JP3833274B2 - X線マスクの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、X線リソグラフィーに使用するX線マスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図33は従来のX線マスクの基本構成図である。
X線マスクは、軽元素からなる厚さ数μmの薄膜基板2(以下メンブレンという)の上に、重元素からなるX線吸収体3の回路パターンが形成された構成となっている。これらは、通常、シリコン基板1上で作られ、このシリコン基板1はガラスやセラミックスからなる支持枠4に接合されている。
【0003】
このような従来のX線マスクの製造方法としては、使用する材料、プロセスの順、X線吸収体3のパターン形成の方法などが異なる種々の方法が提案されている。図34は、例えば文献「JJAPシリ―ズ3、Proceedings of 1989 Inernal. Sympo. on Micro Process Conference、第99頁〜第103頁」に示された従来のX線マスクの製造方法の例を(a)〜(f)の工程順に示す断面図である。
【0004】
次に、この図34にしたがって、従来のX線マスクの製造方法について説明する。
まず、同図(a)ではシリコン基板1の両面に成膜されたメンブレン2のうち、裏面の一部をドライエッチングによって取り除く。そして、同図(b)では支持枠4に接着し、同図(c)ではシリコン基板1を裏面からウエットエッチングし、メンブレン2部を形成する。同図(d)ではメンブレン2上にX線吸収体3をスパッタリングなどの方法で成膜し、同図(e)でその上に電子線描画によりレジスト5のパターンを形成する。同図(f)ではレジスト5のパターンをマスクにX線吸収体3のエッチングを行い、X線マスクが完成する。
【0005】
また、図35は、例えば文献「月刊Semiconductor World 1991.5、第107頁〜第111頁」に示された従来の他のX線マスクの製造方法の例を(a)〜(e)の工程順に示す断面図である。図において、31はX線吸収体3のエッチングマスクで、二酸化シリコン膜でなる。同図(a)〜(e)に示す工程は、パターニング→バックエッチ→接合の順となっている。バックエッチの前にパターニングが完了しているため、バックエッチ時にレジスト5のパターンを保護する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
まず、X線マスクの製造上の一般的な課題について述べる。
X線マスクは等倍マスクであるため、通常の光マスク以上に精度に関する要求が厳しい。主な要求項目は次の4点である。
(イ)微細加工:等倍マスクゆえ、マスク上にデバイスと同じ極微細パタンを形成する必要がある。
(ロ)パターン寸法精度:上記微細パターンは所望の寸法精度を満足せねばならない。
(ハ)パターン位置精度
(ニ)欠陥のないこと
【0007】
上記課題は、さらに、階層化されたいくつかの課題に分解される。
例えばパターン位置精度を満足するためには、メンブレン2の高剛性化、X線吸収体3の低応力化、高精度電子線描画などが必要である。
以下、この発明が解決しようとする課題を列挙する。
【0008】
(1)X線吸収体3膜の低応力化に関する課題
X線マスクのパターン位置精度に関する要求を満足するには、極低応力の吸収体成膜を達成する必要がある。従来のX線マスクの製造方法では、スパッタリングによって低応力の成膜を行い、さらにはアニールやイオンインプランテーションにより応力調整を行っていたが、安定した低応力膜を得ることは困難であった。
【0009】
(2)電子線描画に関する問題点
X線吸収体3のクオーターミクロン以下の微細回路パターン形成は、通常、電子線描画によりレジストパターンを形成し、それをマスクとしてドライエッチングによりX線吸収体3のパターン形成を行う。作製したレジストパターンの寸法は、直接、X線吸収体3のパターン寸法精度に影響するので、レジストパターンには厳しい精度が要求されている。
【0010】
レジストパターン5形成の際、電子線描画後レジストを現像するが、ポジレジストならば電子線露光部のレジスト、ネガレジストならば未露光部のレジストの溶解が下地に達するまで現像して行う。しかしながら、電子線はレジスト中や基板中で散乱するため、実際に得られるレジストパターンの寸法は、設計寸法、つまり描画寸法と異なったものとなってしまうという問題点があった。
【0011】
(3)X線吸収体3の微細加工(エッチング)に関する課題
従来のX線マスクの製造では、X線吸収体3とエッチングマスク31との選択比があまり高くないため、微細加工を行うことが難しかった。また、X線吸収体3の下地との選択比があまり高くないため、下地もエッチングされるといった問題点もあった。
【0012】
また、X線マスクでは、一般的に、アライメントの精度を上げるため、反射防止膜を必要とするが、X線吸収体3のエッチングの際、下地の反射防止膜も多少エッチングされるため反射防止膜の最適膜厚をはずれ、アライメント効率が低下するといった問題点もあった。
【0013】
また、X線吸収体3をエッチングするためのエッチングマスク31やオーバーエッチを防ぐためのエッチングストッパーの応力が高い場合、パターンの位置精度が低下するといった問題点もあった。
また、エッチングマスク31のエッチングも高精度に行わなければ、X線吸収体3の寸法精度の点で問題があった。
また、X線吸収体3のエッチングも適正な条件下で行わなければ、寸法精度が低下する。
【0014】
また、従来のRIEやマグネトロンRIEではエッチング圧力を低圧にすることができず、マイクロローディング効果による微細パターンのエッチング速度の低下や、電極電位VDCの低下によるスパッタ効果の増大によって選択比が低下するといった問題点があった。
さらに、垂直エッチングのためにX線マスクを冷却するために、高価なヘリウムを用いねばならないという問題点があった。
【0015】
(4)接合に関する課題
シリコン基板1を支持枠4に接合する際の課題についても種々あげられる。
1つは、パターン位置精度達成のため、X線マスクプロセス中でX線吸収体3のパターニング工程よりも先に接合する場合、接合の耐熱性が問題となる。
【0016】
すなわち、シリコン基板1は支持枠4に常温で接着剤で接着している。常温で接着するのは、シリコン基板1と支持枠4の熱膨張率の違いにより歪みが発生するのを防ぐためである。このため、完成後にシリコン基板1の反りなどの不良が判明しても剥離して再利用することが困難であり、マスクの歩留りを向上させることができなかった。また、常温接着では数時間にもおよぶ長い硬化時間が必要である。さらに、そのような長時間経過した後でも接着剤が完全に硬化せず、徐々にシリコン基板1の反りが変化し、安定性に欠けている。
【0017】
また、メンブレン2の透過率改善のために、表面・裏面に反射防止膜を形成する場合がある。そのためにあらかじめバックエッチングし、反射防止膜を形成してから、電子線リソグラフィーを行う場合がある。この場合、シリコン基板1が反った状態でパターニングされるため、接合工程でシリコン基板1を平坦に矯正されるとパターン位置精度が悪化する。このため、シリコン基板1の反りを保持し、かつ支持枠4の平面度に依存しないようにする必要がある。
【0018】
従来の接着工程では、電子線描画装置の基板ホルダーと異なるホルダーを使用しているため、シリコン基板1が描画時と異なる平面状態で支持枠4に固定され、パターン位置精度を悪化させていた。さらに、詳細に説明すると、シリコン基板1は、バックエッチ後にメンブレン2の張力により反った状態にある。この状態で電子線描画装置の基板ホルダーで固定され、レジストパターニングされる。シリコン基板1固有の反りにより、シリコン基板1の固定状態は基板毎に大きく異なり、その平面度は均一ではない。
【0019】
一方、接着用ホルダーは非常によい平面度を有し、真空吸着により基板を吸着するため、シリコン基板1の反りは矯正される。描画時と比較するとメンブレン2は引き延ばされたり、縮んだりすることになり、パターンの位置ずれが生じることになる。このようなマスクを用いた場合、正確な転写ができず、歩留まりが悪化し、LSIの生産性にとって大問題となる。
【0020】
(5)メンブレン2の可視光透過率改善に関する課題
アライメント精度改善のためのメンブレンの可視光透過率向上策として反射防止膜の成膜を行う。反射防止膜としてスピンーオンーガラス(以下、SOG)を用いる場合、特に、バックエッチ済みのメンブレン2の場合、SOGの塗布均一性がメンブレン2表面状態に影響されるという問題点があった。
【0021】
(6)バックエッチに関する課題
パターニング工程をバックエッチ工程に先立ち行う場合、パターン面の保護が必要となる。特に、SOGなどバックエッチ液に弱い材料を用いている場合、パターン面を完全に保護しないと、パターン剥がれなどのダメージを受けるという問題点があった。
また、バックエッチ完了時点のメンブレン2上に異常膜が発生し、メンブレン2面内の均一性を損なうという問題点もあった。
【0022】
この発明は、上述した種々の問題点を解決することを課題としてなされたもので、高精度のX線マスクを得ることを目的としたものである。
【0023】
また、高精度X線マスクを得るため、エッチング時のパターン形成方法を改善することを目的としている。
【0024】
さらに、X線マスクの製造工程において、上述した問題点を解決し、高いパターン位置精度と長期安定性を保証できるマスク構造のX線マスクの製造方法を得ることを目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るX線マスクの製造方法は、X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、X線吸収体が成膜された基板の温度上昇に伴う吸収体膜応力または応力に相関する物理量を連続計測し、その計測結果をもとにアニール完了温度を決定するものである。
【0026】
また、他の発明に係るX線マスクの製造方法は、X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、所望のアニール温度により低温で一回もしくは複数回のアニールを行うとともにアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果と、上記一回もしくは複数回のアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定し、その最終アニール温度でアニールを行うものである。
【0049】
【作用】
この発明に係るX線マスクの製造方法においては、X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、X線吸収体が成膜された基板の温度上昇に伴う吸収体膜応力または応力に相関する物理量を連続計測し、その計測結果をもとにアニール完了温度を決定することにより、再現性良く低応力の吸収成膜が成膜される。
【0050】
また、他の発明に係るX線マスクの製造方法においては、X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、所望のアニール温度により低温で一回もしくは複数回のアニールを行うとともにアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果と、上記一回もしくは複数回のアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定し、その最終アニール温度でアニールを行うことにより、再現性良く低応力の吸収成膜が成膜される。
【0076】
【実施例】
実施例1.
図1はこの発明の請求項1に対応する実施例1に係るX線吸収体の応力制御方法を説明するためのグラフである。
ここで、X線吸収体としては、具体的には、マグネトロンDCスパッタ法によって成膜したW−Ti吸収体を示し、X線マスクを製作する際、X線吸収体を成膜した後、アニールによって調整する膜応力は圧縮応力である。
【0077】
図1の横軸は温度、縦軸は応力または応力と相関する物理量(例えば反りの高さや曲率等の測定値)を表し、+方向は引張応力、−方向は圧縮応力である。また、図中、Aは室温での成膜後のアニール開始前のX線吸収体の状態、Bはアニール効果発現点、Cはアニール停止点、Dは室温でのアニール完了時点をそれぞれ示している。
【0078】
このX線吸収体が成膜された基板を加熱すると、基板材料(例えばSi)と吸収体材料の熱膨張係数の差により、応力は、図中、A→Bと変化する。加熱温度をさらに上げると、点Bで、応力は直線A−Bから離れ出す。これは、結晶構造の変化や吸収体膜中に取り込まれたガスの脱離などにより、アニール効果が発現されるためである。
【0079】
ところで、目標とする状態は点Dである。この点Dを求めるためには、直線A−Bが求められた時点で、直線A−Bに平行で、かつ応力または応力と相関する物理量が零となる室温でのアニール完了時点Dを通る直線D−D’を予め求めておくことにより、点Bを過ぎた後も応力をモニタし、点Dを通り、直線A−Bに平行な直線D−D’と交差する点Cに達した時点で、アニールを停止(加熱停止)し、基板を室温まで冷却することにより、点Dの状態が得られる。
【0080】
従って、上記実施例1によれば、X線吸収体3のアニール時に応力等をモニタすることにより、その結果からアニール完了時点を決定できるため、再現性よく低応力の吸収体膜が得られるという効果がある。
【0081】
実施例2.
次に、図2は請求項2に対応する実施例2に係るX線吸収体の応力制御方法を説明するためのグラフである。
図2の横軸は温度、縦軸は応力または応力と相関する物理量を表し、図中、s1,s2,s3は3つのサンプルを表す。
【0082】
例えば、X線吸収体3として、W−Ti吸収体をスパッタリング法によって成膜すると、完全な再現性を得ることは困難であり、従って、応力には若干の変動がある。図2(a)は、一律のアニールを3つのサンプルに施した場合の応力変化を示すもので、ここで、成膜後の応力値のばらつきはアニール後にも保存されてしまっている。
【0083】
これに対し、図2(b)は、本実施例2に係る吸収体応力調整方法を示し、ここでは、成膜後に応力計測を行い、その後、あらかじめ調べられた所定のアニール温度θよりも低い温度θM で一度アニールを行い、その後、応力を計測する。そして、成膜後の応力結果と、アニール後の応力結果を直線で結び、この直線と応力ゼロの線との交点から、サンプル毎に最終アニール温度θa1,θa2,θa3を決定し、その決定された温度でアニールを行うことにより、低応力の吸収体膜が得られる。
【0084】
従って、上記実施例2によれば、X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、所望のアニール温度より低温でアニールを行うとともにアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果とアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定し、その最終アニール温度でアニールを行うことにより、再現性良く低応力の吸収体膜が成膜されるという効果がある。
【0085】
実施例3.
次に、図3は実施例2に対し他の実施例となる実施例3を説明する図である。
ここでは、あらかじめ調べられた所定のアニール温度θよりも低い2点の温度θM1,θM2でアニールを行い、その度に応力を計測する。この2点の応力計測結果を結ぶ直線と応力ゼロの線との交点から、サンプル毎に最終アニール温度θa1,θa2,θa3を決定し、その決定された温度でアニールを行うことにより、低応力の吸収体膜が得られる。
【0086】
なお、この実施例3では、上述した実施例2が、所望のアニール温度より低温で一回アニールを行いアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果と、アニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定したのに対し、上記アニールを2回行い、成膜後の応力計測結果と、その2回のアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定したが、2回のみならず、複数回行っても良く、より最終アニール温度に近い温度複数点での応力計測結果をもとに最終アニール温度を算出することにより、より正確にX線吸収体3のゼロ応力調整ができる。
【0087】
従って、上記実施例3によれば、所望のアニール温度より低温で複数回アニールを行いアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果と、それらアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定し、その最終アニール温度でアニールを行うことにより、より最終アニール温度に近い温度複数点での応力計測結果をもとに最終アニール温度を算出することで、より正確にX線吸収体3のゼロ応力調整ができ、低応力の吸収体膜が得られるという効果がある。
【0088】
実施例4.
次に、図4は請求項3に対応する実施例4に係るX線マスクを示す断面図である。
図において、1はシリコン基板、2はメンブレン、25はインジウム・すず酸化物(以下、ITOと称す)、3はX線吸収体、4は支持枠である。
【0089】
ここで、ITO25は、透明であること、屈折率が1.9〜2程度とSiCなどのメンブレン2の無反射コート(ARC)として適当であることに加えて、X線吸収体3の材料であるWのエッチングに対して高い選択比を有していることから、エッチングストッパ兼ARCとして用いることができる。さらに、このITO25を塗布成膜すれば、CVDーSiCをメンブレンとした場合の表面平坦化膜も兼ねる。その際、ITOを非晶質化することにより、その上に成膜するW−Ti吸収体のアモルファス化が容易となる。
【0090】
従って、上記実施例4によれば、シリコン基板1上にメンブレン2の成膜を行った後に、X線吸収体3のエッチングストッパ層として非晶質のインジウム・すず酸化物層25を塗布成膜したので、その上に成膜するW−TiX線吸収体3のアモルファス化が容易になるという効果がある。
【0091】
実施例5.
次に、図5はこの発明の請求項4に対応する実施例5に係るX線マスクの製造工程を示す断面図である。
図中、1はシリコン基板、2はメンブレン、3は吸収体、4は支持枠、5はレジストである。
【0092】
次に、図に従ってX線マスクの製造工程を説明する。
まず、メンブレン2及びX線吸収体3が順次成膜されたシリコン基板1の上記X線吸収体3上にポジレジスト5を塗布する(同図(a))。次に、このレジスト5を電子線描画後、アンダー現像により表面のみパターン形成する(同図(b))。現像後、電子線描画していない部分のレジスト5が完全に無くなるまでエッチングする(同図(c))。エッチング後、作製したレジストパターンをマスクとしてX線吸収体3のエッチングを行いパターン形成する(同図(d))。
【0093】
図6は上記実施例5に係る効果をより分かり易く説明するためのもので、電子線の散乱を示す断面図である。
これは、タングステンWでなるX線吸収体3上のレジスト5に電子線(加速電圧25KeV)を入射した場合のエネルギー蓄積分布をモンテカルロシュミレーションにより求めたものである。
【0094】
同図から電子線のレジスト5内での前方散乱、さらにはタングステンWからの後方散乱により、レジスト5内部ではレジスト5表面とは異なった蓄積エネルギー分布となっていることが判る。ところが、表面部では露光パターン通りのエネルギー蓄積となっている。従って、レジスト5の表面のみを現像すれば、描画パターンに忠実なレジストパターンが得られることになる。
【0095】
従って、上記実施例5によれば、X線吸収体3上の電子線描画したレジスト5の表層部を現像した後、該レジスト5をエッチングすることによりレジストパターンを形成し、該レジストパターンをもとにX線吸収体3のパターン形成を行うようにしたので、レジストパターンの寸法精度を、強いてはX線吸収体3のパターンの精度を改善し、X線マスクの高精度化に寄与するという効果がある。
【0096】
実施例6.
次に、図7は請求項4に対応する実施例6に係るX線マスクの製造方法を説明するためのもので、上述した実施例5の他の実施例を示す断面図である。
図中、1はシリコン基板、2はメンブレン、3は吸収体、4は支持枠、5はレジストである。また、31はX線吸収体3をエッチングするためのエッチングマスクである。
【0097】
この実施例6においては、まず、メンブレン2及びX線吸収体3が順次成膜されたシリコン基板1の上記X線吸収体3上にエッチングマスク31を介してポジレジスト5を塗布する(同図(a))。次に、このレジスト5を電子線描画後、アンダー現像により表面のみパターン形成する(同図(b))。現像後、電子線描画していない部分のレジスト5が完全に無くなるまでエッチングする(同図(c))。
【0098】
エッチング後、作製したレジストパターンをマスクとしてX線吸収体3のエッチングを行いパターン形成する際に、この実施例4では、同図(c)で得られたレジストパターンを一旦エッチングマスク31層に転写し(同図(d))、このエッチングマスク31をマスクにX線吸収体3をエッチングする(同図(e))。
【0099】
このエッチングマスク31には、X線吸収体3としてタングステンを用いる場合は、クロム、インジウム・すず酸化物(ITO)などが、また、X線吸収体3がタンタルの場合には、二酸化珪素などが用いられる。
【0100】
従って、上記実施例6によれば、X線吸収体3上の電子線描画したレジスト5の表層部を現像した後、該レジスト5をエッチングすることによりレジストパターンを形成し、該レジストパターンを一旦エッチングマスク層に転写し、そのエッチングマスク31をもとにX線吸収体3のパターン形成を行うようにしたので、実施例3と同様に、レジストパターンの寸法精度を、強いてはX線吸収体3のパターンの精度を改善し、X線マスクの高精度化に寄与するという効果がある。
【0101】
実施例7.
次に、図8は請求項5に対応する実施例7に係るもので、X線吸収体3上に、レジストパターンを形成せずに、直接Cr等のエッチングマスクを形成しようとするものである。
図において、701はSTM(走査型トンネル電子顕微鏡)の探針、702は加熱ステージ、703はX線吸収体3まで形成されたマスク基板10を載置した駆動ステージであり、これらは減圧チャンバー704内に設置されている。705はガス供給管である。
【0102】
X線吸収体3まで形成されたマスク基板10を加熱ステージ702の駆動ステージ703上に設置し、Cr(CO)6、Cr(CO)5PH3 等のCr含有有機化合物を0.1 〜1Torr程度の圧力で充満した後、STMの端針701とX線吸収体の間にトンネル電流を流すと、有機化合物が分解されてCr薄膜が形成される。駆動ステージ703を回路データに従って移動させることにより、20nm程度以上の線幅パターンを形成することができる。なお、酸素を含む混合気中で本操作を行うことにより、酸化クロム(CrOx)薄膜を形成することもできる。
【0103】
なお、上記実施例7では、STMによる超微細パターン形成について示したが、電子線装置等の電子源やFIB(Focused Ion Beam)等のイオン源を用いても、同様にCr薄膜を形成できる。
【0104】
従って、上記実施例7によれば、X線吸収体上に直接マスキング層を形成するため、電子線リソグラフィー工程が不要となり、X線マスクのパターン位置精度や寸法精度の改善が期待できるという効果がある。
【0105】
実施例8.
次に、図9は実施例7に対し他の実施例となる実施例8を示す概略図である。図において、10は工程中のX線マスク、706は第一のX線マスク、707はSR光(シンクロトロン放射光)である。この実施例6では、先に製作された第一のX線マスク706を用いてCr(CO)6 等の有機金属蒸気中または酸素との混合気中でSR露光することにより、CrやCrOxの回路パターンを一括形成することができる。通常の紫外光やエキシマレーザを用いて、等倍もしくは縮小転写することも同様に可能である。
【0106】
さらに、上記実施例8は、CrやCrOx薄膜に限るものでなく、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、金(Au)、白金(Pt)等、WでなるX線吸収体に対して充分なエッチング速度比を持つ金属薄膜を、有機金属材料の分解によって形成することができる。また、X線吸収体3として、タンタル(Ta)を用いた場合、そのX線吸収体3上に二酸化シリコン(SiO2)を直接形成しても良い。
【0107】
実施例9.
次に、図10は請求項6に対応する実施例9に係るX線マスクのパターニング工程を示す断面図である。
図において、1はシリコン基板、2はSiCやSiNなどのメンブレン、21は反射防止膜、3はX線吸収体、31はエッチングマスク、32はエッチングストッパー、4は支持枠、5はレジストである。ここでは、X線吸収体3として、タングステンWを主成分とする膜を用い、エッチングマスク31やエッチングストッパー32に、クロム、クロムの酸化物、もしくはそれらの混合体を用いている。
【0108】
このような構成において、ECRエッチング装置を用い、SF6 :6%、CHF3 :47%、He:47%、圧力:1mTorr、マイクロ波:200W、RFバイアス:13W、ステージ温度:−50℃の条件でエッチングを行うと、タングステンWとクロムCrの選択比が約100、タングステンWとクロムCrの酸化物の選択比が約30程度となり、クロムやクロムの酸化物またはそれらの混合体がエッチングマスク31やエッチングストッパー32として十分であることがわかった。
【0109】
従って、上記実施例9によれば、タングステンWを主成分とするX線吸収体3をエッチングする際に、エッチングマスク31との選択比が良好なため、パターン寸法精度を高め、微細パターンのエッチングが可能となる。また、エッチングストッパー32との選択比が良好なため、下地の性質を損なうことがない。
さらに、エッチングストッパー32としてクロムの酸化物を用いた場合、光の透過率を高めることができるため、マスクとウエハのアライメント効率を高めることができる。また、エッチングマスク31の応力を低下できるため、パターンの位置精度を向上させることができる。
【0110】
また、ECRエッチング装置を使うため、マイクロローディング効果を抑えることによってエッチングの均一性を高め、また選択比を向上させることができるため、寸法精度や微細パターンのエッチングが可能となる。さらに、エッチング時にX線マスクを簡単に冷却できる。
【0111】
実施例10.
次に、図11は請求項7に対応する実施例10に係るX線マスクのパターニング工程を示す断面図である。
図において、309はX線吸収体3とメンブレン2との間の層に設けられたクロムの酸化物である。このクロムの酸化物は光の透過率が高く、SiCやSiNなどのメンブレン2上に成膜すると、アライメント光の透過率を高めることができる。また、タングステンWを主成分とする膜のエッチングストッパーを兼ね反射防止膜として用いることができる。
【0112】
従って、上記実施例10によれば、メンブレン2上にクロム酸化物309層を設け、この層をエッチングストッパーを兼ねた反射防止膜として用いるようにしたので、反射防止膜を最適化でき、アライメント精度を向上させることができる。
【0113】
実施例11.
次に、図12は請求項8に対応する実施例11に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
図において、3はマグネトロンDCスパッタ法で成膜されたW−TiからなるX線吸収体、5は電子線描画用レジスト(以下、EBレジストという)、32はエッチングストッパー、35はCrからなる第一中間層、36は第二中間層であり、上記X線吸収体3と同じW−Tiからなり、同一装置で成膜される。
【0114】
図12に示すX線マスクの製造方法は次のようにしてなされる。
まず、同図(a)はEBレジスト5の現像後の状態を示しており、同図(b)において、EBレジストパターンをマスクにして、第二中間層36のエッチングを行う。さらに、同図(c)で第二中間層36のパターンをマスクに第一中間層35をエッチングする。最後に、同図(d)で第一中間層35をマスクにX線吸収体3のエッチングを行うことにより、X線マスクのパターニングが完了する。
【0115】
一般に、エッチングで垂直なエッチングを実現しようとすれば、大きな選択比の条件を用いることができないが、このように、X線マスクパターンを形成するために3回のエッチングを行うことにより、エッチングの選択比に余裕ができ、より垂直なエッチングが可能となり、寸法精度の高いパターンが得られるという効果がある。
【0116】
図13は上記実施例11の効果を説明するための部分断面図である。
図13において、3はW−TiからなるX線吸収体、31はCrからなるエッチングマスクで、その上にはEBレジスト5のパターンが形成されている。同図(a)では、EBレジスト5/Crからなるエッチングマスク31/W−TiからなるX線吸収体3という構成となっている。このとき、Crとレジストの選択比は1〜2程度と低いため、EBレジスト5をマスクにCrのエッチングを行う際、垂直エッチングを行いにくく、結果として、Crのエッチングパターンは図示するように富士山型になってしまう。
【0117】
これに対し、Crからなる第一中間層35とレジスト5の間にW−Tiからなる第二中間層36を成膜することにより、Crエッチングの選択比を10程度に大きくでき、結果として、より垂直なCrのエッチングが実現できた。この結果、X線吸収体3のエッチングの垂直性、寸法精度に改善が見られた。
【0118】
従って、上記実施例11によれば、X線吸収体3の成膜の後、該X線吸収体膜3上に第一中間層35と第二中間層36とを順次成膜し、さらに、その上にレジスト5を塗布し、レジスト5に形成したパターンを順次全3回のエッチングによってX線吸収体3まで転写する際、上記第二中間層36を上記X線吸収体3と同じ材料とすることにより、X線吸収体3のパターンニングが精度よく行われ、X線マスクの高精度化に寄与するという効果がある。
【0119】
実施例12.
次に、図14は請求項9に対応する実施例12に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
図において、3はTaからなるX線吸収体、5はEBレジスト、32はエッチングストッパー、35はSiO2 からなる第一中間層、36はCrからなる第二中間層である。
【0120】
図14に示すX線マスクの製造方法は次のようにしてなされる。
まず、同図(a)はEBレジスト5の現像後の状態を示している。同図(b)においてEBレジスト5に形成したパターンをマスクにして、塩素系のガスを用いて第二中間層36のエッチングを行う。さらに、同図(c)で、第二中間層36のパターンをマスクにフッ素系のガスで第一中間層35をエッチングする。最後に、同図(d)で第一中間層35をマスクに塩素系のガスによりX線吸収体3のエッチングを行うことにより、X線マスクのパターニングが完了する。
【0121】
このように、塩素系とフッ素系のガスによるエッチングを交互に行うことにより、選択比の高い材料の組み合せを選択することが可能になり、結果として、寸法精度にすぐれた吸収体パターンを得ることができる。
【0122】
なお、上記実施例12では、塩素系のガスによりX線吸収体3のエッチングを行う際に、第一中間層35をフッ素系のガスでエッチングすると共に、第二中間層36を塩素系のガスでエッチングするようにしたが、これを逆にして、X線吸収体3のエッチングをフッ素系のガスを用いて行う際には、第一中間層35を塩素系のガスでエッチングすると共に、第二中間層36をフッ素系のガスでエッチングするようにしても良く、実施例12と同様の効果がある。
【0123】
従って、上記実施例12によれば、X線吸収体3の成膜の後、該X線吸収体3膜上に、第一中間層35と第二中間層36とを順次成膜し、その上にレジスト5を塗布し、レジスト5に形成したパターンを順次全3回のエッチングによってX線吸収体3まで転写する際、塩素系及びフッ素系のガスを用いて上記第二中間層36、上記第一中間層35、及び上記X線吸収体3のエッチングを行うときに、順次異なるガスを交互に用いてエッチングすることにより、X線吸収体3のパターンニングが精度よく行い得て、X線マスクの高精度化に寄与するという効果がある。
【0124】
実施例13.
次に、図15は請求項10に対応する実施例13に係るもので、上述した実施例9におけるエッチングマスク31やエッチングストッパー32、及び上述した実施例10における反射防止膜として用いられるクロム酸化物の成膜条件を示すものである。
図において、横軸はスパッタガス(Ar+O2)中の酸素濃度、縦軸は膜応力である。なお、ここでは、+は引張応力を、−は圧縮応力を示している。また、ターゲットは純クロムを、圧力は10mTorr以下、好ましくは5mTorrで、0.2kWのDC放電を行っている。
【0125】
この図より、酸素濃度が5%程度から応力が急激に減少し、低応力のクロム酸化物の膜が成膜可能なことがわかる。なお、約3%以下ではCrが主体となって成膜するため、タングステンエッチングの際に選択比が向上する。また、約3〜5%ではクロムと酸化クロムの混合体が成膜され、選択比が良く比較的低応力の膜が成膜可能である。また、酸素濃度が10%を越えると、クロム酸化物の密度が低下するため、タングステンエッチングの際、エッチングマスクとして使用するには不十分となる。さらに、ここでは、ターゲットに純クロムを用いているが、酸化クロムや酸化クロムとクロムの混合物をターゲットとしても同様の結果が得られる。
【0126】
従って、上記実施例13によれば、タングステンを主成分とするX線吸収体をエッチングする際のエッチングマスク、エッチングストッパー、または反射防止膜のいずれかに、クロム酸化物を用い、スパッタリング法によって成膜する際、クロム、クロム酸化物、もしくはそれらの混合体のいずれかをターゲットとし、不活性ガスのみ、もしくは不活性ガスに10%以下の酸素を添加して成膜するようにしたので、タングステンエッチングの際に選択比が良く比較的低応力の膜が成膜可能となる。
【0127】
実施例14.
次に、図16は請求項11に対応する実施例14に係るもので、上述した実施例9において、エッチングマスク31として用いられるクロム酸化物のエッチング条件を示すものである。
図において、横軸はエッチングガス(Cl2+O2)中の酸素濃度を、縦軸はクロム酸化物とレジストとの選択比を示す。ここでは、ECRエッチング装置を用い、圧力:約5mTorr(105mTorr以下)、マイクロ波:150W、温度:−20℃の条件でエッチングを行っている。
【0128】
図から理解されるように、酸素濃度が低いほど選択比が良好なことがわかる。ここで、酸素濃度が10%を越えると、エッチングの選択比が低下し、エッチング時のクロム酸化物の側壁が垂直にならずに、等方的な形状を示すようになった。そのため、適切なエッチング条件は酸素濃度が10%以下であった。
【0129】
従って、上記実施例14によれば、タングステンを主成分とするX線吸収体をエッチングする際のエッチングマスクに、クロム酸化物を用い、そのクロム酸化物をエッチングする際、塩素ガスのみ、もしくは、塩素ガスに酸素を10%以下添加して、電子サイクロトロン共鳴(ECR)法を用い、10mTorr以下の圧力でドライエッチングするので、エッチングの選択比を良好にし、エッチング時のクロム酸化物の側壁を垂直な形状にして適切なエッチングを行うことができる。
【0130】
実施例15.
次に、図17は請求項12に対応する実施例15に係るもので、上述した実施例9においてエッチングマスク31やエッチングストッパー32として用いられるクロムのエッチング条件を示すものである。
図において、横軸はエッチングガス(Cl2+O2)中の酸素濃度を、縦軸はクロムとレジストとの選択比を示す。ここでは、ECRエッチング装置を用い、圧力:約5mTorr(10mTorr以下)、マイクロ波:150W、温度:−20℃の条件でエッチングを行っている。
【0131】
図から理解されるように、酸素濃度が20%前後の時、選択比が良好なことがわかる。ここで、酸素濃度が10%を下回ると、クロムのエッチングレートが減少するため選択比が低下し、また、逆に、酸素濃度が30%を上回るとレジストのエッチングレートが増加するため選択比が低下する。その結果、クロムの最適エッチング条件は酸素濃度が10〜30%程度であった。
【0132】
従って、上記実施例15によれば、タングステンを主成分とするX線吸収体をエッチングする際のエッチングマスクまたはエッチングストッパーの少なくとも一方に、クロムを用い、そのクロムをエッチングする際、塩素ガスに10%以上30%以下の酸素を添加して、電子サイクロトロン共鳴(ECR)法を用い、10mTorr以下の圧力でドライエッチングすることにより、クロムの最適なエッチングを行うことができる。
【0133】
実施例16.
次に、図18は請求項13に対応する実施例16に係るもので、上述した実施例9におけるX線吸収体3として、タングステン単体、あるいはタングステンにチタンもしくは窒素の少なくとも一方を含むアモルファス状のものを用いた場合のエッチング条件を示す図である。
図において、横軸はエッチングガス(SF6+CHF3+He、なお、CHF3とHeは同じ濃度)中のSF6 ガス濃度を、縦軸はタングステンとクロムとの選択比を示す。ここでは、ECRエッチング装置を用い、圧力:約1mTorr(10mTorr以下)、マイクロ波:200W、RFバイアス:13W、温度−50℃の条件でエッチングを行っている。
【0134】
図から理解されるように、SF6 ガス濃度の増加とともに選択比が向上しているが、20%を越えるとサイドエッチが入るため側壁が垂直状にならなくなる。また、逆に、1%を下回るとタングステンのエッチングレートの減少や、エッチング形状の低下が見られる。また、ここでは、温度を−50℃としているが、温度が−40℃より高くなるとサイドエッチが入り、エッチング形状が低下した。
【0135】
従って、上記実施例16によれば、タングステン単体またはタングステンにチタンまたは窒素の少なくとも一方を含むアモルファス状のX線吸収体をエッチングする際、CHF3やCHF3にHeを含むガスに1%以上20%以下のSF6 ガスを添加し、エッチング時のエッチャーのステージ温度を−40℃以下に冷却し、電子サイクロトロン共鳴(ECR)法を用い、10mTorr以下の圧力でドライエッチングすることにより、側壁部が垂直になり、最適なエッチング形状を得ることができ、X線マスクのパターン位置精度や寸法精度が向上する。
【0136】
実施例17.
次に、図19は請求項12および13に対応する実施例15および16に係るエッチング条件例を示す図である。図において、横軸はエッチンガスの圧力を示す。ここで、左側の縦軸及び図中の白丸は、SF6+CHF3+Heガスを用いた時のタングステンとクロムの選択比を、また、右側の縦軸及び図中の黒丸は、Cl2+O2ガスを用いたときのクロムとレジストの選択比を示す。
【0137】
このように、ECRエッチング装置等を用い、圧力を10mTorr以下にすると、良好な選択比を示すことがわかる。また、10mTorr以下の低圧でエッチングを行うと、マイクロローディング効果によるエッチングレートのパターン幅依存性が減少し、比較的均一にエッチングが可能となる。さらに、通常のRIEやマグネトロンRIEでは、低圧にすると電極電位VDCが低下しスパッタの効果が増大するため選択比が低下するが、ここで、用いているECRエッチャーではそのような現象が起こらないことがわかった。
【0138】
なお、本実施例でも窒素ガスを用いて充分な冷却効果が得られた。また、窒素の代わりにエッチングガスを用いれば、冷却のために別のガスを用意しなくてもよい。
【0139】
実施例18.
次に、図20は請求項14に対応する実施例18に係る構成図である。
図において、120はエッチングチャンバ、121はステージ、122は上記ステージを冷却する冷媒通路、123はX線マスクのマスク基板10の裏面を冷却するためのガス流路、124はチャンバ内に発生させたプラズマ、130は供給ガスの圧力を測る圧力計、131は圧力計130の出力に応じて制御弁132の開度を調整する制御器、133は窒素ガスボンベである。また、1はシリコン基板、2はメンブレン、3は吸収体、5はレジストである。
【0140】
次に動作について説明する。
エッチングチャンバ120内でのプラズマエッチング時に、工程中のマスク基板10は冷却されたステージ121上に置かれる。このマスク基板10を効果的に冷却するには、プラズマ124によってX線マスクに供給される熱をステージに逃がさねばならない。そのためには、X線マスクのマスク基板10裏面とステージ間のギャップGを小さくするとともに、そこにガスを満たし熱伝導性を維持する必要がある。
【0141】
ここでは、圧力計130により窒素ガス供給圧が数Torrになるように制御弁によって調整した。冷却ガスとして、一般には、熱伝導率が高いヘリウムガスが用いられる。しかしながら、低圧下での熱伝導を考察するに、決してヘリウムが最適と限ったわけではなく、順応係数の点ですぐれた窒素を用いればよい。
本実施例でも窒素ガスを用いて充分な冷却効果が得られた。これにより、高価なヘリウムを用意する必要がない。また、窒素の代わりにエッチングガスを用いれば、冷却のために別のガスを用意しなくてもよいし装置も簡単になる。
【0142】
従って、上記実施例18によれば、エッチングチャンバ120内でのX線吸収体のエッチング時に、低温に冷却したステージ121とそのステージ121上のマスク基板10との間に、窒素ガスまたはエッチングガスを流すようにすることにより、エッチングチャンバ120内でのプラズマエッチング時に、工程中のマスク基板10に供給される熱をステージ121に逃してマスク基板10を効果的に冷却することができ、熱伝導性を維持することができる。
【0143】
実施例19.
次に、図21は請求項15に対応する実施例19に係るX線マスクの製造方法の説明図である。
図において、1はシリコン基板、2はメンブレン、25はインジウム・すず酸化物(ITO)、3はX線吸収体、4は支持枠、5はレジスト、107は接着剤である。
【0144】
図21に示すX線マスクの製造方法は次のようにしてなされる。
まず、同図(a)でシリコン基板1上にメンブレン2が成膜される。同図(b)ではシリコン基板1の一部を除去(バックエッチ)する。同図(c)では上記メンブレン2上にITO25を塗布またはアニールして成膜する。本実施例ではインジウムとすずを含む有機金属液を塗布し、500℃で焼成することにより成膜した。
【0145】
次に、同図(d)ではX線吸収体3の成膜を行う。具体的には、W−Tiをスパッタ成膜し、応力制御のために250℃でアニールする。同図(e)ではレジスト5を塗布し180℃でベークする。その後、同図(f)でシリコン基板1を支持枠4に接着剤107により接着する。最後に、同図(g)でX線吸収体3のパターニングを行う。この工程は、電子線描画、現像、エッチング工程を含むが省略した。
【0146】
ところで、上記工程順では、焼成、アニール、レジストベークなどの加熱工程がすべて接着の前に済まされており、また、接着のあとにはX線マスクは高温にさらされない。従って、接着剤107としては、耐熱性は必要でなく、加熱にともなう接着剤の変質や劣化が無視できる。つまり、材料選択の制約が少なくなり、X線マスクの強度に関する信頼性が高まる。
【0147】
従って、上記実施例19によれば、各種成膜工程及びその成膜工程に付随する加熱工程を経た後、電子線描画の直前に、シリコン基板1と支持枠4とを接着剤107を用いて接合するようにしたので、耐熱性は必要でなく、加熱にともなう接着剤107の変質や劣化が無視でき、材料選択の制約が少なくなり、X線マスクの強度に関する信頼性が高まると言う効果がある。
【0148】
実施例20.
次に、図22は実施例20に係るX線マスクを説明する断面図である。
図において、1はシリコン基板、2はX線透過膜となるメンブレン、3はX線吸収体、4は支持枠、201はネジ、202はアダプターである。
【0149】
この実施例20では、接合工程において、シリコン基板1と支持枠4とをネジ201とアダプター202により固定することにより、マスクが完成する。これにより、シリコン基板1と支持枠4を強固に固定することができる。ネジ201は接着剤のように変形や変質を起こさないので、シリコン基板1は長期間一定の平面状態を保つことができる。
【0150】
また、この工程は、接着工程のような待ち時間がないので、工程時間を数分程度と非常に短縮することができる。さらに、特に、上記メンブレン2は薄膜でなるため、製造工程中に破損することがあるが、このような場合、上記ネジ201を調整することによってシリコン基板1と支持枠4とを分離し、メンブレン2を取り替えることができるので、高価な支持枠4を有効に利用することができる。なお、図22は完成したX線マスクの断面図であるが、接合はX線マスク製作工程のどの時点で行われてもよい。
【0151】
従って、上記実施例20によれば、シリコン基板1と支持枠4とをネジ止めしたので、シリコン基板1と支持枠4を強固に固定することができ、万一、平面度が良好でなく、また、位置不良が発生しても再調整可能であり、支持枠と基板のどちらかが損傷したとしても他方の部材は再利用が可能となり、マスク製造コストを低減できる。また、位置不良が発生しても再調整可能であるため、調整によってパターン位置精度を向上させることができる。
【0152】
実施例21.
次に、図23は実施例21に係るX線マスクの説明図である。
図について、1はシリコン基板、2はメンブレン、3はX線吸収体、4は支持枠、201はネジ、202はアダプター、203は柔軟層であり、また、(a)は柔軟層単体、(b)は接合工程後のX線マスク、(c)はネジが緩んだ場合のX線マスクを示す断面図である。
【0153】
この実施例21において、接合工程では、シリコン基板1と支持枠4を柔軟層203を介してネジ201とアダプター202により固定し、マスクが完成する。これにより、シリコン基板1と支持枠4を強固に固定することができる。さらに、ネジ201が若干緩んだ場合でも、縮んでいた柔軟層203が伸びることにより締め付け力を保持することができる。
【0154】
すなわち、図24は上述した効果を図23と比較して説明するもので、柔軟層がない場合を示す断面図である。同図(a)は接合工程後のX線マスク、同図(b)はネジ201が緩んだ場合を示している。このとき、柔軟層がないとシリコン基板1と支持枠4の間に遊びが生じ、シリコン基板1の姿勢が定まらなくなってしまう。
【0155】
従って、上記実施例21によれば、シリコン基板1と支持枠4を柔軟層203を介してネジ201とアダプター202により固定するより、シリコン基板1と支持枠4を強固に固定することができ、ネジ201が若干緩んだ場合でも、縮んでいた柔軟層203が伸びることにより締め付け力を保持することができる。
【0156】
実施例22.
また、図25は実施例21の他の実施例となる実施例22に係るX線マスクの接合時を説明するための断面図である。
同図(a)は接合前のシリコン基板を、同図(b)は空間がない場合の接合後のX線マスクを表す断面図であり、同図(c)は隙間を介してシリコン基板と支持枠とを接合した状態の本実施例を示すX線マスクの断面図である。図中、204は支持枠アダプター、205基板アダプターである。
【0157】
接合工程では、支持枠アダプター204により支持枠4にネジ201を固定し、次に、基板アダプター205とアダプター202によりシリコン基板1を固定し、マスクが完成する。このようにして、隙間を介してシリコン基板1と支持枠4とを接合したことにより、支持枠4の平面度に依存しないで、シリコン基板1と支持枠4を強固に固定することができる。また、この工程時間は数分程度と非常に短かい。
【0158】
従って、上記実施例22によれば、シリコン基板1と支持枠4とを隙間を介して固定するより、支持枠4の平面度に依存しないで、シリコン基板1と支持枠4を強固に固定することができる。
【0159】
実施例23.
次に、図26は実施例23に係るX線マスクの接合工程を説明する断面図である。
同図(a)は接合前のシリコン基板を、同図(b)は柔軟層がなく、固定場所が一周の場合のX線マスクの断面図、同図(c)は柔軟層を介して接合し、シリコン基板と支持枠との固定場所が2周の場合の本実施例を示すX線マスクの断面図である。図中、1はシリコン基板、2はメンブレン、3はX線吸収体、4は支持枠、201はネジ、202はアダプター、203は柔軟層である。
【0160】
接合工程では、シリコン基板1と支持枠4を、柔軟層203を介して、ネジ201とアダプター202を用いて同心円上に2周以上固定し、マスクが完成する。同心円上に2周以上固定部があるために、シリコン基板1の平面度を制御することができる。
【0161】
従って、上記実施例23によれば、シリコン基板と支持枠とを同心円状に2周以上の場所で固定するようにしたので、長期に亙り強固に位置ずれを起こすことなくシリコン基板1と支持枠4とを固定できる。
【0162】
実施例24.
次に、図27は実施例23の他の実施例となる実施例24に係るX線マスクの接合工程を説明する断面図である。
同図(a)は接合前のシリコン基板を、同図(b)は隙間がなく、固定場所が一周の場合のX線マスクの断面図、同図(c)は隙間を介して接合し、シリコン基板と支持枠との固定場所が2周の場合の本実施例を示すX線マスクの断面図である。図中、1はシリコン基板、2はメンブレン、3はX線吸収体、4は支持枠、201はネジ、201’は関節を介して自在に曲げられるようになされたネジ、202はアダプター、204は支持枠アダプター、205は基板アダプターである。
【0163】
本実施例の接合工程では、まず、シリコン基板1と支持枠4を、隙間を設けてネジ201’と支持枠アダプター204により支持枠4とネジ201’を固定し、次に、基板アダプター205とアダプター202によりシリコン基板1を同心円状に2周以上固定し、マスクが完成する。これにより、支持枠平面度に依存しないで、隙間を介して強固にシリコン基板1と支持枠4を固定することができる。さらに、同心円上に2周以上固定部があるためにシリコン基板1の平面度を制御することができる。
【0164】
従って、上記実施例24によれば、シリコン基板1と支持枠4を隙間を設けてネジにより固定し、シリコン基板1を同心円状に2周以上固定するようにするので、支持枠平面度に依存しないで、隙間を介して強固にシリコン基板1と支持枠4を固定することができ、かつ同心円上に2周以上固定部があるためにシリコン基板1の平面度を制御することができるという効果がある。
【0165】
実施例25.
次に、図28と図29は実施例25に係るX線マスクの製造装置を示す構成図である。
図28は基板平面度の計測工程を示し、レーザー光源251とミラー253および受光素子252により平面度計測部254を構成している。また、262は表示装置、261は記憶装置である。電子線リソグラフィー用ホルダー221にシリコン基板1が装着されている状態での基板平面度を上記平面度計測部254で計測し、記憶装置261に記憶させるようになされている。
【0166】
また、図29は、上述した図28による電子線リソグラフィー用ホルダー221にシリコン基板1が装着されている状態での基板平面度の計測および記憶後、X線吸収体3のパターンを形成し、シリコン基板1と支持枠4を接合する時の状態を示すもので、図中、271は平面度調整機構272と支持枠固定部273を備えた接合装置である。支持枠4と基板1は図26と図27に示したように同心円状に2周以上固定部を有している。
【0167】
ここでは、電子線リソグラフィー工程前に計測したシリコン基板1の平面度を表示装置262により表示させ、平面度計測部254により、接合装置に装着された基板1の平面度を計測し、併せて表示させると、平面度の違いが分かる。この違いをなくすように、平面度調整機構272で所定の精度にまで調整する。このようにすることで、メンブレン2が電子線リソグラフィー時と同じ状態に保たれ、パターンの位置ずれがなくなる。
【0168】
従って、上記実施例25によれば、電子線リソグラフィー工程前に計測したシリコン基板1の平面度と接合装置に装着されたシリコン基板1の平面度を併せて表示させて、平面度の違いをなくすように、平面度調整機構272で所定の精度にまで調整するすることで、メンブレン2が電子線リソグラフィー時と同じ状態に保たれ、パターンの位置ずれがなくなるという効果がある。
【0169】
実施例26.
次に、図30は実施例26を示す断面図である。 図において、1はシリコン基板、2はメンブレン、107は5%フッ酸水溶液、108はアライメント精度改善のためのメンブレン2の可視光透過率向上策として用いられる反射防止膜としてのスピンーオンーガラス(以下、SOGと称す)である。
【0170】
同図(a)は工程中のX線マスクを示し、本図ではバックエッチされたメンブレン付きシリコン基板である。同図(b)で上記シリコン基板をフッ酸水溶液中で洗浄した。そして、同図(c)においてメンブレン2の可視光透過率の改善のためメンブレン2両面にSOGを塗布した。ここで、工程(b)を省略するとSOGの均一性は悪かったが、メンブレン2表面をSOG塗布前にフッ酸水溶液で洗浄することにより均一性にすぐれた平坦なSOG膜が得られた。
さらに、SOGの溶媒を高沸点(100℃以上)化することにより、メンブレン2上でもシリコン基板1上と同様の膜質が得られた。
【0171】
従って、上記実施例26によれば、バックエッチ済みのメンブレン2にSOGを塗布する際に、SOGの溶媒を100℃以上とすることにより、メンブレン2上でもシリコン基板1上と同様の膜質が得られ、また、メンブレン2表面をSOG塗布前にフッ酸水溶液で洗浄することにより均一性にすぐれた平坦なSOG膜が得られるという効果がある。
【0172】
実施例27.
次に、図31は実施例27に係るX線マスクの製造方法を示す工程図である。図中、10は工程中のX線マスク、150は台、151はパッキン、152はテフロン製の重り、153はシリコン基板1をエッチングするためのエッチング液で、フッ酸と硝酸の混合水溶液である。また、160はパターン保護膜である。
【0173】
本実施例では、X線吸収体3のエッチングが完了してからバックエッチを行っている。このX線マスクでは、反射防止膜21としてSOGを用いたが、もし、パターン保護膜160がなければ、雰囲気に拡散したフッ化水素によりSOGが、強いてはX線吸収体3のパターンがダメージを受ける。ここでは、保護膜160として、感光性ネガレジスト(シップレー、AZ1350)を用い、バックエッチ前に回転塗布した。バックエッチ後にアセトンによって上記保護膜160を除去したが、パターンには全くダメージがなかった。
【0174】
従って、上記実施例27によれば、工程中のX線マスクをバックエッチする際に、X線吸収体3のパターンを保護するための保護膜160を塗布してバックエッチするようにしたので、X線吸収体3のパターンがダメージを受けることはないという効果がある。
【0175】
実施例28.
次に、図32は実施例28に係る説明図である。
図中、10は工程中のX線マスクで、本図ではバックエッチが完了した時点にある。170はチャンバ、171はスペーサ、172はガス導入管、173はプラズマ、174はステージである。
【0176】
X線マスク10は、バックエッチ側を上にしてスペーサ171を介してステージ174上に置かれている。本実施例では、メンブレン2として炭化珪素(SiC)を用いたが、バックエッチ後のメンブレン裏面は水洗のみでは完全に清浄にできない。また、バックエッチ時の反応によって異常膜が発生することもあり、可視光透過率の面内均一性を損なっていた。
【0177】
しかし、本実施例では、SF6:CHF3:He=6:47:47の成分比のガスのをチャンバ内に導入し、圧力0.2Pa、マイクロ波200W、RFパワー0.3W/cm2 、ステージ温度ー50℃の条件でプラズマ173を発生させ、その中にメンブレン裏面を1〜5分間さらした。その結果、バックエッチ直後に発生していた異常膜は完全に除去され、メンブレンの可視光透過率の面内均一性が向上した。
【0178】
従って、上記実施例28によれば、バックエッチ後のX線マスクのメンブレンの裏面をフッ素を含むガスを用いてドライエッチングで洗浄することにより、バックエッチ直後に発生していた異常膜は完全に除去され、メンブレンの可視光透過率の面内均一性が向上するという効果がある。
【0179】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したようにしてX線マスクを製造するので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0180】
この発明に係るX線マスクの製造方法によれば、X線吸収体のアニール時に応力等をモニタすることにより、その結果からアニール完了時点を決定するようにしたため、再現性良く低応力の吸収成膜が得られるという効果がある。
【0181】
また、他の発明に係るX線マスクの製造方法においては、X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、所望のアニール温度により低温で一回もしくは複数回のアニールを行うとともにアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果と、上記一回もしくは複数回のアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定し、その最終アニール温度でアニールを行うことにより、再現性良く低応力の吸収成膜が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1に係るX線マスクの製造方法の説明図である。
【図2】 この発明の実施例2に係るX線マスクの製造方法の説明図である。
【図3】 この発明の実施例3に係るX線マスクの製造方法の説明図である。
【図4】 この発明の実施例4に係るX線マスクの断面図である。
【図5】 この発明の実施例5に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
【図6】 実施例5の説明のために用いた電子線の散乱を示す断面図である。
【図7】 この発明の実施例6に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
【図8】 この発明の実施例7に係るX線マスクの製造方法を説明する構成図である。
【図9】 この発明の実施例8に係るX線マスクの製造方法を説明する構成図である。
【図10】 この発明の実施例9に係るX線マスクのパターニング工程を示す断面図である。
【図11】 この発明の実施例10に係るX線マスクのパターニング工程を示す断面図である。
【図12】 この発明の実施例11に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
【図13】 この発明の実施例11に係るX線マスクの製造方法の効果を説明するための断面図である。
【図14】 この発明の実施例12に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
【図15】 この発明の実施例13に係る応力−酸素濃度のグラフである。
【図16】 この発明の実施例14に係る選択比−酸素濃度のグラフである。
【図17】 この発明の実施例15に係る選択比−酸素濃度のグラフである。
【図18】 この発明の実施例16に係る選択比−SF濃度のグラフである。
【図19】 この発明の実施例17に係る選択比−圧力のグラフである。
【図20】 この発明の実施例18に係るX線マスクの製造方法を示す工程図である。
【図21】 この発明の実施例19に係るX線マスクの製造方法を示す工程図である。
【図22】 この発明の実施例20に係るX線マスクの断面図である。
【図23】 この発明の実施例21に係るX線マスクの断面図である。
【図24】 この発明の実施例21に係る柔軟層の効果を説明するためのX線マスクの断面図である。
【図25】 この発明の実施例22に係るX線マスクの断面図である。
【図26】 この発明の実施例23に係るX線マスクの断面図である。
【図27】 この発明の実施例24に係るX線マスクの断面図である。
【図28】 この発明の実施例25に係るX線マスクの平面度計測工程を示す説明図である。
【図29】 この発明の実施例25に係るX線マスクの接合工程を示す説明図である。
【図30】 この発明の実施例26に係るX線マスクの製造方法を示す工程図である。
【図31】 この発明の実施例27に係るX線マスクの製造方法を示す工程図である。
【図32】 この発明の実施例27に係るX線マスクの断面図である。
【図33】 従来例に係るX線マスクの基本構成図である。
【図34】 従来例に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
【図35】 従来例に係るX線マスクの製造方法を説明する工程図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 メンブレン
3 X線吸収体
4 支持枠
5 レジスト
10 工程途中のX線マスク
21 反射防止膜
25 非晶質のインジウム・すず酸化膜(ITO)
31 エッチングマスク
32 エッチングストッパー
35 第1中間層
36 第2中間層
160 保護膜
201 ネジ
309 クロム酸化膜

Claims (2)

  1. X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、X線吸収体が成膜された基板の温度上昇に伴う吸収体膜応力または応力に相関する物理量を連続計測し、その計測結果をもとにアニール完了温度を決定することを特徴とするX線マスクの製造方法。
  2. X線吸収体を成膜した後、アニールによって膜応力を調整するX線マスクの製造方法において、所望のアニール温度により低温で一回もしくは複数回のアニールを行うとともにアニール後の膜応力を計測し、成膜後の応力計測結果と、上記一回もしくは複数回のアニール後の応力計測結果とに基づいて最終アニール温度を決定し、その最終アニール温度でアニールを行うことを特徴とするX線マスクの製造方法。
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