JP3831114B2 - 高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造 - Google Patents
高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造 Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高架道路や高架鉄道等（以下、高架道路と総称する。）の桁下裏面側における景観性を向上し、下方の道路及び上方の高架道路を走行する自動車等に起因する騒音、反射音を低減する足場兼用吸音システムにおける歩廊材取付け構造の技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、高架道路の桁下裏面側における景観性を向上し、下方の道路及び上方の高架道路を走行する自動車等に起因する騒音、反射音を低減すると共に、点検、補修用の歩廊材吊り足場を兼ねる足場兼用吸音システムが、例えば本出願人が先に出願した特願平８−３０３１３６号明細書及び図面に提案されている。
【０００３】
上記の足場兼用吸音システムには、図６に例示したように、桁下裏面側に吊り下げた小梁２の上側フランジ２０の上面に歩廊材として図１又は図２に示したような形態の波形プレート３を載置する。波形プレート３は、波形の筋の長手方向に隣り合う端部３０、３０同士の間に、施工上又は加工上の誤差又は熱的な伸縮を吸収し、或いは道路の曲がりに沿って自在に設置できるように通例１０ｍｍ程度の隙間４をあけて並べられ、小梁２との交差部分がボルト止めされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記した歩廊材としての波形プレート３は、小梁２の上面２０から立ち上がる山の部分３２が小梁２の上面２０から浮き上がった形状のまま開口部３４を形成し、前記隙間４に連通する。
したがって、波形プレート３の上方又は下方から来る騒音は、図６に矢印Ｎ又はＮ′で示したように、前記隙間４及び開口部３４を通って双方向に漏れ出ることとなり、足場兼用吸音システムの騒音低減化の効果の点から好ましくない。
【０００５】
その上、点検、補修のために作業員が波形プレート３上を歩行するとき、作業員の足が隙間４に直近の一方の端部３０のみを踏みつけると、波形プレート３は薄板である故に作業員の体重Ｇにより当該端部は点線で図示したように下方へ撓み（沈み変形し）、隣接の変形しない端部３０との間に段差Ｈが生じ、この段差Ｈの故に作業員のつま先が引っ掛かって躓きよろける等、高所での歩行上の安全性を妨げるおそれがある。
【０００６】
この発明の目的は、波形プレートを小梁の上側フランジ上へ隙間をあけて取り付けたが故に発生する開口部分からの音漏れを防ぐとともに、作業員が波形プレート上を歩行する際に、つま先が躓いてよろけたり転倒する危険のない構成に改良した、高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、請求項１に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造は、
高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁に景観材、吸音材と共に歩廊材としての波形プレートが小梁の上側フランジ上に載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士は若干の隙間をあけて並べられ、波形プレートは小梁との交差部分がボルト止めされている高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造において、
前記波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士の上に跨って隙間を覆い、波形プレートの端部に重なるカバー部材が波形プレートと共に小梁へボルト止めされていること、
前記カバー部材は、波形プレートの山の部分と谷の部分の上面に重なる波形状とされ、波形プレートの谷の部分と当接する部位に同波形プレートのボルト孔と芯が一致する配置でボルト孔が設けられていること、
小梁の上側フランジへ固定されるクリップ部と、該クリップ部の上面に垂直なボルトとを備えたクリップボルトを小梁の上側フランジに設置し、前記カバー部材のボルト孔及び前記波形プレートのボルト孔を前記ボルトへ共通に通しナットで締付け固定されていることを特徴とする。
【０００８】
請求項２に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造は、
高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁に景観材、吸音材と共に歩廊材としての波形プレートが小梁の上側フランジ上に載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士は若干の隙間をあけて並べられ、波形プレートは小梁との交差部分がボルト止めされている高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造において、
前記波形プレートの端部同士の隙間に嵌まる埋め込み部材が波形プレートと共に小梁へボルト止めされていること、
前記埋め込み部材は、前記波形プレートの端部同士の隙間に嵌まる間隔の両側壁と、山の部分の高さとほぼ同じ高さの水平面部とで横断面が下向きのコ字形に形成され、両側壁の下端部であって波形プレートの谷の部分の位置にボルト孔を有する取付板を設けていること、
小梁の上側フランジへ固定されるクリップ部と、該クリップ部の上面に垂直なボルトとを備えたクリップボルトを小梁の上側フランジに設置し、前記埋め込み部材のボルト孔及び前記波形プレート端部のボルト孔を前記ボルトへ共通に通しナットで締付け固定されていることを特徴とする。
【０００９】
請求項３に記載した発明は、請求項１又は２に記載した高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造におけるカバー部材又は埋め込み部材のボルト孔は切欠き形状であることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施形態及び実施例】
請求項１に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造は、図１〜図３に実施例を示したように、高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁２の上側フランジ２０の上面に歩廊材としての波形プレート３が載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレート３の端部３０同士は若干の隙間４をあけて並べられ、波形プレート３は小梁２との交差部分がボルト止めする構造において好適に実施される。即ち、前記波形の筋の長手方向に隣り合う二つの波形プレート３、３の端部３０、３０同士の上に跨って隙間４を覆い、且つ波形プレート３の端部３０の上へ重なるカバー部材１が、波形プレート３と共に小梁２へ合一にボルト止めされている。
【００１１】
従って、隙間４を通じて騒音が通過し漏れ出ることはカバー部材１が防ぐ。また、カバー部材１が波形プレート３、３の端部同士の上に跨って隙間４を覆っているから、作業員が波形プレート３の端部を歩く際にも段差は発生せず、つま先が躓くおそれもない。
上記のカバー部材１は、波形プレート３の山の部分３２と谷の部分３１の上面にぴったり重なり合うように、波形プレート３の山の部分１２と谷の部分１１とに相似な波形状に形成されている。カバー部材１は、厚さ０．６ｍｍ程度の薄鋼板の加工品であり、その幅寸Ｗは上記の作用効果を考慮して６０〜７０mm位とされている。
【００１２】
カバー部材１の波形の筋方向の両端部であって、波形プレートの谷の部分３１と当接する部位に、同波形プレート３のボルト孔３３と芯が一致する配置でボルト孔としての切欠き孔１３が設けられている（請求項３記載の発明）。切り欠き孔１３は長孔又は丸孔の切り欠き形状として実施される。但し、単純に円形又は長円形のボルト孔として実施しても良い。
【００１３】
上記波形プレート３のボルト止め手段として、クリップボルト５が好適に使用される。該クリップボルト５は、小梁２の上側フランジ２０の縁へ引っ掛けて固定可能な略コ字形のクリップ部５０と、該クリップ部５０の上面に溶接等の手段で垂直に取付けられたボルト５１とから成る（図１、図３を参照）。
クリップボルト５は、そのクリップ部５０を小梁２の上側フランジ２０の縁を挟むように取付け、ボルト５１が上向きとなる態様で設置される。この設置状態を安定化する手段として、クリップボルト５のボルト５１に通すボルト孔６０を両端部に２個設けた薄板状の幅止め板６が使用される。
【００１４】
幅止め板６は、その一方のボルト孔６０に、小梁２の上側フランジ２０の一側の縁へ取付けたクリップボルト５のボルト５１を通す。もう一方のボルト孔６０には、同上側フランジ２０の反対側の縁に取付けたクリップボルト５のボルト５１を通す。かくして上側フランジ２０の両側の縁に取り付けたクリップボルト５、５は１個の幅止め板６できっちり拘束される。こうしてクリップボルト５を使用して波形プレート３及びカバー部材１のボルト止めを行う結果、小梁２にはボルト止めのための孔あけ加工は不要である。
【００１５】
次に、図４と図５は、請求項２に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムにおける歩廊材取付け構造の実施例を示している。本実施例は、波形プレート３の端部の隙間４を埋めて音漏れを防止する手段として、前記波形プレート３の端部３０、３０同士の隙間４に嵌まる埋め込み部材７が波形プレート３と共に小梁２へボルト止めされている。
【００１６】
この埋め込み部材７は、波形プレート３の端部３０、３０同士の隙間４にほぼぴったり嵌まる間隔の両側壁７２、７２と、同波形プレート３の山の部分３２の高さとほぼ同じ高さの水平面部７３とで横断面を下向きのコ字形に形成されている（図５を参照）。
埋め込み部材７の両側壁７２の間隔は、波形プレート３の開口部分から音漏れが発生しないように、隙間４へ設置し際には、波形プレート３の端部３０と側壁７２とが密着する寸法に形成されている。
【００１７】
また、埋め込み部材７の両側壁７２、７２の下端部であって波形プレート３の谷の部分３１と対応する位置に、ボルト孔７１を有する取付板７０が一体的に設けられている。図示した実施例の場合、取付板７０は波形プレート３の側壁７２の下端から直角外向きに水平に曲げて設けられている。取付板７０は通例曲げ加工により形成するが、別部材を溶接等で一体に取付けてもよい。ボルト孔７１は切欠き形状又は長円形でも良い（請求項３記載の発明）。
【００１８】
波形プレート３及び埋め込み部材７のボルト止めにクリップボルト５及び幅止め板６を使用することは、上記の実施例と共通する。
【００１９】
【本発明が奏する効果】
請求項１の発明によれば、小梁の上に載置された波形プレートの端部同士の隙間及び同波形プレートの端部はカバー部材で覆われるから、小梁の上側フランジ上へ取付けた波形プレートの開口部分からの音漏れを防ぎ、騒音の低減化に寄与することは勿論のこと、波形プレートの端部同士の間の隙間が覆われ、且つ波形プレートの端部はカバー部材の重なりによって補強されるから、作業員が点検、補修のため歩廊材の上を歩行する際につま先が引っ掛かってよろけたり転倒する等の危険が解消される。
【００２０】
カバー部材は加工度の少ない形状であるため、安く簡単に製作でき、その取付け作業も簡単にかつ効率よく行える。
請求項２の発明によっても、小梁の上に載置された波形プレートの開口部分及び端部同士の間の隙間が埋め込み部材によって解消され、開口部分からの音漏れを防ぐことができ、騒音の低減化に寄与する。また、波形プレートの端部と埋め込み部材の両側壁は密着して隙間を埋めているので、作業員が点検、補修のため波形プレートの上を歩行する際の安全性にも寄与する。
【００２１】
埋め込み部材も、安く簡単に製作でき、その取付け作業も簡単にかつ効率よくできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１の発明に係る波形プレートの取付け構造を説明する分解斜視図である。
【図２】波形プレート及びカバー部材の取付け状態を示した斜視図である。
【図３】取付け構造の断面図である。
【図４】請求項２の発明に係る波形プレートの取付け構造を説明する分解斜視図である。
【図５】同取付け構造の断面図である。
【図６】従来の取付け構造を示した断面図である。
【符号の説明】
３ 波形プレート
２ 小梁
２０ 上側フランジ
３０ 端部
４ 隙間
１ カバー部材
１１ 谷の部分
１２ 山の部分
１３ 切欠き孔（ボルトあ孔）
３３ ボルト孔
３１ 谷の部分
３２ 山の部分
５ クリップボルト
５０ クリップ部
５１ ボルト
５２ ナット
６ 幅止め板
６０ ボルト孔
７０ 取付板
７ 埋め込み部材
７１ ボルト孔
７２ 側壁
７３ 水平面部
【発明の属する技術分野】
この発明は、高架道路や高架鉄道等（以下、高架道路と総称する。）の桁下裏面側における景観性を向上し、下方の道路及び上方の高架道路を走行する自動車等に起因する騒音、反射音を低減する足場兼用吸音システムにおける歩廊材取付け構造の技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、高架道路の桁下裏面側における景観性を向上し、下方の道路及び上方の高架道路を走行する自動車等に起因する騒音、反射音を低減すると共に、点検、補修用の歩廊材吊り足場を兼ねる足場兼用吸音システムが、例えば本出願人が先に出願した特願平８−３０３１３６号明細書及び図面に提案されている。
【０００３】
上記の足場兼用吸音システムには、図６に例示したように、桁下裏面側に吊り下げた小梁２の上側フランジ２０の上面に歩廊材として図１又は図２に示したような形態の波形プレート３を載置する。波形プレート３は、波形の筋の長手方向に隣り合う端部３０、３０同士の間に、施工上又は加工上の誤差又は熱的な伸縮を吸収し、或いは道路の曲がりに沿って自在に設置できるように通例１０ｍｍ程度の隙間４をあけて並べられ、小梁２との交差部分がボルト止めされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記した歩廊材としての波形プレート３は、小梁２の上面２０から立ち上がる山の部分３２が小梁２の上面２０から浮き上がった形状のまま開口部３４を形成し、前記隙間４に連通する。
したがって、波形プレート３の上方又は下方から来る騒音は、図６に矢印Ｎ又はＮ′で示したように、前記隙間４及び開口部３４を通って双方向に漏れ出ることとなり、足場兼用吸音システムの騒音低減化の効果の点から好ましくない。
【０００５】
その上、点検、補修のために作業員が波形プレート３上を歩行するとき、作業員の足が隙間４に直近の一方の端部３０のみを踏みつけると、波形プレート３は薄板である故に作業員の体重Ｇにより当該端部は点線で図示したように下方へ撓み（沈み変形し）、隣接の変形しない端部３０との間に段差Ｈが生じ、この段差Ｈの故に作業員のつま先が引っ掛かって躓きよろける等、高所での歩行上の安全性を妨げるおそれがある。
【０００６】
この発明の目的は、波形プレートを小梁の上側フランジ上へ隙間をあけて取り付けたが故に発生する開口部分からの音漏れを防ぐとともに、作業員が波形プレート上を歩行する際に、つま先が躓いてよろけたり転倒する危険のない構成に改良した、高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として、請求項１に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造は、
高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁に景観材、吸音材と共に歩廊材としての波形プレートが小梁の上側フランジ上に載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士は若干の隙間をあけて並べられ、波形プレートは小梁との交差部分がボルト止めされている高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造において、
前記波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士の上に跨って隙間を覆い、波形プレートの端部に重なるカバー部材が波形プレートと共に小梁へボルト止めされていること、
前記カバー部材は、波形プレートの山の部分と谷の部分の上面に重なる波形状とされ、波形プレートの谷の部分と当接する部位に同波形プレートのボルト孔と芯が一致する配置でボルト孔が設けられていること、
小梁の上側フランジへ固定されるクリップ部と、該クリップ部の上面に垂直なボルトとを備えたクリップボルトを小梁の上側フランジに設置し、前記カバー部材のボルト孔及び前記波形プレートのボルト孔を前記ボルトへ共通に通しナットで締付け固定されていることを特徴とする。
【０００８】
請求項２に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造は、
高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁に景観材、吸音材と共に歩廊材としての波形プレートが小梁の上側フランジ上に載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士は若干の隙間をあけて並べられ、波形プレートは小梁との交差部分がボルト止めされている高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造において、
前記波形プレートの端部同士の隙間に嵌まる埋め込み部材が波形プレートと共に小梁へボルト止めされていること、
前記埋め込み部材は、前記波形プレートの端部同士の隙間に嵌まる間隔の両側壁と、山の部分の高さとほぼ同じ高さの水平面部とで横断面が下向きのコ字形に形成され、両側壁の下端部であって波形プレートの谷の部分の位置にボルト孔を有する取付板を設けていること、
小梁の上側フランジへ固定されるクリップ部と、該クリップ部の上面に垂直なボルトとを備えたクリップボルトを小梁の上側フランジに設置し、前記埋め込み部材のボルト孔及び前記波形プレート端部のボルト孔を前記ボルトへ共通に通しナットで締付け固定されていることを特徴とする。
【０００９】
請求項３に記載した発明は、請求項１又は２に記載した高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造におけるカバー部材又は埋め込み部材のボルト孔は切欠き形状であることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施形態及び実施例】
請求項１に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造は、図１〜図３に実施例を示したように、高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁２の上側フランジ２０の上面に歩廊材としての波形プレート３が載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレート３の端部３０同士は若干の隙間４をあけて並べられ、波形プレート３は小梁２との交差部分がボルト止めする構造において好適に実施される。即ち、前記波形の筋の長手方向に隣り合う二つの波形プレート３、３の端部３０、３０同士の上に跨って隙間４を覆い、且つ波形プレート３の端部３０の上へ重なるカバー部材１が、波形プレート３と共に小梁２へ合一にボルト止めされている。
【００１１】
従って、隙間４を通じて騒音が通過し漏れ出ることはカバー部材１が防ぐ。また、カバー部材１が波形プレート３、３の端部同士の上に跨って隙間４を覆っているから、作業員が波形プレート３の端部を歩く際にも段差は発生せず、つま先が躓くおそれもない。
上記のカバー部材１は、波形プレート３の山の部分３２と谷の部分３１の上面にぴったり重なり合うように、波形プレート３の山の部分１２と谷の部分１１とに相似な波形状に形成されている。カバー部材１は、厚さ０．６ｍｍ程度の薄鋼板の加工品であり、その幅寸Ｗは上記の作用効果を考慮して６０〜７０mm位とされている。
【００１２】
カバー部材１の波形の筋方向の両端部であって、波形プレートの谷の部分３１と当接する部位に、同波形プレート３のボルト孔３３と芯が一致する配置でボルト孔としての切欠き孔１３が設けられている（請求項３記載の発明）。切り欠き孔１３は長孔又は丸孔の切り欠き形状として実施される。但し、単純に円形又は長円形のボルト孔として実施しても良い。
【００１３】
上記波形プレート３のボルト止め手段として、クリップボルト５が好適に使用される。該クリップボルト５は、小梁２の上側フランジ２０の縁へ引っ掛けて固定可能な略コ字形のクリップ部５０と、該クリップ部５０の上面に溶接等の手段で垂直に取付けられたボルト５１とから成る（図１、図３を参照）。
クリップボルト５は、そのクリップ部５０を小梁２の上側フランジ２０の縁を挟むように取付け、ボルト５１が上向きとなる態様で設置される。この設置状態を安定化する手段として、クリップボルト５のボルト５１に通すボルト孔６０を両端部に２個設けた薄板状の幅止め板６が使用される。
【００１４】
幅止め板６は、その一方のボルト孔６０に、小梁２の上側フランジ２０の一側の縁へ取付けたクリップボルト５のボルト５１を通す。もう一方のボルト孔６０には、同上側フランジ２０の反対側の縁に取付けたクリップボルト５のボルト５１を通す。かくして上側フランジ２０の両側の縁に取り付けたクリップボルト５、５は１個の幅止め板６できっちり拘束される。こうしてクリップボルト５を使用して波形プレート３及びカバー部材１のボルト止めを行う結果、小梁２にはボルト止めのための孔あけ加工は不要である。
【００１５】
次に、図４と図５は、請求項２に記載した発明に係る高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムにおける歩廊材取付け構造の実施例を示している。本実施例は、波形プレート３の端部の隙間４を埋めて音漏れを防止する手段として、前記波形プレート３の端部３０、３０同士の隙間４に嵌まる埋め込み部材７が波形プレート３と共に小梁２へボルト止めされている。
【００１６】
この埋め込み部材７は、波形プレート３の端部３０、３０同士の隙間４にほぼぴったり嵌まる間隔の両側壁７２、７２と、同波形プレート３の山の部分３２の高さとほぼ同じ高さの水平面部７３とで横断面を下向きのコ字形に形成されている（図５を参照）。
埋め込み部材７の両側壁７２の間隔は、波形プレート３の開口部分から音漏れが発生しないように、隙間４へ設置し際には、波形プレート３の端部３０と側壁７２とが密着する寸法に形成されている。
【００１７】
また、埋め込み部材７の両側壁７２、７２の下端部であって波形プレート３の谷の部分３１と対応する位置に、ボルト孔７１を有する取付板７０が一体的に設けられている。図示した実施例の場合、取付板７０は波形プレート３の側壁７２の下端から直角外向きに水平に曲げて設けられている。取付板７０は通例曲げ加工により形成するが、別部材を溶接等で一体に取付けてもよい。ボルト孔７１は切欠き形状又は長円形でも良い（請求項３記載の発明）。
【００１８】
波形プレート３及び埋め込み部材７のボルト止めにクリップボルト５及び幅止め板６を使用することは、上記の実施例と共通する。
【００１９】
【本発明が奏する効果】
請求項１の発明によれば、小梁の上に載置された波形プレートの端部同士の隙間及び同波形プレートの端部はカバー部材で覆われるから、小梁の上側フランジ上へ取付けた波形プレートの開口部分からの音漏れを防ぎ、騒音の低減化に寄与することは勿論のこと、波形プレートの端部同士の間の隙間が覆われ、且つ波形プレートの端部はカバー部材の重なりによって補強されるから、作業員が点検、補修のため歩廊材の上を歩行する際につま先が引っ掛かってよろけたり転倒する等の危険が解消される。
【００２０】
カバー部材は加工度の少ない形状であるため、安く簡単に製作でき、その取付け作業も簡単にかつ効率よく行える。
請求項２の発明によっても、小梁の上に載置された波形プレートの開口部分及び端部同士の間の隙間が埋め込み部材によって解消され、開口部分からの音漏れを防ぐことができ、騒音の低減化に寄与する。また、波形プレートの端部と埋め込み部材の両側壁は密着して隙間を埋めているので、作業員が点検、補修のため波形プレートの上を歩行する際の安全性にも寄与する。
【００２１】
埋め込み部材も、安く簡単に製作でき、その取付け作業も簡単にかつ効率よくできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】請求項１の発明に係る波形プレートの取付け構造を説明する分解斜視図である。
【図２】波形プレート及びカバー部材の取付け状態を示した斜視図である。
【図３】取付け構造の断面図である。
【図４】請求項２の発明に係る波形プレートの取付け構造を説明する分解斜視図である。
【図５】同取付け構造の断面図である。
【図６】従来の取付け構造を示した断面図である。
【符号の説明】
３ 波形プレート
２ 小梁
２０ 上側フランジ
３０ 端部
４ 隙間
１ カバー部材
１１ 谷の部分
１２ 山の部分
１３ 切欠き孔（ボルトあ孔）
３３ ボルト孔
３１ 谷の部分
３２ 山の部分
５ クリップボルト
５０ クリップ部
５１ ボルト
５２ ナット
６ 幅止め板
６０ ボルト孔
７０ 取付板
７ 埋め込み部材
７１ ボルト孔
７２ 側壁
７３ 水平面部
Claims (3)
- 高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁に景観材、吸音材と共に歩廊材としての波形プレートが小梁の上側フランジ上に載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士は若干の隙間をあけて並べられ、波形プレートは小梁との交差部分がボルト止めされている高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造において、
前記波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士の上に跨って隙間を覆い、波形プレートの端部に重なるカバー部材が波形プレートと共に小梁へボルト止めされていること、
前記カバー部材は、波形プレートの山の部分と谷の部分の上面に重なる波形状に形成され、波形プレートの谷の部分と当接する部位に同波形プレートのボルト孔と芯が一致する配置でボルト孔が設けられていること、
小梁の上側フランジへ固定されるクリップ部と、該クリップ部の上面に垂直なボルトとを備えたクリップボルトを小梁の上側フランジに設置し、前記カバー部材のボルト孔及び前記波形プレートのボルト孔を前記ボルトへ共通に通しナットで締付け固定されていることを特徴とする、高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造。 - 高架道路等の桁下裏面側に吊り下げた小梁に景観材、吸音材と共に歩廊材としての波形プレートが小梁の上側フランジ上に載置され、波形の筋の長手方向に隣り合う波形プレートの端部同士は若干の隙間をあけて並べられ、波形プレートは小梁との交差部分がボルト止めされている高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造において、
前記波形プレートの端部同士の隙間に嵌まり込む埋め込み部材が波形プレートと共に小梁へボルト止めされていること、
前記埋め込み部材は、前記波形プレートの端部同士の隙間に嵌まる間隔の両側壁と、山の部分の高さとほぼ同じ高さの水平面部とで横断面が下向きのコ字形に形成され、両側壁の下端部であって波形プレートの谷の部分の位置にボルト孔を有する取付板を設けていること、
小梁の上側フランジへ固定されるクリップ部と、該クリップ部の上面に垂直なボルトとを備えたクリップボルトを小梁の上側フランジに設置し、前記埋め込み部材のボルト孔及び前記波形プレート端部のボルト孔を前記ボルトへ共通に通しナットで締付け固定されていることを特徴とする、高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造。 - カバー部材又は埋め込み部材のボルト孔は切欠き形状であることを特徴とする、請求項１又は２に記載した高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造。
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| JP09174798A JP3831114B2 (ja) | 1998-04-03 | 1998-04-03 | 高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造 |
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| JP09174798A JP3831114B2 (ja) | 1998-04-03 | 1998-04-03 | 高架道路等の桁下裏面側の足場兼用吸音システムの歩廊材取付け構造 |
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| JPH11286911A JPH11286911A (ja) | 1999-10-19 |
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