樹脂複合体であれば、適用可能である。
・上記実施形態にかかる熱プレス装置30や金属樹脂複合体の成形方法は、金属板に対して、熱可塑性の接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして成形される金属樹脂複合体にも適用することができる。同構成によれば、熱プレスに際して、接着材の端部を金型(可動型や固定型)と金属板との間に挟んで潰すことにより、接着材の端部を金型内面に密着させることができるため、接着材の端部によって金型と金属板との隙間を埋めることができる。これにより、接着材の端部によって堰き止められる態様で、接着材の端部よりも内側部分の樹脂(具体的には、繊維強化樹脂材の母材である樹脂材料)が同端部を超えて流出することを抑制することができる。したがって、熱プレスによる金属樹脂複合体の成形時におけるバリの発生を抑えることができる。なお上記構成においては、接着材として、流動性の低い接着剤(ホットメルト接着剤など)によって構成されるものを用いることが好ましい。
20…骨格部材、21…鋼板、22…接着層、22A…接着シート、23…繊維強化樹脂層、23A…SMC、30…熱プレス装置、40…金型装置、41…固定型、43…可動型、44…凹部、45…突出部、47…環状壁、48…シール部材、50,80,90…押潰部、51…中央成形部、52…外縁成形部、53,83…平坦部、54…鋸歯部、54A…凸部、55…合わせ部、60…真空引き装置、61…負圧タンク、62…負圧ポンプ、63…貫通孔、64…連通路、65…開閉バルブ、70…加熱装置、71…蒸気通路、73…ボイラー。

Claims (9)

  1. 金属板に対して、接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置において、
    可動型および固定型の少なくとも一方は、前記接着材の端部を前記金属板との間に挟んだ状態で型締め方向に潰す形状をなす押潰部を有し、
    型閉め状態で前記可動型および前記固定型の少なくとも一方と前記金属板との間に区画形成されるスペースにおいては、前記押潰部における前記可動型および前記固定型の少なくとも一方と前記金属板との隙間が、前記押潰部を除く他の部位における前記隙間と比較して小さいことを特徴とする熱プレス装置。
  2. 前記押潰部は、前記可動型および前記固定型の少なくとも一方における前記金属板に対向する面において突出する凸部を有する請求項1に記載の熱プレス装置。
  3. 金属板に対して、接着材を介して繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する熱プレス装置において、
    可動型および固定型の少なくとも一方は、前記接着材の端部を前記金属板との間に挟んだ状態で型締め方向に潰す形状をなす押潰部を有し、
    前記押潰部は、前記可動型および前記固定型の少なくとも一方における前記金属板に対向する面において突出する凸部を有することを特徴とする熱プレス装置。
  4. 前記凸部は前記接着材の縁部に沿って延設されている
    請求項2または3に記載の熱プレス装置。
  5. 前記凸部は、前記接着材の縁部に沿う方向と交差する方向において並ぶように複数本設けられている請求項4に記載の熱プレス装置。
  6. 前記接着材は熱硬化性の接着材である
    請求項1~5のいずれか一項に記載の熱プレス装置。
  7. 熱プレス装置を用い、接着材を介して金属板に繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する金属樹脂複合体の成形方法であって、
    前記熱プレス装置の型締めの過程において、前記接着材の端部を、同熱プレス装置の可動型および固定型の一方と前記金属板との間に挟むとともに型締め方向に押し潰す押潰工程と、
    前記熱プレス装置の型締め状態において前記接着材の端部を硬化させる硬化工程と、を有し、
    前記熱プレス装置として、型閉め状態で前記可動型および前記固定型の少なくとも一方と前記金属板との間に区画形成されるスペースにおいては、前記接着材の端部における前記可動型および前記固定型の少なくとも一方と前記金属板との隙間が、前記接着材の端部を除く他の部位における前記隙間と比較して小さいものを用いる金属樹脂複合体の成形方法。
  8. 熱プレス装置を用い、接着材を介して金属板に繊維強化樹脂材を熱プレスして金属樹脂複合体を成形する金属樹脂複合体の成形方法であって、
    前記熱プレス装置の型締めの過程において、前記接着材の端部を、同熱プレス装置の可動型および固定型の一方と前記金属板との間に挟むとともに型締め方向に押し潰す押潰工程と、
    前記熱プレス装置の型締め状態において前記接着材の端部を硬化させる硬化工程と、を有し、
    前記熱プレス装置として、前記可動型および前記固定型の少なくとも一方は、前記接着材の端部を前記金属板との間に挟んだ状態で型締め方向に潰す形状をなす押潰部を有するものであり、且つ、前記押潰部は、前記可動型および前記固定型の少なくとも一方における前記金属板に対向する面において突出する凸部を有するものを用いる金属樹脂複合体の成形方法。
  9. 前記接着材は熱硬化性の接着材である
    請求項7または8に記載の金属樹脂複合体の成形方法。
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