JP2001323923A - ボールジョイント - Google Patents

ボールジョイント

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 品質を損なうことなくシール性が高いダスト
カバーを装着したボールジョイントを提供する。 【構成】 球状の球頭部と球頭部から延出する柄部とを
有するボールスタッドと、ボールスタッドの球頭部を包
持するベアリングと、ベアリングを保持し、一方端部に
内周からボールスタッドの柄部を突出させる開口部を有
するハウジングと、一方小開口部がボールスタッドの柄
部外周に、他方大開口部がハウジングの外周側に装着さ
れるダストカバーと、ダストカバーの一方小開口部内側
に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部と円筒部
のボールスタッドの反球頭部側端部から外周方向に延び
るフランジ部とから構成される取付部材とからなるボー
ルジョイントにおいて、取付部材の円筒部は、フランジ
部から連続し軸線に沿って延びる垂直部と垂直部の反フ
ランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部とよりな
り、ダストカバーの小開口部の内周には複数のリップ部
が形成され、ボールスタッドの球頭部側のリップ部内径
は、他のリップ部内径より大径に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば自動車の懸架装
置及び操舵装置等に使用されるボールジョイントに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車の懸架装置及び操舵装
置の連結部にはボールジョイントが頻繁に使用されてき
た。このようなボールジョイント101は、図10及び
図11に示す如く、球状の球頭部104と該球頭部10
4から延出する柄部103とを有するボールスタッド1
02と、ボールスタッド102の球頭部104を揺動回
動自在に包持し、一端に開口する開口部107を有する
合成樹脂製のベアリング106と、そのベアリング10
6を内包し一方にその内周からボールスタッド102の
柄部103を突出させる小開口部111aを、他方に大
開口部111bを有するハウジング111と、ハウジン
グ111の大開口部111bにかしめ固定される閉止板
199と、ダストカバ−小開口部118をボールスタッ
ド102の柄部103外周に、ダストカバー大開口部1
17をハウジング111外周に各々装着するダストカバ
ー116と、図11に示す如く、ダストカバー116の
小開口部118内周に装着され、軸線方向に延びる円筒
状の円筒部125と、円筒部125のボールスタッド1
02の反球状部側端部から外周方向に延びるフランジ部
128と、円筒部125の球頭部104側端部から外周
方向に延びる鍔部129とよりなる取付部材であるフェ
ルール124とを備えていた。
【0003】上記ボールジョイント101のダストカバ
ー116の小開口部118は水や塵の侵入を防ぐため
に、反球頭部側端面に二本の上リップ部121,121
及び内周面に二本のリップ部119,119が各々周状
に形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き構造のダス
トカバー116においては、シール性を高めるために小
開口部118内径をフェルール124の円筒部125外
径より小径にして締代を高くすることが考えられる。し
かし、ダストカバー116の小開口部118の締代を高
くすると小開口部118の内周に形成されたリップ部1
19、119がフェルール124の円筒部125に強く
当接するため密着力が高くなり、本来はボールスタッド
102が回転したときにはダストカバー116の小開口
部118内周に沿ってフェルール124が摺動するが、
密着力が高くなっているためボールスタッド102の回
転に伴ってダストカバー116の小開口部118が一体
的に回転してしまう。このときダストカバー116の大
開口部117はハウジング111の外周に装着され固定
されているので、ダストカバー116が捻れてしまって
所定の形状を維持できないということがある。
【0005】従って本発明は上記の如き課題を解決し、
品質を損なうことなくシール性が高いダストカバーを装
着したボールジョイントを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は以下の通
りである。
【0007】1.球状の球頭部と球頭部から延出する柄
部とを有するボールスタッドと、ボールスタッドの球頭
部を包持するベアリングと、ベアリングを保持し、一方
端部に内周からボールスタッドの柄部を突出させる開口
部を有するハウジングと、一方小開口部がボールスタッ
ドの柄部外周に、他方大開口部がハウジングの外周側に
装着されるダストカバーと、ダストカバーの一方小開口
部内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部と
円筒部のボールスタッドの反球頭部側端部から外周方向
に延びるフランジ部とから構成される取付部材とからな
るボールジョイントにおいて、取付部材の円筒部は、フ
ランジ部から連続し軸線に沿って延びる垂直部と垂直部
の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜部と
よりなり、ダストカバーの小開口部の内周には複数のリ
ップ部が形成され、ボールスタッドの球頭部側のリップ
部内径は、他のリップ部内径より大径に形成されてい
る。
【0008】2.ダストカバーは小開口部内周に、球頭
部側から漸次小径となる複数のリップ部を有している。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図9に基づ
いて説明する。
【0010】図1は本発明の実施例によるボールジョイ
ント1を表す。このボールジョイント1は、球状の球頭
部4と、球頭部4から延出し反球頭部側端部に雌ねじ5
を有する柄部3からなるボールスタッド2と、ボールス
タッド2の球頭部4を揺動回動自在に包持し、一端端部
が開口するベアリング開口部7、他端が円弧状に閉じる
底部30を有するベアリング6と、ベアリング6を内包
し、一端にベアリング開口部7側端部が開口するハウジ
ング開口部14aを有するハウジング11とを備える。
ハウジング11は、抜け止めのための環状の上リング1
1aと、ベアリング6の底部30外周側に配置される下
カップ11bとより構成される。そして、ハウジング1
1の下カップ11bの下カップ開口部14b内周には、
段状の第一段部12と、第一段部12に連続し小径とな
る第二段部13が形成され、第二段部13には、ベアリ
ング6の外周に形成したベアリングフランジ8が着座
し、第二段部13には、下カップ開口部14b内周に配
置される上リング11aの外周に形成した上リング鍔部
41が着座する。上リング11aの内周は、所望するベ
アリング6のベアリング開口部7外周曲率と同一曲率の
曲内面42を有し、その外周には上リング鍔部41に連
続し軸線方向に延びる立壁部43が形成される。そして
ゴム状弾性体からなるダストカバー16の、補強環22
が内部に埋設される他方大開口部17が上リング11a
の立壁部43に固定され、断面略L字状のL字環23が
内部に埋設され、断面略コの字状の取付部材であるフェ
ルール24が装着される一方小開口部18がボールスタ
ッド2の外周に固定される。
【0011】ここでダストカバー16の小開口部18に
は、図3に示す如く反大開口部側に周状の上リップ部2
1,21が二本形成され、内周に周状のリップ部19,
20が二本形成される。ここで、リップ部19,20は
反大開口部側に形成した小径リップ部19が、大開口部
17側に形成した大径リップ部20より小径である。
【0012】また取付部材であるフェルール24は、図
2に示す如く、軸線方向に延びる略円筒状の円筒部25
と、円筒部25の反球頭部側端部から外周方向に延出す
るフランジ部28と、円筒部25の球頭部4側端部から
外周方向に延出する鍔部29とよりなり、円筒部25が
フランジ部28から連続して軸線方向に延びる垂直部2
6と垂直部26の反フランジ部側端部から外周方向に傾
斜して鍔部29に連続する傾斜部27とを有する。
【0013】次に上記ボールジョイント1の組付方法に
ついて説明する。
【0014】まず図4に示す如く、ハウジング11の下
カップ11bの下カップ開口部14b側からベアリング
6を挿入し、ベアリング6の底部30を下カップ11b
の内周面に、ベアリング6のフランジ部28を下カップ
11bの第二段部13に着座させ、続いてベアリング6
のベアリング開口部7側からボールスタッド2の球頭部
4を挿入する。次に図5に示す如く、下カップ11bの
下カップ開口部14b内周側に、上リング11aを挿入
し、ベアリング6のベアリング開口部7を上リング11
aの曲内面42に倣って内周側に折曲させるとともに、
上リング11a鍔部41を下カップ11bの第一段部1
2に着座させ、この状態で下カップ11bの下カップ開
口部14bをかしめ加工し、図6に示す如き、予備組立
体81を組付る。
【0015】次にダストカバー16にフェルール24を
装着する工程を図7を基に説明する。フェルール24は
装着前の状態で図7の(ア)に示す如く円筒部25がフ
ランジ部28から軸線方向に延びるストレート部25a
とストレート部25aから連続しストレート部25aよ
り薄肉の薄肉部25bとよりなる。まず図7の(ア)に
示す如くフェルール24を薄肉部25b側からダストカ
バー16の小開口部18内側から挿入し、図7の(イ)
に示す如くフェルール24のフランジ部28をダストカ
バー16の小開口部18の上リップ部21,21に当接
させる。次に図7の(ウ)に示す如く図示せぬカシメ装
置でフェルール24のストレート部25aを外周側にか
しめ鍔部29を形成すると同時に、ストレート部25a
をその途中から鍔部29にかけて外周側に折曲させて傾
斜部27を成形して、ダストカバー16の小開口部18
にフェルール24を装着する。垂直部26と傾斜部27
の折曲部分はダストカバー16の小開口部18の大径リ
ップ部20と小径リップ部19の略中間に位置する。
【0016】そして最後に、ダストカバー16の大開口
部17が上リング11aの立壁部43に、内側にフェル
ール24が装着された一方小開口部18がボールスタッ
ド2の柄部3外周に各々装着するように圧入されて、図
1に示す如く、ボールジョイント1の組付が完了する。
【0017】よって上記の如きボールジョイント1によ
れば、取付部材であるフェルール24の円筒部25がフ
ランジ部28から連続して軸線方向に延びる垂直部26
と垂直部26の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜
して鍔部29に連続する傾斜部27とを有し、ダストカ
バー16が一方小開口部18の内周面に反球頭部側には
周状の小径リップ部19が、球頭部4側に周状で小径リ
ップ部19より大径の大径リップ部20が形成されてい
るので、小径リップ部19はフェルール24の垂直部2
6から強い反力を受けるが、フェルール24の傾斜部2
7に当接しているダストカバー16の小開口部18の大
径リップ部20は、内径が大径となっているため反力が
弱く、全体的に密着力が高くなることはない。
【0018】また本発明の他の実施例を図8及び図9を
基に説明する。図8に示されるボールジョイント51
は、ボールジョイント1とほぼ同じ構造であるが、図9
に示される如くダストカバー66の一方小開口部68の
内周には五本のリップ部70が形成されている。この五
本のリップ部70は、フェルール24の円筒部25の垂
直部26に当接する反球頭部側の二本の小径リップ部7
0a,70aの内径は略同径である。また、球頭部4側
の三本の大径リップ部70b,70c,70dの内径は
最も球頭部4側の大径リップ部70dから大径リップ部
70bに向けて漸次小径となっており、加えて大径リッ
プ部70bの内径は小径リップ部70aの内径より大径
である。
【0019】よって、上記の如きボールジョイント51
によれば、ダストカバー66の一方小開口部68の内周
に球頭部4側から大径リップ部70d,70c,70b
が漸次小径となっているので、全体的な密着力及び反力
の微妙な調整ができる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、球状の球
頭部と球頭部から延出する柄部とを有するボールスタッ
ドと、ボールスタッドの球頭部を包持するベアリング
と、ベアリングを保持し、一方端部に内周からボールス
タッドの柄部を突出させる開口部を有するハウジング
と、小開口部がボールスタッドの柄部外周に、大開口部
がハウジングの外周側に装着されるダストカバーと、ダ
ストカバーの小開口部内側に位置し、軸線方向に延びる
略円筒状の円筒部と円筒部のボールスタッドの反球頭部
側端部から外周方向に延びるフランジ部とから構成され
る取付部材とからなるボールジョイントにおいて、取付
部材の円筒部は、フランジ部から連続し軸線に沿って延
びる垂直部と垂直部の反フランジ部側端部から外周方向
に傾斜する傾斜部とよりなり、ダストカバーの小開口部
の内周には複数のリップ部が形成され、ボールスタッド
の球頭部側のリップ部内径は、他のリップ部内径より大
径に形成されているため、反球頭部側のリップ部は取着
部材の垂直部から強い反力を受け高いシール性が維持で
き、更に、取着部材の傾斜部に当接しているダストカバ
ーの小開口部の球頭部側リップ部は内径が大径となって
いるため全体としての密着力が高くなることはないの
で、ダストカバーがボールスタッドの回転に追従して回
転することがない。加えて取着部材の円筒部が外周方向
に傾斜する傾斜部を有しているので取着部材を一方小開
口部内側に装着したダストカバーをボールスタッドに圧
入するときに、容易に圧入することができる。
【0021】また、ダストカバーは小開口部内周に、球
頭部側から漸次小径となる複数のリップ部を有している
ので全体的な密着力及び反力の微妙な調整ができるた
め、所望の状態でダストカバーを取り付けることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるボールジョイントを表す
部分断面平面図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】本発明の実施例によるボールジョイントのダス
トカバーを表す断面平面図である。
【図4】本発明の実施例によるボールジョイントを組付
する第一段部を表す部分断面平面図である。
【図5】本発明の実施例によるボールジョイントを組付
する第二段部を表す部分断面平面図である。
【図6】本発明の実施例によるボールジョイントの組付
途中の予備組立体を表す部分断面平面図である。
【図7】本発明の実施例による取着部材をダストカバー
に装着する工程を表す断面平面図である。
【図8】本発明の他の実施例によるボールジョイントを
表す部分断面平面図である。
【図9】図5のB部拡大図である。
【図10】従来のボールジョイントを表す部分断面平面
図である。
【図11】図7のC部拡大図である。
【符号の説明】
2 ボールスタッド 3 柄部 4 球頭部 6 ベアリング 11 ハウジング 14 (ハウジング)開口部 16 ダストカバー 17 (ダストカバー)大開口部 18 (ダストカバー)小開口部 19 リップ部 20 リップ部 24 取着部材 25 円筒部 26 垂直部 27 傾斜部 28 フランジ部 d (球頭部側リップ部)内径 D (反球頭部側リップ部)外径

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状の球頭部(4)と該球頭部(4)か
    ら延出する柄部(3)とを有するボールスタッド(2)
    と、該ボールスタッド(2)の球頭部(4)を包持する
    ベアリング(6)と、該ベアリング(6)を保持し、一
    方端部に内周から前記ボールスタッド(2)の柄部
    (3)を突出させる開口部(14)を有するハウジング
    (11)と、一方小開口部(18)が前記ボールスタッ
    ド(2)の柄部(3)外周に、他方大開口部(17)が
    前記ハウジング(11)の外周側に装着されるダストカ
    バー(16)と、該ダストカバー(16)の一方小開口
    部(18)内側に位置し、軸線方向に延びる略円筒状の
    円筒部(25)と該円筒部(25)の前記ボールスタッ
    ド(2)の反球頭部側端部から外周方向に延びるフラン
    ジ部(28)とから構成される取付部材(24)とから
    なるボールジョイントにおいて、前記取付部材(24)
    の円筒部(25)は、前記フランジ部(28)から連続
    し軸線に沿って延びる垂直部(26)と該垂直部(2
    6)の反フランジ部側端部から外周方向に傾斜する傾斜
    部(27)とよりなり、前記ダストカバー(16)の小
    開口部(18)の内周には複数のリップ部(19,2
    0)が形成され、前記ボールスタッド(2)の球頭部
    (4)側のリップ部(20)内径(D)は、他のリップ
    部(19)内径(d)より大径に形成されていることを
    特徴とするボールジョイント。
  2. 【請求項2】 前記ボールジョイントのダストカバー
    (16)は小開口部(18)内周に、球頭部(4)側か
    ら漸次小径となる複数のリップ部(70)を有している
    ことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
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