JP3836000B2 - 燃料圧力制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御するようにした燃料圧力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料タンクより内燃機関へ燃料を圧送するために電動式の燃料ポンプが使用されている。この種の燃料ポンプを含む燃料供給装置として、内燃機関へ供給される燃料の余剰分を燃料タンクへ戻すためのリターンパイプを省略したリターンレス式の燃料供給装置が既にいくつか提案されている。特開平9−184460号公報には、この種の燃料供給装置の一例が開示される。
【0003】
この公報のリターンレス式燃料供給装置は、電動式の燃料ポンプを使用して燃料タンクより内燃機関へ燃料を圧送すると共に、燃料ポンプの駆動力を制御することにより内燃機関に供給される燃料圧力を制御するようにしている。この燃料供給装置は、燃料ポンプを構成する電動モータに供給される電流を所定値に制御する電流制御部を備える。この電流制御部は、電動モータに流れる電流値を検出し、その検出値を予め設定された目標値と比較し、その検出値が目標値となるように電動モータへの供給電流をフィードバック制御している。これにより、内燃機関に供給される燃料圧力を所望の目標圧力に制御している。
【0004】
これ以前の燃料供給装置として、内燃機関に供給される燃料圧力を圧力センサを使用して検出し、その検出圧力と目標圧力との差が小さくなるよう燃料ポンプの電動モータに対する印加電圧を制御するタイプのものがある。このタイプの場合、内燃機関に供給される燃料流量に応じて燃料圧力が変化することから、実際の燃料圧力を目標圧力にするためには、燃料流量に応じて電動モータの制御電圧を調節しなければならない。これに対して、前記公報の燃料供給装置では、電動モータに流れる電流の検出値と電流の目標値とが一致するように供給電流をフィードバック制御しているので、制御電圧を燃料流量に応じて調節する必要がない。これは、燃料圧力が電動モータの出力トルクに比例し、燃料圧力が電動モータへの供給電流に比例するという燃料ポンプの特性を利用したものであることが前記公報で説明されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来公報の燃料供給装置では、燃料圧力を目標圧力に制御するために、電動モータへの供給電流(燃料ポンプの操作量)をフィードバック制御していることから、燃料圧力を変化させる過渡時に制御の適合性が問題になる。例えば、燃料圧力を増加させるときには、燃料ポンプの駆動力を一旦増大させなければならず、そのために電動モータへの供給電流(操作量)を急増させなければならない。このとき、燃料圧力と供給電流(操作量)との比例の相関性は一時的に大きく崩れることになる。このため、このときの電流の検出値に基づいてフィードバック制御を行うと、本来の制御目標の燃料圧力の値に対して大きなずれを生じてしまう。又、従来公報の燃料供給装置では、電動モータに流れる電流(操作量)を検出するために、電流検出回路を設けなけらばならず、その分だけ回路構成が複雑になっていた。
【0006】
この発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、電動式の燃料ポンプに対する操作量をフィードバック制御することなく、目標圧力と推定圧力との差に基づく操作量を用い、到達圧力に基づく見込み制御により推定圧力を算出することで、燃料圧力を変更させる過渡時にも、実際の燃料圧力の挙動からの燃料圧力のずれを抑えることを可能にした燃料圧力制御方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の燃料圧力制御方法は、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、その算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、目標圧力と算出された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、その算出された次回の操作量に基づいて燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御することを趣旨とする。
【0008】
上記発明の構成によれば、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づき操作することにより燃料圧力を所要の目標圧力に制御するのに際して、今回の操作量に応じた到達圧力から次回の推定圧力が算出され、その次回の推定圧力の目標圧力に対する差から次回の操作量が算出される。そして、この操作量に基づいて燃料ポンプが操作されることにより、燃料圧力が目標圧力に近付けられる。従って、実際の燃料圧力の変化が次回の推定圧力として見込まれ、その見込みの推定圧力を目標圧力に近付けるのに必要な次の操作量が逐次算出されることになる。このため、操作量の挙動が燃料圧力の挙動からかけ離れることがなくなる。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明の燃料圧力制御方法は、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、その算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、その算出された次回の推定圧力を内燃機関で消費される燃料量に基づいて補正し、目標圧力と補正された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、その算出された次回の操作量に基づいて燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御することを趣旨とする。
【0010】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、到達圧力と今回の推定圧力との差から算出される次回の推定圧力が、内燃機関で消費される燃料量に基づいて補正されることから、内燃機関で燃料が消費されることによる燃料圧力の減衰分を見込んで次回の推定圧力がより正確に求められる。従って、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力へ近付けられることになる。
【0011】
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明の燃料圧力制御方法は、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、その算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、その算出された次回の推定圧力を燃料ポンプの温度状態に基づいて補正し、目標圧力と補正された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、その算出された次回の操作量に基づいて燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御することを趣旨とする。
【0012】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、到達圧力と今回の推定圧力との差から算出される次回の推定圧力が、燃料ポンプの温度状態に基づいて補正されることから、燃料ポンプの温度が高まることによる燃料圧力の変化分を見込んで次回の推定圧力がより正確に求められる。従って、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力へ近付けられることになる。
【0013】
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明の燃料圧力制御方法は、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、その算出された次回の推定圧力を内燃機関で消費される燃料量に基づいて補正し、その補正された次回の推定圧力を燃料ポンプの温度状態に基づいて補正し、目標圧力と補正された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、その算出された次回の操作量に基づいて燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御することを趣旨とする。
【0014】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の作用に加え、到達圧力と今回の推定圧力との差から算出される次回の推定圧力が、内燃機関で消費される燃料量に基づいて補正され、燃料ポンプの温度状態に基づいて補正されることから、内燃機関で燃料が消費されることによる燃料圧力の減衰分を見込んで、かつ、燃料ポンプの温度が高まることによる燃料圧力の変化分を見込んで、次回の推定圧力がより正確に求められる。従って、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力へ近付けられることになる。
【0015】
上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明の燃料圧力制御装置は、電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御装置であって、燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出するための到達圧力算出手段と、算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出するための推定圧力算出手段と、目標圧力と前記算出された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出するための操作量算出手段と、算出された次回の操作量に基づいて燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御するための制御手段とを備えたことを趣旨とする。
【0016】
上記発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の燃料圧力制御方法を実施することができ、これにより同発明と同様の作用が得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃料圧力制御方法及び燃料圧力制御装置を具体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1に、本実施の形態の燃料供給装置の概念構成を示す。この燃料供給装置は、燃料を貯留する燃料タンク1と、その燃料タンク1の中に収容された電動式の燃料ポンプ2と、燃料ポンプ2の吸入側に設けられた高圧フィルタ3と、燃料ポンプ2の吐出側から燃料タンク1を貫通して外部へ延びる燃料ライン4と、燃料タンク1の中で燃料ライン4から分岐する戻し通路5と、その戻し通路5にそれぞれ設けられたバイパスバルブ6、リークジェット7及び電磁式の制御弁8とを備える。
【0019】
燃料ライン4の先端は、内燃機関(エンジン)9に設けられたデリバリパイプ10に接続される。デリバリパイプ10に設けられた複数のインジェクタ11は、エンジン9の各気筒に対応して配置される。この燃料供給装置は、いわゆるリターンレス式のものであり、デリバリパイプ10に供給された燃料の圧力を調整するためのプレシャレギュレータやデリバリパイプ10における余剰燃料を燃料タンク1へ戻すためのリターンラインは設けられていない。
【0020】
燃料ポンプ2は、直流モータにより羽根車を回転駆動させることにより、燃料タンク1の中の燃料を吸引・吐出させるものである。燃料ポンプ2から吐出される燃料流量は、直流モータに流れる電流、延いては、直流モータによる羽車の回転速度により決定される。この燃料流量は、燃料ライン4を通じてデリバリパイプ10に供給される燃料圧力にほぼ比例することから、直流モータを流れる電流と燃料圧力との間には相関性が存在する。図2に、この燃料ポンプ2に関する電流−燃料圧力特性をグラフに示す。この実施の形態で、燃料ポンプ2の直流モータに対する通電はデューティ制御により行われる。ここで、直流モータに流れる電流と通電デューティefpdtyとの間には、ほぼ比例関係が成立する。図3に、この燃料ポンプ2に関するefpdty−電流特性をグラフに示す。このように、電流と燃料圧力が比例し、通電デューティefpdtyと電流とに比例関係が成立することから、通電デューティefpdtyと燃料圧力との間にも、所定の相関性が成立する。図4に、この燃料ポンプ2に関するefpdty−燃料圧力特性をグラフに示す。
【0021】
燃料タンク1の外壁上には、燃料ポンプ2を駆動するための駆動回路(ドライバ)12が設けられる。
【0022】
燃料ポンプ2に設けられる高圧フィルタ3は、燃料ポンプ2に吸引される燃料中の異物を除去するためのものである。戻し通路5は、燃料ポンプ2により吐出される燃料の一部を燃料タンク1へ直接戻すためのものである。リークジェット7は、戻し通路5を流れる燃料を所定流量に制限するためのものである。バイパスバルブ6は、リークジェット7より上流の戻し通路5に設けられ、燃料ポンプ2により吐出されて各インジェクタ11に供給される燃料圧力が所定の保持圧力以上となるときに応答して戻し通路5を開くものである。
【0023】
電磁式の制御弁8は、戻し通路5を開閉するために制御されるものであり、リークジェット7より下流の戻し通路5の出口側に設けられる。図5に実線で示すように、この制御弁8は、印加電圧の変化に対して選択的に開弁又は閉弁されるようになっている。
【0024】
燃料ポンプ2が動作することにより、燃料タンク1の燃料が同ポンプ2に吸引され、高圧フィルタ3で異物が除去されて燃料ライン4へ吐出され、デリバリパイプ10へ供給されて各インジェクタ11へ分配される。このとき、燃料ポンプ2により吐出される燃料流量に応じて、燃料ライン4及びデリバリパイプ10を含む配管中の燃料圧力が決定される。各インジェクタ11へ分配された燃料は、各インジェクタ11が開弁されることにより噴射され、吸気通路(図示略)を流れる空気と共にエンジン9の各気筒へ供給され、燃焼に供される。
【0025】
エンジン9に設けられた回転速度センサ31は、エンジン9のクランクシャフト(図示略)の回転速度を検出し、その検出値に応じた信号を出力する。エンジン9に設けられた水温センサ32は、エンジン9の内部を流れる冷却水温を検出し、その検出値に応じた信号を出力する。エンジン9の吸気通路に設けられた吸気圧センサ33は、同通路における吸気圧力を検出し、その検出値に応じた信号を出力する。吸気通路に設けられた吸気温センサ34は、吸気通路に吸入される空気の温度(吸気温)ethaを検出し、その検出値に応じた信号を出力する。
【0026】
電子制御装置(ECU)40は、入出力回路、メモリ及び演算処理回路等により構成される。ECU40は、前述した各種センサ31〜34、インジェクタ11、制御弁8及びドライバ12に接続される。又、ECU40には、イグニションスイッチ35を介してバッテリ36が接続される。ECU40は、各種センサ31〜34からの信号に基づき燃料噴射制御等を実行する。ECU40は、各種センサ31〜34の信号に基づいてドライバ12を介して燃料ポンプ2を制御することにより、燃料供給制御を実行する。
【0027】
ここで、燃料噴射制御とは、エンジン9の運転状態に応じて各インジェクタ11の開弁時間を制御することにより、各インジェクタ11から噴射される燃料量を制御することである。燃料噴射制御に当たって、ECU40は、各種センサ31〜34により検出されるエンジン運転状態に関する各種パラメータの値に基づいてエンジン9の運転に必要な燃料噴射量を算出する。そして、ECU40は、算出された燃料噴射量の値に基づいて各インジェクタ11の開弁時間を制御することにより、エンジン9の各気筒へ供給されるべき燃料量を制御する。
【0028】
燃料供給制御とは、エンジン9の運転状態に応じて燃料ポンプ2を制御することにより、燃料ポンプ2により吐出されてデリバリパイプ10へ供給される燃料圧力を制御することである。燃料供給制御に当たり、ECU40は、各種センサ31〜34により検出される各種パラメータの値に基づき、各インジェクタ11へ供給されるべき燃料圧力の目標圧力を算出する。そして、ECU40は、算出された目標圧力に基づいて燃料ポンプ2の直流モータに対する通電デューティefpdtyを制御することにより、同ポンプ2より吐出される燃料流量を制御し、これによりデリバリパイプ10に供給される燃料圧力を制御する。ECU40は、エンジン9の減速運転時及び停止時には、燃料ポンプ2を停止させるようになっている。ECU40は、エンジン9の運転状態に基づいて制御弁8を適宜選択的に開弁又は閉弁させるようになっている。
【0029】
このように、各インジェクタ11からエンジン9の各気筒へ供給される燃料量は、デリバリパイプ10において各インジェクタ11へ分配供給される燃料圧力が制御されることと、各インジェクタ11の開弁時間が制御されることとの協働により決定され、エンジン9の運転状態に応じて調整されるようになっている。
【0030】
この実施の形態で、ECU40は、エンジン9の定常運転時又は加速運転時に制御弁8を閉じ、エンジン9の停止時、エンスト発生時又は減速運転時に制御弁8を開くように制御弁8を制御する。
【0031】
従って、エンジン9の停止時又は減速運転時には、燃料ポンプ2が停止し、制御弁8が開く。このため、燃料ライン4に残留する燃料圧力が、バイパスバルブ6の持つ保持圧力より低いときには、バイパスバルブ6が閉じて燃料圧力のそれ以上の上昇が抑えられる。一方、エンジン9の定常運転時又は加速運転時には、制御弁8が閉じ、戻し通路5の燃料流通が遮断される。これにより、バイパスバルブ6の開弁又は閉弁に拘わらず、燃料ポンプ2により吐出される燃料は、戻し通路5から燃料タンク1へ戻されることなく、その全てがデリバリパイプ10へ供給される。このため、エンジン9の定常運転時又は加速運転時には、燃料ポンプ2の駆動力の可変範囲の全域にわたって燃料圧力を直線的に制御することができるようになる。
【0032】
次に、ECU40が実行する燃料圧力制御の内容を詳しく説明する。この実施の形態で、ECU40は、電動式の燃料ポンプ2を所要の操作量としての通電デューティefpdtyに基づいて操作することにより、燃料タンク2よりエンジン9のデリバリパイプ10へ供給される燃料圧力を制御する。概略的には、ECU40は、燃料ポンプ2に対する今回の通電デューティefpdty1に応じた到達圧力epfsatを算出し、その算出された到達圧力epfsatと今回の推定圧力epfpred1との差に基づいて次回の推定圧力epfpred2を算出し、その算出された次回の推定圧力epfpred2をエンジン9で消費される燃料量(燃料噴射量tau)に基づいて補正し、その補正された次回の推定圧力epfpred2を燃料ポンプ2の温度状態に基づいて更に補正し、所要の目標圧力ekpftと補正された次回の推定圧力epfpredとの差に基づいて次回の通電デューティefpdty2を算出し、その算出された次回の通電デューティefpdty2に基づいて燃料ポンプ2を操作することにより燃料圧力を制御するようになっている。
【0033】
ここで、先ず、上記推定圧力epfpredの算出方法について説明する。図6には、この推定圧力epfpredの算出ルーチンをフローチャートに示す。ECU40は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0034】
ステップ100で、ECU40は、今回の通電デューティefpdty1を読み込む。この通電デューティefpdty1は、別途の算出ルーチンに従い算出されるものであり、その算出方法については後述する。
【0035】
ステップ110で、ECU40は、今回の通電デューティefpdty1に基づいて燃料ポンプ2を駆動し続けたときの到達圧力epfsatを算出する。ECU40は、以下の計算式(1)に従いこの到達圧力epfsatを算出する。
epfsat=(efpdty1−efpdtyof)*edtytopf ・・・(1)
ここで、「efpdtyof」は、通電デューティefpdtyのオフセット値を示し、燃料ポンプ2が駆動されたとき、同ポンプ2に燃料が実際に吸引され始めるときの通電デューティを意味する。即ち、図4に示すように、燃料圧力が実際に現れ始める通電デューティefpdtyの値を示し、この実施の形態の燃料ポンプ2では、例えば「20%」に相当する。「edtytopf」は、通電デューティefpdtyを燃料圧力に変換するための変換係数を意味する。
【0036】
ステップ120で、ECU40は、なまし係数epftimcを読み込む。このなまし係数epftimcは、別途の算出ルーチンに従い算出されるものであり、その算出方法については後述する。
【0037】
ステップ130で、ECU40は、前回算出された今回の推定圧力epfpred1を読み込む。
【0038】
ステップ140で、ECU40は、到達圧力epfsatと今回の推定圧力epfpred1との差等から、次回の推定圧力epfpred2を算出する。ECU40は、以下の計算式(2)に従い次回の推定圧力epfpred2を算出する。
epfpred2=(epfsat−epfpred1)*epftimc+epfpred1 ・・・(2)
【0039】
次に、ステップ150で、ECU40は、吸気温センサ34により検出される吸気温ethaの値を読み込む。
【0040】
更に、ステップ160で、ECU40は、燃料ポンプ2の温度の違いによる燃料圧力のずれを補正するための温度補正値ekpfpredを算出する。エンジン9を長時間放置した後に始動させたときは、燃料ポンプ2の温度は吸気温ethaと同じになることから、ECU40は、読み込まれた吸気温ethaの値に基づき、図7に示すデータマップを参照することにより、この温度補正値ekpfpredを算出する。
【0041】
次に、ステップ170で、ECU40は、別途のルーチンによりエンジン9の運転状態に基づき算出される燃料噴射量tauの値を読み込む。
【0042】
そして、ステップ180で、ECU40は、次回の推定圧力epfpred2の値を温度補正係数ekpfpredと、各インジェクタ11で噴射される燃料噴射量tauとに基づいて補正することにより、最終的な次回の推定圧力epfpredを算出する。即ち、ECU40は、燃料ポンプ2の温度状態と、エンジン9で消費される燃料量に基づいて次回の推定圧力epfpred2を補正するのである。ECU40は、以下の計算式(3)に従い最終的な推定圧力epfpredを算出する。
epfpred=epfpred2*ekpfpred−tau*tautopf ・・・(3)
ここで、「tautopf」は、燃料噴射量tauを燃料圧力に置き換えるために噴射量補正係数を意味する。
【0043】
次に、上記した「なまし係数epftimc」の算出方法について説明する。図8には、この「なまし係数epftimc」の算出ルーチンをフローチャートに示す。ECU40は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0044】
先ず、ステップ200で、ECU40は、上記算出された最終的な次回の推定圧力epfpredの値を読み込む。
【0045】
次に、ステップ210で、ECU40は、読み込まれた最終的な次回の推定圧力epfpredの値が所定の高圧判定値kpf以上であるか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、高圧状態であるものとして、ECU40は処理をステップ220へ移行し、この判断結果が否定である場合、高圧状態ではないものとして、ECU40は処理をステップ260へ移行する。
【0046】
ステップ220で、ECU40は、前記算出された到達圧力epfsatの値を読み込む。
【0047】
次に、ステップ230で、ECU40は、最終的な次回の推定圧力epfpredの値が読み込まれた到達圧力epfsatの値以上であるか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、燃料圧力が上昇しているものとして、ECU40はステップ240で、高圧上昇なまし係数epftmchuをなまし係数epftimcとして設定し、その後の処理を一旦終了する。この高圧上昇なまし係数epftmchuは、燃料圧力が高圧側で上昇するときに適合した値を有するものである。
【0048】
これに対し、ステップ230の判断結果が否定である場合、燃料圧力が上昇しているものではないものとして、ECU40はステップ240で、高圧下降なまし係数epftmchdをなまし係数epftimcとして設定し、その後の処理を一旦終了する。この高圧下降なまし係数epftmchdは、燃料圧力が高圧側で下降するときに適合した値を有するものである。
【0049】
一方、ステップ210から移行してステップ260では、ECU40は、前記算出された到達圧力epfsatの値を読み込む。
【0050】
次に、ステップ270で、ECU40は、最終的な次回の推定圧力epfpredの値が読み込まれた到達圧力epfsatの値以上であるか否かを判断する。この判断結果が肯定である場合、燃料圧力が上昇しているものとして、ECU40はステップ280で、低圧上昇なまし係数epftmcluをなまし係数epftimcとして設定し、その後の処理を一旦終了する。この低圧上昇なまし係数epftmcluは、燃料圧力が低圧側で上昇するときに適合した値を有するものである。
【0051】
これに対し、ステップ270の判断結果が否定である場合、燃料圧力が上昇しているものではないものとして、ECU40はステップ290で、低圧下降なまし係数epftmcldをなまし係数epftimcとして設定し、その後の処理を一旦終了する。この低圧下降なまし係数epftmcldは、燃料圧力が低圧側で下降するときに適合した値を有するものである。
【0052】
ここで、上記した「次回の通電デューティefpdty2」の算出方法について説明する。図9には、この「次回の通電デューティefpdty2」の算出ルーチンをフローチャートに示す。図10には、目標圧力ekpft及び推定圧力epfpredの挙動をタイムチャートに示す。ECU40は、このルーチンを所定時間毎に周期的に実行する。
【0053】
先ず、ステップ300で、ECU40は、上記算出された次回の推定圧力epfpredの値を読み込む。即ち、図10の時刻t2に対応して算出された推定圧力epfpred2の値を読み込む。
【0054】
次に、ステップ310で、ECU40は、目標圧力ekpftの値を読み込む。即ち、図10に実線で示すように、時刻t0で変化した目標圧力ekpftの値を読み込む。この目標圧力ekpftは、エンジン9の運転状態に対応して設定されるものであり、各種センサ31〜34により検出される各種パラメータに基づき決定される運転領域に応じ、別途の算出ルーチンにより算出されるものでる。
【0055】
次に、ステップ320で、ECU40は、目標圧力ekpftと次回の推定圧力epfpredとの差から、次回の偏差error2を算出する。即ち、図10の時刻t2における目標圧力epftと次回の推定圧力epfpred2との差を算出するのである。ECU40は、以下の計算式(4)に従い次回の偏差error2を算出する。
error2=ekpft−epfpred ・・・(4)
【0056】
次に、ステップ330で、ECU40は、前回の偏差error1と次回の偏差error2との差から、偏差変化量Δerrorを算出する。即ち、図10の時刻t1における偏差error1と時刻t2における偏差error2との差を算出するのである。ECU40は、以下の計算式(5)に従い偏差変化量Δerrorを算出する。
Δerror=error1−error2 ・・・(5)
【0057】
そして、ステップ340で、ECU40は、今回の通電デューティefpdty1、偏差変化量Δerror及び次回の偏差error2等の値に基づき、以下の計算式(6)に従い次回の通電デューティefpdty2を算出し、その後の処理を一旦終了する。
efpdty2=efpdty1+Δerror1*kp+error2*ki ・・・(6)
ここで、「kp」は、所定の比例定数であり、「ki」は、所定の積分定数である。
【0058】
即ち、ECU40は、図10に破線で示すように、推定圧力epfpredが曲線的に推移するものと想定し、その推定圧力epfpredの推移に応じた燃料圧力となるような次回の通電デューティefpdty2を算出するのである。
【0059】
以上説明したように、この実施の形態の燃料圧力制御方法によれば、電動式の燃料ポンプ2を所要の通電デューティefpdtyの値に基づき操作することにより、エンジン9のデリバリパイプ10に供給される燃料圧力を所要の目標圧力ekpftの値に制御するようにしている。この制御に際して、図6のステップ110に示すように、今回の通電デューティefpdty1の値に応じた到達圧力epfsatの値を算出する。次いで、図6のステップ140に示すように、その到達圧力epfsatの値と前回の推定圧力epfpred1の値との差から次回の推定圧力epfpred2の値が算出される。次に、図9のステップ320に示すように、次回の推定圧力epfpred2の値の目標圧力ekpftの値に対する差から次回の偏差error2の値が算出され、その次回の偏差error2の値の前回の偏差error1の値に対する差から偏差変化量Δerrorの値が算出される。更に、図9のステップ340に示すように、今回の通電デューティefpdty1の値と、偏差変化量Δerrorの値と、次回の偏差error2の値等とに基づいて次回の通電デューティefpdty2が算出される。そして、この次回の通電デューティefpdty2の値に基づいて燃料ポンプ2が操作されることにより、燃料圧力が目標圧力ekpftの値に近付けられる。従って、実際の燃料圧力の変化が次回の推定圧力epfpred2の値として見込まれ、その見込みの推定圧力epfpred2の値を目標圧力ekpftの値に近付けるのに必要な次回の通電デューティefpdty2が逐次算出されることになる。これにより、通電デューティefpdtyの挙動が燃料圧力の挙動からかけ離れることがなくなる。このため、電動式の燃料ポンプ2に対する通電デューティefpdtyをフィードバック制御することなく、目標圧力ekpftと推定圧力epfpredとの差に基づく通電デューティefpdtyを用い、到達圧力epfsatに基づく見込み制御により推定圧力epfpredを算出することで、燃料圧力を変更させる過渡時にも、実際の燃料圧力の挙動からの燃料圧力のずれを抑えることができる。
【0060】
図11及び図12には、目標圧力ekpftを変更させた過渡時における各種パラメータの相対的な挙動を示す。時刻t1で、目標圧力ekpftが増加すると、それに伴い到達圧力epfsatが増加し、その到達圧力epfsat等から求められる推定圧力epfpredが徐々に増加する。そして、この推定圧力epfpredの変化に応じて求められる通電デューティepfdutyに基づき燃料ポンプ2が操作されることにより、推定圧力epfpredの挙動に近似して変化する実際の燃料圧力が得られる。図11に示すように、時刻t1〜t3の間では、通電デューティepfdutyに基づいて算出された推定圧力epfpredの挙動は、実際の燃料圧力の挙動と良く一致することが分かる。
【0061】
又、この実施の形態の燃料圧力制御方法によれば、上記のように推定圧力epfpredに基づいて次回の通電デューティefpdty2を算出しており、燃料ポンプ2の電動モータに流れる電流を検出する必要がないことから、電流検出回路を別途設ける必要がなく、その分だけ回路構成を簡略化することができる。
【0062】
更に、この実施の形態の燃料圧力制御方法によれば、図6のステップ140に示すように、到達圧力epfsatと今回の推定圧力epfpred1との差に基づいて算出される次回の推定圧力epfpred2が、図6のステップ180に示すように、エンジン9で消費される燃料噴射量tauに基づいて補正される。このことから、エンジン9で燃料が消費されることによる燃料圧力の減衰分を見込んで最終的な次回の推定圧力epfpredがより正確に求められるようになる。従って、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力ekpftへ近付けられることになり、その分だけ燃料圧力の制御精度を高めることができる。
【0063】
加えて、この実施の形態の燃料圧力制御方法によれば、図6のステップ140に示すように、到達圧力epfsatと今回の推定圧力epfpred1との差に基づいて算出される次回の推定圧力epfpred2が、図6のステップ180に示すように、燃料ポンプ2の温度状態に応じた温度補正係数ekpfpredに基づいて補正される。このことから、燃料ポンプ2の温度が高まることによる燃料圧力の変化分を見込んで次回の推定圧力epfpred2がより正確に求められるようになる。従って、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力ekpftへ近付けられることになり、その分だけ燃料圧力の制御精度を高めることができる。
【0064】
そして、この実施の形態では、電動式の燃料ポンプ2を所要の通電デューティefpdtyに基づいて操作することにより燃料タンク1よりエンジン9のデリバリパイプ10へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御装置において、燃料ポンプ2に対する今回の通電デューティefpdty1に応じた到達圧力epfsatを算出するための到達圧力算出手段としてのECU40と、その算出された到達圧力epfsatと今回の推定圧力epfpred1との差に基づいて次回の推定圧力epfpred2を算出するための推定圧力算出手段としてのECU40と、目標圧力ekpftと算出された次回の推定圧力epfpred2との差に基づいて次回の通電デューティepfduty2を算出するための操作量算出手段としてのECU40と、その算出された次回の通電デューティepfduty2に基づいて燃料ポンプ2を操作することにより燃料圧力を制御するための制御手段としてのECU40とを備えている。更に、この実施の形態の燃料圧力制御装置では、次回の推定圧力epfpred2をエンジン9で消費される燃料量(燃料噴射量tau)に基づいて補正するための燃料量対応補正手段としてのECU40と、その補正された次回の推定圧力epfpred2を燃料ポンプ2の温度状態に基づいて補正するための温度状態補正手段としてのECU40とを備える。従って、この燃料圧力制御装置により上記した燃料圧力制御方法を実施することができ、この制御方法による作用及び効果を得ることができる。
【0065】
尚、この発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。
【0066】
(1)前記実施の形態の燃料圧力制御方法では、算出された次回の推定圧力epfpred2をエンジン9で消費される燃料量に基づいて補正し、その補正された次回の推定圧力epfpred2を燃料ポンプ2の温度状態に基づいて補正するように構成しが、これら両補正の一方又は両方を省略するように構成してもよい。
【0067】
(2)前記実施の形態の燃料圧力制御装置では、算出された次回の推定圧力epfpred2をエンジン9で消費される燃料量に基づいて補正するための燃料量対応補正手段としてECU40を設けると共に、その補正された次回の推定圧力epfpred2を燃料ポンプ2の温度状態に基づいて補正するための温度状態補正手段としてのECU40を設けたが、これら両手段の一方又は両方を省略するように構成してもよい。
【0068】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明の構成によれば、電動式の燃料ポンプに対する操作量をフィードバック制御することなく、目標圧力と推定圧力との差に基づく操作量を用い、到達圧力に基づく見込み制御により推定圧力を算出することで、燃料圧力を変更させる過渡時にも、実際の燃料圧力の挙動からの燃料圧力のずれを抑えることができるという効果がある。併せて、燃料ポンプの電動モータに流れる電流を検出するための電流検出回路を別途設ける必要がなく、その分だけ回路構成を簡略化することができるという効果がある。
【0069】
請求項2に記載の発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、内燃機関で燃料が消費されることによる燃料圧力の減衰分を見込んで次回の推定圧力がより正確に求められることから、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力へ近付けられることになり、その分だけ燃料圧力の制御精度を高めることができるという効果がある。
【0070】
請求項3に記載の発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、燃料ポンプの温度が高まることによる燃料圧力の変化分を見込んで次回の推定圧力がより正確に求められることから、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力へ近付けられ、その分だけ燃料圧力の制御精度を高めることができるという効果がある。
【0071】
請求項4に記載の発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、内燃機関で燃料が消費されることによる燃料圧力の減衰分を見込んで次回の推定圧力がより正確に求められると共に、燃料ポンプの温度が高まることによる燃料圧力の変化分を見込んで次回の推定圧力がより正確に求められることから、実際の燃料圧力がより正確に目標圧力へ近付けられることになり、その分だけ燃料圧力の制御精度を高めることができるという効果がある。
【0072】
請求項5に記載の発明の構成によれば、請求項1に記載の発明の燃料圧力制御方法を実施することができ、これにより、電動式の燃料ポンプに対する操作量をフィードバック制御することなく、目標圧力と推定圧力との差に基づく操作量を用い、到達圧力に基づく見込み制御により推定圧力を算出することで、燃料圧力を変更させる過渡時にも、実際の燃料圧力の挙動からの燃料圧力のずれを抑えることができる。併せて、燃料ポンプの電動モータに流れる電流を検出するための電流検出回路を別途設ける必要がなく、その分だけ回路構成を簡略化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、燃料圧力制御装置を示す概略構成図である。
【図2】燃料ポンプに関する電流−燃料圧力特性を示すグラフである。
【図3】燃料ポンプに関するefpdty−電流特性を示すグラフである。
【図4】燃料ポンプに関するefpdty−燃料圧力特性を示すグラフである。
【図5】制御弁の開閉特性を示すグラフである。
【図6】「epfpred算出ルーチン」を示すフローチャートである。
【図7】吸気温と温度補正値との関係を示すデータマップである。
【図8】「epftimc算出ルーチン」を示すフローチャートである。
【図9】「efpdty2算出ルーチン」を示すフローチャートである。
【図10】目標圧力と推定圧力の挙動を説明するタイムチャートである。
【図11】各種パラメータの挙動を示すタイムチャートである。
【図12】各種パラメータの挙動を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 燃料タンク
2 燃料ポンプ
9 エンジン
10 デリバリパイプ
40 ECU(各種算出手段及び制御手段を構成する。)
efpdty 通電デューティ(操作量)
etha 吸気温(温度状態に相当する。)
epfpred 推定圧力
epfsat 到達圧力
tau 燃料噴射量(内燃機関で消費される燃料量に相当する。)
ekpft 目標圧力

Claims (5)

  1. 電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、
    前記燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、
    前記算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、
    目標圧力と前記算出された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、
    前記算出された次回の操作量に基づいて前記燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御する
    ことを特徴とする燃料圧力制御方法。
  2. 電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、
    前記燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、
    前記算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、
    前記算出された次回の推定圧力を前記内燃機関で消費される燃料量に基づいて補正し、
    前記目標圧力と前記補正された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、
    前記算出された次回の操作量に基づいて前記燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御する
    ことを特徴とする燃料圧力制御方法。
  3. 電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、
    前記燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、
    前記算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、
    前記算出された次回の推定圧力を前記燃料ポンプの温度状態に基づいて補正し、
    前記目標圧力と前記補正された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、
    前記算出された次回の操作量に基づいて前記燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御する
    ことを特徴とする燃料圧力制御方法。
  4. 電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御方法であって、
    前記燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出し、
    前記算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出し、
    前記算出された次回の推定圧力を前記内燃機関で消費される燃料量に基づいて補正し、
    前記補正された次回の推定圧力を前記燃料ポンプの温度状態に基づいて補正し、
    前記目標圧力と前記補正された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出し、
    前記算出された次回の操作量に基づいて前記燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御する
    ことを特徴とする燃料圧力制御方法。
  5. 電動式の燃料ポンプを所要の操作量に基づいて操作することにより燃料タンクより内燃機関へ供給される燃料圧力を制御する燃料圧力制御装置であって、
    前記燃料ポンプに対する今回の操作量に応じた到達圧力を算出するための到達圧力算出手段と、
    前記算出された到達圧力と今回の推定圧力との差に基づいて次回の推定圧力を算出するための推定圧力算出手段と、
    前記目標圧力と前記算出された次回の推定圧力との差に基づいて次回の操作量を算出するための操作量算出手段と、
    前記算出された次回の操作量に基づいて前記燃料ポンプを操作することにより燃料圧力を制御するための制御手段と
    を備えたことを特徴とする燃料圧力制御装置。
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