JP3834184B2 - 縮合剤およびその保存方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アミド化合物及びエステル化合物を製造する際に好適に使用できる縮合剤、並びに該縮合剤及び該縮合剤の有効成分である四級アンモニウム塩を長期間安定に保存する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アミド化合物及びエステル化合物は、医薬、農薬、染料、高分子化合物等の様々な有機化合物の基本骨格を形成する極めて重要な化合物である。このため、アミド化合物及びエステル化合物の製造方法は古くから検討されている。例えば、アミド化合物の製造方法としては、エステル化合物とアミン化合物との交換反応によるアミド化合物の製造方法、或いはカルボン酸化合物とアミン化合物から直接アミド化合物を製造する方法等が特に一般的な製造方法であり、エステル化合物の製造方法としては、酸の存在下にカルボン酸とアルコール化合物から直接エステル化合物を製造する方法、或いはカルボン酸化合物と塩化チオニル等の酸ハロゲン化剤を反応させてカルボン酸クロライドを生成させた後、アルコールと作用させることによってエステル化合物を製造する方法が特に一般的な製造方法である。
【0003】
しかしながら、アミド化合物の製造方法は加熱下に行われるため、熱的に不安定な化合物或いは同一分子内にアミノ基とアルコキシカルボニル基を有する化合物に適用することは不可能であった。また、エステル化合物の製造方法は酸性条件下に行われるため、酸に対して不安定な化合物には適用する事はできなかった。
【0004】
このような課題を解決することを目的として、温和な条件下でアミド化合物を製造するためにカルボジイミド系等の縮合剤を用いた様々な方法が提唱されている。特に、アミド化合物合成用縮合剤としてカミンスキー(Z.J.Kaminski)らによって提唱された、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メトキシモルホリニウムクロライド{ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、63巻、4248〜4255頁、1998年(J.Org.Chem.,63,4248−4255(1998))}は、カルボジイミド系縮合剤が皮膚にかぶれを引き起こし易くその取り扱いに注意を要するのに対し、このような問題が無いことから注目を集めている。
【0005】
また、エステル化合物の製造に関しては、温和な条件下でエステル化合物を製造する方法として、向山らによって提唱されたピリジニウムオキサイド化合物{ブレチン オブ ケミカル ソサイアティー オブ ジャパン、50巻、1863−1866頁、1977年(Bull.Chem.Soc.Jpn.)、50巻、1863−1866頁(1977)}からなる縮合剤を用いた方法が知られている。
【0006】
しかしながら、前記文献に記載されているカミンスキー等によって提唱された方法では、カルボン酸化合物と該縮合剤をそれぞれ等量反応させて中間体としての反応性誘導体を一旦生成させた後に、該反応性誘導体とアミン化合物とを反応させてアミド化合物を得ているため、その収率は17〜73%とばらつきが大きく、満足の行くものではなかった。
【0007】
また、エステル化合物の製造に使用される上記のピリジニウムオキサイド化合物には、該ピリジニウムオキサイド化合物を製造する際に、発ガン性が指摘されているヨウ化メチルを用いなければならないため、作業環境に細心の注意を払わなければならないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明者らは、この様な背景に鑑み、検討を行なったところ、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を縮合剤として用い、前記のような2段階反応を行うことなく、カルボン酸化合物及びアミン化合物と混合して反応させた場合には反応性及び収率が向上することを見出すに至り、既に提案している(特願平11−60765号)。
【0009】
また、エステル化合物の製造に関しても上記四級アンモニウム塩からなる縮合剤を用いてカルボン酸化合物とアルコール化合物とを反応させた場合には、温和な条件下でエステル化合物が製造できることを見出し、これについても既に提案している(特願平11−137693号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を用いた縮合反応についての更なる検討過程において、本発明者等は、長期間保存した四級アンモニウム塩は、その純度が低下していることに気付いた。すなわち、上記四級アンモニウム塩は、分解しやすく、長期間安定に保存することが難しいという問題があることを見出した。
【0011】
そこで、本発明は、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩、ひいては該四級アンモニウム塩を有効成分とする縮合剤を簡便に長期間安定に保存する方法を提供することを目的とする。
【0012】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは、かかる課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、前記四級アンモニウム塩は、水の存在下でも縮合剤として機能し、水溶液の状態で縮合剤となり得ること、更に、該四級アンモニウム塩を水に溶解させてから凍結した場合には、長期間保存後に解凍しても水溶液中の四級アンモニウム塩は殆ど分解しないことを見出し本発明を完成させるに至った。
【0013】
即ち、第一の本発明は、下記一般式(I)
【0014】
【化4】
Figure 0003834184
【0015】
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
で示される四級アンモニウム塩100重量部、及び水200〜4000重量部を含んでなる縮合剤である。
【0016】
上記本発明の縮合剤は、上記四級アンモニウム塩は水の存在下でも縮合剤として機能するという特異な性質に基づくものであり、従来の縮合剤は通常非水系で使用されることからも分かるように、本発明の縮合剤のように水溶液の状態で使用可能な縮合剤はこれまで知られていない。
【0017】
また、第二の本発明は、上記本発明の縮合剤を凍結して保存することを特徴とする縮合剤の保存方法である。該保存方法によれば、本発明の縮合剤を長期間安定に保存できるばかりでなく、解凍という簡単な操作で、縮合剤として使用可能な状態とすることができる。
【0018】
また、上記保存方法によれば、水溶液中の前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を分解せずに保存することができることから、該保存方法は、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩の保存方法であるとも言える。
【0019】
すなわち、第三の本発明は、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を該四級アンモニウム塩100重量部に対し200〜4000重量部の水に溶解し、得られた水溶液を凍結して保存することを特徴とする上記四級アンモニウム塩の保存方法である。
【0020】
また、第四の本発明は、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩100重量部、及び水200〜4000重量部を含んでなる水溶液の凍結体からなることを特徴とする前記四級アンモニウム塩保存用凍結体である。該凍結体は、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩100重量部と水200〜4000重量部とを混合した後、凍結することにより製造できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の縮合剤は、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を含んでなる。
【0022】
前期一般式(I)のRは炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、Rは炭素数1〜4のアルキル基である。炭素数1〜4のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル、イソブチル基等を挙げる事ができ、炭素数6〜8のアリール基としてはフェニル基、トリル基、キシリル基等を挙げる事ができる。これらの中でも、特に四級アンモニウム塩の合成が容易という意味において、アルキル基としてはメチル基、エチル基が、アリール基としてはフェニル基が好適に採用される。
【0023】
また、上記一般式(I)中のXは、ハロゲン原子を示し、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。これらの中でも、特に四級アンモニウム塩の合成が容易という意味において、塩素が好適に採用される。
【0024】
本発明で使用される前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩を具体的に例示すると、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジブトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジブトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジイソプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジブトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−イソブチルモルホリニウムクロライド等を挙げることができる。
【0025】
これらの中でも特に、合成が容易でしかも縮合剤として使用したときに高い縮合収率が期待できる、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド、4−(4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−エチルモルホリニウムクロライド等が特に好適に採用される。
【0026】
前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩は、下記一般式(II)
【0027】
【化5】
Figure 0003834184
【0028】
{式中、R1及びXは、それぞれ前記一般式(I)におけるものと同義である。}
で示されるトリアジン化合物と、下記一般式(III)
【0029】
【化6】
Figure 0003834184
【0030】
{式中、R2は、前記一般式(I)におけるものと同義である。}
で示されるモルホリン化合物とを、必要に応じて水の共存下に、有機溶媒中で反応させることにより容易に得ることができる。
【0031】
上記一般式(II)で示されるトリアジン誘導体を具体的に例示すると、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジプロキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジイソプロキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジ−n−ブトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジイソブトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジンを挙げる事ができる。これらの中でも、特に合成が容易な2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエトキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジフェノキシ−1,3,5−トリアジンが特に好適に採用される。
【0032】
これらのトリアジン誘導体は工業原料として入手可能なものもあるが、一般に、塩化シアヌルと対応するアルコールを炭酸水素ナトリウム存在下に反応させることによって取得することができる。
【0033】
上記一般式(III)で示されるモルホリン化合物としては、4−メチルモルホリン、4−エチルモルホリン、4−イソブチルモルホリン等を挙げる事ができる。これらのモルホリン化合物はすべて試薬及び工業原料として入手容易である。
【0034】
前記四級アンモニウム塩を合成するに際し、上記一般式(III)で示されるモルホリン化合物の使用量は特に限定されないが、該化合物は通常上記一般式(II)で示されるトリアジン化合物1モルに対して上記一般式(III)で示されるモルホリン化合物を0.7〜1.3モル、特に0.8〜1.2モル使用するのが好適である。
【0035】
前記四級アンモニウム塩を合成するに際して使用する有機溶媒としては反応を阻害しない有機溶媒であれば何等制限なく用いる事ができる。このとき使用される有機溶媒を具体的に例示すると、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類、t−ブチルアルコール、t−アミルアルコール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド等を挙げる事ができる。これらの中でも特に、高い単離収率が期待できる、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、塩化メチレン、クロロホルムのハロゲン化脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸プロピル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルカーボネート等のカーボネート類等の有機溶媒が好適に採用される。
【0036】
有機溶媒の使用量としては特に制限はないが、あまり量が多いと1バッチあたりの収量が落ち経済的ではなく、あまり量が少ないと攪拌等に支障をきたすため、通常生成する上記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩の濃度が0.1〜60質量%、好ましくは1〜50質量%になるように選択するのが良い。
【0037】
また、高純度の四級アンモニウム塩を短時間で容易に得るために、有機溶媒中で前記トリアジン化合物と前記モルホリン化合物との反応を行なうに際し、前記トリアジン化合物1モルに対して0.1〜10モル、好ましくは0.2〜8モルの水を存在させてもよい。
【0038】
前記トリアジン化合物と前記モルホリン化合物との反応は、有機溶媒中で両者を接触させることにより行なうことができる。反応を均一に短時間で行なうためには、攪拌を行なうのが好適である。また、反応は通常、大気下で実施可能であるが使用する化合物や生成物が吸湿性を有する場合には、塩化カルシウム管等の乾燥管を通した乾燥空気或いは窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。該反応は、減圧、常圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。
【0039】
上記反応の反応温度としては特に制限はないが、あまり温度が低いと反応速度が小さくなり、あまり温度が高いと副反応を助長するため、通常−20〜70℃、好ましくは−10〜60℃の範囲から選択するのが良い。また、反応時間としては特に制限はいが、通常0.1〜10時間もあれば充分である。
【0040】
このようにして生成した上記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩は、通常結晶として析出するため、遠心分離、遠心濾過、加圧濾過、減圧濾過等の通常の固液分離方法によって固体を分離した後、送風乾燥、減圧乾燥等の通常の乾燥方法によって乾燥する事により取得することができる。
【0041】
また、結晶が析出しない場合には、用いた有機溶媒を可能な限り除去した後、テトラヒドロフラン等の溶媒を加えてスラリー状態とし、上記方法によって取得できる。
【0042】
本発明の縮合剤においては、前記四級アンモニウム塩100重量部に対し、水200〜4000重量部を含んでいることが必須である。
【0043】
前記四級アンモニウム塩100重量部に対し、水の量が200重量部未満の場合には、該四級アンモニウム塩が水に完全に溶解せず、ペースト状となってしまい取り扱い性が悪くなるばかりでなく、分解を十分抑制するのに要する冷却エネルギーが大きくなる。また、水の量が4000重量部を越えると、それ以上の安定性向上効果は得られないばかりでなく、容量が大きくなり保存スペースの問題を含めて保存時における取り扱いが煩雑となり、さらに有効成分である四級アンモニウム塩の希釈倍率が大きくなり、縮合剤としても使用しにくいものとなる。
【0044】
保存時の取り扱い性、安定性、及び縮合剤としての使用しやすさの観点から、本発明の縮合剤における水分量は、前記四級アンモニウム塩100重量部に対し、250〜2000重量部であるのが好適である。
【0045】
なお、前記四級アンモニウム塩は、含水物として得られることもあり、そのような場合においては該含水物に含まれる水の量も上記水分量に含める。四級アンモニウム塩が含水物である場合における該含水物中の水分量の測定は、熱天秤を用いた測定、カールフィッシャ水分計等を用いた測定等、通常の水分量測定方法により行なうことができる。
【0046】
本発明の縮合剤は前記四級アンモニウム塩と所定量(四級アンモニウム塩が含水物である場合にはその水分量を考慮して決定した量)の水とを混合し、該四級アンモニウム塩を溶解させることにより簡単に調製することができる。なお、この時、四級アンモニウム塩は必ずしも全て溶解する必要はなく、少量であれば未溶解のものが残っていても縮合剤としての使用および後述する保存においてなんら差支えない。また、縮合剤としての性能や凝固点に悪影響を与えない範囲であれば有機溶媒等、その他第三成分を含んでいてもよい。
【0047】
四級アンモニウム塩と水の混合方法としては、通常の混合方法が何等制限なく採用されるが、好ましくは攪拌混合等により、混合物が均一になるように混合するのがよい。この際、両者を同時に混合容器に添加してもよいし、混合容器に順次添加して混合してもよい。
【0048】
混合時における温度としては、あまり高いと四級アンモニウム塩が分解してしまうため、通常、30℃以下、好ましくは10℃以下がよい。
【0049】
本発明の縮合剤は水溶液の状態であるにもかかわらず、水を除去すること無くそのままの状態で反応系に添加して使用することができる。すなわち、本発明の縮合剤は、水溶液であるため調製および取り扱いが容易であり、使用時の計量も簡単に行なうことができる。
【0050】
また、本発明の縮合剤の機能は、従来の一般式(I)で示される四級アンモニウム塩と特に変わるところはなく、例えばカルボン酸化合物とアミン化合物とを反応させてアミド化合物を製造する際、またはカルボン酸化合物とアルコール化合物とを反応させてエステル化合物を製造する際の縮合剤として好適に使用することができる。
【0051】
但し、本発明の縮合剤は、室温以上の温度で長時間保存すると四級アンモニウム塩が分解するので、調製後は速やかに使用するか、或いは凍結保存するのが好適である。なお、数日間程度であれば、5℃程度の低温で保存することも可能である。
【0052】
本発明の縮合剤は、凍結することにより長期間安定に保存することができる。凍結保存させる時の温度としては、凍結する温度であればよく、通常、0℃以下、好ましくは−10℃以下がよい。
【0053】
この様にして保存された本発明の縮合剤は、解凍という簡単な操作をすることにより保存前と同等の性能を有する縮合剤の形に戻すことができる。また、凍結体の状態でそのまま反応系に添加し、反応系内で解凍して使用することも可能である。
【0054】
また、凍結保存後の本発明の縮合剤を解凍し、得られた水溶液から水分を除去することにより、四級アンモニウム塩を容易に回収する事ができるので、一旦、前記特定濃度の水溶液とし、これを凍結して四級アンモニウム塩保存用凍結体の形で保存する方法は、四級アンモニウム塩の保存方法としても有効である。なお、この場合には、回収される四級アンモニウム塩の純度を落とさないためには、水溶液化する過程において第三成分を添加しないことが好ましい。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0056】
製造例1
2000mlの四つ口フラスコに2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン87.8g(0.5mol)、酢酸エチル1000ml、及び水27g(1.5mol)を加え、5〜10℃で10分間攪拌させた。次に、4−メチルモルホリン53.1g(0.525mol)を添加し、5〜10℃で6時間反応させた。析出した結晶を吸引濾過し、酢酸エチル400mlで洗浄した後、室温で4時間減圧乾燥し、前記一般式(I)で示される四級アンモニウム塩として4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの白色固体141.7gを得た。なお、該白色固体中の水分量は8.4質量%であり、収率は93.8%であった。
【0057】
得られた白色固体を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、その純度(水以外の成分の全ピーク面積に占める上記四級アンモニウム塩のピーク面積の割合)は面積%で99.5%であった。
【0058】
実施例1
100mlのナスフラスコにN−tert−ブトキシカルボニルフェニルアラニン2.65g(0.01mol)、フェニルアラニンメチルエステル1.79g(0.01mol)、ジクロロメタン25mlを加え、室温下10分間攪拌した。
【0059】
次いで、200mlのナスフラスコに、製造例1で得られた4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド27.3g(水分量8.4質量%、純度99.5%)及び水72.7gを入れ、20℃で攪拌溶解して別途調製した本発明の縮合剤11.08g(0.01モル)を、上記100mlのナスフラスコにゆっくり添加し、室温で3時間反応させた。
【0060】
反応終了後、ジクロロメタン25mlを加え、50mlの水で洗浄し、有機層を分液後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィーで分離精製を行なったところ、N−tert−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニンメチルエステル4.05g(収率95.0%)が得られた。
【0061】
このことから、本発明の縮合剤が縮合剤としての機能を有することが確認された。
【0062】
実施例2
実施例1で調製した本発明の縮合剤の残りを−20℃で凍結保存した。1ヶ月後に解凍し、高速液体クロマトグラフィーで4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの純度を測定したところ99.3%であり、本発明の縮合剤および四級アンモニウム塩が安定に保存されていることが確認された。
【0063】
実施例3
実施例2で解凍された本発明の縮合剤を用いる他は実施例1と同様にして反応を行なったところ、N−tert−ブトキシカルボニル−L−フェニルアラニル−L−フェニルアラニンメチルエステル4.04g(収率94.8%)が得られた。このことから、凍結保存後の本発明の縮合剤は保存前の性能を維持していることが確認された。
【0064】
実施例4〜6
製造例1で得られた4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(水分量8.4質量%、純度99.5%)用い、その使用量及び混合する水の量を表1に示す量に変える他は実施例1と同様にして本発明の縮合剤を調製した。次いで、得られた本発明の縮合剤を実施例2と同様にして凍結保存を行ない、解凍後実施例2と同様にして4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライドの純度を測定した。その結果を表1に示した。
【0065】
【表1】
Figure 0003834184
【0066】
比較例1
実施例1におけるのと同様にして調製した本発明の縮合剤を凍結させずに20〜25℃で1ヶ月保存した。保存後、高速液体クロマトグラフィーで四級アンモニウム塩の純度を測定したところ4.8%であった。
【0067】
【発明の効果】
本発明の縮合剤は、従来の縮合剤と異なり水溶液として使用可能であり、調製し易く、取り扱いも容易であるばかりでなく、凍結保存することにより長期間安定に保存することができる。
【0068】
また、本発明の四級アンモニウム塩の保存方法によれば、四級アンモニウム塩を分解させることなく長期間安定に保存することができる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(I)
    Figure 0003834184
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
    で示される四級アンモニウム塩100重量部、及び水200〜4000重量部を含んでなる縮合剤。
  2. 請求項1記載の縮合剤を凍結して保存することを特徴とする縮合剤の保存方法。
  3. 下記一般式(I)
    Figure 0003834184
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
    で示される四級アンモニウム塩を該四級アンモニウム塩100重量部に対し200〜4000重量部の水に溶解し、得られた水溶液を凍結して保存することを特徴とする前記四級アンモニウム塩の保存方法。
  4. 下記一般式(I)
    Figure 0003834184
    (式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、R2は炭素数1〜4のアルキル基であり、Xはハロゲン原子である。)
    で示される四級アンモニウム塩100重量部、及び水200〜4000重量部を含んでなる水溶液の凍結体からなることを特徴とする前記四級アンモニウム塩保存用凍結体。
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