JP3832336B2 - 信号切換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ付きドアホン子器と、テレビ付きインターホン親機とに2線ケーブルによって各々接続した信号切換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カメラ付きドアホン子器(以下、カメラ子機と称する)のテレビカメラによって撮影した映像をテレビ付きインターホン親機(以下、テレビ親機と称する)のモニターテレビに映し出し、来訪者の映像を確認して通話を行うテレビドアホンシステムにおいて、図5に示すようにテレビ親機2には複数のカメラ子機3を直接接続でき、これらの中からいずれかのカメラ子機を選択して接続動作が可能なシステムがある。
【0003】
テレビ親機2−カメラ子機3間は、2線平衡ケーブル4によって各々接続され、音声信号、映像信号、制御信号、直流給電の周波数分割多重化伝送が行われている。テレビ親機2内部には複数のカメラ子機3に対する接続切換回路を備えており、テレビ親機2自身の操作や、他の機器からの制御信号によって、複数のカメラ子機3から1台を選択して接続している。
【0004】
このようなシステムにあっては、切換選択してテレビ親機2に接続できるカメラ子機3は、同一機種に限定されており、その接続台数もテレビ親機2に装備されている入力端子の台数分に限定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のテレビ親機2をそのまま用いて、カメラ子機3の台数を増やしたりカメラ子機3以外に他の映像信号や音声信号をテレビ親機2に接続する機能を追加する場合には、親機2とカメラ子機3とを接続している2線平衡ケーブル4に中継的な機能を有した信号切換装置を挿入する方法が考えられるが、その場合、下記1〜8のような技術的課題を解決する必要が生じる。
【0006】
1.テレビ親機2に対しては必ず1台のみのカメラ子機3が選択接続される構成で、通話と映像の品質を確保するためにテレビ親機2−カメラ子機3間の伝送インピーダンスや周波数特性を劣化させない回路構成であること。
【0007】
2.カメラ子機3をテレビ親機2から切り離し、別の信号をテレビ親機2に接続した場合でも、切り離されたカメラ子機3が出力する来客からの呼出しを継続して検知できる回路構成であること。
【0008】
3.カメラ子機3を増設したり、カメラ子機3以外の他の信号系をテレビ親機2へ接続した場合にも、いずれのカメラ子機3からの呼出しに対しても、テレビ親機2が呼出し報知の機能を損なわない構成であること。
【0009】
4.テレビ親機2といずれかのカメラ子機3とが既に接続されて動作状態にあるとき、信号切換装置側の一方的な操作切換えによってその動作を妨害しないために、テレビ親機2が動作状態にあることを信号切換装置側が検知できる回路構成であること。
【0010】
5.テレビ親機2の端子は有極性であり、信号切換装置をこの端子に接続する場合、カメラ子機3と同様に極性を意識することなく無極性接続が可能であり、また、信号切換装置にカメラ子機3を接続する場合も無極性接続が可能な回路構成であること。
【0011】
6.テレビ親機2に接続する信号として、カメラ子機3の出力信号だけでなく、文字信号や絵柄パターンを表示したり、その他の映像信号を表示する場合には、テレビ親機2から見てあたかもカメラ子機3が接続されているのと同じ構成とするために、信号切換装置内にカメラ子機3と同じインターフェース回路を構成し、このインターフェース回路への入力信号をアナログスイッチなどで切換えることにより、平衡2線伝送線路を切換えること無しに簡単に複数の映像信号を切換えてテレビ親機2に接続できる構成であること。
【0012】
7.テレビ親機2の画面にカメラ子機3以外の映像を表示するための切換操作を行った場合に、テレビ親機2のスピーカから信号音を出力できる構成であること。
【0013】
8.信号切換装置はテレビ親機2とカメラ子機3との間に挿入されるので、カメラ子機3の呼出しボタン操作と信号切換装置の切換操作とが同時になされた場合、信号切換装置側の操作が優先されることなく、従来通りカメラ子機3からの来客報知を優先させる構成であること。
【0014】
すなわち、上記1〜8の技術的課題を解決した信号切換装置が望まれていた。
【0015】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、テレビ親機の一つのカメラ子機接続端子を用いて、複数のカメラ子機や、他の映像及び音声信号を接続可能とし、実質的に接続できるカメラ子機の数を増やすのみならず、絵文字表示や音信号出力の機能を増加させることのできる機能豊富な信号切換装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、テレビカメラによって撮影した映像信号を出力するカメラ付きドアホン子器、及び映像信号を入力して映像を映し出すとともに接続したカメラ付きドアホン子器に電源を供給するテレビ付きインターホン親機に2線ケーブルによって各々接続しており、
映像信号及び音声信号を出力する信号回路と、テレビ付きインターホン親機−カメラ付きドアホン子器間を外部からの第1の操作を受けて接続し、第2の操作を受けて遮断する第1のスイッチ回路と、テレビ付きインターホン親機−信号回路間を外部からの第1の操作を受けて遮断し、第2の操作を受けて接続する第2のスイッチ回路と、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが接続していない場合にはカメラ付きドアホン子器に電源を供給する給電回路と、カメラ付きドアホン子器−給電回路間を外部からの第1の操作を受けて遮断し、第2の操作を受けて接続する第3のスイッチ回路とを備えて、
外部からの第1の操作によってテレビ付きインターホン親機にカメラ付きドアホン子器が出力する映像信号を入力し、且つテレビ付きインターホン親機からカメラ付きドアホン子器に電源を供給して、第2の操作によってテレビ付きインターホン親機に信号回路が出力する映像信号及び音声信号を入力し、且つ給電回路からカメラ付きドアホン子器に電源を供給することを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、カメラ付きドアホン子器が出力する来客からの報知である呼出信号を検出する呼出信号検出回路を備え、前記第3のスイッチ回路は、外部からの第1の操作を受けてカメラ付きドアホン子器−給電回路、呼出信号検出回路間を遮断し、第2の操作を受けてカメラ付きドアホン子器−給電回路、呼出信号検出回路間を接続することを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、呼出信号検出回路がカメラ付きドアホン子器からの呼出信号を検出したとき、カメラ付きドアホン子器に代わってテレビ付きインターホン親機に対して呼出信号を発信する呼出信号発信回路を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの発明において、テレビ付きインターホン親機がカメラ付きドアホン子器に供給する電源は、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが通話動作状態にあるときは動作電圧域内にあり、通話動作状態にないときは動作電圧域と異なる待機電圧域内にあり、テレビ付きインターホン親機に接続している2線ケーブルの線間電圧が前記動作電圧域内にあるか、または前記待機電圧域内にあるかにより親機側の通話動作状態を判別する電圧検出回路を備え、前記電圧検出回路の入力側は、テレビ付きインターホン親機を無極性で接続するためのダイオードブリッジを備え、出力側はテレビ付きインターホン親機に対して電気絶縁を保つために絶縁素子を備えていることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、カメラ付きドアホン子器はテレビ付きインターホン親機とのインターフェースとして、テレビ付きインターホン親機から供給される電源を無極性で接続するためのダイオードブリッジと、音声信号を入出力するための音声信号通信回路と、映像信号を出力するための映像信号出力回路とを備えており、信号回路は前記カメラ付きドアホン子器と同様にテレビ付きインターホン親機とのインターフェースとして、前記ダイオードブリッジと、前記音声信号通信回路と、前記映像信号出力回路とを備えることを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、信号回路は、複数の音声信号から1つの音声信号を選択して音声信号通信回路に出力する音声信号選択回路と、複数の映像信号から1つの映像信号を選択して映像信号出力回路に出力する映像信号選択回路とを備えることを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、信号回路は、操作毎に擬音を発生する音声信号を出力する擬音発生回路と、待ち受け画面として絵文字またはブルーバック画面または前記カメラ付きドアホン子器以外のカメラからの映像を映し出す映像信号を出力する映像信号発生回路とを備えることを特徴とする。
【0023】
請求項8の発明は、請求項3乃至7いずれかの発明において、呼出信号検出回路がカメラ付きドアホン子器からの呼出信号を検出したと同時に外部からの第2の操作が為されたときは、第1の操作による動作を優先して行う判断手段を備えることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態の信号切換装置1の内部ブロック図を示し、図2は基本外部接続図を示す。信号切換装置1は、テレビ親機接続端子1aに一端を接続した2線平衡ケーブル4を介してテレビ付きインターホン親機2(以下、テレビ親機2と称する)に接続され、カメラ子機接続端子1bに一端を接続した2線平衡ケーブル4を介してカメラ付きドアホン子器3(以下、カメラ子機3と称する)に接続される。ここで、テレビ親機2−信号切換装置1−カメラ子機3間は、2線平衡ケーブル4を介して、音声信号、映像信号、制御信号、直流給電の周波数分割多重化伝送が行われ、カメラ子機3のテレビカメラによって撮影した映像をテレビ親機2のモニターテレビに映し出し、来訪者の映像を確認して通話を行うテレビドアホンシステムを構成している。
【0025】
信号切換装置1は、マイコン10により開閉を制御されるスイッチ回路としてリレー接点11a,11b,11cを有するリレー回路11を備えており、一対のテレビ親機接続端子1a及び一対のカメラ子機接続端子1bは、一対の接続線路Aとリレー接点11aとの直列回路を介して互いに接続されており、接続線路Aの一端側は回路電圧検出回路14に接続し、他端側はリレー接点11bを介して信号回路15に接続している。
【0026】
また、一対のカメラ子機接続端子1bの一方の端子はリレー接点11cを介して給電回路12に接続し、一端を12V電源に接続した抵抗R3(1kΩ)の他端を介して、一端をグランドに接続した呼出信号検出回路13の抵抗R4,R5の直列回路の他端に接続しており、抵抗R4,R5の接続中点はマイコン10に接続される。一対のカメラ子機接続端子1bの他方の端子はリレー接点11cを介してグランドレベルに接続している。
【0027】
外部からリレー回路11を切換える第1の操作が為されて、信号切換装置1が通常の待機状態にあるとき、リレー接点11aは閉じた状態であり、リレー接点11b,11cは開放の状態になっている。この場合、図1に示すようにテレビ親機2とカメラ子機3とは、テレビ親機接続端子1a、接続線路A、リレー接点11a、カメラ子機接続端子1bを介して2線平衡ケーブル4で接続された状態にある。このテレビ親機2とカメラ子機3とが接続された状態において、接続線路Aの状態に影響を与えるのは回線電圧検出回路14のみである。
【0028】
ここでテレビ親機2とカメラ子機3とが接続された状態では、テレビ親機2がカメラ子機3に電源を供給しており、その電源電圧はテレビ親機2とカメラ子機3とが映像/音声の通話動作状態にあるときは動作電圧域である約20V以上であり、通話動作状態にない待機状態のときは待機電圧域内である約8V以下である。回線電圧検出回路14はテレビ親機2に接続している2線平衡ケーブル4の線間電圧、すなわち接続線路A間の直流電圧が動作電圧域内か、または待機電圧域内であるかを判定する動作を行うことで、親機側の通話動作状態を判別するものである。このときの判定閾値は、20Vと8Vとの中間値である約14Vに設定されている。
【0029】
ここで、回線電圧検出回路14のみを抜き出した回路構成図を図3に示す。回路電圧検出回路14は、テレビ親機2とカメラ子機3とを接続する接続線路A間に並列に挿入されており、一対の接続線路A間に接続した高周波除去用のフィルタコイルL1,L2、及び2線平衡ケーブル4の線間電圧(直流電圧)を無極性化するダイオードブリッジDB1の直列回路と、ダイオードブリッジDB1の出力端間に接続したツェナ電圧10VのツェナダイオードZD1、フォトカプラPC1の入力LED、及び抵抗R1(3kΩ)の直列回路と、一端を5V電源に接続し、他端をフォトカプラPC1の出力トランジスタのコレクタに接続した抵抗R2(10kΩ)とから構成される。フォトカプラPC1は、接続線路Aとマイコン10とを絶縁して、接続線路Aに他の回路からの影響を与えないために用いられている。
【0030】
次にこの回線電圧検出回路14の動作について説明する。接続線路A間の直流電圧が約14V以上になったっとき、フォトカプラPC1の入力LEDにはオン電流が流れて出力トランジスタはオンして、出力トランジスタのコレクタ電圧、すなわち回線電圧検知信号S1はLowレベルとなるので、マイコン10は、接続線路A間の直流電圧が動作電圧域内であり、テレビ親機2とカメラ子機3とが通話動作状態にあることを検知できる。
【0031】
また、接続線路A間の直流電圧が約14V以下のときは、フォトカプラPC1の入力LEDにはオン電流が流れず出力トランジスタはオフして、出力トランジスタのコレクタ電圧、すなわち回線電圧検知信号S1はHighレベルとなるので、マイコン10は、接続線路A間の直流電圧が待機電圧域内であり、テレビ親機2とカメラ子機3とが待機状態にあることを検知できる。
【0032】
テレビ親機2とカメラ子機3とが待機状態にあれば、回線電圧検出回路14に流れ込む電流はほぼゼロであるので、テレビ親機2とカメラ子機3との待機時動作に影響を与えることはない。しかし接続線路A間の直流電圧が約14V以上(すなわちテレビ親機2とカメラ子機3とが通話動作状態)あれば、接続線路Aから回線電圧検出回路14に約2〜3mAが流れ込む。この電流値は、例えば接続線路A間の直流電圧が20Vならば、20Vから、ダイオードブリッジDB1のフォワードドロップ電圧:約1.5Vと、ツェナダイオードZD1のツェナ電圧:10Vと、フォトカプラPC1の入力LEDのドロップ電圧:約2Vとを引いた約6Vが抵抗R1:3kΩにかかることから、約2mAとして算出される。
【0033】
ここで、テレビ親機2とカメラ子機3とが通話動作状態であれば、テレビ親機2からカメラ子機3に対して約200mAの給電がなされており、カメラ子機3の並列に挿入された回線電圧検出回路14において約2mAの電流が消費されたとしてもカメラ子機3の動作に与える影響、及びテレビ親機2に与える影響は無視できる。
【0034】
さらに、回線電圧検出回路14の回線線路A間の交流インピーダンスも抵抗R1の抵抗値である3kΩ以上あるので、映像伝送インピーダンスの100Ω、及び音声帯域の伝送インピーダンス約300Ωに比べて十分に高く、交流信号においてもテレビ親機2−カメラ子機3間の映像/音声通話の動作に与える影響は無視できる。
【0035】
すなわち、上記のように本発明の信号切換装置1が待機状態にあっては、伝送路に影響を与えることなくテレビ親機2とカメラ子機3との接続を保つと共に回線電圧検出回路14の働きによって、テレビ親機2−カメラ子機3間の通話動作状態を監視することができる。
【0036】
次に図1において、外部からリレー回路11を切換える第2の操作が為され、リレー接点11aが開放の状態になり、リレー接点11b,11cが閉じた状態になった場合の動作について説明する。この場合、テレビ親機2と信号回路15とは、テレビ親機接続端子1a、接続線路A、リレー接点11bを介して接続された状態にある。またカメラ子機3と給電回路12,呼出信号検出回路13とは、カメラ子機接続端子1b、リレー接点11cを介して接続された状態にある。
【0037】
まず、信号回路15の構成について説明する。信号回路15は、テレビ親機2との接続部となるインターフェース回路Bと、擬音を発生する音声信号を出力する擬音発生回路16と、種々の映像信号を出力する映像信号発生回路17と、擬音発生回路16の出力及び音楽等の他の音声信号を接続される音声信号選択回路18と、映像信号発生回路17の出力及び他の映像信号(テレビ親機2とは別の監視カメラ等)を接続される映像信号選択回路19と、インターフェース回路Bを介してテレビ親機2から電源を供給されて内部電源を生成している内部電源回路30とから構成され、音声信号選択回路18及び映像信号選択回路19はインターフェース回路Bに接続される。
【0038】
インターフェース回路Bは、リレー接点11bを介して一対の接続線路A間に接続した高周波除去用のフィルタコイルL3,L4、及び2線平衡ケーブル4の線間電圧(直流電圧)を無極性化するダイオードブリッジDB2の直列回路と、ダイオードブリッジDB2の出力端間に接続した、ダーリントン接続したトランジスタTr1,Tr2、抵抗R6、及びコンデンサC2(330μF)の直列回路と、トランジスタTr1及び抵抗R6の直列回路に並列接続して接続中点をトランジスタTr2のベースに接続した抵抗R7(10kΩ)及び抵抗R8(100kΩ)の直列回路と、抵抗R8に並列接続されたコンデンサC1(22μF)と、マイコン10及び抵抗R6とコンデンサC2との接続中点に接続した呼出信号発信回路15bと、ダイオードブリッジDB2の正出力側に接続した制御信号回路15cと、ダイオードブリッジDB2の正出力側及び音声信号選択回路18に接続した音声信号通信回路15dと、リレー接点11bを介して一対の接続線路A間に接続した映像FM信号送出回路15aと、映像FM信号送出回路15a及び映像信号選択回路19に接続した映像信号FM変調器15eとから構成される。ここで、映像FM信号送出回路15a及び映像信号FM変調器15eは映像信号をテレビ親機2に対して出力するための映像信号出力回路を構成している。
【0039】
映像FM信号送出回路15aは、リレー接点11bを介して一対の接続線路A間に接続したコンデンサC6,C7、抵抗R12,R14、トランスT1の2次コイルの直列回路と、トランスT1の2次コイルに並列接続した抵抗R11と、抵抗R12,R14を介して抵抗R11に並列接続した抵抗R13と、一端をグランドレベルに接続したトランスT1の1次コイルの他端に直列接続したコンデンサC5及び抵抗R10の直列回路とから構成され、トランスT1の1次コイルはコンデンサC5及び抵抗R10を介して映像信号FM変調器に接続される。
【0040】
また、内部電源回路30は、抵抗R6とコンデンサC2との接続中点に接続されている。
【0041】
次に、信号回路15の動作について説明する。まず、ダーリントン接続したトランジスタTr1,Tr2、抵抗R6,R7,R8、コンデンサC1,C2は、受電回路を構成しており、テレビ親機2から供給される電源はダイオードブリッジDB2によって無極性化され、前記受電回路のダーリントン接続されたトランジスタTr1,Tr2、抵抗R6を介して、内部電源回路30によって信号切換装置1の回路電源としても使用されるため、所定の電源制御が行われる。
【0042】
呼出信号発信回路15bは、出力端側にトランジスタ素子(図示なし)を持っており、マイコン10から数百ミリ秒間のトランジスタオン信号が出力されて、このトランジスタ素子がオンし、トランジスタTr1,Tr2、抵抗R6,R7,R8、コンデンサC1,C2からなる受電回路の電流量を一瞬増加させる。この電流増加の結果、ダイオードブリッジDB2のリレー接点11b側の回線電圧が数百ミリ秒間、低下する。リレー接点11b、接続線路A、テレビ親機接続端子1aを介して接続しているテレビ親機2は、常に回線電圧を監視しており、先に述べた数百ミリ秒間の電圧低下を検知すると、呼出信号発信回路15bからの呼び出しがあったものと判定する。
【0043】
制御信号回路15cは、リレー接点11b、接続線路A、テレビ親機接続端子1aを介して接続しているテレビ親機2から、ASK変調された制御信号が送られてくる。このASK変調制御信号は、50キロヘルツキャリアで変調されており、ダイオードブリッジDB2の正出力側に接続したラインから、制御信号回路15c内部において、直流成分カット及び制御信号カップリング用のコンデンサを通った後ゲイン設定帰還抵抗を経て増幅され、ASK信号検波器で検波されることで50キロヘルツキャリアが解かれてASK伝送制御信号に変換されて、制御信号回路15cからマイコン10に出力される。
【0044】
そして、操作毎に擬音発生回路16が発生する種々の擬音、例えばリレー回路11の切換操作に連動した「ピッ」音や警報音等の擬音の音声信号や、他の音声信号として待ち受け中のBGM用の音楽信号や、音声メッセージ等の音声信号は音声信号選択回路18に入力され、音声信号選択回路18は入力された複数の音声信号から1つの音声信号を選択し、選択された音声信号は、音声信号通信回路15d内で増幅され、直流成分カット及び音声信号カップリング用のコンデンサを通った後、音声信号通信回路15dから、ダイオードブリッジDB2の正出力側に接続したライン、リレー接点11b、接続線路A、テレビ親機接続端子1aを介して接続しているテレビ親機2に出力される。
【0045】
またテレビ親機2に表示する映像として、待ち受け中の種々の絵文字表示のために映像信号発生回路17が発生する文字信号、絵信号、ブルーバック画面や、他の映像信号として監視カメラまたは他のカメラ子機が撮影した映像信号等は映像信号選択回路19に入力され、映像信号選択回路19は入力された複数の映像信号から1つの映像信号を選択して、選択された映像信号は、映像信号FM変調器15eでFM信号に変調され、映像FM信号送出回路15aを介してテレビ親機2に出力される。
【0046】
このような構成を有する信号回路15がリレー回路11の動作によってテレビ親機2と接続されたことは、別のカメラ子機3がテレビ親機2に対して接続されたことと同じ意味合いとなる。これは、リレー接点11bによってテレビ親機2に接続された信号回路15のインターフェース回路Bは、図4に示すカメラ子機3が備えるテレビ親機2とのインターフェース回路Bと同じ回路構成を備えているからである。
【0047】
ここでカメラ子機3の構成は、インターフェース回路Bと、電源回路のダーリントン接続されたトランジスタTr1,Tr2、抵抗R6を介してテレビ親機2から電源を供給されて内部電源を生成している内部電源回路30と、居室からの音声などを出力する音声出力スピーカに相当するスピーカ34と、送話音声を入力し電気的な音声信号に変換する通話マイクに相当するマイク35と、スピーカ32を駆動するために受話音声信号を増幅するスピーカアンプ32と、マイク35からの音声信号を増幅するためのマイクアンプ33と、送話及び受話を一対の配線によって行うために4線配線を2線配線に変換して音声信号通信回路15dに接続する2線4線変換回路31と、来訪者を撮影し映像信号FM変調器15eに映像信号を出力するカメラ回路36とを備えており、インターフェース回路Bの構成は信号切換装置1のインターフェース回路Bと同様の構成である。
【0048】
そして、図1においてリレー接点11aが開放の状態になり、テレビ親機2と切り離されたカメラ子機3に対しては、リレー接点11cが閉じることにより給電回路12の抵抗R3(1kΩ)を介して12V電源から電源を供給するとともに、カメラ子機3の呼出信号発信回路15bから発信された呼出信号を、カメラ子機接続端子1b、リレー接点11c、給電回路12を介して呼出信号検出回路13で受けて、抵抗R4,R5の接続中点の電圧を呼出検出信号S2としてマイコン10に伝達する。そして、マイコン10がインターフェース回路Bの呼出信号発信回路15bに呼出信号を発信するよう指示し、呼出信号発信回路15bがダイオードブリッジDB2のリレー接点11b側の回線電圧を数百ミリ秒間、低下させることによって、リレー接点11b、接続線路A、テレビ親機接続端子1aを介して呼出信号を伝達して、テレビ親機2にて呼出検出を行うことができる。
【0049】
このように本発明の信号切換装置1に内蔵された信号回路15には、カメラ子機3と同じインターフェース回路Bを備えているので、テレビ親機2と切り離されたカメラ子機3からの呼出しを、呼出信号検出回路13によってマイコン10が検知した場合でも呼出信号発信回路15bを作動させて、カメラ子機3に代わってテレビ親機2へ呼出しを通知することができ、その上で、リレー接点11aを閉じた状態、リレー接点11b,11cを開放の状態に切換えることで、テレビ親機2とカメラ子機3とを再び接続し、テレビ親機2−カメラ子機3間の本来の動作を復帰実現することができる。
【0050】
さらにテレビ親機2からカメラ子機3を切り離し、信号回路15に接続しているときだけでなく、呼出信号検出回路13がカメラ子機3からの呼出信号を検出したと同時に外部からの第2の操作が為されたときにも、マイコン10は、第1の操作による切換動作、即ちテレビ親機2とカメラ子機3とを優先して接続する判断手段を備えるので、来客からの報知を無視することなく、カメラ子機3との接続が優先されて、ドアホンとしての従来の報知機能を維持することができる。
【0051】
【発明の効果】
請求項1の発明は、テレビカメラによって撮影した映像信号を出力するカメラ付きドアホン子器、及び映像信号を入力して映像を映し出すとともに接続したカメラ付きドアホン子器に電源を供給するテレビ付きインターホン親機に2線ケーブルによって各々接続しており、
映像信号及び音声信号を出力する信号回路と、テレビ付きインターホン親機−カメラ付きドアホン子器間を外部からの第1の操作を受けて接続し、第2の操作を受けて遮断する第1のスイッチ回路と、テレビ付きインターホン親機−信号回路間を外部からの第1の操作を受けて遮断し、第2の操作を受けて接続する第2のスイッチ回路と、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが接続していない場合にはカメラ付きドアホン子器に電源を供給する給電回路と、カメラ付きドアホン子器−給電回路間を外部からの第1の操作を受けて遮断し、第2の操作を受けて接続する第3のスイッチ回路とを備えて、
外部からの第1の操作によってテレビ付きインターホン親機にカメラ付きドアホン子器が出力する映像信号を入力し、且つテレビ付きインターホン親機からカメラ付きドアホン子器に電源を供給して、第2の操作によってテレビ付きインターホン親機に信号回路が出力する映像信号及び音声信号を入力し、且つ給電回路からカメラ付きドアホン子器に電源を供給するので、第1の操作を為した通常時はテレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器との間の信号に影響を与えることなく、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とを接続し動作させることができ、第2の操作を為してスイッチ回路の切換動作を行えば、信号回路が出力する信号、例えば監視カメラの信号等をテレビ付きインターホン親機へ接続することができ、且つ信号回路と親機とが接続された場合にもカメラ付きドアホン子器への給電を行うことができるという効果がある。
【0052】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、カメラ付きドアホン子器が出力する来客からの報知である呼出信号を検出する呼出信号検出回路を備え、前記第3のスイッチ回路は、外部からの第1の操作を受けてカメラ付きドアホン子器−給電回路、呼出信号検出回路間を遮断し、第2の操作を受けてカメラ付きドアホン子器−給電回路、呼出信号検出回路間を接続するので、スイッチ回路の切換動作により、信号回路をテレビ付きインターホン親機に接続した場合にも、カメラ付きドアホン子器からの来客呼出しを継続して検出することができるという効果がある。
【0053】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、呼出信号検出回路がカメラ付きドアホン子器からの呼出信号を検出したとき、カメラ付きドアホン子器に代わってテレビ付きインターホン親機に対して呼出信号を発信する呼出信号発信回路を備えたので、スイッチ回路の切換動作により、信号回路をテレビ付きインターホン親機に接続している時にカメラ付きドアホン子器からの来客呼出しを検出した場合に、来客からの報知を無視することなく、本信号切換装置がカメラ付きドアホン子器に代わってテレビ付きインターホン親機に対して呼出信号を発信することで従来のテレビドアホンシステムと同様の機能を維持、実現できるという効果がある。
【0054】
請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの発明において、テレビ付きインターホン親機がカメラ付きドアホン子器に供給する電源は、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが通話動作状態にあるときは動作電圧域内にあり、通話動作状態にないときは動作電圧域と異なる待機電圧域内にあり、テレビ付きインターホン親機に接続している2線ケーブルの線間電圧が前記動作電圧域内にあるか、または前記待機電圧域内にあるかにより親機側の通話動作状態を判別する電圧検出回路を備え、前記電圧検出回路の入力側は、テレビ付きインターホン親機を無極性で接続するためのダイオードブリッジを備え、出力側はテレビ付きインターホン親機に対して電気絶縁を保つために絶縁素子を備えているので、テレビ付きインターホン親機の動作状態をテレビ付きインターホン親機が出力する信号に影響を与えることなく監視でき、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが既に接続された動作状態においては、外部からの切換操作による一方的な切換動作を禁止する制御が可能になり、テレビドアホンシステムとしての動作に支障をきたすことを防止できるという効果がある。
【0055】
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、カメラ付きドアホン子器はテレビ付きインターホン親機とのインターフェースとして、テレビ付きインターホン親機から供給される電源を無極性で接続するためのダイオードブリッジと、音声信号を入出力するための音声信号通信回路と、映像信号を出力するための映像信号出力回路とを備えており、信号回路は前記カメラ付きドアホン子器と同様にテレビ付きインターホン親機とのインターフェースとして、前記ダイオードブリッジと、前記音声信号通信回路と、前記映像信号出力回路とを備えるので、信号回路をテレビ付きインターホン親機に接続するときに、カメラ付きドアホン子器と同様に極性を意識することなく無極性接続を行うことができるという効果がある。
【0056】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、信号回路は、複数の音声信号から1つの音声信号を選択して音声信号通信回路に出力する音声信号選択回路と、複数の映像信号から1つの映像信号を選択して映像信号出力回路に出力する映像信号選択回路とを備えるので、テレビ付きインターホン親機はカメラ付きドアホン子器からの音声,映像信号だけでなく、複数の音声,映像信号の中から選択した信号を出力し、映し出すことができるという効果がある。
【0057】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、信号回路は、操作毎に擬音を発生する音声信号を出力する擬音発生回路と、待ち受け画面として絵文字またはブルーバック画面または前記カメラ付きドアホン子器以外のカメラからの映像を映し出す映像信号を出力する映像信号発生回路とを備えるので、テレビ付きインターホン親機の画面に、カメラ付きドアホン子器で撮影した映像以外の映像、例えば待ち受け画面としての文字信号や絵柄パターンやブルーバック画面、または他のカメラや他のカメラ付きドアホン子器で撮影した映像を映し出したり、あるいは切換動作に連動した「ピィ」音やBGM等のカメラ付きドアホン子器以外からの音声信号を出力することができるという効果がある。
【0058】
請求項8の発明は、請求項3乃至7いずれかの発明において、呼出信号検出回路がカメラ付きドアホン子器からの呼出信号を検出したと同時に外部からの第2の操作が為されたときは、第1の操作による動作を優先して行う判断手段を備えるので、スイッチ回路の切換動作により、テレビ付きインターホン親機をカメラ付きドアホン子器から切り離し、信号回路に接続しているときにも、来客からの報知を無視することなく、カメラ付きドアホン子器との接続が優先されて、ドアホンとしての従来の報知機能を維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の信号切換装置の内部ブロックを示す図である。
【図2】本発明の信号切換装置の基本外部接続を示す図である。
【図3】本発明の信号切換装置の回線電圧検出回路の回路構成を示す図である。
【図4】カメラ子機の内部ブロックを示す図である。
【図5】従来のテレビ親機とカメラ子機との接続を示す図である。
【符号の説明】
1 信号切換装置
11 スイッチ回路
11a,11b,11c リレー接点
12 給電回路
13 呼出信号検出回路
14 回線電圧検出回路
15 信号回路
A 接続線路
B インターフェース回路
Claims (8)
- テレビカメラによって撮影した映像信号を出力するカメラ付きドアホン子器、及び映像信号を入力して映像を映し出すとともに接続したカメラ付きドアホン子器に電源を供給するテレビ付きインターホン親機に2線ケーブルによって各々接続しており、
映像信号及び音声信号を出力する信号回路と、テレビ付きインターホン親機−カメラ付きドアホン子器間を外部からの第1の操作を受けて接続し、第2の操作を受けて遮断する第1のスイッチ回路と、テレビ付きインターホン親機−信号回路間を外部からの第1の操作を受けて遮断し、第2の操作を受けて接続する第2のスイッチ回路と、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが接続していない場合にはカメラ付きドアホン子器に電源を供給する給電回路と、カメラ付きドアホン子器−給電回路間を外部からの第1の操作を受けて遮断し、第2の操作を受けて接続する第3のスイッチ回路とを備えて、
外部からの第1の操作によってテレビ付きインターホン親機にカメラ付きドアホン子器が出力する映像信号を入力し、且つテレビ付きインターホン親機からカメラ付きドアホン子器に電源を供給して、第2の操作によってテレビ付きインターホン親機に信号回路が出力する映像信号及び音声信号を入力し、且つ給電回路からカメラ付きドアホン子器に電源を供給することを特徴とする信号切換装置。 - カメラ付きドアホン子器が出力する来客からの報知である呼出信号を検出する呼出信号検出回路を備え、前記第3のスイッチ回路は、外部からの第1の操作を受けてカメラ付きドアホン子器−給電回路、呼出信号検出回路間を遮断し、第2の操作を受けてカメラ付きドアホン子器−給電回路、呼出信号検出回路間を接続することを特徴とする請求項1記載の信号切換装置。
- 呼出信号検出回路がカメラ付きドアホン子器からの呼出信号を検出したとき、カメラ付きドアホン子器に代わってテレビ付きインターホン親機に対して呼出信号を発信する呼出信号発信回路を備えたことを特徴とする請求項2記載の信号切換装置。
- テレビ付きインターホン親機がカメラ付きドアホン子器に供給する電源は、テレビ付きインターホン親機とカメラ付きドアホン子器とが通話動作状態にあるときは動作電圧域内にあり、通話動作状態にないときは動作電圧域と異なる待機電圧域内にあり、テレビ付きインターホン親機に接続している2線ケーブルの線間電圧が前記動作電圧域内にあるか、または前記待機電圧域内にあるかにより親機側の通話動作状態を判別する電圧検出回路を備え、前記電圧検出回路の入力側は、テレビ付きインターホン親機を無極性で接続するためのダイオードブリッジを備え、出力側はテレビ付きインターホン親機に対して電気絶縁を保つために絶縁素子を備えていることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の信号切換装置。
- カメラ付きドアホン子器はテレビ付きインターホン親機とのインターフェースとして、テレビ付きインターホン親機から供給される電源を無極性で接続するためのダイオードブリッジと、音声信号を入出力するための音声信号通信回路と、映像信号を出力するための映像信号出力回路とを備えており、信号回路は前記カメラ付きドアホン子器と同様にテレビ付きインターホン親機とのインターフェースとして、前記ダイオードブリッジと、前記音声信号通信回路と、前記映像信号出力回路とを備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の信号切換装置。
- 信号回路は、複数の音声信号から1つの音声信号を選択して音声信号通信回路に出力する音声信号選択回路と、複数の映像信号から1つの映像信号を選択して映像信号出力回路に出力する映像信号選択回路とを備えることを特徴とする請求項5記載の信号切換装置。
- 信号回路は、操作毎に擬音を発生する音声信号を出力する擬音発生回路と、待ち受け画面として絵文字またはブルーバック画面または前記カメラ付きドアホン子器以外のカメラからの映像を映し出す映像信号を出力する映像信号発生回路とを備えることを特徴とする請求項6記載の信号切換装置。
- 呼出信号検出回路がカメラ付きドアホン子器からの呼出信号を検出したと同時に外部からの第2の操作が為されたときは、第1の操作による動作を優先して行う判断手段を備えることを特徴とする請求項3乃至7いずれか記載の信号切換装置。
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