JP3824293B2 - ボールジョイント - Google Patents
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- Pivots And Pivotal Connections (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の懸架装置及び操舵装置の連結部にはボールジョイントが頻繁に使用されてきた。このようなボールジョイント101は、図10及び図11に示す如く、球状の球頭部104と該球頭部104から延出する柄部103とを有するボールスタッド102と、ボールスタッド102の球頭部104を揺動回動自在に包持し、一端に開口する開口部107を有する合成樹脂製のベアリング106と、そのベアリング106を内包し一方にその内周からボールスタッド102の柄部103を突出させる小開口部111aを、他方に大開口部111bを有するハウジング111と、ハウジング111の大開口部111bにかしめ固定される閉止板199と、ダストカバ−小開口部118をボールスタッド102の柄部103外周に、ダストカバー大開口部117をハウジング111外周に各々装着するダストカバー116と、図11に示す如く、ダストカバー116の小開口部118内周に装着され、軸線方向に延びる円筒状の円筒部125と、円筒部125のボールスタッド102の反球状部側端部から外周方向に延びるフランジ部128と、円筒部125の球頭部104側端部から外周方向に延びる鍔部129とよりなる取付部材であるフェルール124とを備えていた。
【0003】
上記ボールジョイント101のダストカバー116の小開口部118は水や塵の侵入を防ぐために、反球頭部側端面に二本の上リップ部121,121及び内周面に二本のリップ部119,119が各々周状に形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き構造のダストカバー116においては、シール性を高めるために小開口部118内径をフェルール124の円筒部125外径より小径にして締代を高くすることが考えられる。しかし、ダストカバー116の小開口部118の締代を高くすると小開口部118の内周に形成されたリップ部119、119がフェルール124の円筒部125に強く当接するため密着力が高くなり、本来はボールスタッド102が回転したときにはダストカバー116の小開口部118内周に沿ってフェルール124が摺動するが、密着力が高くなっているためボールスタッド102の回転に伴ってダストカバー116の小開口部118が一体的に回転してしまう。このときダストカバー116の大開口部117はハウジング111の外周に装着され固定されているので、ダストカバー116が捻れてしまって所定の形状を維持できないということがある。
【0005】
従って本発明は上記の如き課題を解決し、品質を損なうことなくシール性が高いダストカバーを装着したボールジョイントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は以下の通りである。
【0007】
1.球状の球頭部と球頭部から延出する柄部とを有するボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を包持するベアリングと、ベアリングを保持し、一方端部に内周からボールスタッドの柄部を突出させる開口部を有するハウジングと、一方小開口部がボールスタッドの柄部外周に、他方大開口部がハウジングの外周側に装着されるダストカバーと、ダストカバーの一方小開口部内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部と円筒部のボールスタッドの反球頭部側端部から外周方向に延びるフランジ部とから構成される取付部材とからなるボールジョイントにおいて、取付部材の円筒部は、フランジ部から連続し軸線に沿って延びる垂直部と垂直部の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部とよりなり、ダストカバーの小開口部の内周には複数のリップ部が形成され、ボールスタッドの球頭部側のリップ部内径は、他のリップ部内径より大径に形成されている。
【0008】
2.ダストカバーは小開口部内周に、球頭部側から漸次小径となる複数のリップ部を有している。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1乃至図9に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施例によるボールジョイント1を表す。このボールジョイント1は、球状の球頭部4と、球頭部4から延出し反球頭部側端部に雄ねじ5を有する柄部3とからなるボールスタッド2と、ボールスタッド2の球頭部4を揺動回動自在に包持し、一端端部が開口するベアリング開口部7、他端が円弧状に閉じる底部30を有するベアリング6と、ベアリング6を内包し、一端にベアリング開口部7側端部が開口するハウジング開口部14aを有するハウジング11とを備える。ハウジング11は、抜け止めのための環状の上リング11aと、ベアリング6の底部30外周側に配置される下カップ11bとより構成される。そして、ハウジング11の下カップ11bの下カップ開口部14b内周には、段状の第一段部12と、第一段部12に連続し小径となる第二段部13が形成され、第二段部13には、ベアリング6の外周に形成したベアリングフランジ8が着座し、第二段部13には、下カップ開口部14b内周に配置される上リング11aの外周に形成した上リング鍔部41が着座する。上リング11aの内周は、所望するベアリング6のベアリング開口部7外周曲率と同一曲率の曲内面42を有し、その外周には上リング鍔部41に連続し軸線方向に延びる立壁部43が形成される。そしてゴム状弾性体からなるダストカバー16の、補強環22が内部に埋設される他方大開口部17が上リング11aの立壁部43に固定され、断面略L字状のL字環23が内部に埋設され、断面略コの字状の取付部材であるフェルール24が装着される一方小開口部18がボールスタッド2の外周に固定される。
【0011】
ここでダストカバー16の小開口部18には、図3に示す如く反大開口部側に周状の上リップ部21,21が二本形成され、内周に周状のリップ部19,20が二本形成される。ここで、リップ部19,20は反大開口部側に形成した小径リップ部19が、大開口部17側に形成した大径リップ部20より小径である。
【0012】
また取付部材であるフェルール24は、図2に示す如く、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部25と、円筒部25の反球頭部側端部から外周方向に延出するフランジ部28と、円筒部25の球頭部4側端部から外周方向に延出する鍔部29とよりなり、円筒部25がフランジ部28から連続して軸線方向に延びる垂直部26と垂直部26の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜して鍔部29に連続する傾斜部27とを有する。
【0013】
次に上記ボールジョイント1の組付方法について説明する。
【0014】
まず図4に示す如く、ハウジング11の下カップ11bの下カップ開口部14b側からベアリング6を挿入し、ベアリング6の底部30を下カップ11bの内周面に、ベアリング6のフランジ部8を下カップ11bの第二段部13に着座させ、続いてベアリング6のベアリング開口部7側からボールスタッド2の球頭部4を挿入する。次に図5に示す如く、下カップ11bの下カップ開口部14b内周側に、上リング11aを挿入し、ベアリング6のベアリング開口部7を上リング11aの曲内面42に倣って内周側に折曲させるとともに、上リング11a鍔部41を下カップ11bの第一段部12に着座させ、この状態で下カップ11bの下カップ開口部14bをかしめ加工し、図6に示す如き、予備組立体81を組付ける。
【0015】
次にダストカバー16にフェルール24を装着する工程を図7を基に説明する。フェルール24は装着前の状態で図7の(ア)に示す如く円筒部25がフランジ部28から軸線方向に延びるストレート部25aとストレート部25aから連続しストレート部25aより薄肉の薄肉部25bとよりなる。まず図7の(ア)に示す如くフェルール24を薄肉部25b側からダストカバー16の小開口部18内側から挿入し、図7の(イ)に示す如くフェルール24のフランジ部28をダストカバー16の小開口部18の上リップ部21,21に当接させる。次に図7の(ウ)に示す如く図示せぬカシメ装置でフェルール24のストレート部25aを外周側にかしめ鍔部29を形成すると同時に、ストレート部25aをその途中から鍔部29にかけて外周側に折曲させて傾斜部27を成形して、ダストカバー16の小開口部18にフェルール24を装着する。垂直部26と傾斜部27の折曲部分はダストカバー16の小開口部18の大径リップ部20と小径リップ部19の略中間に位置する。
【0016】
そして最後に、ダストカバー16の大開口部17が上リング11aの立壁部43に、内側にフェルール24が装着された一方小開口部18がボールスタッド2の柄部3外周に各々装着するように圧入されて、図1に示す如く、ボールジョイント1の組付が完了する。
【0017】
よって上記の如きボールジョイント1によれば、取付部材であるフェルール24の円筒部25がフランジ部28から連続して軸線方向に延びる垂直部26と垂直部26の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜して鍔部29に連続する傾斜部27とを有し、ダストカバー16が一方小開口部18の内周面に反球頭部側には周状の小径リップ部19が、球頭部4側に周状で小径リップ部19より大径の大径リップ部20が形成されているので、小径リップ部19はフェルール24の垂直部26から強い反力を受けるが、フェルール24の傾斜部27に当接しているダストカバー16の小開口部18の大径リップ部20は、内径が大径となっているため反力が弱く、全体的に密着力が高くなることはない。
【0018】
また本発明の他の実施例を図8及び図9を基に説明する。図8に示されるボールジョイント51は、ボールジョイント1とほぼ同じ構造であるが、図9に示される如くダストカバー66の一方小開口部68の内周には五本のリップ部70が形成されている。この五本のリップ部70は、フェルール24の円筒部25の垂直部26に当接する反球頭部側の二本の小径リップ部70a,70aの内径は略同径である。また、球頭部4側の三本の大径リップ部70b,70c,70dの内径は最も球頭部4側の大径リップ部70dから大径リップ部70bに向けて漸次小径となっており、加えて大径リップ部70bの内径は小径リップ部70aの内径より大径である。
【0019】
よって、上記の如きボールジョイント51によれば、ダストカバー66の一方小開口部68の内周に球頭部4側から大径リップ部70d,70c,70bが漸次小径となっているので、全体的な密着力及び反力の微妙な調整ができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、球状の球頭部と球頭部から延出する柄部とを有するボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を包持するベアリングと、ベアリングを保持し、一方端部に内周からボールスタッドの柄部を突出させる開口部を有するハウジングと、小開口部がボールスタッドの柄部外周に、大開口部がハウジングの外周側に装着されるダストカバーと、ダストカバーの小開口部内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部と円筒部のボールスタッドの反球頭部側端部から外周方向に延びるフランジ部とから構成される取付部材とからなるボールジョイントにおいて、取付部材の円筒部は、フランジ部から連続し軸線に沿って延びる垂直部と垂直部の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部とよりなり、ダストカバーの小開口部の内周には複数のリップ部が形成され、ボールスタッドの球頭部側のリップ部内径は、他のリップ部内径より大径に形成されているため、反球頭部側のリップ部は取着部材の垂直部から強い反力を受け高いシール性が維持でき、更に、取着部材の傾斜部に当接しているダストカバーの小開口部の球頭部側リップ部は内径が大径となっているため全体としての密着力が高くなることはないので、ダストカバーがボールスタッドの回転に追従して回転することがない。加えて取着部材の円筒部が外周方向に傾斜する傾斜部を有しているので取着部材を一方小開口部内側に装着したダストカバーをボールスタッドに圧入するときに、容易に圧入することができる。
【0021】
また、ダストカバーは小開口部内周に、球頭部側から漸次小径となる複数のリップ部を有しているので全体的な密着力及び反力の微妙な調整ができるため、所望の状態でダストカバーを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるボールジョイントを表す部分断面平面図である。
【図2】 図1のA部拡大図である。
【図3】 本発明の実施例によるボールジョイントのダストカバーを表す断面平面図である。
【図4】 本発明の実施例によるボールジョイントを組付する第一段階を表す部分断面平面図である。
【図5】 本発明の実施例によるボールジョイントを組付する第二段階を表す部分断面平面図である。
【図6】 本発明の実施例によるボールジョイントの組付途中の予備組立体を表す部分断面平面図である。
【図7】 本発明の実施例による取着部材をダストカバーに装着する工程を表す断面平面図である。
【図8】 本発明の他の実施例によるボールジョイントを表す部分断面平面図である。
【図9】 図5のB部拡大図である。
【図10】 従来のボールジョイントを表す部分断面平面図である。
【図11】 図7のC部拡大図である。
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば自動車の懸架装置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の懸架装置及び操舵装置の連結部にはボールジョイントが頻繁に使用されてきた。このようなボールジョイント101は、図10及び図11に示す如く、球状の球頭部104と該球頭部104から延出する柄部103とを有するボールスタッド102と、ボールスタッド102の球頭部104を揺動回動自在に包持し、一端に開口する開口部107を有する合成樹脂製のベアリング106と、そのベアリング106を内包し一方にその内周からボールスタッド102の柄部103を突出させる小開口部111aを、他方に大開口部111bを有するハウジング111と、ハウジング111の大開口部111bにかしめ固定される閉止板199と、ダストカバ−小開口部118をボールスタッド102の柄部103外周に、ダストカバー大開口部117をハウジング111外周に各々装着するダストカバー116と、図11に示す如く、ダストカバー116の小開口部118内周に装着され、軸線方向に延びる円筒状の円筒部125と、円筒部125のボールスタッド102の反球状部側端部から外周方向に延びるフランジ部128と、円筒部125の球頭部104側端部から外周方向に延びる鍔部129とよりなる取付部材であるフェルール124とを備えていた。
【0003】
上記ボールジョイント101のダストカバー116の小開口部118は水や塵の侵入を防ぐために、反球頭部側端面に二本の上リップ部121,121及び内周面に二本のリップ部119,119が各々周状に形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如き構造のダストカバー116においては、シール性を高めるために小開口部118内径をフェルール124の円筒部125外径より小径にして締代を高くすることが考えられる。しかし、ダストカバー116の小開口部118の締代を高くすると小開口部118の内周に形成されたリップ部119、119がフェルール124の円筒部125に強く当接するため密着力が高くなり、本来はボールスタッド102が回転したときにはダストカバー116の小開口部118内周に沿ってフェルール124が摺動するが、密着力が高くなっているためボールスタッド102の回転に伴ってダストカバー116の小開口部118が一体的に回転してしまう。このときダストカバー116の大開口部117はハウジング111の外周に装着され固定されているので、ダストカバー116が捻れてしまって所定の形状を維持できないということがある。
【0005】
従って本発明は上記の如き課題を解決し、品質を損なうことなくシール性が高いダストカバーを装着したボールジョイントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成は以下の通りである。
【0007】
1.球状の球頭部と球頭部から延出する柄部とを有するボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を包持するベアリングと、ベアリングを保持し、一方端部に内周からボールスタッドの柄部を突出させる開口部を有するハウジングと、一方小開口部がボールスタッドの柄部外周に、他方大開口部がハウジングの外周側に装着されるダストカバーと、ダストカバーの一方小開口部内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部と円筒部のボールスタッドの反球頭部側端部から外周方向に延びるフランジ部とから構成される取付部材とからなるボールジョイントにおいて、取付部材の円筒部は、フランジ部から連続し軸線に沿って延びる垂直部と垂直部の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部とよりなり、ダストカバーの小開口部の内周には複数のリップ部が形成され、ボールスタッドの球頭部側のリップ部内径は、他のリップ部内径より大径に形成されている。
【0008】
2.ダストカバーは小開口部内周に、球頭部側から漸次小径となる複数のリップ部を有している。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1乃至図9に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明の実施例によるボールジョイント1を表す。このボールジョイント1は、球状の球頭部4と、球頭部4から延出し反球頭部側端部に雄ねじ5を有する柄部3とからなるボールスタッド2と、ボールスタッド2の球頭部4を揺動回動自在に包持し、一端端部が開口するベアリング開口部7、他端が円弧状に閉じる底部30を有するベアリング6と、ベアリング6を内包し、一端にベアリング開口部7側端部が開口するハウジング開口部14aを有するハウジング11とを備える。ハウジング11は、抜け止めのための環状の上リング11aと、ベアリング6の底部30外周側に配置される下カップ11bとより構成される。そして、ハウジング11の下カップ11bの下カップ開口部14b内周には、段状の第一段部12と、第一段部12に連続し小径となる第二段部13が形成され、第二段部13には、ベアリング6の外周に形成したベアリングフランジ8が着座し、第二段部13には、下カップ開口部14b内周に配置される上リング11aの外周に形成した上リング鍔部41が着座する。上リング11aの内周は、所望するベアリング6のベアリング開口部7外周曲率と同一曲率の曲内面42を有し、その外周には上リング鍔部41に連続し軸線方向に延びる立壁部43が形成される。そしてゴム状弾性体からなるダストカバー16の、補強環22が内部に埋設される他方大開口部17が上リング11aの立壁部43に固定され、断面略L字状のL字環23が内部に埋設され、断面略コの字状の取付部材であるフェルール24が装着される一方小開口部18がボールスタッド2の外周に固定される。
【0011】
ここでダストカバー16の小開口部18には、図3に示す如く反大開口部側に周状の上リップ部21,21が二本形成され、内周に周状のリップ部19,20が二本形成される。ここで、リップ部19,20は反大開口部側に形成した小径リップ部19が、大開口部17側に形成した大径リップ部20より小径である。
【0012】
また取付部材であるフェルール24は、図2に示す如く、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部25と、円筒部25の反球頭部側端部から外周方向に延出するフランジ部28と、円筒部25の球頭部4側端部から外周方向に延出する鍔部29とよりなり、円筒部25がフランジ部28から連続して軸線方向に延びる垂直部26と垂直部26の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜して鍔部29に連続する傾斜部27とを有する。
【0013】
次に上記ボールジョイント1の組付方法について説明する。
【0014】
まず図4に示す如く、ハウジング11の下カップ11bの下カップ開口部14b側からベアリング6を挿入し、ベアリング6の底部30を下カップ11bの内周面に、ベアリング6のフランジ部8を下カップ11bの第二段部13に着座させ、続いてベアリング6のベアリング開口部7側からボールスタッド2の球頭部4を挿入する。次に図5に示す如く、下カップ11bの下カップ開口部14b内周側に、上リング11aを挿入し、ベアリング6のベアリング開口部7を上リング11aの曲内面42に倣って内周側に折曲させるとともに、上リング11a鍔部41を下カップ11bの第一段部12に着座させ、この状態で下カップ11bの下カップ開口部14bをかしめ加工し、図6に示す如き、予備組立体81を組付ける。
【0015】
次にダストカバー16にフェルール24を装着する工程を図7を基に説明する。フェルール24は装着前の状態で図7の(ア)に示す如く円筒部25がフランジ部28から軸線方向に延びるストレート部25aとストレート部25aから連続しストレート部25aより薄肉の薄肉部25bとよりなる。まず図7の(ア)に示す如くフェルール24を薄肉部25b側からダストカバー16の小開口部18内側から挿入し、図7の(イ)に示す如くフェルール24のフランジ部28をダストカバー16の小開口部18の上リップ部21,21に当接させる。次に図7の(ウ)に示す如く図示せぬカシメ装置でフェルール24のストレート部25aを外周側にかしめ鍔部29を形成すると同時に、ストレート部25aをその途中から鍔部29にかけて外周側に折曲させて傾斜部27を成形して、ダストカバー16の小開口部18にフェルール24を装着する。垂直部26と傾斜部27の折曲部分はダストカバー16の小開口部18の大径リップ部20と小径リップ部19の略中間に位置する。
【0016】
そして最後に、ダストカバー16の大開口部17が上リング11aの立壁部43に、内側にフェルール24が装着された一方小開口部18がボールスタッド2の柄部3外周に各々装着するように圧入されて、図1に示す如く、ボールジョイント1の組付が完了する。
【0017】
よって上記の如きボールジョイント1によれば、取付部材であるフェルール24の円筒部25がフランジ部28から連続して軸線方向に延びる垂直部26と垂直部26の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜して鍔部29に連続する傾斜部27とを有し、ダストカバー16が一方小開口部18の内周面に反球頭部側には周状の小径リップ部19が、球頭部4側に周状で小径リップ部19より大径の大径リップ部20が形成されているので、小径リップ部19はフェルール24の垂直部26から強い反力を受けるが、フェルール24の傾斜部27に当接しているダストカバー16の小開口部18の大径リップ部20は、内径が大径となっているため反力が弱く、全体的に密着力が高くなることはない。
【0018】
また本発明の他の実施例を図8及び図9を基に説明する。図8に示されるボールジョイント51は、ボールジョイント1とほぼ同じ構造であるが、図9に示される如くダストカバー66の一方小開口部68の内周には五本のリップ部70が形成されている。この五本のリップ部70は、フェルール24の円筒部25の垂直部26に当接する反球頭部側の二本の小径リップ部70a,70aの内径は略同径である。また、球頭部4側の三本の大径リップ部70b,70c,70dの内径は最も球頭部4側の大径リップ部70dから大径リップ部70bに向けて漸次小径となっており、加えて大径リップ部70bの内径は小径リップ部70aの内径より大径である。
【0019】
よって、上記の如きボールジョイント51によれば、ダストカバー66の一方小開口部68の内周に球頭部4側から大径リップ部70d,70c,70bが漸次小径となっているので、全体的な密着力及び反力の微妙な調整ができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、球状の球頭部と球頭部から延出する柄部とを有するボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を包持するベアリングと、ベアリングを保持し、一方端部に内周からボールスタッドの柄部を突出させる開口部を有するハウジングと、小開口部がボールスタッドの柄部外周に、大開口部がハウジングの外周側に装着されるダストカバーと、ダストカバーの小開口部内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部と円筒部のボールスタッドの反球頭部側端部から外周方向に延びるフランジ部とから構成される取付部材とからなるボールジョイントにおいて、取付部材の円筒部は、フランジ部から連続し軸線に沿って延びる垂直部と垂直部の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部とよりなり、ダストカバーの小開口部の内周には複数のリップ部が形成され、ボールスタッドの球頭部側のリップ部内径は、他のリップ部内径より大径に形成されているため、反球頭部側のリップ部は取着部材の垂直部から強い反力を受け高いシール性が維持でき、更に、取着部材の傾斜部に当接しているダストカバーの小開口部の球頭部側リップ部は内径が大径となっているため全体としての密着力が高くなることはないので、ダストカバーがボールスタッドの回転に追従して回転することがない。加えて取着部材の円筒部が外周方向に傾斜する傾斜部を有しているので取着部材を一方小開口部内側に装着したダストカバーをボールスタッドに圧入するときに、容易に圧入することができる。
【0021】
また、ダストカバーは小開口部内周に、球頭部側から漸次小径となる複数のリップ部を有しているので全体的な密着力及び反力の微妙な調整ができるため、所望の状態でダストカバーを取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例によるボールジョイントを表す部分断面平面図である。
【図2】 図1のA部拡大図である。
【図3】 本発明の実施例によるボールジョイントのダストカバーを表す断面平面図である。
【図4】 本発明の実施例によるボールジョイントを組付する第一段階を表す部分断面平面図である。
【図5】 本発明の実施例によるボールジョイントを組付する第二段階を表す部分断面平面図である。
【図6】 本発明の実施例によるボールジョイントの組付途中の予備組立体を表す部分断面平面図である。
【図7】 本発明の実施例による取着部材をダストカバーに装着する工程を表す断面平面図である。
【図8】 本発明の他の実施例によるボールジョイントを表す部分断面平面図である。
【図9】 図5のB部拡大図である。
【図10】 従来のボールジョイントを表す部分断面平面図である。
【図11】 図7のC部拡大図である。
Claims (2)
- 球状の球頭部(4)と該球頭部(4)から延出する柄部(3)とを有するボールスタッド(2)と、該ボールスタッド(2)の球頭部(4)を包持するベアリング(6)と、該ベアリング(6)を保持し、一方端部に内周から前記ボールスタッド(2)の柄部(3)を突出させる開口部を有するハウジング(11)と、一方小開口部(18)が前記ボールスタッド(2)の柄部(3)外周に、他方大開口部(17)が前記ハウジング(11)の外周側に装着されるダストカバー(16)と、該ダストカバー(16)の一方小開口部(18)内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部(25)と該円筒部(25)の前記ボールスタッド(2)の反球頭部側端部から外周方向に延びるフランジ部(28)とから構成される取付部材(24)とからなるボールジョイントにおいて、前記取付部材(24)の円筒部(25)は、前記フランジ部(28)から連続し軸線に沿って延びる垂直部(26)と該垂直部(26)の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部(27)とよりなり、前記ダストカバー(16)の小開口部(18)の内周には複数のリップ部(19,20)が形成され、前記ボールスタッド(2)の球頭部(4)側のリップ部(20)内径(D)は、他のリップ部(19)内径(d)より大径に形成されていることを特徴とするボールジョイント。
- 前記ボールジョイントのダストカバー(16)は小開口部(18)内周に、球頭部(4)側から漸次小径となる複数のリップ部(70)を有していることを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
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