JP3829352B2 - ごみ処理施設の管制装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は都市ごみ等のごみを収集して焼却するごみ処理施設の管制装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ごみ収集車により収集された都市ごみ等の可燃のごみは、通常、ごみ処理施設に搬送され、ごみピットに投入されて一時的に貯留された後、焼却処理されるようにしてある。
【0003】
上記ごみ処理施設では、ごみの量を管理するために、車番、地区、銘柄、風袋重量等の情報を予めキーパンチしておいたカードを各ごみ収集車に備えさせておき、図9に概要を示す如く、ごみ収集車aがごみ処理施設に到着して計量機bの上で停車して計量しているときに、上記のカードをカードリーダーcに差し込むことにより、その情報内容を読み取らせるようにし、計量完了後、ごみ収集車aは行先表示にしたがってごみピットdの指定のごみ投入扉eのところまで移動してごみをごみピットd内に投入するようにしている。fはピット前面のプラットホームgに埋め込まれてごみ収集車aの鉄分を感知するとごみ投入扉eを開かせるようにするループコイル、hはごみピットd内に装備されたクレーンを示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来方式の場合、計量に際してはカードリーダーcにカードを差し込まなければならないが、ごみ収集車aには各種の車両サイズがあるため、運転席(又は補助席)の窓からカードリーダーcに手の届かないような車両サイズのごみ収集車aでは、その都度作業員が降車しなければならず不便であり、ごみ収集車aが集中して到着するピークの時間帯では作業の円滑性に支障を来す問題がある。したがって、各種の車両サイズのごみ収集車aにカードリーダーcを対応させるためには、カードリーダーcの位置に工夫を凝らしたり、上下方向に複数のカード挿入口を有するカードリーダーを用いたりしなければならない。
【0005】
又、ごみ収集車aに対する行先表示は、行先表示灯に表示されるが、従来では、プラットホームg上の監視員が手動で指示したり、あるいは、クレーンhの操作員がクレーンiを使用していない個所のごみ投入扉eを指示するようにしているため、ごみ投入可能なごみ投入扉eが複数個所表示されているような場合には、ごみ収集車aの運転手の判断となってしまう。又、行先表示されたごみ投入扉eの部分からごみが投入されたかどうかも不明である。したがって、ごみピットdのごみ投入扉e付近のごみの山積み(堆積)状況は把握しにくい状況である。
【0006】
更に、ごみピットd内ではクレーンhによりごみの積替えを行って高さを均らすような作業を行う必要があるが、上述したように、ごみがどの位置に山積みされているかは目で見ない限り不明であるため、クレーンhを全自動で運転することができなかった。
【0007】
そこで、本発明は、どのような車両サイズのごみ収集車であっても、そのごみ収集車から作業員が降車することなく車両情報をカードリーダーに読み取らせることができるようにし、且つ指定したごみ投入扉の位置からのごみピットへのごみの投入を確認できるようにし、更に、ごみ投入扉の位置から投入されたごみの山積み状況を把握できるようにしてクレーンの全自動運転を可能ならしめるごみ処理施設の管制装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ごみピットの前面に形成されたピット前室内に進入する前にごみ収集車の重量を計量機で計量してから、上記ごみ収集車をピット前室内に進入させて並列配置されたいずれかのごみ投入扉の位置からごみピット内にごみを投入させるようにしてあるごみ処理施設における上記計量機の脇に、ごみ収集車に携帯させた車両情報が記憶させてある無線式発信器の該車両情報を読み取らせる無線式受信器を設置し、上記ピット前室の各ごみ投入扉の前部位置に、上記ごみ収集車が接近してきたことを検知する車両接近検知センサと、ごみ収集車に携帯させた無線式発信機の車両情報とごみ投入扉の番号を読み取らせる別の無線式受信器とを設置し、上記ピット前室の車両接近検知センサを、管制制御器に接続してあるごみ投入扉監視、操作盤に接続して、上記車両接近検知センサがごみ収集車が接近してきたことを検知すると、上記ごみ投入扉監視、操作盤からの指令によりごみ投入扉を開くようにすると共に、検知した信号がなくなると、ごみ投入扉を閉じるようにし、且つピット前室の無線式受信器を上記管制制御器に接続して、該無線式受信器が上記無線式発信器からの車両情報を読み取ると、ごみ収集車がごみ投入扉からごみを投入したことを管制制御器が確認できるようにし、上記各無線式受信器と計量機から上記管制制御器に信号を送ることができるようにして、ごみ投入扉からの車両情報とごみ投入量を管理できるようにした構成とする。
【0009】
ピット前室への進入前に行うごみ収集車の計量時に、無線式発信器から計量機の脇の無線式受信器へ向けて車両情報を送信すると、その車両情報及び計量値が管制制御器に送られることになる。ごみ収集車がピット前室内に進入してごみ投入扉に近付くと、車両接近検知センサにて検知されることによりごみ投入扉が開かれるため、ごみ収集車からごみピット内にごみが投入され、この際、無線式発信器からごみ投入扉近くの無線式受信器へ信号を送ると、管制制御器で当該ごみ投入扉の位置からのごみ投入量を把握することができる。
【0010】
又、管制制御器からの指令により、使用するごみ投入扉の位置を順次隣りに移して行くように順番に設定して行先表示灯に表示させるようにすると、ごみピット内でのごみの山積み状況を均一化することができるようになる。
【0011】
更に、ごみピット内に、投入されたごみの山積み量を計測するレベル計を設置し、且つ該レベル計で計測した山積み量を基にごみピット内の山積み状況を修正するようにごみピット内のクレーンの運転を制御するクレーン制御部を備えた構成とすると、クレーン制御部からの指令でクレーンの自動運転を行うことができるようになる。
【0012】
一方、ごみピット内でクレーンの運転動作を行わせるところのごみ投入扉からのごみ投入を行わないようにし、且つクレーンの運転動作を行わないところのごみ投入扉の位置へごみ収集車の行先を決定して行先表示灯に表示させるようにすると、ごみ収集車は迷うことなく指定のごみ投入扉の位置へ進むことができる。
【0013】
又、ごみピット内をゾーン分割式として、使用可能なごみ投入扉のみの範囲でごみ収集車の行先を決定して行先表示灯に表示させ、使用不可のごみ投入扉の位置でクレーンの運転ができるようにすると、ピークの時間帯でもクレーン作業を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0015】
図1乃至図4は本発明の実施の一形態を示すもので、工場棟1の搬入口2部分の計量室3で計量した後のごみ収集車4を、ごみピット5の前面に形成されたピット前室6内に進入させ、ごみピット5の側壁部に並列配置されたごみ投入扉7の位置からごみピット5内にごみ8を投入させ、ごみピット5内に投入されたごみ8の山積み量をクレーン9にて管理するようにしてあるごみ処理施設において、ごみ収集車4の搬入時の計量とピット前室6内でのごみ収集車4の認識とを無線式発、受方式によって行うようにし、更に、ごみ投入扉7の位置とごみ投入量とを管理し、クレーン9の運転制御に必要な情報を通信にてクレーン9に送信して、通信情報を基にごみの山積み量を管理させるようにしたものである。
【0016】
詳述すると、ごみ処理施設の入口門には、計量室監視員がスイッチを入、切させる受付/終了の表示灯(図示せず)を設け、又、工場棟1の搬入口2には、計量室監視員が開閉操作する電動シャッター10を備え、且つ工場棟1の搬入口2の外側に、ごみ収集車4のための進入可否灯(たとえば、青・赤ランプ)11を設ける。
【0017】
計量室3には、左右の側壁部の所要位置に、ごみ収集車4の進入を検知する光電管12を前後2個所設置し、又、床側に、計量機としてのトラックスケール13を装備させて、計量中は上記進入可否灯11に進入不可の表示をさせると共に計量終了後に進入可の表示をさせるようにし、且つ上記トラックスケール13の脇の位置に、無線式受信器としてのリーダー(トランスポンダリーダー)14を設置する。
【0018】
一方、上記リーダー14に車両情報を読み取らせるために、車両番号、銘柄、地区、業者、風袋重量等を記憶させたカード状又は棒状の無線式発信器15をごみ収集車4に携帯させておくようにする。なお、上記リーダー14は、車両情報の読み取り時に、車両重量と車両番号とをひも付けして一時記憶できるようにしてある。
【0019】
ピット前室6には、入口16に、タイマーの設定等に基づく計量終了信号によってピット前室6への進入を指示する進入可否灯(たとえば、青・赤ランプ)17と、該進入可否灯17の進入可の表示と同時にオンロードされるようにしたエアカーテン発生室18と、同じく進入可否灯17が進入可の表示となったときに開くようにした入口扉19を備え、又、出口20に、出口扉21とエアカーテン発生室22を設ける。更に、床となるプラットホーム23の入口扉19の内側近傍位置に、ごみ収集車4がピット前室6内に完全に進入したことを検出して入口扉19を閉じるようにするための車両検知センサとしてのループコイル24を設けると共に、プラットホーム23の出口扉21の内側近傍位置に、ごみ収集車4がピット前室6から退出するときに出口扉21を開くようにするための同様な車両検知センサとしてのループコイル25を設け、一方、入口扉19付近の天井側に、使用するごみ投入扉7の番号を点滅させるようにした行先表示灯26を取り付ける。
【0020】
更に、ピット前室6内には、ごみ投入扉7の上部位置に、行先表示灯26にて指定されたときに点滅するようにした番号表示灯27と、投入可否灯(たとえば、青、赤ランプ)28を備え、且つごみ投入扉7の前方の脇の位置に、無線式受信器としてのリーダー(トランスポンダリーダー)29を設置する。該リーダー29は、無線式発信器15からの情報を読み取ったときに、車両番号とごみ投入扉7の番号とをひも付けして一時記憶すると共に、指定されたごみ収集車4がごみを投入したことを知らせるようにしてある。又、プラットホーム23のごみ投入扉7の前部位置に、ごみ収集車4が接近してきたことを検知してごみ投入扉7を開くようにする車両接近検知センサとしてのループコイル30と後端部検出用の光電管31とを設け、該ループコイル30と光電管31との両方の信号がなくなるまではごみ投入扉7の開放が保持されるようにする。なお、プラットホーム23上のごみ投入扉7の直前部には車止めが取り付けてある。
【0021】
又、上記ピット前室6の出口20の外側には、ピット前室6から退出したごみ収集車4を検知する光電管32を前後2個所設置すると共に、床側に、計量機としてのトラックスケール33を装備させ、且つ該トラックスケール33の脇の位置に、リーダー(トランスポンダリーダー)34を設置する。38はダンピングボックス、39はダンピングボックス用リーダー、40は同番号表示灯、41は同投入可否灯を示す。
【0022】
更に、上記ごみピット5内の天井部には、図3に示す如く、ごみ8の山積みレベルを各ごみ投入扉7の位置毎に検出する超音波レベル計35を設置する。ごみピット5内には、たとえば、4基のクレーン9が装備され、該クレーン9は、バケット36を有する天井走行型バケットクレーンとしてあり、ごみピット5内の前部に投入されたごみ8を後部に掴み上げるごみの積み上げや、ごみピット5内のごみ8の攪拌、ごみ山の均し、ホッパ37内へのごみ8の投入等を行えるようにしてある。クレーン9の運転は、手動、自動いずれでも実施可能で、自動運転はクレーン9を選択して1基のみ用い、クレーン操作室43又は図示しない中央制御室のいずれにおいても行うことができるようにしてあり、又、手動運転はクレーン9を選択して2基用いることができるようにしてある。
【0023】
なお、42はプラットホーム監視室であり、遠隔操作により、ごみ投入扉7の開閉、入口扉19及び出口扉21の開閉、行先表示灯26の操作、ピット前室6内の交通信号機(図示せず)の切替等の操作を行うことができるようにしてある。又、これらの操作は各位置に設置した操作箱により手動にても操作できるようにしてある。更に、ピット前室6には、プラットホーム監視室42からごみ収集車4の運転手に音声を伝達するための放送装置60(図4参照)や、プラットホーム監視室42とクレーン操作室43との連絡を行うためのインターホーン装置(図示せず)、その他必要な機器類を備えている。更に、クレーン操作室43、中央制御室にはそれぞれ緊急停止スイッチがあり、又、クレーン9の自動運転時には、ホッパ37の部分への出入を行うホッパステージ出入口扉に自動運転中の表示を行うようにしてある。
【0024】
次に、図4は本発明のごみ処理施設の管制装置で用いる管制システム制御ブロックを示すもので、図1乃至図3に示したものと同一符号は同一部分を示す。図4中、44は搬入側計量室3のリーダー14、トラックスケール13からの信号や、搬出側のリーダー34、トラックスケール33からの信号を基にごみ収集車4の重量を計量する計量演算器(計量CPU)であり、45は該計量演算器44からの信号を演算して管制制御器46との間で信号のやりとりを行うと共にデータ処理計算器47へデータを送る通信制御器(パソコン)である。48は現場操作箱49の操作や上記管制制御器46と接続されたごみ投入扉監視、操作盤50からの指令により作動させられてごみ投入扉7の油圧ユニット(モータ、電磁弁)51を駆動するごみ投入扉制御盤である。52はダンピングボックス用現場操作箱、53は投入扉用現場操作箱であり、それぞれ上記ごみ投入扉監視、操作盤50に接続してある。
【0025】
又、54は電動シャッター用現場操作箱、55は入口扉用現場操作箱、56は出口扉用現場操作箱であり、それぞれ建築設備制御盤57を介して管制制御器46に接続してある。58は管制制御器46との間でごみ投入扉7ごとのごみ投入量の信号や投入不可信号等のやりとりを行ってクレーン9のシステム制御を行うクレーン制御部、59は管制異常信号に基づいて作動する分散形制御システム部である。
【0026】
ごみ収集車4がごみ処理施設に到着してからの行程は図5のフローに基づいて行われる。
【0027】
すなわち、先ず、工場棟1の搬入口2の前に到着したときに、進入可否灯11が進入可の表示になっていれば、ごみ収集車4は計量室3に進入することになる。計量室3内では、ごみ収集車4はトラックスケール13上で一時停止し、このとき、無線式発信器15をリーダー14に向かって掲げるようにする。これにより、車両番号や銘柄、地区、業者、風袋重量等の車両情報が管制制御器46に送られる。計量が終了して前方の進入可否灯17の表示が進入可になると、ピット前室6の入口扉19が開かれるので、ごみ収集車4はピット前室6内に進入する。このとき、エアカーテン発生室18はオンロードにされている。
【0028】
ごみ収集車4がピット前室6内に完全に入ると、入口扉19の内側に位置するループコイル24上を通過するため、入口扉19は閉じられる。なお、ごみ収集車4が集まるピーク時(たとえば、午前8時〜9時30分、午後1時〜2時30分)の間は、入口扉19を開いたままとし、エアカーテン発生室18をオンロードの状態のままとさせるようにする。次に、ピット前室6内に進入したごみ収集車4は、行先表示灯26の点滅する番号にしたがって指定されたごみ投入扉7の位置へ向かって進行し、ごみ投入扉7の上部にある番号表示灯27の点滅と、投入可否灯28の投入可の表示を確認した後、指定されたごみ投入扉7にバックで接近させるようにする。
【0029】
ごみ収集車4が指定されたごみ投入扉7に接近すると、ループコイル30が車両を検知するので、ごみ投入扉7は開かれることになり、ごみ収集車4が車止めにて停止させられたときには、ごみ投入扉7は全開になっており、ごみ収集車4の後端部が光電管31により検出されることにより、ごみ投入扉7の全開が保持された状態となる。この状態において、ごみ収集車4から無線式発信器15をリーダー29へ向けて検知させた後、ごみピット5内へごみ8を投入させるようにする。これにより、指定されたごみ収集車4が指定されたごみ投入扉7の位置からごみ8が投入されたものとして管制制御器46にて確認されることになる。一方、ごみピット5内に投入されたごみ8の量は超音波レベル計35にて計測され、その計測値がクレーン制御部58に送られ、計測値に基づいた山積み状況図が修正されることになる。すなわち、ごみ投入扉7の位置からごみピット5内に投入されたごみ8は、図6(イ)に示す如く、始めは手前が高く奥が低い山形となるが、次々にごみ8が投入されると、図6(ロ)に示す如く、次第に低い部分が高くなる。したがって、この場合、図7(イ)に示すような山積み状況図が図7(ロ)に示すような山積み状況図に修正されることになる。なお、投入されたごみ8はクレーン9で均すと、低い山に近づくので、超音波レベル計35の計測信号は低目の方を選択するようにする。
【0030】
ごみ8を投入した後のごみ収集車4が退去するために前進して光電管31とループコイル30との両方の信号がなくなると、ごみ投入扉7は閉じられる。ごみ収集車4が出口20に近付き、ループコイル25上に乗ると、出口扉21が開かれると同時にエアカーテン発生室22がオンロード状態にさせられ、更に、ごみ収集車4が出口20から退出して光電管32にて検知されると、出口扉21は閉じられ、エアカーテン発生室22はアンロード状態にさせられる。
【0031】
なお、ごみ収集車4が、無線式発信器15を具備していない一般車の場合には、搬入時にトラックスケール13で計量された重量と、退出時にトラックスケール33で計量された重量との差がごみピット5内に投入されたものとして管制制御器46にて認識される。
【0032】
ごみピット5内に投入されたごみ8は、クレーン9によるホッパ37への投入、ごみピット5内での攪拌、山の均し、山積み等が手動又は自動的に行われる。自動運転の場合、ごみ収集車4のピークとなる時間帯は、すべてのごみ投入扉7を閉じてごみ投入扉7付近のごみ8を掴んで積替える作業は行わず、たとえば、夜間にごみ8の積替え、攪拌、均し、積み上げ、ホッパ37への投入を行うように、クレーン制御部58に作業行程プログラムを設定しておく。したがって、ピークの時間帯以外は、ごみ投入扉7の使用可能数を制限するようなゾーン分割制御を行い、使用不可のごみ投入扉7についてのみ、クレーン9によりごみ8の積替え作業を行うようにする。クレーン9の運転フローは図8に一例を示す如くである。
【0033】
このように、本発明においては、トラックスケール13で自動計量したごみ収集車4がプラットホーム23上のごみ投入扉7のところへ行き、ごみピット5へごみ8を投入する際に、無線式発信器15を使用することにより、どのごみ投入扉7の位置から何トンのごみが投入されたかを自動計測することができる。したがって、ループコイル30によりごみ収集車4を検知し、加えて、無線式発信器15により信号が入った条件(AND条件)でごみ投入扉7が開けば、ごみ投入量のデータ管理とごみ投入扉7の自動開閉の処理を同時に行うことができ、更にクレーン9の制御とリンクさせることができる。
【0034】
上記において、管制制御器46からの指令により、たとえば、使用するごみ投入扉7の位置を順次隣りに移して行くように順番を設定して行先表示灯26に表示させるようにすると、使用しないごみ投入扉7の位置ではごみピット5でのごみ8の山積み状況の均一化を図ることができるので、クレーン作業が容易となる。又、ごみピット5内をゾーン分割式とし、ごみピット5内の情報を基に使用できるごみ投入扉7のみの範囲で行先表示灯26に表示させ、使用不可のごみ投入扉の位置でクレーンの運転ができるようにすると、使用しないごみ投入扉7の位置では、上記と同様にクレーン作業ができ、ピークの時間帯であってもクレーン作業を行うことができる。
【0035】
なお、車両接近検知センサとして、上記ループコイル30に代えて超音波センサを用いるようにしたり、あるいは、ループコイル30と超音波センサを併設してOR条件で用いるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のごみ処理施設の管制装置によれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1)ごみピットの前面に形成されたピット前室内に進入する前にごみ収集車の重量を計量機で計量してから、上記ごみ収集車をピット前室内に進入させて並列配置されたいずれかのごみ投入扉の位置からごみピット内にごみを投入させるようにしてあるごみ処理施設における上記計量機の脇に、ごみ収集車に携帯させた車両情報が記憶させてある無線式発信器の該車両情報を読み取らせる無線式受信器を設置し、上記ピット前室の各ごみ投入扉の前部位置に、上記ごみ収集車が接近してきたことを検知する車両接近検知センサと、ごみ収集車に携帯させた無線式発信機の車両情報とごみ投入扉の番号を読み取らせる別の無線式受信器とを設置し、上記ピット前室の車両接近検知センサを、管制制御器に接続してあるごみ投入扉監視、操作盤に接続して、上記車両接近検知センサがごみ収集車が接近してきたことを検知すると、上記ごみ投入扉監視、操作盤からの指令によりごみ投入扉を開くようにすると共に、検知した信号がなくなると、ごみ投入扉を閉じるようにし、且つピット前室の無線式受信器を上記管制制御器に接続して、該無線式受信器が上記無線式発信器からの車両情報を読み取ると、ごみ収集車がごみ投入扉からごみを投入したことを管制制御器が確認できるようにし、上記各無線式受信器と計量機から上記管制制御器に信号を送ることができるようにして、ごみ投入扉からの車両情報とごみ投入量を管理できるようにした構成としてあるので、計量時にごみ収集車から降車することなく車両情報を与えることができると共に、各ごみ投入扉の位置からのごみ投入量を正確に把握することができる。
(2)管制制御器からの指令により、使用するごみ投入扉の位置を順次隣りに移して行くように順番に設定して行先表示灯に表示させるようにすることによって、ごみピット内での山積み状況の均一化を図ることができる。
(3)ごみピット内に、投入されたごみの山積み量を計測するレベル計を設置し、且つ該レベル計で計測した山積み量を基にごみピット内の山積み状況を修正するようにごみピット内のクレーンの運転を制御するクレーン制御部を備えた構成とすることによって、ごみピット内のごみの山積み状況を管理することができ、これによりクレーンの自動運転が可能となり、無人化の推進を図ることができる。
(4)ごみピット内でクレーンの運転動作を行わせるところの投入扉からのごみ投入を行わせないようにし、且つクレーンの運転動作を行わないところのごみ投入扉の位置へごみ収集車の行先を決定して行先表示灯に表示させるようにすることにより、ごみ収集車を円滑に誘導できて、ピット前室内での渋滞や衝突等を防止することができる。
(5)ごみピット内をゾーン分割式として、使用可能なごみ投入扉のみの範囲でごみ収集車の行先を決定して行先表示灯に表示させ、使用不可のごみ投入扉の位置でクレーンの運転ができるようにすることにより、ピークの時間帯であってもクレーン作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のごみ処理施設の管制装置の実施の一形態を示す工場欄の概略平面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII −III 矢視図である。
【図4】本発明のごみ処理施設の管制装置で用いる管制システム制御のブロック図である。
【図5】ごみ収集車の移動に伴うフローである。
【図6】ごみピット内でのごみの山積み状況の一例を示すもので、(イ)は手前が高くなっている状態を示す概略図、(ロ)は(イ)の状態から更にごみが投入された状態を示す概略図である。
【図7】クレーン制御部で作成したごみの山積み状況図を示すもので、(イ)(ロ)はそれぞれ図6(イ)(ロ)に対応する図である。
【図8】クレーンの運転制御の一例を示すフローである。
【図9】ごみ処理施設における従来のごみ投入量管理方式を示す概略図である。
【符号の説明】
4 ごみ収集車
5 ごみピット
6 ピット前室
7 ごみ投入扉
8 ごみ
9 クレーン
13 トラックスケール(計量機)
14 リーダー(無線式受信器)
15 無線式発信器
26 行先表示灯
29 リーダー(無線式受信器)
30 ループコイル(車両接近検知センサ)
35 超音波レベル計(レベル計)
46 管制制御器
58 クレーン制御部
Claims (5)
- ごみピットの前面に形成されたピット前室内に進入する前にごみ収集車の重量を計量機で計量してから、上記ごみ収集車をピット前室内に進入させて並列配置されたいずれかのごみ投入扉の位置からごみピット内にごみを投入させるようにしてあるごみ処理施設における上記計量機の脇に、ごみ収集車に携帯させた車両情報が記憶させてある無線式発信器の該車両情報を読み取らせる無線式受信器を設置し、上記ピット前室の各ごみ投入扉の前部位置に、上記ごみ収集車が接近してきたことを検知する車両接近検知センサと、ごみ収集車に携帯させた無線式発信機の車両情報とごみ投入扉の番号を読み取らせる別の無線式受信器とを設置し、上記ピット前室の車両接近検知センサを、管制制御器に接続してあるごみ投入扉監視、操作盤に接続して、上記車両接近検知センサがごみ収集車が接近してきたことを検知すると、上記ごみ投入扉監視、操作盤からの指令によりごみ投入扉を開くようにすると共に、検知した信号がなくなると、ごみ投入扉を閉じるようにし、且つピット前室の無線式受信器を上記管制制御器に接続して、該無線式受信器が上記無線式発信器からの車両情報を読み取ると、ごみ収集車がごみ投入扉からごみを投入したことを管制制御器が確認できるようにし、上記各無線式受信器と計量機から上記管制制御器に信号を送ることができるようにして、ごみ投入扉からの車両情報とごみ投入量を管理できるようにした構成を有することを特徴とするごみ処理施設の管制装置。
- ごみピットの前面に形成されたピット前室内に進入する前にごみ収集車の重量を計量機で計量してから、上記ごみ収集車をピット前室内に進入させて並列配置されたいずれかのごみ投入扉の位置からごみピット内にごみを投入させるようにしてあるごみ処理施設における上記計量機の脇に、ごみ収集車に携帯させた車両情報が記憶させてある無線式発信器の該車両情報を読み取らせる無線式受信器を設置し、上記ピット前室の各ごみ投入扉の前部位置に、上記ごみ収集車が接近してきたことを検知する車両接近検知センサと、ごみ収集車に携帯させた無線式発信機の車両情報とごみ投入扉の番号を読み取らせる別の無線式受信器とを設置し、上記ピット前室の車両接近検知センサを、管制制御器に接続してあるごみ投入扉監視、操作盤に接続して、上記車両接近検知センサがごみ収集車が接近してきたことを検知すると、上記ごみ投入扉監視、操作盤からの指令によりごみ投入扉を開くようにすると共に、検知した信号がなくなると、ごみ投入扉を閉じるようにし、且つピット前室の無線式受信器を上記管制制御器に接続して、該無線式受信器が上記無線式発信器からの車両情報を読み取ると、ごみ収集車がごみ投入扉からごみを投入したことを管制制御器が確認できるようにし、上記各無線式受信器と計量機から上記管制制御器に信号を送ることができるようにして、ごみ投入扉からの車両情報とごみ投入量を管理できるようにし、更に、管制制御器からの指令により、使用するごみ投入扉の位置を順次隣りに移して行くように順番に設定して行先表示灯に表示させるようにした構成を有することを特徴とするごみ処理施設の管制装置。
- ごみピットの前面に形成されたピット前室内に進入する前にごみ収集車の重量を計量機で計量してから、上記ごみ収集車をピット前室内に進入させて並列配置されたいずれかのごみ投入扉の位置からごみピット内にごみを投入させるようにしてあるごみ処理施設における上記計量機の脇に、ごみ収集車に携帯させた車両情報が記憶させてある無線式発信器の該車両情報を読み取らせる無線式受信器を設置し、上記ピット前室の各ごみ投入扉の前部位置に、上記ごみ収集車が接近してきたことを検知する車両接近検知センサと、ごみ収集車に携帯させた無線式発信機の車両情報とごみ投入扉の番号を読み取らせる別の無線式受信器とを設置し、上記ピット前室の車両接近検知センサを、管制制御器に接続してあるごみ投入扉監視、操作盤に接続して、上記車両接近検知センサがごみ収集車が接近してきたことを検知すると、上記ごみ投入扉監視、操作盤からの指令によりごみ投入扉を開くようにすると共に、検知した信号がなくなると、ごみ投入扉を閉じるようにし、且つピット前室の無線式受信器を上記管制制御器に接続して、該無線式受信器が上記無線式発信器か らの車両情報を読み取ると、ごみ収集車がごみ投入扉からごみを投入したことを管制制御器が確認できるようにし、上記各無線式受信器と計量機から上記管制制御器に信号を送ることができるようにして、ごみ投入扉からの車両情報とごみ投入量を管理できるようにし、更に、ごみピット内に、投入されたごみの山積み量を計測するレベル計を設置し、且つ該レベル計で計測した山積み量を基にごみピット内の山積み状況を修正するようごみピット内のクレーンの運転を制御するクレーン制御部を備えた構成を有することを特徴とするごみ処理施設の管制装置。
- ごみピット内でクレーンの運転動作を行わせるところのごみ投入扉からのごみ投入を行わせないようにし、且つクレーンの運転動作を行わないところのごみ投入扉の位置へごみ収集車の行先を決定して行先表示灯に表示させるようにした請求項3記載のごみ処理施設の管制装置。
- ごみピット内をゾーン分割式として、使用可能なごみ投入扉のみの範囲でごみ収集車の行先を決定して行先表示灯に表示させ、使用不可のごみ投入扉の位置でクレーンの運転ができるようにした請求項3記載のごみ処理施設の管制装置。
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