JPH08261044A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置

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JPH08261044A
JPH08261044A JP7061304A JP6130495A JPH08261044A JP H08261044 A JPH08261044 A JP H08261044A JP 7061304 A JP7061304 A JP 7061304A JP 6130495 A JP6130495 A JP 6130495A JP H08261044 A JPH08261044 A JP H08261044A
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JP
Japan
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fuel
pressure
air
fuel injection
open loop
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Application number
JP7061304A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kawabata
剛士 川端
Kenji Nagasaki
賢司 長崎
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP7061304A priority Critical patent/JPH08261044A/ja
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オープンループ制御時に燃料フィルタの圧力
損失増大による燃料噴射量減少を補正する。 【構成】 通常運転中(空燃比フィードバック制御中)
は、排気系に設けられた酸素センサ29の出力信号に基
づいて空燃比を理論空燃比近傍にフィードバック制御
し、例えば検出した空燃比がリーン状態であれば、燃料
噴射量を増加させる方向に補正し、リッチ状態に反転す
れば、燃料噴射量を減少させる方向に補正する。この空
燃比フィードバック制御中は、燃料フィルタ24の圧力
損失の影響が現れるフィードバック補正量を学習し、そ
の後、高回転・高負荷運転状態になると、空燃比フィー
ドバック制御を停止してオープンループ制御に移行す
る。このオープンループ制御中は、上述したフィードバ
ック補正量の学習値から燃料フィルタ24の圧力損失に
よる燃圧低下量を推定して燃料噴射量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空燃比フィードバック
制御停止中、つまりオープンループ制御中における燃料
噴射量の制御特性を改善した内燃機関の燃料噴射制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平6−129325号公報
に示すように、インジェクタ側から余剰燃料を燃料タン
ク内に戻すリターン配管を廃止したリターンレス配管構
成の燃料供給系では、燃料配管内の燃圧を調整するプレ
ッシャレギュレータを燃料タンク内に設け、このプレッ
シャレギュレータの下流側の燃料配管中に、燃料中のダ
ストを除去する燃料フィルタを設けた構成のものがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、燃料フィル
タは、使用期間が長くなるに従って、フィルタ材が次第
に目詰り(経時的劣化)して圧力損失が増大することは
避けられないが、前述したプレッシャレギュレータによ
る燃圧の調整は燃料フィルタの上流側で行われるため、
燃料フィルタの圧力損失が増大すれば、その分、インジ
ェクタ近傍の燃圧が低下して燃料噴射量が減少してしま
う。このように、燃料噴射量が減少すると、空燃比がリ
ーン側にずれるため、空燃比フィードバック制御中は、
排気系に設けられた酸素センサの出力信号により空燃比
のリーン側へのずれを検出すると、燃料噴射量を増加す
る方向にフィードバック補正する。従って、空燃比フィ
ードバック制御中は、燃料フィルタの圧力損失増大によ
る燃料噴射量減少を空燃比フィードバック制御により補
正することが可能である。
【0004】しかし、エンジンの運転状態によっては、
空燃比フィードバック制御を停止してオープンループ制
御を行う場合がある。例えば、高回転・高負荷時には、
出力向上や排気ガス温度を低下させるために、目標空燃
比をリッチに設定して燃料増量補正を行う。また、酸素
センサの温度が低い時には、正しい空燃比を検出できな
いため、エンジン始動からエンジン冷却水温度がある程
度上昇するまでの間はオープンループ制御を行う。この
ようなオープンループ制御では、燃料フィルタの圧力損
失増大による燃料噴射量減少を補正する能力が無い。特
に、高回転・高負荷時には燃料フィルタを通過する燃料
流量が増加するため、燃料フィルタの圧力損失も益々大
きくなり、オープンループ制御による高回転・高負荷時
の燃料増量が不足して、スムーズな出力上昇を妨げた
り、排気ガス温度上昇による熱害を発生させるおそれが
ある。
【0005】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、従ってその目的は、オープンループ制御
中でも燃料フィルタの圧力損失増大による燃料噴射量減
少を補正することができて、オープンループ制御時の燃
料噴射特性を向上することができる内燃機関の燃料噴射
制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1の内燃機関の燃料噴射制御装置
は、燃料ポンプからインジェクタへ燃料を送る燃料配管
中に燃料フィルタを設け、この燃料フィルタの上流側で
燃圧を調整する手段を設けたものにおいて、排気系に設
けられた酸素センサ又は空燃比センサの出力信号に基づ
いて空燃比フィードバック制御を行って前記インジェク
タの燃料噴射量をフィードバック補正する空燃比フィー
ドバック制御手段と、前記空燃比フィードバック制御中
にフィードバック補正量を学習する学習手段と、前記空
燃比フィードバック制御を停止してオープンループ制御
を行う場合に、前記学習手段の学習値に応じてオープン
ループ制御時の燃料噴射量を補正するオープンループ制
御手段とを備えた構成としたものである。
【0007】この場合、請求項2のように、前記燃料フ
ィルタの上流側で燃圧を調整する手段を、前記燃料配管
中に設けられたプレッシャレギュレータにより構成し、
前記オープンループ制御手段は、前記学習手段の学習値
が空燃比リーン状態を補正する傾向にあるときにはその
学習値に応じて前記オープンループ制御時の燃料噴射量
を増加させる方向に補正するようにしても良い。
【0008】或は、請求項3のように、前記燃料フィル
タの上流側で燃圧を調整する手段を、前記燃料フィルタ
の上流側で燃圧を検出する圧力センサと、この圧力セン
サの出力信号に基づいて前記燃料ポンプの吐出圧を制御
するポンプ制御手段とから構成しても良い。
【0009】また、請求項4のように、前記オープンル
ープ制御手段は、前記学習手段の学習値に基づく燃料噴
射量の補正を内燃機関の高回転・高負荷運転時に行うよ
うにしても良い。
【0010】
【作用】上述した請求項1の構成によれば、通常運転中
(空燃比フィードバック制御中)には、空燃比フィード
バック制御手段は、排気系に設けられた酸素センサ又は
空燃比センサの出力信号に基づいて空燃比を理論空燃比
近傍にフィードバック制御し、例えば検出した空燃比が
リーン状態であれば、燃料噴射量を増加させる方向に補
正し、リッチ状態に反転すれば、燃料噴射量を減少させ
る方向に補正する。この空燃比フィードバック制御中
は、燃料フィルタの圧力損失の影響が現れるフィードバ
ック補正量を学習手段により学習する。この後、内燃機
関(エンジン)の運転状態が例えば高回転・高負荷運転
状態になると、空燃比フィードバック制御を停止してオ
ープンループ制御に移行する。このオープンループ制御
中は、上述した学習手段で学習したフィードバック補正
量に応じてオープンループ制御時の燃料噴射量をオープ
ンループ制御手段によって補正する。
【0011】つまり、燃料フィルタが目詰りして圧力損
失が増大し、インジェクタ近傍の燃圧が低下して燃料噴
射量が減少すると、空燃比フィードバック制御中は、燃
料フィルタの圧力損失増大による燃料噴射量減少を補う
ように燃料増量方向へフィードバック補正され、そのフ
ィードバック補正量が学習手段で学習される。このよう
に、燃料フィルタの目詰りにより圧力損失が増大するこ
とは、制御モードが空燃比フィードバック制御からオー
プンループ制御に切り替わっても、事情が同じであるた
め、オープンループ制御中は、空燃比フィードバック制
御中に行ったフィードバック補正量の学習値を利用し、
その学習値をオープンループ制御時の燃料噴射量の補正
に反映させることで、燃料フィルタの圧力損失増大によ
る燃料噴射量減少を補正するものである。
【0012】また、請求項2では、燃料フィルタの上流
側に設けられたプレッシャレギュレータにより、燃料フ
ィルタの上流側の燃圧を一定値に調整する。そして、オ
ープンループ制御手段は、学習手段の学習値が空燃比リ
ーン状態を補正する傾向にあるときには、燃料フィルタ
の圧力損失が増大しているので、学習手段の学習値に応
じてオープンループ制御時の燃料噴射量を増加させる方
向(この場合にはインジェクタの噴射パルス幅を増加さ
せる方向)に補正することで、燃料フィルタの圧力損失
増大による燃料噴射量減少を補正する。
【0013】一方、請求項3では、燃料フィルタの上流
側の燃圧(燃料ポンプの吐出圧)を圧力センサにより検
出し、この圧力センサの出力信号に基づいて燃料ポンプ
の回転数をポンプ制御手段により可変制御して燃料ポン
プの吐出圧を調整することで燃料フィルタの上流側の燃
圧を調整する。この場合には、燃料増量補正は、インジ
ェクタの噴射パルス幅を増加させても良いし、燃料ポン
プの吐出圧(燃圧)を増加させるようにしても良い。
【0014】ところで、オープンループ制御は、高回転
・高負荷運転時や、酸素センサ(又は空燃比センサ)の
温度が低い時に行われる。この酸素センサ(又は空燃比
センサ)の温度が低い時期は、エンジン始動から暫くの
間であり、エンジン回転数も低回転域にあるので、燃料
フィルタを通過する燃料流量が少なく、燃料フィルタの
圧力損失も小さい。従って、この場合には、上述した学
習手段の学習値に基づく燃料噴射量の補正を行わなくて
も、さほどの影響はない。しかし、高回転・高負荷時に
は燃料フィルタを通過する燃料流量が増加して、燃料フ
ィルタの圧力損失も著しく増大するため、この圧力損失
が燃料噴射量に及ぼす影響が相当に大きくなる。
【0015】そこで、請求項4では、オープンループ制
御手段は、学習手段の学習値に基づく燃料噴射量の補正
を、燃料フィルタの圧力損失の影響が大きくなる高回転
・高負荷運転時に行い、これ以外のオープンループ制御
では、この補正を行わないことで、過剰な補正を防い
で、制御特性を向上させる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1乃至図8に
基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御
系システム全体の概略構成を説明する。エンジン10
(内燃機関)の吸気ポート11に接続された吸気管12
の最上流部にはエアクリーナ13が設けられ、このエア
クリーナ13の下流側にスロットルバルブ14が設けら
れている。このスロットルバルブ14を収納するスロッ
トルボデー15には、スロットルバルブ14をバイパス
する吸気量を調節するアイドルスピードコントロールバ
ルブ16と、吸気管圧力を検出する吸気管圧力センサ1
7とが設けられている。スロットルボデー15の下流側
にはサージタンク18が設けられ、このサージタンク1
8内には吸気温を検出する吸気温センサ19が設けられ
ている。
【0017】また、各気筒の吸気ポート11の近傍に
は、燃料タンク20から供給される燃料(ガソリン)を
噴射するインジェクタ21が設けられている。燃料タン
ク20内の燃料は燃料ポンプ22により汲み上げられ、
燃料配管25中をプレッシャレギュレータ23→燃料フ
ィルタ24の経路を経てデリバリパイプ26に送られ、
このデリバリパイプ26から各気筒のインジェクタ21
に分配される。上記プレッシャレギュレータ23の背圧
室を圧力導入管38を介してサージタンク18に連通さ
せて、プレッシャレギュレータ23の背圧室に吸気管圧
力を導入することで、燃料配管25内の燃圧を吸気管圧
力との差圧が一定になるように調整する。以上説明した
燃料供給系は、デリバリパイプ26から燃料の一部を燃
料タンク20内に戻すリターン配管が廃止され、燃料供
給系がデリバリパイプ26で終端となるリターンレス配
管構成となっている。
【0018】一方、エンジン10の排気ポート27に接
続された排気管28には、排出ガス中の酸素濃度を検出
する酸素センサ29や排出ガス浄化用の三元触媒(図示
せず)が設けられている。エンジン10を冷却するウォ
ータジャケット30には、冷却水温を検出する水温セン
サ31が取り付けられている。また、エンジン10の回
転数はクランク角センサ32から所定クランク角毎に出
力されるパルス信号によって検出される。
【0019】キースイッチ33は、キー(図示せず)の
回動操作により、“OFF”、“ACC”、“ON”、
“START”の4つの位置に切り替えることができる
ようになっている。このキースイッチ33を“OFF”
から“ACC”へ切り替えると、ラジオやヘッドライト
等の電気負荷にバッテリ34から電力が供給される。
“ON”位置に切り替えると、電子制御回路(以下「E
CU」という)35にバッテリ34から電力が供給され
る。これにより、ECU35は、吸気温センサ19、吸
気管圧力センサ17、水温センサ31、クランク角セン
サ32及び酸素センサ29から出力される吸気温TH
A、吸気管圧力PM、水温THW、エンジン回転数NE
及び酸素センサ信号Oxの各信号を読み込んで、インジ
ェクタ21の燃料噴射量や噴射時期、点火プラグ37の
点火時期等を制御すると共に、酸素センサ29から出力
される酸素センサ信号Oxに基づいて空燃比を理論空燃
比近傍にフィードバック制御する。また、“STAR
T”位置に切り替えると、スタータモータ36にバッテ
リ34から電力が供給され、エンジン10が始動され
る。
【0020】ところで、本実施例のように、プレッシャ
レギュレータ23の下流側の燃料配管25中に、燃料中
のダストを除去する燃料フィルタ24を設けた構成で
は、燃料フィルタ24の圧力損失が増大すると、その
分、インジェクタ21近傍のデリバリパイプ26内の燃
圧が低下して燃料噴射量が減少してしまう。燃料フィル
タ24は、図2に示すように、長期使用品の方が新品フ
ィルタに比べて圧力損失が著しく大きくなり、両者の圧
力損失の差は燃料フィルタ24の通過燃料流量が大きく
なるほど益々拡大される。従って、図3に示すように、
燃料フィルタ24の圧力損失によるデリバリパイプ26
内の燃圧低下幅は、燃料フィルタ24の使用期間が長く
なって目詰り等の経時的劣化が増大するほど、また燃料
フィルタ24の通過燃料流量が大きくなるほど拡大され
る。このため、燃料フィルタ24の通過燃料流量が大き
くなる高回転・高負荷時には、燃料フィルタ24の経時
的劣化によるデリバリパイプ26内の燃圧低下幅が相当
に大きくなり、これを補正しないと、オープンループ制
御時の燃料噴射量が不足して、スムーズな出力上昇を妨
げたり、排気ガス温度上昇による熱害を発生させるおそ
れがある。
【0021】この対策として、本実施例では、空燃比フ
ィードバック制御中に燃料フィルタ24の圧力損失の影
響が現れるフィードバック補正量を学習し、高回転・高
負荷時のオープンループ制御に移行した時に、空燃比フ
ィードバック制御中の学習値から燃料フィルタ24の圧
力損失による燃圧低下量を推定してオープンループ制御
時の燃料噴射量を補正する。
【0022】このような燃料噴射量制御はECU35に
よって実行される。以下、この制御の具体的な処理の流
れを図4〜図6のフローチャートに従って説明する。図
4〜図6の処理は、短周期で繰り返し実行される。処理
が開始されると、まず、ステップ101で、吸気管圧力
センサ17、クランク角センサ32、水温センサ31及
び酸素センサ29から出力される吸気管圧力PM、エン
ジン回転数NE、エンジン冷却水温THW、酸素センサ
信号Oxを読み込み、続くステップ102で、吸気管圧
力PM、エンジン回転数NE、エンジン冷却水温THW
に基づいて基本噴射量TPを算出した後、ステップ10
3で、単位時間当たりのエンジン要求燃料量Qnを算出
する。
【0023】この後、ステップ104〜121の処理に
より、基本噴射量TPを補正するために、次のようにし
て酸素センサ信号Oxを使用して空燃比フィードバック
補正係数FAFKGを算出する。まず、ステップ104
で、空燃比フィードバック条件が成立しているか否かを
フィードバックフラグXFBが「1」であるか否かによ
って判定し、空燃比フィードバック条件が成立していな
い場合(XFB=0の場合)には、ステップ105に進
み、ECU35のメモリ49のPM学習値記憶エリアか
ら吸気管圧力PMに対応するPM学習値KGnを読み出
し、続くステップ106で、空燃比フィードバック補正
係数FAFとFAFOを共に1.0(つまりオープンル
ープ制御時の設定値)に設定した後、後述する図5のス
テップ121へ進む。
【0024】一方、ステップ104で、空燃比フィード
バック条件が成立している場合(XFB=1の場合)に
は、ステップ107へ進み、酸素センサ信号Oxに基づ
いて空燃比がリッチであるか否かを判定する。ここで、
リッチと判定されれば、ステップ108へ進んで、空燃
比フィードバック補正係数FAFから所定値PIを減算
した値を新たなFAFとするが、リーンと判定されれ
ば、ステップ109に進んで、空燃比フィードバック補
正係数FAFから所定値PIを加算した値を新たなFA
Fとする。これらステップ107〜109の処理が特許
請求の範囲でいう空燃比フィードバック制御手段として
機能する。そして、次のステップ110で前回の空燃比
フィードバック補正係数FAFOと今回の空燃比フィー
ドバック補正係数FAFとの平均値FAFAVを算出す
ると共に、FAFOを今回の空燃比フィードバック補正
係数FAFで更新する。
【0025】この後、ステップ111で、学習値KGが
異常であるか否かを判定し、異常であれば、ステップ1
13に進んで、学習値KGを初期値1.0にリセットし
た後、後述する図5のステップ121へ進む。一方、学
習値KGが異常でなければ、ステップ112に進んで、
空燃比フィードバック学習条件が成立しているか否かを
学習条件フラグXKGが「1」であるか否かによって判
定し、空燃比フィードバック学習条件が成立していない
場合(XKG=0の場合)には、後述する図5のステッ
プ121へ進むが、空燃比フィードバック学習条件が成
立している場合(XKG=1の場合)には、ステップ1
14に進んで、メモリ49のPM学習値記憶エリアから
吸気管圧力PMに対応するPM学習値KGnを読み出
し、図5のステップ115へ進む。
【0026】このステップ115では、補正係数平均値
FAFAVを1.02と比較し、FAFAV>1.02
の場合には、ステップ116に進んで、PM学習値KG
nを0.002だけ増加して、ステップ119に進み、
学習値更新フラグXKGUを「1」にセットして、ステ
ップ121に進む。
【0027】一方、上述したステップ115で、FAF
AV≦1.02の場合には、ステップ117に進んで、
FAFAV<0.98であるか否かを判定し、FAFA
V<0.98の場合には、ステップ118に進んでPM
学習値KGnを0.002だけ減少して、ステップ11
9に進み、PM学習値更新フラグXKGUを「1」にセ
ットして、ステップ121に進む。また、ステップ11
7にて、FAFAV≧0.98の場合には、ステップ1
20に進んで、PM学習値更新フラグXKGUを「0」
をクリアして、ステップ121に進む。
【0028】以上のようにして、ステップ106,11
3,119,120のいずれかの処理を終了すると、ス
テップ121に進み、基本噴射量TPを補正するための
空燃比フィードバック補正係数FAFKGを次式により
算出する。 FAFKG=FAF×KGn 上式において、FAFは、ステップ106,108,1
09のいずれかの処理で求められた空燃比フィードバッ
ク補正係数であり、KGnは、ステップ105,11
6,118のいずれかの処理で求められたPM学習値で
ある。
【0029】この後、ステップ122〜135の処理に
より、基本噴射量TPを補正するために、要求燃料量Q
n領域毎に持つ空燃比のQn学習値KQGnを使用し
て、次のようにして高回転高負荷補正係数FOPを算出
する。まず、ステップ122で、エンジン回転数NEが
所定範囲内(KNEL<NE<KNEH)であるか否か
を判定する。これは所定範囲内のエンジン回転数に限定
することにより空燃比学習のPM学習領域とQn学習領
域とを対応させるためである(図7参照)。もし、エン
ジン回転数が所定範囲内でなければ、図6のステップ1
26に進むが、エンジン回転数が所定範囲内であれば、
ステップ123へ進み、PM学習値更新フラグXKGU
が「0」にクリアされているか否か、つまりPM学習値
KGnが更新中でない空燃比学習完了状態であるか否か
を判定する。このステップ123で、PM学習値更新フ
ラグXKGUが「1」、つまりPM学習値KGnの更新
中である場合には、要求燃料量Qnの学習を行わず、図
6のステップ126に進むが、PM学習値更新フラグX
KGUが「0」、つまりPM学習値KGnが更新中でな
い空燃比学習完了状態である場合には、Qn学習値記憶
エリアから要求燃料量Qnに対応する空燃比のQn学習
値KQGnを読み出し、続くステップ125で、KQG
n=KGnとする。
【0030】この後、図6のステップ126〜128に
より、所定要求燃料量以上のQn学習値KQG3〜KQ
G6(図8参照)が燃料量増加に伴い増加傾向にあるか
否かを判定する。具体的には、KQG3→KQG4→K
QG5→KQG6の変化が所定値α以上ずつ増加してい
るか否かによって増加傾向にあるか否かを判定する。こ
の処理は、燃料フィルタ24が異物捕捉等により経時劣
化してその圧力損失が増加すると、燃料量増加に伴い空
燃比がリーン傾向となるため、その傾向をQn学習値K
QG3〜KQG6から判定するものである。もし、ステ
ップ126〜128のいずれかで「No」と判定されれ
ば、所定噴射燃料量以上のQn学習値KQG3〜KQG
6が増加傾向ではなく、燃料フィルタ24の圧力損失に
よる補正は不要であるので、ステップ135に進んで、
高回転高負荷補正係数FOPを1.0に設定する。
【0031】一方、ステップ126〜128の判定が全
て「Yes」の場合、つまり、所定要求燃料量以上のQ
n学習値KQG3〜KQG6が、燃料量増加に伴い増加
傾向にある場合には、ステップ129に進み、所定噴射
燃料量間のQn学習値KQG3,KQG6の差から新た
なQn学習値KQGFBを次式により算出する。 KQGFB=KQG6−KQG3+1.0 この後、ステップ130に進み、空燃比フィードバック
領域での最大燃圧低下量DLPFBを上記Qn学習値K
QGFBを用いて次式により算出する。 DLPFB=燃圧×(1−1/KQGFB2 ) この最大燃圧低下量DLPFBは、燃料フィルタ24の
圧力損失に対応する。上式に用いる燃圧は、プレッシャ
レギュレータ23の調整圧力である。以上説明したステ
ップ110〜130の処理が特許請求の範囲でいう学習
手段として機能する。
【0032】次いで、ステップ131で、空燃比フィー
ドバック条件が不成立であるか否か(換言すればオープ
ンループ制御中であるか否か)をフィードバックフラグ
XFBが「0」であるか否かによって判定し、空燃比フ
ィードバック条件が不成立でない場合(XFB=1の場
合)には、ステップ135に進み、高回転高負荷補正係
数FOPを1.0に設定する。一方、空燃比フィードバ
ック条件が不成立である場合(XFB=0の場合)に
は、ステップ135に進み、高回転高負荷補正が許可さ
れているか否か(つまり高回転・高負荷時のオープンル
ープ制御中であるか否か)を高回転高負荷補正フラグX
FOPが「1」であるか否かによって判定し、高回転高
負荷補正が許可されていない場合(XFOP=0の場
合)には、ステップ135に進み、高回転高負荷補正係
数FOPを1.0に設定する。
【0033】以上の説明したステップ131,132の
処理により、オープンループ制御中で且つ高回転・高負
荷時のみ、ステップ133に進み、空燃比フィードバッ
ク領域外の燃圧低下量DLPnを、要求燃料量Qn、空
燃比フィードバック領域での最大要求燃料量QFB及び
最大燃圧低下量DLPFBを用いて次式により算出す
る。 DLPn=(Qn/QFB)2 ×DLPFB この空燃比フィードバック領域外の燃圧低下量DLPn
を用いて、次のステップ134で、次式により高回転高
負荷補正係数FOPを算出する。 FOP=1/{(燃圧−DLPn)/燃圧}1/2 つまり、オープンループ制御中で且つ高回転・高負荷時
のみ、ステップ134で上式により高回転高負荷補正係
数FOPを算出し、これ以外の場合は、ステップ135
で高回転高負荷補正係数FOPを1.0に設定し、高回
転高負荷補正を行わない。
【0034】この後、ステップ136に進み、燃料噴射
量TAU(噴射パルス幅)を次式により算出して、本ル
ーチンを終了する。 TAU=TP×FAFKG×FOP 以上説明したステップ131〜136の処理が特許請求
の範囲でいうオープンループ制御手段として機能する。
【0035】以上の処理により、空燃比フィードバック
制御中又は高回転・高負荷時を除くオープンループ制御
中は、高回転高負荷補正係数FOPを1.0に設定し、
高回転高負荷補正を行わず、ステップ121で求めた空
燃比フィードバック補正係数FAFKGのみで燃料噴射
量を補正する。一方、高回転・高負荷時のオープンルー
プ制御中は、空燃比フィードバック補正係数FAFKG
による補正に加え、高回転高負荷補正係数FOPによる
燃料増量補正も行い、燃料フィルタ24の圧力損失増大
による燃料噴射量減少を補正する。この結果、燃料フィ
ルタ24の圧力損失が大きくなっても、高回転・高負荷
時のオープンループ制御中の燃料噴射量を十分に確保で
き、スムーズに出力上昇させることができると共に、排
気ガス温度上昇による熱害を発生させずに済む。
【0036】ところで、オープンループ制御は、高回転
・高負荷時以外にも、酸素センサ29の温度が低い時に
行われる。この酸素センサ29の温度が低い時期は、エ
ンジン始動から暫くの間であり、エンジン回転数も低回
転域にあるので、燃料フィルタ24を通過する燃料流量
が少なく、燃料フィルタ24の圧力損失も小さい。従っ
て、この場合には、燃料フィルタ24の圧力損失を考慮
した燃料増量補正を行わなくても、さほどの影響はな
い。しかし、高回転・高負荷時には燃料フィルタ24を
通過する燃料流量が増加して、燃料フィルタ24の圧力
損失も著しく増大するため、この圧力損失が燃料噴射量
に及ぼす影響が相当に大きくなる。
【0037】そこで、上記第1実施例では、燃料フィル
タ24の圧力損失を考慮した燃料増量補正を、燃料フィ
ルタ24の圧力損失の影響が大きくなる高回転・高負荷
運転時に行い、これ以外のオープンループ制御では、こ
の燃料増量補正を行わないことで、過剰な補正を防い
で、制御特性を向上させることができる。
【0038】しかしながら、本発明は、酸素センサ29
の温度が低い時も含めて全てのオープンループ制御中
に、燃料フィルタ24の圧力損失を考慮した燃料増量補
正を行うようにしても良く、この場合でも、低回転・低
負荷領域で燃料増量補正を小さくすることで、制御特性
を向上させることができる。
【0039】また、上記第1実施例では、プレッシャレ
ギュレータ23の背圧室を圧力導入管38を介してサー
ジタンク18に連通させて、プレッシャレギュレータ2
3の背圧室に吸気管圧力を導入することで、燃料配管2
5内の燃圧を吸気管圧力との差圧が一定になるように調
整するようにしたが、図9に示す本発明の第2実施例で
は、プレッシャレギュレータ23の背圧室をサージタン
ク18とを連通させる圧力導入管38を廃止して、プレ
ッシャレギュレータ23の背圧室を燃料タンク20内に
連通させることで、燃料配管25内の燃圧を燃料タンク
20の内圧との差圧が一定になるように調整するように
している。
【0040】この第2実施例では、インジェクタ21が
噴射する燃料の圧力(燃圧)は、プレッシャレギュレー
タ23の設定圧と吸気管圧力との差圧となり、これが燃
圧=プレッシャレギュレータ23の設定圧となる第1実
施例と異なる。この場合、第1実施例で説明した図6の
フローチャートのステップ130,134において、燃
圧=プレッシャレギュレータ23の設定圧+吸気管圧力
と置き換えれば、第1実施例と同様の効果を得ることが
できる。
【0041】この場合、燃料タンク20の内圧はタンク
内圧制御弁やキャニスタ内蔵のチェック弁等により所定
圧力を越えないように制御されており、その所定圧力は
プレッシャレギュレータ23の設定圧のバラツキと比べ
て小さいため、無視しても良い。もし、システム構成に
より燃料タンク20の内圧がプレッシャレギュレータ2
3の設定圧を変化させるならば、タンク内圧を検出し
て、燃圧=プレッシャレギュレータ23の設定圧+吸気
管圧力+タンク内圧としても良い。
【0042】一方、図10は本発明の第3実施例を示し
たものである。この第3実施例ではプレッシャレギュレ
ータ23を廃止し、その代わりに、燃料フィルタ24の
上流側の燃圧(燃料ポンプ22の吐出圧)を検出する圧
力センサ50を設け、この圧力センサ50の出力信号に
基づいて燃料ポンプ22の回転数をECU35(ポンプ
制御手段)により可変制御して燃料ポンプ22の吐出圧
を調整することで、燃料フィルタ24の上流側の燃圧を
調整する。この場合、燃料ポンプ22の回転数(吐出
圧)の調整は、ポンプ印加電圧をPWM制御したり、或
はDC−DCコンバータを用いてポンプ印加電圧を可変
するようにしても良い。この第3実施例では、燃料増量
補正は、インジェクタ21の噴射パルス幅を増加させて
も良いし、燃料ポンプ22の吐出圧(燃圧)を増加させ
るようにしても良い。
【0043】尚、上記各実施例において、図6のステッ
プ130又は133で求められる最大燃圧低下量に基づ
いて燃料フィルタ24の圧力損失(劣化の程度)を推定
し、上記最大燃圧低下量が所定の判定値を越えた時に、
燃料フィルタ24の交換を促す警告を警告ランプ等で行
うようにしても良い。
【0044】また、上記各実施例では、空燃比フィード
バック制御に用いるセンサとして、排気ガス中の酸素濃
度に応じて出力電圧がステップ的に変化する酸素センサ
29を採用したが、これに代えて、排気ガスの空燃比に
応じて連続的に出力電圧が変化する空燃比センサを採用
するようにしても良い。
【0045】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の請求項1の構成によれば、空燃比フィードバック制御
中に燃料フィルタの圧力損失の影響が現れるフィードバ
ック補正量を学習し、その学習値をオープンループ制御
時の燃料噴射量の補正に反映させるようにしたので、オ
ープンループ制御時に燃料フィルタの圧力損失増大によ
る燃料噴射量減少を補正することができて、オープンル
ープ制御時の燃料噴射特性を向上させることができる。
【0046】また、請求項2では、燃料フィルタの上流
側に設けたプレッシャレギュレータにより燃圧を一定値
に保ちながら、学習値が空燃比リーン状態を補正する傾
向にあるときに、その学習値に応じてオープンループ制
御時の燃料噴射量を増加させる方向に補正するので、燃
料フィルタの圧力損失増大による燃料噴射量減少を精度
良く補正することができる。
【0047】また、請求項3のように燃料フィルタの上
流側の燃圧(燃料ポンプの吐出圧)を圧力センサにより
検出して燃料ポンプの吐出圧を制御する構成において
も、学習値をオープンループ制御時の燃料噴射量の補正
に反映させることで、請求項1と同じ効果を得ることが
できる。
【0048】また、請求項4では、学習値に基づく燃料
噴射量の補正を、燃料フィルタの圧力損失の影響が大き
くなる高回転・高負荷運転時に行い、これ以外のオープ
ンループ制御では、この補正を行わないようにしたの
で、過剰な補正を防ぐことができて、制御特性を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図2】燃料フィルタの通過流量と圧力損失との関係を
示す特性図
【図3】燃料フィルタの通過流量とデリバリパイプ内の
燃圧との関係を示す特性図
【図4】燃料噴射量制御の処理の流れを示すフローチャ
ート(その1)
【図5】燃料噴射量制御の処理の流れを示すフローチャ
ート(その2)
【図6】燃料噴射量制御の処理の流れを示すフローチャ
ート(その3)
【図7】エンジン回転数NEと吸気管圧力PMとから要
求燃料量Qnを求める二次元マップを示す図
【図8】図6のステップ126〜129の処理内容を説
明するための図
【図9】本発明の第2実施例を示すエンジン制御システ
ム全体の概略構成図
【図10】本発明の第3実施例を示すエンジン制御シス
テム全体の概略構成図
【符号の説明】
10…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、20…燃
料タンク、21…インジェクタ、22…燃料ポンプ、2
3…プレッシャレギュレータ、24…燃料フィルタ、2
5…燃料配管、26…デリバリパイプ、28…排気管、
29…酸素センサ、35…電子制御回路(空燃比フィー
ドバック制御手段,オープンループ制御手段,学習手
段)、38…圧力導入管、50…圧力センサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ポンプからインジェクタへ燃料を送
    る燃料配管中に燃料フィルタを設け、この燃料フィルタ
    の上流側で燃圧を調整する手段を設けた内燃機関の燃料
    噴射制御装置において、 排気系に設けられた酸素センサ又は空燃比センサの出力
    信号に基づいて空燃比フィードバック制御を行って前記
    インジェクタの燃料噴射量をフィードバック補正する空
    燃比フィードバック制御手段と、 前記空燃比フィードバック制御中にフィードバック補正
    量を学習する学習手段と、 前記空燃比フィードバック制御を停止してオープンルー
    プ制御を行う場合に前記学習手段の学習値に応じてオー
    プンループ制御時の燃料噴射量を補正するオープンルー
    プ制御手段とを備えたことを特徴とする内燃機関の燃料
    噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 前記燃料フィルタの上流側で燃圧を調整
    する手段は、前記燃料配管中に設けられたプレッシャレ
    ギュレータにより構成され、 前記オープンループ制御手段は、前記学習手段の学習値
    が空燃比リーン状態を補正する傾向にあるときにはその
    学習値に応じて前記オープンループ制御時の燃料噴射量
    を増加させる方向に補正することを特徴とする請求項1
    に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 前記燃料フィルタの上流側で燃圧を調整
    する手段は、前記燃料フィルタの上流側で燃圧を検出す
    る圧力センサと、この圧力センサの出力信号に基づいて
    前記燃料ポンプの吐出圧を制御するポンプ制御手段とか
    ら構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内
    燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 前記オープンループ制御手段は、前記学
    習手段の学習値に基づく燃料噴射量の補正を内燃機関の
    高回転・高負荷運転時に行うことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の内燃機関の燃料噴射制御装
    置。
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