JPH11173230A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

内燃機関の燃料供給装置

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JPH11173230A
JPH11173230A JP34178897A JP34178897A JPH11173230A JP H11173230 A JPH11173230 A JP H11173230A JP 34178897 A JP34178897 A JP 34178897A JP 34178897 A JP34178897 A JP 34178897A JP H11173230 A JPH11173230 A JP H11173230A
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JP
Japan
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fuel
learning
flow rate
correction amount
learning correction
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JP34178897A
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English (en)
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Naoki Yoshiume
直樹 吉梅
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 全ての運転領域で燃料ポンプ制御の学習精度
を向上させる。 【解決手段】 学習条件成立時に、目標燃圧と実燃圧と
の差圧に応じて学習補正量の更新量Dh を算出する(ス
テップ202)。この後、現在使用している学習補正量
がどの学習領域に属するか判定し(ステップ203)、
現在の消費燃料流量が高流量であるか否かを判定する
(ステップ204)。高流量の場合には低流量の場合と
異なり、燃料ポンプの経時的な特性変化と燃料フィルタ
の圧損増加の双方の影響を受けるため、高流量域の学習
領域に格納された学習補正量のみを更新量Dh を用いて
更新する(ステップ205)。低流量の場合には、燃料
ポンプの経時的な特性変化のみの影響を受け、且つ燃料
ポンプの経時的な特性変化は消費燃料流量の全域で同じ
ように現れるため、全ての学習領域に格納された学習補
正量を更新量Dh を用いて更新する(ステップ20
6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料ポンプを制御
して燃料の圧力(燃圧)を調整するようにした内燃機関
の燃料供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料配管系を簡素化して燃料配管
系の小型化・コストダウンを実現するために、燃料噴射
弁に送った燃料の余剰分を燃料タンクに戻すリターン配
管を廃止したリターンレス配管構成を採用したものがあ
る。このものでは、特開平6−147047号公報に示
すように、燃料配管系の燃圧を検出する燃圧センサを設
け、この燃圧センサで検出した実燃圧を目標燃圧に一致
させるように、燃料ポンプの内蔵モータへの印加電圧を
制御するようになっている。更に、このものでは、燃料
ポンプの個体差(ばらつき)や経時劣化に対処するため
に、実燃圧と目標燃圧との比較結果から学習補正量を演
算して、現在の運転状態に対応する学習領域の学習補正
量を更新し、燃料ポンプの制御量を決定する際には、現
在の運転状態に応じて燃料ポンプの基本制御量をマップ
等により演算すると共に、現在の運転状態に対応する学
習領域の学習補正量を用いて基本制御量を補正すること
で、燃料ポンプの制御量を決定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公報の学習方法で
は、学習補正量を運転領域毎に学習するため、頻繁に使
用する通常の運転領域では、学習頻度が高く、精度良く
学習できるが、例えば、スロットル全開領域等、使用頻
度が少ない運転領域では、学習頻度が少なく、学習精度
が悪くなる。このため、使用頻度が少ない運転領域で
は、燃料ポンプの制御特性が悪くなって空燃比がずれや
すくなり、これがドライバビリティの低下や排気エミッ
ションの増加を招く原因となる。
【0004】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、使用頻度が少ない運
転領域でも、燃料ポンプ制御の学習精度を向上すること
ができ、全ての運転領域で良好な燃料ポンプ制御特性を
得ることができる内燃機関の燃料供給装置を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の燃料供給装置によれ
ば、実燃圧と目標燃圧との比較結果から基本制御量に対
する学習補正量を学習手段により学習する際に、運転状
態に応じて学習補正量の学習方法を変更する。そして、
燃料ポンプ制御手段は、運転状態に応じて設定した基本
制御量を学習補正量で補正して燃料ポンプの制御量を決
定する。この場合、運転状態に応じて学習補正量の学習
方法を変更することで、使用頻度が少ない運転領域の学
習補正量を、他の運転領域の学習補正量から学習するこ
とが可能となり、学習精度を向上することができる。
【0006】ところで、燃料供給系の経時劣化は、燃料
ポンプの経時的な特性変化(回転部の摺動抵抗の変化)
と、燃料フィルタの目詰りによる圧損増加が主要な原因
である。燃料ポンプの経時的な特性変化は、図4に示す
ように、消費燃料流量の全域で同じように現れ、初期特
性を平行にずらした特性となり、消費燃料流量の影響を
あまり受けないが、燃料フィルタの圧損増加は、図5に
示すように、消費燃料流量が高流量の領域でのみ発生す
る。従って、消費燃料流量が低流量の領域では、燃料ポ
ンプの経時的な特性変化のみの影響を受け、高流量域で
は、燃料ポンプの経時的な特性変化と燃料フィルタの圧
損増加の双方の影響を受ける。
【0007】このように、燃料供給系の経時劣化による
影響は、消費燃料流量によって変化する点に着目し、請
求項2のように、少なくとも消費燃料流量で区分した学
習領域毎に学習補正量を学習し、消費燃料流量に応じて
学習補正量の学習方法を変更するようにしても良い。こ
のようにすれば、学習領域の区分方法や学習方法が燃料
供給系の経時劣化の特性に適合したものとなり、燃料供
給系の経時劣化の影響を精度良く学習することができ
る。
【0008】更に、請求項3のように、消費燃料流量が
低流量の場合には、全ての学習領域で学習補正量を更新
するようにしても良い。前述したように、消費燃料流量
が低流量の領域では、燃料ポンプの経時的な特性変化の
みの影響を受け、且つ燃料ポンプの経時的な特性変化
は、消費燃料流量の全域で同じように現れるため、アイ
ドル運転時等、使用頻度が高い低流量域で求めた学習補
正量をそのまま高流量域の学習補正量としても利用でき
る。このようにすれば、使用頻度が比較的少ない高流量
域でも、学習頻度を増加でき、学習精度を向上できる。
【0009】また、請求項4のように、消費燃料流量が
高流量の場合には、高流量域の学習領域のみの学習補正
量を更新するようにしても良い。前述したように、高流
量域では、燃料ポンプの経時的な特性変化と燃料フィル
タの圧損増加の双方の影響を受けるが、低流量域では、
燃料フィルタの圧損増加はほとんど無視できるため、高
流量域で求めた学習補正量をそのまま低流量域で用いる
と、低流量域の学習補正量が過補正となってしまう。従
って、請求項4のように、消費燃料流量が高流量の場合
には、高流量域の学習領域のみの学習補正量を更新すれ
ば、低流量域の学習精度低下を防ぐことができる。
【0010】また、図5に示すように、燃料フィルタの
圧損増加は、消費燃料流量が多くなるほど、大きくなる
傾向があるため、請求項5のように、高流量側の学習領
域になるほど学習補正量を大きくするように重み付けし
て学習するようにしても良い。このようにすれば、消費
燃料流量の増加に伴う燃料フィルタの圧損増加の影響を
精度良く学習することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
乃至図5に基づいて説明する。まず、図1に基づいて燃
料供給系全体の構成を説明する。燃料タンク11内には
燃料ポンプ12が設けられ、この燃料ポンプ12の吸込
み口にフィルタ13が装着されている。この燃料ポンプ
12の吐出口に接続された燃料配管15の途中には、燃
料中のダストを捕獲する燃料フィルタ16が設けられて
いる。この燃料フィルタ16の下流側の燃料配管17の
先端に接続されたデリバリパイプ18に、各気筒に燃料
を噴射する燃料噴射弁19が取り付けられている。燃料
配管系は、構成を簡素化するためにデリバリパイプ18
から燃料の余剰分を燃料タンク11に戻すリターン配管
を廃止したリターンレス配管構成となっている。
【0012】前述した燃料ポンプ12は、駆動源として
直流モータ(図示せず)を内蔵し、この直流モータへの
印加電圧をPWM(Pulse Width Modulation)制御又は
DC−DCコンバータ等で調整することにより、燃料ポ
ンプ12の回転数を制御して吐出圧(燃料供給能力)を
制御するようになっている。この燃料ポンプ12から吐
出される燃料の圧力(燃圧)は、デリバリパイプ18に
設けられた燃圧センサ20によって検出される。尚、燃
圧センサ20を設置する位置は、燃料フィルタ16の下
流側の燃料配管17の途中であっても良い。
【0013】上記燃料ポンプ12と燃料噴射弁19を制
御する電子制御装置(以下「ECU」という)21は、
マイクロコンピュータを主体として構成され、その入力
ポートには、エンジン回転数NEを検出するエンジン回
転数センサ22と、吸気管圧力Pmを検出する吸気管圧
力センサ23と、前述した燃圧センサ20等からの信号
が入力される。このECU21は、内蔵のROM(記憶
媒体)に記憶されている図2の燃料ポンプ制御ルーチン
及び図3の学習補正量更新プログラムを実行することに
より、特許請求の範囲でいう燃料ポンプ制御手段及び学
習手段として機能する。以下、これら各プログラムの処
理内容を説明する。
【0014】図2の燃料ポンプ制御プログラムは、イグ
ニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定時間毎
又は所定クランク角毎に実行される。本プログラムが起
動されると、まずステップ101で、エンジン回転数セ
ンサ22、吸気管圧力センサ23、燃圧センサ20等か
ら出力される信号を読み込んで、エンジン運転状態と実
燃圧Pf を検出する。この後、ステップ102で、エン
ジン運転状態に応じてマップ等から目標燃圧Pref を算
出すると共に、消費燃料流量Qを算出する。ここで、消
費燃料流量Qは、単位時間当たりの消費燃料量であり、
次の〜のいずれかの方法で算出される。
【0015】エンジン回転数NEと負荷(吸気管圧力
Pm又は吸入空気量)とからマップ又は関数式により消
費燃料流量Qを算出する。 エンジン回転数NEと各気筒の燃料噴射時間TAU
(噴射パルス幅)とからマップ又は関数式により消費燃
料流量Qを算出する。 燃料ポンプ12の印加電圧からマップ又は関数式によ
り消費燃料流量Qを算出する。 燃料ポンプ12の回転数からマップ又は関数式により
消費燃料流量Qを算出する。
【0016】これら〜のいずれかの方法で消費燃料
流量Qを算出した後、ステップ103に進んで、目標燃
圧Pref と消費燃料流量Qとをパラメータとする基本制
御量マップを検索して、現在の消費燃料流量Qと目標燃
圧Pref に応じた基本制御量Dk を算出する。この基本
制御量Dk は、燃料供給系の経時劣化や個体差(ばらつ
き)がない場合の燃料ポンプ12の制御量である。
【0017】そして、次のステップ104で、後述する
図3の学習補正量更新プログラムにより学習された学習
補正量Dg のマップを検索して、現在の消費燃料流量Q
と目標燃圧Pref に対応する学習領域に格納された学習
補正量Dg を読み込む。この後、ステップ105で、基
本制御量Dk に学習補正量Dg を加算して、燃料ポンプ
12の制御量Dout (印加電圧)を算出する。 Dout =Dk +Dg
【0018】上式は、学習補正量Dg が基本制御量Dk
からの増加量で学習されている場合であるが、学習補正
量Dg が基本制御量Dk に対する補正率(補正係数)で
学習されている場合には、次式に示すように、基本制御
量Dk に学習補正量Dg を乗算して燃料ポンプ12の制
御量Dout を算出すれば良い。 Dout =Dk ×Dg 制御量Dout の算出後、ステップ106に進み、この制
御量Dout に応じた印加電圧で燃料ポンプ12を駆動し
て、本プログラムを終了する。
【0019】次に、学習補正量Dg の学習方法について
説明する。燃料供給系の経時劣化は、燃料ポンプ12の
経時的な特性変化(回転部の摺動抵抗の変化)と、燃料
フィルタ16の目詰りによる圧損増加が主要な原因であ
る。燃料ポンプ12の経時的な特性変化は、図4に示す
ように、消費燃料流量Qの全域で同じように現れ、初期
特性を平行にずらした特性となり、消費燃料流量Qの影
響をあまり受けない。一方、燃料フィルタ16の圧損増
加は、図5に示すように、消費燃料流量Qが高流量の領
域でのみ発生し、且つ、消費燃料流量Qが多くなるほ
ど、圧損増加が大きくなる傾向がある。
【0020】従って、消費燃料流量Qが低流量の領域で
は、燃料ポンプ12の経時的な特性変化のみの影響を受
け、且つ燃料ポンプ12の経時的な特性変化は消費燃料
流量Qの全域で同じように現れるため、低流量域で求め
た学習補正量Dg をそのまま高流量域の学習補正量Dg
としても利用する。
【0021】また、高流量域では、燃料ポンプ12の経
時的な特性変化と燃料フィルタ16の圧損増加の双方の
影響を受けるが、低流量域では、燃料フィルタ16の圧
損増加はほとんど無視できるため、高流量域で求めた学
習補正量Dg をそのまま低流量域で用いると、低流量域
の学習補正量が過補正となる。この点を考慮し、消費燃
料流量Qが高流量の場合には、高流量域の学習領域のみ
の学習補正量Dg を更新する。
【0022】このような学習処理は、図3の学習補正量
更新プログラムによって実行される。本プログラムは、
イグニッションスイッチ(図示せず)のオン後に所定時
間毎又は所定クランク角毎に実行される。本プログラム
が起動されると、まずステップ201で、学習条件が成
立しているか否かを判定する。ここで、学習条件として
は、例えば、次のようなものがある。
【0023】始動から所定時間が経過したこと 燃料タンク11内の燃料残量が所定量以上であること 燃料カット中でないこと 急加減速中でないこと これらの条件を全て満たせば、学習条件が成立するが、
1つでも満たさない条件があれば、学習条件が不成立と
なり、以降の処理を行うことなく、本プログラムを終了
する。
【0024】これに対し、学習条件が成立している場合
には、ステップ202に進み、学習補正量Dg の更新量
Dh を次式により算出する。 Dh =α×ΔP ここで、αは係数、ΔPは目標燃圧Pref からの実燃圧
Pf のずれ(燃圧偏差)であり、次式により求められ
る。 ΔP=Pref −Pf
【0025】尚、実燃圧Pf を目標燃圧Pref に一致さ
せるように燃料ポンプ12をフィードバック制御するシ
ステムでは、ΔPに代えて、燃圧フィードバック補正値
を用いても良い。
【0026】更新量Dh の算出後、ステップ203に進
んで、現在使用している学習補正量Dg がどの学習領域
(運転領域)に属するか判定する。この後、ステップ2
04で、現在の消費燃料流量Qが高流量であるか否かを
判定する。ここで、高流量とは、燃料ポンプ12の経時
的な特性変化と燃料フィルタ16の圧損増加の双方の影
響を受ける流量であり、換言すれば、燃料フィルタ16
の圧損増加の影響が燃料ポンプ12の経時的な特性変化
の影響とほぼ同等若しくはそれを上回るようになる流量
であり、所定流量Qg (例えば50リットル/時間)以
上の流量が高流量と判定される。高流量域で求めた学習
補正量Dg をそのまま低流量域で用いると、過補正とな
るため、高流量の場合には、ステップ205に進み、高
流量域(Qg 以上の領域)の学習領域に格納された学習
補正量Dg を、更新量Dh を用いて次式により更新す
る。
【0027】Dg(Qi,Pj)t =Dg(Qi,Pj)t-1 +Dh (i =g 〜n 、j =1〜m ) ここで、Dg(Qi,Pj)は、消費燃料流量Q=Qi 、目標
燃圧Pref =Pj の時の学習補正量である。Dg(Qi,P
j)t-1 は、前回の学習補正量であり、Dg(Qi,Pj)
t は、今回の学習補正量である。
【0028】一方、現在の消費燃料流量Qが低流量(Q
<Qg )である場合には、燃料ポンプ12の経時的な特
性変化のみの影響を受け、且つ燃料ポンプ12の経時的
な特性変化は、消費燃料流量Qの全域で同じように現れ
るため、ステップ206に進み、全ての学習領域に格納
された学習補正量Dg を、更新量Dh を用いて次式によ
り更新する。 Dg(Qi,Pj)t =Dg(Qi,Pj)t-1 +Dh (i =1〜n 、j =1〜m )
【0029】尚、上記ステップ205,206では、前
回の学習補正量Dg(Qi,Pj)t-1 に更新量Dh を加算し
て今回の学習補正量Dg(Qi,Pj)t を求めたが、更新量
Dhを前回の学習補正量Dg(Qi,Pj)t-1 に対する補正
率(補正係数)で算出する場合には、次式に示すよう
に、前回の学習補正量Dg(Qi,Pj)t-1 に更新量Dh を
乗算して今回の学習補正量Dg(Qi,Pj)t を算出すれば
良い。 Dg(Qi,Pj)t =Dg(Qi,Pj)t-1 ×Dh
【0030】以上説明した実施形態によれば、消費燃料
流量が低流量の領域では、燃料ポンプ12の経時的な特
性変化のみの影響を受け、且つ、燃料ポンプ12の経時
的な特性変化は、消費燃料流量の全域で同じように現れ
るため、アイドル運転時等、使用頻度が高い低流量域で
求めた学習補正量をそのまま高流量域の学習補正量とし
ても利用できるという事情を考慮し、低流量の場合に
は、全ての学習領域で学習補正量を更新するようにした
ので、使用頻度が比較的少ない高流量域でも、学習頻度
を増加でき、学習精度を向上できる。
【0031】また、高流量域では、燃料ポンプの経時的
な特性変化と燃料フィルタの圧損増加の双方の影響を受
けるため、高流量域で求めた学習補正量をそのまま低流
量域で用いると、低流量域の学習補正量が過補正となる
ことを考慮し、高流量の場合には、高流量域の学習領域
のみの学習補正量を更新するようにしたので、低流量域
の学習精度低下を防ぐことができる。
【0032】以上説明した実施形態は、燃料ポンプ12
の印加電圧を制御して実燃圧を目標燃圧に一致させる電
圧制御方式の燃料供給システムに本発明を適用したもの
であるが、燃料ポンプ12の制御電流を目標燃圧に応じ
た電流値に制御する電流制御方式の燃料供給システムに
も本発明を適用可能である。この電流制御方式の場合に
は、図2のステップ103の処理を図6のステップ10
3a〜103cに変更して、次のようにして基本制御量
Dk を算出すれば良い。
【0033】まず、ステップ103aにて、基準流量
(例えばQ=0)の時の制御量基準値Do を次式により
算出する。 Do =a×(目標燃圧)+b ここで、a,bは定数である。
【0034】そして、次のステップ103bで、流量変
化による燃圧変化分を補正するための流量補正項Hq を
算出する。この流量補正項Hq の算出は、目標燃圧Pre
f と消費燃料流量Qとをパラメータとするマップを用い
る。流量補正項Hq の算出後、ステップ103cに進
み、次式に示すように制御量基準値Do に流量補正項H
q を加算して基本制御量Dk を算出する。 Dk =Do +Hq この後は、図2のステップ104以降の処理を行う。
【0035】尚、流量補正項Hq を補正率(補正係数)
で算出する場合には、次式に示すように制御量基準値D
o に流量補正項Hq を乗算して基本制御量Dk を算出す
る。 Dk =Do ×Hq
【0036】また、図3の学習補正量更新プログラムで
は、学習補正量Dg の更新量Dh を一定の係数αを用い
て算出し(ステップ202)、消費燃料流量Qが異なる
学習領域でも、同じ更新量Dh を用いて学習補正量Dg
を更新するようにしたが(ステップ205,206)、
図5に示すように、燃料フィルタ16の圧損増加は、消
費燃料流量Qが多くなるほど大きくなるため、図7に示
すように、更新量Dhの重み付け係数βを消費燃料流量
Qが多くなるほど、大きくするように設定し、学習領域
毎に、消費燃料流量Qに応じた重み付け係数βを燃圧偏
差ΔP(又は燃圧フィードバック補正値)に乗算して更
新量Dh を算出することで(Dh =β×ΔP)、高流量
側の学習領域になるほど学習補正量Dg の更新量Dh を
大きくするように重み付けして学習するようにしても良
い。このようにすれば、消費燃料流量Qの増加に伴う燃
料フィルタ16の圧損増加の影響を精度良く学習するこ
とができる。
【0037】尚、重み付け係数βは、図5の燃料フィル
タ16の圧損増加の特性曲線に合わせた曲線で設定した
り、或は、図7に点線や一点鎖線で示すように、直線で
近似したり、階段状に設定しても良い。
【0038】また、図3の学習補正量更新プログラムで
は、消費燃料流量Qに応じて学習補正量Dg の学習方法
を2段階に切り換えるようにしたが(ステップ204〜
206)、3段階以上に切り換えるようにしても良い。
例えば、消費燃料流量Qに応じて学習補正量Dg の学習
方法を3段階に切り換える場合には、図8に示すよう
に、消費燃料流量がQ1 〜Qg1の少流量域、Qg1〜Qg2
の中流量域、Qg2〜Qnの大流量域に区分し、少流量域
では、燃料ポンプ12の特性変化による影響のみを考慮
し、重み付け係数βを1.0に固定して、全ての学習領
域で、同一の更新量Dh で学習補正量Dg を更新する。
【0039】中流量域では、燃料ポンプ12の特性変化
と燃料フィルタ16の圧損増加の双方の影響を考慮する
ように重み付け係数βを設定し、学習領域毎に、消費燃
料流量Qに応じた重み付け係数βを燃圧偏差ΔP(又は
燃圧フィードバック補正値)に乗算して更新量Dh を算
出して、学習補正量Dg を更新する。
【0040】大流量域では、燃料ポンプ12の特性変化
による影響と比較して燃料フィルタ16の圧損増加の影
響が非常に大きくなるため、実質的に燃料フィルタ16
の圧損増加のみを考慮すれば良くなる。従って、大流量
域では、燃料フィルタ16の圧損増加のみを考慮するよ
うに重み付け係数βを設定し、学習領域毎に、消費燃料
流量Qに応じた重み付け係数βを燃圧偏差ΔP(又は燃
圧フィードバック補正値)に乗算して更新量Dh を算出
して、学習補正量Dg を更新する。
【0041】尚、上記各実施形態では、学習領域を消費
燃料流量と目標燃圧とによって区分したが、消費燃料流
量のみによって区分したり、消費燃料流量に代えて、燃
料ポンプ12の印加電圧(又はポンプ回転数)によって
区分するようにしても良い。或は、学習領域をエンジン
回転数と負荷とによって区分したり、エンジン回転数と
燃料噴射時間とによって区分するようにしても良く、要
は、運転状態に応じて学習領域を区分するようにすれば
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すシステム全体の構成
【図2】燃料ポンプ制御プログラムの処理の流れを示す
フローチャート
【図3】学習補正量更新プログラムの処理の流れを示す
フローチャート
【図4】燃料ポンプの経時的な特性変化を説明する図
【図5】燃料フィルタの経時的な圧損増加を説明する図
【図6】電流制御方式の燃料供給システムに本発明を適
用する場合の基本制御量Dk の算出方法を示すフローチ
ャート
【図7】消費燃料流量Qに応じて学習補正量Dg の重み
付けを行う場合の重み付け係数βの設定方法を説明する
【図8】消費燃料流量Qに応じて学習補正量Dg の学習
方法を3段階に切り換える場合の学習方法を説明する図
【符号の説明】
11…燃料タンク、12…燃料ポンプ、15…燃料配
管、16…燃料フィルタ、17…燃料配管、18…デリ
バリパイプ、19…燃料噴射弁、20…燃圧センサ、2
1…ECU(燃料ポンプ制御手段,学習手段)、22…
エンジン回転数センサ、23…吸気管圧力センサ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンク内の燃料を燃料噴射弁に送る
    燃料ポンプと、 前記燃料ポンプを制御して前記燃料噴射弁に供給する燃
    料の圧力(以下「燃圧」という)を調整する燃料ポンプ
    制御手段とを備えた内燃機関の燃料供給装置において、 前記燃料ポンプ制御手段は、運転状態に応じて前記燃料
    ポンプの基本制御量を演算する手段と、実燃圧と目標燃
    圧との比較結果から前記基本制御量に対する学習補正量
    を学習する学習手段と、前記基本制御量を前記学習補正
    量で補正して前記燃料ポンプの制御量を決定する手段と
    を備え、 前記学習手段は、運転状態に応じて前記学習補正量の学
    習方法を変更することを特徴とする内燃機関の燃料供給
    装置。
  2. 【請求項2】 前記学習手段は、少なくとも消費燃料流
    量で区分した学習領域毎に前記学習補正量を学習し、消
    費燃料流量に応じて前記学習補正量の学習方法を変更す
    ることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の燃料供
    給装置。
  3. 【請求項3】 前記学習手段は、前記消費燃料流量が低
    流量の場合には、全ての学習領域で前記学習補正量を更
    新することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の燃
    料供給装置。
  4. 【請求項4】 前記学習手段は、前記消費燃料流量が高
    流量の場合には、高流量域の学習領域のみで前記学習補
    正量を更新することを特徴とする請求項2又は3に記載
    の内燃機関の燃料供給装置。
  5. 【請求項5】 前記学習手段は、高流量側の学習領域に
    なるほど前記学習補正量を大きくするように重み付けし
    て学習することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか
    に記載の内燃機関の燃料供給装置。
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