JP3835675B2 - プリント基板用配線材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント基板用配線材に係り、特に,プリント基板間の接続に用いられ、配線材に飛び込む高周波ノイズをカットする後付型フェライトコアを有し、その後付型フェライトコアの取付を低コストで作業性良く行うことができ、その取付位置を安定に保持でき、良好な性能を有するプリント基板用配線材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、微弱な信号を処理する電子機器においては、シャーシ内部に配置した基板間の配線に飛び込んでくる不要な高周波ノイズを遮断する為に、ノイズフィルタとしてフェライトコアを用いたプリント基板間用配線材により、プリント基板間の配線を行っている。以下その概略を説明する。
【0003】
図3は従来例のプリント基板用配線材を示す概略斜視構成図である。
図4は従来例のプリント基板用配線材で使用する後付型フェライトコアの固定例を示す斜視図である。
図5は一般的な後付型フェライトコアの構成図である。図5において、図5の(2)は後付型フェライトコア30の上面図を、図5の(1)はその左側面図を、図5の(3)はその右側面図をそれぞれ示す。
【0004】
図5に示すように、後付型フェライトコア30においては、所定の肉厚を有する所定長さのパイプ(円筒)を半割した形状のフェライトコア32a,32bがそれぞれコアケース31a,31bに、凹部36a,36bが露出するように収納されている。コアケース31a,31bに設けられている凹部37a,37bは凹部36a,36bの延長上にあり、凹部36a,36bと略同一形状である。
一対のコアケース31a,31bは、突き合わせると、フェライトコア32a,32bの凹部36a,36bが配線材を配置する貫通孔36(これに対応する凹部37a,37bは開口部37となり配線材を通せる)となる様に配置されて、一側面(一端)の端で2個のヒンジ35でそれぞれ接続されており、反対側の側面が開閉可能になっている。
【0005】
ヒンジ35側とは反対側のコアケース31aの側面にはクランパ33が、コアケース31bの側面には、フック34がそれぞれ2個設けられている。
フェライトコア32aとフェライトコア32bとは向き合っており、フェライトコア32a,32bの内側の凹部36a,36bに配線材を挿入配置した後に、コアケース31aとコアケース31bとを突き合わせて、フック34にクランパ33を引っ掛けることにより、コアケース31aとコアケース31bとを閉じて、フェライトコア32a,32bが付き合わされて、凹部36a,36bが貫通孔36を形成し、配線材を貫通孔36に通した状態で配線材に後付型フェライトコア30を取り付けることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図3に示すように、図示しないシャーシに所定の配置で配置されているプリント基板1とプリント基板2とが、プリント基板1上に配置されて且プリント基板1に接続されるボードトゥーボードコネクタ5と、このコネクタ5に接続される配線材40と、この配線材40に接続され、プリント基板2上に配置されており且プリント基板2に接続するボードトゥーボードコネクタ6とにより、電気的に接続されており、この配線材40には、コア付の後付型フェライトコア30が取り付けられ、束線バンド41で固定されている。
【0007】
この場合、後付型フェライトコア30のノイズ除去特性が、配線材40に取り付ける取付位置の影響を受けるため、その取付位置を安定に保持する必要があり、また、配線材に後付型フェライトコア30の重量がかからない様に、例えば、後付型フェライトコア30を他の構造物に固定したり、またコネクタが、機器に与えられた振動等の外力により外れるのを防止する必要がある。
【0008】
その例として、図4に示すように、ベースプレート45に取り付けられた固定部材44に、後付型フェライトコア30を保持部材42で取り付け、ネジ43で固定して、後付型フェライトコア30の位置を保持する方法がある。
なお、これらの固定方法としては、配線材そのものに固定するなど、多数の方法が適用されている。
【0009】
しかしながら、配線材に後付で後付型フェライトコアを他の構造物に取り付ける場合には、後付型フェライトコアを固定するための別部品が必要となり、その分コストアップし、一方、通常は,高密度実装のため、後付型フェライトコアを保持するため別部品のためのスペースが無い場合が多く、そのときは、位置固定が困難であるという問題がある。
【0010】
また、後付型フェライトコアを配線材の所定位置に固定する場合には、取付位置を正確に認識するのが困難であり、その取付作業の作業性が悪いという問題がある。
また、配線材がワイヤの場合、コアをワイヤに固定してもワイヤそのものが自由に屈曲するので後付型フェライトコアの位置が、外力等が加わると、ずれてしまい、一定に保持できないため、ノイズ除去特性がバラついてしまい、性能的に安定しないという問題がある。
【0011】
そこで本発明は上記問題を解決し、低コストであり、取付作業性が良く、性能的に安定したプリント基板用配線材を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段として、本発明は、第1のプリント基板1と第2のプリント基板2とを電気的に接続する配線材と、前記配線材に後付により取り付けて、ノイズを遮断するための後付型フェライトコアとを有するプリント基板用配線材において、前記後付型フェライトコアにフラットワイヤ用後付型フェライトコア20を用い、前記配線材をプリント基板10より構成し、前記プリント基板10の前記フラットワイヤ用後付型フェライトコア20を取り付けるべき位置の両側面に切り欠き部12、12’を設け、前記切り欠き部12,12’間の前記プリント基板10の部分を前記フラットワイヤ用後付型フェライトコア20のフェライトコア22a,22bが取り囲むように、前記フラットワイヤ用後付型フェライトコア20を前記プリント基板10に配置したことを特徴とするプリント基板用配線材である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき、好ましい実施例により、図面を参照して説明する。なお、説明の簡便のため、参照符号に関しては、上述の従来例の構成と同一の構成については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0014】
<実施例>
図1は本発明のプリント基板用配線材の実施例を示す概略斜視構成図である。図2は本発明のプリント基板用配線材の実施例で使用する後付型フェライトコアの構成図である。図2において、図2の(2)は後付型フェライトコア20の上面図を、図2の(1)はその左側面図を、図2の(3)はその右側面図をそれぞれ示す。
【0015】
図2に示される後付型フェライトコア20は、フラットワイヤに用いられるコア付の後付型フェライトコア又はそれと同様のものである。
以下、概略説明する。
側面の一端部において互いにヒンジ25で接続された一対の矩形状のコアケース21a,21bがあり、ヒンジ25の周りで開閉可能になっている。コアケース21aのヒンジ25とは反対側の側面の端部にはクランパ23が、コアケース21bのそれにはフック24が設けられており、フック24にクランパ23を掛けることによりコアケース21a,21bを閉じて突合せ圧着できる。
【0016】
コアケース21a,21bの内部にはそれぞれコの字型のフェライトコア22a,22bが、凹部26a,26bが互いに向き合うように収納されている。コアケース21a,21bにおいて、この凹部26a,26bの延長部は凹部27a,27bとなっており、これらの凹部26a,26b,27a、27bに所定の配線材を配置して、コアケース21a,21bを突き合わせて閉じると、フェライトコア22a,22bも突き合わされて、開口部27、貫通孔26が形成され、ここに配置された配線材はフェライトコア21a,21bで周囲を取り囲まれる。
【0017】
このように後付型フェライトコア20は,配線材を配線した後で、必要なときに配線材に取り付けることができる。なお、貫通孔26(開口部27でもある)の縦幅W及び横幅Lは,ここに配置される配線材の形状に合わせて設定してある。
【0018】
次に、本実施例のプリント基板用配線材を説明する。
図1に示すように、プリント基板1とプリント基板2の間を接続するための配線材として、プリント基板10を用いる。
プリント基板1、2とプリント基板10との電気的接続には、それぞれに配置されたボードトゥーボードコネクタ3、4を介して行われる。
プリント基板10の配線パターン11は平行パターンより構成されており、あたかもフラットワイヤの様な構造となっている。
【0019】
このプリント基板10を取り囲んで後付型フェライトコア20が取り付けられるが、予め定められているプリント基板10上の後付型フェライトコア20を取り付けるべき位置(後付型フェライトコア20の効果が最も良好に発揮される位置)には、矢印13方向に後付型フェライトコア20が移動しないように、後付型フェライトコア20の貫通孔26の横幅Lよりやや小さい横幅L’になるように切り欠き部12,12’を形成してある。切り欠き部12,12’の矢印13方向の長さは、後付型フェライトコアが嵌る長さ(図2の(1)に示すDよりやや大きい)としてある。
【0020】
本実施例のプリント基板用配線材は、プリント基板10と後付型フェライトコア20とを有するが、取り付けは次のように行われる。
プリント基板1,2が所定の位置に取り付けられる。プリント基板1上には,オス型のボードトゥーボードコネクタ3が、プリント基板2上にはメス型のボードトゥーボードコネクタ4が、予めそれぞれ配置されている。
プリント基板10には、所定の位置にボードトゥーボードコネクタ3、4が配置されている。次に、ボードトゥーボードコネクタ3、4を介して、プリント基板10を取付ける。その後、後付型フェライトコア20をプリント基板10の切り欠き部12、12’に位置合わせして、フック24にクランパ23に掛けて固定する。
【0021】
このように、本実施例のプリント基板用配線材においては、固定用の特別の別部品を必要とせず、プリント基板に取り付ける後付型フェライトコアの位置合わせも、切り欠き部に合わせるだけであるので、極めて作業性良く取付可能であり、取付後は、プリント基板の切り欠き部に後付型フェライトコアがきちんと嵌合した状態となっており、プリント基板はワイヤのように屈曲することもないので、外力が加わっても、後付型フェライトコアの取付位置は安定に保たれ、良好なノイズ遮断特性を維持できる。
なお、プリント基板用配線材に用いるプリント基板としては、複合基板などの捨て基板部分を利用すれば、大幅にコストも抑えることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、後付型フェライトコアにフラットワイヤ用後付型フェライトコアを用い、配線材をプリント基板より構成し、前記プリント基板の前記フラットワイヤ用後付型フェライトコアを取り付けるべき位置の両側面に切り欠き部を設け、前記切り欠き部間の前記プリント基板の部分を前記フラットワイヤ用後付型フェライトコアのフェライトコアが取り囲むように、前記フラットワイヤ用後付型フェライトコアを前記プリント基板に配置したことにより、後付型フェライトコアを固定するための別部品が不要な為、コストダウンが図れ、後付型フェライトコアを保持するためのほかの構造物やスペースが不要であり、後付型フェライトコアを取り付けるだけで配線材上を移動することが無いので生産性が良く、配線材がプリント基板なので屈曲しないので、性能的に安定しているプリント基板用配線材を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント基板用配線材の実施例を示す概略斜視構成図である。
【図2】本発明のプリント基板用配線材の実施例で使用する後付型フェライトコアの構成図である。
【図3】従来例のプリント基板用配線材を示す概略斜視構成図である。
【図4】従来例のプリント基板用配線材で使用する後付型フェライトコアの固定例を示す斜視図である。
【図5】一般的な後付型フェライトコアの構成図である。
【符号の説明】
1…プリント基板、2…プリント基板、3…(ボードトゥボード)コネクタ、4…(ボードトゥボード)コネクタ、5…コネクタ、6…コネクタ、10…プリント基板、11…配線パターン、12,12’…切り欠き部、20…後付型フェライトコア、21,21a,21b…コアケース、22a,22b…フェライトコア、23…クランパ、24…フック、25…ヒンジ、26…貫通孔、26a,26b…凹部、27…開口部、27a,27b…凹部、30…後付型フェライトコア、31a,31b…コアケース、32a,32b…フェライトコア、33…クランパ、34…フック、35…ヒンジ、36…貫通孔、36a,36b…凹部、37…開口部、37a,37b…凹部、40…配線材、41…束線バンド、42…保持部材、43…ネジ、44…固定部材、45…ベースプレート。

Claims (1)

  1. 第1のプリント基板と第2のプリント基板とを電気的に接続する配線材と、前記配線材に後付により取り付けて、ノイズを遮断するための後付型フェライトコアとを有するプリント基板用配線材において、
    前記後付型フェライトコアにフラットワイヤ用後付型フェライトコアを用い、前記配線材をプリント基板より構成し、前記プリント基板の前記フラットワイヤ用後付型フェライトコアを取り付けるべき位置の両側面に切り欠き部を設け、前記切り欠き部間の前記プリント基板の部分を前記フラットワイヤ用後付型フェライトコアのフェライトコアが取り囲むように、前記フラットワイヤ用後付型フェライトコアを前記プリント基板に配置したことを特徴とするプリント基板用配線材。
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