JP3834755B2 - 挟込み防止センサー挿入用中空部付き見切りシール装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として身障者用あるいは介護用の電動スライドドアを適用した自動車のスライド型リヤドア前端面に取付けられ、リヤドア前部外面とフロントドア後部外面との間に形成される隙間の見切り部をシールすると共に、異物の挟込みを防止する挟込み防止センサーを挿入自在とした見切りシール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1乃至図3を参照して説明する。従来、例えば身障者用や介護用の自動車には電動スライド型リヤドア1が取付けられているものがあるが、こうした自動車には、通常、リヤドア1による手等の異物の挟込みを防止するために、リヤドア前端部に挟込み防止センサー15を挿入する中空部付トリム30が設けられている。この中空部付トリム30は、フロントドア4後端部とリヤドア1前端部との間部分である見切り部Pより車内側に入り込んだ内方部Qで、リヤドア1のフランジ部3にフロントドア4側に突出した状態で取付けられている。
【0003】
また、こうした自動車においては、リヤドア1の車外側段部2に両面テープ21を配して見切りシール材20を取付けて見切り部Pをシールし、外観,遮音性および水密性の向上を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来の自動車においては、見切りシール材20と共にセンサー挿入用中空部付トリム30を取付けているためにリヤドア1とフロントドア4との間に比較的大きなスペースSを設ける必要がある。センサー挿入用中空部付トリム30をリヤドア1のフランジ部3に取付けるため、それに必要な空間を必要とするからである。二部品設定であるために、リヤドアを開けた際の自動車の外観が低下したり、センサー挿入用中空部付トリム30や見切りシール材20の組付け精度が低下し、それらを改善するための労力およびコストを余分に必要とするといった問題がある。
【0005】
また、センサー挿入用中空部付トリム30と見切りシール材20といった二種類の異なる部材を必要とするので製造コストが嵩み、その取付けや取り扱いも厄介であるといった問題がある。
【0006】
さらに、センサー挿入用中空部付トリム30は見切り部Pより車内側に入り込んだ内方部Qに取付けられているので、見切り部P近傍に異物が挟込まれた場合、挟込み防止センサー15がそれを感知することができないといった問題もある。
【0007】
本発明はこうした問題に鑑み創案されたもので、リヤドア1とフロントドア4との間のスペースSを小さくすることを可能とし、それにより、自動車の外観を向上させると共に組付け精度を高めて労力やコストを削減でき、また、取付けや取扱いが容易で経済的であり、さらに見切り部P近傍に挟込まれた異物でも感知することのできる電動スライド型リヤドア用の挟込み防止センサー付き見切りシールを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第一の発明を、図1・図2および図4を参照して説明する。本発明は、スライド型リヤドア1を適用した自動車のフロントドア4後端外面とリヤドア1前端外面との間である見切り部Pをシールするために、リヤドア1の前端壁の外向き傾斜部2aに取付けられる見切りシール装置であり、前記見切り部Pを中空状の中空シール部11でシールするものとし、その中空シール部11とは別に、車内側に、挟込み防止センサー15を挿入することが可能な中空部13aを形成したトリム13を一体成形し、且つ該トリム13をリヤドア前端壁の外向き傾斜部2aに固定手段にて固定したものである。また、前記固定手段が位置決めクリップ2bと両面テープ2cであることを特徴とするものである。
【0009】
第二の発明を、図1・図2および図5乃至図7を参照して説明する。本発明は、スライド型リヤドア1を適用した自動車のフロントドア4後端外面とリヤドア1前端外面との間である見切り部Pをシールするために、リヤドア1の前端壁に形成した取付フランジ2dに取付けられる見切りシール装置であり、前記見切り部Pを中空状の中空シール部11でシールするものとし、その中空シール部11とは別に、車内側に、挟込み防止センサー15を挿入することが可能な中空部13aを形成したトリム13を一体成形し、且つそのトリム13をリヤドア1前端壁の取付フランジ2dに狭持させて取付けてなるものである。
【0010】
なお、取付フランジ2dを、リヤドアインナーパネル2e、リヤドアアウターパネル2f、またはリヤドアインナーパネル2eとリヤドアアウターパネル2fの両方で形成することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
第一の発明に係る挟込み防止センサー付き見切りシール装置10の実施形態を図1・図2および図4に示す。この見切りシール装置10は、ゴム製で、電動スライド型リヤドア1を適用した自動車のフロントドア4後端外面とリヤドア1前端外面との間である見切り部Pをシールするために、リヤドア1の前端壁の外向き傾斜部2aに、当該リヤドア1の上下方向に沿って取付けている。
【0012】
そして、見切り部Pを、中空状に形成しリップ部12を突設した中空シール部11でシールするものとしている。また、その中空シール部11の車内側に、挟込み防止センサー15を挿入することが可能な中空部13aを有するトリム13をくびれ部14を介して一体成形している。挟込み防止センサー15は、従来技術のものと同様に、弾性材製のチューブ内に少なくとも二本の導線を間隙を開けて配し、異物が挟込まれてチューブが潰れ、導線同士が接触すると作動するようにしている。なお、この見切りシール装置10の取付けは位置決めクリップ2bと両面テープ2c,2cとで固定する。
【0013】
この挟込み防止センサーが挿入される中空部付見切りシール装置10は、リヤドア1の前端壁の外向傾斜部2aに取付けているので、リヤドア1とフロントドア4との間のスペースSを小さくすることができる。図4に示す如くリヤドア1の前端壁に車外側段部2と中空部付トリム用フランジ3が存在するものよりも、車両前後方向の長さYを少なくすることが出来、フロントドア4及びリヤドア1間のスペースSを小さくすることができることによって自動車の外観を向上させることができる。また、当該見切りシール装置10の組付け精度を高めることができ、従来必要であった自動車の外観および組付け精度向上に必要な労力やコストを削減することができる。
【0014】
また、この見切りシール装置10のみで見切り部Pのシールと挟込み防止といった二つの機能を発揮させるので従来必要であった二種類の部材を一種類に減らすことができる。従って、製造コストを削減でき、取付けや取扱いも容易となる。
【0015】
さらに、この見切りシール装置10においては、挟込み防止センサー15を挿入するトリム(センサー部)13もリヤドア前端壁の外向き傾斜部2aに配置しているので、見切り部P近傍に挟込まれた異物でも感知することができる。
【0016】
また、実施例では、本発明のシール装置の固定方法として、位置決めクリップと両面テープを並用した例のみを示したが、位置決めクリップのみによる固定でも良いし、両面テープのみによる固定でも良い。また、位置決めクリップと各種接着剤の並用による固定でも良い。また、本発明の実施例では、電動スライド型リヤドアのみの説明をしたが、同様に手動スライド型リヤドアにも適用可能である。
【0017】
第二の発明に係る挟み込み防止センサー挿入用中空部付き見切りシール装置10の実施形態を、図1・図2および図5に示す。これは、スライド型リヤドア1を適用した自動車のフロントドア4後端外面とリヤドア1前端外面との間である見切り部Pをシールするために、リヤドア1の前端壁に形成した取付フランジ2dに取付けられるものである。なお、この見切りシール装置10の車内側には、シール部材5を設けてフロントドア4とリヤドア1との間のシール性を確保している。
【0018】
この装置10は、見切り部Pを中空状の中空シール部11でシールするものとしている。また、その中空シール部11の車内側に、挟込み防止センサー15を挿入することが可能な中空部13aを有するトリム13を一体成形している。そして、トリム13をリヤドア1前端壁の取付フランジ2dに狭持させて取付けている。なお、この取付フランジ2dは、リヤドアインナーパネル2eをフロントドア4側へ折り曲げることによって形成している。
【0019】
取付フランジ2dは、リヤドアインナーパネル2eで形成することができる他、リヤドアアウターパネル2fのみや(図6参照)、リヤドアインナーパネル2eとリヤドアアウターパネル2fの両方(図7参照)で形成することができる。
また、この取付フランジ2dは、リヤドアインナーパネル2eおよびリヤドアアウターパネル2fを折り曲げるのみで形成することができるので、成形が容易である。
【0020】
【発明の効果】
第一の発明(請求項1および2に記載の発明)に係る挟込み防止センサー付き見切りシール装置10は、リヤドア1の前端壁の外向き傾斜部2aに取付けているので、リヤドア1とフロントドア4との間のスペースSを小さくすることができる。これにより、自動車の外観を向上させることができる。また、当該見切りシール装置10の組付け精度を高めることができ、従来必要であった労力やコストを削減することができる。
【0021】
また、この見切りシール装置10のみで見切り部Pのシールと挟込み防止といった二つの機能を発揮するので従来必要であった二種類の部材を一種類に減らすことができる。従って、製造コストの削減を図り、取付けや取扱いも容易となり、生産性が大幅に向上する。
【0022】
さらに、この見切りシール装置10においては、挟込み防止センサー15を挿入するセンサーもリヤドア前端壁の外向き傾斜部2aに配置しているので、見切り部P近傍に挟込まれた異物でも感知することができる。従って、電動スライドドアの安全性を高めることができる。
【0023】
第二の発明(請求項3および4に記載の発明)に係る挟込み防止センサー付き見切りシール装置10は、リヤドア1の前端壁の取付フランジ2dに取付けているので、リヤドア1とフロントドア4との間のスペースSを小さくすることができ、自動車の外観を向上させることができる。また、当該見切りシール装置10の組付け精度を高めることができ、従来必要であった労力やコストを削減することができる。
【0024】
また、この見切りシール装置10のみで見切り部Pのシールと挟込み防止といった二つの機能を発揮するので部材を一種類に減らすことができ、製造コストを削減し、取付けや取扱いを容易とし、生産性を高めることができる。
【0025】
さらに、この見切りシール装置10においては、挟込み防止センサー15を挿入するセンサーもリヤドア1前端壁に配置しているので、見切り部P近傍に挟込まれた異物でも感知することができ、電動スライドドアの安全性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電動スライド型リヤドアを適用した自動車を示す側面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 従来技術を示すもので、図1におけるA−A線断面図である。
【図4】 第一の発明の実施形態を示すもので、図1におけるA−A線断面図である。
【図5】 第二の発明の実施形態を示すもので、図1におけるA−A線断面図である。
【図6】 第二の発明における他の実施形態を示すもので、図1におけるA−A線断面図である。
【図7】 第二の発明におけるさらに他の実施形態を示すもので、図1におけるA−A線断面図である。
【符号の説明】
1 リヤドア
2 車外側段部
2a 外向き傾斜部
2b 位置決めクリップ
2c 両面テープ
2d 取付フランジ
2e リヤドアインナーパネル
2f リヤドアアウターパネル
3 フランジ部
4 フロントドア
5 シール部材
10 挟込み防止センサー付き見切りシール装置
11 中空シール部
12 リップ部
13 トリム(センサー部)
13a 中空部
14 くびれ部
15 挟込み防止センサー
20 見切りシール材
21 両面テープ
30 中空部付トリム
P 見切り部
Q 内方部
S スペース

Claims (4)

  1. スライド型リヤドア(1)を適用した自動車のフロントドア(4)後端外面とリヤドア(1)前端外面との間である見切り部(P)をシールするために、リヤドアの前端壁の外向き傾斜部(2a)に取付けられる見切りシール装置であり、前記見切り部(P)を中空状の中空シール部(11)でシールするものとし、その中空シール部とは別に、車内側に、挟込み防止センサー(15)を挿入することが可能な中空部(13a)を形成したトリム(13)を一体成形し、且つ該トリムをリヤドア前端壁の外向き傾斜部(2a)に固定手段により固定してなる挟込み防止センサー挿入用中空部付き見切りシール装置。
  2. 前記固定手段が位置決めクリップ(2b)と両面テープ(2c)であることを特徴とする請求項1記載の挟込み防止センサー挿入用中空部付き見切りシール装置。
  3. スライド型リヤドア(1)を適用した自動車のフロントドア(4)後端外面とリヤドア(1)前端外面との間である見切り部(P)をシールするために、リヤドアの前端壁に形成した取付フランジ(2d)に取付けられる見切りシール装置であり、前記見切り部(P)を中空状の中空シール部(11)でシールするものとし、その中空シール部とは別に、車内側に、挟込み防止センサー(15)を挿入することが可能な中空部(13a)を形成したトリム(13)を一体成形し、且つ該トリムをリヤドア前端壁の取付フランジに狭持させて取付けてなる挟込み防止センサー挿入用中空部付き見切りシール装置。
  4. 取付フランジ(2d)を、リヤドアインナーパネル(2e)、リヤドアアウターパネル(2f)、またはリヤドアインナーパネル(2e)とリヤドアアウターパネル(2f)の両方で形成してなる請求項3記載の挟込み防止センサー挿入用中空部付き見切りシール装置。
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