JP3825368B2 - 湿気硬化型塗料組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、床面や壁面、屋根面等を塗装するための湿気硬化型塗料組成物に関し、特に油で汚染された床面、壁面あるいは屋根面を塗装するのに適した湿気硬化型塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
機械工場などの工場(例えば自動車修理工場等)の床や壁は、機械油等の油により汚れていることが多く、塗料を塗装するには不向きであった。
油で汚染された床面、壁面あるいは屋根面を塗装する場合、被塗面が表面張力の低い油で汚染されているため、油分を除去することなく一般の塗料組成物を用いて塗装することは、付着性の問題で極めて困難である。そこで一般的には、床面や壁面の油分を除去してから塗装しているが、塗装作業工程の短縮及び洗浄(除去)有機溶剤の毒性の面から、かかる工程を行うことなしに、つまり油で汚染されたままの被塗面に良好に付着または密着する塗料用樹脂の開発が望まれてる。
【0003】
この要望を満たすものとして、特開昭57−12020号公報において、油で汚染された被塗面であっても、油分を除去することなくそのまま塗布することで良好に密着する、所定のプレポリマーからなる湿気硬化型塗料が開示されている。所定のプレポリマーとは、詳しくは、ポリイソシアネートと、水酸基を有する平均分子量400〜1500のポリブタジエンとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーである。
【0004】
しかし、かかる湿気硬化型塗料は、通常のコンクリート製の床面や壁面に対しては、それが油で汚染されていても良好な密着性を有するが、表面に何らかの加工が施されたコンクリート面や、タイル面等においては、油で汚染されたままでは十分な密着性を確保することができなかった。
【0005】
機械工場などの工場では、重量物を扱うことが多く、フォークリフト等の運搬装置や工作装置が行き交い、また物を落としたりすることも想定されるため、特に床面を強化することが行われており、そのための特殊なコンクリートが用いられたり、コンクリートの表面に特殊な表面加工を施したりしている。これらの表面が強化されたコンクリート面は、上記密着性の問題が特に顕著である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面であっても、油で汚染された状態のまま除去することなく、あるいは除去するとしても簡単な除去作業のみで、良好な密着性を確保し得る湿気硬化型塗料組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、少なくとも下記A成分B成分およびC成分からなることを特徴とする油で汚染された表面用の湿気硬化型塗料組成物である。
【0008】
A成分:ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリブタジエンとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
B成分:イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤
C成分:骨材
【0009】
すなわち、本発明は、特開昭57−12020号公報において開示された、油で汚染された被塗面に対して良好な付着性を有する湿気硬化型塗料に、上記B成分を加えることで、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面やタイル面に対しても高い密着性を実現できることを見出し、想到し得たものである。
このとき、B成分の量としては、A成分100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましい。
【0010】
本発明の湿気硬化型塗料組成物としては、さらに、C成分として骨材を含むA成分の量とC成分の量との比(A:C)としては、質量基準で10:1〜10:20の範囲であることが望ましい。また、A成分とC成分とが、別々の剤に分かれた状態で保存され、かつ、塗装の直前にこれらが混合されることが好ましい。
【0011】
B成分がイソシアネート基を有するシランカップリング剤である場合には、A成分にシランカップリング剤を混合しても液状に影響を与えにくいため、A成分とB成分とが、1つの剤として保存することができる。一方、B成分がエポキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤である場合には、A成分にこれらB成分のいずれかを混合した場合、液の増粘傾向が見られることが多いため、A成分とB成分とが、別々の剤に分かれた状態で保存され、かつ、塗装の直前にこれらを混合することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の詳細を好ましい実施の形態を挙げて詳細に説明する。
本発明の湿気硬化型塗料組成物は、既述のA成分B成分およびC成分を必須成分とし、これらが適当な溶剤に溶解・分散されて調製される。また、必要に応じて、その他の添加剤が含まれ、これら各成分は、保存状態では別個独立の剤を成していてもよいし、剤の安定性を考慮した上で、適当な組み合わせの剤、あるいは全てを混合して1つの剤を成していてもよい。
以下、本発明の湿気硬化型塗料組成物を、その成分ごとに説明し、次いでその剤の態様について説明する。
【0013】
<A成分>
本発明における必須成分であるA成分とは、ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリブタジエンとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーである。
【0014】
本発明におけるA成分の原料ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、粗製トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、カーバジイミド化ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が用いられ、好ましくはポリメチレンポリフェニルイソシアネートが用いられる。
【0015】
水酸基を有するポリブタジエンとは、特に制限はないが、数平均分子量として1500以下程度のものが好ましく、平均官能基数として1〜3が好ましく、1.5〜2がより好ましい。分子量が1500を越えるポリブタジエンは、分子量及び相溶性の問題で製造時間が長くなり、塗装後形成される塗膜も非常に柔いものとなり、好ましくない。なお、数平均分子量の下限としては、製造の困難性から、一般に400未満程度である。一方、ポリブタジエンの平均官能基数がl未満では塗装後形成される塗膜が非常に柔いものとなり、逆に3より大きいとプレポリマーか高粘度になり過ぎ、場合によってはゲル化するので、それぞれ好ましくない。
【0016】
また、この水酸基を有するポリブタジエンは、その95質量%までを他の通常のポリオールに置き換えることができる。他の通常のポリオールとは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヒマシ油、ジグリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の活性水素含有化合物及び上述の活性水素含有化合物とエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、スチレンオキシド、テトラハイドロフラン等のアルキレンオキシド類の単独もしくは混合物を付加重合して得られる「末端水酸基2個以上を有する平均分子量3,000以下平均官能基数2以上、好ましくは平均分子量200〜1,000、平均官能基数2〜2.5の活性水素含有ポリマー」が使用される。その他ポリエステルポリオール、油変性ポリエステルポリオール、ポリ−ε−カプロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリアミン、ポリアミド、尿素構脂及びメラミン樹脂等の平均分子量3,000以下平均官能基数1.5以上、好ましくは平均分子量200〜1,000平均官能基数2〜2.5の活性水素含有ポリマーも併用することができる。
【0017】
本発明におけるA成分である前記プレポリマーは、上記ポリイソシアネートと上記水酸基を有するポリブタジエン及び場合によっては他の活性水素含有ポリマーを含めた通常のポリオールを、イソシアネート過剰の条件下で40℃〜90℃好ましくは55℃〜75℃の温度で湿気を遮断した系で、ウレタン化反応を行い、有効NCO含有率を好ましくは1.0〜15質量%、より好ましくは8.0〜13質量%とすることにより合成される。
【0018】
上述のウレタン化反応は、通常有機溶剤中で行われ、かかる溶剤としては、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、その他一般に塗科用溶剤として用いられるものが使用される。ウレタン化反応は、触媒を用いることもでき、そのような触媒としては、例えばトリエチルアミン、ジメチルアニリンなどの3級アミン系触媒、またはスズ、亜鉛などの金属系触媒が用いられる。これは塗膜形成時空気中の水分と反応する際の触媒にもなる。
【0019】
<B成分>
本発明における必須成分であるB成分とは、イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤である。これらの基の中でも、A成分と混合した際に液状態に影響を与えにくい点で、イソシアネート基が好ましいが、他の基を有するシランカップリング剤についても、別々の剤に分かれた状態で保存しておき、塗装の前にこれらを混合することとすれば問題ない。さらに、長期の安定性が要求されない場合には、前もって混ぜておいても構わない。これらの基は、1つのみ有していてもよいが、2以上有していてもよく、2以上の場合それぞれ異なる基であっても構わない。また、B成分として2種類以上のシランカップリング剤を用いても構わない。
【0020】
具体的なシランカップリング剤としては、上記官能基のいずれかを有するものであれば、市販されている各種のものが問題なく使用できるが、例えば日本ユニカー株式会社の商品を例に挙げると、以下のものが例示される。
【0021】
(イソシアネート基を有するシランカップリング剤)
・A−1310{化学構造:O=C=NC36Si(OC253
・Y−5187{化学構造:O=C=NC36Si(OCH33
【0022】
(エポキシ基を有するシランカップリング剤)
・A−187{化学構造は、下記}
【0023】
【化1】
Figure 0003825368
【0024】
(メルカプト基を有するシランカップリング剤)
・A−189{化学構造:HSC36Si(OCH33
・A−1289{化学構造:(C25O)3SiC36436Si(OC253
・AZ−6129{化学構造:HSC36Si(OCH33
【0025】
(アミノ基を有するシランカップリング剤)
・A−1160{化学構造:H2NCONHC36Si(OC253
・Y−9669{化学構造は、下記}
【0026】
【化2】
Figure 0003825368
【0027】
これらB成分の量としては、前記A成分100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることが好ましく、5〜20質量部の範囲であることがより好ましい。B成分の量が少なすぎると、本発明の目的である、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面やタイル面に対する密着性向上効果を十分に発揮させることができなくなり、一方、B成分の量が多すぎると、経済的に不利なばかりか、塗料としての塗布適性が低下し、また、白化が生じたり、乾燥硬化が遅れたりすることがあるため、それぞれ好ましくない。
【0028】
<C成分>
本発明の湿気硬化型塗料組成物には、必須成分として骨材が添加される。骨材を添加することにより、汚れた油の量による付着のばらつきを少なくすることができる。
骨材とは、ポルトランドセメント等のセメント類、硅砂、である。
【0029】
これらC成分の量としては、A成分の量とC成分の量との比(A:C)が、質量基準で10:1〜10:20の範囲であることが好ましく、10:7〜10:12の範囲であることがより好ましい。C成分の量が少なすぎると、油がブリードしやすくなって、付着にばらつきが出ることがあり、一方多すぎると、上塗り塗料が吸い込まれたり、ピンホールが出やすく仕上がり不良になりやすいため、それぞれ好ましくない。
【0030】
<その他の添加剤>
本発明の湿気硬化型塗料組成物には、その他必要に応じて、体質顔料、着色剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤等の各種添加剤を含めることもできる。これら添加剤は、目的に応じてその種類、添加量を決定すればよく、特に制限はない。
【0031】
<剤の態様>
本発明の湿気硬化型塗料組成物は、上記必須のA成分B成分およびC成分、さらに必要に応じて添加されるその他の添加剤を、適当な溶剤に溶解・分散することで塗料として調製され、塗装に供される。これら全ての成分が1つの剤として調製されるのは、あくまで塗装の直前であれば十分であり、それまでは2つ以上の剤を成していても問題ない。なお、ここで言う「塗装の直前」とは、厳密に直前であることを要求するものではなく、調製された塗料が塗装に適した性状を保ち得る程度の時間が経過した後であっても直前の概念に含めるものとする。
【0032】
使用可能な溶剤としては、A成分の項で説明したウレタン反応に供する溶剤をそのまま用いることができる。
B成分がイソシアネート基を有するシランカップリング剤である場合には、A成分にシランカップリング剤を混合しても調製される塗料の液状に影響を与えにくいため、A成分とB成分とが、1つの剤として保存することができる。
【0033】
一方、B成分がエポキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤である場合には、A成分にこれらB成分のいずれかを混合した場合、液の増粘傾向が見られることが多いため、A成分とB成分とが、別々の剤に分かれた状態で保存され、かつ、塗装の直前にこれらを混合することが好ましい。B成分を独立の剤とする場合には、そのまま固体の状態としてもよいし、A成分を含む剤に供した溶剤と同一の溶剤、あるいはそれと相溶性の良好な溶剤に溶解ないし分散させた状態としても構わない。
【0034】
本発明の湿気硬化型塗料組成物としては、C成分である骨材が一般的に溶剤不溶性で、液状のA成分と同含させるとC成分が保存中に沈降してしまったり、骨材の表面に吸着している水分と反応し、増粘してしまったりするため、A成分とC成分とが、別々の剤に分かれた状態で保存され、かつ、塗装の直前にこれらが混合されることが好ましい。C成分は、そのまま固体の状態としておけばよい。B成分がA成分と別々の剤に分かれた状態で保存される場合には、当該B成分とC成分とを粉体状態のまま混合させた剤としても構わない。
【0035】
本発明の湿気硬化型塗料組成物に必要に応じて含まれるその他の添加剤は、各添加剤の性質に応じて、A成分と同含させたり、B成分やC成分と同含させたり、あるいは独立の剤とする等、適宜最適の剤型を選択すればよい。
【0036】
<用途>
本発明の湿気硬化型塗料組成物は、既述のように各種成分を混合して塗料を調製した後、ハケ、ローラーバケ等を用いた手による塗装が通常行われるが、機械によるスプレー吹き付け塗装も可能であり、このようにして形成された塗膜は空気中の水分で速やかに乾燥して油で汚染された被塗面に対し、充分な付着力を示す。
【0037】
本発明の湿気硬化型塗料組成物は、A成分の出発原料としてポリブタジエンを用いることによりコンクリート等に塗装したとき、アンカー効果(投錨効果)が期待でき、優れた付着力を有する塗膜が得られる。また、B成分を加えているため、無機材と化学結合を形成するため、アンカー効果の期待できない、タイルや表面に加工を施したコンクリートにも付着が良好である。
【0038】
被塗面としては、油で汚染されたコンクリート、モルタル、タイル、木材等の床面または壁面が挙げられる。特に密着性が問題となりやすい、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面に対して本発明の湿気硬化型塗料組成物は、高い効果を発揮する。ここで、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面とは、鉱物系や金属系の骨材を含む無機系仕上剤により表面を改質したもの等、各種処理により表面が通常のコンクリート面よりも高強度ないし緻密になっているものを言う。例えば、日本塗り床工業会編「塗り床ハンドブック」P.85〜P.91に、モノリシック工法、浸透形塗り床工法、テラゾー工法等として記載されている。具体的には、例えば株式会社エービーシー商会製のフェロコン(登録商標)、フェロコン(登録商標)ハードS、フェロコン(登録商標)ハードC、カラクリート(登録商標)、カラーハードEM、ベスコン(登録商標)カラー、ハードナモリタL、セラミキュア等によるコンクリート処理面が挙げられる。
【0039】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
(b剤の調製)
ポルトランドセメント49.0質量部と、硅砂47.0質量部と、シリカ4.0質量部とを乾式混合し、b剤を調製した。
【0040】
(a剤の調製)
キシレンを溶剤とし、NCOパーセントが3.9%のA成分を固形分として35%含み、かつそのA成分に対し質量%(外添)になるようにB成分であるA−1310(日本ユニカー株式会社製シランカップリング剤)を添加して、a剤を調製した。得られたa剤は、密閉状態で7日間放置しておいても増粘傾向は見られず、安定した液性状を保っていた。そのまま合計3ヶ月間放置を続けても、液性状に変化は見られなかった。
【0041】
(塗料の調製)
得られたa剤(放置していないもの)10質量部とb剤10質量部とを混合して、十分に攪拌し、実施例1の塗料を調製した。
【0042】
(プライマー塗膜の形成)
得られた実施例1の塗料を、試験用のタイル片にハケ塗り法で塗布し、室温で3時間風乾させて、乾燥膜厚200μmのプライマー塗膜を形成した。
なお、試験用のタイル片は、以下のような下処理を施したものを用いた。
・試験用のタイル片
片面が鏡面状のタイル片(10×10cm)の鏡面側に、工作油(共同石油(株)製、ルブカット)をハケ塗り法で20g/m2となるように塗布し、1.0時間静置したものを試験に供した。
【0043】
(上塗り塗膜の形成)
形成されたプライマー塗膜のさらに上層として、エポキシ系塗料(アトミクス(株)製、フロアトップ#8500)をハケ塗り法で塗布し、室温で7日間風乾させて、乾燥膜厚100μmの上塗り塗膜を形成した。
【0044】
(密着性試験)
得られたタイル片の塗膜面に、2mm角の碁盤目をカッターナイフで刻み、その上からガムテープ((株)寺岡製作所製、布粘着テープ)を用いて、通常のセロハンテープ剥離と同様の手法で、テープ剥離を実施した(1次密着)。
さらに、得られたタイル片を8時間煮沸し、室温になるまで自然冷却・乾燥した後、上記同様テープ剥離を実施した(2次密着)。
【0045】
なお、密着性試験の評価指標は以下の通りである。
◎:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、95個以上。
○:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、85〜94個。
△:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、75〜84個。
×:テープ剥離後の残存碁盤目の数が、74個以下。
これらの結果は、表1にまとめて示す。
【0046】
<実施例2〜8>
実施例1において、A−1310に代えて、それぞれ下記表1に示すシランカップリング剤(以上、全て日本ユニカー株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、a剤を調製し、次いで、それぞれ実施例2〜8の塗料を調製した。さらにそれぞれの塗料を用いて、実施例1と同様に塗膜を形成し、密着性試験を行った。これらの結果は、表1にまとめて示す。なお、得られた各a剤の、7日間放置後の増粘傾向についても下記表1に併せて示す。
【0047】
<比較例1〜4>
実施例1において、A−1310に代えて、それぞれ下記表1に示すシランカップリング剤(以上、全て日本ユニカー株式会社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、a剤を調製し、次いで、それぞれ比較例1〜4の塗料を調製した。さらにそれぞれの塗料を用いて、実施例1と同様に塗膜を形成し、密着性試験を行った。これらの結果は、表1にまとめて示す。なお、得られた各a剤の、7日間放置後の増粘傾向についても下記表1に併せて示す。
【0048】
<比較例5>
実施例1において、A−1310を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、a剤を調製し、次いで、比較例5の塗料を調製した。さらに比較例5の塗料を用いて、実施例1と同様に塗膜を形成し、密着性試験を行った。これらの結果は、表1にまとめて示す。なお、得られたa剤の、7日間放置後の増粘傾向についても下記表1に併せて示す。
【0049】
<比較例6〜8>
エポキシプライマー(アトミクス(株)製、アトムプライマー#800)に、B成分であるA−187(比較例6)、A−189(比較例7)およびA−1289(比較例8)(以上、日本ユニカー株式会社製シランカップリング剤)を5質量%(外添)添加して、3種類のa剤を調製し、次いで、前記b剤を実施例1と同様に添加し、それぞれ比較例6〜8の塗料を調製した。さらにそれぞれの塗料を用いて、実施例1と同様に塗膜を形成し、密着性試験を行った。これらの結果は、表1にまとめて示す。なお、得られた各a剤の、7日間放置後の増粘傾向についても下記表1に併せて示す。
【0050】
【表1】
Figure 0003825368
【0051】
<実施例9〜13>
実施例1の(a剤の調製)において、B成分であるA−1310の添加量を、質量基準で5%(外添)から、1%、3%、10%、20%、55%の5水準に振って、5種類のa剤を調製し、次いで、前記b剤を実施例1と同様に添加し、それぞれ実施例9〜13の塗料を調製した。さらにそれぞれの塗料を用いて、実施例1と同様に塗膜を形成し、密着性試験を行った。これらの結果は、表2にまとめて示す。また、得られた各a剤の、7日間放置後の増粘傾向についても下記表2に併せて示す。なお、当該表2には、B成分であるA−1310の添加量の比較として、実施例1および比較例5の結果も併せて表記する。
【0052】
【表2】
Figure 0003825368
【0053】
以上の結果からわかるように、本発明の湿気硬化型塗料組成物を用いて塗装を施した場合には、タイルのように密着性に不利で、しかも油で汚染されている表面であっても高い密着性を確保することができる。特に、B成分としてイソシアネート基を有するシランカップリング剤を用いると、得られる塗料(a剤)の液性として、極めて安定性が高いものとなり、好適であることがわかる。
以上のことは、タイルよりは密着性の点で不利ではない、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面についても、同様に論ずることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表面の強度を高める加工を施したコンクリート面や、タイル面であっても、油で汚染された状態のまま除去することなく、あるいは除去するとしても簡単な除去作業のみで、良好な密着性を確保し得る湿気硬化型塗料組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも下記A成分B成分およびC成分からなることを特徴とする油で汚染された表面用の湿気硬化型塗料組成物。
    A成分:ポリイソシアネートと、水酸基を有するポリブタジエンとを反応させて得られる、末端にイソシアネート基を有するプレポリマー
    B成分:イソシアネート基、エポキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤
    C成分:骨材
  2. B成分の量が、A成分100質量部に対して、1〜50質量部の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の湿気硬化型塗料組成物。
  3. A成分の量とC成分の量との比(A:C)が、質量基準で10:1〜10:20の範囲であることを特徴とする請求項に記載の湿気硬化型塗料組成物。
  4. 少なくとも、A成分とC成分とが、別々の剤に分かれた状態で保存され、かつ、塗装の直前にこれらが混合されることを特徴とする請求項に記載の湿気硬化型塗料組成物。
  5. B成分がイソシアネート基を有するシランカップリング剤であり、A成分とB成分とが、1の剤として保存されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の湿気硬化型塗料組成物。
  6. B成分がエポキシ基、メルカプト基およびアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1の基を有するシランカップリング剤であり、A成分とB成分とが、別々の剤に分かれた状態で保存され、かつ、塗装の直前にこれらが混合されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1に記載の湿気硬化型塗料組成物。
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