JP3832787B2 - クリーニング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、取付部に着脱可能に装着される支持体と、該支持体に回転可能に支持された巻き出し部材と、同様に支持体に回転可能に支持された巻き取り部材と、該巻き取り部材を回転駆動する駆動手段と、該駆動手段により前記巻き取り部材が回転駆動されることによって前記巻き出し部材から繰り出され、前記巻き取り部材に巻き取られる可撓性を有するクリーニング部材と、被クリーニング体に対して接近又は離間する向きに移動可能に、かつ回転可能に前記支持体に支持され、前記巻き出し部材と巻き取り部材の間のクリーニング部材部分を前記被クリーニング体に押圧する押圧部材と、該押圧部材をクリーニング部材を介して被クリーニング体に対して加圧する加圧部材とを具備するクリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の定着ローラ、これと対をなす加圧ローラ、シート搬送ローラ、像担持体などの回転体、又はその他の被クリーニング体の表面を清掃する上記形式のクリーニング装置は従来より公知である。この種のクリーニング装置は、可撓性を有するクリーニング部材の一端を巻き取り部材に固定し、その他端側を巻き出し部材に巻き付け、加圧部材によって加圧された押圧部材を、巻き取り部材と巻き出し部材の間のクリーニング部材部分を介して被クリーニング体に圧接させ、巻き取り部材を駆動手段によって回転駆動し、クリーニング部材をその巻き取り部材に巻き取りながら、被クリーニング体を清掃するものである。このクリーニング装置の支持体には、巻き取り部材、巻き出し部材、これらに装着されたクリーニング部材、押圧部材及び加圧部材が組付けられ、これらがユニット状に構成され、かかる支持体を取付部に装着する。
【0003】
ここで問題となるのは、支持体を取付部に装着するとき、押圧部材がクリーニング部材を介して被クリーニング体に当接することにより、可撓性を有するクリーニング部材にたるみが生じることである。このたるみ量は、わずかなものであるが、被クリーニング体の清掃時にクリーニング部材が単位時間当りに送られる量は、通常、わずかであるため、クリーニング部材にわずかなたるみが生じただけでも、そのクリーニング性能が大きく低下する。すなわち、支持体を取付部に装着して清掃動作を開始したとき、クリーニング部材のたるみに起因して、しばらくの間は、被クリーニング体に当接したクリーニング部材の部分が送られず、この部分が被クリーニング体に当接したままとなり、これによって被クリーニング体の汚れを充分に拭き取ることができないのである。
【0004】
またクリーニング部材にたるみがあると、そのクリーニング部材の送り動作時に、当該クリーニング部材が蛇行し、巻き取り部材に巻き取られたクリーニング部材が偏り、これがさらにクリーニング部材の蛇行を増長させるおそれがある。
【0005】
支持体の装着時に生じるクリーニング部材のたるみは、その量が少ないため、従来はクリーニング部材のたるみに対する認識、さらにはこれによって生じる不具合に対する認識がなく、従ってこの不具合を除去する構成は全く採用されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した新規な認識に基づきなされたものであって、その目的とするところは、支持体を取付部に装着したときに生じるクリーニング部材のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくすることのできる冒頭に記載した形式のクリーニング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式のクリーニング装置において、前記支持体を前記取付部に装着するとき、前記押圧部材がクリーニング部材を介して被クリーニング体に当接することによって生じるクリーニング部材のたるみを解消すべく、前記巻き取り部材と前記巻き出し部材の少なくとも一方を回転させる回転手段を設け、該回転手段は、前記支持体が取付部に装着されつつあるとき、前記巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に直接又は間接的に接触して、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に対して、これが回転する外力を付与する外力付与部を具備していることを特徴とするクリーニング装置を提案する(請求項1)。
【0009】
また、上記請求項1に記載のクリーニング装置において、前記外力付与部が前記取付部を構成する部材に設けられていると有利である(請求項2)。
【0010】
さらに、上記請求項1又は2に記載のクリーニング装置において、前記回転手段は、前記巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に固定された回転体を具備し、前記支持体が取付部に装着されつつあるとき、前記回転体が前記外力付与部に接触して回転するように構成すると有利である(請求項3)。
【0011】
また、本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式のクリーニング装置において、前記支持体を前記取付部に装着するとき、前記押圧部材がクリーニング部材を介して被クリーニング体に当接することによって生じるクリーニング部材のたるみを解消すべく、前記巻き取り部材を回転させる回転手段を設け、該回転手段は、前記支持体が取付部に装着されたことを検知する検知手段と、該検知手段によって支持体が取付部に装着されたことが検知されたとき、前記巻き取り部材を回転駆動すべく、前記駆動手段を所定時間作動させる制御装置とを具備していることを特徴とするクリーニング装置を提案する(請求項4)。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るクリーニング装置を、画像形成装置の定着ローラを清掃する装置に適用した実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0014】
図1は、図示していない画像形成装置本体に装着された定着装置1と、これに組付けられたクリーニング装置2のユニット23の正面図であり、図2はその垂直横断面図、図3は定着装置1にクリーニング装置2のユニット23を組付ける前の様子を示す斜視図である。
【0015】
これらの図に示すように、定着装置1は手前側の側板3Aと奥側の側板3Bとこれらを一体に連結するステー4とから成る本体フレーム5と、この本体フレーム5の各側板3A,3Bに回転自在に支持された定着ローラ6と、加圧ローラ7とを有している。定着ローラ6と加圧ローラ7は、円筒状に形成され、互いに平行に延びていて、ころがり接触状態で互いに圧接している。定着ローラ6の内部にはヒータ8が設けられ、このヒータ8と図示していない温度制御装置とによって定着ローラ6の表面が一定の温度となるように制御される。加圧ローラ7は芯部材7Aとそのまわりに積層された弾性体7Bを有している。
【0016】
定着ローラ6と加圧ローラ7は、図示していない駆動装置によってそれぞれ図2に矢印で示す方向に回転駆動され、これらの間に未定着トナー像を担持した転写紙9が通過する。このとき、そのトナー像に熱と圧力が加えられ、そのトナーが溶融して転写紙上に定着される。
【0017】
定着ローラ6の表面には、微量のトナーが付着し、これを放置するとそのトナーが転写紙9上に付着するおそれがある。クリーニング装置2はこのような定着ローラ6の表面に付着したトナーなどの汚れを除去し、その表面を清掃するために用いられる。また本例のクリーニング装置2は、定着ローラ6の表面にトナーが付着し難くなるオフセット防止オイルを塗布する機能も有している。
【0018】
クリーニング装置2は、その筐体を兼ねる箱状の支持体10を有し、この支持体10は、定着装置1の側板3A,3Bの間に配置され、図示していないねじによってその各側板3A,3Bに固定されている。かかる支持体10の前後の側壁10A,10Bには、丸棒状の巻き出し軸11として構成された巻き出し部材と、同様に丸棒状の巻き取り軸12として構成された巻き取り部材と、押圧ローラ13として構成された押圧部材がそれぞれ回転可能に支持されている。巻き出し軸11、巻き取り軸12及び押圧ローラ13は、互いに平行に延び、クリーニング装置2のユニット23が定着装置1に図1及び図2に示すように組付けられた状態で、巻き出し軸11と、巻き取り軸12と押圧ローラ13は定着ローラ6に対して平行に位置する。またクリーニング装置2は、巻き出し軸11から繰り出され、巻き取り軸12に巻き取られるクリーニング部材14を有し、このクリーニング部材14の一端は巻き取り軸12に固定され、その他端側が巻き出し軸11に巻回されている。
【0019】
巻き出し軸11と巻き取り軸12は、それぞれその長手方向各端部が、軸受を介して、支持体10の各側壁10A,10Bに回転自在に支持されている(図4も参照)。また押圧ローラ13は、金属などの高剛性材料より成る芯軸13Aとそのまわりに被覆されたシリコーンゴム又は発泡体などの弾性体層13Bより成り、その芯軸13Aの長手方向各端部がブロック状の軸受17A,17Bにそれぞれ回転自在に支持されている。そして、その各軸受17A,17Bは、支持体10の各側壁10A,10Bに形成された長孔18A,18Bに移動可能に嵌合している。これにより押圧ローラ13は、被クリーニング体、この例では定着ローラ6の表面に対して接近又は離間する向きに移動可能に支持体10に支持される。
【0020】
クリーニング部材14は、可撓性を有するウェブなどのシート状部材より成り、本例ではアラミドとPET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)の繊維を混合して成る不識布にオフセット防止オイルを含浸させたウェブによって構成されたクリーニング部材14が用いられている。巻き出し軸11から出たクリーニング部材14は、押圧ローラ13と被クリーニング体の一例である定着ローラ6の間を通り、巻き取り軸12に至っている。
【0021】
また支持体10の各側壁10A,10Bに形成された各長孔18A,18Bには、加圧部材の一例である圧縮ばね19A,19Bがそれぞれ取付けられ、これによって押圧ローラ13は定着ローラ6の表面に対して加圧される。このようにして、押圧ローラ13は、巻き出し軸11と巻き取り軸12の間のクリーニング部材部分を定着ローラ6の表面に押圧する。
【0022】
また図4に示すように、巻き取り軸12の長手方向各端部は、支持体10の各側壁10A,10Bを貫通してその外側にまで延び、その一方の端部に伝動部材の一例であるギア20が固定され、このギア20は、画像形成装置本体に支持された図示していないギアに噛み合い、画像形成装置本体に支持された駆動モータ(図示せず)に駆動連結されている。駆動モータは、巻き取り軸12より成る巻き取り部材を回転駆動する駆動手段の一例を構成する。ギア20の代りにタイミングプーリなどから成る伝動部材を巻き取り軸12に固定し、これに係合したタイミングベルトを介して、駆動モータの回転を巻き取り軸12に伝達するように構成してもよい。
【0023】
上述の駆動モータが作動すると、その回転がギア列を介して巻き取り軸12に伝えられ、この巻き取り軸12が図2における時計方向に回転駆動される。これによってクリーニング部材14が巻き取り軸12に巻き取られ、これによってクリーニング部材14が引かれ、巻き出し軸11が図2における時計方向に回転し、クリーニング部材14が巻き出し軸11から繰り出される。このとき押圧ローラ13も従動回転し、クリーニング部材14が定着ローラ6の表面に圧接しながら、この定着ローラ6と押圧ローラ13との間を通過する。このようにクリーニング部材14が送られながら、回転する定着ローラ6の表面を清掃する。また本例では、オフセット防止オイルが定着ローラ6の表面に塗布される。
【0024】
巻き出し軸11によるクリーニング部材14の巻き取り動作は、定着装置1が作動している間中、連続して行われるか、又は間欠的に行われる。このときの単位時間当りのクリーニング部材14の送り量は、画像形成装置の使用条件などによって異なるが、通常、その量は微量であり、例えば0.5mm乃至2mm程度に設定される。
【0025】
巻き出し軸11、巻き取り軸12、これらに装着されたクリーニング部材14、押圧ローラ13、ギア20及び圧縮ばね19A,19Bは、支持体10に前述のように組付けられ、これらがユニット23を構成している。図1及び図2は、このユニット23が定着装置1に対して組付けられた状態を示している。そして、ユニット23の支持体10は、その取付部、この例では定着装置1の本体フレーム5に、次のようにして着脱可能に装着される。
【0026】
支持体10の外部に突出した巻き取り軸12の各端部には、軸受21A,21Bが回転自在に取付けられ、その各軸受21A,21Bは、定着装置1の本体フレーム5を構成する各側板3A,3Bに形成された切欠22A,22Bに転動自在に嵌合し、これによってユニット23が定着装置1の本体フレーム5に対して位置決めされる。このようにして本体フレーム5に組付けられた支持体10は、図示していないねじによって、本体フレーム5に不動に固定される。支持体10と本体フレーム5とを係合させることによって、ユニット23を本体フレーム5に対して位置決めすることもできる。
【0027】
クリーニング部材14が使用し尽されると、そのクリーニング部材14を交換し、又はユニット23の全体を交換する必要がある。また例えば定着ローラ6を清掃したり、交換することもある。このような場合、支持体10、すなわちユニット23をその取付部である定着装置1の本体フレーム5から取り外す必要がある。この場合には、先ず前述のねじを外し、次いで支持体10を図1における矢印A方向に引く。これにより軸受21A,21Bが各切欠22A,22B中を転動し、ないしは摺動しながら、ユニット23が本体フレーム5から外される。
【0028】
逆に、ユニット23を本体フレーム5に装着するときは、各軸受21A,21Bを本体フレーム5の各切欠22A,22Bに嵌合し、支持体10を図1に示した矢印Aと反対の矢印B方向に押し込み、その各軸受21A,21Bを転動させ、ないしは摺動させながらその支持体10を図1に示す位置にセットし、前述のねじによって支持体10を本体フレーム5に固定すればよい。このように、支持体10を本体フレーム5に容易に着脱することができる。
【0029】
以上のように、本例のクリーニング装置2は、本体フレーム5より成る取付部に着脱可能に装着される支持体10と、その支持体10に回転可能に支持された巻き出し部材の一例である巻き出し軸11と、同様に支持体10に回転可能に支持された巻き取り部材の一例である巻き取り軸12と、その巻き取り部材を回転駆動する駆動モータとして構成された駆動手段と、その駆動手段により巻き取り部材が回転駆動されることによって巻き出し部材から繰り出され、巻き取り部材に巻き取られる可撓性を有するクリーニング部材14と、被クリーニング体の一例である定着ローラ6に対して接近又は離間する向きに移動可能に、かつ回転可能に支持体10に支持され、巻き出し部材と巻き取り部材の間のクリーニング部材部分を被クリーニング体に押圧する押圧部材の一例である押圧ローラ13と、その押圧部材をクリーニング部材を介して被クリーニング体に対して加圧する加圧部材の一例である圧縮ばね19A,19Bとを具備している。
【0030】
ここで、前述のように支持体10、すなわちユニット23を本体フレーム5から外した状態では、図3から判るように、押圧ローラ13は定着ローラ6に当接しておらず、従って圧縮ばね19A,19Bによって加圧された各軸受17A,17Bは長孔18A,18Bの一方の端部24A,24B(図1及び図2)に圧接した状態となっている。かかるユニット23を、前述のように本体フレーム5に装着すると、押圧ローラ13はクリーニング部材14を介して定着ローラ6に圧接するので、圧縮ばね19A,19Bは圧縮され、図1及び図2に示すように、各軸受17A,17Bは長孔18A,18Bの端部24A,24Bから離間し、押圧ローラ13も支持体10に対して同じ向き、すなわち図3に矢印Cで示す方向に移動する。このため、図1に二点鎖線で示すように、クリーニング部材14が緩んでこれにたるみが発生するおそれがある。
【0031】
このようなたるみが発生したまま、巻き取り軸12を回転させて定着ローラ6の清掃動作を開始したとすれば、先に説明したように、しばらくの間、クリーニング部材14が送られない。このため、定着ローラ6に対するクリーニング性能が低下し、これによって定着ローラ6に付着したトナーが転写紙9に移行し、その転写紙9が汚されるおそれを免れない。またクリーニング部材14のたるみに基因して、これが蛇行するおそれもある。
【0032】
そこで、本例のクリーニング装置には、そのユニット23、すなわち支持体10を本体フレーム5に取付けるとき、上述のクリーニング部材14のたるみを解消するために、巻き取り軸12と巻き出し軸11の少なくとも一方を回転させる回転手段が設けられている。支持体をその取付部に装着するとき、押圧部材がクリーニング部材を介して被クリーニング体に当接することによって生じるクリーニング部材のたるみを解消すべく、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方を回転させる回転手段が設けられているのである。以下に、その具体的構成例を明らかにする。
【0033】
図1乃至図5に示すように、支持体10の外部に突出した巻き取り軸12の各端部には、例えば非発泡のゴム又は発泡体などの弾性体より成る回転体25A,25Bが固定されている。各回転体25A,25Bと支持体10の各側壁10A,10Bの間に、前述の軸受21A,21Bがそれぞれ位置している。
【0034】
一方、定着装置の本体フレーム5を構成する各側板3A,3Bには、その外方向に向けて突出し、前述の各切欠22,22Aに対して平行に延びるフランジ26A,26Bが、それぞれの各側板3A,3Bに一体に形成されている。
【0035】
ここで、図3に示すように支持体10を本体フレーム5に取付けるべく、各軸受21A,21Bを各切欠22A,22Bに嵌合し、支持体10を図1に矢印Bで示した方向に押し込んで行くと、前述のように押圧ローラ13がクリーニング部材14を介して定着ローラ6に圧接し、その押圧ローラ13が、圧縮ばね19A,19Bを圧縮させながら、支持体10に対して図3に矢印Cで示した方向に移動する。これによってクリーニング部材14がたるもうとする。
【0036】
ところが、各軸受21A,21Bが各切欠22A,22B中を転動し、ないしは摺動しながら移動するとき、図4及び図5に示すように、回転体25A,25Bが、本体フレーム5に突設された各フランジ26A,26Bに圧接し、各フランジ26A,26Bから受ける外力によって図5における時計方向に回転する。このため、巻き取り軸12も図1における時計方向に回転するので、たるみ又はたるもうとしたクリーニング部材14はこの巻き取り軸12に巻き取られ、そのたるみの少なくとも一部がなくなる。
【0037】
このようにして、クリーニング部材14のたるみが完全になくなり、又はそのたるみ量が少なくなるため、駆動モータによって巻き取り軸12を回転駆動して定着ローラ6を清掃する動作を開始したとき、従来のような不具合が発生することはない。支持体10を本体フレーム5に装着するとき、クリーニング部材14のたるみの全てがなくなるように、回転体25A,25Bを介して巻き取り軸12を回転させてもよいが、巻き取り軸12と押圧ローラ13の間のクリーニング部材14の部分のたるみがなくなるように、巻き取り軸12を回転させれば、清掃動作の開始時に従来のような問題が生じることはない。またクリーニング部材14のたるみの一部だけをなくすようにしても、従来の欠点の発生を効果的に抑えることができる。
【0038】
支持体10が図1及び図2に示すように本体フレーム5に対する所定の位置にセットされ、各軸受21A,21Bが各切欠22A,22Bの奥側の端部に突き当ったとき、各回転体25A,25Bは各フランジ26A,26Bから離れる。このため、定着ローラ6の清掃動作が開始され、巻き取り軸12が駆動モータによって回転駆動されたとき、その巻き取り軸12がフランジ26A,26Bから摩擦力を受けることはなく、巻き取り軸12は円滑に回転することができる。
【0039】
上述した例では、巻き取り軸12の長手方向各端部に回転体25A,25Bをそれぞれ固定配置し、これらを各フランジ26A,26Bに圧接させて回転させたので、巻き取り軸12を確実に回転させ、クリーニング部材14の緩みを確実に矯正することができるが、いずれか一方の回転体と、これが圧接するフランジを設けるだけであっても、支持体10の装着時に巻き取り軸12を前述のように回転させることができる。
【0040】
また、本例では巻き取り軸12に軸受21A,21Bを回転自在に設け、これらを各切欠22A,22Bに回転自在に嵌合させたので、支持体10のセット時に回転体25A,25Bを円滑かつ確実に回転させることができるが、かかる軸受21A,21Bを省略し、巻き取り軸12の各端部を各切欠22A,22Bに直に嵌合させてもよい。
【0041】
さらに、図示した例では、回転体25A,25Bを弾性体により構成し、これらを各フランジ26A,26Bに圧接させて弾性変形させ、各フランジ26A,26Bから各回転体25A,25Bに対して確実に摩擦力が加えられるように構成したが、回転体を剛体によって構成することもできる。また回転体を歯車によって構成し、フランジにその歯車の歯が噛み合う歯を形成して当該フランジをラックとして構成し、支持体10を本体フレーム5に装着するとき、歯車より成る回転体を、上記ラックに係合させて回転させ、巻き取り軸12をより確実かつ積極的に回転させるように構成してもよい。
【0042】
また、図示した例では、巻き取り軸12に回転体25A,25Bを固定し、支持体10の装着時に巻き取り軸12を回転させたが、巻き出し軸11に回転体(図示せず)を固定し、これに対応する本体フレーム5の部分にフランジ(同じく図示せず)を突設し、支持体10を本体フレーム5に装着するとき、その回転体を回転させ、巻き出し軸11を図1における反時計方向に回転させて、クリーニング部材14のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくするように構成してもよい。
【0043】
その際、この回転体を弾性体で構成した場合、支持体10を図1及び図2に示した所定の位置にセットした後も、その回転体が本体フレーム5に突設されたフランジに当接したままとなるように構成してもよく、このようにすると、清掃動作中に回転体がフランジから摩擦力を受け、巻き出し軸11に制動作用が及ぼされる。これにより、清掃動作中にクリーニング部材14が緩み、これにたるみができる不具合を防止できる。
【0044】
また、巻き取り軸12と巻き出し軸11の両者に回転体を設け、支持体10の装着時に巻き出し軸11と巻き取り軸12を共に回転させ、クリーニング部材14のたるみを解消するように構成することもできる。
【0045】
以上のように、図示した例では、回転体とフランジが、支持体10を本体フレーム5によって構成される取付部に装着するとき、押圧ローラ13がクリーニング部材14を介して定着ローラ6より成る被クリーニング体に当接することによって生じるクリーニング部材14のたるみを解消すべく、巻き取り軸12と巻き出し軸11の少なくとも一方を回転させる回転手段を構成している。
【0046】
その際、フランジは、支持体10が本体フレーム5に装着されつつあるとき、巻き取り軸12と巻き出し軸11の少なくとも一方に対して、これが回転する外力を付与する外力付与部の一例を構成し、本例では、回転体を介して、巻き取り軸と巻き出し軸の少なくとも一方がその外力付与部に接触している。これに対し、かかる回転体をなくし、巻き取り軸12ないしは巻き出し軸11が、例えばフランジより成る外力付与部に直に接触して回転するように構成することもできる。
【0047】
上述したところから判るように、回転手段は、支持体10がその取付部に装着されつつあるとき、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に直接又は間接的に接触して、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に対して、これが回転する外力を付与する外力付与部を具備する。
【0048】
また、本例のクリーニング装置においては、外力付与手段、すなわちフランジが、支持体10の取付部を構成する部材、すなわち本体フレーム5に設けられているので、その全体構成を簡素化し、巻き出し軸11ないしは巻き取り軸12を確実に回転させることができる。
【0049】
さらに、本例のクリーニング装置のように、回転手段が、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に固定された回転体を具備し、支持体10が取付部に装着されつつあるとき、回転体が外力付与部に接触して回転するように構成することにより、巻き取り軸12ないしは巻き出し軸11をより確実に回転させることができる。
【0050】
また、フランジより成る外力付与部や回転体より成る回転手段の代りに、本体フレーム5又は画像形成装置本体に、図示していないマイクロスイッチ、或いは赤外線センサの如きフォトセンサなどの検知手段を設け、支持体10が本体フレーム5より成る取付部に装着されたことをその検知手段により検知し、その検知信号に基づく制御装置(図示せず)の制御によって、前述の駆動モータより成る駆動手段を作動させ、これによって巻き取り軸12を所定時間だけ、図1における時計方向に回転させ、クリーニング部材14のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくするように構成することもできる。
【0051】
この場合には、前述の回転手段は、支持体10がその取付部に装着されたことを検知する検知手段と、その検知手段によって支持体10が取付部に装着されたことが検知されたとき、巻き取り部材を回転駆動すべく、その駆動手段を所定時間作動させる制御装置とを具備する。
【0052】
或いは、例えば画像形成装置本体に図示していない手動スイッチを設けておき、操作者が支持体10、すなわちユニット23を本体フレーム5に装着した後、そのスイッチを操作して駆動モータを所定時間だけ作動させ、これによって巻き取り軸12を図1における時計方向に回転させ、これによってクリーニング部材14のたるみを解消するように構成することもできる。この構成によれば、支持体10を本体フレーム5にセットしたときのクリーニング部材14のたるみ状態に応じて、操作者がスイッチを操作し、クリーニング部材14のたるみを解消することができる。
【0053】
かかる構成の場合には、前述の回転手段は、支持体10がその取付部に装着されたとき、巻き取り部材用の駆動手段を所定時間作動させるべく、操作者によって操作されるスイッチを具備する。
【0054】
上述した2つの構成によれば、巻き取り軸12用の駆動モータを利用して、クリーニング部材14のたるみを解消することができるので、専用の駆動手段を設けた場合に比べ、低コストで回転手段を構成することができる。
【0055】
以上、定着ローラ6を清掃するクリーニング装置の構成を説明したが、本発明は、画像形成装置において使用されるドラム状又はベルト状の像担持体、シート搬送ローラ、給紙ローラ、図1乃至図3に示した定着装置の加圧ローラなどの回転体や、その他の各種機械装置に用いられる要素を被クリーニング体としたクリーニング装置にも広く適用できるものである。
【0056】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、支持体をその取付部に装着したとき、クリーニング部材のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくすることができるので、被クリーニング体に対する清掃動作を開始した直後から、そのクリーニング性能を高く保つことができる。しかも、外力付与部を設けるという簡単な構成によってクリーニング部材のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくすることができる。
【0058】
請求項2に係る発明によれば、外力付与部の構成を簡素化し、しかも巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方を確実に回転させて、クリーニング部材のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくすることができる。
【0059】
請求項3に係る発明によれば、回転体と外力付与部の協働作用によって、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方を回転させるので、その回転をより確実に行うことができる。
【0060】
請求項4に係る発明によれば、支持体をその取付部に装着したとき、クリーニング部材のたるみをなくし、ないしはそのたるみ量を少なくすることができるので、被クリーニング体に対する清掃動作を開始した直後から、そのクリーニング性能を高く保つことができる。しかも巻き取り部材用の駆動手段を利用して、クリーニング部材のたるみをなしく、ないしはそのたるみ量を少なくすることができ、回転手段の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着装置とこれに組付けられたクリーニング装置を示す正面図である。
【図2】図1の垂直横断面図であって、転写紙を付加すると共に、定着装置の定着動作と、定着ローラの清掃動作を明らかにする図である。
【図3】定着装置の本体フレームに装着する前の支持体を示す斜視図である。
【図4】図5のIV−IV線断面図である。
【図5】支持体を本体フレームに取付けるときの様子を示す部分正面図である。
【符号の説明】
2 クリーニング装置
10 支持体
14 クリーニング部材
25A 回転体
25B 回転体

Claims (4)

  1. 取付部に着脱可能に装着される支持体と、該支持体に回転可能に支持された巻き出し部材と、同様に支持体に回転可能に支持された巻き取り部材と、該巻き取り部材を回転駆動する駆動手段と、該駆動手段により前記巻き取り部材が回転駆動されることによって前記巻き出し部材から繰り出され、前記巻き取り部材に巻き取られる可撓性を有するクリーニング部材と、被クリーニング体に対して接近又は離間する向きに移動可能に、かつ回転可能に前記支持体に支持され、前記巻き出し部材と巻き取り部材の間のクリーニング部材部分を前記被クリーニング体に押圧する押圧部材と、該押圧部材をクリーニング部材を介して被クリーニング体に対して加圧する加圧部材とを具備するクリーニング装置において、
    前記支持体を前記取付部に装着するとき、前記押圧部材がクリーニング部材を介して被クリーニング体に当接することによって生じるクリーニング部材のたるみを解消すべく、前記巻き取り部材と前記巻き出し部材の少なくとも一方を回転させる回転手段を設け、該回転手段は、前記支持体が取付部に装着されつつあるとき、前記巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に直接又は間接的に接触して、巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に対して、これが回転する外力を付与する外力付与部を具備していることを特徴とするクリーニング装置。
  2. 前記外力付与部が前記取付部を構成する部材に設けられている請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. 前記回転手段は、前記巻き取り部材と巻き出し部材の少なくとも一方に固定された回転体を具備し、前記支持体が取付部に装着されつつあるとき、前記回転体が前記外力付与部に接触して回転する請求項1又は2に記載のクリーニング装置。
  4. 取付部に着脱可能に装着される支持体と、該支持体に回転可能に支持された巻き出し部材と、同様に支持体に回転可能に支持された巻き取り部材と、該巻き取り部材を回転駆動する駆動手段と、該駆動手段により前記巻き取り部材が回転駆動されることによって前記巻き出し部材から繰り出され、前記巻き取り部材に巻き取られる可撓性を有するクリーニング部材と、被クリーニング体に対して接近又は離間する向きに移動可能に、かつ回転可能に前記支持体に支持され、前記巻き出し部材と巻き取り部材の間のクリーニング部材部分を前記被クリーニング体に押圧する押圧部材と、該押圧部材をクリーニング部材を介して被クリーニング体に対して加圧する加圧部材とを具備するクリーニング装置において、
    前記支持体を前記取付部に装着するとき、前記押圧部材がクリーニング部材を介して被クリーニング体に当接することによって生じるクリーニング部材のたるみを解消すべく、前記巻き取り部材を回転させる回転手段を設け、該回転手段は、前記支持体が取付部に装着されたことを検知する検知手段と、該検知手段によって支持体が取付部に装着されたことが検知されたとき、前記巻き取り部材を回転駆動すべく、前記駆動手段を所定時間作動させる制御装置とを具備していることを特徴とするクリーニング装置。
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