JPH10115258A - エンジンの制御装置 - Google Patents

エンジンの制御装置

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JPH10115258A
JPH10115258A JP8270060A JP27006096A JPH10115258A JP H10115258 A JPH10115258 A JP H10115258A JP 8270060 A JP8270060 A JP 8270060A JP 27006096 A JP27006096 A JP 27006096A JP H10115258 A JPH10115258 A JP H10115258A
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JP
Japan
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purge
fuel
exhaust gas
rate
concentration
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JP8270060A
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English (en)
Inventor
Yoichi Saito
陽一 斎藤
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Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10115258A publication Critical patent/JPH10115258A/ja
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Supplying Secondary Fuel Or The Like To Fuel, Air Or Fuel-Air Mixtures (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料タンク内で発生する蒸発燃料をパージす
る際に、排気ガスの吸気系への還流による影響を防止
し、大量の蒸発燃料混合気のパージ能力を確保しつつ、
排気ガス還流による燃費向上や排気エミッションの低減
を図る。 【解決手段】 パージ開始直後でエバポ濃度の推定が完
了していないときには、EGRを停止するとともにパー
ジ率を低く抑えることにより、略全運転領域で一定のパ
ージ率を確保するとともに、パージ開始直後の高濃度の
蒸発燃料による空燃比のオーバーリッチを防止し、しか
る後、エバポ濃度が設定値を越えている間、EGR率及
びパージ率を抑えてパージ率が一定となる領域を拡大
し、エバポ濃度が設定値以下に低くなって外乱としての
影響が小さくなったとき、パージ率及びEGR率を共に
高め、大量のエバポパージ能力を確保しつつ、EGRに
よる燃費向上や排気エミッションの低減効果を最大限に
引き出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンク内で発
生する蒸発燃料をパージする際に、排気ガスの吸気系へ
の還流による影響を防止するエンジンの制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンを走行動力源とする自
動車等の車輌においては、大気汚染防止や省資源のた
め、エンジン制御上の様々な技術が採用されており、そ
の一つに、燃料タンク内で発生する燃料の蒸発ガスが大
気へ排出されないよう、蒸発燃料ガスをキャニスタ内の
活性炭等に吸着させて一旦貯溜し、このキャニスタ内の
蒸発燃料ガスを設定運転条件下で吸気通路からエンジン
の燃焼室へ吸入させる、いわゆるエバポパージ(キャニ
スタパージ)システムがある。
【0003】このエバポパージシステムにおいては、キ
ャニスタと吸気通路との間のパージ通路に介装したパー
ジ量調整バルブを制御してパージ量を制御しており、パ
ージ実行時には、運転領域に応じて吸入空気量に対する
パージ割合を一定に制御し、また、排気系に設けた空燃
比センサからの出力によって燃料噴射量を補正制御し、
空燃比の目標空燃比からのずれを補正するようにしてい
る。
【0004】一方、排気エミッションの低減(特に、N
Oxの低減)、エンジンのポンピングロス低減による燃
費向上を図る技術として、従来から排気ガスの一部を吸
気側に還流させるEGR(排気ガス還流)制御があり、
これらパージ制御とEGR制御とを組み合わせた排気ガ
ス浄化システムも知られている。
【0005】例えば、特開平5−263715号公報に
は、キャニスタパージ中であってもEGR率を一定に保
つ技術が開示されており、この技術では、キャニスタパ
ージが実行された場合、キャニスタ分圧等を計算し、そ
れに基づいてEGR目標圧力に補正を加えてEGR率が
要求量から変化しないようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
蒸発燃料の大気への放出規制強化に伴い、大量パージの
必要性が高まっていることから、エンジンに吸入される
吸入空気量と蒸発燃料混合気との流量比であるパージ率
を、空燃比フィードバック制御による制御追従性が確保
される範囲内で可能な限り大きい値にするようになって
おり、パージ実行中に大量のEGRが付加されると、吸
気管負圧が浅くなり(大気圧に近づく)、パージ量調整
バルブを全開にしても目標とするパージ率が得られない
領域が増加する。すなわち、パージ制御に対してEGR
が外乱となり、運転領域変化時(過渡時)の空燃比制御
性が悪化するという問題がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、燃料タンク内で発生する蒸発燃料をパージする際
に、排気ガスの吸気系への還流による影響を防止し、大
量の蒸発燃料混合気のパージ能力を確保しつつ、排気ガ
ス還流による燃費向上や排気エミッションの低減を図る
ことのできるエンジンの制御装置を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
燃料タンクからの蒸発燃料を貯溜するキャニスタから吸
気系にパージする蒸発燃料混合気の濃度に基づいて設定
した複数の運転状態毎に、蒸発燃料混合気のパージ率を
一定にするよう上記キャニスタと上記吸気系とを連通す
るパージ通路に介装したパージ量調整バルブを制御する
パージ制御手段と、上記蒸発燃料混合気の濃度に基づく
各運転状態毎に、排気系から上記吸気系への排気ガスの
還流率が上記パージ制御手段によるパージ率の制御に対
して外乱とならないよう、上記排気系と上記吸気系とを
連通する排気ガス還流通路に介装した排気ガス還流量調
整バルブを制御する排気還流制御手段とを備えたことを
特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記蒸発燃料混合気の濃度が設定値を越え
る運転状態のとき、上記パージ制御手段により上記蒸発
燃料混合気のパージ率を低割合に制御するとともに、上
記排気還流制御手段により上記排気ガスの還流率を低割
合に制御し、上記蒸発燃料混合気の濃度が設定値以下の
運転状態のとき、上記パージ制御手段により上記蒸発燃
料混合気のパージ率を高割合に制御するとともに、上記
排気ガスの還流率を高割合に制御することを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、上記蒸発燃料混合気の濃度を空燃比フィー
ドバック補正係数に基づいて推定し、この濃度推定中
は、上記蒸発燃料混合気のパージ率を低割合にするとと
もに、排気ガス還流を停止させることを特徴とする。
【0011】すなわち、請求項1記載の発明では、蒸発
燃料混合気の濃度に基づいて設定した複数の運転状態に
対し、各運転状態毎に、蒸発燃料混合気のパージ率を一
定にするようパージ量調整バルブを制御するとともに、
排気ガスの還流率がパージ率の制御に対して外乱となら
ないよう排気ガス還流量調整バルブを制御する。
【0012】その際、請求項2記載の発明では、蒸発燃
料混合気の濃度が設定値を越える運転状態では、蒸発燃
料混合気のパージ率を低割合に制御するとともに排気ガ
スの還流率を低割合に制御し、蒸発燃料混合気の濃度が
設定値以下の運転状態では、蒸発燃料混合気のパージ率
を高割合に制御するとともに排気ガスの還流率を高割合
に制御する。また、請求項3記載の発明では、蒸発燃料
混合気の濃度を空燃比フィードバック補正係数に基づい
て推定し、この濃度推定中は、蒸発燃料混合気のパージ
率を低割合にするとともに排気ガス還流を停止させる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図面は本発明の実施の一形態に係
わり、図1はパージ制御ルーチンのフローチャート、図
2はEGR制御ルーチンのフローチャート、図3はエバ
ポ濃度係数設定ルーチンのフローチャート、図4はエバ
ポパージマップの説明図、図5はEGRマップの説明
図、図6はエバポパージとEGRとの関係を示す説明
図、図7はエンジン制御系の概略構成図、図8は電子制
御系の回路構成図である。
【0014】図7において、符号1はエンジンであり、
このエンジン1のシリンダヘッド2に形成された各吸気
ポート2aに吸気通路3が連通されている。上記吸気通
路3には、スロットルバルブ4が介装され、このスロッ
トルバルブ4にスロットル開度を検出するスロットル開
度センサ6が連設されている。また、上記吸気通路3の
上記スロットルバルブ4上流側には、吸入空気量センサ
7が介装され、この吸入空気量センサ7の上流側にエア
クリーナ8が取付けられている。
【0015】また、上記シリンダヘッド2に、先端を燃
焼室に露呈する図示しない点火プラグが各気筒毎に取付
けられ、各気筒の各吸気ポート2a直上流側には、イン
ジェクタ9が臨まされている。このインジェクタ9は、
図示しない燃料配管を介して燃料タンク10に連通され
ており、規定の圧力に調圧された燃料を上記吸気ポート
2aに噴射するようになっている。
【0016】上記燃料タンク10の上部からは、上記燃
料タンク10内で発生した蒸発燃料を放出するための放
出通路11が延出され、活性炭等からなる吸着部を備え
たキャニスタ12の上部に連通されている。このキャニ
スタ12は、下部に大気に連通する新気導入口が設けら
れており、この新気導入口からの新気と上記吸着部に貯
えられた蒸発燃料ガスとの混合気を導くパージ通路13
が上部から延出されている。
【0017】上記パージ通路13は、上記スロットルバ
ルブ4が全閉状態となったとき下流側に位置する部位で
上記吸気通路3に連通されており、その途中に、蒸発燃
料混合気の流量(エバポパージ量)を調整するパージ量
調整バルブとしてのキャニスタパージコントロールバル
ブ(CPCバルブ)14が介装されている。このCPC
バルブ14は、本形態においては、駆動パルス信号のデ
ューティ比に応じて弁開度が比例的に制御されるデュー
ティソレノイドバルブからなり、後述する電子制御装置
30から出力される駆動信号のデューティ比に応じてパ
ージ量が制御される。
【0018】一方、上記エンジン本体1のシリンダブロ
ック1aに形成された冷却水通路18に水温センサ19
が臨まされ、上記シリンダヘッド2の排気ポート2bに
連通する排気通路20に、O2センサ21が臨まされ、
このO2センサ21下流側に触媒コンバータ22が介装
されている。
【0019】また、上記排気ポート2b近傍の排気通路
20からEGR(排気ガス還流)通路15が延出され、
このEGR通路15の他端が上記吸気ポート2a近傍の
吸気通路3に連通されている。上記EGR通路15の途
中には、EGR量を調整する排気ガス還流量調整バルブ
としてのEGRバルブ16が介装されており、このEG
Rバルブ16の開度に応じて排気ガスの一部が上記吸気
通路3に還流される。上記EGRバルブ16は、本形態
においては、ステップモータによって弁開度が制御され
るバルブであり、上記CPCバルブ14と同様、後述す
る電子制御装置30から出力される駆動信号に応じてE
GR量が制御される。
【0020】次に、上記エンジン1の電子制御を行う電
子制御装置(ECU)30について説明する。上記EC
U30は、図8に示すように、CPU31、ROM3
2、RAM33、入力ポート34、出力ポート35がバ
スライン36を介して互いに接続されたマイクロコンピ
ュータと、その周辺回路から構成され、上記スロットル
開度センサ6、上記吸入空気量センサ7、上記水温セン
サ19、上記O2センサ21、クランク角を検出するク
ランク角センサ23等のセンサ類からの信号を処理し、
上記インジェクタ9、上記CPCバルブ14、上記EG
Rバルブ16等のアクチュエータ類に制御信号を出力す
る。
【0021】上記入力ポート34には、上記O2センサ
21、上記クランク角センサ23が、それぞれ波形整形
回路37,38を介して接続され、上記スロットル開度
センサ6、上記吸入空気量センサ7、上記水温センサ1
9が、それぞれA/D変換器39,40,41を介して
接続されている。また、上記出力ポート35には、上記
インジェクタ9、上記CPCバルブ14、上記EGRバ
ルブ16が、それぞれ駆動回路45,46,47を介し
て接続されている。
【0022】上記ROM32には制御プログラム、及
び、各種制御用固定データが記憶されており、また、上
記RAM33には、データ処理した後の上記各センサ
類、スイッチ類の出力信号及び上記CPU31で演算処
理したデータが格納される。上記CPU31では上記R
OM32に記憶されている制御プログラムに従い、燃料
噴射制御、点火時期制御、エバポパージ制御、EGR制
御等の各種エンジン制御を実行する。
【0023】以下、パージ制御手段及び排気ガス還流制
御手段としてのECU30で実行されるエバポパージ制
御及びEGR制御に係わる処理について、図1〜図3の
フローチャートに従って説明する。
【0024】本発明によるエバポパージ制御及びEGR
制御では、エンジン始動に伴うシステムイニシャライズ
後、図1に示すパージ制御ルーチンが所定時間毎に定期
的に実行されるとともに、このパージ制御ルーチンに並
行して図2に示すEGR制御ルーチンとが所定時間毎に
定期的に実行され、エバポ濃度に応じてパージ率及びE
GR率が制御される。
【0025】まず、図1のパージ制御ルーチンについて
説明する。このルーチンでは、ステップS101で、エバポ
パージ条件が成立するか否かを調べる。このエバポパー
ジ条件は、例えば、エンジン始動後、設定時間以上経過
していること、冷却水温が設定水温以上であること等で
あり、エバポパージ条件が成立しないときにはルーチン
を抜け、エバポパージ条件が成立するとき、ステップS1
02以降へ進んで、運転領域毎にCPCバルブ14の基本
開度すなわち駆動パルス信号の基本デューティ比を格納
した3つのエバポパージマップ(低割合パージマップ、
中割合パージマップ、高割合パージマップ;図4参照)
からエバポ濃度に応じてマップを選択し、パージ割合を
切換える。
【0026】このマップ選択によるパージ割合の切換え
処理では、最初にステップS102でエバポ濃度の推定が完
了しているか否かを調べる。本形態では、空燃比フィー
ドバック補正係数LAMBDAの平均値(あるいは一次
遅れ量でも良い)N_LAMBDAに基づいてエバポ濃
度を推定するようにしており、例えば、0.95<N_
LAMBDA<1.05の状態が設定時間継続したと
き、エバポ濃度推定完了と判定する。
【0027】この場合、エバポ濃度は、当量比Φで表わ
すと、エバポ濃度に応じた燃料噴射量の補正を行うため
のエバポ濃度係数Kevpconに対し、Kevpcon=Φ−1と
して求められる。上記エバポ濃度係数Kevpconは、所定
時間毎に実行される図3のエバポ濃度係数設定ルーチン
によって求められ、ここで、エバポ濃度係数設定ルーチ
ンについて説明する。
【0028】このルーチンでは、まず、ステップS301
で、運転状態がエバポパージ条件を満足し、パージ実行
中か否かを調べる。そして、パージ実行中でないときに
はルーチンを抜け、パージ実行中のとき、ステップS302
へ進んで空燃比フィードバック補正係数LAMBDAの
平均値N_LAMBDAが制御目標下限値LD(例え
ば、0.99)を下回っているか否かを調べる。
【0029】その結果、N_LAMBDA<LDであ
り、エバポ濃度が高く空燃比がリッチ化していると推定
されるときには、上記ステップS302からステップS303へ
進み、前回ルーチン実行時に設定したエバポ濃度係数K
evpconOLDを設定値Δだけ増加させて新たなエバポ濃度
係数Kevpconとし(Kevpcon=KevpconOLD+Δ;Kevp
conの初期値は0)、ルーチンを抜ける。
【0030】また、上記ステップS302でN_LAMBD
A≧LDのときには、ステップS304へ進んで平均値N_
LAMBDAが制御目標上限値LU(例えば、1.0
1)以下か否かを調べ、N_LAMBDA≦LUであ
り、平均値N_LAMBDAが目標制御範囲内(LD≦
N_LAMBDA≦LU)に収まっているときには、ス
テップS305で前回ルーチン実行時に設定したエバポ濃度
係数KevpconOLDを保持したまま(Kevpcon=KevpconO
LD)、ルーチンを抜ける。
【0031】さらに、上記ステップS304でN_LAMB
DA>LUであり、エバポ濃度が低く空燃比がリーン化
していると推定されるときには、前回ルーチン実行時に
設定したエバポ濃度係数KevpconOLDを設定値Δだけ減
少させて新たなエバポ濃度係数Kevpconとし(Kevpcon
=KevpconOLD−Δ)、ルーチンを抜ける。
【0032】上記エバポ濃度係数Kevpconからは、エバ
ポパージが実行されていない運転条件下での通常の燃料
噴射量に対し、エバポパージ実行時の空燃比を適正化す
るための減算分であるエバポパージ過剰燃料分が算出さ
れる。
【0033】すなわち、エバポパージが実行されていな
い運転条件下での燃料分は、以下の(1)式に示すよう
に、吸入空気量Qとエンジン回転数Neとから算出され
る基本燃料噴射量(基本燃料噴射パルス幅)Tp(Tp=
K×Q/Ne:K…インジェクタ特性補正定数)を、エ
ンジン状態に対応する種々の補正、すなわち冷却水温補
正、加減速補正、全開増量補正、アイドル後増量補正等
に係わる各種増量分補正係数COEFによって補正する
とともに、空燃比フィードバック補正係数LAMBDA
でフィードバック補正して有効噴射パルス幅Teを求
め、さらに、この有効噴射パルス幅Teに、バッテリ電
圧に基づいてインジェクタ9の無効噴射時間を補間する
電圧補正係数TBを加算することで、最終的な燃料噴射
量(燃料噴射パルス幅)Tiを算出し、この燃料噴射パ
ルス幅Tiの駆動信号をインジェクタ9に出力すること
で得られる。 Ti=Te+TB …(1) 但し、Te=Tp×COEF×LAMBDA
【0034】一方、エバポパージが実行される運転条件
下では、通常の有効噴射パルス幅Teからエバポパージ
による過剰燃料分に基づく有効噴射パルス幅Te'を減算
し、同様に、電圧補正係数TBを加算し、以下の(2)式で
示す最終的な燃料噴射パルス幅Tiを算出した後、この
燃料噴射パルス幅Tiの駆動信号をインジェクタ9に出
力するようにしており、上記過剰燃料分に基づく有効噴
射パルス幅Te'は、基本燃料噴射パルス幅Tpに、エバ
ポ濃度によって決定されるエバポ濃度係数Kevpconを乗
算するとともに、上述の3つのエバポパージマップ(低
割合パージマップ、中割合パージマップ、高割合パージ
マップ)毎の基本パージ率Kevpmapを乗算して求められ
る。 Ti=Te−Te'+TB …(2) 但し、Te'=Tp×Kevpcon×Kevpmap
【0035】すなわち、エバポパージ実行時には、通常
の燃料噴射量に対し、エバポ濃度係数Kevpconによるエ
バポ濃度に応じた補正、及び、基本パージ率Kevpmapに
応じた補正をフィードフォーワード的に実施すること
で、エバポ濃度が急激に高くなっても空燃比がストイキ
オ付近に迅速に収束するよう制御する。
【0036】そして、パージ制御ルーチンのステップS1
02におけるエバポ濃度推定完了の判断結果、エバポパー
ジ開始直後でエバポ濃度の推定が未完了のときには、上
記ステップS102からステップS103へ進んで低割合パージ
マップを選択する。この低割合パージマップは、エバポ
パージ開始直後のエバポ濃度推定中のパージ制御に対応
するものであり、パージ開始直後は高濃度のエバポ濃度
が予想されるため、この高濃度のエバポ濃度下において
も空燃比制御を確保することができるよう、パージ量を
絞って一定のパージ率とするCPCバルブ14の開度
(デューティ比)がマップ値CPCMAPとして格納さ
れており、図4(a)に示すように、基本燃料噴射パル
ス幅Tp(吸入空気量Qや吸気管圧力Pでも良い)とエ
ンジン回転数Neとを格子として構成されている。
【0037】次に、上記ステップS103では、選択した低
割合パージマップを基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジ
ン回転数Neとに基づいて参照することで得られるマッ
プ値CPCMAPから、以下の(3)式によって算出され
るデューティ比CPCDの駆動パルス信号をCPCバル
ブ14に出力し、低割合のエバポパージを実行してルー
チンを抜ける。 CPCD=CPCMAP×CPCK1+CPCD0 …(3) 但し、上記(3)式中のCPCK1はパージ開始時におけ
るパージ遅れを補正するための補正係数であり、CPC
D0は、バッテリ電圧に依存して変化するCPCPバル
ブ14の応答遅れを補償するためのデューティ比(無効
デューティ)である。また、後述するように、この低割
合エバポパージ実行中にはEGRは実行されず、吸気管
負圧が浅くなることなく略全運転領域で一定のパージ割
合が確保され、空燃比フィードバック補正係数に基づい
てエバポ濃度を信頼性高く推定できる。
【0038】一方、上記ステップS102でエバポ濃度の推
定が完了しているときには、上記ステップS102からステ
ップS104へ進み、エバポ濃度が設定値を越えているか否
かを調べる。そして、設定値を越えているとき、ステッ
プS105へ進んで中割合パージマップを選択し、この中割
合パージマップを参照することで得られるマップ値CP
CMAPから上述の(3)式によって算出されるデューテ
ィ比CPCDの駆動パルス信号をCPCバルブ14に出
力し、中割合のエバポパージを実行してルーチンを抜け
る。
【0039】上記中割合パージマップは、パージ開始
後、未だエバポ濃度が高い状態でのパージ制御に対応
し、後述するように、パージ率が一定となる領域を拡大
するため、高負荷領域や高回転領域では、ほとんどEG
Rが行われない運転状態に対応するものであり、図4
(b)に示すように、基本燃料噴射パルス幅Tp(吸入
空気量Qや吸気管圧力Pでも良い)とエンジン回転数N
eとを格子とする領域毎に、CPCバルブ14の開度
(デューティ比)がマップ値CPCMAPとして格納さ
れている。
【0040】その後、ルーチンが繰り返され、エバポ濃
度が設定値以下となったときには、ステップS104からス
テップS106へ進んで高割合パージマップを選択し、この
高割合パージマップを参照することで得られるマップ値
CPCMAPから上述の(3)式によって算出されるデュ
ーティ比CPCDの駆動パルス信号をCPCバルブ14
に出力し、中割合のエバポパージから高割合のエバポパ
ージへと切換えてルーチンを抜ける。
【0041】上記高割合パージマップは、高濃度の燃料
蒸気がほぼパージされ尽くしてエバポ濃度が低くなり、
EGR実行による吸気管負圧の減少による影響を受けず
に大量パージが可能な運転状態に対応するものであり、
図4(c)に示すように、基本燃料噴射パルス幅Tpと
エンジン回転数Neとを格子とする運転領域毎に、3つ
のマップのうち、最も高パージ率となるCPCバルブ1
4の開度(デューティ比)が格納されている。
【0042】以上のパージ制御ルーチンに対し、図2の
EGR制御ルーチンでは、まず、ステップS201でEGR
条件が成立するか否かを調べる。このEGR条件は、例
えば、冷却水温、車速、エンジン回転数が設定条件を満
足し、且つ、エンジン運転状態が中負荷域であるとき等
であり、EGR条件不成立のときには、そのままルーチ
ンを抜け、EGR条件が成立するとき、さらに、ステッ
プS202でエバポ濃度の推定が完了しているか否かを調べ
る。
【0043】上記ステップS202で、エバポ濃度の推定が
未完了のときには、EGR条件成立に拘らず上記ステッ
プS202からルーチンを抜けてEGRを停止させ、エバポ
濃度の推定が完了したとき、上記ステップS202からステ
ップS203へ進んでエバポ濃度が設定値を越えているか否
かを調べる。
【0044】そして、エバポ濃度が設定値を越えている
とき、上記ステップS203からステップS204へ進んで低E
GRマップを選択し、この低EGRマップを参照するこ
とで得られるマップ値EGRMAPから以下の(4)式に
よって算出される最終目標ステップEGRTGTの駆動
信号をEGRバルブ16に出力し、低割合のEGRを実
行してルーチンを抜ける。 EGRTGT=EGRMAP+EGR0 …(4) 但し、上記(4)式中のEGR0は、バッテリ電圧に依存
して変化するEGRバルブ16の応答遅れを補償するた
めの無効ステップである。
【0045】上記低EGRマップは、図5(a)に示す
ように、基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジン回転数Ne
とを格子とする各領域毎に、EGRバルブ16の駆動信
号に対する基本ステップをマップ値EGRMAPとして
格納するものであり、前述した中割合のエバポパージ実
行時における一定のパージ率への制御性を損なわないよ
う、高負荷領域や高回転領域では、ほとんどEGRが行
われないようなマップ値となっている。
【0046】一方、上記ステップS203でエバポ濃度が設
定値以下のときには、上記ステップS203からステップS2
05へ進んで高EGRマップを選択する。この高EGRマ
ップは、上記低EGRマップと同様、図5(b)に示す
ように、基本燃料噴射パルス幅Tpとエンジン回転数Ne
とを格子としてEGRバルブ16の駆動信号に対する基
本ステップをマップ値EGRMAPとして格納するもの
であるが、上記低EGRマップに対し、エバポ濃度が十
分に低くなってからの前述の高割合エバポパージによる
大量パージ実行時に対応して全運転領域でのEGRを可
能とするものであり、この高EGRマップを参照するこ
とで得られるマップ値EGRMAPから上述の(4)式に
よって算出される最終目標ステップEGRTGTの駆動
信号をEGRバルブ16に出力し、低割合のEGRから
高割合のEGRへ切換えてルーチンを抜ける。
【0047】すなわち、図6に示すように、パージ開始
直後でエバポ濃度の推定が完了していないときには、E
GRを停止するとともにパージ率を低く抑えることによ
り、略全運転領域で一定のパージ率を確保するとともに
パージ開始直後の高濃度の蒸発燃料による空燃比のオー
バーリッチを防止し、しかる後、エバポ濃度が設定値を
越えている間、EGR率及びパージ率を抑えてパージ率
が一定となる領域を拡大し、エバポ濃度が設定値以下に
低くなって外乱としての影響が極めて小さくなったと
き、パージ率及びEGR率を共に高めるようにしている
ため、大量のエバポパージ能力を確保しつつ、EGRに
よる燃費向上や排気エミッションの低減効果を最大限に
引き出すことができる。
【0048】尚、本実施の形態では、エバポパージのパ
ージ割合を、低割合、中割合、高割合の3段階に変化さ
せる例について説明したが、低割合、低割合、高割合の
2段階、あるいは、低割合、高割合、高割合の2段階に
変化させても良い。また、エバポ濃度を空燃比フィード
バック補正係数LAMBDAに基づいて推定するように
しているが、パージ通路13に濃度センサを取り付け、
直接エバポ濃度を検出するようにしても良い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、燃
料タンク内で発生する蒸発燃料をパージする際、蒸発燃
料混合気の濃度に基づいて設定した複数の運転状態に対
し、各運転状態毎に、蒸発燃料混合気のパージ率を一定
にするようパージ量調整バルブを制御するとともに、排
気ガスの還流率がパージ率の制御に対して外乱とならな
いよう排気ガス還流量調整バルブを制御するため、排気
ガス還流による外乱の影響を防止し、大量の蒸発燃料混
合気のパージ能力を確保しつつ、排気ガス還流による燃
費向上や排気エミッションの低減を図ることができる等
優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パージ制御ルーチンのフローチャート
【図2】EGR制御ルーチンのフローチャート
【図3】エバポ濃度係数設定ルーチンのフローチャート
【図4】エバポパージマップの説明図
【図5】EGRマップの説明図
【図6】エバポパージとEGRとの関係を示す説明図
【図7】エンジン制御系の概略構成図
【図8】電子制御系の回路構成図
【符号の説明】
1 …エンジン 10…燃料タンク 12…キャニスタ 14…CPCバルブ(パージ量調整バルブ) 16…EGRバルブ(排気ガス還流量調整バルブ) Kevpmap …基本パージ率 Φ …エバポ濃度 Kevpcon …エバポ濃度係数 LAMBDA…空燃比フィードバック補正係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 25/08 301 F02M 25/08 301H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料タンクからの蒸発燃料を貯溜するキ
    ャニスタから吸気系にパージする蒸発燃料混合気の濃度
    に基づいて設定した複数の運転状態毎に、蒸発燃料混合
    気のパージ率を一定にするよう上記キャニスタと上記吸
    気系とを連通するパージ通路に介装したパージ量調整バ
    ルブを制御するパージ制御手段と、 上記蒸発燃料混合気の濃度に基づく各運転状態毎に、排
    気系から上記吸気系への排気ガスの還流率が上記パージ
    制御手段によるパージ率の制御に対して外乱とならない
    よう、上記排気系と上記吸気系とを連通する排気ガス還
    流通路に介装した排気ガス還流量調整バルブを制御する
    排気還流制御手段とを備えたことを特徴とするエンジン
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 上記蒸発燃料混合気の濃度が設定値を越
    える運転状態のとき、上記パージ制御手段により上記蒸
    発燃料混合気のパージ率を低割合に制御するとともに、
    上記排気還流制御手段により上記排気ガスの還流率を低
    割合に制御し、上記蒸発燃料混合気の濃度が設定値以下
    の運転状態のとき、上記パージ制御手段により上記蒸発
    燃料混合気のパージ率を高割合に制御するとともに、上
    記排気ガスの還流率を高割合に制御することを特徴とす
    る請求項1記載のエンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 上記蒸発燃料混合気の濃度を空燃比フィ
    ードバック補正係数に基づいて推定し、この濃度推定中
    は、上記蒸発燃料混合気のパージ率を低割合にするとと
    もに、排気ガス還流を停止させることを特徴とする請求
    項1記載のエンジンの制御装置。
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