JP3835699B2 - 液体吐出ヘッド及び画像記録装置 - Google Patents

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本発明は、液体吐出ヘッド内の温度調整に関する。
インクジェットヘッド(記録ヘッド)は、ノズルに連通する圧力室にインクを供給し、該圧力室内の液体に圧力変動を与えてノズルから液滴を吐出させる構成であるため、圧力室内に気泡が存在すると吐出に必要な圧力がインクに伝わらず、吐出不良を引き起こす。このような吐出不良を防止するため、圧力室内の気泡混入インクを吸引し、インクとともに気泡を排出する動作(吸引動作)が行われる。しかし、吸引動作を実施するとインク消費量が増大するという問題がある。
かかる課題に対し、特許文献1のインクジェットヘッドによると、圧力発生室底板を挟んで圧力発生室と対向する部位には、複数のペルチェ素子を備えた熱電素子ユニットが配置されており、この熱電素子ユニットを作動させると、圧力発生室底板が冷却され、この圧力発生室底板の冷却に伴って圧力発生室内のインクが冷却される。インクを冷却すれば、インク中における気泡成分の溶解度を増大させることができる。なお、熱電素子ユニットを駆動すると、熱電素子ユニットにおける流路ユニット側の部分で発熱が生じるが、セラミックス部材よりも熱伝導性に優れた金属部材により形成されたインク供給口形成基板、インク室形成基板、及びノズルプレートを順に伝導して、ノズルプレートから放熱される。
特開2001−146012号公報
ところが、特許文献1では、吐出記録中に共通インク室(共通流路)は加熱されるため気泡が発生する。インク供給口が気泡に覆われると、インクが圧力室に供給されなくなり不吐出が起こることがある。また、ノズルからのインク吐出時には、共通インク室のインク粘度が圧力発生室(圧力室)のインク粘度よりも低くなるので、共通インク室にインクが逆流し易く、圧力発生室の加圧が有効に吐出に向けられないことがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ヘッド内、特に共通流路に気泡を発生させず、供給口から供給流路にインクが逆流することで生じる圧力損失を抑えることができる液滴吐出ヘッドの構造及びそのヘッドを用いた画像記録装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、液滴を吐出するための複数のノズルと、各ノズルと各々連通する複数の圧力室と、各圧力室に各々液体を供給する共通流路と、各圧力室の液体を各ノズルから吐出させる複数の吐出手段とを備える液体吐出ヘッドであって、前記圧力室と前記共通流路との温度差を発生させる温度差発生手段と、前記共通流路の温度を検出する共通流路温度検出手段と、前記圧力室の温度を検出する圧力室温度検出手段と、前記共通流路の温度及び前記圧力室の温度に従い、前記共通流路と前記圧力室との温度差が所定の温度差に到達するよう前記温度差発生手段を制御する制御手段と、を備える。
この発明によると、圧力室と共通流路との温度差が所定の温度差に到達するよう制御される。従って、例えば圧力室が共通流路よりも所定温度以下(例えば10℃以下)高いように制御すれば、共通流路の液体の粘性が圧力室の液体の粘性よりも高くなり液体吐出時に圧力室から共通流路へ液体が逆流して圧力損失が生じるのを防ぐことができる。また、共通流路の温度が圧力室の温度よりも低い場合、長期間液体が存在する共通流路での気泡発生を抑制でき、かつ高粘度の液体を圧力室から吐出できる。一方、圧力室の温度が共通流路の温度よりも低い場合、液体不吐出の原因となる圧力室内部の気泡を液体に溶解できる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記温度差発生手段は、前記圧力室の一方の面に接合され前記圧力室を加熱する圧力室加熱手段と、前記共通流路の一方の面に吸熱面が接合されたペルチェ素子とを有する。
この発明によると、圧力室加熱手段による圧力室の加熱と、ペルチェ素子のペルチェ効果による共通流路の冷却により、圧力室と共通流路との間に所定の温度差を生じさせるよう制御できる。所定の温度差は、圧力室加熱手段の発生する熱エネルギーの大小やペルチェ素子の吸熱側と発熱側との間に生じる温度差により適宜設定しうる。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記温度差発生手段は、前記圧力室と前記共通流路と間の層に設置され、前記圧力室の一方の面に発熱面が接合されかつ吸熱面が前記共通流路の一方の面に接合されているペルチェ素子である。
この発明によると、ペルチェ素子のペルチェ効果による圧力室の加熱及び共通流路の冷却により、圧力室と共通流路との間に所定の温度差を生じさせるよう制御できる。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記ノズルを配置するノズル板を加熱するノズル加熱手段をさらに備える。
この発明によると、ノズル加熱手段がノズル板を加熱するため、ノズルの吐出口付近の温度が上昇して液体の粘度を低下させることができ、これにより吐出性能を向上させることができる。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記温度差発生手段は、前記共通流路と同層に設置され、発熱面が前記圧力室の一方の面に接合されかつ前記共通流路に接合する熱伝導部材の一方の面に吸熱面が接合されている第1のペルチェ素子を有する。
この発明によると、ペルチェ素子のペルチェ効果による圧力室の加熱及び熱伝導部材を介した共通流路の冷却により、圧力室と共通流路との間に所定の温度差を生じさせるよう制御できる。また、ペルチェ素子は共通流路と同層に設置されているため、液体吐出ヘッドの低層化・小型化につながる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記温度差発生手段は、前記共通流路に接合する熱伝導部材の他方の面に吸熱面が接合された第2のペルチェ素子を有する。
この発明によると、共通流路の冷却をさらに促進でき、圧力室と共通流路との温度差の発生をさらに容易にできる。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記共通流路を加熱又は冷却する加熱冷却手段をさらに備え、前記共通流路は液体を供給する液体流路の本流から分岐して連通しており、前記制御手段は、前記本流から前記共通流
路内の所定位置までの距離に応じた所定の目標温度に前記共通流路の所定位置の温度が到達するよう前記加熱冷却手段を制御して前記共通流路を加熱又は冷却させる。
この発明によると、例えば共通流路内の温度が本流から離れるにつれて徐々に高くなるようにできる。この場合、本流から離れた位置を流れる液体を加熱して流体抵抗を低下させることができ、本流から離れた位置にも安定して液体を供給できる。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記制御手段は、前記本流から前記共通流路の所定位置までの距離に応じた温度範囲内に前記共通流路の所定位置の温度が到達するよう前記加熱冷却手段を制御する。
この発明によると、液体流路の本流からの距離に応じた温度範囲内に共通流路内の所定位置の温度が到達するよう制御できるため、例えば本流から離れるにつれて徐々に目標温度に近づくようにできる。このため、吐出する液体の温度がノズル毎にばらついて画像形成に悪影響を与えるのを防止できる。
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドにおいて、前記複数のノズルの吐出口付近に吐出液体の蒸発を防止するための液体を供給する液体供給手段をさらに備える。
この発明によると、吐出口付近の液体が乾燥して不吐出が発生することを防止できる。
請求項10に係る発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備える画像記録装置である。
この液体吐出ヘッドから吐出される液体は、インク、現像用処理液や機能液など、様々な液体を含む。
上記発明によると、圧力室と共通流路との温度差が所定の温度差に到達するよう制御される。従って、例えば圧力室が共通流路よりも所定温度以下だけ高いように制御すれば、共通流路の液体の粘性が圧力室の液体の粘性よりも高くなり液体吐出時に圧力室から共通流路へ液体が逆流することを防ぐことができる。また、圧力室と共通流路の温度差より共通流路内に対流が発生し、気泡発生を防ぐことができる。
以下、添付した図面を参照し本発明の好ましい実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置10の全体構成図である。
インクジェット記録装置10は、記録紙14に液滴を吐出して画像等のデータを記録するプリンターであって、記録紙14を供給する供紙部12、記録紙14のカールを除去するデカール部16、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッドからインク滴を吐出させ記録紙14上に画像等のデータを記録する印字部11、印字部11のノズル面(インク吐出面)に対向して設けられ、記録紙14の平面性を保持しながら記録紙14を搬送する吸着ベルト搬送部20、印字部11による印字結果を読み取る印字検出部22、印字された記録紙14に後処理を施す後乾燥部24及び印字された記録紙14を外部に排出する排紙部26を備えている。
図1には供紙部12の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、複数の用紙を利用可能な構成にした場合には、紙幅や紙質の異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットを備えてもよい。
複数の記録紙14を利用可能な構成では、記録紙14の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録紙14の種類を自動的に判別し、記録紙14の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
ロール紙を使用する装置構成では、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)34が設けられており、カッター34によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター34は、少なくとも記録紙14の搬送路幅以上の長さを有する固定刃34Bと固定刃34Bに沿って移動する丸刃34Aとから構成されており、印刷裏面側に固定刃34Bが設けられ、搬送路を挟んで印刷面側に丸刃34Aが設けられている。カット紙を使用する場合にはカッター34は不要である。
供紙部12から送り出された記録紙14は、マガジンに巻き付けられていることにより巻きくせが残りカールする。このカールを除去するために、デカール部16においてマガジンの巻きくせ方向と逆方向に加熱ドラム30で熱を与える。このとき、多少印刷面外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙14は吸着ベルト搬送部20に送られる。吸着ベルト搬送部20は、ローラー36、38間に無端状のベルト40が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部11及び印字検出部22に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト40は記録紙14の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。ローラー36、38に掛けられた搬送ベルト40の内側の印字部11のノズル面及び印字検出部22のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー42が設けられており、この吸着チャンバー42をファン44で吸引して負圧にすることによって搬送ベルト40上の記録紙14が吸着保持される。
ベルト40が巻かれているローラー36、38の少なくとも一方にモータ(不図示、図5中符号214として記載)の動力が伝達されることにより、ベルト40は図1の時計回り方向に駆動され、ベルト40上に保持された記録紙14は図1の左から右へと搬送される。
縁なしプリント等を印字するとベルト40にもインクが付着するので、ベルト40の所定の位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部46が設けられている。ベルト清掃部46の構成について詳細には図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、給水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式ではベルト線速度とローラー線速度とを変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部20に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印刷領域をローラー・ニップ搬送すると、印刷直後に記録紙14の印刷面にローラーが接触し、画像がにじみ易いという問題があり、記録紙14の印刷領域では印刷面をローラーに接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部20により形成される搬送路上において印字部11の手前側(上流側)には加熱ファン49が設けられている。加熱ファン49は、印字前の記録紙14に加熱空気を吹き付け、記録紙14を加熱する。印字直前に記録紙14を加熱しておくことにより、インクが記録紙14に着弾後乾き易くなる。
印字部11は、最大紙幅に対応する長さを有する印字ヘッド(ラインヘッド)50K、50C、50M、50Yを記録紙14の搬送方向(副走査方向)と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルラインヘッドとなっている。
詳細な構造は後述するが、各印字ヘッド50K、50C、50M、50Yは、本プリンター10が対象とする最大サイズの記録紙14の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出孔(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。記録紙14の搬送方向(紙送り方向)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド50K、50C、50M、50Yが配置されている。記録紙14を搬送しつつ各印字ヘッドからそれぞれの色インクを吐出することにより記録紙14上にカラー画像を形成し得る。
なお、本例では、KCMYの標準色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部52は、各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは不図示の管路を介して各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部52は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部22は、ノズルの目詰まりなどの吐出不良をチェックするための手段であり、打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含んでいる。本実施形態の印字検出部22は少なくとも各印字ヘッドによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサが用いられている。
印字検出部22の後段には後乾燥部24が設けられている。後乾燥部24は、印字された印字面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字のインクが乾くまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のぺーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
加熱・加圧部60は画像表面の光沢度を制御するために、印字面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー62、64で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター34と同様であり、固定刃48Bと丸刃48Aとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダ別に画像を集積するソーターが設けられる。なお、符号26Bはテスト印字排出部である。
次に、印字ヘッドの構造について説明する。インク色ごとに設けられている各印字ヘッド50K,50C,50M,50Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図2(a) は印字ヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図2(b) はその一部の拡大図である。また、図2(c) は印字ヘッド50の他の構造例を示す平面透視図である。図3はマトリックス状に配置されたインク室ユニット104の構成図である。記録紙面上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、印字ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例の印字ヘッド50は、図2(a) 〜(c) 及び図3に示したように、インク滴が吐出するノズル100と、各ノズル100に対応する圧力室102等からなる複数のインク室ユニット104を千鳥でマトリックス状に配置させた構造を有し、これにより見かけ上のノズルピッチの高密度化を達成している。
すなわち、本実施形態における印字ヘッド50は、図2(a) ,(b) に示すように、インクを吐出する複数のノズル100が印字媒体送り方向と略直交する方向に印字媒体の全幅に対応する長さにわたって配列された1列以上のノズル列を有するフルラインヘッドである。
また、図2(c) に示すように、短尺の2次元に配列されたヘッド50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、印字媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
図3に示す如く、かかる構造を有する多数のインク室ユニット104は主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット104を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなる。
すなわち、主走査方向については、各ノズル100が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。以下、説明の便宜上、ヘッドの長手方向(主走査方向)に沿って各ノズル100が一定の間隔(ピッチP)で直線状に配列されているものとして説明する。
なお、用紙(記録紙14)の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、用紙の幅方向(用紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン又は1個の帯状を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図3に示すようなマトリクス状に配置されたノズル100を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル100-11 、100-12 、100-13 、100-14 、100-15 、100-16 を1つのブロックとし(他にはノズル100-21 、…、100-26 を1つのブロック、ノズル100-31 、…、100-36 を1つのブロック、…として)記録紙14の搬送速度に応じてノズル100-11 、100-12 、…、100-16 を順次駆動することで記録紙14の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン又は1個の帯状の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。
図4はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。
インク供給タンク150はインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部52に設置される。インク供給タンク150の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図4のインク供給タンク150は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部52と等価のものである。
図4に示したように、インク供給タンク150と印字ヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ152が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図4には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル100の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ156と、ノズル100面の清掃手段としてのクリーニングブレード162とが設けられている。
これらキャップ156及びクリーニングブレード162を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ156は、図示せぬ昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ156を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面(インク吐出面)をキャップ156で覆う。
印字中又は待機中において、特定のノズル100の使用頻度が低くなり、ある時間以上インクが吐出されない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してインク粘度が高くなってしまう。このような状態になると、ピエゾアクチュエータが動作してもノズル100からインクを吐出できなくなってしまう。
このような状態になる前に(ピエゾアクチュエータの動作により吐出が可能な粘度の範囲内で)ピエゾアクチュエータを動作させ、その劣化インク(粘度が上昇したノズル近傍のインク)を排出すべくキャップ156(インク受け)に向かって予備吐出(パージ、空吐出、つば吐き)が行われる。
また、印字ヘッド50内のインクに気泡が混入した場合、アクチュエータが動作してもノズルからインクを吐出させることができなくなる。このような場合には印字ヘッド50にキャップ156を当て、吸引ポンプ164で圧力室102内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク166へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも粘度上昇(固化)した劣化インクの吸い出しが行われる。なお、吸引動作は圧力室102内のインク全体に対して行われるので、インク消費量が大きくなる。したがって、インクの粘度上昇が小さい場合には予備吐出を行う態様が好ましい。
クリーニングブレード162は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構(ワイパー)により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード162をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。なお、該ブレード機構によりインク吐出面の汚れを清掃した際に、該ブレードによってノズル100内に異物が混入することを防止するために予備吐出が行われる。
次に、インクジェット記録装置10の制御について説明する。
図5はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10のシステム制御部200は、ホストコンピュータ202から送られてくるデータを取得する通信インターフェース204、該画像データに基づいて各部を統括制御するシステムコントローラ206、印字ヘッドの制御を行うプリント制御部208(以下、単に制御部208とすることもある)及び画像メモリ210、画像バッファメモリ212から構成されている。
ホストコンピュータ202から送出された画像データは通信インターフェース204を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ210に記憶される。取り込まれた画像データは展開され、吸着ベルト搬送部20のモータ214やヒータ216を制御する搬送系制御信号が生成される。搬送系制御信号はシステムコントローラ206からモータドライバ218及びヒータドライバ220へ加えられる。
プリント制御部208では、画像メモリ210から送られた画像データを印字ヘッド50へ出力するための各種加工、補正などの処理が行われる。プリント制御部208で必要な処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ222を介して印字ヘッド50のインク滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。また、必要に応じて印字検出部22から得られる情報に基づいて、印字ヘッド50に対する各種補正を行うこともある。プリント制御部208には画像データ処理時に画像データやパラメータなどを一時的に格納する画像バッファメモリ212が備えられている。
通信インターフェース204にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。
システムコントローラ206はCPU(演算部)と画像処理用IC(DSP)、メモリコントローラから構成してもよいし、これらの機能をワンチップ化したIC(プロセッサ)で構成してもよい。
画像メモリ210にはRAMが適用されるが、半導体素子だけでなくハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
画像バッファメモリ212はプリント制御部208に付随して設けられている態様を例示したが、画像メモリ210と兼用することも可能である。また、プリント制御部208に用いられるプロセッサに内蔵されているメモリを用いてもよい。
ヘッドドライバ222はプリント制御部208から画像データに基づいて各色ヘッドのピエゾアクチュエータを駆動する。ヘッドドライバ222にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部22はプリントされた画像を読み取り、所定の信号処理を行った後、各ノズルの吐出の有無や打滴ばらつきなどの印刷状況を検出してプリント制御部208に送出する。
図6は、図2(b)中の3−3線に沿うインクジェットヘッドの断面図である。このインクジェットヘッドは、複数の積層基板を用いて形成される。積層基板により形成された共通流路1よりインク供給口2を経て圧力室102にインクを供給し、圧力室102の一部をなす振動板4に接着層5を介して接着された下部電極層120bとピエゾ薄板8と上部電極層120aとからなるピエゾ素子6を、制御部208から上部電極層120aと下部電極層120bに電圧を印加することにより駆動しユニモルフ効果により振動板4を屈曲させ、圧力室102内に圧力を発生させ、ノズル100よりインク滴を吐出させる。以下、振動板4と接着層5とピエゾ素子6とからなる部分をピエゾアクチュエータと称する。
ピエゾアクチュエータは、振動板4と、ブラスト加工により個別化されたピエゾ薄板8の両面にめっきもしくはスパッタ工法により形成された上部電極層120aと下部電極120bをもつピエゾ素子6と、振動板4とピエゾ素子6とを接合する接着層5とにより形成される。ピエゾアクチュエータは、ワイヤボンディング、もしくはFPC(Flexible Printed Circuits)などにより上部電極層120aと下部電極層120bに導線122cが接続され、導線122cには制御部208が接続される。
共通流路1と圧力室102の内部にはそれぞれサーミスタ7a、7bが設置されており、サーミスタ7a、7bはそれぞれ共通流路1の温度(以下T2で表す)と圧力室102の温度(以下T1で表す)を検出する。サーミスタ7a、7bはそれぞれ導線122a、122bにより制御部208に接続されている。後述のように制御部208はヒータ123及びペルチェ素子70の駆動を制御して共通流路1と圧力室102の温度差を所定温度内に保つ。ペルチェ素子70の駆動電力供給はペルチェ素子駆動回路223より行われ、この電力供給を制御部208により制御することでペルチェ素子の駆動を制御する。圧力室102と共通流路1の間の層にはインク供給口形成基板11a、共通流路上基板11bによりヒータ123が接合されている。ヒータ123は導線122fにより制御部208と接続されており、ヒータ123の電気抵抗等による熱エネルギー発生は制御部208の電圧印加により制御される。つまり、ヒータ123により、圧力室102と共通流路1の隔壁を形成する共通液室上基板11bが加熱される。
ノズル100の吐出口を配置するノズル板15と共通流路1の間の層にはそれぞれ熱伝導部材で形成された共通流路下基板13a、吐出流路形成基板13bによりペルチェ素子70が接合されており、ペルチェ素子70の周囲はセラミックなどの断熱部材124で囲まれている。ペルチェ素子70は導線122dによりペルチェ素子駆動回路223と接続され、ペルチェ素子駆動回路223は導線122eにより制御部208と接続されている。制御部208は、ペルチェ素子70が共通流路下基板13aに接合する部分(以下、第1接合部17という)が吸熱しかつペルチェ素子70が吐出流路形成基板13bに接合する部分(以下、第2接合部18という)が発熱を行うよう、あるいは逆に第1接合部17が発熱しかつ第2接合部18が吸熱を行うようペルチェ素子駆動回路223に周期Ta毎にパルス電流を期間Tb供給してペルチェ素子駆動回路223によるペルチェ素子70への電力供給を制御する。以下、制御部208により第1接合部17を加熱、冷却させる制御をそれぞれ第1加熱制御、第1冷却制御という。また、制御部208により第2接合部18を加熱、冷却させる制御をそれぞれ第2加熱制御、第2冷却制御という。
制御部208の第1冷却制御に従ってペルチェ素子駆動回路223からペルチェ素子70に電流が供給されているときは、ペルチェ素子70の第1接合部17は温度が低下する。この温度の低下量は、ペルチェ素子70の特性により定まり、第1接合部17と第2接合部18との温度差Cで表される。したがって、制御部208から第1冷却制御に従ってペルチェ素子駆動回路223からペルチェ素子70に電流が供給されているときは、第1接合部17と第2接合部18との温度差がCとなる。なお、制御部208の第1冷却制御に従ってペルチェ素子駆動回路223からペルチェ素子70に電流が供給されているときは、ノズル板15に接合する第2接合部18が発熱してノズル板15を加熱するため、ノズル100の吐出口付近の温度が上昇して吐出口近傍のインクの粘度を低下させることができ、これにより高粘度インクの吐出性能を向上させることができる。以下、インクの粘度が高粘度であるとは、30℃で粘度50〜3000mPas、望ましくは100〜500mPasであり、60℃で粘度2〜30mPasであると定義する。なお、30℃で粘度50mPas以下の場合、画像がにじみやすく、3000mPas以上の場合は画質平滑性が失われる。また、60℃で粘度30mPas以上の場合はノズル100のインク吐出性能が劣化するため、特にピエゾアクチュエータで吐出する場合、2〜30mPasであることが好ましい。
さらに制御部208のペルチェ素子70及びヒータ123の制御の詳細を説明する。制御部208は、圧力室102の温度T1をTmax、共通流路1の温度T2をTminに保つようペルチェ素子70及びヒータ123を制御する。ここで、Tmax、Tmin、温度TmaxとTminの差ΔT=Tmax−Tminは、以下のように決定することが好ましい。Tmaxは、ノズル100から吐出するインクの粘度と温度の関係、及び温度に対するインクの空気溶解度に応じて決定することが好ましい。例えば、あるインクの粘度曲線が図7のような場合、Tmaxは温度に対して粘度変化の低下する(即ち温度に関わらず粘度が安定し、吐出も安定する)30〜100℃が好ましいが、インクの溶解度曲線が図8のような場合、100℃以上ではインク内に溶解する空気が気泡化するため、Tmaxは40〜70℃がより好ましい。また、差ΔTは、吐出流路形成基板13bと共通液室上基板11bの温度差から共通流路1内に対流が生じ、共通流路1内の気泡発生を延滞させるような温度差となるように決定することが好ましい。さらに、差ΔTは、共通流路1から圧力室102へのインク供給から吐出が行われるまでの間(以下吐出周期という)に圧力室102のインクがTmaxにまで加熱されるよう決定することが好ましい。例えば、ΔTが10℃以上であると吐出周期内に共通流路1のインクをTmaxにまで加熱できない場合があるため、ΔTは10℃以内とすることが好ましく、例えばΔT=5℃とすることが好ましい。以上のようにして好ましいTmax及びΔTを決定し、Tmin=Tmax−ΔTとしてTminを決定すればよい。
図9は、ノズル100からインクの吐出が行われる際の制御部208による共通流路1及び圧力室102の温度差をΔTとするための制御(以下、吐出時制御という)の流れを示すフローチャートである。S11では、制御部208はサーミスタ7aから現在の共通流路1の温度T2を取得する。S12では、制御部208はT2>Tminか否かを判断する。T2>Tminの場合はS13に移行し、T2≦Tminの場合はS14に移行する。S13では、制御部208は第1冷却制御を行う。これに従い、ペルチェ素子70の第1接合部17は共通流路下基板13aを介して共通流路1の下面を冷却する一方、ペルチェ素子70の第2接合部18は吐出流路形成基板13bを介してノズル板15を加熱する。S14では、制御部208はT2<Tminか否かを判断する。T2<Tminの場合はS15に移行し、T2≧Tminの場合はS16に移行する。S15では、制御部208は第1加熱制御を行う。これに従い、ペルチェ素子70の第1接合部17は共通流路
下基板13aを介して共通流路1の下面を加熱する。
S16では、制御部208はサーミスタ7bから現在の圧力室102の温度T1を取得する。S17では、制御部208はT1<Tmaxか否かを判断する。T1<Tmaxの場合はS18に移行し、T1≧Tmaxの場合はS11に戻る。S18では、制御部208はヒータ123を発熱させるよう制御する。ヒータ123は、インク供給口形成基板11aを介して圧力室102を加熱する一方、共通流路上基板11bを介して共通流路1の上面を加熱する。なお、上記の処理ステップS11〜18は、吐出周期内に略T1−T2=ΔTとなるようにするため、1回の吐出周期内で少なくとも1回実行することが好ましく、1回の吐出周期内で複数回繰り返して実行することがより好ましい。
以上の制御により、共通流路1の下面と上面の温度差がΔTとなるため、共通流路1内に対流が生じ、共通流路1内の気泡発生を延滞させることができる。また、この温度差ΔTのため、共通流路1のインクの粘性が圧力室102のインクの粘性よりも高くなる。従って、ピエゾアクチュエータの圧力発生によるインク吐出時に圧力室102から共通流路1へインクが逆流するのを防止できる。また、圧力室102をヒータ123で温度Tmaxまで加熱するため、高粘度インクの吐出が可能である。
一方、インクジェットヘッドを長時間作動させず放置すると、共通流路1に残留するインクに溶解していた気体が気泡化する場合があり、気泡が発生した状態でインクジェットヘッドを再び作動させようとすると、気泡がインク供給口2を閉塞して圧力室102へインクが供給されずインクが吐出不可能となるおそれが生じる。このため、本実施形態のインクジェットヘッドは、画像記録を行わない時には共通流路1の温度を気泡が発生せず、さらには共通流路1上流から流入した気泡をインクに溶解させることが可能な温度に冷却する制御(以下、非吐出時制御という)を行う。図10は、インクジェットヘッドの立ち上げ時、長期放置時、保管時などノズル100からインクの吐出が行われない際の制御部208による非吐出時制御の流れを示すフローチャートである。S21では、制御部208はサーミスタ7aから現在の共通流路1の温度T2を取得する。S22では、制御部208はT2>T’minか否かを判断する。ここで、T’minは、インクの溶解度曲線が図8のような場合、インク内に空気が十分溶解する0〜20℃が好ましく、5〜15℃がより好ましい。T2>T’minの場合はS23に移行し、T2≦T’minの場合はS24に移行する。S23では、制御部208は第1接合部17側を冷却するようペルチェ素子70を制御する(第1冷却制御)。ペルチェ素子70の第1接合部17は、共通流路下基板13aを介して共通流路1を冷却する。S24では、制御部208は第1接合部17側の冷却を停止するようペルチェ素子70を制御する。
S25では、制御部208は特定のスイッチ押下などによるインクジェットヘッドの動作開始(即ち画像記録の開始)の指示を待機する。動作開始指示があった場合はS26に移行し、動作開始指示がない場合はS21に戻る。S26では、制御部208は吸引やパージなど所定のメンテナンス動作をノズル100に行わせ、圧力室102に残留するインクをノズル100から記録媒体以外の所定位置に吐出する。
S27では、制御部208はサーミスタ7bから現在の圧力室102の温度T1を取得する。S28では、制御部208はT1<Tmaxか否かを判断する。T1<Tmaxの場合はS29に移行し、T1≧Tmaxの場合はS30に移行する。S29では、制御部208はヒータ123を発熱させるよう制御する。ヒータ123は、インク供給口形成基板11aを介して圧力室102を加熱する一方、共通流路上基板11bを介して共通流路1の上面を加熱する。S30では、ヒータ123の加熱を停止するよう制御する。
以上の制御により、インクジェットヘッドの立ち上げ時や長期放置時には共通流路1をT’minまで冷却して気泡をインクに溶解させることができ、気泡を溶解させたインクを所定のメンテナンス動作により排出できる。
なお、インクカートリッジ交換時などのインクジェットヘッドへのインク初期充填時に、制御部208は以下のような制御を行ってもよい。即ち、制御部208は、ヒータ123を加熱するよう制御し、これに従いインク供給口形成基板11a、共通流路上基板11bが加熱され、インク充填時のぬれ性が向上し、インク供給口2に気泡を付着させることなくインクを充填させることが可能となる。
[第2実施形態]
図11は、本発明の好ましい他の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。第1実施形態と同一の部材は図6と同一の符号を付している。本実施形態では、第1実施形態と異なり、圧力室102と共通流路1との間の層にペルチェ素子70が配置されている。圧力室102の下面にはインク供給口形成基板11aによりペルチェ素子70の第1接合部17が接合されており、共通流路1の上面には共通流路上基板11bによりペルチェ素子70の第2接合部18が接合されている。ペルチェ素子70の第1接合部17及び第2接合部18以外の部分は断熱部材124で囲まれている。ノズル板15と共通流路1の間の層には共通流路下基板13a、吐出流路形成基板13bによりヒータ123が接合されている。ヒータ123は導線122fにより制御部208と接続されて制御される。ペルチェ素子70は導線122dによりペルチェ素子駆動回路223と接続され、ペルチェ素子駆動回路223は導線122eにより制御部208と接続されている。
図11の構成を有するインクジェットヘッドは、第1実施形態の吐出時制御と同様の制御を行うことができるが、以下の点が異なる。S13では、制御部208は第2接合部18側を冷却するようペルチェ素子70を制御する(第2冷却制御)。S15では、制御部208は第2接合部18側を加熱するようペルチェ素子70を制御する(第2加熱制御)。S18では、制御部208は第1接合部17側を加熱するようペルチェ素子70を制御する(第1加熱制御)。このような制御により、共通流路1と圧力室102との温度差がΔTとなるため、共通流路1内に対流が生じ、共通流路1内の気泡発生を延滞させることができる。
また、図11の構成を有するインクジェットヘッドは、第1実施形態の非吐出時制御と同様の制御を行うことができるが、以下の点が異なる。S21では、制御部208はサーミスタ7bから現在の圧力室102の温度T1を取得する。S22では、制御部208はT1>T’minか否かを判断する。T1>T’minの場合はS23に移行し、T1≦T’minの場合はS24に移行する。S23では、制御部208は第1接合部17側を冷却するようペルチェ素子70を制御する(第1冷却制御)。ペルチェ素子70の第1接合部17は、インク供給口形成基板11aを介して圧力室102を冷却する。S24では、制御部208は第1接合部17側の冷却を停止するようペルチェ素子70を制御する。
S28では、制御部208はT1<Tmaxか否かを判断する。T1<Tmaxの場合はS29に移行し、T1≧Tmaxの場合はS30に移行する。S29では、制御部208は第1接合部17側を加熱するようペルチェ素子70を制御する(第1加熱制御)。これに従い、ペルチェ素子70の第1接合部17は、インク供給口形成基板11aを介して圧力室102を加熱する。S30では、制御部208は第1接合部17側の加熱を停止するようペルチェ素子70を制御する。
以上の制御により、インクジェットヘッドの立ち上げ時や長期放置時には圧力室102をT’minまで冷却して気泡をインクに溶解させることができ、気泡を溶解させたインクを所定のメンテナンス動作により排出できる。
[第3実施形態]
図12は、本発明の好ましい他の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。第1実施形態と同一の部材は図6と同一の符号を付している。本実施形態では、第1実施形態と異なり、圧力室102の下面にはインク供給口形成基板11aによりペルチェ素子70の第1接合部17が接合されている。ペルチェ素子70の第2接合部18はSUS(Steel Use Stainless)などからなる熱伝導部材19の上面と接合されている。ペルチェ素子70の第1接合部17及び第2接合部18以外の部分は断熱部材124で囲まれている。熱伝導部材19の下面はノズル100の吐出口を配置するノズル板15に接合されている。
本実施形態のインクジェットヘッドは、第1実施形態の吐出時制御と同様の処理(ただしS18は除く)を実行できるが、この場合熱伝導部材19の熱伝導により圧力室102と共通流路1との温度差は略Cとできる。即ち、圧力室102を高温、共通流路1を低温とするため、供給口2に気泡が付着するのを防止できる。
[第4実施形態]
図13は、本発明の好ましい他の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。第1実施形態と同一の部材は図6と同一の符号を付している。本実施形態では、第3実施形態(図12参照)と同様、共通流路1がインク供給口形成基板11aを介して圧力室102の下層に形成されている。一方、第1のペルチェ素子70aの第1接合部17aはインク供給口形成基板11aを介して圧力室102の下面に接合され、第1のペルチェ素子70aの第2接合部18aは共通流路上基板11bの上面に接合されており、第1のペルチェ素子70aは共通流路1と同層に配置されている。第1のペルチェ素子70aの第1接合部17a及び第2接合部18a以外の部分は断熱部材124aで囲まれている。共通流路上基板11bの下面には第2のペルチェ素子70bの第1接合部17bが接合されている。即ち、共通流路上基板11bは第1のペルチェ素子70aと第2のペルチェ素子70bとの間に挟まれている。第2のペルチェ素子70bの第2接合部18bにはSUS(Steel Use Stainless)などからなる熱伝導部材19の上面が接合されている。熱伝導部材19の下面はノズル板15に接合されている。第2のペルチェ素子70bの第1接合部17b及び第2接合部18b以外の部分は断熱部材124bで囲まれている。
第1のペルチェ素子70aは導線122−1dによりペルチェ素子駆動回路223と接続され、第2のペルチェ素子70bは導線122−2dによりペルチェ素子駆動回路223と接続されている。
本実施形態のインクジェットヘッドにおいて、制御部208は第1実施形態の吐出時制御と同様の制御を実行できるが、以下の点が異なる。具体的には、S13では、制御部208は第2接合部18a側を冷却するようペルチェ素子70aを制御する一方、第1接合部17b側を冷却するようペルチェ素子70bを制御する。S15では、制御部208は第2接合部18a側を加熱するようペルチェ素子70aを制御する一方、第1接合部17b側を加熱するようペルチェ素子70bを制御する。S18では、制御部208は第1接合部17a側を加熱するようペルチェ素子70aを制御する。それ以外の処理ステップは第1実施形態と同様である。
また、制御部208は第2実施形態の非吐出時制御と同様の制御を実行できるが、以下の点が異なる。具体的には、S23では、制御部208は第1接合部17a側を冷却するようペルチェ素子70aを制御する。S29では、制御部208は第1接合部17a側を加熱するようペルチェ素子70aを制御する。それ以外の処理ステップは第2実施形態と同様である。
ここで、ペルチェ素子70aの特性で定まる第1接合部17aと第2接合部18aの温度差をCa、ペルチェ素子70bの特性で定まる第1接合部17bと第2接合部18bの温度差をCbとすると、インク供給口形成基板11aと熱伝導部材19との温度差は最大|Ca+Cb|、インク供給口形成基板11aと共通流路上基板11bとの温度差(即ち共通流路1と圧力室102の温度差)は最大|Ca−Cb|確保できる。従って、共通流路1と圧力室102の間、圧力室102と熱伝導部材19との間で所望の温度差を容易に設ける制御を行うことができる。また、熱伝導部材19を介してノズル板15をペルチェ素子70bの第2接合部18bにより加熱することもできる。この場合、ノズル100の吐出口付近の温度が上昇してインクの粘度を低下させることができ、ノズル100から高粘度のインクを吐出することが可能である。
[第5実施形態]
図14は、図2(b)の3’−3’線に沿った断面図である。図14に示すように、共通流路1はインク供給タンク150に連通する本流400と連通しており本流400からインクの供給を受ける。共通流路1の上部の層には、図12と同様、振動板4と接着層5と電極層120をもつピエゾ素子8とからなるピエゾアクチュエータ6が接合されている。各ピエゾアクチュエータの電極層120と、共通流路1及び圧力室102に設置されたサーミスタ7a、7bと、ペルチェ素子70は図12と同様制御部208に接続されている。サーミスタ7aは、本流400から共通流路1が離れていく方向(以下、下流方向という)に沿って、本流400内、本流400に最も近い共通流路1内の位置(上流位置)、本流400から最も離れた共通流路1内の位置(下流位置)、上流位置と下流位置の略中間の位置(中流位置)に設置されている。図2(b)の3−3線に沿った断面図は、図12と同様であり、各供給口2には共通流路1が接続されており、共通流路1と同層にペルチェ素子70が設置されている。
共通流路1を流れるインクの流体抵抗は、本流400から離れるに従って流路の距離が増すため増加する。このため、ノズル100が本流400から下流方向に沿って離れるに従ってノズル100からのインク吐出の性能が変化することになり、画像劣化の原因となりうる。そこで、本実施形態の制御部208は以下のような制御を行う。即ち、本流400から分岐する共通流路1に沿って本流400から徐々に離れるように設置されているサーミスタ7aの検知した温度に基づき、共通流路1の温度を本流400からの下流方向に沿った距離に応じて制御する。例えば、本流400から下流方向に向かって徐々に高くなるような共通流路1の温度目標値を予め設定しておき、制御部208はこの設定値に基づいてペルチェ素子70を制御する。さらに、本流400から各共通流路1までの下流方向に沿った距離に応じ、温度目標値に対する許容範囲を徐々に縮小するよう設定し、この許容範囲に基づいてペルチェ素子70を制御してもよい。具体的には、本流400の温度を30℃±5%(30℃±1.5℃)の範囲とすると、サーミスタ7aの設置された共通流路1内の各位置の温度の許容範囲は、上流位置32℃±3%、中流位置35℃±3%、下流位置38℃±3%とする。また、サーミスタ7bの温度と圧力室102内の許容範囲は、40℃±1%とする。このようにすれば、本流400から分岐する共通流路1に沿って本流400から徐々に離れるように設置されている共通流路1の温度を、徐々に目標温度に近づけるよう制御できる。また、共通流路1内の温度のばらつきを抑えることができ、インク吐出の安定化につながる。本流400と圧力室102の温度差は、好ましくは0.1〜10℃、より好ましくは1〜5℃である。なお、温度差が10℃以上となると、本流400から圧力室102までの共通流路1でインク粘度の変動が大きく、インクの安定供給がされず画像劣化が生じるおそれが高い。
なお、上記の制御と同時に、第1実施形態の吐出時制御を行って共通流路1と圧力室102との温度差を所定温度内に保ってもよい。
[第6実施形態]
図15は、本発明の好ましい他の実施形態に係るインクジェットヘッドの概略構成図である。第3実施形態と同一の部材は図12と同一の符号を付している。本実施形態では、第3実施形態と異なり、ペルチェ素子70の下面に接合されている熱伝導層19と同層にインク蒸発防止用液の供給タンク80が設けられている。供給タンク80の下部には供給口81が設けられており、供給口81は下層の多孔質層82に通じている。多孔質層82はノズル100の吐出口まで延在している。供給口81は制御部208の制御に応じて開閉され、多孔質層82を介してノズル100の吐出口付近にインク蒸発防止用液(例えば水)を提供する。多孔質層82の下面は被覆層83で覆われておりインク蒸発防止用液の蒸発を防止する。
制御部208は第2実施形態の非吐出時制御(図10参照)のS21〜S26と同様の制御を実行できるが、特にS23が繰り返し実行される場合(S22で“Y”)、制御部208はさらに供給口81を開くよう制御し、ノズル100の吐出口付近にインク蒸発防止用液を供給してもよい。一方、動作が開始した場合(S25で“Y”)、制御部208は供給口81を閉じるよう制御し、インク蒸発防止用液の供給を停止してもよい。このようにノズル100の吐出口付近にインク蒸発防止用液を供給することでノズル100の吐出口付近のインクが乾燥して増粘しインクジェットヘッドによる画像記録時に不吐出が発生することを防止できる。なお、多孔質層82の内部に水を浸潤させておくことで、多孔質層82から水が蒸発し、ノズル100の吐出口付近が乾燥するのを防止することもできる。
また、制御部208がペルチェ素子70の第2接合部18を加熱するよう制御すれば、熱伝導層19を介してノズル板15が加熱され、ノズル板15付近のインク蒸発防止用液が蒸発して蒸気が発生する。この蒸気によりノズル100内のインクが大気と接する部分(所謂メニスカス)が乾燥してインクが増粘するのを防止できる。本実施形態は、第1、2、4実施形態のノズル板15の吐出側に多孔質層が形成され、ノズルメニスカスの乾燥を防止する形態でもよい。
[第7実施形態]
上記第1〜6実施形態において、ピエゾアクチュエータがインクを吐出させない程度に圧力室102に圧力を加えて圧力室102中の気泡を分解させてインク中に溶解させるようにしてもよい。また、上記第1〜6実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータの変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
[第8実施形態]
上記第1〜7実施形態のインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタ(画像記録装置)も本発明に含まれる。上述したような実施の形態に示した液滴吐出ヘッドならびに画像記録装置の構成はインクジェットヘッドならびにインクジェットプリンタに限定されるものではなく、例えば印画紙に非接触で現像用処理液を塗布する液体吐出ヘッド及び写真画像形成装置などにも本発明を適用できる。即ち、インクに限らず、処理液や機能液、その他の液体を媒体に塗布する液滴吐出工程が含まれる他の画像記録装置についても本発明を広く適用できる。
インクジェット記録装置の構成を示すブロック図 ノズルの配列 マトリックス状に配置されたインク室ユニットの構成 インクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示した概要図 インクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 第1実施形態に係るインクジェットヘッドの概念図 インクの粘度曲線の例 インクの空気溶解度曲線の例 吐出時制御のフローチャート 非吐出時制御のフローチャート 第2実施形態に係るインクジェットヘッドの概念図 第3実施形態に係るインクジェットヘッドの概念図 第4実施形態に係るインクジェットヘッドの概念図 第5実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図 第6実施形態に係るインクジェットヘッドの概念図
符号の説明
1…共通流路、70…ペルチェ素子、100…ノズル、102…圧力室、123…ヒータ

Claims (10)

  1. 液滴を吐出するための複数のノズルと、各ノズルと各々連通する複数の圧力室と、液体を貯蔵する液体貯蔵手段より連通し、各圧力室に各々液体を供給する共通流路と、各圧力室の液体を各ノズルから吐出させる複数の吐出手段とを備える液体吐出ヘッドであって、
    前記圧力室と前記共通流路との温度差を発生させる温度差発生手段と、
    前記共通流路の温度を検出する共通流路温度検出手段と、
    前記圧力室の温度を検出する圧力室温度検出手段と、
    前記共通流路の温度及び前記圧力室の温度に従い、前記共通流路と前記圧力室との温度差が所定の温度差に到達するよう前記温度差発生手段を制御する制御手段と、
    を備える液体吐出ヘッド。
  2. 前記温度差発生手段は、前記圧力室の一方の面に接合され前記圧力室を加熱する圧力室加熱手段と、前記共通流路の一方の面に吸熱面が接合されたペルチェ素子とを有する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記温度差発生手段は、前記圧力室と前記共通流路と間の層に設置され、前記圧力室の一方の面に発熱面が接合されかつ吸熱面が前記共通流路の一方の面に接合されているペルチェ素子である請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記ノズルを配置するノズル板を加熱するノズル加熱手段をさらに備える請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記温度差発生手段は、前記共通流路と同層に設置され、発熱面が前記圧力室の一方の面に接合されかつ前記共通流路に接合する熱伝導部材の一方の面に吸熱面が接合されている第1のペルチェ素子を有する請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記温度差発生手段は、前記共通流路に接合する熱伝導部材の他方の面に吸熱面が接合された第2のペルチェ素子を有する請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記共通流路を加熱又は冷却する加熱冷却手段をさらに備え、
    前記共通流路は液体を供給する液体流路の本流から分岐して連通しており、
    前記制御手段は、前記本流から前記共通流路内の所定位置までの距離に応じた所定の目標温度に前記共通流路の所定位置の温度が到達するよう前記加熱冷却手段を制御して前記共通流路を加熱又は冷却させる請求項1〜6のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記制御手段は、前記本流から前記共通流路の所定位置までの距離に応じた温度範囲内に前記共通流路の所定位置の温度が到達するよう前記加熱冷却手段を制御する請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記複数のノズルの吐出口付近に吐出液体の蒸発を防止するための液体を供給する液体供給手段をさらに備える請求項1〜8のいずれかに記載の液体吐出ヘッド。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドを備える画像記録装置。
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